2025年7月15日火曜日

「大野は・大野が・大野も」の「は・が・も」。

(01)
(3) 知と
この組み合わせは次のような場合に現われる。
 私大野です。
これは、「大野さんはどちらですか」というような問いに対する答えとして使われる。つまり文脈において、「大野」なる人物はすでに登場していて知である。ところが、それが実際にどの人物なのか、その帰属する先が知である。その知の対象を「私」と表現して、それをガで承けた。それゆえこの形は
 大野私です。
に置きかえてもほぼ同じ意味を表わすといえる(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、34頁)。
然るに、
(02)
従って、
(02)により、
(03)
全国的」に見れば、
 私大野です。
ではなく、
 私大野です。
というのが、「正しい」。
従って、
(01)(03)により、
(04)
大野さんどちらですか」
「私大野ですが、・・・・・。」
ということからすれば、
「私(知)大野知)です。」というだけでなく、
「私(知)大野知)です。」ということに、ならざるを得ない
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① 私大野です。
大野私です。
において、
①=② である。
ということは、
①(全国的に)私大野です。
②(全国的に大野私です。
ということではなく、飽くまでも、
①(今、この場においては)私大野です。
②(今、この場においては大野私です。
において、
①=② である。
という、ことになる。
然るに、
(06)
故に、Pであるときまたそのときに限ってQ(Q if and only if P)を主張することは、PならばQと、Pであるときに限ってQとを主張することであり、これは、PならばQと、Q ならばPとを主張することに他ならない。 すなわち、記号で書けば、
(P→Q)&(Q→P)
である(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、38頁)。
然るに、
(07)
(ⅰ)
1  (1)  (P→Q)&(Q→P) A
1  (2)  (P→Q)       1&E
1  (3)        (Q→P) 1&E
 4 (4)          ~P  A
  5(5)         Q    A
1 5(6)           P  35MPP
145(7)        ~P&P  46&I
14 (8)          ~Q  57RAA
1  (9)       ~P→~Q  48CP
1  (ア)(P→Q)&(~P→~Q) 29&I
(ⅱ)
1  (1)(P→Q)&(~P→~Q) 29&I
1  (2)(P→Q)         1&E
1  (3)      (~P→~Q) 1&E
 4 (4)           Q  A
  5(5)       ~P     A
1 5(6)          ~Q  35MPP
145(7)        Q&~Q  46&I
14 (8)      ~~P     57RAA
14 (9)        P     8DN
1  (ア)        Q→ P  49CP
1  (イ)(P→Q)&(Q→P)   2ア&I
従って、
(06)(07)により、
(08)
①(P→Q)&( Q→ P)
②(P→Q)&(~P→~Q)
において、すなわち、
①(Pならば、Qであって)尚且つ(Qならば、Pである)。
②(Pならば、Qであって)尚且つ(Pでないならば、Qでない)。
において、すなわち、
①(PはQであり)尚且つ(QはPである)。
②(PはQであり)尚且つ(P以外はQでない)。
において、
①=② である。
従って、
(08)により、
(09)
①(私は大野であり)尚且つ(大野は私である)。
②(私は大野であり)尚且つ(私以外大野ではない)。
において、
①=② である。
従って、
(01)(09)により、
(10)
①  私大野である。
②(私は大野であり)尚且つ(私以外大野ではない)。
において、
①=② である。
従って、
(01)(10)により、
(11)
(3) 知と
この組み合わせは次のような場合に現われる。
 私大野です。
これは、「大野さんどちらですか」というような問いに対する答えとして使われる。つまり文脈において、「大野」なる人物はすでに登場していて既知である。ところが、それが実際にどの人物なのか、その帰属する先が未知である。その未知の対象を「私」と表現して、それをガで承けた。それゆえこの形は
 大野私です。
に置きかえてもほぼ同じ意味を表わすといえる(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、34頁)。
という「説明」は、「不要」である。
令和7年7月15日、毛利太。

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