2024年4月1日月曜日

「唯一のxがFである」の「述語論理」(Ⅱ)。

(01)
「一昨日(令和6年3月30日)の記事」でも示した通り、
{xの変域}={a,b,c}
であるとして、
⑪ ∃x∃y(Fx&Fy)
であるならば、
①(Fa&Fa)
②(Fb&Fb)
③(Fc&Fc)
④(   Fb&Fc)
⑤(Fa   &Fc)
⑥(Fa&Fb   )
⑦(Fa&Fb&Fc)
といふ「7通り」が、「真」であることが「可能」である。
従って、
(01)により、
(02)
⑫ ∃x∃y{(Fx&Fy)&(xy)}
といふ「論理式」ではなく
⑪ ∃x∃y{(Fx&Fy)&(xy)}
といふ「論理式」が「真」であるならば、
①(Fa&Fa)
②(Fb&Fb)
③(Fc&Fc)
といふ「3通りの内の、どれか1つが真」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
⑪ ∃x∃y{(Fx&Fy)&(xy)}
といふ「論理式」ではなく
⑫ ∃x∃y{(Fx&Fy)&(xy)}
といふ「論理式」が「真」であるならば、
④(   Fb&Fc)
⑤(Fa   &Fc)
⑥(Fa&Fb   )
⑦(Fa&Fb&Fc)
といふ「4通りの内の、どれか1つが真」である。
然るに、
(04)
④(   Fb&Fc)
⑤(Fa   &Fc)
⑥(Fa&Fb   )
⑦(Fa&Fb&Fc)
といふ「4通りの内の、どれか1つが真」である。
といふことは、{a,b,c}の中の、
⑫「2個以上の個体が、Fである。」
といふ、ことである。
従って、
(03)(04)により、
(05)
⑫  ∃x∃y{(Fx&Fy)&(x≠y)}
⑬ ~∃x∃y{(Fx&Fy)&(x≠y)}
といふ「論理式」は、それぞれ、
⑫「2個以上の個体が、Fである。」
⑬「2個以上の個体が、Fである。」といふことはない。
といふ「意味」である。
然るに、
(06)
(ⅲ)
1(1)~∃x∃y{(Fx&Fy)&(x≠y)} A
1(2)∀x~∃y{(Fx&Fy)&(x≠y)} 1量化子の関係
1(3)∀x∀y~{(Fx&Fy)&(x≠y)} 2量化子の関係
1(4)  ∀y~{(Fa&Fy)&(a≠y)} 3UE
1(5)    ~{(Fa&Fb)&(a≠b)} 4UE
1(6)     ~(Fa&Fb)∨(a=b)  5ド・モルガンの法則
1(7)      (Fa&Fb)→(a=b)  6含意の定義
1(8)   ∀y{(Fa&Fy)→(a=y)} 7UI
1(9) ∀x∀y{(Fx&Fy)→(x=y)} 8UI
(ⅳ)
1(1) ∀x∀y{(Fx&Fy)→(x=y)} A
1(2)   ∀y{(Fa&Fy)→(a=y)} 1UE
1(3)      (Fa&Fb)→(a=b)  2UE
1(4)     ~(Fa&Fb)∨(a=b)  3含意の定義
1(5)    ~{(Fa&Fb)&(a≠b)} 4ド・モルガンの法則
1(6)  ∀y~{(Fa&Fy)&(a≠y)} 5UI
1(7)∀x∀y~{(Fx&Fy)&(x≠y)} 6UI
1(8)∀x~∃y{(Fx&Fy)&(x≠y)} 7量化子の関係
1(9)~∃x∃y{(Fx&Fy)&(x≠y)} 8量化子の関係
従って、
(05)(06)により、
(07)
⑬ ~∃x∃y{(Fx&Fy)&(x≠y)}
⑭  ∀x∀y{(Fx&Fy)→(x=y)}
に於いて、
⑬=⑭ である。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
⑬ ~∃x∃y{(Fx&Fy)&(x≠y)}
⑭  ∀x∀y{(Fx&Fy)→(x=y)}
といふ「論理式」、すなはち、
⑬「あるxとあるyについて(xがFであって、yもFであって、xとyが「同一」ではない。」といふことはない。
⑭「すべてのxとyについて(xがFであって、yもFであるならば、xとyは、「同一」である)。」
といふ「論理式」は、「両方」とも、
⑬「2個以上の個体が、Fである。」といふことはない。
⑭「2個以上の個体が、Fである。」といふことはない。
といふ「意味」である。
然るに、
(09)
⑭ ∃x(Fx)
といふ「論理式」、すなはち、
⑭「(Fであるx)が存在する。」
といふ「論理式」は、
⑭「1個以上の個体が、Fである。」
といふ「意味」である。
従って、
(08)(09)により、
(10)
⑭ ∃x(Fx)&∀x∀y{(Fx&Fy)→(x=y)}
といふ「論理式」は、
⑭「1個以上の個体が、Fである」が、「2個以上の個体が、Fである」といふことはない。
といふ「意味」である。
然るに、
(11)
(ⅳ)
1  (1)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) A
1  (2)∃xFx                 1&E
 3 (3)  Fa                 A
1  (4)     ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 1&E
1  (5)       ∀y(Fa&Fy→a=y) 4UE
1  (6)          Fa&Fb→a=b  5UE
  7(7)             Fb      A
 37(8)          Fa&Fb      37&I
137(9)                a=b  68MPP
13 (ア)          Fb→a=b     79CP
13 (イ)       ∀y(Fy→a=y)    アUI
13 (ウ)    Fa&∀y(Fy→a=y)    3イ&I
13 (エ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}   ウEI
1  (オ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}   23エEE
(ⅴ)
1  (1)∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}    A
 2 (2)   Fa&∀y(Fy→a=y)     A
 2 (3)      ∀y(Fy→a=y)     2&E
 2 (4)         Fb→a=b      3UE
  5(5)      Fa&Fb          A
  5(6)         Fb          5&E
 25(7)            a=b      46MPP
 2 (8)      Fa&Fb→a=b      57CP
 2 (9)   ∀y(Fa&Fy→a=y)     8UI
 2 (ア) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)     9UI
 2 (イ)Fa                   2&E
 2 (ウ)∃xFx                 イEI
 2 (エ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) アウ&I
1  (ウ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 12エEE
従って、
(11)により、
(12)
⑭ ∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
⑮ ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
に於いて、
⑭=⑮ である。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
⑭ ∃x(Fx)&∀x∀y{(Fx&Fy)→(x=y)}
⑮ ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
といふ「論理式」、すなはち、
⑭「あるxはFであり、すべてのxとyについて(xがFであって、yもFであるならば、xとyは、「同一」である)。」
⑮「あるxはFであり、すべてのyについて(yがFであるならば、xとyは、「同一」である)。」
といふ「論理式」は、「両方」とも、
⑭「1個以上の個体が、Fである」が、「2個以上の個体が、Fである」といふことはない。
⑮「1個以上の個体が、Fである」が、「2個以上の個体が、Fである」といふことはない。
といふ「意味」である。
然るに、
(14)
⑮「1個以上の個体が、Fである」が、「2個以上の個体が、Fである」といふことはない。
といふことは、
⑮「唯一の個体だけが、Fである。」
といふ「意味」である。
従って、
(13)(14)により、
(15)
⑮ ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
といふ「論理式」、すなはち、
⑮「あるxはFであり、すべてのyについて(yがFであるならば、xとyは、「同一」である)。」
といふ「論理式」は、
⑮「唯一の個体だけが、Fである。」
といふ「意味」である。
従って、
(15)により、
(16)
⑮ ∃x{偶素数x&∀y(偶素数y→x=y=2)}
といふ「論理式」は、
⑮「偶数の素数は、2だけである。」
といふ「意味」である。
然るに、
(15)(16)により、
(17)
「自然2が、個体である」といふのは「ヲカシイ」ものの、
「述語論理」では、「xやyやz」を「個体変数(individual variable)」と言ふ。
令和6年4月1日、毛利太。

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