2022年4月30日土曜日

「∃x(存在)と∀y(全て)」について。

(01)
『結論』として、
①  ∃x{少女x&∀y(少年y→  愛yx)}
②  ∀x{少年x→∃y(少女y&  愛xy)}
③ ~∀x{少女x→∃y(少年y&~愛yx)}
④ ~∃x{少年x&∀y(少女y→~愛xy)}
に於いて、従って、
① 少女為全少年所一レ愛 (全ての少年によって、愛される所の少女が存在する)。
② 少年皆有其所愛少女(どのやうな少年であっても、愛する所の少女がゐる)。
③(どのやうな少女であっても、彼女を愛さない少年がゐる)といふわけではない。
④(どのやうな少女をも、愛さない)といふ、そのやうな少年は存在しない。
に於いて、
①=③ であって、
②=④ である。
(02)
(34)すべての少年はある少女を愛する。
この文には多義性が含まれていることが知られている。これは、
(ⅰ)すべての少年に愛されるあるひとりの(非常に幸運な)少女が存在する。
という意味かも知れないし、あるいは、
(ⅱ)すべての少年に対して、彼が愛する(さいわいに別々の)少女が見つかる。
という意味かも知れない。
(34)Every boy loves a certain girl.
We detect here ambiguity: this measn(ⅰ)that there is someone(very fortunate)girl who is loved by every boy;
or(ⅱ)that for every boy there can be found some(with luck,different)girl whom he loves.
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳 と原文、1973年、127頁)
然るに、
(03)
{少年の集合}={d,e,f}
であるとして、
①{少女a&(少年d→愛da&少年e→愛ea&少年f→愛fa)}⇔
①{aは少女であって、(dが少年であるならばdはaを愛してゐて、eが少年であるならばeはaを愛してゐて、fが少年であるならばfはaを愛してゐる)}。
とするならば、
① 少女aは、すべての少年(d,e,f)によって、愛されている。
従って、
(03)により、
(04)
{少女の集合}={a,b,c}
であるとして、
①{少女a&(少年d→愛da&少年e→愛ea&少年f→愛fa)}∨
①{少女b&(少年d→愛db&少年e→愛eb&少年f→愛fb)}∨
①{少女c&(少年d→愛dc&少年e→愛ec&少年f→愛fc)}.
とするならば、すなはち、
①{aは少女であって、(dが少年であるならばdはaを愛してゐて、eが少年であるならばeはaを愛してゐて、fが少年であるならばfはaを愛してゐる)}か、または、
①{bは少女であって、(dが少年であるならばdはbを愛してゐて、eが少年であるならばeはbを愛してゐて、fが少年であるならばfはbを愛してゐる)}か、または、
①{cは少女であって、(dが少年であるならばdはcを愛してゐて、eが少年であるならばeはcを愛してゐて、fが少年であるならばfはcを愛してゐる)}。
とするならば、
{少女の集合(a,b,c)}の中の、少なくとも1人が、
{少年の集合(d,e,f)}の中の、全員から「愛されてゐる」。
といふことになる。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
(ⅰ)すべての少年に愛されるあるひとりの(非常に幸運な)少女が存在する。
といふのであれば、その場合は、
①{少女a&(少年d→愛da&少年e→愛ea&少年f→愛fa)}∨
①{少女b&(少年d→愛db&少年e→愛eb&少年f→愛fb)}∨
①{少女c&(少年d→愛dc&少年e→愛ec&少年f→愛fc)}.
である。
然るに、
(06)
②{少年d→(少女a&愛da)∨(少女b&愛db)∨(少女c&愛dc)}&
②{少年e→(少女a&愛ea)∨(少女b&愛eb)∨(少女c&愛ec)}&
②{少年f→(少女a&愛fa)∨(少女b&愛fb)∨(少女c&愛fc)}.
とするならば、すなはち、
②{dが少年であるならば、(aは少女であって、dはaを愛するか、または、bは少女であって、dはbを愛するか、または、cは少女であって、dはcを愛し)}、その上、
②{eが少年であるならば、(aは少女であって、eはaを愛するか、または、bは少女であって、eはbを愛するか、または、cは少女であって、eはcを愛し)}、その上、
②{fが少年であるならば、(aは少女であって、fはaを愛するか、または、bは少女であって、fはbを愛するか、または、cは少女であって、fはcを愛す)}。
とするならば、
{少年の集合(d,e,f)}の全員が、
{少女の集合(a,b,c)}の中の、少なくとも1人を愛してゐる。
といふことになる。
従って、
(02)~(06)により、
(07)
(34)Every boy loves a certain girl.
(34)すべての少年はある少女を愛する。
といふ「命題」は、
(ⅰ)すべての少年に愛されるあるひとりの(非常に幸運な)少女が存在する。
(ⅱ)すべての少年に対して、彼が愛する(さいわい別々の)少女が見つかる。
に於いて、
(ⅰ)であれば、
①{少女a&(少年d→愛da&少年e→愛ea&少年f→愛fa)}∨{少女b&(少年d→愛db&少年e→愛eb&少年f→愛fb)}∨{少女c&(少年d→愛dc&少年e→愛ec&少年f→愛fc)}.
といふ風に、書くこと出来、
(ⅱ)であれば、
②{少年d→(少女a&愛da)∨(少女b&愛db)∨(少女c&愛dc)}&{少年e→(少女a&愛ea)∨(少女b&愛eb)∨(少女c&愛ec)}&{少年f→(少女a&愛fa)∨(少女b&愛fb)∨(少女c&愛fc)}.
といふ風に、書くこと出来る。
然るに、
(08)
①{少女a&(少年d→愛da&少年e→愛ea&少年f→愛fa)}∨{少女b&(少年d→愛db&少年e→愛eb&少年f→愛fb)}∨{少女c&(少年d→愛dc&少年e→愛ec&少年f→愛fc)}.
②{少年d→(少女a&愛da)∨(少女b&愛db)∨(少女c&愛dc)}&{少年e→(少女a&愛ea)∨(少女b&愛eb)∨(少女c&愛ec)}&{少年f→(少女a&愛fa)∨(少女b&愛fb)∨(少女c&愛fc)}.
は、それぞれ、
① ∃x{少女x&∀y(少年y→愛yx)}
② ∀x{少年x→∃y(少女y&愛xy)}
といふ風に、書くこと出来る。
従って、
(02)~(08)により、
(09)
①(Every boy loves a certain girl)ではない。
②(Every boy loves a certain girl)ではない。
といふ「否定命題」は、
① ~∃x{少女x&∀y(少年y→愛yx)}
② ~∀x{少年x→∃y(少女y&愛xy)}
といふ風に、書くこと出来る。
然るに、
(10)
(a)
1  (1)~∃x{少女x&∀y(少年y→愛yx)} A
1  (2)∀x~{少女x&∀y(少年y→愛yx)} 1量化子の関係
1  (3)  ~{少女a&∀y(少年y→愛ya)} 1UE
1  (4)  ~少女a∨~∀y(少年y→愛ya)  3ド・モルガンの法則
 2 (5)       ~∀y(少年y→愛ya)  A
 2 (6)       ∃y~(少年y→愛ya)  5量化子の関係
 2 (7)         ~(少年b→愛ba)  A
 2 (8)        ~(~少年b∨愛ba)  7含意の定義
 2 (9)          少年b&~愛ba   8ド・モルガンの法則
 2 (ア)       ∃y(少年y&~愛ya)  9EI
 2 (イ)  ~少女a∨∃y(少年y&~愛ya)  ア∨I
  ウ(ウ)  ~少女a               A
  ウ(エ)  ~少女a∨∃y(少年y&~愛ya)  ウ∨I
1  (オ)  ~少女a∨∃y(少年y&~愛ya)  12イウエ∨E
1  (カ)   少女a→∃y(少年y&~愛ya)  オ含意の定義
1  (キ)∀x{少女x→∃y(少年y&~愛yx)} カUI
(b)
1   (1)∀x{少女x→∃y(少年y&~愛yx)} A
1   (2)   少女a→∃y(少年y&~愛ya)  1UE
1   (3)  ~少女a∨∃y(少年y&~愛ya)  2含意の定義
 4  (4)       ∃y(少年y&~愛ya)  A
  5 (5)          少年b&~愛ba   A
  5 (6)       ~(~少年b∨ 愛ba)  5ド・モルガンの法則
  5 (7)        ~(少年b→ 愛ba)  6含意の定義
  5 (8)      ∃y~(少年y→ 愛ya)  7EI
 4  (9)      ∃y~(少年y→ 愛ya)  458EE
 4  (ア)      ~∀y(少年y→ 愛ya)  9量化子の関係
 4  (イ) ~少女a∨~∀y(少年y→ 愛ya)  ア∨I
   ウ(ウ) ~少女a                A
   ウ(エ)  ~少女a∨~∀y(少年y→愛ya)  ウ∨I
1   (オ)  ~少女a∨~∀y(少年y→愛ya)  14イウエ∨E
1   (カ)∀x~{少女x&∀y(少年y→愛yx)} オUI
1   (キ)~∃x{少女x&∀y(少年y→愛yx)} カ量化子の関係
(11)
(c)
1 (1)~∀x{少年x→∃y(少女y&愛xy)} A
1 (2)∃x~{少年x→∃y(少女y&愛xy)} 1量化子の関係
 3(3)  ~{少年a→∃y(少女y&愛ay)} A
 3(4) ~{~少年a∨∃y(少女y&愛ay)} 3含意の定義
 3(5)   少年a&~∃y(少女y&愛ay)  4ド・モルガンの法則
 3(6)   少年a               5&E
 3(7)       ~∃y(少女y&愛ay)  6&E
 3(8)       ∀y~(少女y&愛ay)  7量化子の関係
 3(9)         ~(少女b&愛ab)  8UE
 3(ア)         ~少女b∨~愛ab   9ド・モルガンの法則
 3(イ)          少女b→~愛ab   ア含意の定義
 3(ウ)       ∀y(少女y→~愛ay)  イUI
 3(エ)   少年a&∀y(少女y→~愛ay)  6ウ&I
 3(オ)∃x{少年x&∀y(少女y→~愛xy)} エEI
1 (カ)∃x{少年x&∀y(少女y→~愛xy)} 13オEE
(d)
1 (1) ∃x{少年x&∀y(少女y→~愛xy} A
 2(2)    少年a&∀y(少女y→~愛ay) A
 2(3)    少年a              2&E
 2(4)        ∀y(少女y→~愛ay  2&E
 2(5)           少女b→~愛ab  4UE
 2(6)          ~少女b∨~愛ab  5含意の定義
 2(7)          ~(少女b&愛ab) 6ド・モルガンの法則
 2(8)        ∀y~(少女b&愛ab) 7UI
 2(9)        ~∃y(少女b&愛ab) 8量化子の関係
 2(ア)    少年a&~∃y(少女b&愛ab) 39&I
 2(イ) ~{~少年a∨∃y(少女y&愛ay)} ア、ド・モルガンの法則
 2(ウ)  ~{少年a→∃y(少女y&愛ay)} イ含意の定義
 2(エ)∃x~{少年x→∃y(少女y&愛xy)} ウEI
1 (オ)∃x~{少年x→∃y(少女y&愛xy)} 12エEE
1 (カ)~∀x{少年x→∃y(少女y&愛xy)} オ量化子の関係
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
① ~∃x{少女x&∀y(少年y→  愛yx)}
② ~∀x{少年x→∃y(少女y&  愛xy)}
③  ∀x{少女x→∃y(少年y&~愛yx)}
④  ∃x{少年x&∀y(少女y→~愛xy)}
に於いて、
①=③ であって、
②=④ である。
従って、
(12)により、
(13)
① ~~∃x{少女x&∀y(少年y→  愛yx)}
② ~~∀x{少年x→∃y(少女y&  愛xy)}
③  ~∀x{少女x→∃y(少年y&~愛yx)}
④  ~∃x{少年x&∀y(少女y→~愛xy)}
に於いて、
①=③ であって、
②=④ である。
従って、
(13)により、
(14)
「二重否定(DN)」により、
①  ∃x{少女x&∀y(少年y→  愛yx)}
②  ∀x{少年x→∃y(少女y&  愛xy)}
③ ~∀x{少女x→∃y(少年y&~愛yx)}
④ ~∃x{少年x&∀y(少女y→~愛xy)}
に於いて、
①=③ であって、
②=④ である。
従って、
(14)により、
(15)
①  全ての少年によって、愛される所の少女が存在する。
②  どのやうな少年であっても、愛する所の少女がゐる。
③(どのやうな少女であっても、彼女を愛さない少年がゐる)といふわけではない。
④(どのやうな少女をも、愛さない)といふ、そのやうな少年は存在しない。
に於いて、
①=③ であって、
②=④ である。
令和04年04月30日、毛利太。

2022年4月29日金曜日

「All the nice girls love a sailor」の「述語論理」×3。

(01)
(37) All the nice girls love a sailor.
いまひとつの多義性(ambiguity)がこの文には見いだされる。
この文は、
(ⅰ)すべてのxに対して、xが素敵な少女であるならば、xはある水夫を愛する。    の意味なのであろうか。
(ⅱ)すべてのxに対して、xが素敵な少女であるならば、xはどのような水夫をも愛する。の意味なのであろうか。
(E.J.レモ 著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、128頁改)
然るに、
(02)
{少年の集合}={a,b}
{少女の集合}={c,d,e}
とするならば、
① All the nice girls love a sailor.
② All the nice girls love a sailor.
といふ「1つ(意味は2つ)の英文」は、
(ⅰ)
{[cが素敵であってcが少女であるならば、(aは水夫であって、cはaを愛している)か、または(bは水夫であって、cはbを愛している)。]その上、
{[dが素敵であってdが少女であるならば、(aは水夫であって、dはaを愛している)か、または(bは水夫であって、dはbを愛している)。]その上、
{[eが素敵であってeが少女であるならば、(aは水夫であって、eはaを愛している)か、または(bは水夫であって、eはbを愛している)。]}。
(ⅱ)
{[cが素敵であってcが少女であるならば、(aが水夫であるならば、cはaを愛していて、)その上、(bが水夫であるならば、cはbを愛していて、)]その上、
{[dが素敵であってdが少女であるならば、(aが水夫であるならば、dはaを愛していて、)その上、(bが水夫であるならば、dはbを愛していて、)]その上、
{[eが素敵であってeが少女であるならば、(aが水夫であるならば、eはaを愛していて、)その上、(bが水夫であるならば、eはbを愛していて、)]}。
といふ「意味」になる。
従って、
(02)により、
(03)
N=素敵である。
G=少女である。
S=水夫である。
L=愛す。
とすると、
① All the nice girls love a sailor.
② All the nice girls love a sailor.
といふ「1つ(意味は2つ)の英文」は、
①{[Nc&Gc→(Sa&Lca)∨(Sb&Lcb)]&[Nd&Gd→(Sa&Lda)∨(Sb&Ldb)]&[Ne&Ge→(Sa&Lea)∨(Sb&Leb)]}
②{[Nc&Gc→(Sa→Lca)&(Sb→Lcb)]&[Nd&Gd→(Sa→Lda)&(Sb→Ldb)]&[Ne&Ge→(Sa→Lea)&(Sb→Leb)]}
といふ風に、「翻訳」出来る。
然るに、
(04)
①{[Nc&Gc→(Sa&Lca)∨(Sb&Lcb)]&[Nd&Gd→(Sa&Lda)∨(Sb&Ldb)]&[Ne&Ge→(Sa&Lea)∨(Sb&Leb)]}
②{[Nc&Gc→(Sa→Lca)&(Sb→Lcb)]&[Nd&Gd→(Sa→Lda)&(Sb→Ldb)]&[Ne&Ge→(Sa→Lea)&(Sb→Leb)]}
といふ「論式」は、「E.J.レモ 著、論理学初歩」に於いては、
① ∀x{(Nx&Gx)→∃y(Sy&Lxy)}
② ∀x{(Nx&Gx)→∀y(Sy→Lxy)}
といふ風に書く。
然るに、
(05)
① All the nice girls love a sailor.
② All the nice girls love a sailor.
といふ「1つ(意味は2つ)の英文」の「否定」は、
① It is not true that All the nice girls love a sailor.
② It is not true that All the nice girls love a sailor.
であって、
① ∀x{(Nx&Gx)→∃y(Sy&Lxy)}
② ∀x{(Nx&Gx)→∀y(Sy→Lxy)}
の「否定」は、
① ~∀x{(Nx&Gx)→∃y(Sy&Lxy)}
② ~∀x{(Nx&Gx)→∀y(Sy→Lxy)}
である。
然るに、
(06)
(a)
1    (1)~∀x{(Nx&Gx)→ ∃y(Sy&Lxy)}  A
1    (2)∃x~{(Nx&Gx)→ ∃y(Sy&Lxy)}  1含意の定義
 3   (3)  ~{(Na&Ga)→ ∃y(Sy&Lay)}  1UE
  4  (4)   ~(Na&Ga)∨ ∃y(Sy&Lay)   A
  4  (5)    (Na&Ga)→ ∃y(Sy&Lay)   4含意の定義
 34  (6)  ~{(Na&Ga)→ ∃y(Sy&Lay)}&
           {(Na&Ga)→ ∃y(Sy&Lay)}  35&I
 3   (7) ~{~(Na&Ga)∨ ∃y(Sy&Lay)   46RAA
 3   (8)    (Na&Ga)&~∃y(Sy&Lay)   7ド・モルガンの法則
 3   (9)    (Na&Ga)               8&E
 3   (ア)            ~∃y(Sy&Lay)   8&E
 3   (イ)            ∀y~(Sy&Lay)   A量化子の関係
 3   (ウ)              ~(Sb&Lab)   イUE
   エ (エ)                Sb        A
    オ(オ)                   Lab    A
   エオ(カ)                Sb&Lab    エオ&I
 3 エオ(キ)     ~(Sb&Lab)&(Sb&Lab)   ウカ&I
 3 エ (ク)                  ~Lab    オキRAA
 3   (ケ)               Sb→~Lab    エクCP
 3   (コ)            ∀y(Sy→~Lay)   ケUI
 3   (サ)    (Na&Ga)&∀y(Sy→~Lay)   クコ&I
 3   (シ) ∃x{(Nx&Gx)&∀y(Sy→~Lxy)}  サEI
1    (ス) ∃x{(Nx&Gx)&∀y(Sy→~Lxy)}  13シEE
(b)
1    (1) ∃x{(Nx&Gx)&∀y(Sy→~Lxy)}  A
 2   (2)    (Na&Ga)&∀y(Sy→~Lay)   A
 2   (3)    (Na&Ga)               2&E
 2   (4)            ∀y(Sy→~Lay)   2&E
 2   (5)               Sb→~Lab    4UE
 2   (6)              ~Sb∨~Lab    5含意の定義
 2   (7)              ~(Sb&Lab)   6ド・モルガンの法則
 2   (8)            ∀y~(Sy&Lay)   7UI
 2   (9)            ~∃y(Sy&Lay)   8量化子の関係
  ア  (ア)    (Na&Ga)→ ∃y(Sy&Lay)   A
 2ア  (イ)             ∃y(Sy&Lay)   3アMPP
 2ア  (ウ) ~∃y(Sy&Lay)&∃y(Sy&Lay)   9イ&I
 2   (エ)  ~{(Na&Ga)→ ∃y(Sy&Lay)}  アウRAA
 2   (オ)∃x~{(Nx&Gx)→ ∃y(Sy&Lxy)}  エEI
1    (カ)∃x~{(Nx&Gx)→ ∃y(Sy&Lxy)}  12オEE
1    (キ)~∀x{(Nx&Gx)→ ∃y(Sy&Lxy)}  カ量化子の関係
(07)
(c)
1    (1)~∀x{(Nx&Gx)→ ∀y(Sy→Lxy)}  A
1    (2)∃x~{(Nx&Gx)→ ∀y(Sy→Lxy)}  1量化子の関係
 3   (3)  ~{(Na&Ga)→ ∀y(Sy→Lay)}  2UE
  4  (4)   ~(Na&Ga)∨ ∀y(Sy→Lay)   A
  4  (5)    (Na&Ga)→ ∀y(Sy→Lay)   4含意の定義
 34  (6)  ~{(Na&Ga)→ ∀y(Sy→Lay)}&
           {(Na&Ga)→ ∀y(Sy→Lay)}  35&I
 3   (7) ~{~(Na&Ga)∨ ∀y(Sy→Lay)}  46RAA
 3   (8)    (Na&Ga)&~∀y(Sy→Lay)   7ド・モルガンの法則
 3   (9)    (Na&Ga)               8&E
 3   (ア)            ~∀y(Sy→Lay)   8&E
 3   (イ)            ∃y~(Sy→Lay)   ア含意の定義
   ウ (ウ)              ~(Sy→Lay)   A
    エ(エ)               ~Sb∨Lab    A
    エ(オ)                Sb→Lab    エ含意の定義
   ウエ(カ)     ~(Sy→Lay)&(Sb→Lab)   ウオ&I
   ウ (キ)             ~(~Sb∨Lab)   エカRAA
   ウ (ク)               Sb&~Lab    キ、ド・モルガンの法則
   ウ (ケ)            ∃y(Sy&~Lay)   クEI
  3  (コ)            ∃y(Sy&~Lay)   イウEE
  3  (サ)    (Na&Ga)&∃y(Sy&~Lay)   9コ&I
  3  (シ) ∃x{(Nx&Gx)&∃y(Sy&~Lxy)}  サEI
1    (ス) ∃x{(Nx&Gx)&∃y(Sy&~Lxy)}  13シEE
(d)
1    (1) ∃x{(Nx&Gx)&∃y(Sy&~Lxy)}  A
 2   (2)    (Na&Ga)&∃y(Sy&~Lay)   A
 2   (3)    (Na&Ga)               2&E
 2   (4)            ∃y(Sy&~Lay)   2&E
  2  (5)               Sb&~Lab    A
   6 (6)               Sb→ Lab    A
  2  (7)               Sb         5&E
  26 (8)                   Lab    67MPP
   6 (9)                  ~Lab    5&E
  26 (ア)              Lab&~Lab    89&I
  2  (イ)              ~(Sb→Lab)   6アRAA
  2  (ウ)            ∃y~(Sy→Lay)   イEI
  2  (エ)            ~∀y(Sy→Lay)   ウ量化子の関係
    オ(オ)    (Na&Ga)→ ∀y(Sy→Lay)   A
  2 オ(カ)             ∀y(Sy→Lay)   3オMPP
  2 オ(キ) ~∀y(Sy→Lay)&∀y(Sy→Lay)   エカ&I
  2  (ク)  ~{(Na&Ga)→ ∀y(Sy→Lay)}  オキRAA
  2  (ケ)∃x~{(Nx&Gx)→ ∀y(Sy→Lxy)}  クEI
1    (コ)∃x~{(Nx&Gx)→ ∀y(Sy→Lxy)}  12ケEE
1    (サ)~∀x{(Nx&Gx)&∃y(Sy&~Lxy)}  コ量化子の関係
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
① All the nice girls love a sailor.
② All the nice girls love a sailor.
といふ「1つ(意味は2つ)の英文」の「否定」は、
① It is not true that All the nice girls love a sailor.
② It is not true that All the nice girls love a sailor.
であって、
① ∀x{(Nx&Gx)→∃y(Sy&Lxy)}
② ∀x{(Nx&Gx)→∀y(Sy→Lxy)}
の「否定」は、
① ~∀x{(Nx&Gx)→∃y(Sy&Lxy)}
② ~∀x{(Nx&Gx)→∀y(Sy→Lxy)}
であって、
① ~∀x{(Nx&Gx)→∃y(Sy&Lxy)}
② ~∀x{(Nx&Gx)→∀y(Sy→Lxy)}
といふ「述語論理式」は、
① ∃x{(Nx&Gx)&∀y(Sy→~Lxy)}
② ∃x{(Nx&Gx)&∃y(Sy&~Lxy)}
といふ「述語論理式」に、「等しい」。
然るに、
(09)
① ∃x{(Nx&Gx)&∀y(Sy→~Lxy)}
② ∃x{(Nx&Gx)&∃y(Sy&~Lxy)}
といふ「述語論理式」は、
① あるxは{(素敵な少女)であって、すべてのyについて(yが水夫であるならば、xはyを愛さない)}。
② あるxは{(素敵な少女)であって、あるyは(水夫であって、xはyを愛さない)}。
といふ「意味」である。
然るに、
(10)
① あるxは{(素敵な少女)であって、すべてのyについて(yが水夫であるならば、xはyを愛さない)}。
② あるxは{(素敵な少女)であって、あるyは(水夫であって、xはyを愛さない)}。
といふことは、
① 幾人かの素敵な少女は、 いかなる水夫を愛さない。
② 幾人かの素敵な少女には、愛していない水夫がゐる。
といふことに、他ならない。
従って、
(01)~(10)により、
(11)
① It is not true that All the nice girls love a sailor.
② It is not true that All the nice girls love a sailor.
といふ「1つ(意味は2つ)の英文」は、
① ∃x{(Nx&Gx)&∀y(Sy→~Lxy)}
② ∃x{(Nx&Gx)&∃y(Sy&~Lxy)}
といふ「意味」、すなはち、
① 幾人かの素敵な少女は、 いかなる水夫を愛さない。
② 幾人かの素敵な少女には、愛してゐない水夫がゐる。
といふ「意味」である。
然るに、
(12)
論理学には、ある種のあいまい性を、きわめて明確に示すことができるという、大きな利点がある。例えば、
All the nice girls love a sailor.
(すべての素敵な女の子は、水夫を愛する)
という文を取り上げてみよう。 この文は、
どの素敵な女の子も、水夫を誰か愛している。
   アリスはジョーを愛し、
  メアリーはバートを愛し、
デズデモーナはビリーを愛している。
という意味にもとれるし、
この文は、
どの素敵な女の子も、一人の特定の水夫を愛している。
その水夫の名前はジャック・タールである。
という意味にもとれる。
論理学は、この二つの異なる構造をはっきり示す、厳密な表記を提供してくれるのである。
(入門言語学、ジーン・エイチソン 著、田中春美・田中幸子 訳、1980年、92頁)
然るに、
(13)
どの素敵な女の子も、一人の特定の水夫を愛している。
その水夫の名前はジャック・タールである。
という意味にもとれる。
といふのであれば、この場合は、
③ All the nice girls love a sailor.⇔
③ ∃x{Sy&∀y(Nx&Gx→Lxy)}⇔
③ あるxは{水夫であって、すべてのyについて(yが素敵な少女であるならば、yはxを愛す)}。
といふ風に、「翻訳」出来る。
従って、
(01)(12)(13)により、
(14)
① All the nice girls love a sailor.
② All the nice girls love a sailor.
③ All the nice girls love a sailor.
といふ「英語」には、少なくとも、
① ∀x{(Nx&Gx)→∃y(Sy&Lxy)}
② ∀x{(Nx&Gx)→∀y(Sy→Lxy)}
③ ∃x{Sy&∀y[(Nx&Gx)→Lxy]}
といふ「3つの意味」が有る。
令和04年04月29日、毛利太。

2022年4月28日木曜日

「述語論理」と「深層構造(?)」。

(01)
(ⅰ)
1  (1) ∀x(象x→ 動物x)  A
 2 (2) ∃x(象x&~動物x)  A
1  (3)    象a→ 動物a   1UE
  3(4)    象a&~動物a   A
  3(5)    象a        4&E
  3(6)       ~動物a   4&E
1 3(7)        動物a   36MPP
1 3(8)   ~動物a&動物a   67&I
  3(9)~∀x(象x→ 動物x)  18RAA
 2 (ア)~∀x(象x→ 動物x)  239EE
12 (イ) ∀x(象x→ 動物x)&
      ~∀x(象x→ 動物x)  1ア&I
1  (ウ)~∃x(象x&~動物x)  2イRAA
(ⅱ)
1   (1)~∃x(象x&~動物x)  A
 2  (2)    象a&~動物a   A
 2  (3) ∃x(象x&~動物x)  2EI
12  (4)~∃x(象x&~動物x)&
        ∃x(象x&~動物x)  13&I
1   (5)  ~(象a&~動物a)  24RAA
  6 (6)    象a        A
   7(7)       ~動物a   A
  67(8)    象a&~動物a   67&I
1 67(9)  ~(象a&~動物a)&
          (象a&~動物a)  58&I
1 6 (ア)      ~~動物a   79RAA
1 6 (イ)        動物a   アDN
1   (ウ)    象a→ 動物a   6イCP
1   (エ) ∀x(象x→ 動物x)  ウUI
従って、
(01)により、
(02)
①  ∀x(象x→ 動物x)
② ~∃x(象x&~動物x)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
{xの変域}={a,b,c,d,e,f,g,h}
とするならば、
① ∀x(象x→ 動物x)
② ~∃x(象x&~動物x)
といふ「述語論理式」は、それぞれ、
③  {(象a→ 動物a)&(象b→ 動物b)&(象c→ 動物c)&(象d→ 動物d)&(象e→ 動物e)&(象f→ 動物f)&(象g→ 動物g)&(象h→ 動物h)}
④ ~{(象a&~動物a)∨(象b&~動物b)∨(象c&~動物c)∨(象d&~動物d)∨(象e&~動物e)∨(象f&~動物f)∨(象g&~動物g)∨(象h&~動物h)}
といふ「論理式」に「等しい」。
従って、
(04)
③  {(象a→ 動物a)&(象b→ 動物b)&(象c→ 動物c)&(象d→ 動物d)&(象e→ 動物e)&(象f→ 動物f)&(象g→ 動物g)&(象h→ 動物h)}
④ ~{(象a&~動物a)∨(象b&~動物b)∨(象c&~動物c)∨(象d&~動物d)∨(象e&~動物e)∨(象f&~動物f)∨(象g&~動物g)∨(象h&~動物h)}
に於いても、
③=④ であるものの、そのことを『計算』で示そうとすると、
③ 123×(5+6+7+8)=3198
といふ「計算」する際に、
③(5+6+7+8)+
といふ「足し算」を「123回」やるよりも、更に『メンドクサイ(手間がかかる)』。
然るに、
(03)により、
(05)
{xの変域}={a,b,c}
とするならば、
①  ∀x(象x→ 動物x)
② ~∃x(象x&~動物x)
といふ「述語論理式」は、
③  {(象a→ 動物a)&(象b→ 動物b)&(象c→ 動物c)}
④ ~{(象a&~動物a)∨(象a&~動物a)∨(象a&~動物a)}
といふ「論理式」に「等しい」。
然るに、
(06)
(ⅲ)
1     (1)  (象a→ 動物a)&(象b→ 動物b) &(象c→ 動物c)   A
 2    (2)  (象a&~動物a)∨(象b&~動物b) ∨(象b&~動物b)   A
1     (3)  (象a→ 動物a)                        1&E
1     (4)            (象b→ 動物b)              1&E
1     (5)                       (象c→ 動物c)   1&E
 2    (6) {(象a&~動物a)∨(象b&~動物b)}∨(象c&~動物c)   2結合法則
  7   (7)  (象a&~動物a)∨(象b&~動物b)              A
   8  (8)  (象a&~動物a)                        A
   8  (9)   象a                              8&E
   8  (ア)      ~動物a                         8&E
1  8  (イ)       動物a                         39MPP
1  8  (ウ)  ~動物a&動物a                         アイ&I
   8  (エ)~{(象a→ 動物a)&(象b→ 動物b) &(象c→ 動物c)}  1ウRAA
    オ (オ)             象b&~動物b               A
    オ (カ)             象b                    オ&E
    オ (キ)                ~動物b               オ&E
1   オ (ク)                 動物b               4カMPP
1   オ (ケ)            ~動物b&動物b               キク&I
    オ (コ)~{(象a→ 動物a)&(象b→ 動物b) &(象c→ 動物c)}  1ケRAA
  7   (サ)~{(象a→ 動物a)&(象b→ 動物b) &(象c→ 動物c)}  78エオコ∨E
     シ(シ)                       (象c&~動物c)   A
     シ(ス)                        象c         シ&E
     シ(セ)                           ~動物c    シ&E
1    シ(ソ)                            動物c    5スMPP
1    シ(タ)                       ~動物c&動物c    セソ&I
     シ(チ)~{(象a→ 動物a)&(象b→ 動物b) &(象c→ 動物c)}  1タRAA
 2    (ツ)~{(象a→ 動物a)&(象b→ 動物b) &(象c→ 動物c)}  67サシチ∨E
12    (テ)~{(象a→ 動物a)&(象b→ 動物b) &(象c→ 動物c)}&
          {(象a→ 動物a)&(象b→ 動物b) &(象c→ 動物c)}  1ツ&I
1     (ト)~{(象a&~動物a)∨(象b&~動物b) ∨(象c&~動物c)}  2テRAA
(ⅳ)
1           (1)~{(象a&~動物a)∨(象b&~動物b)∨(象c&~動物c)}  A
 2          (2)   象a&~動物a                        A
 2          (3)  (象a&~動物a)∨(象b&~動物b)             2∨I
 2          (4)  (象a&~動物a)∨(象b&~動物b)∨(象c&~動物c)   3∨I
12          (5)~{(象a&~動物a)∨(象b&~動物b)∨(象c&~動物c)}&
                {(象a&~動物a)∨(象b&~動物b)∨(象c&~動物c)}  14&I
1           (6) ~(象a&~動物a)                       25RAA
  7         (7)   象a                             A
   8        (8)      ~動物a                        A
  78        (9)   象a&~動物a                        78&I
1 78        (ア) ~(象a&~動物a)&(象a&~動物a)             69&I
1 7         (イ)     ~~動物a                        8アRAA
1 7         (ウ)       動物a                        イDN
1           (エ)   象a→ 動物a                        7ウCP
      オ     (オ)             象b&~動物b              A
      オ     (カ)  (象a&~動物a)∨(象b&~動物b)             オ∨I
      オ     (キ)  (象a&~動物a)∨(象b&~動物b)∨(象c&~動物c)   カ∨I
1     オ     (ク)~{(象a&~動物a)∨(象b&~動物b)∨(象c&~動物c)}&
                {(象a&~動物a)∨(象b&~動物b)∨(象c&~動物c)}  1キ&I
1           (ケ)           ~(象b&~動物b)             オクRAA
       コ    (コ)             象b                   A
        サ   (サ)                ~動物b              A
       コサ   (シ)             象b&~動物b              コサ&I
1      コサ   (ス) ~(象b&~動物b)&(象b&~動物b)             ケシ&I
1      コ    (セ)               ~~動物b              サスRAA
1      コ    (ソ)                 動物b              セDN
1           (タ)             象b→ 動物b              コソCP
         チ  (チ)                       象c&~動物c    A
         チ  (ツ)            (象b&~動物b)∨(象c&~動物c)   チ∨I
         チ  (テ)  (象a&~動物a)∨(象b&~動物b)∨(象c&~動物c)   ツ∨I
1        チ  (ト)~{(象a&~動物a)∨(象b&~動物b)∨(象c&~動物c)}&
                {(象a&~動物a)∨(象b&~動物b)∨(象c&~動物c)}  1テ&I
1           (ナ)                     ~(象c&~動物c)   チトRAA
          ニ (ニ)                       象c         A
           ヌ(ヌ)                          ~動物c    A
          ニヌ(ネ)                       象c&~動物c    ニヌ
1         ニヌ(ノ)           ~(象c&~動物c)&(象c&~動物c)   ナネ&I
1         ニ (ハ)                         ~~動物c    ヌノRAA
1         ニ (マ)                           動物c    ハDN
1           (ミ)                       象c→ 動物c    ニマCP
1           (ム)  (象a→ 動物a)&(象b→ 動物b)             エタ&I
1           (メ)  (象a→ 動物a)&(象b→ 動物b)&(象c→ 動物c)   ミム&I
従って、
(06)により、
(07)
果たして、
③  {(象a→ 動物a)&(象b→ 動物b)&(象c→ 動物c)}
④ ~{(象a&~動物a)∨(象a&~動物a)∨(象a&~動物a)}
に於いて、
③=④ である。
従って、
(01)~(07)により、
(08)
①  ∀x(象x→ 動物x)
② ~∃x(象x&~動物x)
③  {(象a→ 動物a)&(象b→ 動物b)&(象c→ 動物c)}
④ ~{(象a&~動物a)∨(象a&~動物a)∨(象a&~動物a)}
に於いて、
①=② であって、
③=④ であって、
{xの変域}={a,b,c}
とするならば、
①=③ であって、
②=④ である。
然るに、
(09)
①  ∀x(象x→ 動物x)
② ~∃x(象x&~動物x)
といふ「述語論理式」は、「日本語」で言ふと、
① すべてのxについて(xが象であるならば、xは動物である)。
②(象であって、動物でないx)は存在しない。
といふ「意味」である。
従って、
(08)(09)により、
(10)
①  ∀x(象x→ 動物x)
② ~∃x(象x&~動物x)
といふ「論理式」、すなはち、
①  {(象a→ 動物a)&(象b→ 動物b)&(象c→ 動物c)}
② ~{(象a&~動物a)∨(象a&~動物a)∨(象a&~動物a)}
といふ「論理式」は、
① 象者動物也(象は動物なり)。
② 無象非動物(象にして動物に非ざるは無し)。
といふ「漢文(訓読)」に「相当する」。
然るに、
(11)
次の英文の( )の中は、「グーグル翻訳」である。
① Elephants are animals(象は動物である).
② No elephant is non animal(動物以外の象はいない).
然るに、
(12)
言葉」は違っても、「論理」は、『一つ』である。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
① 象者動物也。
② 無象非動物。
① 象は動物である。
② 動物でない象はゐない。
① Elephants are animals.
② No elephant is non animal.
といふ「漢文・日本語・英語」は、3つとも、
①  {(象a→ 動物a)&(象b→ 動物b)&(象c→ 動物c)}
② ~{(象a&~動物a)∨(象a&~動物a)∨(象a&~動物a)}
といふ『構造』してゐるに、違ひない。
然るに、
(14)
深層構造(deep structure)
深層構造とは言語学者、チョムスキーが考案した言葉で、すべての言語に備わっているとみられる基本的文法の普遍的な特性のことを指します。これと対比する語として表層構造という言葉があります。表層構造というのは、ある特定の言語が持つ文法の型と文章の構造のことで、その言語を他の言語と区別するものです。深層構造はすべての言語に共通な基本的原理なので、子供はそれを生まれながらに持っており、生まれたあと、周りから聞こえる言語の表層構造を解読するのに使います。
(深層構造(deep structure>」学生が解説すると、2019-10-03 | Weblog)
従って、
(13)(14)により、
(15)
①  {(象a→ 動物a)&(象b→ 動物b)&(象c→ 動物c)}
② ~{(象a&~動物a)∨(象a&~動物a)∨(象a&~動物a)}
といふ『構造』は、『深層構造(deep structure)』であるか、さうでないならば、
①  {(象a→ 動物a)&(象b→ 動物b)&(象c→ 動物c)}
② ~{(象a&~動物a)∨(象a&~動物a)∨(象a&~動物a)}
よりも、さらに深い(?)ところに、『深層構造(deep structure)』は、在ることになる。
然るに、
(16)
 ―「昭和55年4月10日 初版発行」の「古い本」であるが、そこには、次のやうに、書かれてゐる。―
ある懐疑論者によれば、深層構造は、深海の底に住むある種の神秘的な魚のようなものであるという。調査のために海面にひき上げられるやいなや、圧力の変化が大きすぎて、その魚は破裂して死んでしまい調査者たちはがっかりし、腹を立てるだけである。しかし、この類推は、二つの点で誤解を招きやすい。まず第一に、私たちは魚の存在は認めるとしても、深層構造が本当に存在するかどうか、まだ分からない。深層構造は、言語に関するある種の難解な事実を説明するために、これまで提案されたうちで、一番もっともらしい仮説にすぎないのである。
(入門言語学、ジーン・エイチソン 著、田中春美・田中幸子 訳、108頁)
令和04年04月28日、毛利太。

2022年4月27日水曜日

「千里馬常有」の「述語論理(命題計算)」。

(01)
千里馬常有。
千里の馬は常に有り。
千里を走る名馬はいつでもいる。
(韓愈、雑説)
(02)
(ⅰ)
1   (1)∀x{馬x→∃x(千里x)} A
 2  (2)∃x(馬x)         A
1   (3)   馬a→∃x(千里x)  1UE
  4 (4)   馬a          A
1 4 (5)      ∃x(千里x)  A
   6(6)         千里a   A
  46(7)   千里a&馬a      46&I
  46(8)∃x(千里x&馬x)     7EI
1 4 (9)∃x(千里x&馬x)     568EE
12  (ア)∃x(千里x&馬x)     249EE
(ⅱ)
1  (1)∀x(馬x)→∃x(千里x) A
 2 (2)∀x(馬x)         A
12 (3)       ∃x(千里x) 12MPP
 2 (4)   馬a          2UE
  5(5)          千里a  A
 25(6)   馬a&千里a      45&I
 25(7)∃x(馬x&千里x)     6EI
12 (8)∃x(馬x&千里x)     35EE
従って、
(02)により、
(03)
① ∀x{馬x →∃x(千里x)},∃x(馬x)├ ∃x(千里x&馬x)
② ∀x(馬x)→∃x(千里x) ,∃x(馬x)├ ∃x(千里x&馬x)
といふ「推論」は、両方とも「妥当」である(?)。
然るに、
(04)
(a)論理式または命題関数において、量記号が現れる任意の箇所の作用範囲(スコープ)は、問題になっている変数が現れる少なくとも2つの箇所を含むであろう(その1つの箇所は量記号そのもののなかにある);
(b)論理式または命題関数において、量記号が現れる任意の箇所の作用範囲(スコープ)は、同じ変数を用いたいかなる他の量記号も含まないであろう。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、183頁改)
従って、
(03)(04)により、
(05)
① ∀x{馬x→∃x(千里x)}
といふ「述語論理式」は、
(b)論理式または命題関数において、量記号が現れる任意の箇所の作用範囲(スコープ)は、同じ変数を用いたいかなる他の量記号も含まないであろう。
といふ「制約」に「抵触」する。
然るに、
(06)
1     (1)馬a&馬b&馬c→ 千里a∨千里b ∨千里c     A
 2    (2)馬a&馬b&馬c                   A
12    (3)          千里a∨千里b ∨千里c     12MPP
12    (4)         (千里a∨千里b)∨千里c     3結合法則
12    (5)馬a                         2&E
12    (6)   馬b                      2&E
12    (7)      馬c                   2&E
  8   (8)          千里a∨千里b          A
   9  (9)          千里a              A
12 9  (ア)          千里a&馬a           59&I
12 9  (イ)(千里a&馬a)∨(千里b&馬b)          ア∨I
12 9  (ウ)(千里a&馬a)∨(千里b&馬b)∨(千里b&馬b) イ∨I
    エ (エ)              千里b          A
12  エ (オ)          千里b&馬b           6エ&I
12  エ (カ)(千里a&馬a)∨(千里b&馬b)          エ∨I
12  エ (キ)(千里a&馬a)∨(千里b&馬b)∨(千里b&馬b) ∨I
12    (ク)(千里a&馬a)∨(千里b&馬b)∨(千里b&馬b) 89ウエキ∨I
     ケ(ケ)                   千里c     A
12   ケ(コ)                   千里c&馬c  7ケ&I
12   ケ(サ)         (千里b&馬b)∨(千里b&馬b) コ∨I
12   ケ(シ)(千里a&馬a)∨(千里b&馬b)∨(千里b&馬b) サ∨I
12    (ス)(千里a&馬a)∨(千里b&馬b)∨(千里b&馬b) 48クケシ
従って、
(07)
③ 馬a&馬b&馬c→千里a∨千里b∨千里c,馬a&馬b&馬c├(千里a&馬a)∨(千里b&馬b)∨(千里b&馬b)
といふ「推論」は「妥当」であって、尚かつ、この場合は、「命題計算」であって、「述語計算」ではないため、固より、
(b)論理式または命題関数において、量記号が現れる任意の箇所の作用範囲(スコープ)は、同じ変数を用いたいかなる他の量記号も含まないであろう。
といふ「制約」が無い。
然るに、
(08)
③ 馬a&馬b&馬c→千里a∨千里b∨千里c,馬a&馬b&馬c├(千里a&馬a)∨(千里b&馬b)∨(千里b&馬b)
の場合は、
③{a,b,c}による、{3個}であるが、
③{a,b,c}の{個数}は{100個}であっても、{100万個}であっても、{1000億個}であっても、「同じ」ことである。
従って、
(02)~(08)により、
(09)
② ∀x(馬x)  →∃x(千里x),∃x(馬x)      ├ ∃x(千里x&馬x)
③ 馬a&馬b&馬c→千里a∨千里b∨千里c,馬a&馬b&馬c├(千里a&馬a)∨(千里b&馬b)∨(千里b&馬b)
に於いて、「本質的」に、
②=③ であって、尚且つ、
③ は、「妥当」であり、それ故、
② も、「妥当」である。
従って、
(03)(05)(09)により、
(10)
① ∀x{馬x →∃x(千里x)},∃x(馬x)├ ∃x(千里x&馬x)
② ∀x(馬x)→∃x(千里x) ,∃x(馬x)├ ∃x(千里x&馬x)
に於いて、
① は「妥当」ではなく、
② は「妥当」である。
然るに、
(10)により、
(11)
「読み方」として、
① すべてのxについて、xが馬ならば、あるxは千里である。
② すべてのxについて、xが馬ならば、あるxは千里である。
であるもの、
② すべてのxについて、xが馬ならば、あるxは千里である。
といふことは、
② 馬の中には、千里の馬がゐる。
といふことになる。
然るに、
(12)
② 馬の中には、千里の馬がゐる。
とすれば、
② 馬がゐれば、その中には、千里の馬がゐる。
といふ、ことになる。
従って、
(13)
② 馬がゐる。
といふことを、「否定」しない限り、「常に」、
② 千里の馬がゐる。
といふことも、「否定」出来ない。
従って、
(01)(10)~(13)により、
(14)
② 千里馬常有。⇔
② 千里の馬は常に有り。⇔
② 千里を走る名馬はいつでもいる。⇔
② ∀x(馬x)→∃x(千里x) ⇔
② すべてのxについて、xが馬ならば、あるxは千里である。
といふ「等式」が、成立する。
令和04年04月27日、毛利太。

2022年4月26日火曜日

「千里常有而伯楽不常有」の「述語論理」。

(01)
(ⅰ)
世有伯楽、然後有千里馬。
千里馬常有、而伯楽不常有。
故雖有名馬、祇辱於奴隷人之手、駢死於槽櫪之間、不以千里称也。
(ⅱ)
世有(伯楽)、然後有(千里馬)。
千里馬常有、而伯楽不(常有)。
故雖〔有(名馬)〕、祇辱〔於(奴隷人之手)〕、駢‐死〔於(槽櫪之間)〕、不〔以(千里)称〕也。
(ⅲ)
世(伯楽)有、然後(千里馬)有。
千里馬常有、而伯楽(常有)不。
故〔(名馬)有〕雖、祇〔(奴隷人之手)於〕辱、〔(槽櫪之間)於〕駢‐死、〔(千里)以称〕不也。
(ⅳ)
世に(伯楽)有りて、然る後に(千里の馬)有り。
千里の馬は常に有れども、伯楽は(常には有ら)不。
故に〔(名馬)有りと〕雖へども、祇だ〔(奴隷人の手)に〕辱められ、〔(槽櫪の間)に〕駢‐死し、〔(千里を)以て称せられ〕不る也。
(ⅴ)
世の中に(名馬を見分ける)伯楽という人があってはじめて、一日に千里も走るような名馬が見いだされる。
(ところで)千里を走る名馬はいつでもいるのだが、(それを見ぬく)伯楽がいつでもいるというものではない。
そこで、もしりっぱな馬がいたとしても、(それを名馬だと見ぬく人がいなければ)ただ低い身分の馬飼いの手にかかって粗末に扱われ、馬小屋の中で(他の普通の馬と)首をならべて死んでゆき、千里の名馬だとしてほめたたえられることもないのである。
(雑説・韓愈 日栄社 要説 諸子百家・文章、1970年、177頁)
然るに、
(02)
1  (1)∀x(馬x)→∃x(千里x) A
 2 (2)∀x(馬x)         A
12 (3)       ∃x(千里x) 12MPP
 2 (4)   馬a          2UE
  5(5)          千里a  A
 25(6)   馬a&千里a      45&I
 25(7)∃x(馬x&千里x)     6EI
12 (8)∃x(馬x&千里x)     35EE
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)∀x(馬x)→∃x(千里x)
(ⅱ)∀x(馬x)
(ⅲ)∃x(馬x&千里x)
といふ「推論」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxが馬ならば、あるxは千里である。
(ⅱ)あるxは(馬である)。 故に、
(ⅲ)あるxは(千里の馬である)。
といふ「推論」は「妥当」である。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1  (1)~∀x{(千里x&馬x)→ ∃y(伯楽y& 飼yx)}  A
1  (2)∃x~{(千里x&馬x)→ ∃y(伯楽y& 飼yx)}  1量化子の関係
 3 (3)  ~{(千里a&馬a)→ ∃y(伯楽y& 飼ya)}  A
  4(4)   ~(千里a&馬a)∨ ∃y(伯楽y& 飼ya)   A
  4(5)    (千里a&馬a)→ ∃y(伯楽y& 飼ya)   4含意の定義
 34(6)  ~{(千里a&馬a)→ ∃y(伯楽y& 飼ya)}&
         {(千里a&馬a)→ ∃y(伯楽y& 飼ya)}  35&I
 3 (7) ~{~(千里a&馬a)∨ ∃y(伯楽y& 飼ya)}  46RAA
 3 (8)    (千里a&馬a)&~∃y(伯楽y& 飼ya)}  7ド・モルガンの法則
 3 (9)    (千里a&馬a)                 8&E
 3 (ア)             ~∃y(伯楽y& 飼ya)   8&E
 3 (イ)             ∀y~(伯楽y& 飼ya)   ア量化子の関係
 3 (ウ)               ~(伯楽b& 飼ba)   イUE
 3 (エ)                ~伯楽b∨~飼ba    ウ、ド・モルガンの法則
 3 (オ)                 伯楽b→~飼ba    エ含意の定義
 3 (カ)              ∀y(伯楽y→~飼ya)   オUI
 3 (キ)    (千里a&馬a)& ∀y(伯楽y→~飼ya)   9カ&I
 3 (ク) ∃x{(千里x&馬x)& ∀y(伯楽y→~飼yx)}  キEI
1  (ケ) ∃x{(千里x&馬x)& ∀y(伯楽y→~飼yx)}  13クEE
(ⅱ)
1  (1) ∃x{(千里x&馬x)& ∀y(伯楽y→~飼yx)}  A
1  (2)    (千里a&馬a)& ∀y(伯楽y→~飼ya)   A
1  (3)    (千里a&馬a)                 2&E
1  (4)              ∀y(伯楽y→~飼ya)   2&E
1  (5)                 伯楽b→~飼ba    4UE
1  (6)                ~伯楽b∨~飼ba    5含意の定義
1  (7)               ~(伯楽b& 飼ba)   6ド・モルガンの法則
1  (8)             ∀y~(伯楽y& 飼ya)   7UI
1  (9)             ~∃y(伯楽y& 飼ya)   8量化子の関係
1  (ア)    (千里a&馬a)&~∃y(伯楽y& 飼ya)   39&I
 イ (イ)    (千里a&馬a)→ ∃y(伯楽y& 飼ya)   A
1  (ウ)    (千里a&馬a)                 ア&E
1イ (エ)              ∃y(伯楽y& 飼ya)   イウMPP
 イ (オ)             ~∃y(伯楽y& 飼ya)   ア&E
1イ (カ)∃y(伯楽y& 飼ya)&~∃y(伯楽y& 飼ya)   エオ&I
1  (キ)  ~{(千里a&馬a)→ ∃y(伯楽y& 飼ya)}  イカRAA
1  (ク)∃x~{(千里x&馬x)→ ∃y(伯楽y& 飼yx)}  キEI
1  (ケ)~∀x{(千里x&馬x)→ ∃y(伯楽y& 飼yx)}  ク量化子の関係
従って、
(04)により、
(05)
① ~∀x{(千里x&馬x)→ ∃y(伯楽y& 飼yx)}
②  ∃x{(千里x&馬x)& ∀y(伯楽y→~飼yx)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて{(xが千里で、xが馬である)ならば、あるyは(伯楽であって、xを飼ふ)}といふわけではない。
②      あるxは{(千里であって、馬である)が、いかなるyであっても(yが伯楽であるならば、yはxを飼はない)}。
に於いて、すなはち、
①{すべての千里の馬に対して、それを飼ふ伯楽がゐる}といふわけではない。
② ある{千里の馬は、伯楽によって飼はれるといふことがない}。
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)(05)により、
(06)
(ⅰ)  ∀x(馬x)→∃x(千里x)
(ⅱ)  ∀x(馬x)
(ⅲ)  ∃x(千里x&馬x)
(ⅳ)~∀x{(千里x&馬x)→∃y(伯楽y&飼yx)}
といふ「述語論理式」は、
(ⅰ)すべてのxが馬ならば、あるxは千里である。
(ⅱ)あるxは(馬である)。   故に、
(ⅲ)あるxは(千里の馬である)。然るに、
(ⅳ)すべてのxについて{(xが千里で、xが馬である)ならば、あるyは(伯楽であって、xを飼ふ)}といふわけではない。
といふ「意味」である。
然るに、
(01)により、
(07)
「世有伯楽、然後有千里馬。千里馬常有、而伯楽不常有。」
といふ「漢文」は、
「世の中に伯楽という人があってはじめて、一日に千里も走るような名馬が見いだされる。千里を走る名馬はいつでもいるのだが、伯楽がいつでもいるというものではない。」
といふ「意味」である。
従って、
(06)(07)により、
(08)
「世有伯楽、然後有千里馬。千里馬常有、而伯楽不常有。」
といふ「漢文」は、「述語論理」としては、概ね
「∀x(馬x)→∃x(千里x),∀x(馬x)├ ∃x(千里x&馬x),~∀x{(千里x&馬x)→∃y(伯楽y&飼yx)}」
といふ「意味」である。
然るに、
(09)
現在のコンピュータ、人工知能にも原理的にできないことがあります。述語論理の演繹かどうかの判定なんて、絶対できないです
(佐野 勝彦 北海道大学大学院文学研究院哲学倫理学研究室 准教授)
従って、
(08)(09)により、
(10)
私には出来るのに、AIは、「原理的」に、
「世有伯楽、然後有千里馬。千里馬常有、而伯楽不常有。」
のやうな「漢文」を、「述語論理」には、「翻訳」出来ないやうであるが、
何となく、本当だらうかと、思はれる。
令和04年04月26日、毛利太。

2022年4月25日月曜日

「今両虎共闘不俱生」の「述語論理」(Ⅳ)。

(01)
今両虎共闘、其勢不俱生=
今両虎共闘、其勢不(俱生)⇒
今両虎共闘、其勢(俱生)不=
今両虎共に闘はば、其の勢ひ(俱には生)ず=
もし、二頭の虎が闘へば、成り行きとして、両方が、ともに生きることはない(どちらかが死ぬ)。
cf.
今ここで我々両雄が争ったならば、ことの成りゆきから二人は両立できないだろう。
(史記「刎頸之交」、日栄社 要説 十八史略・史記、1970年、155頁)
然るに、
(02)
(ⅰ)
1   (1)∀x∀y{虎x&虎y&闘xy→~(生x&生y)} A
1   (2)  ∀y{虎a&虎y&闘ay→~(生a&生y)} 1UE
1   (3)     虎a&虎b&闘ab→~(生a&生b)  2UE
 4  (4)     虎a&虎b               A
  5 (5)           闘ab           A
 45 (6)     虎a&虎b&闘ab           45&I
145 (7)               ~(生a&生b)  36MPP
145 (8)               ~生a∨~生b   7ド・モルガンの法則
145 (9)                生a→~生b   8含意の定義
14  (ア)           闘ab→(生a→~生b)  59CP
   イ(イ)           闘ab& 生a       A
   イ(ウ)           闘ab           イ&E
14 イ(エ)                生a→~生b   アウMPP
   イ(オ)                生a       イ&E
14 イ(カ)                   ~生b   エオMPP
14  (キ)           闘ab&生a→ ~生b   イカCP
1   (ク)     虎a&虎b→(闘ab&生a→~生b)  4キCP
1   (ケ)  ∀y{虎a&虎y→(闘ay&生a→~生y)} クUI
1   (コ)∀x∀y{虎x&虎y→(闘xy&生x→~生y)} ケUI
(ⅱ)
1   (1)∀x∀y{虎x&虎y→(闘xy&生x→~生y)} A
1   (2)  ∀y{虎a&虎y→(闘ay&生a→~生y)} 1UE
1   (3)     虎a&虎b→(闘ab&生a→~生b)  2UE
 4  (4)     虎a&虎b&闘ab           A
 4  (5)     虎a&虎b               4&E
14  (6)           (闘ab&生a→~生b)  35MPP
 4  (7)            闘ab          4&E
  8 (8)                生a       A
 48 (9)            闘ab&生a       78&I
148 (ア)                   ~生b   69MPP
14  (イ)                生a→~生b   8アCP
14  (ウ)               ~生a∨~生b   イ含意の定義
14  (エ)               ~(生a&生b)  ウ、ド・モルガンの法則
1   (オ)     虎a&虎b&闘ab→~(生a&生b)  4エCP
1   (カ)  ∀y{虎a&虎y&闘ay→~(生a&生y)} 2UI
1   (キ)∀x∀y{虎x&虎y&闘xy→~(生x&生y)} カUI
従って、
(02)により、
(03)
① ∀x∀y{虎x&虎y&闘xy→~(生x&生y)}
② ∀x∀y{虎x&虎y→(闘xy&生x→~生y)}
③ ∀x∀y{虎x&虎y→(闘yx&生y→~生x)}
に於いて、すなはち、
① すべてのxとyについて{xが虎でyも虎で、xとyが闘ふならば、(xが生きて、その上、yも生きる)といふことは無い}。
② すべてのxとyについて{xが虎でyも虎ならば、(xとyが闘ってxが生きるのであれば、yは死ぬ)}。
③ すべてのxとyについて{xが虎でyも虎ならば、(yとxが闘ってyが生きるのであれば、xは死ぬ)}。
に於いて、
①=②=③ であるものの、
この「等式」であれば、AIにも、「理解(?)」出来るかも知れない。
然るに、
(04)
この場合に、
虎=相如
虎=廉将軍
であることも、AIにも、「理解(?)」出来かも知れない。
然るに、
(05)
相如曰、
「夫以秦王之威、而相如廷叱之、辱其群臣。
相如雖駑、独畏廉将軍哉。
顧吾念之、彊秦之所以不敢加兵於趙者、徒以吾両人在也。
今両虎共闘、其勢不俱生。
吾所以為此者、以先国家之急、而後私讎也。」
の「全体」を、従って、
相如曰はく、
「夫れ秦王の威を以てしても、相如之を廷叱して、其の群臣を辱む。
相如駑なりと雖も、独り廉将軍を畏れんや。
顧だ吾之を念ふに、彊秦の敢へて兵を趙に加へざる所以の者は、徒だ吾が両人の在るを以てなり。
今両虎共に闘はば、其の勢ひ俱には生きざらん。
の「全体」を、AIが、「述語論理」に「翻訳」することは、恐らく『無理』である。
(06)
例へば、
其勢不俱生。
で使はれてゐる、
其の勢ひその成り行き
などといふ「言葉」を、「述語論理」に翻訳することは、固より、「不可能」に決まってゐます。
(07)
皆さんが家庭で使っているコンピュータ、最近よく耳にする「人工知能」という言葉。歴史を紐解けば、推論の正しさを研究する論理学がなければ、コンピュータも人工知能研究もなかったかもしれません(佐野 勝彦 北海道大学大学院文学研究院哲学倫理学研究室 准教授)。
とのことなのですが、私自身は、AIのことを、何も分かってはゐません。
令和04年04月25日、毛利太。

2022年4月24日日曜日

「焼肉が好きな人」の「が」。

(01)
[練習]
100人の生徒に寿司と焼き肉のどちらが好きかをたずねたところ、
すしだけが好きな人が18人。すしも焼肉も好きでない人が5人いた。
次のような人は何人か。
(1)すしまたは焼肉が好きな人。
(2)焼肉好きな人。
従って、
(01)により、
(02)
①(100人の生徒)        =100人。
②(すしも焼肉も好きでない生徒)  =  5人。
③(すしまたは焼肉が好きな生徒)  = 95人。
④(すしだけが好きな生徒)     = 18人。
⑤(焼肉だけが好きな生徒)     =  x人。
⑥(すしと焼き肉の両方を好きな生徒)=  y人。
に於いて、
①-②=③
③-④=⑤+⑥
である。
従って、
(02)により、
(03)
③-④=77人。
③-④=⑤+⑥
である。
然るに、
(04)
従って、
(01)~(04)により、
(05)
(2)焼肉好きな人。
といふのは、
⑤(焼肉だけが好きな生徒)と、
⑥(すしと焼き肉の両方を好きな生徒)の、両方である。
然るに、
(06)
Q:あなたは、すしと焼き肉のどちらが好きですか?
A:焼肉好きです。
といふのであれば、「答へて」ゐるのは、
⑤(焼肉だけが好きな生徒)     であって、
⑥(すしと焼き肉の両方を好きな生徒)ではない
従って、
(05)(06)により、
(07)
「番号」を付け直すとして、
① 焼肉好きな人。
② 焼肉好きです
に於ける、
① 焼肉
② 焼肉
に於いて、
①=② ではない
然るに、
(08)
① 焼肉好きな人。
② 焼肉好きです
の場合は、
① 私が言ふ言葉。
② 私が言ひます
と同じく、
① 体言+連体形+体言。
② 体言+連用形+助動詞
である。
従って、
(08)により、
(09)
「三上文法」ではなく、
「古典文法」で解釈する限り、
① 焼肉好きな人。
② 焼肉好きです
の場合は、それぞれ、
① 体言。
助動詞
といふ「異なる品詞」で終はってゐるが故に、
① 焼肉
② 焼肉
に於いて、
①=② ではない
といふ、ことになる。
然るに、
(10)
③ 君行く道。
④ 君行く道。
であれば、
③ 君(格助詞)行く(連体形)道(体言)。
④ 君(格助詞)行く(連体形)道(体言)。
であるため、ほとんど、
③=④ である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
① 焼肉好きな人。
② 焼肉好きです。
④ 君行く道。
に於いて、「(古典)文法的」には、
①=④ であるが、
②=④ ではない
といふ「意味」に於いて、
① 焼肉
② 焼肉
に於いて、
①=② ではない
といふ、ことになる。
然るに、
― 話は変はるものの、―
(12)
③(すしまたは焼肉が好きな生徒)  =95人。
④(すしだけが好きな生徒)     =18人。
⑤(焼肉だけが好きな生徒)     = x人。
⑥(すしと焼き肉の両方を好きな生徒)= y人。
ではなくて、例へば、
③(すしまたは焼肉が好きな生徒)  =95人。
④(すしだけが好きな生徒)     = 人。
⑤(焼肉だけが好きな生徒)     =45人。
⑥(すしと焼き肉の両方を好きな生徒)=50人。
であるとする。
然るに、
(13)
④(すしだけが好きな生徒)     = 人。
⑤(焼肉だけが好きな生徒)     =45人。
⑥(すしと焼き肉の両方を好きな生徒)=50人。
であるとするならば、
⑤(焼肉だけが好きな生徒)は、
⑤(すしは好きはでない)ため、
⑥(すしが好きな生徒)といふのは、結局は、
⑥(すしと焼き肉の両方を好きな生徒)=50人。
に、他ならない。
従って、
(13)により、
(14)
④(すしだけが好きな生徒)     = 人。
⑤(焼肉だけが好きな生徒)     =45人。
⑥(すしと焼き肉の両方を好きな生徒)=50人。
であるとするならば、
⑥(すしが好きな生徒)ならば(焼肉も好きな生徒)である。
然るに、
(15)
④(すしだけが好きな生徒)=人。
といふことは、
④(すしが好きな生徒で、焼肉が好きでない生徒)はゐない
といふ、ことである。
従って、
(14)(15)により、
(16)
④(すしが好きな生徒で、焼肉が好きでない生徒)はゐない
⑥(すしが好きな生徒)ならば(焼肉も好きな生徒)である。
に於いて、
④ ならば、そのときに限って、⑥ である。
従って、
(16)により、
(17)
F=すしが好きな生徒である。
G=焼肉を好きな生徒である。
とすると、「番号」を付け直すとして、
① ~∃x(Fx&~Gx)
②  ∀x(Fx→ Gx)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(18)
(ⅰ)
1  (1)~∃x(Fx&~Gx)  A
1  (2)∀x~(Fx&~Gx)  1量化子の関係
1  (3)  ~(Fa&~Ga)  1UE
 4 (4)    Fa       A
  5(5)       ~Ga   A
 45(6)    Fa&~Ga   45&I
145(7)  ~(Fa&~Ga)&
         (Fa&~Ga)  36&I
14 (8)      ~~Ga   57RAA
14 (9)        Ga   8DN
1  (ア)    Fa→ Ga   49CP
1  (イ) ∀x(Fx→ Gx)  アUI
(ⅱ)
1  (1) ∀x(Fx→ Gx)  A
 2 (2) ∃x(Fx&~Gx)  A
1  (3)    Fa→ Ga   1UE
  4(4)    Fa&~Ga   A
  4(5)    Fa       4&E
1 4(6)        Ga   35MPP
  4(7)       ~Ga   4&E
1 4(8)    Ga&~Ga   67&I
  4(9)~∀x(Fx→ Gx)  14RAA
 2 (ア)~∀x(Fx→ Gx)  249EE
12 (イ) ∀x(Fx→ Gx)&
      ~∀x(Fx→ Gx)  1ア&I
1  (ウ)~∃x(Fx&~Gx)  2イRAA
従って、
(17)(18)により、
(19)
① ~∃x(Fx&~Gx)
② ∀x(Fx→ Gx)
に於いて、すなはち、
①(すしが好きで、焼肉が好きでない)といふそのやうなxは存在しない
② すべてのxについて(xがすしが好きならば、xは焼肉も好きである)。
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)(12)~(19)により、
(20)
①(すしが好きな生徒で、焼肉が好きでない生徒)はゐない
② すしが好きな生徒)ならば(焼肉も好きな生徒)である。
に於いて、
① ならば、そのときに限って、② である。
といふことは、
といふ「ベン図」からも、明らかに、「正しい」。
令和04年04月24日、毛利太。

2022年4月22日金曜日

「赤血球の検査結果」と「場合の数」と「医療過誤」。

(01)
【高校 数学A】 場合の数18 順列の活用3
[例題]女子2人と男子3人が1列に並ぶとき、女子が隣り合わない並び方は何通リあるか。
(02)
(ⅰ)
1男2男3男4
といふ「列」に於いて、
女子が、1に入ったら、
女子は、2か、3か、4に入る。
といふことを、
①1・2⇒男3男4
②1・3⇒男2男男4
③1・4⇒男2男3男
といふ風に、表すことにする。
(ⅱ)
1男2男3男4
といふ「列」に於いて、
女子が、2に入ったら、
女子は、1か、3か、4に入る。
といふことを、
④2・1⇒男3男4
⑤2・3⇒1男男4
⑥2・4⇒1男男3男
といふ風に、表すことにする。
(ⅲ)
1男2男3男4
といふ「列」に於いて、
女子が、3に入ったら、
女子は、1か、2か、4に入る。
といふことを、
⑦3・1⇒男2男男4
⑧3・2⇒1男男4
⑨3・4⇒1男2男
といふ風に、表すことにする。
(ⅳ)
1男2男3男4
といふ「列」に於いて、
女子が、4に入ったら、
女子は、1か、2か、3に入る。
といふことを、
⑩4・1⇒男2男3男
⑪4・2⇒1男男3男
⑫4・3⇒1男2男
といふ風に、表すことにする。
然るに、
(03)
①1・2⇒男3男4
②1・3⇒男2男男4
③1・4⇒男2男3男
④2・1⇒男3男4
⑤2・3⇒1男男4
⑥2・4⇒1男男3男
⑦3・1⇒男2男男4
⑧3・2⇒1男男4
⑨3・4⇒1男2男
⑩4・1⇒男2男3男
⑪4・2⇒1男男3男
⑫4・3⇒1男2男
といふ「順番」は、
④2・1⇒男3男4
⑦3・1⇒男2男男4
⑩4・1⇒男2男3男
①1・2⇒男3男4
⑧3・2⇒1男男4
⑪4・2⇒1男男3男
②1・3⇒男2男男4
⑤2・3⇒1男男4
⑫4・3⇒1男2男
③1・4⇒男2男3男
⑥2・4⇒1男男3男
⑨3・4⇒1男2男
といふ風に、「並び変へる」ことが、出来る。
従って、
(02)(03)により、
(04)
①1・2⇒男3男4
②1・3⇒男2男男4
③1・4⇒男2男3男
④2・1⇒男3男4
⑤2・3⇒1男男4
⑥2・4⇒1男男3男
⑦3・1⇒男2男男4
⑧3・2⇒1男男4
⑨3・4⇒1男2男
⑩4・1⇒男2男3男
⑪4・2⇒1男男3男
⑫4・3⇒1男2男
といふ「並び方」は、「同時」に、
①1・2⇒男3男4
②1・3⇒男2男男4
③1・4⇒男2男3男
④2・1⇒男3男4
⑤2・3⇒1男男4
⑥2・4⇒1男男3男
⑦3・1⇒男2男男4
⑧3・2⇒1男男4
⑨3・4⇒1男2男
⑩4・1⇒男2男3男
⑪4・2⇒1男男3男
⑫4・3⇒1男2男
といふ「並び方」であるため、「両者」は、「区別出来ない(といふことは、「注意」を要する)。
然るに、
(04)により、
(05)
①1・2
②1・3
③1・4
④2・1
⑤2・3
⑥2・4
⑦3・1
⑧3・2
⑨3・4
⑩4・1
⑪4・2
⑫4・3
といふ「並び方」は、
4P2=4×3=12通リ。 である。
然るに、
(06)
①1男2男3男4
②1C2D3E4
に於いて、
①=②である。
とする。
然るに、
(07)
①CDE
②CED
③DCE
④DEC
⑤ECD
⑥EDC
であるため、
3P3=3!=3×2×1 である。
従って、
(06)(07)により、
(08)
  {A,B}が{女,女}   であって、
{C,D,E}が{男,男,男}であるならば、
①1男2男3男4
といふ「並び方」は、
①1C2D3E4
②1C2E3D4
③1D2C3E4
④1D2E3C4
⑤1E2C3D4
⑥1E2D3C4
による、
3P3=3!=3×2×1=6通リ。
である。
従って、
(04)(05)(08)により、
(09)
①1・2⇒男3男4
②1・3⇒男2男男4
③1・4⇒男2男3男
④2・1⇒男3男4
⑤2・3⇒1男男4
⑥2・4⇒1男男3男
⑦3・1⇒男2男男4
⑧3・2⇒1男男4
⑨3・4⇒1男2男
⑩4・1⇒男2男3男
⑪4・2⇒1男男3男
⑫4・3⇒1男2男
による、
4P2=4×3=12通リ。
の「その各々」に対して、
①1C2D3E4
②1C2E3D4
③1D2C3E4
④1D2E3C4
⑤1E2C3D4
⑥1E2D3C4
による、
3P3=3!=3×2×1=6通リ。
がある。
従って、
(01)~(09)により、
(10)
[例題]女子2人と男子3人が1列に並ぶとき、女子が隣り合わない並び方は何通リあるか。
の[答へ]は、確かに、
4P2×3P3=12×6=72通リ。
である。
然るに、
(11)
[問題]女子2人と男子3人が1列に並ぶとき、女子が隣り合う並び方は何通リあるか。
然るに、
(12)
  {A,B}が{女,女}  であって、
{C,D,E}が{男,男,男}であるとする。
然るに、
(13)
{A,B}からは、
 AB
 BA
による、
2P2=2!=2×1=2通り。
を得ることが出来る。
従って、
(12)(13)により、
(14)
1男2男3男4
といふ「列」に於いて、
①AB が、1の位置に入る、
②AB が、2の位置に入る、
③AB が、3の位置に入り、
④AB が、4の位置に入る。
として、4通リ。
⑤BA が、1の位置に入る、
⑥BA が、2の位置に入る、
⑦AB が、3の位置に入り、
⑧AB が、4の位置に入る。
として、4通リ。
による、(4+4)=8通リ。
を得ることが、出来る。
従って、
(08)(12)(14)により、
(15)
①1C2D3E4
②1C2E3D4
③1D2C3E4
④1D2E3C4
⑤1E2C3D4
⑥1E2D3C4
による、
3P3=3!=3×2×1=6通リ。
の「その各々」に対して、
2P2×4=2!×4=8通り。
が「対応」する。
従って、
(11)~(15)により、
(16)
[問題]女子2人と男子3人が1列に並ぶとき、女子が隣り合う並び方は何通リあるか。
の[答へ]は、
4×2P2×3P3=4×2×6=48通り。
である。
従って、
(10)(16)により、
(17)
[①例題]女子2人と男子3人が1列に並ぶとき、女子が隣り合わない並び方は何通リあるか。
[②問題]女子2人と男子3人が1列に並ぶとき、女子が隣り合う  並び方は何通リあるか。
の[答へ]は、
[①4P2×3P3  =12×6 =72通リ。]
[②4×2P2×3P3=4×2×6=48通り。]
である。
然るに、
(08)(17)により、
(18)
[③問題]女子2人と男子3人が1列に並ぶとき、最後尾で、女子が隣り合う並び方は何通リあるか。
の[答へ]は、
[③1×2P2×3P3=2×6=12通り。]
でなければ、ならない。
然るに、
(19)
①〇△□AB
②〇□△AB
③△〇□AB
④△□〇AB
⑤□〇△AB
⑥□△〇AB
に加へて、
⑦〇△□BA
⑧〇□△BA
⑨△〇□BA
⑩△□〇BA
⑪□〇△BA
⑫□△〇BA
であるため、確かに、
[③問題]女子2人(A,B)と男子3人(〇,△,□)が1列に並ぶとき、最後尾で、女子が隣り合う並び方は何通リあるか。
の[答へ]は、
[③2P2×3P3=2×6=12通り。]
である。
cf.
[③{(5-2)!×2!}=12通リ。]
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
[①例題]女子2人と男子3人が1列に並ぶとき、女子が隣り合わない  並び方は何通リあるか。
[②問題]女子2人と男子3人が1列に並ぶとき、女子が隣り合う    並び方は何通リあるか。
[③問題]女子2人と男子3人が1列に並ぶとき、最後尾で女子が隣り合う並び方は何通リあるか。
 の[答へ]は、
[①  4P2×3P3= 12×6=72通リ。]
[②4×2P2×3P3=4×2×6=48通り。]
[③  2P2×3P3=  2×6=12通り。]
である。
然るに、
(21)
従って、
(20)(21)により、
(22)
果たして、
[①  4P2×3P3= 12×6=72通リ。]
[②4×2P2×3P3=4×2×6=48通り。]
[③  2P2×3P3=  2×6=12通り。]
といふ[答へ]は、『正解』である。
従って、
(23)
[④問題]女子2人と男子3人が、ランダムに、1列に並ぶとき、最後尾で女子が隣り合う「確率」を求めよ。
といふ[問題]の[答へ]は、
[④(5-2)!×2!÷5!=12÷120=0.1]
が『正解』である。
然るに、
(20)により、
(24)
[①例題]女子2人と男子3人が1列に並ぶとき、女子が隣り合わない  並び方は何通リあるか。
[②問題]女子2人と男子3人が1列に並ぶとき、女子が隣り合う    並び方は何通リあるか。
[③問題]女子2人と男子3人が1列に並ぶとき、最後尾で女子が隣り合う並び方は何通リあるか。
 の[答へ]が、
[①  4P2×3P3= 12×6=72通リ。]
[②4×2P2×3P3=4×2×6=48通り。]
[③  2P2×3P3=  2×6=12通り。]
であるため、
[①例題]女子5人と男子36人が1列に並ぶとき、女子が隣り合わない  並び方は何通リあるか。
[②問題]女子5人と男子36人が1列に並ぶとき、女子が隣り合う    並び方は何通リあるか。
[③問題]女子5人と男子36人が1列に並ぶとき、最後尾で女子が隣り合う並び方は何通リあるか。
 の[答へ]は、
[①   37P5×36P36=(52307640×3.7199333e+41)通リ。]
[②37×5P5×36P36= (37×120×3.7199333e+41)通リ。]
[③   5P5×36P36= (3120×3.7199333e+41)通リ。]
である。
従って、
(23)(24)により、
(25)
[④問題]女子5人と男子36人が、ランダムに、1列に並ぶとき、最後尾で女子が隣り合う「確率」を求めよ。
といふ[問題]の[答へ]は、
[④(41-5)!×5!÷41!=(1÷749394)≒0.0000013344(約75万分の1)。]
である。
従って、
(25)により、
(26)
[④問題]ある5つのデータと、その他の36のデータが、ランダムに、1列に並ぶとき、最後尾で5つのデータが隣り合う「確率」を求めよ。
といふ[問題]の[答へ]も、
[④(41-5)!×5!÷41!=(1÷749394)≒0.0000013344(約75万分の1)。]
である。
然るに、
(27)







従って、
(28)
点滴中の、 「 5個の、赤血球の数値」の全てが、
点滴中でない「36個の、赤血球の数値」よりも「低くなる確率」は「0.00014%以下」である。
従って、
(28)により、
(29)


といふ「診断」、すなはち、
「赤血球」の「数値が一段と低い」のは、
「点滴によって、「血液が薄まっている」ことが「原因」である。
といふ「診断」は、「正しい」。
従って、
(29)により、
(30)
「点滴によって、血液が薄まっている」ことが「原因」である。
といふことからすれば、
「点滴を中止すれば、赤血球」等の「数値」が上昇することは、「必然」である。
従って、
(30)により、
(31)

といふ「診断」、すなはち、
「赤血球」等の「数値」が「上昇」したのは、「ただ単に、普段の数値」に戻っただけである。
にも拘はらず、そのことを「気が付いてゐない」ままに下された「診断」は、『誤診』である。
(32)
① 脱水であるならば(点滴をすれば、数値は下がる)。
②(点滴をしても、数値が下がらない)ならば脱水ではない
に於いて、
①=② は「対偶」である。
cf.
(ⅰ)
1  (1) P→(Q→ R) A
 2 (2)    Q&~R  A
  3(3)    Q→ R  A
 2 (4)    Q     2&E
 23(5)       R  34MPP
  3(6)      ~R  2&E
 23(7)    R&~R  56&I
 2 (8)  ~(Q→ R) 37RAA
12 (9)~P        18MTT
1  (ア) Q&~R→~P  29CP
(ⅱ)
1   (1)  Q&~R→~P  A
 2  (2)        P  A
 2  (3)      ~~P  2DN
12  (4)~(Q&~R)    13MTT
  5 (5)  Q        A
   6(6)    ~R     A
  56(7)  Q&~R     56&I
1256(8)~(Q&~R)&
        (Q&~R)    47&I
125 (9)   ~~R     68DN
125 (ア)     R     9DN
12  (イ)   Q→R     5アCP
1   (ウ)P→(Q→R)    2イCP
(33)
②(点滴をしても、数値が下がらない)ならば脱水ではない
といふことからも、S医師の診断は、明白な『誤診』であるものの、「誤診自体は、罪にはならない」等々については、長くなり過ぎるため、「説明」はしません。
(34)
本当は、こうした「勉強」ではなく、「漢文」の勉強(研究)がしたいものの、「(医療過誤の)訴状」を書く必要上、図書館から、「中学数学でわかる統計の授業」と「今日から使える医療統計」とを借りてきて、なるべく早く、それを読もうとしてゐるところです。
令和04年04月22日、毛利太。

2022年4月21日木曜日

「独立な試行の確率」について。

(01)
【高校 数学A】 確率12 独立試行の確率1 (10分)
の「説明」は、「結論」だけを述べてゐて、「理由(原理)」を述べてはゐない。
然るに、
(02)
[例題]赤玉4個、黄玉2個が入った袋から玉を1個取り出し、それを袋に戻してまた1個取り出す。このとき、2回連続して赤玉を取り出す確率を求めよ。
といふ「問題」は、
[例題]1つのサイコロを2回振ったときに、2回連続して「」が出る確率を求めよ。
という「問題」と「同じ」である。
然るに、
(03)
1つのサイコロを2回振ったときの「場合の数」は、
)()()()()(
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)()()()()(
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)()()()()(
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に於ける、( , )の「個数(6×6=36)」に「等しい」。
然るに、
(04)
1つのサイコロを2回振ったときに、2回連続して「」が出る「場合の数」は、
)()()(
)()()(
)()()(
)()()(
に於ける、( , )の「個数(4×4=16)」に「等しい」。
従って、
(03)(04)により、
(05)
[例題]1つのサイコロを2回振ったときに、2回連続して「」が出る確率を求めよ。
という「問題」の「答へ」は、
16/36=4/9 である。
従って、
(02)(05)により、
(06)
[例題]赤玉4個、黄玉2個が入った袋から玉を1個取り出し、それを袋に戻してまた1個取り出す。このとき、2回連続して赤玉を取り出す確率を求めよ。
といふ「問題」の「答へ」も、
16/36=4/9 である。
令和04年04月21日、毛利太。

2022年4月20日水曜日

確率の自主練習問題(二つのダイスのパラドックス)。

― 昨日(令和4年4月19日)の記事を書き直します。―
(01)
[問題]「2つのサイコロ、AとBを、同時に投げた時に、少なくとも一つの目が、4になる確率」を求めよ。
(02)
①Aを1回投げたとき、Aが4になる確率は、1/6。
②Aを2回投げたとき、Aが4になる確率は、2/6。
③Aを3回投げたとき、Aが4になる確率は、3/6。
④Aを4回投げたとき、Aが4になる確率は、4/6。
⑤Aを5回投げたとき、Aが4になる確率は、5/6。
⑥Aを6回投げたとき、Aが4になる確率は、6/6。
であって、尚且つ、
①Bを1回投げたとき、Aが4になる確率は、1/6。
②Bを2回投げたとき、Aが4になる確率は、2/6。
③Bを3回投げたとき、Aが4になる確率は、3/6。
④Bを4回投げたとき、Aが4になる確率は、4/6。
⑤Bを5回投げたとき、Aが4になる確率は、5/6。
⑥Bを6回投げたとき、Aが4になる確率は、6/6。
であるとする。
従って、
(02)により、
(03)
①Aを投げて、
②Bを投げる。
といふことは、
①A(またはB)を2回投げることに、「等しく」、
②B(またはA)を2回投げることに、「等しい」。
従って、
(02)(03)により、
(04)
①Aを投げて、
②Bを投げるならば、少なくとも一方が4になる確率は、2/6である。
従って、
(04)により、
(05)
[問題]「2つのサイコロ、AとBを、同時に投げた時に、少なくとも一つの目が、4になる確率」を求めよ。
に対する〔答へ〕は、
2/6=1/3
であるならば、「普通」である。
然るに、
(06)
11 12 13 1 15 16
21 22 23 2 25 26
31 32 33 3 35 36
1 2 3  5 
51 52 53 5 55 56
61 62 63 6 65 66
従って、
(02)(06)により、
(07)
AとBを、同時に投げた時、(6×6=36)回に1回、
AとBは、両方とも、4になる。
従って、
(06)(07)により、
(08)
36回中、25回は、
Aは4以外(1、2、3、5、6)で、
Bも4以外(1、2、3、5、6)である。
然るに、
(09)
(ⅰ)
1   (1) (~A4→ B4)&
        (~B4→ A4)  A
 2  (2)  ~A4&~B4   A
1   (3)  ~A4→ B4   1&E
 2  (4)  ~A4       2&E
12  (5)       B4   34MPP
 2  (6)      ~B4   2&E
12  (7)   B4&~B4   56&I
1   (8)~(~A4&~B4)  27RAA
(ⅱ)
1   (1)~(~A4&~B4)  A
 2  (2)  ~A4       A
  3 (3)      ~B4   A
 23 (4)  ~A4&~B4   23&I
123 (5)~(~A4&~B4)&
        (~A4&~B4)  14&I
12  (6)     ~~B4   35RAA
12  (7)       B4   6DN
1   (8)  ~A4→ B4   27CP
   9(9)      ~B4   A
1  9(ア) ~~A4       89MTT
1  9(イ)   A4       アDN
1   (ウ)  ~B4→ A4   9イCP
1   (エ) (~A4→B4)&
        (~B4→A4)   8イ&I
従って、
(09)により、
(10)
①  (~A4→ B4)&(~B4→A4)
② ~(~A4&~B4)
に於いて、
①=④ である。
従って、
(10)により、
(11)
① Aが4でないならば、Bは4であり、Bが4でないならば、Aは4である。
②(Aが4でなく、その上、Bも4でない)といふことはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(12)
① Aが4でないならば、Bは4であり、Bが4でないならば、Aは4である。
といふことは、
① AとBの、少なくとも一方は4である。
といふことである。
従って、
(11)(12)により、
(13)
①  AとBの、少なくとも一方は4である。
②(Aが4でなく、その上、Bも4でない)といふことはない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(13)により、
(14)
①  AとBの、少なくとも一方は4である。
②(Aが4以外であり、その上、Bも4である)といふことはない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(08)(14)により、
(15)
①  AとBの、少なくとも一方は4である。
②{Aが4以外(1、2、3、5、6)であり、その上、Bも4以外(1、2、3、5、6)である}といふことはない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)(06)(07)(08)(15)により、
(16)
Aは4以外(1、2、3、5、6)で、
Bも4以外(1、2、3、5、6)である所の、
36回から、25回を「引き算」して、
36回で「割り算」した、「11/35≒0.30555」といふ「値」が、
[問題]「2つのサイコロ、AとBを、同時に投げた時に、少なくとも一つの目が、4になる確率」を求めよ。
といふ[問題]の、〔答へ〕である。
従って、
(05)(16)により、
(17)
[問題]「2つのサイコロ、AとBを、同時に投げた時に、少なくとも一つの目が、4になる確率」を求めよ。
に対する〔答へ〕は、
12/36≒0.333333
であるならば、「普通」であるが、
11/36≒0.305555
でなければ、ならない。
然るに、
(18)
A=4
B=4
であるとき、 Aだけを投げても、あるいは、4が出たかも知れないし、
Bだけをなげても、あるいは、4が出たかも知れない。
といふことからすれば、
① AとBを同時に投げたときに、少なくとも一方が4である確率。
② Aだけを投げたときに、Aが4である確率と、Bだけを投げたときに、Bが4である確率の和。
に於いて、
②-①=1/36>0
である。といふことは、分からないでもない。
然るに、
(19)
2つのサイコロ、AとBを、「同時」に投げたとしても、
Aの目が「確定」した「時間」と、
Bの目が「確定」した「時間」が、「(文字通リに)同時刻」である。
といふことは、「物理的」には、「不可能」である。
(20)
Aの目が「確定」した「0.0000000001秒後」に、
Bの目が「確定」したとしてしも、「量子力学的(?)」には、「同時刻」であるとは、言えない。
従って、
(19)(20)により、
(21)
2つのサイコロ、AとBを、「同時」に投げたとしても、「物理学的(?)」には、
Aを先に投げた「結果」と「一致」しなければ、「不自然」であり、
Bを先に投げた「結果」と「一致」しなければ、「不自然」である。
従って、
(17)~(21)により、
(22)
[問題]「2つのサイコロ、AとBを、同時に投げた時に、少なくとも一つの目が、4になる確率」を求めよ。
といふ[問題]の〔答え〕は、
[問題]「サイコロAを投げた0.0000000001秒後に、サイコロBを投げた際に、少なくとも一つの目が、4になる確率」を求めよ。
といふ[問題]の〔答え〕と、「同じ」にならなければならない。
然るに、
(04)により、
(23)
もう一度、確認すると、
①Aを投げて、
②Bを投げるならば、少なくとも一方が4になる確率は、2/6=1/3≒0.333333 である。
従って、
(23)により、
(24)
①Aを投げた、0.0000000001秒後に、
②Bを投げるならば、少なくとも一方が4になる確率は、2/6=1/3≒0.333333 である。
然るに、
(17)により、
(25)
[問題]「2つのサイコロ、AとBを、同時に投げた時に、少なくとも一つの目が、4になる確率」を求めよ。
に対する〔答へ〕は、
11/36≒0.305555
である。
然るに、
(26)
①Aを投げた、0.0000000001秒後に、
②Bを投げる。
といふことを、「普通」は、
①Aを投げると「同時」に、
②Bを投げる。
と言ふ。
従って、
(24)(25)(26)により、
(27)
[問題]「2つのサイコロ、AとBを、同時に投げた時に、少なくとも一つの目が、4になる確率」を求めよ。
に対する〔答へ〕は、
11/36≒0.305555
であって、尚且つ、
12/36≒0.333333
であるが、もちろん、このことは、「矛盾」である。
(28)
その辺のところ(矛盾)を、物理学者の皆さんは、どのやうに考へてゐるのだらう
と、私には、思へてならない。
令和04年04月20日、毛利太。

2022年4月17日日曜日

「確率」の自主練習問題(赤玉2個、黒玉4個)。

(01)
[問題1]赤玉2個、黒玉4個が入った袋から3個の玉を同時にとりだすとき、少なくとも1個(従って、1個、または2個)の赤玉が含まれる確率を求めよ。
然るに、
(02)
ABCDEF}
赤玉0個⇔黒玉3個
赤玉1個⇔黒玉2個
赤玉2個⇔黒玉1個
従って、
(02)により、
(03)
「全体の場合の数(6P3)」から、
赤玉0個⇔黒玉3個
である「場合の数(4P3)」を「引き算」をして、「その値」を「全体の場合の数(6P3)」で「割り算」をすれば、
赤玉1個⇔黒玉2個
赤玉2個⇔黒玉1個
である場合、すなはち、
少なくとも1個(従って、1個、または2個)の赤玉が含まれる確率」を求めることが出来る。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
〔解答1〕は、
{(6P3)-(4P3)}÷(6P3)=
{(6×5×4)-(4×3×2)}÷(6×5×4)=
(120-24)÷(120)=4/5=0.8
であるに、違ひない。
(05)
[問題2]赤玉2個、黒玉4個が入った袋から3個の玉を同時にとりだすとき、赤玉が1個だけ含まれる確率を求めよ。
然るに、
(06)
赤玉1個⇔黒玉2個
ならば、そのときに限って、赤玉が1個である。
然るに、
(07)
ABCDEF}
であるため、すなはち、
  {CDEF}
であるため、「黒玉2個」である場合の「場合の数」は、
4P2=4×3=12通りである。
然るに、
(08)
例へば、
② CD といふ「1通リ」に対しては、
CD CD CD CD CD CD
といふ「6通リ」がある。
従って、
(07)(08)により、
(09)
〔解答2〕は、
6×4P2=6×(4×3)=72通り。
を「全体の場合の数(6P3)」で「割り算」をすれば良く、従って、
72÷全体の場合の数(6P3)=72÷(6×5×4)=72÷120=0.6=3/5
であるに、違いない。
(10)
[問題3]赤玉2個、黒玉4個が入った袋から3個の玉を同時にとりだすとき、赤玉が2個含まれる確率を求めよ。
然るに、
(11)
赤玉2個⇔黒玉1個
ならば、そのときに限って、黒玉が1個である。
然るに、
(12)
ABCDEF}
であるため、すなはち、
  {CDEF}
であるため、「黒玉1個」である場合の「場合の数」は、
③ C D E F
による、4P4=(4×3×2×1)÷4!=1通り。
である。
然るに、
(13)
③ C といふ「1通リ」に対しては、
C  C  C C
といふ「6通リ」がある。
従って、
(12)(13)により、
(14)
〔解答3〕は、
6×4P4=6×4×3=24通り。
を「全体の場合の数(6P3)」で「割り算」をすれば良く、従って、
24÷全体の場合の数(6P3)=24÷(6×5×4)=24÷120=0.2=1/5
であるに、違いない。
然るに、
(15)
 ―(6C3×3!)は(6P3)である。―
C  C  C C
D  D  D D
E  E  E E
F  F  F F
CD DC CD CD DC DC
CE EC CE CE EC EC
CF FC CF CF FC FC
DE ED DE DE ED ED
DF FD DF DF FD FD
EF FE EF EF FE FE
CD DC CD CD DC DC
CE EC CE CE EC EC
CF FC CF CF FC FC
DE ED DE DE ED ED
DF FD DF DF FD FD
EF FE EF EF FE FE
⑦ CDE CED DCE DEC ECD EDC
⑧ CDF CFD DCF DFC FCD FDC
⑨ CEF CFE ECF EFC FCE FEC
⑩ DEF DFE EDF EFD FDE FED
従って、
(01)~(15)により、
(16)
[問題1]赤玉2個、黒玉4個が入った袋から3個の玉を同時にとりだすとき、少なくとも1個(従って、1個、または2個)の赤玉が含まれる確率を求めよ。
[問題2]赤玉2個、黒玉4個が入った袋から3個の玉を同時にとりだすとき、赤玉が1個だけ含まれる確率を求めよ。
[問題3]赤玉2個、黒玉4個が入った袋から3個の玉を同時にとりだすとき、赤玉が2個含まれる確率を求めよ。
に対する〔解法〕と〔解答〕は、以上の通りで、「正しい」。
令和04年04月17日、毛利太。

2022年4月16日土曜日

「少なくとも1個」について。

(01)
【高校 数学A】 確率10 余事象2 (12分)
[練習]赤玉3個、白玉2個、黄玉4個が入った袋から3個の玉を同時にとりだすとき、少なくとも1個は赤玉が含まれる確率を求めよ。
(02)
(ⅰ)
1     (1)   Ra∨ Rb∨ Rc  A
 2    (2)  ~Ra&~Rb&~Rc  A
1     (3)  (Ra∨Rb)∨ Rc  1結合法則
  4   (4)  (Ra∨Rb)      A
   5  (5)   Ra          A
 2    (6)  ~Ra          2&E
 2 5  (7)   Ra&~Ra      45&I
   5  (8)~(~Ra&~Rb&~Rc) 27RAA
    9 (9)       Rb      A
 2    (ア)      ~Rb      2&E
 2  9 (イ)       Rb&~Rb  9ア&I
    9 (ウ)~(~Ra&~Rb&~Rc) 2イRAA
  4   (エ)~(~Ra&~Rb&~Rc) 4589ウ∨E
     オ(オ)           Rc  A
 2    (カ)          ~Rc  2&E
 2   オ(キ)       Rc&~Rc  オカ&I
     オ(ク)~(~Ra&~Rb&~Rc) 2キRAA
1     (ケ)~(~Ra&~Rb&~Rc) 34エオク∨E
(ⅱ)
1    (1)~(~Ra&~Rb&~Rc)  A
 2   (2)~( Ra∨ Rb∨ Rc)  A
  3  (3)   Ra           A
  3  (4)   Ra∨ Rb       3∨I
  3  (5)   Ra∨ Rb∨ Rc   4∨I
 23  (6)~( Ra∨ Rb∨ Rc)&
         ( Ra∨ Rb∨ Rc)  25&I
 2   (7)  ~Ra           36RAA
   8 (8)       Rb       A
   8 (9)   Ra∨ Rb       8∨I
   8 (ア)   Ra∨ Rb∨ Rc   9∨I
 2 8 (イ)~( Ra∨ Rb∨ Rc)&
         ( Ra∨ Rb∨ Rc)  28&I
 2   (ウ)      ~Rb       8イRAA
    エ(エ)           Rc   A
    エ(オ)       Rc∨ Rc   エ∨I
    エ(カ)   Ra∨ Rc∨ Rc   オ∨I
 2  エ(キ)~( Ra∨ Rb∨ Rc)&
         ( Ra∨ Rb∨ Rc)  2カ&I
 2   (ク)          ~Rc   エキRAA
 2   (ケ)  ~Ra&~Rb       7ウ&I
 2   (コ)  ~Ra&~Rb&~Rc   クケ&I
12   (サ)~(~Ra&~Rb&~Rc)&
         (~Ra&~Rb&~Rc)  1コ&I
1    (シ)~~(Ra∨ Rb∨ Rc)  2サRAA
1    (ス)  (Ra∨ Rb∨ Rc)  シDN
従って、
(02)により、
(03)
①    Ra∨ Rb∨ Rc
② ~(~Ra&~Rb&~Rc)
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
R=赤い。
であるとして、
① aは赤いか、または、bは赤いか、または、cは赤い。
②(aが赤くなく、その上、bも赤くなく、cも赤くない)といふことは無い。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(05)
{すべてのx}={a、b、c}
とすると、
① aは赤いか、または、bは赤いか、または、cは赤い。
②(すべてのxが、赤くない)といふことは無い。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
① aは赤いか、または、bは赤いか、または、cは赤い。
②(すべてのxが、赤くない)といふことは無い。
に於いて、
①=② である。
といふことは、
少なくとも、1つ以上のxは赤い。
②(すべてのxが、赤くない)といふことは無い。
に於いて、
①=② である。
といふことである。
然るに、
(07)
少なくとも、1つ以上のxは赤い。
②(すべてのxが、赤くない)といふことは無い。
に於いて、
①=② である。
といふことは、
① あるxは赤い。
②(すべてのxが、赤くない)といふことは無い。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(08)
(ⅰ)
1  (1) ∃x( Rx) A
 2 (2) ∀x(~Rx) A
  3(3)     Ra  A
 2 (4)    ~Ra  2UE
 23(5) Ra&~Ra  34&I
  3(6)~∀x(~Rx) 25RAA
1  (7)~∀x(~Rx) 136EE
12 (8) ∀x(~Rx)&
      ~∀x(~Rx) 27&I
1  (9)~∀x(~Rx) 28RAA
(ⅱ)
1  (1) ~∀x(~Rx)  A
 2 (2) ~∃x( Rx)  A
  3(3)      Ra   A
  3(4)  ∃x( Rx)  3EI
 23(5) ~∃x( Rx)&
        ∃x( Rx)  24&I
 2 (6)     ~Ra   3RAA
 2 (7)  ∀x(~Rx)  6UI
12 (8) ~∀x(~Rx)&
        ∀x(~Rx)  17&I
1  (9)~~∃x( Rx)  28RAA
1  (ア)  ∃x( Rx)  9DN
従って、
(08)により、
(09)
①  ∃x( Rx)
② ~∀x(~Rx)
に於いて、
①=② である(量化子の関係)。
然るに、
(10)
①  ∃x( Rx)
② ~∀x(~Rx)
といふ「述語論理式」は、
① あるxは赤い。
②(すべてのxが、赤くない)といふことは無い。
といふ「意味」である。
従って、
(01)~(10)により、
(11)
少なくとも、1つ以上のxは赤い。
②(すべてのxが、赤くない)といふことは無い。
に於いて、
①=② である。
といふことは、「述語論理」として、「正しい」。
然るに、
(12) 
少なくとも、1つ以上のxは赤い。
②(すべてのxが、赤くない)といふことは無い。
に於いて、
①=② である。
といふことは、「述語論理以前に、「常識」として「正しい」。
令和04年4月16日、毛利太。

2022年4月14日木曜日

「和事象の確率(ダブりあり)」と「ド・モルガンの法則」。

(01)

                    【高校 数学A】 確率8 和事象2 (18分)
                     の「(もっと簡単な別の解答」を書きます。
(02)
[練習]男子2人、女子3人がくじ引きで順番を決めて1列に並ぶとき、左端または右が女子である確率を求めよ。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1   (1) ~(~P&~Q)  A
 2  (2) ~( P∨ Q)  A
  3 (3)    P      A
  3 (4)    P∨ Q   3∨I
 23 (5) ~( P∨ Q)&
         ( P∨ Q)  24&I
  3 (6)   ~P      35RAA
   7(7)       Q   A
   7(8)  ( P∨ Q)  7∨I
 2 7(9) ~( P∨ Q)&
         ( P∨ Q)  27&I
 2  (ア)      ~Q   79RAA
 2  (イ)   ~P&~Q   6ア&I
12  (ウ) ~(~P&~Q)&
1   (エ)~~( P∨ Q)  2ウRAA
1   (オ)    P∨ Q   エDN
(ⅱ)
1   (1)    P∨ Q   A
 2  (2)   ~P&~Q   A
  3 (3)    P      A
 2  (4)   ~P      2&E
 23 (5)    P&~P   34&I
  3 (6) ~(~P&~Q)  25RAA
   7(8)       Q   A
 2  (9)      ~Q   2&E
 2 7(ア)    Q&~Q   89&I
   7(イ) ~(~P&~Q)  7アRAA
1   (ウ) ~(~P&~Q)  1376イ∨E
従って、
(03)により、
(04)
① ~(~P&~Q)
②    P∨ Q
に於いて、
①=② である(ド・モルガンの法則)。
従って、
(04)により、
(05)
 P=左端は女子である。
 Q=右端は女子である。
~P=左端は男子であって女子ではない。
~Q=右端は男子であって女子ではない。
とすると、
①(左端は男子であって、右端も男子である)といふことはない
② 左端または右端は女子である。
に於いて、
①=② である(ド・モルガンの法則)。
然るに、
(06)
{A,B,C,D,E}に於いて、
男子={AB}
女子={CDE}
とする。
従って、
(06)により、
(07)
男子{AB}
に関しては、
①AB
②BA
といふ「順番」の、どちらかであって、
であって、
女子{CDE}
に関して、
①CDE
②CED
③DCE
④DEC
⑤CED
⑥CDE
といふ「順番」の、いづれかである。
従って、
(07)により、
(08)
①A###B
②B###A
に対して、
①CDE
②CED
③DCE
④DEC
⑤CED
⑥CDE
であるため、
①ACDEB
②ACEDB
③ADCEB
④ADECB
⑤ACEDB
⑥ACDEB
①BCDEA
②BCEDA
③BDCEA
④BDECA
⑤BCEDA
⑥BCDEA
による、
6×2=12通り。
は、「左端は男子、右端も男子。」の「パターン」である。
然るに、
(09)
{A,B,C,D,E}は「5人」であるため、
「並び方(順列)の数」は、
5P5=5!=5×4×3×2×1=120通り。
従って、
(04)~(08)により、
(09)
[練習]男子2人、女子3人がくじ引きで順番を決めて1列に並ぶとき、左端または右が女子である確率を求めよ。
の〔答え〕は、
(120-12)/120=0.9
であって、それ故、もちろん、
【高校 数学A】確率8 和事象2 の〔答え〕は、「正解」であるし、ことのことは、
(10)
(a)
ABCDE ABCED ABDCE ABDEC ABECD ABEDC
ACBDE ACBED ACDBE ACDEB ACEBD ACEDB
ADBCE ADBEC ADCBE ADCEB ADEBC ADECB
AEBCD AEBDC AECBD AECDB AEDBC AEDCB
(b)
BACDE BACED BADCE BADEC BAECD BAEDC
BCADE BCAED BCDAE BCDEA BCEAD BCEDA
BDACE BDAEC BDCAE BDCEA BDEAC BDECA
BEACD BEADC BECAD BECDA BEDAC BEDCA
(c)
CABDE CABED CADBE CADEB CAEBD CAEDB
CBADE CBAED CBDAE CBDEA CBEAD CBEDA
CDABE CDAEB CDBAE CDBEA CDEAB CDEBA
CEABD CEADB CEBAD CEBDA CEDAB CEDBA
(d)
DABCE DABEC DACBE DACEB DAEBC DAECB
DBACE DBAEC DBCAE DBCEA DBEAC DBECA
DCABE DCAEB DCBAE DCBEA DCEAB DCEBA
DEABC DEACB DEBAC DEBCA DECAB DECBA
(e)
EABCD EABDC EACBD EACDB EADBC EADCB
EBACD EBADC EBCAD EBCDA EBDAC EBDCA
ECABD ECADB ECBAD ECBDA ECDAB ECDBA
EDABC EDACB EDBAC EDBCA EDCAB EDCBA
は、「樹形図(5P5=5!=120)」である。
(a)4×4+2=18
男男女女女 男男女女女 男男女女女 男男女女女 男男女女女 男男女女女
男女男女女 男女男女女 男女女男女 男女女女男 男女女男女 男女女女男
男女男女女 男女男女女 男女女男女 男女女女男 男女女男女 男女女女男
男女男女女 男女男女女 男女女男女 男女女女男 男女女男女 男女女女男
(b)4×4+2=18 ∴ 36
男男女女女 男男女女女 男男女女女 男男女女女 男男女女女 男男女女女
男女男女女 男女男女女 男女女男女 男女女女男 男女女男女 男女女女男
男女男女女 男女男女女 男女女男女 男女女女男 男女女男女 男女女女男
男女男女女 男女男女女 男女女男女 男女女女男 男女女男女 男女女女男
(c)2+4+2+4=12 ∴ 48
女男男女女 女男男女女 女男女男女 女男女女男 女男女男女 女男女女男
女男男女女 女男男女女 女男女男女 女男女女男 女男女男女 女男女女男
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(d)2+4+2+4=12 ∴ 60
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(e)2+4+2+4=12 ∴ 72
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は、「樹形図(5P5=5!=120)」である。
といふことからも、「明らか」である。
然るに、
(11)
① 左端は男子、右端も男子。
② 左端は女子、右端も女子。
③ 右端か、または、左端の、どちらか一方だけが、女子。
に於いて、
① ではなく、
② でもない。
とするならば、必然的に、③ である。
従って、
(08)~(11)により、
(12)
5P5=5!=5×4×3×2×1=120通り。
から、
①=12
を引いて、
②=ⅹ
を引いた「値」は、
③ 右端か、または、左端の、どちらか一方だけが、女子。
である所の「場合の数」になる。
然るに、
(06)により、
(13)
① C###D
② C###E
③ D###C
④ D###E
⑤ E###C
⑥ E###D
であるため、
② 左端は女子、右端も女子。
である所の「場合の数」は、
② 6×3!=6×3×2×1=36通リ。
である。
従って、
(12)(13)により、
(14)
(120-12)-36=72通り。が、
③ 右端か、または、左端の、どちらか一方だけが、女子。
である所の「場合の数」になる。
令和04年04月14日、毛利太。