2016年9月25日日曜日

もう一度、「鏡、上下左右」について。

(01)
① AE(鏡の外)
と書かれた「Tシャツ」を着た「人物α」が、「鏡の前」に立つ時、
① AE(鏡の外)  の「文字」は、
③ ヨA(鏡の中)  に、見えます。
然るに、
(02)
① AE(鏡の外)
と書かれた「Tシャツ」を着た「人物α」が、「回れ右」をして「こちらを向け」ば、当然、
① AE(鏡の外) は、
① AE(鏡の外) に見えます。
然るに、
(03)
① AE(鏡の外) と、
③ ヨA(鏡の中) を「比較」すると、「上下(AA)は等しく、左右(ヨE)が逆」です。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
(Ⅰ)「鏡の中」に見えてゐる「人物α」は、「回れ右」をしてゐない。
(05)
① AE(鏡の外)
と書かれた「Tシャツ」を着た「人物α」が、「逆立ち」をして「こちらに向け」ば、当然、
① AE(鏡の外) は、
② ヨ∀(鏡の外) に見えます。
然るに、
(06)
② ヨ∀(鏡の外) と、
③ ヨA(鏡の中) を「比較」すると、「左右(ヨヨ)は等しく、上下(∀A)が逆」です。
従って、
(01)(05)(06)により、
(07)
(Ⅱ)「鏡の中」に見えてゐる「人物α」は、「逆立ち」をしてゐない。
従って、
(04)(07)により、
(08)
(Ⅰ)「鏡の中」に見えてゐる「人物α」は、「回れ右」をしてゐない。
(Ⅱ)「鏡の中」に見えてゐる「人物α」は、「逆立ち」をしてゐない。
然るに、
(09)
i8000336さん2016/9/1615:27:59
全身の映る鏡で自分を見た時、左右は反対になるのに対して、上下が反対に写らないのはなぜですか?
従って、
(08)(09)により、
(10)
i8000336さんは、
(Ⅱ)「鏡の中」に見えてゐる「人物α」は、「逆立ち」をしてゐない。
といふことは、認める一方で、
(Ⅰ)「鏡の中」に見えてゐる「人物α」は、「回れ右」をしてゐない。
といふことを、認めることが、出来ない。
(11)
① AE(鏡の外)
と書いた「コピー用紙」等を、「裏返し」にした状態で、「光にかざす」と、
② ヨA(鏡の外)
と、同様に、
③ ヨA(鏡の中)
といふ「文字」が見えるので、実際に、そうなることを、確認して下さい。
従って、
(11)により、
(12)
「鏡に映ってゐる状態」とは、「裏返しにした文字(や絵や写真)」を、「後ろから光を当てて見てゐる状態」である。
といふ「比喩」が、成立します。
然るに、
(12)により、
(13)
「裏返しである文字(や絵や写真)」自体は、「表を向いてゐない」のですから、
「表を向いてゐる」やうに見えてゐて、実際には、「表を向いてゐない」。
従って、
(12)(13)により、
(14)
「(鏡の中の)人物α」は、「こちらを向いてゐる」やうに見えてゐて、
「(鏡の中の)人物α」は、実際には、「こちらを向いてゐない」。
然るに、
(15)
「(鏡の中の)人物α」が、「こちらを向いてゐない」のであれば、
「(鏡の中の)人物α」は、「逆立ち」だけでなく、「回れ右」をしてゐない。
従って、
(08)(15)により、
(16)
(Ⅱ)「鏡の中」に見えてゐる「人物α」は、「逆立ち」をしてゐないし、
(Ⅰ)「鏡の中」に見えてゐる「人物α」も、「回れ右」をしてゐない。
従って、
(16)により、
(17)
(Ⅱ)「鏡の中」に見えてゐる「人物α」は、「逆立ち」をしてゐないが、
(Ⅰ)「鏡の中」に見えてゐる「人物α」も、「回れ右」をしてゐる。
といふ「前提」は、「間違ひ」である。
平成28年09月25日、毛利太。

2016年9月22日木曜日

「漢文の補足構造」としての「括弧」の付け方。

(01)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
は、「10進数」であって、
1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F
は、「16進数」である。
(02)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E。
が、「14個の、16進数」であるやうに、
1 D 2 B 7 5 3 4 6 A 8 9 C E。
は、「14個の、16進数」である。
(03)
1 D 2 B 7 5 3 4 6 A 8 9 C E。
にあって、「左から順」に、
1番の数=1
2番の数=D
3番の数=2
4番の数=B
5番の数=7
6番の数=5
7番の数=3
8番の数=4
9番の数=6
10番の数=A
11番の数=8
12番の数=9
13番の数=C
14番の数=E
とする。
(04)
1 D 2 B 7 5 3 4 6 A 8 9 C E。
にあって、「左から順」に、
N番の数の右側に、N番の数よりも小さい数が有るならば、その時に限って、それらの数を( )で括る。
然るに、
(05)
1 D 2 B 7 5 3 4 6 A 8 9 C E。
にあって、
1番の数である、1の右側に、1よりも小さい数は、無い。
2番の数である、Dの右側に、Dよりも小さい数は、(2 B 7 5 3 4 6 A 8 9 C)による、11個である。
3番の数である、2の右側に、2よりも小さい数は、無い。
4番の数である、Bの右側に、Bよりも小さい数は、    (7 5 3 4 6 A 8 9)による、8個である。
5番の数である、7の右側に、7よりも小さい数は、      (5 3 4 6)による、4個である。
6番の数である、5の右側に、5よりも小さい数は、        (3 4)による、2個である。
7番の数である、3の右側に、3よりも小さい数は、無い。
8番の数である、4の右側に、4よりも小さい数は、無い。
9番の数である、6の右側に、6よりも小さい数は、無い。
10番の数である、Aの右側に、Aよりも小さい数は、                 (8 9)による、2個である。
11番の数である、8の右側に、8よりも小さい数は、無い。  
12番の数である、9の右側に、9よりも小さい数は、無い。
13番の数である、Cの右側に、Cよりも小さい数は、無い。
14番の数である、Eの右側に、Eよりも小さい数は、無い。
従って、
(03)~(05)により、
(06)
1 D 2 B 7 5 3 4 6 A 8 9 C E。
である限り、必然的に、
1D(2B(7(5(34)6)A(89))C)E。
であるものの、「読みやすさ」を考慮して、
1D{2B[7〔5(34)6〕A(89)]C}E。
であるとする、
然るに、
(05)により、
(07)
D{2 B 7 5 3 4 6 A 8 9 C}
にあって、
Dよりも大きい数は、{ }の中には無く、
B[7 5 3 4 6 A 8 9]
にあって、
Bよりも大きい数は、[ ]の中には無く、
7〔5 3 4 6〕
にあって、
7よりも大きい数は、〔 〕の中には無く、
5(3 4)
にあって、
5よりも大きい数は、( )の中には無く、
A(8 9)
にあって、
Aよりも大きい数は、( )の中には無い。
従って、
(05)(07)により、
(08)
1D{2B[7〔5(34)6〕A(89)]C}E。
に於いて、
 D{ }⇒{ }D
 B[ ]⇒[ ]B
 7〔 〕⇒〔 〕7
 5( )⇒( )5
 A( )⇒( )A
といふ「移動」を行ふと、
1D{2B[7〔5(34)6〕A(89)]C}E⇒
1{2[〔(34)56〕7(89)A]BC}DE=
1<2<3<4<5<6<7<8<9<A<B<C<D<E。
といふ「並び替へ(ソート)」が成立する。
従って、
(08)により、
(09)
我非{必求[以〔解(白話)法〕解(漢文)]者}也=
1D{2B[7〔5(34)6〕A(89)]C}E。
に於いて、
 D{ }⇒{ }D
 B[ ]⇒[ ]B
 7〔 〕⇒〔 〕7
 5( )⇒( )5
 A( )⇒( )A
といふ「移動」を行ふと、
1D{2B[7〔5(34)6〕A(89)]C}E⇒
1{2[〔(34)56〕7(89)A]BC}DE=
我{必[〔(白話)解法〕以(漢文)解]求者}非也=
我は{必ずしも[〔(白話を)解する法を〕以て(漢文を)解せんことを]求むる者に}非ざる也。
といふ、「漢文訓読」が、成立する。
従って、
(09)により、
(10)
我非{必求[以〔解(白話)法〕解(漢文)]者}也。
に於ける、
  {  [ 〔 (  ) 〕 (  )] }
といふ「括弧」は、
1D 2B 7 5 34 6 A 89  C E
といふ「訓読の語順」を表してゐる。
然るに、
(11)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。
(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、二九六頁)
従って、
(10)(11)により、
(12)
{必(白話)法〕(漢文)]者}也。
我{必[〔(白話)法〕(漢文)者}也。
に於いて、
前者 は、{漢文の補足構造}であって、
後者 は、{訓読の補足構造}である。
従って、
(11)(12)により、
(13)
我非{必求[以〔解(白話)法〕解(漢文)]者}也。
に於いて、
 非 の「補足語」は、{必求以解白話法解漢文者}であって、
 求 の「補足語」は、[以解白話法解漢文]であって、
 以 の「補足語」は、〔解白話法〕であって、
 解 の「補足語」は、(白話)であって、
 解 の「補足語」は、(漢文)である。
従って、
(10)(13)により、
(14)
我非{必求[以〔解(白話)法〕解(漢文)]者}也。
に於ける、
  {  [ 〔 (  ) 〕 (  )] }
といふ「括弧」は、「漢文の補足構造」と、「訓読の語順」を表してゐる。
然るに、
(15)
括弧は、論理演算子のスコープ(scope)を明示する働きを持つ。スコープは、論理演算子の働きが及ぶ範囲のことをいう。
(産業図書、数理言語学辞典、2013年、四七頁:命題論理、今仁生美)
従って、
(15)により、
(16)
漢文に於ける、括弧は、漢字のスコープ(管到)を明示する働きを持つ。管到は、漢字の意味が及ぶ範囲のことをいふ。
従って、
(13)(16)により、
(17)
我非{必求[以〔解(白話)法〕解(漢文)]者}也。
に於いて、
 非 の「意味」は、{必求以解白話法解漢文者}に及んでゐて、
 求 の「意味」は、[以解白話法解漢文]に及んでゐて、
 以 の「意味」は、〔解白話法〕に及んでゐて、
 解 の「意味」は、(白話)に及んでゐて、
 解 の「意味」は、(漢文)に及んでゐる。
然るに、
(18)
我非{必求[以〔解(白話)法〕解(漢文)]者}也。
から、
我 と、
必 を除いても、
非{求[以〔解(白話)法〕解(漢文)]者}也⇒
{[〔(白話)解法〕以(漢文)解]求者}非也=
{[〔(白話を)解する法を〕以て(漢文を)解せんことを]求むる者に}非ざる也。
といふ、「漢文訓読」が、成立する。
従って、
(18)により、
(19)
我(主語) の「意味」は、直接ではなく、非 を介して、{必求以解白話法解漢文者}に及んでゐて、
必(副詞) の「意味」は、直接ではなく、求 を介して、[以解白話法解漢文]に及んでゐる。
従って、
(12)(17)(19)により、
(20)
我非必求以解白話法解漢文者也。
といふ「漢文」を「訓読」するためには、
 我
 非 の「意味」が{及ぶ範囲(管到)}。
 必
 求 の「意味」が[及ぶ範囲(管到)]。
 以 の「意味」が〔及ぶ範囲(管到)〕。
 解 の「意味」が(及ぶ範囲(管到))。
 白
 話
 法
 解 の「意味」が(及ぶ範囲(管到))。
 漢
 文
 者
 也。
を、「把握」する「必要」がある。
従って、
(20)により、
(21)
読漢文。
といふ「漢文」を「訓読」するためには、
 読 の「意味」が(及ぶ範囲(管到))。
 漢
 文。
を、「把握」する「必要」がある。
然るに、
(22)
読(漢文)=漢文を読む。
に対して、
文(読〔漢)〕=漢文を読む。
といふ「漢文」は、有り得ないし、
 
は、「括弧」ではなく、
二  一
といふ「それ」も、「返り点」ではない。
従って、
(23)
読(漢文)=漢文を読む。
といふ「補足構造」に対して、
文(読〕=漢文を読む。
といふ「補足構造」は、有り得ない。
従って、
(22)(23)により、
(24)
「括弧・返り点」は、
2<3>1 & 2-1=1
のやうな、
M<N>L & M-L=1
といふ「順番」を、
L<M<N
といふ「順番」に、「並び替へ(ソートす)」ることが、出来ない。
然るに、
(25)
半ば「積読」をしてゐた「ラテン語の教科書」を読む限り、例へば、
あの男の子たちは何処へ行くか。
みんな今日はここにゐる。
書かれるべき大きな作品。
あなたたちの兄弟たちは何処にゐるか。
我々は祖国のために戦ふべきである。
世界中でどの都市が最も豊かであるか。
といふ「意味」である所の、
QUO EUNT ILLI PUERI?
OMNES HIC SUNT HODIE.
MAGNA OPERA SCRIBENDA.
UBI SUNT FRATRES VESTRI?
NOBIS PUGNADUM EST PRO PATRIA.
QUAE URBS EST OPULENTISSIMA IN ORBE TERRARUM?
といふ「ラテン語」を「訓読」する際の「語順」は、
〔1 )〕
1 )〕
)〕
 1)〕
1  2)〕
〔2(1)〕]}〉》
である。
従って、
(24)(25)により、
(26)
例へば、
QUO EUNT ILLI PUERI?
OMNES HIC SUNT HODIE.
MAGNA OPERA SCRIBENDA.
UBI SUNT FRATRES VESTRI?
NOBIS PUGNADUM EST PRO PATRIA.
QUAE URBS EST OPULENTISSIMA IN ORBE TERRARUM?
といふ「ラテン語」は、「括弧・返り点」を用ゐて、「訓読」することが、出来ない。
然るに、
(27)
NONNE FILIUS TUUS IN CIRCUM IT?
であれば、
NONNE〔FILIUS(TUUS)IN(CIRCUM)IT〕?⇒
〔(TUUS)FILIUS(CIRCUM)INIT〕NONNE?=
〔(あなたの)息子は(競走場)に行か〕ないのか。
であるため、「括弧」は、〔( )( )〕であって、「返り点」は、「下 二 一 二 一 上」である。
(28)
PATER FILIO LIBRUM DAT.
であれば、そのまま、
PATER FILIO LIBRUM DAT=
父は    息子に   本を     与へる。
である。
従って、
(26)(27)(28)により、
(29)
例へば、
QUO EUNT ILLI PUERI?
OMNES HIC SUNT HODIE.
MAGNA OPERA SCRIBENDA.
PATER FILIO LIBRUM DAT.
UBI SUNT FRATRES VESTRI?
NOBIS PUGNADUM EST PRO PATRIA.
NONNE FILIUS TUUS IN CIRCUM IT?
QUAE URBS EST OPULENTISSIMA IN ORBE TERRARUM?
といふ「ラテン語」は、「訓読できない」場合と、「訓読できる」場合があるため、「ラテン語」は、「訓読」に適してゐない。
然るに、
(30)
中国語の文章は文言と白話に大別されるが、漢文とは文章語の文言のことであり、白話文や日本語化された漢字文などは漢文とは呼ばない。通常、日本における漢文とは、訓読という法則ある方法で日本語に訳して読む場合のことを指し、訓読で適用し得る文言のみを対象とする。もし強いて白話文を訓読するとたいへん奇妙な日本語になるため、白話文はその対象にならない。白話文は直接口語訳するのがよく、より原文の語気に近い訳となる(ウィキペディア)。
従って、
(29)(30)により、
(31)
「漢文の語順」は、「訓読」に適してゐて、「ラテン語の語順」や「白話文(中国語)」は、「訓読」に適さない。
従って、
(32)
「ラテン語」や「中国語」では「訓読」が行はれない(出来ない)のだから、「漢文」も「訓読」すべきではない。
といふことには、ならない。
然るに、
(33)
数年前、ある言語学教育関連の新聞の連載のコラムに、西洋文化研究者の発言が載せられていた。誰もが知る、孟浩然の『春眠』「春眠暁を覚えず・・・・・・」の引用から始まるそのコラムでは、なぜ高校の教科書にいまだに漢文訓読があるのかと疑問を呈し、「返り点」をたよりに「上がったり下がったりしながら、シラミつぶしに漢字にたどる」読み方はすでに時代遅れの代物であって、早くこうした状況から脱するべきだと主張する。「どこの国に外国語を母国語の語順で読む国があろう」かと嘆く筆者は、かつては漢文訓読が中国の歴史や文学を学ぶ唯一の手段であり「必要から編み出された苦肉の知恵であった」かもしれないが、いまや中国語を日本にいても学べる時代であり「漢文訓読を卒業するとき」だと主張するのである(「訓読」論 東アジア漢文世界と日本語、中村春作・市來津由彦・田尻祐一郎・前田勉 共編、2008年)。
従って、
(32)(33)により、
(34)
「どこの国に外国語を母国語の語順で読む国があろう」かと嘆く西洋文化研究者は、「漢文の語順」は、「訓読」に適してゐて、例へば、「ラテン語の語順」は、「訓読」に適してゐない。といふことを、確認すべきである。
(35)
「返り点」をたよりに「がったりがったりしながら」とのことであるが、例へば、
我非{必求[以〔解(白話)法〕解(漢文)]者}也。
の「返り点」は、
地 丙 下 二 一 上 乙 甲 天
であって、それ故、
 二 下 丙 地
 ↑ ↑ ↑ ↑
 一 上 乙 天
    ↑
    甲
であるため、
我非{必求[以〔解(白話)法〕解(漢文)]者}也。
の「返り点」は、「がったり、がったり」であって、「がったり、がったり」はしていない。
然るに、
(36)
QUAE URBS EST OPULENTISSIMA IN ORBE TERRARUM?
の「それ」は、
四 五 七 六 三 二 一
であって、それ故、
 三 三 五 五 七
 ↑ ↓ ↑ ↓ ↑
 二 四 四 六 六
 ↑
 一
であるため、
QUAE[URBS{EST《OPULENTISSIMA〈IN〔ORBE(TERRARUM)〕]}〉》
の「それ」は、「がったり、がったり」である。
cf.

然るに、
(37)
「返り点」は、「下からへ返る点」であるため、
 三 三 五 五 七
 ↑ ↓ ↑ ↓ ↑
 二 四 四 六 六
 ↑
 一
のやうな、「がったり、がったり」は、「返り点」ではない。
(38)
「上がったり、下がったり」は「返り点」ではないだけでなく、
「上がったり、上がったり」と「比較」すると、
「上がったり、下がったり」は、「極端に、読みにくい」。
平成28年09月22日、毛利太。

2016年9月17日土曜日

「括弧」=「括」+「弧」(Ⅱ)。

―「09月17日の記事(http://kannbunn.blogspot.com/2016/09/blog-post_17.html)」の補足です。―
(01)
「01号室」には、四人のメンバーがゐて、四人の国籍は、「全て同じ」であったとする。
従って、
(01)により、
(02)
「01号室」の中に、一人の日本人がゐれば、他の三人も、日本人である。
(03)
「02号室」にも、四人のメンバーがゐて、四人の国籍は、「バラバラ」であったとする。
従って、
(03)により、
(04)
「02号室」の中に、一人の日本人がゐれば、他の三人は、日本人ではない。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
「01号室」の中に、一人の日本人がゐれば、他の三人も、日本人であって、尚且つ、その場合は、
「02号室」の中にゐる日本人は、一人か、さうでなければ、〇人である。ものの、かうした「状況」を「状況α」とする。
然るに、
(06)
① { [ 〔 ( ) 〕 ] ( ) }
② { [ 〔 ( ) 〕 ] ( ) }
③ { [ 〔 ( ) 〕 ] ( ) }
④ { [ 〔 ( ) 〕 ] ( ) }
であれば、「括弧」は、「全て同じ」であって、それ故、「これらの括弧」は、「01号室の四人」に譬へることが、出来る。
(07)
① v( v( (  )v( v ) ) v )
② v( v( (  )v( v(  ) ) v )
③ v( v( (  )v( v ) ) v(  ))
④ v( v( (  )v( v(  ) ) v(  ))
であれば、「括弧」は、「バラバラ」であって、それ故、「これらの括弧」は、「02号室の四人」に譬へることが、出来る。
然るに、
(08)
① { [ 〔 ( ) 〕 ] ( ) }
② { [ 〔 ( ) 〕 ] ( ) }
③ { [ 〔 ( ) 〕 ] ( ) }
④ { [ 〔 ( ) 〕 ] ( ) }
といふ「括弧」は、
① 君子不以其所以養人者害人。
② 君子不以其所以養人間者害人。
③ 君子不以其所以養人者害人間。
④ 君子不以其所以養人間者害人間。
といふ「漢文の、補足構造」である。
従って、
(05)~(08)により、
(09)
「状況α」との「類推」により、
① 君子不以其所以養人者害人。
② 君子不以其所以養人間者害人。
③ 君子不以其所以養人者害人間。
④ 君子不以其所以養人間者害人間。
といふ「漢文の、補足構造」を表してゐるのは、
① v( v( (  )v( v ) ) v )
② v( v( (  )v( v(  ) ) v )
③ v( v( (  )v( v ) ) v(  ))
④ v( v( (  )v( v(  ) ) v(  ))
の中の、「1個、あるいは、0個」である。
然るに、
(10)

従って、
(09)(10)により、
(11)
① 君子不v(以v(其(所以)v(養v人)者)害v人)。
② 君子不v(以v(其(所以)v(養v(人間))者)害v人)。
③ 君子不v(以v(其(所以)v(養v人)者)害v(人間))。
④ 君子不v(以v(其(所以)v(養v(人間))者)害v(人間))。
といふ、「漢文訓読の返り点に括弧を導入して構造化する試み」の中の、「少なくとも、三つのそれ」は、
① 君子不以其所以養人者害人。
② 君子不以其所以養人間者害人。
③ 君子不以其所以養人者害人間。
④ 君子不以其所以養人間者害人間。
といふ「漢文の、補足構造」を、表してはゐない。
(12)
「結論」だけを述べると、「与へられた漢文の返り点」が、

「レ点と、ハイフン」を含まないならば、その時に限って、
「返り点に対する括弧の用法(このブログ)の、括弧」と、
「漢文訓読の返り点に括弧を導入して構造化する試みの、括弧」は、同じ」になる。
例へば、
(13)
⑤ 何不[以〔善(漢文)者〕従]⇒
⑤ 何[〔(漢文)善者〕以従]不=
⑤ 何ぞ[〔(漢文を)善くする者を〕以て従へ]不る。
の「返り点」は、
⑤ 乙 下 二 一 上 甲
であるため、「レ点と、ハイフン」は無い。
然るに、
(14)
⑤ 何不[以〔善(漢文)者〕従]。
を、( )だけで書くならば、
⑤ 何不(以(善(漢文)者)従)。
であって、
⑤ 何不(以(善(漢文)者)従)
に対して、「レ点」を加へると、
⑤ 何不v(以v(善v(漢文)者)従)。
となって、
⑤ 何不v(以v(善v(漢文)者)従)。
は、「漢文訓読の返り点に括弧を導入して構造化する試みの、括弧」である。
(15)
⑥ 何不[以〔善(文)者〕従]⇒
⑥ 何[〔(文)善者〕以従]不=
⑥ 何ぞ[〔(文を)善くする者を〕以て従へ]不る。
の「返り点」は、
⑤ 乙 下 二 一 上 甲
ではなく、
⑤ 下 二 レ 一 上
であるため、「レ点」が有る。
然るに、
(16)
⑥ 何不[以〔善(文)者〕従]=
⑥ 何不(以(善(文)者)従)。
に対して、「漢文訓読の返り点に括弧を導入して構造化する試みの、括弧」は、
⑥ 何不v(以v(善v文者)従)。
である。
従って、
(17)
⑤ 何不v(以v(善v(漢文)者)従)。
⑥ 何不v(以v(善v文者)従)。
であるため、「漢文訓読の返り点に括弧を導入して構造化する試みの、括弧」の場合は、
⑤ 何不以善漢文者従。
⑥ 何不以善_文者従。
に対する「括弧」が、「同じ」にはならない。
然るに、
(18)
ふみ【・書】〔名〕
④ 漢詩。漢文。(古語林、1997年、1149頁)
従って、
(19)
」は、「漢文」でも有り得るため、
⑤ 何不以善漢文者従。
⑥ 何不以善_者従。
といふ「漢文の構造」は、「等しい」。
従って、
(17)(19)により、
(20)
⑤ 何不以善漢文者従。
⑥ 何不以善_文者従。
といふ「漢文の構造」は「等しい」にも拘はらず、
⑤ 何不v(以v(善v(漢文)者)従)。
⑥ 何不v(以v(善v  文 者)従)。
といふ風に、⑥の「括弧の数」と、⑤の「括弧の数」が、同じには、ならない。
従って、
(20)により、
(21)
⑤ 何不v(以v(善v(漢文)者)従)。
⑥ 何不v(以v(善v  文 者)従)。
の内の、どちらか一方は、
⑤ 何不以善漢文者従。
⑥ 何不以善_文者従。
といふ「漢文の構造」を表しては、ゐない。
平成28年09月18日、毛利太。

「括弧」=「括」+「弧」。

―「09月16日の記事」を書き直します。―
(01)
① 君子不以其所以養人者害人。
に於いて。
 不   の「補足語」は、{以其所‐以養人者害人}である。
 以   の「補足語」は、[其所‐以養人者]である。
 所‐以 の「補足語」は、〔養人〕である。
 害   の「補足語」は、(人)である。
とする。
従って、
(01)により、
(02)
① 君子不以其所以養人者害人。
② 君子不{以[其所‐以〔養(人)〕者]害(人)}。
に於いて、
① の「補足構造」は、
② である。
然るに、
(03)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。
(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、二九六頁)
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 君子不{以[其所‐以〔養(人)〕者]害(人)}。
② 君子{[其〔(人)養〕所‐以者]以(人)害}不。
に於いて、
① は、「漢文の補足構造」であって、
② は、「国語の補足構造」である。
従って、
(04)により、
(05)
① 君子不{以[其所‐以〔養(人)〕者]害(人)}。
に於いて、
   不{ }⇒{ }不
   以[ ]⇒[ ]以
 所‐以〔 〕⇒〔 〕所‐以
   養( )⇒( )養
   害( )⇒( )害
といふ「移動」を行へば、
① 君子不{以[其 所‐以〔養(人)〕者]害(人)}⇒
② 君子{[其〔(人)養〕所‐以者]以(人)害}不=
② 君子は{[其の〔(人を)養ふ〕所‐以の者を]以て(人を)害せ}ず。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
然るに、
(06)
① 君子不{以[其所‐以〔養(人)〕者]害(人)}。
① 君子不其所‐以人弧弧者弧害人弧弧。
であって、
② 君子{[其〔(人)養〕所‐以者]以(人)害}不。
② 君子括括括括人弧養弧所‐以者弧以人弧害弧不。
であるとする。
従って、
(05)(06)により、
(07)
   不{ }⇒{ }不
   以[ ]⇒[ ]以
 所‐以〔 〕⇒〔 〕所‐以
   養( )⇒( )養
   害( )⇒( )害
といふ「移動」は、
   不 弧 ⇒ 括 
   以 弧 ⇒ 括 
 所‐以 弧 ⇒ 括 所‐以
   養 弧 ⇒ 括 
   害 弧 ⇒ 括 
といふ「移動」である。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
① 君子不{以[其所‐以〔養(人)〕者]害(人)}。
① 君子不括以括其所‐以括養括人弧弧者弧害括人弧弧。
に於いて、「の左側の一語が、の右側に在るものと思ひつつ、読む」ならば、「その際の語順」が、「訓読の語順」である。といふ、ことになる。
然るに、
(09)
① 君子は{[其の〔(人 を)養ふ〕所‐以の者を]以て(人 を)害せ}ず。
② 君子は{[其の〔(人間を)養ふ〕所‐以の者を]以て(人 を)害せ}ず。
③ 君子は{[其の〔(人 を)養ふ〕所‐以の者を]以て(人間を)害せ}ず。
② 君子は{[其の〔(人間を)養ふ〕所‐以の者を]以て(人間を)害せ}ず。
である。
注:ただし、漢文で言ふ「人間」は、国語で言ふ「人間」の意味ではない。
従って、
(03)(04)(09)により、
(10)
① 君子不以其所以養人者害人。
② 君子不以其所以養人間者害人。
③ 君子不以其所以養人者害人間。
④ 君子不以其所以養人間者害人間。
といふ「四つの漢文の補足構造」は、
① { [ 〔 ( ) 〕 ] ( ) }
② { [ 〔 ( ) 〕 ] ( ) }
③ { [ 〔 ( ) 〕 ] ( ) }
④ { [ 〔 ( ) 〕 ] ( ) }
といふ、「一通り」しかない。
然るに、
(11)
① v( v( (  )v( v ) ) v )
② v( v( (  )v( v(  ) ) v )
③ v( v( (  )v( v ) ) v(  ))
④ v( v( (  )v( v(  ) ) v(  ))
は、「四通り」であって、「一通り」でない。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① v( v( (  )v( v ) ) v )
② v( v( (  )v( v(  ) ) v )
③ v( v( (  )v( v ) ) v(  ))
④ v( v( (  )v( v(  ) ) v(  ))
といふ「それ」が、
① 君子不以其所以養人者害人。
② 君子不以其所以養人間者害人。
③ 君子不以其所以養人者害人間。
④ 君子不以其所以養人間者害人間。
といふ「漢文の、一通りしか無い、補足構造」を表してゐるのであれば、
① v( v( (  )v( v ) ) v )
② v( v( (  )v( v(  ) ) v )
③ v( v( (  )v( v ) ) v(  ))
④ v( v( (  )v( v(  ) ) v(  ))
の中の、「少なくとも、三つのそれ」は、
① 君子不以其所以養人者害人。
② 君子不以其所以養人間者害人。
③ 君子不以其所以養人者害人間。
④ 君子不以其所以養人間者害人間。
といふ「漢文の、補足構造」を、表してはゐない。
然るに、
(13)

従って、
(12)(13)により、
(14)
① 君子不v(以v(其(所以)v(養v人)者)害v人)。
② 君子不v(以v(其(所以)v(養v(人間))者)害v人)。
③ 君子不v(以v(其(所以)v(養v人)者)害v(人間))。
④ 君子不v(以v(其(所以)v(養v(人間))者)害v(人間))。
といふ、「漢文訓読の返り点に括弧を導入して構造化する試み」の中の、「少なくとも、三つのそれ」は、
① 君子不以其所以養人者害人。
② 君子不以其所以養人間者害人。
③ 君子不以其所以養人者害人間。
④ 君子不以其所以養人間者害人間。
といふ「漢文の、補足構造」を、表してはゐない。
然るに、
(15)

従って、
(15)により、
(16)
① 君子不以其所以養人者害人。
② 君子不以其所以養人間者害人。
③ 君子不以其所以養人者害人間。
④ 君子不以其所以養人間者害人間。
に対する、「返り点」は、
① 乙 下 二 一レ 上 甲レ
② 乙 下 三 二 一 上 甲レ
③ 丙 下 二 一レ 上 乙 甲
④ 丙 下 三 二 一 上 乙 甲
といふ「四通り」であって、「一通り」ではない。
従って、
(10)(16)により、
(17)
① 乙 下 二 一レ 上 甲レ
② 乙 下 三 二 一 上 甲レ
③ 丙 下 二 一レ 上 乙 甲
④ 丙 下 三 二 一 上 乙 甲
といふ、「返り点」の中の、「少なくとも、三つ」は、
① 君子不以其所以養人者害人。
② 君子不以其所以養人間者害人。
③ 君子不以其所以養人者害人間。
④ 君子不以其所以養人間者害人間。
といふ「漢文の、補足構造」を、表してはゐない。
然るに、
(18)

従って、
(18)により、
(19)
① 君子不v(以v(其(所以)v(養v人)者)害v人)。
② 君子不v(以v(其(所以)v(養v(人間))者)害v人)。
③ 君子不v(以v(其(所以)v(養v人)者)害v(人間))。
④ 君子不v(以v(其(所以)v(養v(人間))者)害v(人間))
に於ける、
①         (所以)
②         (所以)
③         (所以)
④                 (所以)
に関しては、
①          所‐以
②          所‐以
③          所‐以
④                  所‐以
といふ「ハイフンの代用」である。
従って、
(19)により、
(20)
① 君子不v(以v(其(所以)v(養v人)者)害v人)。
② 君子不v(以v(其(所以)v(養v(人間))者)害v人)。
③ 君子不v(以v(其(所以)v(養v人)者)害v(人間))。
④ 君子不v(以v(其(所以)v(養v(人間))者)害v(人間))
に於ける、
①         (所以)
②         (所以)
③         (所以)
④                 (所以)
に関しては、「補足構造」を表してはゐない。
従って、
(12)(20)により、
(21)
① v( v( (  )v( v ) ) v )
② v( v( (  )v( v(  ) ) v )
③ v( v( (  )v( v ) ) v(  ))
④ v( v( (  )v( v(  ) ) v(  ))
といふ「それ」は、「四つ」とも、
① 君子不以其所以養人者害人。
② 君子不以其所以養人間者害人。
③ 君子不以其所以養人者害人間。
④ 君子不以其所以養人間者害人間。
といふ「漢文の、補足構造」を、表してはゐない。
(22)
⑤ 不〔常読(漢文)〕⇒
⑤ 〔常(漢文)読〕不=
⑤ 〔常には(漢文を)読ま〕ず。
の「返り点」は、
⑤ 三 二 一
であって、
⑥ 何不[以〔善(漢文)者〕従]⇒
⑥ 何[〔(漢文)善者〕以従]不=
⑥ 何ぞ[〔(漢文を)善くする者を〕以て従へ]不る。
の「返り点」は、
⑥ 乙 下 二 一 上 甲
である。
(23)
⑤ 三 二 一
⑥ 乙 下 二 一 上 甲
のやうに、「ハイフン」と「レ点」が無い場合は、
⑤ 不〔常読(漢文)〕。
⑥ 何不[以〔善(漢文)者〕従]。
といふ「括弧」を、
⑤ 不(常読(漢文))。
⑥ 何不(以(善(漢文)者)従)。
に替へた上で、「括の左」に「レ点」を加へれば、
⑤ 不v(常読v(漢文))。
⑥ 何不v(以v(善v(漢文)者)従)。
といふ、「漢文訓読の返り点に括弧を導入して構造化する試み」を、得ることになる。
然るに、
(24)
⑤ 不v(常読v(漢文))。
⑥ 何不v(以v(善v(漢文)者)従)。
のやうに、「にだけ「レ点」を加へるのであれば、
⑤ 不(常読(漢文))。
⑥ 何不(以(善(漢文)者)従)。
のやうに、「レ点」を「省略」しても、「そこに在るべき、レ点」の「位置」を見失ふことはない。
従って、
(25)
⑤ 不v(常読v(漢文))。
⑥ 何不v(以v(善v(漢文)者)従)。
に於いて、
⑤  v   v
⑥   v  v  v
は、「不要」である。
平成28年09月17日、毛利太。
―「関連記事」―
(a)「レ点」は要らない。「括弧」があれば、「返り点」も要らない。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/blog-post_22.html
(b)「括弧」は「返り点」の「代用」ではない。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/01_25.html
(c)「一二点」だけでは、「読みにくい」。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/blog-post_26.html
(d)「(レ点を含む)返り点」は、「構造(syntax)」を表してゐない。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/syntax.html)
(e)「括弧と返り点」で表すこと出来る「訓読」の「順番」。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/blog-post_31.html
(f)「括弧」の読み方。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/09/blog-post.html)
(g)「返り点、括弧、構造化。」(http://kannbunn.blogspot.com/2016/09/blog-post_11.html

2016年9月12日月曜日

「英文訓読」と、「普遍文法」としての「括弧(スコープ)」。

―「09月12日の記事」を書き直します。―
(01)
① 王様以外に真実を知る者はゐない。もしその男が真実を知ってゐるのであれば、彼は王様である。
② No one except the king knows the truth. If the man knows the truth, he must be the king.
に於いて、①と② は、「論理的」に「正しく」、「命題」として「等しい」。
然るに、
(02)
② No{one〔except(the king)knows(the truth)〕}. If〔the man knows(the truth)〕, he must〔be(the king)〕.
に於ける、括弧は、英単語のスコープ(scope)を明示する働きを持つ。スコープは、英単語の意味が及ぶ範囲のことをいふ。
従って、
(02)により、、
(03)
② No one except the king knows the truth.If the man knows the truth, he must be the king.
② No{one〔except(the king)knows(the truth)〕}. If〔the man knows(the truth)〕, he must〔be(the king)〕.
であれば、
② No   の意味は、{one except the king knows the truth}に及んでゐて、
② One   の意味は、〔except the king knows the truth〕に及んでゐて、
② except の意味は、(the king) に及んでゐて、
② knows の意味は、(the truth)に及んでゐて、
② If     の意味は、〔the man knows the truth〕に及んでゐて、
② knows の意味は、(the truth)  に及んでゐて、
② must   の意味は、(be the king) に及んでゐて、
② be     の意味は、(the king)    に及んでゐる。
然るに、
(04)
日本語と英語の語順は、次の対比からも分るように、一般にミラーイメージの関係になっている。
(1)久美子を見た   saw kumiko
(2)数学の本     books on math
(3)東京から     form Tokyo
(4)きのう買った本   books that I bought yesterday
(5)那覇へ行ったこと that she went to Naha
(意味と形式の対応と日英語比較小論 - 宇都宮大学 学術情報リポジトリ ...(Adobe PDF) - htmlで見る
従って、
(03)(04)により、
(05)
② No{one〔except(the king)knows(the truth)〕}. If〔the man knows(the truth)〕, he must〔be(the king)〕.
に於いて、
     No{ }→{ }No 
    one{ }→{ }one
 except( )→( )except
 knows( )→( )knows
     If〔 〕→〔 〕If
 knows( )→( )knows
  must〔 〕→〔 〕must
   be( )→( )be
といふ「倒置」を行ふと、
② {〔(the king)except(the truth)knows〕one}No. 〔the man (the truth)knows〕If, he 〔(the king)be〕must=
② {〔(王様)以外に(真実を)知る〕者は}ゐない。〔その男が(真実を)知ってゐる〕のであれば、彼は〔(王様)で〕なければならない。
といふ「語順」を、得ることになる。
従って、
(05)により、
(06)
② No{one〔except(the king)knows(the truth)〕}. If〔the man knows(the truth)〕, he must〔be(the king)〕→
② {〔(the king)except(the truth)knows〕one}No. 〔the man (the truth)knows〕If, he 〔(the king)be〕must=
① {〔(王様)以外に(真実を)知る〕者は}ゐない。〔その男が(真実を)知ってゐる〕のであれば、彼は〔(王様)で〕なければならない。
といふ、「漢文訓読」ならぬ、「英文訓読」が「可能」となる「所以」は、
②  {    〔     (        )     (         )〕}    〔             (         )〕         〔   (        )〕
② {〔(  )   (   )  〕  }    〔    (   )     〕        〔(  ) 〕
といふ「括弧」に、他ならない。
従って、
(01)(06)により、
(07)
② { 〔 ( )( ) 〕 }〔 ( )〔 〕〔  ( ) 〕
② { 〔 ( )( ) 〕 }〔 ( )〔 〕〔  ( ) 〕
といふ「括弧(補足構造)」は、
① 王様以外に真実を知る者はゐない。もしその男が真実を知ってゐるのであれば、彼は王様である。
② No one except the king knows the truth. If the man knows the truth, he must be the king.
といふ「日本語と英語」に於ける、「普遍文法(UG)」である。
然るに、
(08)
エイヴラム・ノーム・チョムスキー(Avram Noam Chomsky、1928年12月7日 - )のやうな、英語のネイティブスピーカーが、
② No{one〔except(the king)knows(the truth)〕}. If〔the man knows(the truth)〕, he must〔be(the king)〕.
といふ「構造(syntax)」の「英語」を話してゐる。のかどうか、私には分らない。
然るに、
(09)
現在小学校では、「外国語活動」として英語が必修化されています。ほとんどの小学校では、5年生、6年生の授業の中に英語が組み込まれています。それらの授業では、英語の歌やゲームなどを取り入れ、「英語を楽しむ」「英語に親しむ」ということに力を入れています。(http://mamari.jp/19054)
従って、
(10)
少なくとも、日本の小学生は、「漢文訓読」ならぬ、「英文訓読」を、行はない。
平成28年09月14日、毛利太。
―「関連記事」―
(a)「レ点」は要らない。「括弧」があれば、「返り点」も要らない。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/blog-post_22.html
(b)「括弧」は「返り点」の「代用」ではない。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/01_25.html
(c)「一二点」だけでは、「読みにくい」。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/blog-post_26.html
(d)「(レ点を含む)返り点」は、「構造(syntax)」を表してゐない。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/syntax.html
(e)「括弧と返り点」で表すこと出来る「訓読」の「順番」。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/blog-post_31.html
(f)「括弧」の読み方。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/09/blog-post.html)
(g)「返り点、括弧、構造化。」(http://kannbunn.blogspot.com/2016/09/blog-post_11.html

2016年9月11日日曜日

返り点・括弧・構造化。

―「09月12日の記事」を書き直します。―
(01)
括弧は、論理演算子のスコープ(scope)を明示する働きを持つ。スコープは、論理演算子の働きが及ぶ範囲のことをいう。
(産業図書、数理言語学辞典、2013年、四七頁:命題論理、今仁生美)
(02)
漢文に於ける、括弧は、漢字のスコープ(管到)を明示する働きを持つ。管到は、漢字の意味が及ぶ範囲のことをいふ。
従って、
(02)により、
(03)
① 君子不{以[其所‐以〔養(人)〕者]害(人)}。
であれば、
①   不 の意味は、{以其所‐以養人者害人}に及んでゐて、
①   以 の意味は、[其所‐以養人者]に及んでゐて、
① 所‐以 の意味は、〔養人〕に及んでゐて、
①     養 の意味は、(人)に及んでゐて、
①     害 の意味は、(人)に及んでゐる。
然るに、
(04)
① 不{以其所‐以養人者害人}
に於いて、
①   {以其所‐以養人者害人}は、
① 不 の「補足語」であって、
① 害(人)
に於いて、
①  (人)は、
① 害 の「補足語」である。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
① 君子不{以[其所‐以〔養(人)〕者]害(人)}。
に於ける「括弧」は、「管到の合成」である所の、「補足構造」を表してゐる。
然るに、
(06)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である。
(鈴木直治、中国語と漢文、1975年、二九六頁)
従って、
(05)(06)により、
(07)
① 君子不{以[其所‐以〔養(人)〕者]害(人)}。
に於いて、
  不{ }→{ }不
  以[ ]→[ ]以
所‐以〔 〕→〔 〕所‐以
   養( )→( )養
   害( )→( )害
といふ「倒置」を行ふと、
① 君子不{以[其所‐以〔養(人)〕者]害(人)}→
① 君子{[其〔(人)養〕所‐以者]以(人)害}不=
① 君子は{[其の〔(人を)養ふ所‐以の〕者を]以て(人を)害せ}不。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
従って、
(07)により、
(08)
① 君子は{[其の〔(人を)養ふ所‐以の〕者を]以て(人を)害せ}不。
に於いて、「平仮名」を無視して、
  不{ }←{ }不
  以[ ]←[ ]以
所‐以〔 〕←〔 〕所‐以
   養( )←( )養
   害( )←( )害
② 君子不{以[其所‐以〔養(人)〕者]害(人)}。
といふ「漢文復文」が、成立する。
従って、
(03)~(08)により、
(09)
① 君子不以其所以養人者害人。
といふ「白文」を、或る人(例へば私)が、
① 君子は其の、人を養ふ所‐以の者を以て、人を害せ不。
といふ風に、「訓読」出来るのであれば、其の人は、
① 君子不以其所以養人者害人。
といふ「白文」の、
① 君子不{以[其所‐以〔養(人)〕者]害(人)}。
といふ「補足構造」を把握してゐる。
然るに、
(10)
① 君子は{[其の〔(人 を)養ふ所‐以の〕者を]以て(人 を)害せ}不。
② 君子は{[其の〔(人間を)養ふ所‐以の〕者を]以て(人 を)害せ}不。
③ 君子は{[其の〔(人 を)養ふ所‐以の〕者を]以て(人間を)害せ}不。
④ 君子は{[其の〔(人間を)養ふ所‐以の〕者を]以て(人間を)害せ}不。
従って、
(07)(10)により、
(11)
① 君子不以其所以養人者害人。
② 君子不以其所以養人間者害人。
③ 君子不以其所以養人者害人間。
④ 君子不以其所以養人間者害人間。
といふ「漢文」の「補足構造」は、
① { [  ‐ 〔 ( )〕 ] ( )}
② { [  ‐ 〔 ( )〕 ] ( )}
③ { [  ‐ 〔 ( )〕 ] ( )}
④ { [  ‐ 〔 ( )〕 ] ( )}
といふ「一通り」しか、無い。
然るに、
(12)

従って、
(11)(12)により、
(13)
① { [  ‐ 〔 ( )〕 ] ( )}
② { [  ‐ 〔 ( )〕 ] ( )}
③ { [  ‐ 〔 ( )〕 ] ( )}
④ { [  ‐ 〔 ( )〕 ] ( )}
といふ「一通り」に対して、「漢文訓読の返り点に括弧を導入して構造化する試み」の場合は、
① v( v( (  )v( v ) ) v )
② v( v( (  )v( v(  ) ) v )
③ v( v( (  )v( v ) ) v(  ))
④ v( v( (  )v( v(  ) ) v(  ))
といふ「四通り」である。
(14)
「返り点に対する括弧の用法(このブログ)」を、「用法」とし、
「漢文訓読の返り点に括弧を導入して構造化する試み」を「試み」とする。
(15)
(a)「試み」は、「丸括弧」だけを用ゐるが、「用法」は、さうではない。
(b)「用法」が、「ハイフン」用ゐるの所を、「試み」は、「括弧」を用ゐる。
(c)「用法」は「一字の補語」と「二字以上の補語」を区別しないが、「試み」はさうではない。
(16)
(a)に関しては、
① ( (  ‐ ( ( )) ) ( ))
② ( (  ‐ ( ( )) ) ( ))
③ ( (  ‐ ( ( )) ) ( ))
④ ( (  ‐ ( ( )) ) ( ))
といふ「用法」があっても良いため、「本質的な違ひ」ではない。
(17)
「用法」の場合は、
⑤ 訓‐読(漢文)  =(漢文を)訓‐読す。
であるのに対して、
「試み」の場合は、(b)であるため、
⑤(訓読)v(漢文)=(漢文を)(訓読す)。
である。
従って、
(17)により、
(18)
「試み」は、「補足語」以外にも、「括弧」が付く。
(19)
「用法」の場合は、
⑥ 読(書)  =(書を)読む。
⑦ 読(漢文)=(漢文を)読む。
であるのに対して、
「試み」の場合は、(c)であるため、
⑥ 読v書      = 書を読む。
⑦ 読v(漢文)=(漢文を)読む。
である。
然るに、
(20)
⑥ 我読書 =SVO(英語第3文型)
⑦ 我読漢文=SVO(英語第3文型)
であるため、
⑥ 読書 =VO
⑦ 読漢文=VO
である。
従って、
(19)(20)により、
(21)
「試み」の場合は、
(c)「一字の補語」と「二字以上の補語」を区別する。が故に、
⑥ 読書 =VO
⑦ 読漢文=VO
に対して、
⑥ 読v書。
⑦ 読v(漢文)。
といふ、「二通り」が有ることになる。
然るに、
(22)
⑥ 読v書。
⑦ 読v(漢文)。
ではなく、
⑥ 読v(書)。
⑦ 読v(漢文)。
であっても、「支障」はない。
従って、
(22)により、
(23)
① 君子不v(以v(其(所以)v(養v人)者)害v人)。
ではなく、
① 君子不v(以v(其(所以)v(養v(人))者)害v(人))。
であっても、「支障」はない。
然るに、
(24)
① 君子不v(以v(其(所以)v(養v(人))者)害v(人))。
に於いて、
①                 (所以)
を、
①                  所‐以
に替へて、
① 君子不v(以v(其 所‐以v(養v(人))者)害v(人))。
としたとしても、「支障」はない。
然るに、
(25)
① 君子不v(以v(其 所‐以v(養v(人))者)害v(人))。
であれば、「レ点の位置」は、常に、「( )の左」である。
従って、
(25)により、
(26)
① 君子不(以(其 所‐以(養(人))者)害(人))。
であったとしても、「レ点が有った位置」を見失ふことはない。
従って、
(16)(23)~(26)により、
(27)
① 君子不v(以v(其(所以)v(養v人)者)害v人)。
といふ「試み」は、
① 君子不(以(其 所‐以(養(人))者)害(人))。
といふ「用法」に、「書き換へ」ることが出来る。
(28)
⑧ 非v不v欲v(捕取)v(鳥雀)      =鳥雀を捕取せんと欲っせざるに非ず。
⑨ 非{不[欲〔捕‐取(鳥雀)〕]}=鳥雀を捕取せんと欲っせざるに非ず。
に於いて、
⑧ は「試み」であって、
⑨ は「用法」である。
然るに、
(29)
⑨ 非{不[欲〔捕‐取(鳥雀)〕]}。
であれば、
⑨「二重否定」といふ「構造」を表してゐるのに対して、
⑧ 非v不v欲v(捕取)v(鳥雀)。
であれば、ただ単に、「逆から読む」といふ「順番」を表してゐるに、過ぎない。
平成28年09月15日、毛利太。
―「関連記事」―
(a)「レ点」は要らない。「括弧」があれば、「返り点」も要らない。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/blog-post_22.html
(b)「括弧」は「返り点」の「代用」ではない。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/01_25.html
(c)「一二点」だけでは、「読みにくい」。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/blog-post_26.html
(d)「(レ点を含む)返り点」は、「構造(syntax)」を表してゐない。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/syntax.html
(e)「括弧と返り点」で表すこと出来る「訓読」の「順番」。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/blog-post_31.html
(f)「括弧」の読み方。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/09/blog-post.html

2016年9月1日木曜日

「括弧」の読み方。

(01)
(  =括
  )= 弧
( )=括弧
とする。
(02)
① 我揮(快刀)断(乱麻)者也。
に於いて、
① 読
① 断
を、「括の左(the left of 括)」とする。
(03)
(a)「括の左」以外は、「左から右に」読む。
(b)「括弧の中を先に」読み、その後で「括の左」を読む。
とする。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 我揮(快刀)断(乱麻)者也。
といふ「漢文」は、
① 我揮(快刀)断(乱麻)者也⇒
① 我(快刀)揮(乱麻)断者也=
① 我は 快刀を 揮って 乱麻を 断つ 者 也。
といふ「順番」で、「訓読」する。
(05)
〔  =括
  〕= 弧
〔 〕=括弧
とする。
(06)
〔( )〕
に於いて、
 ( )
は、「内側の括弧」とし、
〔   〕
は、「外側の括弧」とする。
(07)
(a)「括の左」以外は、「左から右に」読む。
(b)「括弧の中を先に」読み、その後で「括の左」を読む。
(c)「括弧」の中に「括弧」が在る場合は、「内側の括弧の中を先に」読む。
従って、
(01)~(07)により、
(08)
② 我非〔揮(快刀)断(乱麻)者〕也。
であれば、
② 我 を「最初」に読み、
② 也 を「最後」に読む。
(09)
② 非 は、〔揮(快刀)断(乱麻)者〕 を読んだ「直後」に読む。
(10)
② 揮(快刀) と、
② 断(乱麻) であれば、
② 揮(快刀) を「先」に読み、
② 断(乱麻) を「後」に読む。
(11)
② (快刀)を読んだ「直後」に、揮 を読み、
② (乱麻)を読んだ「直後」に、断 を読む。
従って、
(08)~(11)により、
(12)
② 我非〔揮(快刀)断(乱麻)者〕也⇒
② 我〔(快刀)揮(乱麻)断者〕非也=
② 我は 快刀を 揮って 乱麻を 断つ 者に 非ざる なり。
といふ「順番」で、「返読」する。
(13)
(a)「括の左」以外は、「左から右に」読む。
(b)「括弧の中を先に」読み、その後で「括の左」を読む。
(c)「括弧」の中に「括弧」が在る場合は、「内側の括弧の中を先に」読む。
といふ「ルール」を、
    ( )
   〔( )〕
  [〔( )〕]
 {[〔( )〕]}
〈{[〔( )〕]}〉
といふ「括弧」に対して、「適用」する。
(14)
而=て
之=の
之=行く
者=は
也=なり
也=置き字
不=ず
不=あらず
将=且に+す
於=置き字
とする。
従って、
(01)~(14)により、
(15)
③ 何不〈令{人謂(韓公叔)曰[秦之敢絶(周)而伐(韓)者、信(東周)也、公何不〔与(周地)発(質使)之(楚)〕、秦必疑(楚)、不〔信(周)〕、是韓不(伐)也]、又謂(秦)曰[韓彊与(周地)、将〔以疑(周於秦)〕也、周不〔敢不(受)〕]}〉。
であれば、
③ 何〈{人(韓公叔)謂[秦之敢(周)絶而(韓)伐者、(東周)信也、公何〔(周地)与(質使)発(楚)之〕不、秦必(楚)疑、〔(周)信〕不、是韓(伐)不也]曰、又(秦)謂[韓彊(周地)与、且〔以(周於秦)疑〕也、周〔敢(受)不〕不]曰}令〉不。
③ 何ぞ 人をして 韓の公叔に 謂ひて 秦の敢へて 周を 絶って 韓を 伐たんとするは 東周を 信ずればなり 公何ぞ 周に地を 与へ 質使を 発して 楚に 行かしめ ざる 秦必ず 楚を 疑ひ 周を 信ぜ ざらん 是れ 韓 伐たれ ざらんと 曰ひ 又 秦に 謂ひて 韓 彊ひて 周に地を 与ふるは 且に 以て 周を秦に 疑はしめんとする なり 周 敢へて 受け ずんば あらずと 曰は 令め ざる。
といふ「順番」で、「辺読」される。
然るに、
(16)

従って、
(15)(16)により、
(17)
③〈{( )[( )( )( )〔( )( )( )〕( )〔( ) 〕( )]( )[( )〔( )〕〔( )〕]}〉
③ レ 丁 二 一 地 レ レ 二 一 下 二 一 二 一 上レ レ レ レ 天レ レ 丙 二 一 三 二 一 乙 甲レ
といふ「括弧&返り点」は、
③ 何不令人謂韓公叔曰秦之敢絶周而伐韓者信東周也公何不与周地発質使之楚秦必疑楚不信周是韓不伐也又謂秦曰韓彊与周地将以疑周於秦也周不敢不受。
といふ「漢文の語順」を、
③ 何人韓公叔謂秦之敢周絶而韓伐者東周信也公何周地与質使発楚之不秦必楚疑周信不是韓伐不也曰又秦謂韓彊周地与且以周於秦疑也周敢受不不曰令不。
といふ「訓読の語順」に、「並び替へ(ソートす)」ることが、出来る。
然るに、
(18)
④ 言不何=
④ 言(不〔何)〕⇒
④ (〔何)言〕不=
④ (〔何ぞ)言は〕ざる。
に於いて、
④  ( 〔 )〕
といふ「それ」は、「括弧」ではなく
  一
といふ「それ」も、「返り点」ではない
従って、
(18)により、
(19)
「括弧&返り点」は、
④ 言不何。
といふ「語順」を、
④ 何言不。
といふ「訓読の語順」に、「並び替へ(ソートす)」ることが、出来ない
従って、
(17)(19)により、
(20)
③ 何不令人謂韓公叔曰秦之敢絶周而伐韓者信東周也公何不与周地発質使之楚秦必疑楚不信周是韓不伐也又謂秦曰韓彊与周地将以疑周於秦也周不敢不受。
④ 言不何。
に於いて、
③ といふ「66字」は、「括弧&返り点」を用ゐることが、出来、
④ といふ「 字」は、「括弧&返り点」を用いることが、出来ない
平成28年09月01日、毛利太。
―「関連記事」―
(a)「レ点」は要らない。「括弧」があれば、「返り点」も要らない。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/blog-post_22.html
(b)「括弧」は「返り点」の「代用」ではない。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/01_25.html
(c)「一二点」だけでは、「読みにくい」。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/blog-post_26.html
(d)「(レ点を含む)返り点」は、「構造(syntax)」を表してゐない。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/syntax.html
(e)「括弧と返り点」で表すこと出来る「訓読」の「順番」。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/blog-post_31.html
(f)「返り点、括弧、構造化。」(http://kannbunn.blogspot.com/2016/09/blog-post_11.html