2016年8月22日月曜日

「レ点」は要らない。「括弧」があれば、「返り点」も要らない。

(01)
(a)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
(b)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(c)上 中 下
(d)甲 乙 丙 丁 戊 ・ ・ ・ ・ ・
(e)天 地 人
は、「普通の、返り点」である。
然るに、
(02)
(c)上 中 下
では「不足」するため、
(c)上 中 下 松 竹 梅
とする。
加へて、
(03)
(a)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
であれば、
(b)一 二 三 四 五 六
(c)上 中 下 松 竹 梅
(d)甲 乙 丙 丁 戊 己
(e)天 地 人 ・ ・ ・
で「置き換へ」ることが出来る。
従って、
(04)
① 我、 刀を揮って 麻を断たんと欲す。
② 我、 刀を揮って乱麻を断たんと欲す。
③ 我、快刀を揮って 麻を断たんと欲す。
④ 我、快刀を揮って乱麻を断たんと欲す。
⑤ 快刀を揮って乱麻を断たんと欲せず。
⑥ 必ずしも快刀を揮って乱麻を断たんと欲せず。
といふ風に、「訓読」する所の、

といふ「返り点」は、
といふ「返り点」に等しい。
然るに、
(05)

従って、
(04)(05)により、
(06)
「返り点」は、
① 163254。
② 1732645。
③ 1742365。
④ 18423756。
⑤ 87312645。
⑥ 918423756。
といふ「順番」を、
① 123456。
② 1234567。
③ 1234567。
④ 18423756。
⑤ 12345678。
⑥ 123456789
といふ「順番」に「並び替へ(ソートす)る」ことが、出来る。
然るに、
(07)
① 16〔3(2)5(4)〕。
② 17〔3(2)6(45)〕。
③ 17〔4(23)6(5)〕。
④ 18〔4(23)7(56)〕。
⑤ 8[7〔3(12)6(45)〕]。
⑥ 9[18〔4(23)7(56)〕]。
の内の、例へば、
⑥ 9[18〔4(23)7(56)〕]。
に於いて、
 9[ ]⇒[ ]9
 8〔 〕⇒〔 〕8
 4( )⇒( )4
 7( )⇒( )7
といふ「倒置」を行ふと、
⑥ 9[18〔4(23)7(56)〕]⇒
⑥ [1〔(23)4(56)7〕8]9=
⑥ 123456789。
従って、
(06)(07)により、
(08)
「返り点&括弧」は、
① 163254。
② 1732645。
③ 1742365。
④ 18423756。
⑤ 87312645。
⑥ 918423756。
といふ「順番」を、
① 123456。
② 1234567。
③ 1234567。
④ 18423756。
⑤ 12345678。
⑥ 123456789
といふ「順番」に「並び替へ(ソートす)る」ことが、出来る。
然るに、
(09)
① 163254。
② 1732645。
③ 1742365。
④ 18423756。
⑤ 87312645。
⑥ 918423756。
といふ「順番」を、
① 3<5>2
② 6<7>5
③ 4<6>3
④ 7<8>6
⑤ 3<7>2
⑥ 7<9>6
といふ「順番」を含む所の、
① 163524。
② 1326745。
③ 17635。
④ 142378
⑤ 837645。
⑥ 1842359
に変へるならば、その際の「返り点」は、

である。
然るに、
(10)
「上下点」の間には、「一二点」が無くてはならず、
「一二点」の間には、「上下点」が有ってはならない。
従って、
(09)(10)により、
(11)
① 163524。
③ 1742635。
⑤ 83712645。
といふ「順番」に付く、
① 下 二 中 一 上
③ 下 二 中 一 上
⑤ 二 下 一 中 上
といふ「それ」は、「返り点」ではない
加へて、
(12)
「返り点」は、「下から、上へ返る点」であるため、「から、に降りる点」は、「返り点」では
従って、
(09)(12)により、
(13)
② 1326745。
④ 14237856。
⑥ 1423756。
といふ「順番」に付く、
② 二 一 中 下 上
④ 二 一 中 下 上
 二 一 中  上
といふ「返り点」の、



といふの「部分」が、「返り点」ではない
然るに、
(14)
① 16[3(5〔2)4〕]。
② 13(2)6(7〔45)〕。
③ 17[4(26〔3)5〕]。
④ 14(23)7(8〔56)〕。
⑤ 8[3(7〔12)6(45)〕]。
⑥ 18〔4(23)7(59[6)〕]。
の内の、例へば、
② 13(2)6(7〔45)〕。
に於いて、
 3( )⇒( )3
 6( )⇒( )6
 7〔 〕⇒〔 〕7
といふ「倒置」を行ふと、
② 13(2)6(7〔45)〕⇒
② 1(2)3(〔45)6〕7=
② 1234567。
然るに、
(15)
①   [ ( 〔  〕]
②   ( ) ( 〔  
③   [ (  〔  〕]
④   (  ) ( 〔  
⑤  [ ( 〔   (  )〕]
⑥   〔 (  ) (  [ )〕
は、「括弧」ではない。
従って、
(09)(11)(13)(14)により、
(15)
「返り点&括弧」は、
① 3<5>2
② 6<7>5
③ 4<6>3
④ 7<8>6
⑤ 3<7>2
⑥ 7<9>6
といふ「順番」を含む所の、
① 163524。
② 1326745。
③ 1742635。
④ 14237856。
⑤ 83712645。
⑥ 184237596。
といふ「順番」を、
① 123456。
② 1234567。
③ 1234567。
④ 18423756。
⑤ 12345678。
⑥ 123456789
といふ「順番」に「並び替へ(ソートす)る」ことが、出来ない
従って、
(08)(15)により、
(16)
「返り点&括弧」は、
① 163254。
② 1732645。
③ 1742365。
④ 18423756。
⑤ 87312645。
⑥ 918423756。
といふ「順番」を、
① 123456。
② 1234567。
③ 1234567。
④ 18423756。
⑤ 12345678。
⑥ 123456789
といふ「順番」に「並び替へ(ソートす)る」ことが、出来るものの、
「返り点&括弧」は、
① 3<5>2
② 6<7>5
③ 4<6>3
④ 7<8>6
⑤ 3<7>2
⑥ 7<9>6
といふ「順番」を含む所の、
① 163524。
② 1326745。
③ 1742635。
④ 14237856。
⑤ 83712645。
⑥ 184237596。
といふ「順番」を、
① 123456。
② 1234567。
③ 1234567。
④ 18423756。
⑤ 12345678。
⑥ 123456789
といふ「順番」に「並び替へ(ソートす)る」ことが、出来ない
然るに、
(17)
「返り点」を用ゐて、「返読」出来ない「漢文」は、存在しない
従って、
(16)(17)により、
(18)
① 3<5>2
② 6<7>5
③ 4<6>3
④ 7<8>6
⑤ 3<7>2
⑥ 7<9>6
といふ「順番」を含む所の、「漢文訓読」は、存在しない
従って、
(03)(09)(17)により、
(19)
① 我欲揮刀断麻。
② 我欲揮刀断乱麻。
③ 我欲揮快刀断麻。
④ 我欲揮快刀断乱麻。
⑤ 不欲揮快刀断乱麻。
⑥ 不必欲揮快刀断乱麻。
ではなく、
① 我欲刀断揮麻。
② 我揮刀断欲乱麻。
③ 我欲揮快断刀麻。
④ 我揮快刀断欲乱麻。
⑤ 不揮欲快刀断乱麻。
⑥ 必欲揮快刀断乱不麻。
といふ「それ」を、
① 我、刀を揮って麻を断たんと欲す。
② 我、刀を揮って乱麻を断たんと欲す。
③ 我、快刀を揮って麻を断たんと欲す。
④ 我、快刀を揮って乱麻を断たんと欲す。
⑤ 快刀を揮って乱麻を断たんと欲せず。
⑥ 必ずしも快刀を揮って乱麻を断たんと欲せず。
といふ風に、「訓読」することは、出来ないし、固より、
① 我欲刀断揮麻。
② 我揮刀断欲乱麻。
③ 我欲揮快断刀麻。
④ 我揮快刀断欲乱麻。
⑤ 不揮欲快刀断乱麻。
⑥ 必欲揮快刀断乱不麻。
といふ「それ」は、「漢文」としては、有り得ない
(20)
⑦ 欲揮刀断乱麻。
⑧ 欲揮快刀断乱麻。
といふ「漢文」を、
⑦ 刀を揮って乱をち麻をたんと欲す。
⑧ 快刀を揮って乱をち麻をたんと欲す。
と読むのであれば、「返り点」は、

である。
然るに、
(21)
⑦ 欲揮刀断乱麻。
⑧ 欲揮快刀断乱麻。
といふ「漢文」の「訓読」は、
⑦ 刀を揮って乱麻をたんと欲す。
⑧ 快刀を揮って乱麻をたんと欲す。
である。
従って、
(20)(21)により、
(22)
一レ 上レ 甲レ 天レ
に対して、
二レ 中レ 乙レ 地レ
等の「それ」は、存在しない。
(23)
(a)一 二 三 四 五 六
(b)上 中 下 松 竹 梅
(c)甲 乙 丙 丁 戊 己
に於いて、
(a)を超えて「返る」場合に、
(b)を用ゐ、
(b)を超えて「返る」場合に、
(c)を用ゐる、とする。
従って、
(24)
例へば、
⑨ 丙 下 二 一 中 二 一 上 乙 三 二 一 甲
である。
(25)
A=10
B=11
C=12
D=13
E=14
F=15
G=16
H=17
I=18
J=19
K=20
であるとする。
従って、
(24)(25)により、
(26)
⑨ K1C2534B6879ADJHEGFI。
⑨ 丙 下 二 一中 二一 上 乙三 二一甲
に於いて、「上段」は「語順」であり、「下段」はそれに付く「返り点」である。
然るに、
(27)
⑨ K{1C[25(34)B〔68(7)9A〕]DJ[H〔EG(F)〕I]}。
に於いて、
 K{ }⇒{ }K
 C[ ]⇒[ ]C
 5( )⇒( )5
 B〔 〕⇒〔 〕B
 8( )⇒( )8
 J[ ]⇒[ ]J
 H〔 〕⇒〔 〕H
 G( )⇒( )G
といふ「倒置」を行ふと、
⑨ K{1C[25(34)B〔68(7)9A〕]DJ[H〔EG(F)〕I]}⇒
⑨ {1[2(34)5〔6(7)89A〕B]CD[〔E(F)G〕HI]J}K=
⑨ 123456789ABCDEFGHIJK。
然るに、
(28)
⑨ 丙 下 二 一中 二一 上 乙三 二一甲
といふ「返り点」は、「レ点」を用ゐると、
⑨ 丙 下 二 一中 レ  上 乙二 一レ甲
に相当する。
従って、
(27)(28)により、
(29)
⑨ 〈{[( )〔( )〕][〔( )〕]}〔( )〕〉
といふ「括弧」は、例へば、
⑨ 丙 下 二 一 中 レ 上 乙 二 一レ 甲
といふ「返り点」に相当する。
(30)
⑩ 人 丙 下 二 一 中 レ 上 乙 二 一レ 甲 地 天レ
であれば、「括弧」は、
⑩ 〈{[( )〔( )〕][〔( )〕]}〔( )〕〉
である。
従って、
(31)
⑩ 地〔天(囗)〕
ではなく、
⑪ 地〔天(囗囗)〕
であるならば、
(e)天 地 人
では、不足する。
従って、
(32)
⑪ 地〔天(囗囗)〕
であるならば、例へば、
⑪ 間〈{[( )〔( )〕][〔( )〕]}人〔地(囗天)〕〉⇒
⑪ 〈{[( )〔( )〕][〔( )〕]}〔(囗天)地〕人〉間。
である。
(33)
⑫ 3<4>2
といふ「順番」を含んでゐても、
⑫ 訓‐読漢文。
⑫ 3‐412。
のやうに、
⑫ 漢文を訓‐読す。
の場合は、すなはち、「述語」が「熟語」である場合は、
⑫ 訓‐読漢文=
⑫ 3‐412=
⑫ 3‐4(12)⇒
⑫ (12)3‐4=
⑫ (漢文)訓‐読=
⑫ 漢文を訓-読す。
である。
(34)
⑫ 訓‐読漢文。
の「返り点」は、

のやうに、「二通り」が「可能」であるが、「正しい」のは、「前者(右)」である。
(35)
「ハイフン」が付いてゐる「語」は、「単語」であると見做し、尚且つ、
(a)一 二 三 四 五 六
(b)上 中 下 松 竹 梅
(c)甲 乙 丙 丁 戊 己
(d)天 地 人 間 ・ ・
は、「単語の左下」に付くとすると、「任意の語順」に付く「返り点」は、「括弧」と同じく、「一通り」しか無い。
然るに、
(36)
「漢文の返り点は大体の標準はあったが、細かいところには違いがあった(原田種成り、漢文のすすめ、1992年、112頁)」とあるやうに、
(a)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
(b)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(c)上 中 下
(d)甲 乙 丙 丁 戊 ・ ・ ・ ・ ・
(e)天 地 人
の場合は、「一通り」には、決まらない
従って、
(37)
「返り点」を付ける本人が「それで良い」と思っても、「漢文の句読・返点・添仮名・読方法(官報、明治四十五年三月二十九日)」がそれを認めない場合は、「間違ひ」となる。
(38)
⑨ K{1+C[2+5(3+4)B〔6+8(7)9+A〕]D+J[H〔E+G(F)〕+I]}。
に於いて、
⑨「Kの意味」は、{1+C[2+5(3+4)B〔6+8(7)9+A〕]D+J[H〔E+G(F)〕+I]}の「全体」に及んでゐて、
⑨「Cの意味」は、[2+5(3+4)B〔6+8(7)9+A〕]D+J[H〔E+G(F)〕+I]の「全体」及んでゐて、
⑨「1の意味」は、Cに及んでゐて、「以下同様」である。
(39)
⑥ 我+不[必+欲〔揮(快+刀)断(乱+麻)〕]。
であれば、
⑥「私」は、「不」に及んでゐて、
⑥「不」は、[必+欲〔揮(快+刀)断(乱+麻)〕]に及んでゐて、
⑥「必」は、「欲」に及んでゐて、
⑥「欲」は、〔揮(快+刀)断(乱+麻)〕に及んでゐて、
⑥「揮」は、(快+刀)に及んでゐて、
⑥「快」は、「刀」に及んでゐて、
⑥「断」は、(乱+麻)に及んでゐて、
⑥「乱」は、「麻」に及んでゐる。
従って、
(39)により、
(40)
⑥ 我不必欲揮快刀断乱麻。
に於いて、
⑥「我」は、「不」を介して、「不必欲揮快刀断乱麻」の「全体」に及んでゐる。
従って、
(40)により、
(41)
⑥ 我不必欲揮快刀断乱麻。
に於いて、
⑥「我」は、「語(major word)」である。
平成28年08月22・23日、毛利太。
―「関連記事」―
(a)「括弧」は「返り点」の「代用」ではない。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/01_25.html
(b)「一二点」だけでは、「読みにくい」。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/blog-post_26.html
(c)「(レ点を含む)返り点」は、「構造(syntax)」を表してゐない。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/syntax.html
(d)「括弧と返り点」で表すこと出来る「訓読」の「順番」。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/blog-post_31.html
(e)「括弧」の読み方。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/09/blog-post.html
(f)「返り点、括弧、構造化。」(http://kannbunn.blogspot.com/2016/09/blog-post_11.html

0 件のコメント:

コメントを投稿