(01)
三
↑
二二
↑
一
(02)
二二
↑↓
三
一
(03)
二二
↑↓
一
三
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 三 二 一
② 二 三 一
③ 二 一 三
を「縦書き」にすると、
① は、「下から上に返り、下から上に返ってゐる。」
② は、「下から上に返り、上から下に降りてゐる。」
③ も、「下から上に返り、上から下に降りてゐる。」
然るに、
(05)
例へば、
① 不必読漢文=必ずしも漢文を読まず。
② 必読不漢文=必ずしも漢文を読まず*
③ 必読漢文者=必ず漢文を読む者。
であれば、
である。
従って、
(06)
③ 二 一 三
の場合は、
③ 二 一
が「正しい」。
従って、
(04)(06)により、
(07)
① 三 二 一
② 二 三 一
③ 二 一
といふ「返り点」を「縦書き」にすると、
① は、「下から上に返り、下から上に返ってゐる。」
② は、「下から上に返り、上から下に降りてゐる。」
③ は、「下から上に返ってゐる。」
然るに、
(08)
「上から順に読む」場合、「返り点」は「不要」であるため、
「下から上へ 返る点 」は「返り点」であるが、
「上から下へ降りる点」は「返り点」ではない。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① 三 二 一
② 二 三 一
③ 二 一
に於いて、
② は、「返り点」ではない。
(10)
二二
↑↓
三三
↑ ↓
四
一
(11)
二二
↓四
↑ ↑
三三
一
従って、
(10)(11)により、
(12)
④ 二 三 四 一
⑤ 二 四 三 一
といふ「返り点」を「縦書き」にすると、
④ は、「下から上に返り、上から下に降り、上から下に降りてゐる。」
⑤ は、「下から上に返り、上から下に降り、下から上に返ってゐる。」
従って、
(08)(09)(12)により、
(13)
① 三 二 一
② 二 三 一
③ 二 一
④ 二 三 四 一
⑤ 二 四 三 一
に於いて、
②と④と⑤ は、「返り点」ではない。
然るに、
(14)
上中下点(上・下、上・中・下)は、
必ず一二点をまたいで返る場合に用いる。数学の式における( )が一二点で、{ }が上中下点に相当するものと考えるとわかりやすい(原田種成、私の漢文講義、1995年、43頁改)。
従って、
(14)により、
(15)
⑥ 下 中 二 一 上
⑦ 下 二 中 一 上
に於いて、
⑦ は、「返り点」ではない。
従って、
(13)(15)により、
(16)
① 三 二 一
② 二 三 一
③ 二 一
④ 二 三 四 一
⑤ 二 四 三 一
⑥ 下 中 二 一 上
⑦ 下 二 中 一 上
に於いて、
②と④と⑤と⑦ は、「返り点」ではない。
従って、
(17)
① 三 二 一
③ 二 一
⑥ 下 中 二 一 上
は、「返り点」であるが、
② 二 三 一
④ 二 三 四 一
⑤ 二 四 三 一
⑦ 下 二 中 一 上
は、「返り点」ではない。
然るに、
(18)
① 三〔二(一)〕。
に於いて、
三〔 〕⇒〔 〕三
二( )⇒( )二
といふ「倒置」を行ふと、
① 三〔二(一)〕⇒
① 〔(一)二〕三。
(19)
③ 二(一)。
に於いて、
二( )⇒( )二
といふ「倒置」を行ふと、
③ 二(一)⇒
③ (一)二。
(19)
⑥ 下[中〔二(一)上〕]。
に於いて、
下[ ]⇒[ ]下
中〔 〕⇒〔 〕中
二( )⇒( )二
といふ「倒置」を行ふと、
⑥ 下[中〔二(一)上〕]⇒
⑥ [〔(一)二上〕中]下。
(20)
② 二(三〔一)〕。
に於いて、
三〔 〕⇒〔 〕三
二( )⇒( )二
といふ「倒置」を行ふと、
② 二(三〔一)〕⇒
② (〔一)二〕三。
(21)
④ 二(三〔四[一)〕]。
に於いて、
四[ ]⇒[ ]四
三〔 〕⇒〔 〕三
二( )⇒( )二
といふ「倒置」を行ふと、
④ 二(三〔四[一)〕]⇒
④ (〔[一)二〕三]四。
(22)
⑤ 二(四[三〔一)〕]。
に於いて、
四[ ]⇒[ ]四
三〔 〕⇒〔 〕三
二( )⇒( )二
といふ「倒置」を行ふと、
⑤ 二(四[三〔一)〕]⇒
⑤ ([〔一)二〕三]四。
(23)
⑦ 下[二(中〔一)上〕]。
に於いて、
下[ ]⇒[ ]下
三〔 〕⇒〔 〕三
中( )⇒( )中
といふ「倒置」を行ふと、
⑦ 下[二(中〔一)上〕]⇒
⑦ [(〔一)二上〕中]下。
然るに、
(24)
① 三〔二(一)〕。
③ 二(一)。
⑥ 下[中〔二(一)上〕]。
② 二(三〔一)〕。
④ 二(三〔四[一)〕]。
⑤ 二(四[三〔一)〕]。
⑦ 下[二(中〔一)上〕]。
に於いて、
① 〔( )〕
③ ( )
⑥ [〔( )〕]
は、「括弧」であるが、
② (〔 )〕
④ (〔[ )〕]
⑤ ([〔 )〕]
⑦ [(〔 )〕]
は、「括弧」でない。
従って、
(17)(24)により、
(25)
① 三〔二(一)〕。
③ 二(一)。
⑥ 下[中〔二(一)上〕]。
は、「返り点&括弧」であるが、
② 二(三〔一)〕。
④ 二(三〔四[一)〕]。
⑤ 二(四[三〔一)〕]。
⑦ 下[二(中〔一)上〕]。
は、「返り点&括弧」ではない。
従って、
(25)により、
(26)
「返り点」と「括弧」は、
① 3>2>1
③ 2>1
⑥ 5>4<2>1<3
といふ「順番」を、
① 1<2<3
③ 1<2
⑥ 1<2<3<4<5
といふ「順番」に「並び替へ(ソートす)る」ことは、出来るものの、
「返り点」と「括弧」は、
② 2<3>1
④ 2<3<4>1
⑤ 2<4>3>1
⑦ 5>2<4>1<3
といふ「順番」を、
② 1<2<3
④ 1<2<3<4
⑤ 1<2<3<4
⑦ 1<2<3<4<5
といふ「順番」に「並び替へ(ソートす)る」ことが、出来ない。
平成28年08月19日、毛利太。
―「関連記事」―
(a)ジョン万次郎の「返り点」、英文訓読。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/blog-post_17.html)
(b)「論理学の括弧」と「漢文の括弧」。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/08/blog-post_6.html)
(c)「返り点と、括弧の関係(最も重要な記事)」。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/07/blog-post_6.html)
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