2017年12月31日日曜日

「代々木ゼミ方式、多久の漢文公式110」のマチガイについて。

―「昨日と、一昨日の記事」を、書き直します。―
―「返り点」と「括弧」については、『「一二点・上下点」について(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html)』他を、お読み下さい。―
(01)
P=賈島の才能を愛す。
Q=賈島の短命を惜しむ。
とするならば、
① 賈島の才能を愛して、賈島の短命を惜しむ。といふことはない。
② 賈島の才能を愛するならば、賈島の短命を惜しまない。
といふ「日本語」は、
① ~(P&  Q)
②     P→~Q
といふ風に、書くことが、出来る。
然るに、
(02)
1  (1)~(P&Q)      A
 2 (2)  P         A
  3(3)    Q       A
 23(4)  P&Q       23&I
123(5)~(P&Q)&(P&Q)24&I
12 (6)   ~Q       35RAA
1  (7)  P→~Q      26CP
(03)
1  (1)  P→~Q      A
 2 (2)  P& Q      A
 2 (3)  P         2&E
 2 (4)   Q        2&E
12 (5)   ~Q       13MPP
12 (6) ~Q&Q       45&I
1  (7)~(P&Q)      26RAA
従って、
(02)(03)により、
(04)
① ~(P&  Q)
②     P→~Q
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)(04)により、
(05)
① 賈島の才能を愛して、賈島の短命を惜しむ。といふことはない。
② 賈島の才能を愛するならば、賈島の短命を惜しまない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
① 賈島の才能を愛して、賈島の短命を惜しむ。といふことはない。
といふ「日本語」は、
① 其の=賈島
であるとして、
① 不愛其才而惜其命薄=
① 不〔愛(其才)而惜(其命薄)〕⇒
① 〔(其才)愛而(其命薄)惜〕不=
① 〔(其の才を)愛して(其の命の薄きを)惜しま〕ず。
といふ風に、書くことが、出来る。
然るに、
(07)
①  不愛其才而惜其命薄。
に対して、
③ 誰不愛其才而惜其命薄。
③ 誰不〔愛(其才)而惜(其命薄)〕⇒
③ 誰〔(其才)愛而(其命薄)惜〕不=
③ 誰か〔(其の才を)愛して(其の命の薄きを)惜しま〕ざらんや。
は、「反語」である。
然るに、
(08)
反語とは、表現されている内容と反対のことを意味する言い方で、多くは疑問形と同じ形であり、けっきょく、肯定している場合は否定に、否定している場合は肯定の内容になる。
(赤塚忠・遠藤哲夫、漢文の基礎、45頁、1973年)
従って、
(07)(08)により、
(09)
①  不愛其才而惜其命薄。
③ 誰不愛其才而惜其命薄。
に於いて、
③ は、① の「否定(反語)」である。
従って、
(01)(05)(09)により、
(10)
③ 誰不愛其才而惜其命薄。
といふ「漢文」は、
①=② であるところの、
① 賈島の才能を愛して、賈島の短命を惜しむ。といふことはない:~(P&Q)。
② 賈島の才能を愛するならば、賈島の短命を惜しまない:P→~Q。
に対する、「否定」である。
然るに、
(11)
② 賈島の才能を愛するならば、賈島の短命を惜しまない:P→~Q。
に対する、「否定」は、
④ 賈島の才能を愛するならば、賈島の短命を惜しまない。といふことはない:~(P→~Q)。
である。
従って、
(10)(11)により、
(12)
③ 誰不愛其才而惜其命薄。
といふ「漢文」は、
④ 賈島の才能を愛するならば、賈島の短命を惜しまない。といふことはない:~(P→~Q)。
といふ「意味」になる。
然るに、
(13)
④ 賈島の才能を愛するならば、賈島の短命を惜しまない。といふことはない。
といふことは、
④ 賈島の才能を愛する者であれば、誰もが、賈島の短命を惜しむ。
といふことに、他ならない。
然るに、
(14)
④ 賈島の才能を愛する者であれば、誰もが、賈島の短命を惜しむ。
といふ「命題」と、
⑤ 誰もが賈島の才能を愛し、   誰もが、賈島の短命を惜しむ。
といふ「命題」は、「同じ」ではない
然るに、
(15)
④ 臨死之日、家無一銭、惟病驢古琴而已。当時誰不愛其才而惜其命薄=
④ 臨(死)之日、家無(一銭)、惟病驢古琴而已。当時誰不〔愛(其才)而惜(其命薄)〕⇒
④ (死)臨之日臨、家(一銭)無、惟病驢古琴而已。当時誰〔(其才)愛而(其命薄)惜〕不=
④ (死に)臨むの日、家に(一銭)無く、惟だ病驢古琴のみ。当時誰か〔(其の才を)愛して(其の命の薄きを)惜しま〕ざらんや=
④ 死に臨んだ日、家には一銭もなく、ただ、病気のロバがゐて、古い琴だけがあった。その当時、誰がその(詩人賈島の)才能を愛して、その(賈島の)命の短いことを惜しまないことがあろうか。
(cf.多久弘一、多久の漢文公式110、1988年、85頁)
然るに、
(15)
⑤ 誰もが賈島の才能を愛した。
とするならば、裕福なパトロンがゐても、「をかしく」はないため、
④ 死に臨んだ日、家には一銭もなく、ただ、病気のロバがゐて、古い琴だけがあった。
といふことは、「をかしい」。
加へて、
(16)
⑥ 賈島自題曰、二句三年得、一吟双涙流。知音如不賞、帰-臥故山秋=
⑥ 賈島自題曰、二句三年得、一吟双涙流。知音如不(賞)、帰-臥(故山秋)⇒
⑥ 賈島自題曰、二句三年得、一吟双涙流。知音如(賞)不、(故山秋)帰-臥=
⑥ 賈島自ら題して曰く、二句三年にして得、一吟双涙流る。知音如し(賞せ)ずんば、(故山の秋に)帰-臥せんと=
⑥ 賈島が自ら書いて言った、二句からなる詩を三年も掛けて作り上げ、その詩を吟ずると、涙が流れる。それでも、友人が、この詩を誉めないならば、秋の故郷に隠居してしまおう。
(cf.多久弘一、多久の漢文公式110、1988年、35頁)
従って、
(16)により、
(17)
⑤ 誰もが、賈島の才能を理解し愛した。
といふわけではない。
従って、
(12)~(17)により、
(18)
③ 誰不愛其才而惜其命薄。
といふ「漢文」は、
④ 賈島の才能を愛する者であれば、誰もが、賈島の短命を惜しむ(はずであるが、そのやうな者は、あまりにも、少なかった)。
といふ「意味」になる。
然るに、
(19)
⑤ 誰がその(詩人賈島の)才能を愛さず、賈島の命の短いことを惜しまないことがあろうか、その才能と短命を愛惜した。
(cf.多久弘一、多久の漢文公式110、1988年、85頁)
といふのであれば、
⑤ 誰がその(詩人賈島の)才能を愛さないことがあろうか、誰が賈島の命の短いことを惜しまないことがあろうか、誰もがその才能と短命を愛惜した。
といふ「意味」に、取れるはずである。
然るに、
(20)
④ 賈島の才能を愛する者であれば、誰もが、賈島の短命を惜しむ(はずであるが、そのやうな者は、あまりにも、少なかった)。
といふ「命題」と、
⑤ 誰がその(詩人賈島の)才能を愛さないことがあろうか、誰が賈島の命の短いことを惜しまないことがあろうか、誰もがその才能と短命を愛惜した。
といふ「命題」は、「同じ」ではない
従って、
(14)(18)(19)(20)により、
(21)
⑤ 誰がその(詩人賈島の)才能を愛さず、賈島の命の短いことを惜しまないことがあろうか、その才能と短命を愛惜した。
といふ「解釈」は、マチガイである。
平成29年12月31日、毛利太。

2017年12月28日木曜日

「其成居幸也」の「其」について。

―「返り点」と「括弧」については、『「一二点・上下点」について(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_26.html)』他を、お読み下さい。―
(01)
 君が世。君が行く道。
 君の道。君の行く道。
といふ「日本語」は、四つとも、「正しい」。
従って、
(01)により、
(02)
「の」と「が」は、本来的には、「同じ意味」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 鳥の(格助詞)啼く(連体形)を聞く。
② 鳥が(格助詞)啼いている(連体形)の(形式名詞)が聞こえる。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
そ【其・夫】〔代名(指示・人称)〕
① それ。そこ。その人。そのこと。前にある人や事物をさす。[例]そが言ひけらく[その人が言ったことには]〈土佐日記〉
(大修館書店、古語林、1997年、766頁)。〔ポイント〕現代語では一語の連体詞とするが、古語では「そ(其)」が独立した代名詞として用いられるので、代名詞に格助詞「の」がついた連語として扱う(大修館書店、古語林、1997年、778頁)。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① 其=それ=鳥
② 其=それ=鳥
であるならば、
① 其の声を聞く =鳥の声が聞こえる。。
② 其の啼くを聞く=鳥が啼いているのが聞こえる。
である。
従って、
(05)により、
(06)
① 聞其声=其の声を聞く。
② 聞其啼=其の啼くを聞く。
に於いて、
① 其の=所有格(属格)。
② 其の=主語(主格)。
であって、
② に関しては、正確には、
② 其の=(主節の主語ではなく、名詞節の)主語。
である。
従って、
(06)により、
(07)
③ 其の
といふ「訓読」は、
③「所有格」であるか、
③「 主語 」であるかの、いづれかである。
従って、
(07)により、
(08)
③ 其の子を嫁す。
③ 其の居を成す。
に於ける、
③ 其の
といふ「訓読」は、
③「所有格」であるか、
③「 主語 」であるかの、いづれかである。
然るに、
(09)
③ 衛人嫁其子而教之曰、必私積聚。為人婦而出常也。其成居幸也⇒
③ 衛人嫁(其子)而教(之)曰、必私積聚。為(人婦)而出常也。其成(居)幸也⇒
③ 衛人(其子)嫁而(之)教曰、必私積聚。(人婦)為而出常也。其(居)成幸也=
③ 衛人(其の子を)嫁して(之に)教へて曰く、必ず私か積聚せよ。(人の婦と)為りて出さるる常なり。其の(居を)成さば幸いなり=
③ 衛の人がその娘を嫁にやる時に、娘に教ヘて言ふには、必ず、ひそかに、金品を貯へよ。人の妻となって離縁されることは、普通である。その家に居つくことが出来るとしたら、幸せである。
然るに、
(09)により、
(10)
③ 其の子を嫁す=衛人である、その人の子を、嫁す。
に於ける、
③ 其の子 の、
③ 其の  は、明らかに、「所有格」である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
③ 衛人 が、父親 であるならば、
③ 其の子=His child.
であって、
③ 衛人 が、母親 であるならば、
③ 其の子=Her child.
である。
然るに、
(09)により、
(12)
③ 嫁其子=動詞+目的語。
であるのに対して、
③ 其成居。
の場合は、
③ 成其居=動詞+目的語。
といふ「語順」には、なってゐない。
すなはち、
(13)
③ 其成居。
の場合は、
③ 成其居=動詞+目的語。
といふ「語順」ではなく、
③ 其成居=主語+動詞+目的語。
といふ「語順」である。
従って、
(13)により、
(14)
③ 其の居を成す=其の人の(Her)居を成す。
ではなく、
③ 其の居を成す=其の人(She)が居を成す。
である。
従って、
(02)(09)(14)により、
(14)
③ 其成居幸也=
③ 其の居を成すは幸いなり=
③ 其の人(She)が居を成すことは、幸いなことである。
といふ、「意味」になる。
従って、
(11)(14)により、
(15)
漢文に於ける、「其」には、「she/her」や、「He/His」といふ、「意味」があることになる。
然るに、
(16)
④ 鳥吾知其能飛=
④ 鳥吾知(其能飛)⇒
④ 鳥吾(其能飛)知=
④ 鳥、吾(其の能く飛ぶを)知る=
④ Birds, I know that they can fly.
従って、
(15)(16)により、
(17)
「其」には、少なくとも、「she/her.He/His.They/Their」といふ、「意味」があることになる。
然るに、
(18)
中国語は知らないものの、気になったので、「辞書」で調べたところ、
其 qi[1](所属を表し、”他的、她的、它的”に同じ)その.彼(ら)の.彼女(ら)の.それ(ら)の.2 彼(ら).彼女(ら).それ(ら).(小学館、中日辞典、1992年、1096頁)
との、ことである。
従って、
(17)(18)により、
(19)
漢文の「其」だけでなく、中国語の「其」にも、「she/her.He/His.They/Their」といふ、「意味」があると、思はれる。
平成29年12月28日、毛利太。

2017年12月26日火曜日

「一二点・上下点」について。

― 「12月24日」の記事(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_24.html)の補足を、書きます。―
(01)
(Ⅰ)一 < 二 < 三
(Ⅱ)上 < 中 < 下
であって、尚且つ、(Ⅰ)<(Ⅱ)
であるとする。
(02)
① 下 三 二 一 中 三 二 一 上
に於いて、左にある、
   (三 二 一)の方が、右にある、
           (三 二 一)よりも「小さい」。とする。
然るに、
(03)
① 下 三 二 一 中 三 二 一 上
② 9 3 2 1 8 6 5 4 7
に於いて、
①=② であるならば、
① 下 三 二 一 中 三 二 一 上
② 9 3 2 1 8 6 5 4 7
といふ「それ」は、
(01)を満たしてゐて、
(02)も満たしてゐる。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
(01)といふ「条件」に加へて、
(02)といふ「条件」を与へることは、
① 下 三 二 一 中 三 二 一 上
に対して、
② 9 3 2 1 8 6 5 4 7
といふ「順番」を与へることに、他ならない。
従って、
(04)により、
(05)
② 9 3 2 1 8 6 5 4 7。
といふ「数字」を、
② 1 2 3 4 5 6 7 8 9。
といふ「順番」で読みたいのであれば、
② 9
といふ風に、
② 9 3 2 1 8 6 5 4 7。
といふ「数字」に対して、
② 下 三 二 一 中 三 二 一 上
といふ「返り点」を加へれば、良いことになる。
(06)
③ 下 囗 三 囗 二 囗 一 中 囗 三 囗 二 囗 一 上。
に於いて、
③   囗   囗   囗     囗   囗   囗
だけが、「返り点」が付かない「任意の文字」であるとし、
③ 1~F は、「16進数」であるとする。
従って、
(06)により、
(07)
③ F 1 6 2 5 3 4 E 7 C 8 B 9 A D。
といふ「数字」を、
③ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F。
といふ「順番」で読みたいのであれば、
③ F 1 6 2 5 3 4 7 C 8 B 9 A
といふ風に、
③ F  1 6 2 5 3 4 E 7 C 8 B 9 A D。
といふ「数字」に対して、
③ 下   三   二   一 中   三   二   一 上
といふ「返り点」を加へれば、良いことになる。
然るに、
(08)
② 9  3 2 1 8 6 5 4 7=
② 9{3〔2(1)〕8[6〔5(4)〕7]}。
に於いて、
② 9{ }⇒{ }9
② 3〔 〕⇒〔 〕3
② 2( )⇒( )2
② 8[ ]⇒[ ]8
② 6〔 〕⇒〔 〕6
② 5( )⇒( )5
といふ「移動」を行ふと、
② 9  3 2 1 8 6 5 4 7=
② 9{3〔2(1)〕8[6〔5(4)〕7]}⇒
② {〔(1)2〕3[〔(4)5〕67]8}9=
②    1 2 3 4 5 6 7 8 9。
といふ「並び換へ(ソート)」が成立する。
(09)
③ F 1 6 2 5 3 4 E 7 C 8 B 9 A D=
③ F{16〔25(34)〕E[7C〔8B(9A)〕D]}。
に於いて、
③ F{ }⇒{ }F
③ 6〔 〕⇒〔 〕6
③ 5( )⇒( )5
③ E[ ]⇒[ ]E
③ C〔 〕⇒〔 〕C
③ B( )⇒( )B
といふ「移動」を行ふと、
③ F 1 6 2 5 3 4 E 7 C 8 B 9 A D=
③ F{16〔25(34)〕E[7C〔8B(9A)〕D]}⇒
③ {1〔2(34)5〕6[7〔8(9A)B〕CD]E}F=
③   1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F。
といふ「並び換へ(ソート)」が成立する。
従って、
(05)~(09)により、
(10)
② 9 3 2 1 8 6 5 4 7。
③ F  1 6 2 5 3 4 E 7 C 8 B 9 A D。
といふ「文字」を、
② 1 2 3 4 5 6 7 8 9。
③ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F。
といふ「順番」で読みたいのであれば、
② 9 3 2 1 8 6 5 4 7。
③ F  1 6 2 5 3 4 E 7 C 8 B 9 A D。
といふ「文字」に対して、
② 下 三 二 一 中 三 二 一 上
③ { 〔 ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] }
といふ「返り点・括弧」を加へれば、良いことになる。
然るに、
(11)
例へば、
④ 2<>1
が、さうであるやうに、
④ M<>M-1
であるならば、その時に限って、
④ M-1<M<
である。
然るに、
(12)
④ M(N{M-1)}。
に於いて、
④ M( )⇒( )M
④ N{ }⇒{ }N
といふ「移動」を行ふと、
④ M(N{M-1)}⇒
④ ({M-1)M}N=
④   M-1<M<N。
である。
然るに、
(13)
④ M(N{M-1)}。
に於いて、
④ ({ )
といふ「それ」は、
④ {( )}
ではない。が故に、「括弧」ではない
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
例へば、
④ 2<>1
⑤ E<>D
が、さうであるやうな、
④ M<N>M-1
といふ「順番」に対して、「括弧」を加へることは出来ない
従って、
(10)(14)により、
(15)
② 9 3 2 1 8 6 5 4 7。
③ F  1 6 2 5 3 4 E 7 C 8 B 9 A D。
といふ「順番」とは、異なり、
④ 9    8 6 5 4 7。
  1 6 2 5 3 4  7 C 8 B 9 A 
といふ「順番」に対して、「括弧」を用ゐて、
④ 1 2 3 4 5 6 7 8 9。
⑤ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F。
といふ「順番」に、「並び替へ(ソートす)る」ことは、出来ない
然るに、
(05)(06)(07)により、
(16)
② 9 3 2 1 8 6 5 4 7。
③ F  1 6 2 5 3 4 E 7 C 8 B 9 A D。
に対して、
② 下 三 二 一 中 三 二 一 上
③ 下 囗 三 囗 二 囗 一 中 囗 三 囗 二 囗 一 上
であるため、
④ 9    8 6 5 4 7。
  1 6 2 5 3 4  7 C 8 B 9 A 
に対する「返り点」は、
④ 下   一 中 三 二 一 上
   三   二   一    三   二   一 
である。
然るに、
(17)
④ 二 < > 一
⑤ 中 < > 上
であるならば、
④ 二 → 三
⑤ 中 → 下
のやうに、「から右へ、戻る」ことになる。
然るに、
(18)
「返り点」とは、「縦書き」であれば、飽く迄も、「から上へ、返る点」であるため、
「返り点」とは、「横書き」であれば、飽く迄も、「から左へ、返る点」である。
従って、
(18)により、
(19)
「縦書き」であれば、「から下へ、戻る点」は、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
「横書き」であれば、「から右へ、戻る点」は、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
従って、
(16)~(19)により、
(20)
② 9 3 2 1 8 6 5 4 7。
③ F  1 6 2 5 3 4 E 7 C 8 B 9 A D。
といふ「順番」とは、異なり、
④ 9    8 6 5 4 7。
  1 6 2 5 3 4  7 C 8 B 9 A 
といふ「順番」に対して、「返り点」を用ゐて、
④ 1 2 3 4 5 6 7 8 9。
⑤ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F。
といふ「順番」に、「並び替へ(ソートす)る」ことは、出来ない
従って、
(14)(15)(20)により、
(21)
② 9 3 2 1 8 6 5 4 7。
③ F  1 6 2 5 3 4 E 7 C 8 B 9 A D。
といふ「順番」とは、異なり、
④ 2<>1
⑤ E<>D
といふ「順番」を含むところの、
④ 9    8 6 5 4 7。
  1 6 2 5 3 4  7 C 8 B 9 A 
といふ「順番」に対して、
④ 下 三 二 一 中 三 二 一 上
⑤ { 〔 ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] }
といふ「返り点・括弧」を用ひて
④ 1 2 3 4 5 6 7 8 9。
⑤ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F。
といふ「順番」に、「並び替へ(ソートす)る」ことは、出来ない
然るに、
(22)
「アルファベット」は、「26文字」なので、「A=10」とすると、「Z=35」である。
然るに、
(23)
③ F  1 6 2 5 3 4 E 7 C 8 B 9 A D。
の「文字数」は、「15個」である。
従って、
(22)(23)により、
(24)
③ 1~F= 1~15
⑥ G~U=16~30
従って、
(25)
③ F  1 6 2 5 3 4 E 7 C 8 B 9 A D。
⑥ U G L H K I J T M R N Q O P S。
に於いて、
③ の「括弧・返り点」と、
⑥ の「括弧・返り点」は、「等しい」。
従って、
(25)により、
(26)
③+⑥=F 1 6 2 5 3 4 E 7 C 8 B 9 A D U G L H K I J T M R N Q O P S。
に対する、「括弧・返り点」は
  ⑥=下{三〔二(一)中[三〔二(一)〕上]}下{三〔二(一)中[三〔二(一)〕上]}
である。
従って、
(27)
  ⑥=下{三〔二(一)中[三〔二(一)〕上]}下{三〔二(一)中[三〔二(一)〕上]}
に対して、
  ⑥ 丙 乙 甲
を加へるならば、「括弧・返り点」は、
⑥ 丙《下{三〔二(一)中[三〔二(一)〕上]}乙〈下{三〔二(一)中[三〔二(一)〕上]}甲〉》
である。
然るに、
(28)
⑥ 丙 下 三 二 一 中 三 二 一 上 乙 下 三 二 一 中 三 二 一 上 甲=
⑥ 丙《下{三〔二(一)中[三〔二(一)〕上]}乙〈下{三〔二(一)中[三〔二(一)〕上]}甲〉》。
に於いて、
⑥ 丙《 》⇒《 》丙
⑥ 下{ }⇒{ }下
⑥ 三〔 〕⇒〔 〕三
⑥ 二( )⇒( )二
⑥ 中[ ]⇒[ ]中
⑥ 三〔 〕⇒〔 〕三
⑥ 二( )⇒( )二
⑥ 乙〈 〉⇒〈 〉乙
⑥ 下{ }⇒{ }下
⑥ 三〔 〕⇒〔 〕三
⑥ 二( )⇒( )二
⑥ 中[ ]⇒[ ]中
⑥ 三〔 〕⇒〔 〕三
⑥ 二( )⇒( )二
といふ「移動」を行ふと、
⑥ 丙 下 三 二 一 中 三 二 一 上 乙 下 三 二 一 中 三 二 一 上 甲=
⑥ 丙《下{三〔二(一)〕中[三〔二(一)〕上]}乙〈下{三〔二(一)〕中[三〔二(一)〕上]}甲〉》⇒
⑥ 《{〔(一)二〕三[〔(一)二〕三上]中下}〈{〔(一)二〕三[〔(一)二〕三中上]}下甲〉乙》丙=
⑥ 一 二 三 一 二 三 上 中 下 一 二 三 一 二 三 上 中 下 甲 乙 丙。
といふ「並び換へ(ソート)」が成立する。
然るに、
(29)
⑥ X F 1 6 2 5 3 4 E 7 C 8 B 9 A D W U G L H K I J T M R N Q O P S V=
⑥ X《F{16〔25(34)〕E[7C〔8B(9A)〕D]}W〈U{GL〔HK(IJ)〕T[MR〔NQ(OP)〕S]}〉V》。
に於いて、
⑥ X《 》⇒《 》X
⑥ F{ }⇒{ }F
⑥ 6〔 〕⇒〔 〕6
⑥ 5( )⇒( )5
⑥ E[ ]⇒[ ]E
⑥ C〔 〕⇒〔 〕C
⑥ B( )⇒( )B
⑥ W〈 〉⇒〈 〉W
⑥ U{ }⇒{ }U
⑥ L〔 〕⇒〔 〕L
⑥ K( )⇒( )K
⑥ T[ ]⇒[ ]T
⑥ R〔 〕⇒〔 〕R
⑥ Q( )⇒( )Q
といふ「移動」を行ふと、
⑥ X F 1 6 2 5 3 4 E 7 C 8 B 9 A D W U G L H K I J T M R N Q O P S V=
⑥ X《F{16〔25(34)〕E[7C〔8B(9A)〕D]}W〈U{GL〔HK(IJ)〕T[MR〔NQ(OP)〕S]}V〉》⇒
⑥ 《{1〔2(34)5〕6[7〔8(9A)B〕CD]E}F〈{G〔H(IJ)K〕L[M〔N(OP)Q〕RS]T}UV〉W》X=
⑥ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X。
といふ「並び換へ(ソート)」が成立する。
従って、
(10)(27)(28)(29)により、
(30)
② 9 3 2 1 8 6 5 4 7。
③ F  1 6 2 5 3 4 E 7 C 8 B 9 A D。
⑥ X F 1 6 2 5 3 4 E 7 C 8 B 9 A D W U G L H K I J T M R N Q O P S V。
といふ「文字」を、
② 1 2 3 4 5 6 7 8 9。
③ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F。
⑥ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X。
といふ「順番」で、読む場合は、
② 9 3 2 1 8 6 5 4 7。
③ 1 6 2 5 3 4 E 7 C 8 B 9 A D。
⑥ X F 1 6 2 5 3 4 E 7 C 8 B 9 A D W U G L H K I J T M R N Q O P S V。
といふ「文字」に対して、
② 下 三 二 一 中 三 二 一 上
③ { 〔 ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] }
⑥ 丙 下 三 二 一 中 三 二 一 上 乙 下 三 二 一 中 三 二 一 上 甲
⑥ 《{ 〔 ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] }〈{ 〔 ( ) 〕[ 〔 ( ) 〕 ] } 〉》
といふ「返り点・括弧」を、加へる、ことになる。
平成29年12月26日、毛利太。
 ―「関連記事」―
(δ)「下中上点」等が必要な「理由」:(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html)。

2017年12月24日日曜日

「返り点・モドキ」と「Wh疑問文」。

― 一昨日昨日(12月22日)の記事(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_22.html)の補足を、書きます。―
(01)
「レ点」が無くて、「一二点、上下点、甲乙点、天地点」だけが有っても、「返り点」は成立するため、「一レ、上レ、甲レ、天レ」を含め、「レ点」は、無いものとする。
(02)
「縦書き」であれば、「上から下へ読む」ことを、「順読」とし、
「横書き」であれば、「左から右へ読む」ことを、「順読」とする。
(03)
「順読」でないことを、「読」とし、
読」でないことを、「順読」とする。
(04)
{1、2、3、4、5}を、「返り点」が付いてゐる 「任意の漢字」とし、
{A、B、C、D、E}を、「返り点」が付いてゐない「任意の漢字」とし、
{Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ}を、「左から数へてN番目」の「任意の漢字」とする。
従って、
(02)~(04)により、
(05)
① ABC。
であれば、
① A=Ⅰ
① B=Ⅱ
① C=Ⅲ
であって、例へば、
① ABC=東京都。
がさうであるやうに、
① Ⅰ→Ⅱ→Ⅲ。
の「順」で、「順読」される。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
② 21。
であれば、
② 2=Ⅰ
② 1=Ⅱ
であって、例へば、
② 21=読=書を読む。
がさうであるやうに、
② Ⅱ→Ⅰ
の「順」で、「読」される。
従って、
(01)~(06)により、
(07)
③ 21A。
であれば、
③ 2=Ⅰ
③ 1=Ⅱ
③ A=Ⅲ
であって、例へば、
③ 21A=読者=書を読む者。
がさうであるやうに、
③ Ⅱ→Ⅰ→Ⅲ
の「順」で、「返読」される。
従って、
(01)~(07)により、
(08)
④ 4213。
であれば、
④ 4=Ⅰ
④ 2=Ⅱ
④ 1=Ⅲ
④ 3=Ⅳ
であって、例へば、
④ 4213=有=書を読む者有り。
がさうであるやうに、
④ Ⅲ→Ⅱ→Ⅳ→Ⅰ
の「順」で「返読」される。
然るに、
(07)(08)により、
(09)
③ 2=Ⅰ=読を
③ 1=Ⅱ=書を
=Ⅲ=
であって、
④ 4=Ⅰ=有り
④ 2=Ⅱ=読む
④ 1=Ⅲ=書を
=Ⅳ=
である。
従って、
(09)により、
(10)
=Ⅲ=
=Ⅳ=
である。
然るに、
(04)(09)(10)により、
(11)
=Ⅲ=
=Ⅳ=
である。といふことは、
④ 4=Ⅰ=有り
④ 2=Ⅱ=読む
④ 1=Ⅲ=書を
④ 3=Ⅳ=者
に於ける、

といふ「数字」は、

に「返る」ためにだけ必要」である。
といふことを、示してゐる。
従って、
(11)により、
(12)
④ 4=Ⅰ=有り
④ 2=Ⅱ=読む
④ 1=Ⅲ=書を
④ 3=Ⅳ=者
の場合は、
 ④
     4
 2
 ↑ ↑
 1
   3
といふ風に、「上にだけ、二回、返ってゐる。」
従って、
(12)により、
(13)
④ 4=Ⅰ=有り
④ 2=Ⅱ=読む
④ 1=Ⅲ=書を
④ 3=Ⅳ=者
の場合は、
 ④
       4
 2 2
 ↑  ↑
 1
   3 3
といふ風に、「下から上へ返り、から下に戻り、下から上へ返ってゐる。」
といふ、わけではない
従って、
(12)(13)により、
(14)
④ 下=Ⅰ=有り
④ 二=Ⅱ=読む
④ 一=Ⅲ=書を
④ 上=Ⅳ=者
といふ風に、書き換へた場合も、
 ④
     下
 二
 ↑ ↑
 一
   上
といふ風に、「下から、上にだけ、二回、返ってゐる。」のであって、
 ④
       下
 二 二
 ↑  ↑
 一
   上 上
といふ風に、「下から上へ返り、から下に戻り、下から上へ返ってゐる。」
といふ、わけではない
然るに、
(15)
実際には、「有り得ない」ものの、
④ 下=Ⅰ=有り
④ 二=Ⅱ=読む
④ 一=Ⅲ=書を
④ 上=Ⅳ=者
に対して、
⑤ 下=Ⅰ=有り
⑤ 二=Ⅱ=読む
⑤ 上=Ⅲ=者
⑤ 一=Ⅳ=書を
といふ「それ」を、「仮定」する。
従って、
(15)により、
(16)
実際には、「有り得ない」ものの、
⑤ 4=Ⅰ=有り
⑤ 2=Ⅱ=読む
⑤ 3=Ⅲ=者
⑤ 1=Ⅳ=書を
といふ「それ」を、「仮定」する。
然るに、
(07)(08)により、
(17)
⑤ 4=Ⅰ=有り
⑤ 2=Ⅱ=読む
⑤ 3=Ⅲ=者
⑤ 1=Ⅳ=書を
ではなく、
④ 4=Ⅰ=有り
④ 2=Ⅱ=読む
④ 1=Ⅲ=書を
④ 3=Ⅳ=者
から、
④ 4=Ⅰ=有り
除くならば、
④ 2=Ⅱ=読む
④ 1=Ⅲ=書を
④ A=Ⅳ=者
であるため、
④ 21A==読者=書を読む者。
である。
然るに、
(18)
⑤ 4=Ⅰ=有り
⑤ 2=Ⅱ=読む
⑤ 3=Ⅲ=者
⑤ 1=Ⅳ=書を
から、
⑤ 4=Ⅰ=有り
を除いた際、
⑤ 2=Ⅱ=読む
⑤ 3=Ⅲ=者
⑤ 1=Ⅳ=書を
ではなく、
⑤ 2=Ⅱ=読む
⑤ A=Ⅲ=者
⑤ 1=Ⅳ=書を
であるとするならば、この場合は、
⑤ 2A1=読=者書を読む。
であって、
⑤ 231=読=書を読む者。
とは、ならない
従って、
(17)(18)により、
(19)
④ 4=Ⅰ=有り
④ 2=Ⅱ=読む
④ 1=Ⅲ=書を
④ 3=Ⅳ=者
から、
④ 4=Ⅰ=有り
を除くならば、
④ 21A=読者=書を読む者。
であって、
⑤ 4=Ⅰ=有り
⑤ 2=Ⅱ=読む
⑤ 3=Ⅲ=者
⑤ 1=Ⅳ=書を
から、
⑤ 4=Ⅰ=有り
を除くならば、
⑤ 2A1=読=者書を読む。
である。
従って、
(19)により、
(20)
それでも尚、
⑤ 231=読=書を読む者。
である。とするならば、
⑤ 4=Ⅰ=有り
⑤ 2=Ⅱ=読む
⑤ 3=Ⅲ=者
⑤ 1=Ⅳ=書を
から、
⑤ 4=Ⅰ=有り
を除いた場合は、
⑤ 2=Ⅱ=読む
⑤ A=Ⅲ=者
⑤ 1=Ⅳ=書を
ではなく、
⑤ 2=Ⅱ=読む
⑤ 3=Ⅲ=者
⑤ 1=Ⅳ=書を
ではなければ、ならない
然るに、
(21)
⑤ 2=Ⅱ=読む
⑤ 3=Ⅲ=者
⑤ 1=Ⅳ=書を
に対して、
⑤ 4=Ⅰ=有り
を加へるならば、
⑤ 4231=有=書を読む者有り。
である。
然るに、
(21)により、
(22)
⑤ 2=Ⅱ=読む
⑤ 3=Ⅲ=者
⑤ 1=Ⅳ=書を
に対して、
⑤ 4=Ⅰ=有り
を加へた「結果」が、
⑤ 4231=有=書を読む者有り。
である。といふのであれば、この場合は、
 ⑤
       4
 2 2
 ↑  ↑
   3 3
 1
といふ風に、「下から上へ返り、から下に戻り、下から上へ返ってゐる。」
従って、
(22)により、
(23)
⑤ 4=Ⅰ=有り
⑤ 2=Ⅱ=読む
⑤ 3=Ⅲ=者
⑤ 1=Ⅳ=書を
に於ける、
⑤ 4231
といふ「それ」を、
⑤ 下二上一
とするならば、
⑤ 下=Ⅰ=有り
⑤ 二=Ⅱ=読む
⑤ 上=Ⅲ=者
⑤ 一=Ⅳ=書を
といふ「それ」は、
 ⑤
       下
 二 二
 ↑  ↑
   上 上
 一
といふ風に、「下から上へ返り、から下に戻り、下から上へ返ってゐる。」
従って、
(14)(23)により、
(24)
④ 下=Ⅰ=有り
④ 二=Ⅱ=読む
④ 一=Ⅲ=書を
④ 上=Ⅳ=者
といふ「返り点」が、
 ④
     下
 二
 ↑ ↑
 一
   上
といふ風に、「から、上にだけ、二回、返ってゐる。」のに対して、
⑤ 下=Ⅰ=有り
⑤ 二=Ⅱ=読む
⑤ 上=Ⅲ=者
⑤ 一=Ⅳ=書を
といふ「それ」は、
 ⑤
       下
 二 二
 ↑  ↑
   上 上
 一
といふ風に、「下から上へ返り、から下に戻り、下から上へ返ってゐる。」
然るに、
(25)
「返り点」とは、「縦書き」であれば、飽く迄も、「下から上へ、返る点」であるため、
「返り点」とは、「横書き」であれば、飽く迄も、「右から左へ、返る点」である。
従って、
(25)により、
(26)
「縦書き」であれば、「から下へ、戻る点」は、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
「横書き」であれば、「から右へ、戻る点」は、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
従って、
(24)(26)により、
(27)
④ 下=Ⅰ=有り
④ 二=Ⅱ=読む
④ 一=Ⅲ=書を
④ 上=Ⅳ=者
に於ける、
 ④
     下
 二
 ↑ ↑
 一
   上
は、「返り点」であるが、
⑤ 下=Ⅰ=有り
⑤ 二=Ⅱ=読む
⑤ 上=Ⅲ=者
⑤ 一=Ⅳ=書を
に於ける、
 ⑤
       下
 二 二
 ↑  ↑
   上 上
 一
は、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
然るに、
(28)
(3)上中下点(上・下、上・中・下)
レ点・一二点だけで示しきれない場合。必ず一二点をまたいで返る場合に用いる(数学の式における( )が一二点で、{ }が上中下点に相当するものと考えるとわかりやすい)。
(原田種成、私の漢文講義、1995年、43頁)
従って、
(27)(28)により、
(29)
 二 一 
ではないが故に、
 二  一
は、固より、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
然るに、
(30)

従って、
(29)(30)により、
(31)
⑤ 只‐管要=ヒタスラ、我ガヤッカイニナル。
といふ、「中国語(白話文)訓読」に付く、
二 上
といふ「それ」は、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
然るに、
(32)
⑥ 二 四 一 三
は、
⑥ 二 四 一 三
といふ「返り点」が付いてゐる「単語」とする。
然るに、
(33)
⑥ 二(四〔一)三〕?
に於いて、
⑥ 二( )⇒( )二
⑥ 四〔 〕⇒〔 〕四
といふ「移動」を行ふと、
⑥ 二(四〔一)三〕⇒
⑥ (〔一)二 三〕四=
⑥   一 二 三 四?
といふ「並び替へ(ソート)」が、成立し、尚且つ、
⑥ What(are〔you)doing〕?
に於いて、
⑥ What( )⇒( )What
⑥  are〔 〕⇒〔 〕are
といふ「移動」を行ふと、
⑥ What(are〔you)doing〕? ⇒
⑥ (〔you)What doing〕are?=
⑥ (〔あなたは)何をして〕ゐる か。
といふ「並び替へ(ソート)」が、成立する。
cf.
⑥ (〔 )〕は、「括弧」ではなく、「括弧・モドキ」である。
⑥ are=be動詞=(exist=ゐる)。?=か。
然るに、
(34)
⑥ 二 四 一 三
であれば、
 → → 三
に於いて、
 から 右 へ、戻ってゐる。
従って、
従って、
(26)(32)(33)(34)により、
(35)
⑥ What are you doing ?=あなたは何をしてゐるか。
に付いてゐる、
⑥ 二 四 一 三
といふ「それ」は、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
(36)
⑦ 一 四 三 二
は、
⑦ 一 四 三 二
といふ「返り点」が付いてゐる「単語」とする。
然るに、
(37)
⑦ 一(四[三〔 )二〕]?
に於いて、
⑦ 一( )⇒( )一
⑦ 四[ ]⇒[ ]四
⑦ 三〔 〕⇒〔 〕三
といふ「移動」を行ふと、
⑦ 一(四[三〔 )二〕]?⇒
⑦ ([〔 )一二〕三]四?=
⑦     一 二 三 四?
といふ「並び替へ(ソート)」が、成立し、尚且つ、
⑦ Where(did[you come〔 )from〕]?
に於いて、
⑦ Where( )⇒( )Where
⑦   did[ ]⇒[ ]did
⑦  come〔 〕⇒〔 〕come
といふ「移動」を行ふと、
⑦ Where(did[you come〔 )from〕]?⇒
⑦ ([you〔 )Where from〕come]did?=
⑦ ([あなたは〔 )何処から〕来まし]た か。
といふ「並び替へ(ソート)」が、成立する。
cf.
⑦ ([〔 )〕]は、「括弧」ではなく、「括弧・モドキ」である。
然るに、
(38)
⑦ 一 四 三 二
であれば、
 → → 二
に於いて、
 から 右 へ、戻ってゐる。
従って、
(26)(36)(37)(38)により、
(39)
⑦ Where did you come from?=あなたはどから来ました か。
に付いてゐる、
⑦ 一 四 三 二
といふ「それ」は、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
従って、
(35)(39)により、
(40)
⑥ What are you doing?
⑦ Where did you come from?
のやうな「Wh疑問文」に対しては、「返り点」を付けることが、出来ない。
然るに、
(41)
⑥ What are you doing?
⑦ Where did you come from?
のやうな「Wh移動(生成文法)」のやうな「語順」は、むしろ、「異常」なのであって、どうにか、「返り点」を付け得るのが、「英語」である。
例へば、
(42)
⑧ You must study English much harder to become a googler like your father in the future.
を、「グーグル翻訳」すると、
⑧     将来あなたの父親のようなgooglerになるためには、英語をもっと勉強する必要があります。
といふ「日本語」が、「出力」されて、何故か、
あなたは将来あなたの父親のようなgooglerになるためには、英語をもっと勉強する必要があります。
とは、ならない。
然るに、
(43)
⑧   must study English much harder to become a googler like your father in the future.
ではなく、
You must study English much harder to become a googler like your father in the future.
ではないため、
⑧     将来あなたの父親のようなgooglerになるためには、英語をもっと勉強する必要があります。
ではなく、
あなたは将来あなたの父親のようなgooglerになるためには、英語をもっと勉強する必要があります。
でなければ、ならない。
従って、
(43)により、
(44)
⑧ You must study English much harder to become a googler like your father in the future.
に対して、
⑧ I am thiking that
を加へるならば、
⑧ あなたは将来あなたの父親のようなgooglerになるためには、英語をもっと勉強する必要があります。といふ風に、私は思っています。
といふ「意味」に、なるはずである。
然るに、
(45)
⑧ I am thiking that you must study English much harder to become a googler like your father in the future=
⑧ I am{thiking[that〔you must(study【English『much‐harder「to《become〈a‐googler{like[your‐father〔in(the‐future)〕]}〉》」』】)〕]}⇒
⑧ I {[〔you (【『「《〈{[〔(the‐future)in〕your‐father]like}a‐googler〉become》to」much‐harder』English】study)must〕that]thiking}am=
⑧ 私は{[〔あなたが(【『「《〈{[〔(将来)に於いて〕あなたの父親の]ような}グーグルの社員に〉なる》ために」もっと一生懸命』英語を】勉強)しなければならない〕といふ風に]思って}います。
といふ、「英文訓読」が、成立する。
cf.
⑧ I am thiking that you must study English much harder(for you)to become a googler like your father in the future.
⑧ 私は、あなたが、将来において、あなたの父親のようなグーグルの社員になるために、(あなたには、)もっと一生懸命、英語を勉強して欲しい。といふ風に思っています。
然るに、
(46)
⑧ 十四 十三 十二 十一 十 九 八 七 六 五 四 三 二 一
に対して、「括弧」を加へるならば、
⑧ 十四{十三[十二〔十一(十【九『八「七《六〈五{四[三〔二(一)〕]}〉》」』】)〕]}
である。
(46)により、
(47)
⑧ I am thiking that you must study English much harder to become a googler like your father in the future⇒
⑧ 私は、あなたが、将来に於いて、あなたの父親のようなグーグルの社員になるために、(あなたは、)もっと一生懸命、英語を勉強しなければならない。といふ風に思っています。
といふ「英文訓読」に付く「返り点」と「括弧」は、
⑧ 十四 十三 十二 十一 十 九 八 七 六 五 四 三 二 一
⑧ {[〔(【『「《〈{[〔( )〕]}〉》」』】)〕]}
である。
然るに、
(48)
「漢文訓読」であれば、「極端に多い場合」であっても、
⑧ 六 五 四 三 二 一
⑧ 〈{[〔( )〕]}〉
に、過ぎない。
平成29年12月24日、毛利太。

2017年12月22日金曜日

「下中上点」等が必要な「理由」。

― 一昨日昨日(12月20日)の記事(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html)の補足を、書きます。―
(01)
 ①
     三
 二
 ↑   ↑
 一
     二
   三
   ↑ ↑
   二
   ↑ ↑
     一
     一
であるならば、
① 三 二 一 二 三 二 一 一
である。
(02)
 ②
     下
 二
 ↑   ↑
 一
     中
   三
   ↑ ↑
   二
   ↑ ↑
     一
     上
であるならば、
② 下 二 一 中 三 二 一 上
である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 三 二 一 二 三 二 一 一
② 下 二 一 中 三 二 一 上
に於いて、「順番」としては、
①=② である。
然るに、
(04)
② 下 二 一 中 三 二 一 上
に対して、
① 三 二 一 二 三 二 一 一
の場合は、「ワケが、分からない」。
然るに、
(05)
(3)上中下点(上・下、上・中・下)
レ点・一二点だけで示しきれない場合。必ず一二点をまたいで返る場合に用いる(数学の式における( )が一二点で、{ }が上中下点に相当するものと考えるとわかりやすい)。
(原田種成、私の漢文講義、1995年、43頁)
従って、
(04)(05)により、
(06)
① 三 二 一 二 三 二 一 一
であれば、「ワケが、分からない」が故に、
 二 一  三 二 一 
のやうに、「一二点をまたいで返る場合」は、「上中下点」を用ゐる、ことになる。
(07)
 ③
           F
         D
 2         ↑
 ↑
 1       ↑
       A   ↑
   4
   ↑   ↑ ↑
   3       ↑
       9
     7   ↑
     ↑ ↑   ↑  
     6   ↑
     ↑ ↑
       5   ↑ ↑
       8
         C
         ↑ ↑
         B
           E
であるならば、「漢数字」では、
③ 十五 十三 二 一 十 四 三 九 七 六 五 八 十二 十一 十四
である。
然るに、
(08)
 ④
           地
         丙
 二         ↑
 ↑
 一       ↑
       下   ↑
   二
   ↑   ↑ ↑
   一       ↑
       中
     三   ↑
     ↑ ↑   ↑   
     二   ↑
     ↑ ↑
       一   ↑ ↑
       上
         乙
         ↑ ↑
         甲
           天
である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
③ 十五 十三 二 一 十 四 三 九 七 六 五 八 十二 十一 十四
④  地   丙  二 一 下 二 一 中 三 二 一 上  乙   甲   天
に於いて、「順番」としては、
③=④ である。
然るに、
(10)
「縦書き」であるとして、
④                 中
であれば、それだけで、
④                 中 の上に、必ず、
④                     下 が有るものの、
③                 九
であれば、それだけでは
③                 九 の上に、
③                     十 が有るのか、
③                 九 の下に、
③                      十 が有るのか、が、「分からない」。
従って、
(09)(10)により、
(11)
④  地   丙  二 一 下 二 一 中 三 二 一 上  乙   甲   天
の方が、
③ 十五 十三 二 一 十 四 三 九 七 六 五 八 十二 十一 十四
よりも、「分りやすい」。
従って、
(06)(11)により、
(12)
(Ⅰ)「一二点をまたいで返る場合」は、「上下点」を用ゐ、
(Ⅱ)「上下点をまたいで返る場合」は、「甲乙点」を用ゐ、
(Ⅲ)「甲乙点をまたいで返る場合」は、「天地点」を用ゐる。
のは、その方が、
「一二点」だけを用ゐるよりも、「分りやすい」からである。
然るに、
(13)
 ④
           地
         丙
 二         ↑
 ↑
 一       ↑
       下   ↑
   二
   ↑   ↑ ↑
   一       ↑
       中
     三   ↑
     ↑ ↑   ↑   
     二   ↑
     ↑ ↑
       一   ↑ ↑
       上
         乙
         ↑ ↑
         甲
           天
であるところの、
 ③
           F
         D
 2         ↑
 ↑
 1       ↑
       A   ↑
   4
   ↑   ↑ ↑
   3       ↑
       9
     7   ↑
     ↑ ↑   ↑  
     6   ↑
     ↑ ↑
       5   ↑ ↑
       8
         C
         ↑ ↑
         B
           E
を見れば、分るやうに、
③ F D 2 1 A 4 3 9 7 6 5 8 C B E。
といふ「順番」の中には、
③ M<N>M-1
といふ「順番」が、現はれない。
すなはち、
(14)
③ 15(13 2 1 10 4 3 9 7 6 5 8 12 11)14。
に於ける、
③   (                             )
の中に、15 よりも「大きい数」は無く、
③ 13(2 1 10 4 3 9 7 6 5 8)12
に於ける、
③     (                     )
の中に、13 よりも「大きい数」は無く、
③ 10(4 3)9
に於ける、
③   (   )
の中に、10 よりも「大きい数」は無く、
③ 9(7 6 5)8
の中に、  9 よりも「大きい数」は無い。
従って、
(14)により、
(15)
③ F D 2 1 A 4 3 9 7 6 5 8 C B E=
③ F《D〈2(1)A{4(3)9[7〔6(5)〕8]}C(B)〉E》。
に於いて、
③ F《 》⇒《 》F
③ D〈 〉⇒〈 〉D
③ 2( )⇒( )2
③ A{ }⇒{ }A
③ 4( )⇒( )4
③ 9[ ]⇒[ ]9
③ 7〔 〕⇒〔 〕7
③ 5( )⇒( )5
③ C( )⇒( )C
といふ「移動」を行ふと、
③ F《D〈2(1)A{4(3)9[7〔6(5)〕8]}C(B)〉E》⇒
③ 《〈(1)2{(3)4[〔(5)6〕78]9}A(B)C〉DE》F=
③ 1<2<3<4<5<6<7<8<9<A<B<C<D<E<F。
といふ「並び替へ(ソート)」が成立する。
然るに、
(16)
③ F《D〈2(1)A{4(3)9[7〔6(5)〕8]}C(B)〉E》。
③ 地《丙〈二(一)下{二(一)中[三〔二(一)〕上]}乙(甲)〉天》。
に対して、例へば、
④ R《1P〈25(34)6L{7A(89)J[BH〔CF(DE)G〕I]K}O(MN)〉Q》。
④ 地《囗丙〈囗二(囗一)囗下{囗二(囗一)中[囗三〔囗二(囗一)上〕囗]囗}乙(囗甲)〉天》。
であって、囗といふ「任意の漢字」には、「返り点」が付かない
然るに、
(17)
④ R 1 P 2 5 3 4 6 L 7 A 8 9 J B H C F D E G I K O M N Q。
を「十進数」に直すと、
④ 27 1 25 2 5 3 4 6 21 7 10 8 9 19 11 17 12 15 13 14 16 18 20 24 22 23 26。
である。
然るに、
(18)
④ 27 1 25 2 5 3 4 6 21 7 10 8 9 19 11 17 12 15 13 14 16 18 20 24 22 23 26。
といふ「順番」の中にも、
④ M<N>M-1
といふ「順番」が、現はれない
すなはち、
(19)
27 1 25 2 5 3 4 6 21 7 10 8 9 19 11 17 12 15 13 14 16 18 20 24 22 23 26。
に於ける、
④   (                                                     )
の中に、27 よりも「大きい数」は無く、
25(2 5 3 4 6 21 7 10 8 9 19 11 17 12 15 13 14 16 18 20)24
に於ける
④   (                                          )
の中に、25 よりも「大きい数」は無く、
(3)4
に於ける、
④  ( )
の中に、  よりも「大きい数」は無く、
21(7 10 8 9 19 11 17 12 15 13 14 16 18)20
に於ける、
④   (                                                          )
の中に、21 よりも「大きい数」は無く、
10(8)9
に於ける、
④    ( )
の中に、10 よりも「大きい数」は無く、
19(11 17 12 15 13 14 16)18
に於ける、
④    (                 )
の中に、19 よりも「大きい数」は無く、
17(12 15 13 14)16
に於ける、
④    (         )
の中に、17 よりも「大きい数」は無く、
15(13)14
に於ける、
④    (  )
の中に、15 よりも「大きい数」は無く、
24(22)23
に於ける、
④    (  )
の中に、24 よりも「大きい数」は無い。
従って、
(19)により、
(20)
④ R 1 P 2 5 3 4 6 L 7 A 8 9 J B H C F D E G I K O M N Q=
④ R《1P〈25(34)6L{7A(89)J[BH〔CF(DE)G〕I]K}O(MN)〉Q》。
に於いて、
④ R《 》⇒《 》R
④ P〈 〉⇒〈 〉P
④ 5( )⇒( )5
④ L{ }⇒{ }L
④ A( )⇒( )A
④ J[ ]⇒[ ]J
④ H〔 〕⇒〔 〕H
④ F( )⇒( )F
④ O( )⇒( )O
といふ「移動」を行ふと、確かに、
④ R《1P〈25(34)6L{7A(89)J[BH〔CF(DE)G〕I]K}O(MN)〉Q》⇒
④ 《1〈2(34)56{7(89)A[B〔C(DE)FG〕HI]JK}L(MN)O〉PQ》R=
④ 1<2<3<4<5<6<7<8<9<A<B<C<D<E<F<G<H<I<J<K<L<M<N<O<P<Q<R。
といふ「並び替へ(ソート)」が成立する。
従って、
(12)~(20)により、
(21)
③ M<N>M-1
といふ「順番」が、その中には、現はれない。が故に、
(Ⅰ)「一二点をまたいで返る場合」は、「上下点」を用ゐ、
(Ⅱ)「上下点をまたいで返る場合」は、「甲乙点」を用ゐ、
(Ⅲ)「甲乙点をまたいで返る場合」は、「天地点」を用ゐる。
といふ「ルール」によって、「返り点」を付けることが出来る「順番」は、例へば、
③ F D 2 1 A 4 3 9 7 6 5 8 C B E=
③ F《D〈2(1)A{4(3)9[7〔6(5)〕8]}C(B)〉E》。
に於いて、
③ F《 》⇒《 》F
③ D〈 〉⇒〈 〉D
③ 2( )⇒( )2
③ A{ }⇒{ }A
③ 4( )⇒( )4
③ 9[ ]⇒[ ]9
③ 7〔 〕⇒〔 〕7
③ 5( )⇒( )5
③ C( )⇒( )C
といふ「移動」を行ふことによって、
③ F《D〈2(1)A{4(3)9[7〔6(5)〕8]}C(B)〉E》⇒
③ 《〈(1)2{(3)4[〔(5)6〕78]9}A(B)C〉DE》F=
③ 1<2<3<4<5<6<7<8<9<A<B<C<D<E<F。
といふ「並び替へ(ソート)」が成立する。
然るに、
(22)
③ M<N>M-1
であれば、
③ M-1<M<N
である。
然るに、
(23)
③ M(N{M-1)}。
に於いて、
③ M( )⇒( )M
③ N{ }⇒{ }N
といふ「移動」を行ふと、
③ M(N{M-1)}⇒
③ ({M-1)M}N=
③   M-1<M<N。
である。
然るに、
(24)
③ M(N{M-1)}。
に於ける、
③ ({ )
といふ「それ」は、
③ {( )}
ではないが故に、
③ ({ )
は、「括弧」ではない
従って、
(21)~(24)により、
(25)
④ M<N>M-1
といふ「順番」が、その中には、現はれない。が故に、
(Ⅰ)「一二点をまたいで返る場合」は、「上下点」を用ゐ、
(Ⅱ)「上下点をまたいで返る場合」は、「甲乙点」を用ゐ、
(Ⅲ)「甲乙点をまたいで返る場合」は、「天地点」を用ゐる。
といふ「ルール」によって、「返り点」を付けることが出来る「順番」は、その時に限って、例へば、
④ R 1 P 2 5 3 4 6 L 7 A 8 9 J B H C F D E G I K O M N Q=
④ R《1P〈25(34)6L{7A(89)J[BH〔CF(DE)G〕I]K}O(MN)〉Q》。
に於いて、
④ R《 》⇒《 》R
④ P〈 〉⇒〈 〉P
④ 5( )⇒( )5
④ L{ }⇒{ }L
④ A( )⇒( )A
④ J[ ]⇒[ ]J
④ H〔 〕⇒〔 〕H
④ F( )⇒( )F
④ O( )⇒( )O
といふ「移動」を行ふと、
④ R《1P〈25(34)6L{7A(89)J[BH〔CF(DE)G〕I]K}O(MN)〉Q》⇒
④ 《1〈2(34)56{7(89)A[B〔C(DE)FG〕HI]JK}L(MN)O〉PQ》R=
④ 1<2<3<4<5<6<7<8<9<A<B<C<D<E<F<G<H<I<J<K<L<M<N<O<P<Q<R。
といふ「並び替へ(ソート)」が成立する。
然るに、
(26)
(1)レ点
下の一字から上の一字に返る場合に用いる。
(原田種成、私の漢文講義、1995年、41頁)
然るに、
(27)
③ F《D〈2(1)A{4(3)9[7〔6(5)〕8]}C(B)〉E》。
に於ける、
③ F D 2 1 A 4 3 9 7 6 5 8 C B E
といふ「それ」を、
③ 地 丙 二 一 下 二 一 中 三 二 一 上 乙 甲 天
といふ「返り点」が付いた、「15個の、一字の、漢字」である。とする。
従って、
(13)(26)(27)により、
(28)
 ③
           F
         D
 2         ↑
 ↑
 1       ↑
       A   ↑
   4
   ↑   ↑ ↑
   3       ↑
       9
     7   ↑
     ↑ ↑   ↑  
     6   ↑
     ↑ ↑
       5   ↑ ↑
       8
         C
         ↑ ↑
         B
           E
であるところの、
 ④
           地
         丙
 二         ↑
 ↑
 一       ↑
       下   ↑
   二
   ↑   ↑ ↑
   一       ↑
       中
     三   ↑
     ↑ ↑   ↑   
     二   ↑
     ↑ ↑
       一   ↑ ↑
       上
         乙
         ↑ ↑
         甲
           天
といふ「返り点」は、
③ 地 丙 二 一 下 二 一 中 三 二 一 上 乙 甲 天
ではなく、
③ 乙 下   三   二 レ レ  一 上 甲
でなければ、ならない。
然るに、
(29)
逆に言へば、
(1)レ点
下の一字から上の一字に返る場合に用いる。
といふ「ルール」が無ければ、
③ 乙 下 レ  三 レ  二 レ レ  一 上レ 甲
といふ「返り点」は、
③ 地 丙 二 一 下 二 一 中 三 二 一 上 乙 甲 天
でなければ、ならない。
然るに、
(30)
(Ⅳ)レ   一レ  上レ  甲レ  天レ
といふ「返り点」は、
(Ⅳ)二 一、二 一、中 上、乙 甲、地 天
といふ「返り点」に、「置き換へ」ることが、出来る。
従って、
(25)~(30)により、
(31)
例へば、
③ F D 2 1 A 4 3 9 7 6 5 8 C B E。
といふ「順番」に付く、
③ 乙 下 レ  三 レ  二 レ レ  一 上レ 甲
といふ「(レ点を含む)返り点」は、
③ 地 丙 二 一 下 二 一 中 三 二 一 上 乙 甲 天
といふ「(レ点を含まない)返り点」に「置き換へ」ることが出来、尚且つ、
③ 地 丙 二 一 下 二 一 中 三 二 一 上 乙 甲 天
といふ「返り点」は、
(Ⅰ)「一二点をまたいで返る場合」は、「上下点」を用ゐ、
(Ⅱ)「上下点をまたいで返る場合」は、「甲乙点」を用ゐ、
(Ⅲ)「甲乙点をまたいで返る場合」は、「天地点」を用ゐる。
といふ「ルール」を満たしてゐる。が故に、
③ M<N>M-1
といふ「順番」が、その中には、現はれず、そのため、例へば、
③ F D 2 1 A 4 3 9 7 6 5 8 C B E=
③ F《D〈2(1)A{4(3)9[7〔6(5)〕8]}C(B)〉E》。
に於いて、
③ F《 》⇒《 》F
③ D〈 〉⇒〈 〉D
③ 2( )⇒( )2
③ A{ }⇒{ }A
③ 4( )⇒( )4
③ 9[ ]⇒[ ]9
③ 7〔 〕⇒〔 〕7
③ 5( )⇒( )5
③ C( )⇒( )C
といふ「移動」を行ふと、
③ F《D〈2(1)A{4(3)9[7〔6(5)〕8]}C(B)〉E》⇒
③ 《〈(1)2{(3)4[〔(5)6〕78]9}A(B)C〉DE》F=
③ 1<2<3<4<5<6<7<8<9<A<B<C<D<E<F。
といふ「並び替へ(ソート)」が成立する。
従って、
(32)
(Ⅰ)「一二点をまたいで返る場合」は、「上下点」を用ゐ、
(Ⅱ)「上下点をまたいで返る場合」は、「甲乙点」を用ゐ、
(Ⅲ)「甲乙点をまたいで返る場合」は、「天地点」を用ゐる。
といふ「ルール」を満たす所の、
(α)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(β)上 中 下
(γ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(δ)天 地 人
といふ「返り点」を加へることが出来る「順番」であれば、その場合の「返り点」は、例へば、
③ 地《丙〈二(一)下{二(一)中[三〔二(一)〕上]}乙(甲)〉天》。
といふ「括弧」で、「置き換へ」ることが、出来る。
従って、
(31)(32)により、
(33)
(α)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(β)上 中 下
(γ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(δ)天 地 人
(ε)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ「返り点」で表すことが出来る「順番」は、その時に限って、「括弧」でも、表すことが、出来る。
然るに、
(34)
(α)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
で表すことが出来る「順番」は、「全ての順番」であると、思はれるかも、知れない。
然るに、
(13)(14)により、
(35)
既に、確認した通り、
③ 十五 十三 二 一 十 四 三 九 七 六 五 八 十二 十一 十四
の場合は、
③  地   丙  二 一 下 二 一 中 三 二 一 上  乙   甲   天
に「等しく」、尚且つ、
③ 十五 十三 二 一 十 四 三 九 七 六 五 八 十二 十一 十四
の中に、
③ M<N>M-1
といふ「順番」が、現はれない。
然るに、
(36)
③ 十五 十三 二 一 十 四 三 九 七 六 五 八 十二 十一 十四
③  地   丙  二 一 下 二 一 中 三 二 一 上  乙   甲   天
といふ「順番」を、例へば、
③ 十五 十三 二 一 十 十一 四 三 九 七 六 五 八 十二 十四
③  地   丙  二 一 下   二 一 中 三 二 一 上  乙   天
とするならば、
③                     十<十一    >九
③                     十< 甲     >九
であるため、
③                     M< N     >M-1
といふ「順番」を、含んでゐる。
然るに、
(37)
「返り点」とは、「縦書き」であれば、飽く迄も、「から上へ、返る点」であるため、
「返り点」とは、「横書き」であれば、飽く迄も、「から左へ、返る点」である。
従って、
(36)(37)により、
(38)
③                     十一    >九
③                     十< 甲     >九
③                     M< N     >M-1
であるならば、
③                     <十一
③                     十< 甲
③                     M< N
に於いて、
③          「から右へ、返ってゐる」し、更に、
③                                                      乙 ← 甲
ではなく、
③                            →  →  →  → 乙
に於いても、
③            「から右へ、返ってゐる」。
従って、
(37)(38)により、
(39)
③                     十<十一    >九
③                     十< 甲     >九
③                     M< N     >M-1
といふ「順番」を含むところの、
③ 十五 十三 二 一 十 十一 四 三 九 七 六 五 八 十二 十四
③  地   丙  二 一 下  甲  二 一 中 三 二 一 上  乙   天
といふ「それ」は、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
然るに、
(40)

従って、
(39)(40)により、
(41)
⑤ 只‐管要纏擾我。
⑥ 端的看不出這婆子的本字来。
といふ「中国語(白話文)訓読」に付くところの、
⑤ 下 二 上 一
⑤ 四 二<三>一
⑥ 二<五 三>一 四
といふ「それ」は、「(複雑な)返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
然るに、
(42)

然るに、
(43)
⑦ 何不令人謂韓公叔曰秦之敢絶周而伐韓者、信東周也、公何不与周地発質使之楚、秦必疑楚、不信周、是韓不伐也、又謂秦曰、韓彊与周地、将以疑周於秦也、周不敢不受=
⑦ 何不〈令{人謂(韓公叔)曰[秦之敢絶(周)而伐(韓)者、信(東周)也、公何不〔与(周地)発(質使)之(楚)〕、秦必疑(楚)、不〔信(周)〕、是韓不(伐)也]、又謂(秦)曰、[韓彊与(周地)、将〔以疑(周於秦)〕也、周不〔敢不(受)〕]}〉⇒
⑦ 何〈{人(韓公叔)謂[秦之敢(周)絶而(韓)伐者、(東周)信也、公何〔(周地)与(質使)発(楚)之〕不、秦必(楚)疑、〔(周)信〕不、是韓(伐)不也]曰、又(秦)謂、[韓彊(周地)与、将〔以(周於秦)疑〕也、周〔敢(受)不〕不]曰}令〉不=
⑦ 何ぞ〈{人をして(韓の公叔に)謂ひて[秦之敢へて(周を)絶つ而(韓を)伐んとする者、(東周を)信ずれば也、公何ぞ〔(周に地を)与へ(質使を)発して(楚に)之かしめ〕不る、秦必ず(楚を)疑ひ、〔(周を)信ぜ〕不らん、是れ韓(伐たれ)不らん也と]曰ひ、又(秦に)謂ひて、[韓彊ひて(周に地を)与ふるは、将に〔以て(周を於秦に)疑はしめんとする〕也、周〔敢へて(受け)不んば〕不ずと]曰は}令め〉不る=
⑦ 何ぞ人をして韓の公叔に謂ひて「秦の敢へて周を絶つて韓を伐たんとするは、東周を信ずればなり、公何ぞ周に地を与へ、質使を発して楚に之かしめざる、秦必ず楚を疑ひ、周を信ぜざらん、是れ韓伐たれざらん」と曰ひ、又秦に謂ひて「韓彊ひて周に地を与ふるは、将に以て周を秦に疑はしめんとするなり、周敢へて受けずんばあらず」と曰は令めざる。
従って、
(42)(43)により、
(44)
「あまりの複雑さゆえに嫌気のさす人」もゐるで有らうところの、
⑦ 何不人謂韓公叔秦之敢絶周而伐韓者、信東周也、公何不周地質使上レ楚、秦必疑楚、不周、是韓不伐也、又謂秦曰、韓彊与周地、将以疑周於秦也、周不敢不受。
といふ「返り点」であっても、
従って、

(30)により、「レ点」を除いた、
⑦ 何不人謂韓公叔秦之敢絶而伐者、信東周也、公何不周地質使、秦必疑、不、是韓不也、又謂、韓彊与周地、将以疑周於秦也、周不敢不
といふ「返り点」であっても、
⑦ M<N>M-1
といふ「順番」を含んではゐないが故に、
⑦ 何不〈令{人謂(韓公叔)曰[秦之敢絶(周)而伐(韓)者、信(東周)也、公何不〔与(周地)発(質使)之(楚)〕、秦必疑(楚)、不〔信(周)〕、是韓不(伐)也]、又謂(秦)曰、[韓彊与(周地)、将〔以疑(周於秦)〕也、周不〔敢不(受)〕]}〉。
といふ「括弧」に、「置き換へ」ることが、出来る。
従って、
(44)により、
(45)
「あまりの複雑さゆえに嫌気のさす人」もゐるで有らうところの、「返り点」であっても、
⑦ ( )〔 〕[ ]{ }〈 〉
といふ、「五種類の、括弧」で、間に合ふことになる。
従って、
(31)(45)により、
(46)
「漢文訓読」よりも、「極めて、多くの括弧」を必要とする、「英文訓読」ならば、ともかく、
③ F D 2 1 A 4 3 9 7 6 5 8 C B E=
③ F《D〈2(1)A{4(3)9[7〔6(5)〕8]}C(B)〉E》。
のやうに、
③ ( )〔 〕[ ]{ }〈 〉《 》
といふ、「六種類の、括弧」を必要とする、「漢文訓読」は、おそらくは、無いし、極めて希な場合を除く、ほとんどの場合は、
⑦ ( )〔 〕[ ]{ }
といふ、「四種類の、括弧」で、間に合ふのが、実際である。
(47)
⑧ E 3 1 2 D C 6 4 5 8 7 B A 9。
の中に、
⑧ M<N>M-1
といふ「順番」は、無い。
従って、
(21)(47)により、
(48)
⑧ E 3 1 2 D C 6 4 5 8 7 B A 9。
に対する「括弧」は、
⑧ E〈3(12)D{C[6(45)8(7)B〔A(9)〕]}〉。
であって、
⑧ E〈3(12)D{C[6(45)8(7)B〔A(9)〕]}〉。
に対する「返り点」は、
⑧ 己 二  一 戊 丁 二  一 二 一 丙 乙 甲
である。
然るに、
(49)
(26)にも、書いた通り、「決まり」として、
下の一字から上の一字に返る場合は、「点」を用ゐなければ、ならない。
従って、
(49)により、
(50)
⑧ 己 二  一 戊  丁 二  一 二 一 丙  乙 甲
といふ「返り点」は、実際には、
⑨ 下 二  一 上 下 二  一    上 二 一
といふ風に、書くことになる。
然るに、
(51)
 二  一    二  一 二 一    
 二  一 上レ  二  一 レ   上レ  
であれば、
⑧ の方が、
⑨ よりも、はるかに、「読みやすい」。
従って、
(51)により、
(52)
⑨ 是以大学始教必使学者即凡天下之物莫不因其已知之理而益極之以求至乎其極(大学、伝五章)。
に付く、
⑨ 是以、大学始教、必使学者即凡天下之物、莫上レ其已知之理、益々極之、以求上レ乎其極
といふ「返り点」は、
⑧ 是以、大学始教、必使学者即凡天下之物、莫其已知之理、而益々極、以求乎其極

といふ「返り点」よりも、はるかに、「読みにくい」。
加へて、
(42)により、
(53)
(Ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
(Ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ「返り点」の「順番」であれば、
(Ⅱ)上 中 下
といふ「三つ」では「不足」が生じ、更には、
(Ⅳ)天 地 人
といふ「三つ」であっても、「不足が生じ得る。 といふことが、「考慮」されてゐない。
従って、
(52)(53)により、
(54)
「返り点」といふ「システム」は、「昔(いにしへ)」からの、「成り行き」で出来てゐるのであって、「合理的」に出来てゐる。といふ風には、言へない。
平成29年12月22日、毛利太。

2017年12月20日水曜日

「返り点」は、「下には戻らない」。

―「12月17日と、19日の記事」を、書き直し、「12月16日の記事(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html)」の「捕捉」を書きます。―
(01)
① 揮快刀者=
① 揮揮快刀者=
① 揮(快刀)者=
① 3(12)4⇒
① (12)34=
① (快刀)揮者=
① (快刀を)揮ふ者=
① 快刀を揮ふ者。
に於ける「返り点」は、
① 二 一
である。
然るに、
(02)
 ①
 二
 一
といふ「返り点」は、
 ①
 二
 ↑
 一
といふ具合に、「上にだけ、返ってゐて、には、戻らない」。
然るに、
(03)
揮快刀者=快刀を揮ふ者。
に対して、

を加へて、
揮快刀者=快刀を揮ふ者り。
とするならば、その時に、「初めて」、
②「者」から「」へ「返る」、「返り点(下 上)」が、「必要」となる。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
② 有揮快刀者=
② 有快刀
② 有〔揮(快刀)者〕=
② 5〔3(12)4〕⇒
② 〔(12)34〕5=
② 〔(快刀)揮者〕有=
② 〔(快刀を)揮ふ者〕有り=
② 快刀を揮ふ者り。
に於ける「返り点」は、
② 下 二 一 上
であって、尚且つ、
 ②
   下
 二
 ↑ ↑
 一
   上
といふ風に、「上にだけ、返る」ことになる。
(05)
③ 揮快刀断乱麻=
③ 揮快刀乱麻
③ 揮(快刀)断(乱麻)=
③ 3(12)6(45)⇒
③ (12)3(45)6=
③ (快刀)揮(乱麻)断=
③ (快刀を)揮って(乱麻を)断つ=
③  快刀を揮って乱麻を断つ。
に於ける「返り点」は、
① 二 一 二 一
である。
然るに、
(06)
 ③
 二
 一
 二
 一
といふ「返り点」は、
 ③
 二
 ↑
 一
   二
   ↑
   一
といふ風に、「上にだけ、返ってゐて、下には、戻らない」。
然るに、
(07)
揮快刀断乱麻=快刀を揮って乱麻を断つ。
に対して、

を加へて、
揮快刀断乱麻=快刀を揮って乱麻を断つがし。
とするならば、その時に、「初めて
④「断」から「」へ返る」、「返り点(下 中 上)」が、「必要」となる。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
④ 如揮快刀断乱麻=
④ 如快刀乱麻
④ 如〔揮(快刀)断(乱麻)〕=
④ 7〔3(12)6(45)〕⇒
④ 〔3(12)(45)6〕7=
④ 〔(快刀)揮(乱麻)断〕如=
④ 〔(快刀を)揮って(乱麻を)断つが〕如し=
④  快刀を揮って乱麻を断つが如し。
に於ける「返り点」は、
④ 下 二 一 中 上
であって、尚且つ、
 ④
   下
 二
 ↑ ↑
 一
   中
   ↑
    上
といふ風に、「上にだけ、返ってゐて、下には、戻らない」。
(09)
⑤ 不常得以快刀断=
⑤ 不常得快刀
⑤ 不[常得〔以(快刀)断〕]=
⑤ 7[16〔4(23)5〕]⇒
⑤ [1〔(23)45〕6]7=
⑤ [常〔(快刀)以断〕得]不=
⑤ [常には〔(快刀を)以て断つを〕得]ず=
⑤ 常には快刀を以て断つを得
に於ける「返り点」は、
⑤ 下 中 二 一 上
である。
然るに、
(04)により、
(10)
② 下 二 一 上
であって、尚且つ、
 ②
   下
 二
 ↑ ↑
 一
   上
といふ風に、「上にだけ、返る」ものの、
 ②
   下
 二
 ↑ ↑
 一
   上
といふ「返り点」は、
 ②
   
 二
 ↑ ↑
 一
   上
であっても、構はない。
然るに、
(11)
②    二 一 上
であって、尚且つ、
 ②
   
 二
 ↑ ↑
 一
   上
といふ風に、「上にだけ、返る」のであれば、
下 中 二 一 上
であって、尚且つ、
 ⑤
   
   ↑
   
 二
 ↑ ↑
 一
   上
といふ風に、「上にだけ、返る」ことになる。
従って、
(01)~(11)により、
(12)
① 揮揮快刀者。
② 有快刀
③ 揮快刀乱麻
④ 如快刀乱麻
⑤ 不常得快刀
に於ける、
① 二 一
② 下 二 一 上
③ 二 一 二 一
④ 下 二 一 中 上
⑤ 下 中 二 一 上
といふ「返り点」は、全て、「上にだけ、返って、には、戻らない」。
然るに、
(13)
④ 下 二 一 中 上
⑤ 下 中 二 一 上
であれば、
④+⑤=
⑥ 下 二 一 中 二 一 上
であるため、
⑥ 下 二 一 中 二 一 上
の場合も、
 ⑥
     下
 二
 ↑   ↑
 一
     中
   二
   ↑ ↑
   一
     上
といふ風に、「上にだけ、返って、には、戻らない」。
然るに、
(14)
(Ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
(Ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
に於いて、
(Ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
が、表す「順番」は、
(Ⅴ)二一 中上 乙甲 地天
が、表す「順番」と、「同じ」である。
従って、
(14)により、
(15)
「返り点」が表す「順番」は、「レ点」を除いた、
(Ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
といふ、「返り点」が表す「順番」に等しい。
然るに、
(16)
(Ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
に於いて、
(Ⅰ)を挟んで返る場合には、
(Ⅱ)を用ゐ、
(Ⅱ)を挟んで返る場合には、
(Ⅲ)を用ゐ、
(Ⅲ)を挟んで返る場合には、
(Ⅳ)を用ゐる。
従って、
(16)により、
(17)
(Ⅰ)の、(Ⅱ)に対する「関係」は、
(Ⅱ)の、(Ⅲ)に対する「関係」に「等しく」、
(Ⅱ)の、(Ⅲ)に対する「関係」は、
(Ⅲ)の、(Ⅳ)に対する「関係」に「等しい」。
従って、
(12)(13)(17)により、
(18)
① 下 二 一 上
② 下 二 一 中 上
③ 下 中 二 一 上
といふ「返り点」は、「縦書き」であれば、「上にだけ返って、には戻らない」。
④ 乙 下 上 甲
⑤ 丙 下 上 乙 甲
⑥ 下 中 二 一 上
といふ「返り点」は、「縦書き」であれば、「上にだけ返って、には戻らない」。
⑦ 地 乙 甲 天
⑧ 人 乙 甲 地 天
⑨ 人 地 乙 甲 天
といふ「返り点」は、「縦書き」であれば、「上にだけ返って、には戻らない」。
従って、
(15)(18)により、
(19)
(Ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
(Ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ「返り点のセット」は、「上にだけ返って、には戻らない」。
然るに、
(20)

従って、
(20)により、
(21)
⑩ 只‐管要纏擾我=
⑩ 只‐管要
⑩ 只‐管 要[纏(擾〔我)〕]=
⑩ 1‐2 下[二(上〔一)〕]=
⑩ 1‐2 6[4(5〔3)〕]⇒
⑩ 1‐2 [(〔3)4〕5]6=
⑩ 1‐2 [(〔一)二〕上]下=
⑩ 只‐管 [(〔我)纏〕擾]要=
⑩ ひたすら、我が、やっかいになる。
は、「漢文訓読」ではなく、「中国語(白話文)訓読」である。
然るに、
(22)
(3)上中下点(上・下、上・中・下)
レ点・一二点だけで示しきれない場合。必ず一二点をまたいで返る場合に用いる(数学の式における( )が一二点で、{ }が上中下点に相当するものと考えるとわかりやすい)。
(原田種成、私の漢文講義、1995年、43頁)
従って、
(22)により、
(23)
⑩ 只‐管要
⑩ ひたすら、我が、やっかいになる。
といふ「中国語(白話文)訓読」に於ける、
 二  一
といふ「それ」は、
 二 一 
ではないため、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
加へて、
(24)
⑩ 只‐管 要[纏(擾〔我)〕]
に於ける、
⑩     [ ( 〔 )〕]
といふ「それ」は、
⑩     [ 〔 ( )〕]
ではないため、「括弧」ではなく、「括弧・モドキ」である。
然るに、
(25)

といふ「返り点」が付いてゐる「漢字」と、

といふ「返り点・モドキ」が付いてゐる「漢字」を、それぞれ、
② 下 二 一 
⑩ 下 二  一
といふ風に、書くことにする。
(26)
② 下 二 一 
⑩ 下 二  一
から、
②       
⑩     
といふ「上」を除いた「それ」を、
② 下 二 一 囗
⑩ 下 二 囗 一
といふ風に、書くことにする。
従って、
(27)
② 有
⑩ 有
であれば、
② 下 二 一 上
⑩ 下 二 上 一
であって、
② 有
⑩ 有
であれば、
② 下 二 一 囗
⑩ 下 二 囗 一
である。
然るに、
(28)
「返り点」が付いてゐない「漢字α」が、「返り点」が付いてゐる「漢字β」の「」に有る場合は、「漢字α」の方を、「漢字β」よりも、「先に読む」。
従って、
(26)(27)(28)により、
(29)
② 下 二 一 囗
であれば、
②     一   が「最初」であって、
②   二     が「二番」である。
然るに、
(28)(29)により、
(30)
⑩ 下 二 囗 一
であれば、
⑩     囗   が「最初」であって、
⑩             一 は「二番」である。
従って、
(29)(30)により、
(31)
⑩ 下 二 囗 一
に於いて、
⑩             一 を「一番に、読む」ためには、
⑩ 下 二 囗 一 ではなく、
⑩ 下 二  一 でなければ、ならない。
然るに、
(32)
⑩ 下 二 囗 一 ではなく、
⑩ 下 二  一 でなければ、ならない。
といふのであれば、
⑩ 下 二  一 は、
⑩ 四 二  一 に、「等しい」。
従って、
(32)により、
(33)
⑩ 四 二  一
である所の、
⑩ 下 二  一
の場合は、
 ⑩
     下
 二 二 ↑
 ↑ ↓ ↑
 ↑  
 一
といふ風に、「上に返って、下に戻り、上へ返ってゐる」。
然るに、
(04)により、
(34)
② 下 二 一 上
の場合は、
 ②
   下
 二
 ↑ ↑
 一
   上
といふ風に、「上にだけ、二回、返ってゐる」。
然るに、
(35)
(21)~(23)で、「確認」した通り、
⑩ 只‐管要
⑩ ひたすら、我が、やっかいになる。
といふ「中国語(白話文)訓読」に於ける、
 二  一
といふ「それ」は、
 二 一 
ではないため、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
従って、
(35)により、
(36)
⑩ 下 二  一
といふ「それ」が、「中国語(白話文)訓読」に、見られるからと言って、「上から、下へ、戻る、返り点」も有り得る。
といふことには、ならない
従って、
(37)
「返り点」は、「下には、戻れない」。
平成29年12月20日、毛利太。

2017年12月16日土曜日

「返り点」と「括弧」の条件(Ⅱ)。

― 昨日(12月15日)の記事(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_15.html)の補足を、書きます。―
(01)
① {( )}
② ({ })
に於いて、
① であれば、{ }の中に、( )が有り、
② であれば、( )の中に、{ }が有る。
然るに、
(02)
① {( })
② ({ )
に於いて、
① であれば、{ }の中に、( )が有る。とは、言へないし、
② であれば、( )の中に、{ }が有る。とも、言へない
従って、
(01)(02)により、
(03)
① {( )} は、「括弧」であって、
② ({ )} は、「括弧」ではない
従って、
(03)により、
(04)
① {( )} を、「括弧」とし、
② ({ )} を、「括弧・モドキ」とする。
然るに、
(05)
① 3{2(1)}。
に於いて、
① { の 左 には、3があり、
① ( の 左 には、2があり、
①  )の 左 には、1がある。
然るに。
(06)
② 2(3{1)}。
に於いても、
② { の 左 には、3があり、
② ( の 左 には、2があり、
②  )の 左 には、1がある。
従って、
(05)(06)により、
(07)
① 3{2(1)}。
② 2(3{1)}。
に於いて、
 { の 左 にある 3 を、}の右へ「移動」し、
 ( の 左 にある 2 を、)の右へ「移動」するならば、
① 3{2(1)}⇒ {(1)2}3。
② 2(3{1)}⇒ ({1)2}3。
といふ「並び替へ(ソート)」が、成立する。
従って、
(07)より、
(08)
① 3{2(1)}。
② 2(3{1)}。
に於いて、
  3{ }⇒{ }3
  2( )⇒( )2
といふ「移動」を行ふと、
① 3{2(1)}⇒ {(1)2}3。
② 2(3{1)}⇒ ({1)2}3。
といふ「並び替へ(ソート)」が、成立する。
従って、
(08)により、
(09)
③ 16{25(34)}。
④ 15(26{34)}。
に於いて、
  6{ }⇒{ }6
  5( )⇒( )5
といふ「移動」を行ふと、
③ 16{25(34)}⇒ 1{2(34)5}6。
④ 15(26{34)}⇒ 1(2{34)5}6。
といふ「並び替へ(ソート)」が、成立する。
然るに、
(10)
⑤ 15(28{34)67}。
に於いて、
  8{ }⇒{ }8
  5( )⇒( )5
といふ「移動」を行ふと、
⑤ 15(28{34)67}⇒ 1(2{34)567}8。
といふ「並び替へ(ソート)」が、成立する。
従って、
(04)(09)(10)により、
(11)
③ 16{25(34)}  ⇒ 1{2(34)5}6。
④ 15(2634}  ⇒ 1(2{34)5}6。
⑤ 15(283467}⇒ 1(2{34)567}8。
といふ「並び替へ(ソート)」が、成立し、
③ は、「括弧」であって、
④ は、「括弧・モドキ」であって、
⑤ は、「括弧・モドキ」である。
然るに、
(12)
③ 囗6{囗5(囗4)}。
④ 囗5(囗6{囗4)}。
⑤ 囗5(囗8{囗4)囗7}。
に於いて、
③ 囗  囗  囗
④ 囗  囗  囗
⑤ 囗  囗  囗  囗
には、「返り点」が付かない
従って、
(11)(12)により、
(13)
③ 囗三{囗二(囗一)}。
④ 囗二(囗三{囗一)}。
⑤ 囗二(囗四{囗一)囗三}。
といふ風に、書くならば、
③  三  二  一
④  二  三  一
⑤  二  四  一  三
といふ「それ」は、
③ 16{25(34)}。
④ 15(2634}。
⑤ 15(283467}。
に付くところの、「返り点」である。
然るに、
(14)
「返り点」とは、「縦書き」であれば、「下から上へ、返る点」であるため、
「返り点」とは、「横書き」であれば、「から左へ、返る点」である。
従って、
(14)により、
(15)
「横書き」であれば、「右から左へ、返る点」は、「返り点」であるが、
「横書き」であれば、「から右へ、返る点」は、「返り点」ではない
然るに、
(16)
③  三  二  一
④  二  三  一
⑤  二  四  一  三
であるならば、
④  二 → 三
⑤  二 →   →   → 三
であるため、
③  三  二  一
④      一
⑤    四  一  
に於いて、
④ は、「から右へ、返ってゐて」、
⑤ も、「から右へ、返ってゐる」。
従って、
(15)(16)により、
(17)
③  三  二  一
④      一
⑤    四  一  
に於いて、
③ は、「返り点」であるが、
④ は、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」であって、
⑤ も、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
然るに、
(18)
⑤  二  四  一  三
ではなく、
⑤   二    一  
であるとすれば、
⑤  二 →   →   → 三
ではないので、「左から右へ、返ってゐる」とは、言へない。
然るに、
(19)
(3)上中下点(上・下、上・中・下)
レ点・一二点だけで示しきれない場合。必ず一二点をまたいで返る場合に用いる(数学の式における( )が一二点で、{ }が上中下点に相当するものと考えるとわかりやすい)。
(原田種成、私の漢文講義、1995年、43頁)
従って、
(19)により、
(20)
⑤ 囗二(囗下{囗一)囗上}。
に於ける、
⑤   二    一  
といふ「それ」は、
⑤     二  一  
ではないが故に、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
従って、
(13)(17)(20)により、
(21)
③ 囗三{囗二(囗一)}。
④ 囗二(囗三囗一}。
⑤ 囗二(囗四囗一囗三}。
⑤ 囗二(囗下囗一囗上}。
に於いて、
③ は、「括弧」であって、「返り点」であるが、
④ は、「括弧・モドキ」であって、「返り点・モドキ」であって、
⑤ も、「括弧・モドキ」であって、「返り点・モドキ」である。
然るに、
(22)
③ 16{25(34)}。
④ 15(2{34)}。
⑤ 15(2{34)67}。
に於いて、
④  5<  >4
⑤   5<  >4
である。
従って、
(22)により、
(23)
③ 16{25(34)}。
④ 15(2{34)}。
⑤ 15(2{34)67}。
に於いて、
④ は、M<>M-1 といふ「順番」を含んでゐて、
⑤ も、M<>M-1 といふ「順番」を含んでゐる。
然るに、
(24)
④ M<>M-1
であるならば、
④ M-1<M<
である。
然るに、
(25)
④ M({M-1)}。
に於いて、
  N{ }⇒{ }N
  M( )⇒( )M
といふ「移動」を行ふと、
④ ({M-1)M}N ⇒ M-<M<
といふ「並び替へ(ソート)」が、成立する。
従って、
(21)(24)(25)により、
(26)
④ M<>M-1
といふ「順番」を含む「順番」を、
④ 1<2<3<4<5 ・ ・ ・ ・ ・
といふ「昇べき順」に「並び替へ(ソートす)る」ためには、
④ ({ )
といふ「括弧・モドキ」を、使はざるを得ず、尚且つ、
④      一
⑤    四  一  
⑤   二    一  
のやうな、「返り点・モドキ」を、使はざるを得ない。
従って、
(27)
例へば、
⑥ What are you doing now?=
⑥ What(are[you doing〔now)〕]? =
⑥ 3 ( [1    〔2 )〕]? ⇒
⑥  ([1    〔2 )3〕 ? =
⑥  ([you〔now)what〕doing]are?=
⑥ あなたは、今、何を、して、ゐる、のですか。
のやうな、「英文和訳」の場合は、
⑥ ( [ 〔 ) 〕
といふ「括弧・モドキ」と、
⑥ 二   一
といふ「返り点・モドキ」を、使はざるを得ない。
然るに、
(28)
⑦ Now you are doing what?=
⑦ 今、あなたは、何を、して、ゐる、のですか。
であれば、
⑦ Now you are〔doing(what)〕?
であるため、「括弧」と「返り点」は、
⑦ 三〔二(一)〕
である。
(29)
例へば、
⑧ 我非〈必不{求〔以〔解(中文)法〕解(漢文)〕}者〉。
⑧ 囗地〈囗{丙〔下〔二(囗一)上〕乙(囗甲)〕}天〉。
に於いて、
⑧ 下がって行く(右へ行く)のは、
⑧ 囗  囗        囗      囗
であって、
⑧  地  丁 丙 下 二  一 上 乙  甲   天
に於いて、
⑧         下      上 は、
⑧           二  一   を挟んで上(左)へ行き、
⑧     丁 丙          乙  甲 は、
⑧         下 二  一 上 を挟んで上(左)へ行き、
⑧  地                      天 は、
⑧     丁 丙 下 二  一 上 乙  甲 を挟んで上(左)へ行く。
従って、
(29)により、
(30)
「返り点」は、「横書き」であれば、「左にしか、戻らない」し、
「返り点」は、「縦書き」であれば、「上にしか、返らない」。
然るに、
(31)

然るに、
(32)
⑨ 端的看不出這婆子的本字来。
⑨ 西門慶促忙急儧造不出床来。
に付く、
 ⑨
 二
 五
 三
 一
 四
のやうな「返り点・モドキ」の場合は、
 ⑨
 二 二
 ↑ ↓   五
 ↑ 三 三 ↑
 一   ↓ ↑
     四 四
のやうに、「下から、上へ行き」、「上から下へ行き」、そのため、「極めて、読みにくい」。
然るに、
(33)
数年前、ある言語学教育関連の新聞の連載のコラムに、西洋文化研究者の発言が載せられていた。誰もが知る、孟浩然の『春眠』「春眠暁を覚えず・・・・・・」の引用から始まるそのコラムでは、なぜ高校の教科書にいまだに漢文訓読があるのかと疑問を呈し、「返り点」をたよりに「上がった下がったりしながら、シラミつぶしに漢字にたどる」読み方はすでに時代遅れの代物であって、早くこうした状況から脱するべきだと主張する。「どこの国に外国語を母国語の語順で読む国があろう」かと嘆く筆者は、かつては漢文訓読が中国の歴史や文学を学ぶ唯一の手段であり「必要から編み出された苦肉の知恵であった」かもしれないが、いまや中国語を日本にいても学べる時代であり「漢文訓読を卒業するとき」だと主張するのである(「訓読」論 東アジア漢文世界と日本語、中村春作・市來津由彦・田尻祐一郎・前田勉 共編、2008年、1頁)。
従って、
(30)~(33)により、
(34)
上がった下がったりしながら、シラミつぶしに漢字にたどる読み方」は、「中国語(白話文)訓読」に於ける、「返り点・モドキ」の場合であって、「漢文訓読に於ける、返り点の読み方」ではない
従って、
(27)(28)(31)(34)により、
(35)
「どのやうな言語」であっても、「返り点(括弧)」を用ゐて、「訓読」が出来るわけではないし、話し言葉に基づく中国語は、本来訓読には適していない(実際、現在では白話文の訓読はほとんど行われない)。しかし江戸時代、白話文は訓読されていた(勉誠出版、続「訓読」論、2010年、330頁改)。
といふ、ことになる。
平成29年12月16日、毛利太。

2017年12月15日金曜日

「括弧」と「返り点」の条件。

― 前回(12月11日)の記事(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_11.html)の補足を、書きます。―
(01)
(Ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
(Ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
に於いて、
(Ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
に関しては、
(Ⅴ)二一、二一、中上、乙甲、地天
に「置き換へ」ることが出来る。
(02)
(Ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
に於いて、
(Ⅰ)を挟んで返る場合には、
(Ⅱ)を用ゐ、
(Ⅱ)を挟んで返る場合には、
(Ⅲ)を用ゐ、
(Ⅲ)を挟んで返る場合には、
(Ⅳ)を用ゐる。
従って、
(02)により、
(03)
① 下 二 一 上
② 下 二 一 中 上
③ 下 中 二 一 上
④ 下 二 一 中 二 一 上
は、「返り点」であるが、例へば、
⑤ 下  上 
 下  上
⑦ 下  中  上 
等は、「返り点」ではなく、「返り点モドキ」である。
(04)
① 下 二 一 上
② 下 二 一 中 上
③ 下 中 二 一 上
④ 下 二 一 中 二 一 上
といふ「順番」を、「数字」で「置き換へ」るならば、
① 4 2 1 3
② 5 2 1 4 3
③ 5 4 2 1 3
④ 7 2  1 6 4 3 5
である。
(05)
⑤ 下 二 上 一
⑥ 二 下 一 上
⑦ 下 三 中 二 上 一
といふ「順番」を、「数字」で「置き換へ」るならば、
⑤ 4 2 3 1
⑥ 2 4 1 3
⑦ 6 3 5 2 4 1
である。
然るに、
(06)
① 4〔2(1)3〕。
② 5〔2(1)4(3)〕。
③ 5[4〔2(1)3〕]。
④ 7[2(1)6〔4(3)5〕]。
に於いて、
  囗( )⇒( )囗
  囗〔 〕⇒〔 〕囗
  囗[ ]⇒[ ]囗
といふ「移動」を行ふと、
① 〔(1)23〕4。
② 〔(1)2(3)4〕5。
③ [〔(1)23〕4]5。
④ [(1)2〔(3)45〕6]7。
といふ「順番」、すなはち、
① 1<2<3<4。
② 1<2<3<4<5。
③ 1<2<3<4<5。
④ 1<2<3<4<5<6<7。
といふ「昇べき順」になる。
(07)
⑤ 4[2(3〔1)〕]。
⑥ 2(4〔1)3〕。
⑦ 6〈3〔5{2(4[1)〕]}〉。
に於いて、
  囗( )⇒( )囗
  囗〔 〕⇒〔 〕囗
  囗[ ]⇒[ ]囗
  囗{ }⇒{ }囗
  囗〈 〉⇒〈 〉囗
といふ「移動」を行ふと、
⑤ [(〔1)2〕3]4。
⑥ (〔1)23〕4。
⑦ 〈〔{([1)2〕3]4}5〉6。
といふ「順番」、すなはち、
⑤ 1<2<3<4。
⑥ 1<2<3<4。
⑦ 1<2<3<4<5<6。
といふ「昇べき順」になる。
然るに、
(08)
① 4〔2(1)3〕。
② 5〔2(1)4(3)〕。
③ 5[4〔2(1)3〕]。
④ 7[2(1)6〔4(3)5〕]。
に於ける、
①  〔 ( ) 〕
②  〔 ( )( ) 〕
③  [ 〔 ( ) 〕 ]
④  [ ( )〔 ( ) 〕 ]
といふ「括弧」に対して、
⑤ 4[2(3〔1)〕]。
⑥ 2(4〔1)3〕。
⑦ 6〈3〔5{2(4[1)〕]}〉。
に於ける、
⑤  [ ( 〔 ) 〕 ]
⑥  ( 〔 )
⑦  〈 〔 { ( [ ) 〕 ] } 〉
といふ「それ」は、「括弧」であるとは、言へない。
従って、
(03)(08)により、
(09)
① 下 二 一 上
② 下 二 一 中 上
③ 下 中 二 一 上
④ 下 二 一 中 二 一 上
といふ「返り点」が表す「順番」、すなはち、
① 4 2 1 3
② 5 2 1 4 3
③ 5 4 2 1 3
④ 7 2  1 6 4 3 5
といふ「順番」は、「括弧」によって、「昇べき順」に「並び替へ(ソートす)る」ことが出来るものの、
⑤ 下 二 上 一
⑥ 二 下 一 上
⑦ 下 三 中 二 上 一
といふ「返り点モドキ」が表す「順番」、すなはち、
⑤ 4 2 3 1
⑥ 2 4 1 3
⑦ 6 3 5 2 4 1
といふ「順番」は、「括弧」によって、「昇べき順」に「並び替へ(ソートす)る」ことが出来ない
然るに、
(10)
① 4 2 1 3
② 5 2 1 4 3
③ 5 4 2 1 3
④ 7 2  1 6 4 3 5
といふ「順番」と、
⑤ 4 2 3 1
⑥ 2 4 1 3
⑦ 6 3 5 2 4 1
といふ「順番」とを比較すると、
⑤ 4 2<3>1
⑥ 2<4>1 3
⑦ 6 3<5>2<4>1
には、有るところの、
⑤ M<N>M-1
といふ「順番」が、
① 4 2 1 3
② 5 2 1 4 3
③ 5 4 2 1 3
④ 7 2  1 6 4 3 5
には、無い。
然るに、
(11)
① 囗下囗二囗一囗上囗。
であれば、
① 囗 囗 囗 囗 囗
には、「返り点」は、付かない。
従って、
(09)(11)により、
(12)
①   下   二   一   上。
①   4   2   1   3。
に対して、
① 囗 下 囗 二 囗 一 囗 上 囗。
① 1 8 2 5 3 4 6 7 9。
であるものの、
① 1 8 2 5 3 4 6 7 9。
の中には、
⑤ M<N>M-1
といふ「順番」が、無い。
然るに、
(13)
⑤ 囗下囗二囗上囗一囗。
であれば、
⑤ 囗 囗 囗 囗 囗
には、「返り点」は、付かない。
従って、
(09)(13)により、
(14)
⑤   下   二   上   一。
⑤   4   2   3   1。
に対して、
⑤ 囗 下 囗 二 囗 上 囗 一 囗。
⑤ 1 5 2 8 3 4 6 7 9。
であるものの、
⑤   4   2   3   1。
の中には、
⑤   4<  2  >3
といふ「順番」が有ったため、
⑤ 1 5 2 8 3 4 6 7 9。
の中にも、
⑤   5<  8  >4
といふ「順番」、すなはち、
⑤   M<  N  >M-1
といふ「順番」が、有る。
然るに、
(15)
⑧ 訓‐読 漢 文=漢文を訓読す。
⑧ 3‐4 1 2=漢文を訓読す。
とするならば、
⑧ 3<4>2
であるため、その場合も、
⑧ M<N>M-1
である。
然るに、
(16)
⑧ 訓‐読 は、「一語(熟語)」なので、
⑧ 訓‐読 漢 文=漢文を訓読す。
⑧  3  1 2=漢文を訓読す。
とする。
従って、
(09)~(16)により、、
(17)
「返り点(一二点と上下点)」と「括弧」は、
M<N>M-1
といふ「順番」を含んでゐない「順番」であるならば、その時に限って
1<2<3<4<5<6<7 ・ ・ ・ ・ ・ ・
といふ「昇べき順」に、「並び替へ(ソートす)る」ことが出来る。
然るに、
(02)により、
(18)
(Ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
に於いて、
(Ⅰ)と(Ⅱ)の「関係」は、
(Ⅱ)と(Ⅲ)の「関係」に「等しく」、
(Ⅱ)と(Ⅲ)の「関係」は、
(Ⅲ)と(Ⅳ)の「関係」に「等しい」。
従って、
(01)(17)(18)により、
(19)
「返り点(レ点を含む)」と「括弧」は、
M<N>M-1
といふ「順番」を含んでゐない「順番」であるならば、その時に限って、
1<2<3<4<5<6<7<9< ・ ・ ・ ・ ・ ・
といふ「昇べき順」に、「並び替へ(ソートす)る」ことが出来る。
然るに、
(20)
 大学 伝五章
⑨ 是以大学始教必使学者即凡天下之物莫不因其已知之理而益極之以求至乎其極=
⑨ 是以、大学始教、必使 学者即 凡天下之物、莫上レ 其已知之理、益々極 之、以求上レ 乎其極
⑨ 是以、大学始教、必使〈学者即(凡天下之物)、莫{不[因(其已知之理)而益極(之)、以求〔至(乎其極)〕]}〉⇒
⑨ 是以、大学始教、必〈学者(凡天下之物)即、{[(其已知之理)因而益(之)極、以〔(乎其極)至〕求]不}莫〉使=
⑨ 是を以て、大学の始教は、必ず〈学者をして(凡そ天下の物に)即きて、{[(其の已に知るの理に)因って、益々(之を)極め、以て〔(其の極に)至るを〕求め]不るを}莫から〉使む=
⑨ そのため、大学の教へを始める際には、必ず〈学者をして(凡そ天下の物に)ついて、{[(その学者がすでに知っているの理に)依って、益々(これを)極め、以て〔(その極点に)至ることを〕求め]ないことが}無いやうに〉させる。
従って、
(19)(20)により、
(21)
⑨ 1~9= 1~ 9
⑨ A~W=10~32
であるとして、
⑨ 是以大学始教必使学者即凡天下之物莫不因其已知之理而益極之以求至乎其極。
から、「黙示(サイレント)」である、
⑨                         而      乎
を除いて、
⑨ 是以大学始教必使学者即凡天下之物莫不因其已知之理益極之以求至其極。
とした上で、
⑨ 1234567W89FABCDEVULGHIJKMONPTSQR。 
といふ、「訓読の順番」を与へ、その上で、
⑨ 1234567W89FABCDEVULGHIJKMONPTSQR。
といふ「番号」を、「10進数」に直し、
⑨ 1 2 3 4 5 6 7 32 8 9 15 10 11 12 13 14 31 30 21 16 17 18 19 20 22 24 23 25 29 28 26 27。
とするならば、この、「32個の、10進数」の中に、
⑨ M<N>M-1
といふ「順番」は、現はれない。
すなはち、
(22)
⑨ 32(8 9 15 10 11 12 13 14)31
に於いて、
⑨   (                     )の中に、「32よりも大きい数」は無く、
⑨        15(10 11 12 13)14
に於いて、
⑨          (           )の中に、「15よりも大きい数」は無く、
⑨ 21(16 17 18 19)20
に於いて、
⑨   (           )の中に、「21よりも大きい数」は無く、
⑨ 28(26)27
に於いて、
⑨   (  )の中に、「28よりも大きい数」は無い。
従って、
(19)~(22)により、
(23)
⑨ 是以大学始教必使〈学者即(凡天下之物)莫{不[因(其已知之理)益極(之)以求〔至(其極)〕]}〉=
⑨ 1234567W〈89F(ABCDE)V{U[L(GHIJK)MO(N)PT〔S(QR)〕]}〉。
の中には、
⑨ M<N>M-1
といふ「順番」は、現はれない。が、故に、
⑨ 是以大学始教必使〈学者即(凡天下之物)莫{不[因(其已知之理)益極(之)以求〔至(其極)〕]}〉=
⑨ 1234567W〈89F(ABCDE)V{U[L(GHIJK)MO(N)PT〔S(QR)〕]}〉。
に於いて、
⑨ W〈 〉⇒〈 〉W
⑨ F( )⇒( )F
⑨ V{ }⇒{ }V
⑨ U[ ]⇒[ ]U
⑨ L( )⇒( )L
⑨ O( )⇒( )O
⑨ T〔 〕⇒〔 〕T
⑨ S( )⇒( )S
といふ「移動」を行ふと、
⑨ 是以大学始教必使〈学者即(凡天下之物)莫{不[因(其已知之理)益極(之)以求〔至(其極)〕]}〉=
⑨ 1234567W〈89F(ABCDE)V{U[L(GHIJK)MO(N)PT〔S(QR)〕]}〉⇒
⑨ 1234567〈89(ABCDE)F{[(GHIJK)LM(N)OP〔(QR)S〕T]U}V〉W=
⑨ 是以、大学始教、必〈学者(凡天下之物)即、{[(其已知之理)因而益(之)極、以〔(乎其極)至〕求]不}莫〉使=
⑨ 是を以て、大学の始教は、必ず〈学者をして(凡そ天下の物に)即きて、{[(其の已に知るの理に)因って、益々(之を)極め、以て〔(其の極に)至るを〕求め]不るを}莫から〉使む=
⑨ そのため、大学の教へを始める際には、必ず〈学者をして(凡そ天下の物に)ついて、{[(その学者がすでに知っているの理に)依って、益々(これを)極め、以て〔(その極点に)至ることを〕求め]ないことが}無いやうに〉させる。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
然るに、
(24)

従って、
(24)により、
(25)
⑩ 端的看不出這婆子的本事来=
⑩ 端‐的看這婆-子的本-事
⑩ 端‐的看(不[出〔這婆‐子的本‐事)〕来]=
⑩ 1‐29(C[A〔34‐567‐8)〕B]。
に於いて、
⑩ 9( )⇒( )9
⑩ C[ ]⇒[ ]C
⑩ A〔 〕⇒〔 〕A
といふ「移動」を行ふと、
⑩ 端‐的看(不[出〔這婆‐子的本‐事)〕来]=
⑩ 1‐29(C[A〔34‐567‐8)〕B]⇒
⑩ 1‐2([〔34‐567‐8)9〕AB]C=
⑩ 端‐的([〔這婆‐子的本‐事)看〕出来]不=
⑩ 端‐的に([〔這の婆‐子の本‐事を)看〕出だし来たら]ず。
といふ「中国語(白話文)訓読」が、成立する。
然るに、
(26)
「返り点」とは、「縦書き」であれば、「下から上へ、返る点」であるため、
「返り点」とは、「横書き」であれば、「から左へ、返る点」である。
従って、
(26)により、
(27)
「横書き」であれば、「右から左へ、返る点」は、「返り点」であるが、
「横書き」であれば、「から右へ、返る点」は、「返り点」ではない
従って、
(27)により、
(28)
⑩ 端‐的看這婆-子的本-事
に於ける「それ」、すなはち、
 五  一 
といふ「それ」は、「返り点」ではなく、「返り点モドキ」である。
加へて、
(29)
⑩ 端‐的看(不[出〔這婆‐子的本‐事)〕来]。
に於ける「それ」、すなはち、
⑩     ( [ 〔        )〕 ]
といふ「それ」は、「括弧」ではなく、「括弧モドキ」である。
加へて、
(30)
⑩ 1‐2 9(C A 3 4‐5 6 7‐)8 B
に於いて、
⑩      (              )
の中には、
⑩       「9よりも大きい数」である、
⑩      C=12    が有って、
⑩       「9よりも大きい数」である、
⑩        A=10  が有る。
従って、
(25)(30)により、
(31)
⑩ 端‐的看(不[出〔這婆‐子的本‐事)〕来]=
⑩ 1‐29(〔34‐567‐8)〕B]。
といふ、「中国語(白話文)」の中には、
⑩ M<>M-1
といふ「順番」が、含まれてゐる。
従って、
(25)~(31)により、
(32)
⑩ 端的看不出這婆子的本事来=
⑩ 端‐的看這婆-子的本-事
⑩ 端‐的看(不[出〔這婆‐子的本‐事)〕来]=
⑩ 1‐29(〔34‐567‐8)〕B]。
といふ、「中国語(白話文)」の中には、
⑩ M<>M-1
といふ「順番」が、含まれてゐる。が故に、
⑩ 端的看不出這婆子的本事来。
といふ、「中国語(白話文)」に対しては、「返り点モドキ」と「括弧モドキ」しか、付けられない。
といふ、ことになる。
従って、
(20)(23)(32)により、
(33)
例へば、
⑨ 是以大学始教必使学者即凡天下之物莫不因其已知之理而益極之以求至乎其極。
といふ「漢文」には、
⑨ M<>M-1
といふ「順番」が、含まれてゐない。が故に、「返り点」と「括弧」を加へることが出来、
⑩ 端的看不出這婆子的本事来。
例へば、
といふ「中国語(白話文)」には、
⑩ M<>M-1
といふ「順番」が、含まれてゐる。が故に、「返り点モドキ」と「括弧モドキ」しか、付けられない。
といふ、ことになる。
然るに、
(34)

従って、
(01)(34)により、
(35)
⑨ 是以大学始教必使学者即凡天下之物莫不因其已知之理而益極之以求至乎其極。
に於ける、
⑨ 下 二 一 上レ 下 二 一 レ 上レ 二 一
といふ「返り点」は、
⑨ 乙 二 一 戊 丁 二 一 二 一 丙 乙 甲
といふ「返り点」に等しい。
然るに、
(36)
大学生に返り点を打たせると、レ点の原則違反から生じる誤りが大半をしめます(古田島洋介、これならわかる返り点、2009年、60頁)。
との、ことである。
従って、
(35)(36)により、
(37)
例へば、
⑨ 是以大学始教必使学者即凡天下之物莫不因其已知之理而益極之以求至乎其極。
といふ「漢文」に対して、「返り点」を付ける場合は、最初に、
⑨ 是以大学始教必使学者即凡天下之物莫不因其已知之理而益極之以求至乎其極。
に対して、
⑨ 乙 二 一 戊 丁 二 一 二 一 丙 乙 甲
といふ「返り点」を付けた上で、その次に、
⑨ 乙 二 一 戊 丁 二 一 二 一 丙 乙 甲
といふ、「レ点を含まない、返り点」を、
⑨ 下 二 一 上レ 下 二 一 レ 上レ 二 一
といふ、「レ点を含む、返り点」に、「書き換へる」ことを、勧めたい。
(38)
「返り点のセット」が、
(Ⅰ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
(Ⅱ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(Ⅲ)上 中 下
(Ⅳ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅴ)天 地 人
ではなく、「返り点のセット」が、
(Ⅱ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
だけであるならば、例へば、
⑨ 乙 二 一 戊 丁 二 一 二 一 丙 乙 甲
であれば、
⑨ 十二 二 一 十一 十 四 三 六 五 九 八 七
といふ、ことになる。
然るに、
(39)
⑨ 乙 二 一 戊 丁 二 一 二 一 丙 乙 甲
であれば、「右から左へだけ、返ってゐる」のに対して、、
⑨ 十二 二 一 十一 十 四 三 六 五 九 八 七
の場合は、「さうではなく」、そのため、
⑨ 十二 二 一 十一 十 四 三 六 五 九 八 七
のやうな、「一二点」だけの「返り点」は、「読みにくい」。
(40)
⑪ (( )((( )(( )))( ))( )(( ))
といふ「括弧」は、実際に、「正しくない」ものの、何故、さうなのかが、見えにくい。
然るに、
(41)
⑪ (( )((( )(( )))( ))( )(( ))
ではなく、
⑪ 〈( ){[( )〔( )〕]( )}( )〔( )〕
であれば、
⑪ 右端の、                       〉
が「足りない」ことが、「一目瞭然」である。
従って、
(42)
⑫ (( )((( )(( )))( ))( )(( )))
のやうな、
⑫ ( )だけしか無い「括弧」は、
⑫ 〈( ){[( )〔( )〕]( )}( )〔( )〕〉
のような、
⑫ ( )〔 〕[ ]{ }〈 〉からなる「括弧」よりも、「読みにくい」。
平成29年12月15日、毛利太。