―「12月17日と、19日の記事」を、書き直し、「12月16日の記事(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_16.html)」の「捕捉」を書きます。―
(01)
① 揮快刀者=
① 揮揮二快刀一者=
① 揮(快刀)者=
① 3(12)4⇒
① (12)34=
① (快刀)揮者=
① (快刀を)揮ふ者=
① 快刀一を揮二ふ者。
に於ける「返り点」は、
① 二 一
である。
然るに、
(02)
①
二
一
といふ「返り点」は、
①
二
↑
一
といふ具合に、「上にだけ、返ってゐて、下には、戻らない」。
然るに、
(03)
① 有揮快刀者=快刀を揮ふ者。
に対して、
② 有
を加へて、
② 有揮快刀者=快刀を揮ふ者有り。
とするならば、その時に、「初めて」、
②「者」から「有」へ「返る」、「返り点(下 上)」が、「必要」となる。
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
② 有揮快刀者=
② 有下揮二快刀一者上=
② 有〔揮(快刀)者〕=
② 5〔3(12)4〕⇒
② 〔(12)34〕5=
② 〔(快刀)揮者〕有=
② 〔(快刀を)揮ふ者〕有り=
② 快刀一を揮二ふ者上有下り。
に於ける「返り点」は、
② 下 二 一 上
であって、尚且つ、
②
下
二
↑ ↑
一
上
といふ風に、「上にだけ、返る」ことになる。
(05)
③ 揮快刀断乱麻=
③ 揮二快刀一断二乱麻一=
③ 揮(快刀)断(乱麻)=
③ 3(12)6(45)⇒
③ (12)3(45)6=
③ (快刀)揮(乱麻)断=
③ (快刀を)揮って(乱麻を)断つ=
③ 快刀一を揮二って乱麻一を断二つ。
に於ける「返り点」は、
① 二 一 二 一
である。
然るに、
(06)
③
二
一
二
一
といふ「返り点」は、
③
二
↑
一
二
↑
一
といふ風に、「上にだけ、返ってゐて、下には、戻らない」。
然るに、
(07)
③ 如揮快刀断乱麻=快刀を揮って乱麻を断つ。
に対して、
④ 如
を加へて、
④ 如揮快刀断乱麻=快刀を揮って乱麻を断つが如し。
とするならば、その時に、「初めて」
④「断」から「如」へ返る」、「返り点(下 中 上)」が、「必要」となる。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
④ 如揮快刀断乱麻=
④ 如下揮二快刀一断中乱麻上=
④ 如〔揮(快刀)断(乱麻)〕=
④ 7〔3(12)6(45)〕⇒
④ 〔3(12)(45)6〕7=
④ 〔(快刀)揮(乱麻)断〕如=
④ 〔(快刀を)揮って(乱麻を)断つが〕如し=
④ 快刀一を揮二って乱麻上を断中つが如下し。
に於ける「返り点」は、
④ 下 二 一 中 上
であって、尚且つ、
④
下
二
↑ ↑
一
中
↑
上
といふ風に、「上にだけ、返ってゐて、下には、戻らない」。
(09)
⑤ 不常得以快刀断=
⑤ 不下常得中以二快刀一断上=
⑤ 不[常得〔以(快刀)断〕]=
⑤ 7[16〔4(23)5〕]⇒
⑤ [1〔(23)45〕6]7=
⑤ [常〔(快刀)以断〕得]不=
⑤ [常には〔(快刀を)以て断つを〕得]ず=
⑤ 常には快刀一を以二て断上つを得中不下
に於ける「返り点」は、
⑤ 下 中 二 一 上
である。
然るに、
(04)により、
(10)
② 下 二 一 上
であって、尚且つ、
②
下
二
↑ ↑
一
上
といふ風に、「上にだけ、返る」ものの、
②
下
二
↑ ↑
一
上
といふ「返り点」は、
②
中
二
↑ ↑
一
上
であっても、構はない。
然るに、
(11)
② 中 二 一 上
であって、尚且つ、
②
中
二
↑ ↑
一
上
といふ風に、「上にだけ、返る」のであれば、
⑤ 下 中 二 一 上
であって、尚且つ、
⑤
下
↑
中
二
↑ ↑
一
上
といふ風に、「上にだけ、返る」ことになる。
従って、
(01)~(11)により、
(12)
① 揮揮二快刀一者。
② 有下揮二快刀一者上。
③ 揮二快刀一断二乱麻一。
④ 如下揮二快刀一断中乱麻上。
⑤ 不下常得中以二快刀一断上。
に於ける、
① 二 一
② 下 二 一 上
③ 二 一 二 一
④ 下 二 一 中 上
⑤ 下 中 二 一 上
といふ「返り点」は、全て、「上にだけ、返って、下には、戻らない」。
然るに、
(13)
④ 下 二 一 中 上
⑤ 下 中 二 一 上
であれば、
④+⑤=
⑥ 下 二 一 中 二 一 上
であるため、
⑥ 下 二 一 中 二 一 上
の場合も、
⑥
下
二
↑ ↑
一
中
二
↑ ↑
一
上
といふ風に、「上にだけ、返って、下には、戻らない」。
然るに、
(14)
(Ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
(Ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
に於いて、
(Ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
が、表す「順番」は、
(Ⅴ)二一 中上 乙甲 地天
が、表す「順番」と、「同じ」である。
従って、
(14)により、
(15)
「返り点」が表す「順番」は、「レ点」を除いた、
(Ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
といふ、「返り点」が表す「順番」に等しい。
然るに、
(16)
(Ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
に於いて、
(Ⅰ)を挟んで返る場合には、
(Ⅱ)を用ゐ、
(Ⅱ)を挟んで返る場合には、
(Ⅲ)を用ゐ、
(Ⅲ)を挟んで返る場合には、
(Ⅳ)を用ゐる。
従って、
(16)により、
(17)
(Ⅰ)の、(Ⅱ)に対する「関係」は、
(Ⅱ)の、(Ⅲ)に対する「関係」に「等しく」、
(Ⅱ)の、(Ⅲ)に対する「関係」は、
(Ⅲ)の、(Ⅳ)に対する「関係」に「等しい」。
従って、
(12)(13)(17)により、
(18)
① 下 二 一 上
② 下 二 一 中 上
③ 下 中 二 一 上
といふ「返り点」は、「縦書き」であれば、「上にだけ返って、下には戻らない」。
④ 乙 下 上 甲
⑤ 丙 下 上 乙 甲
⑥ 下 中 二 一 上
といふ「返り点」は、「縦書き」であれば、「上にだけ返って、下には戻らない」。
⑦ 地 乙 甲 天
⑧ 人 乙 甲 地 天
⑨ 人 地 乙 甲 天
といふ「返り点」は、「縦書き」であれば、「上にだけ返って、下には戻らない」。
従って、
(15)(18)により、
(19)
(Ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
(Ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ「返り点のセット」は、「上にだけ返って、下には戻らない」。
然るに、
(20)
従って、
(20)により、
(21)
⑩ 只‐管要纏擾我=
⑩ 只‐管要下 纏二 擾上 我一=
⑩ 只‐管 要[纏(擾〔我)〕]=
⑩ 1‐2 下[二(上〔一)〕]=
⑩ 1‐2 6[4(5〔3)〕]⇒
⑩ 1‐2 [(〔3)4〕5]6=
⑩ 1‐2 [(〔一)二〕上]下=
⑩ 只‐管 [(〔我)纏〕擾]要=
⑩ ひたすら、我が、やっかいになる。
は、「漢文訓読」ではなく、「中国語(白話文)訓読」である。
然るに、
(22)
(3)上中下点(上・下、上・中・下)
レ点・一二点だけで示しきれない場合。必ず一二点をまたいで返る場合に用いる(数学の式における( )が一二点で、{ }が上中下点に相当するものと考えるとわかりやすい)。
(原田種成、私の漢文講義、1995年、43頁)
従って、
(22)により、
(23)
⑩ 只‐管要下 纏二 擾上 我一⇒
⑩ ひたすら、我が、やっかいになる。
といふ「中国語(白話文)訓読」に於ける、
⑩ 下 二 上 一
といふ「それ」は、
⑩ 下 二 一 上
ではないため、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
加へて、
(24)
⑩ 只‐管 要[纏(擾〔我)〕]
に於ける、
⑩ [ ( 〔 )〕]
といふ「それ」は、
⑩ [ 〔 ( )〕]
ではないため、「括弧」ではなく、「括弧・モドキ」である。
然るに、
(25)
② 下下二二一一上上
といふ「返り点」が付いてゐる「漢字」と、
⑩ 下下二二上上一一
といふ「返り点・モドキ」が付いてゐる「漢字」を、それぞれ、
② 下 二 一 上
⑩ 下 二 上 一
といふ風に、書くことにする。
(26)
② 下 二 一 上
⑩ 下 二 上 一
から、
② 上
⑩ 上
といふ「上」を除いた「それ」を、
② 下 二 一 囗
⑩ 下 二 囗 一
といふ風に、書くことにする。
従って、
(27)
② 有下読二書一者上。
⑩ 有下読二擾上我一。
であれば、
② 下 二 一 上
⑩ 下 二 上 一
であって、
② 有下読二書一者上。
⑩ 有下読二擾上我一。
であれば、
② 下 二 一 囗
⑩ 下 二 囗 一
である。
然るに、
(28)
「返り点」が付いてゐない「漢字α」が、「返り点」が付いてゐる「漢字β」の「前」に有る場合は、「漢字α」の方を、「漢字β」よりも、「先に読む」。
従って、
(26)(27)(28)により、
(29)
② 下 二 一 囗
であれば、
② 一 が「最初」であって、
② 二 が「二番」である。
然るに、
(28)(29)により、
(30)
⑩ 下 二 囗 一
であれば、
⑩ 囗 が「最初」であって、
⑩ 一 は「二番」である。
従って、
(29)(30)により、
(31)
⑩ 下 二 囗 一
に於いて、
⑩ 一 を「一番に、読む」ためには、
⑩ 下 二 囗 一 ではなく、
⑩ 下 二 上 一 でなければ、ならない。
然るに、
(32)
⑩ 下 二 囗 一 ではなく、
⑩ 下 二 上 一 でなければ、ならない。
といふのであれば、
⑩ 下 二 上 一 は、
⑩ 四 二 三 一 に、「等しい」。
従って、
(32)により、
(33)
⑩ 四 二 三 一
である所の、
⑩ 下 二 上 一
の場合は、
⑩
下
二 二 ↑
↑ ↓ ↑
↑ 上 上
一
といふ風に、「上に返って、下に戻り、上へ返ってゐる」。
然るに、
(04)により、
(34)
② 下 二 一 上
の場合は、
②
下
二
↑ ↑
一
上
といふ風に、「上にだけ、二回、返ってゐる」。
然るに、
(35)
(21)~(23)で、「確認」した通り、
⑩ 只‐管要下 纏二 擾上 我一⇒
⑩ ひたすら、我が、やっかいになる。
といふ「中国語(白話文)訓読」に於ける、
⑩ 下 二 上 一
といふ「それ」は、
⑩ 下 二 一 上
ではないため、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
従って、
(35)により、
(36)
⑩ 下 二 上 一
といふ「それ」が、「中国語(白話文)訓読」に、見られるからと言って、「上から、下へ、戻る、返り点」も有り得る。
といふことには、ならない。
従って、
(37)
「返り点」は、「下には、戻れない」。
平成29年12月20日、毛利太。
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