2017年12月22日金曜日

「下中上点」等が必要な「理由」。

― 一昨日昨日(12月20日)の記事(https://kannbunn.blogspot.com/2017/12/blog-post_20.html)の補足を、書きます。―
(01)
 ①
     三
 二
 ↑   ↑
 一
     二
   三
   ↑ ↑
   二
   ↑ ↑
     一
     一
であるならば、
① 三 二 一 二 三 二 一 一
である。
(02)
 ②
     下
 二
 ↑   ↑
 一
     中
   三
   ↑ ↑
   二
   ↑ ↑
     一
     上
であるならば、
② 下 二 一 中 三 二 一 上
である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 三 二 一 二 三 二 一 一
② 下 二 一 中 三 二 一 上
に於いて、「順番」としては、
①=② である。
然るに、
(04)
② 下 二 一 中 三 二 一 上
に対して、
① 三 二 一 二 三 二 一 一
の場合は、「ワケが、分からない」。
然るに、
(05)
(3)上中下点(上・下、上・中・下)
レ点・一二点だけで示しきれない場合。必ず一二点をまたいで返る場合に用いる(数学の式における( )が一二点で、{ }が上中下点に相当するものと考えるとわかりやすい)。
(原田種成、私の漢文講義、1995年、43頁)
従って、
(04)(05)により、
(06)
① 三 二 一 二 三 二 一 一
であれば、「ワケが、分からない」が故に、
 二 一  三 二 一 
のやうに、「一二点をまたいで返る場合」は、「上中下点」を用ゐる、ことになる。
(07)
 ③
           F
         D
 2         ↑
 ↑
 1       ↑
       A   ↑
   4
   ↑   ↑ ↑
   3       ↑
       9
     7   ↑
     ↑ ↑   ↑  
     6   ↑
     ↑ ↑
       5   ↑ ↑
       8
         C
         ↑ ↑
         B
           E
であるならば、「漢数字」では、
③ 十五 十三 二 一 十 四 三 九 七 六 五 八 十二 十一 十四
である。
然るに、
(08)
 ④
           地
         丙
 二         ↑
 ↑
 一       ↑
       下   ↑
   二
   ↑   ↑ ↑
   一       ↑
       中
     三   ↑
     ↑ ↑   ↑   
     二   ↑
     ↑ ↑
       一   ↑ ↑
       上
         乙
         ↑ ↑
         甲
           天
である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
③ 十五 十三 二 一 十 四 三 九 七 六 五 八 十二 十一 十四
④  地   丙  二 一 下 二 一 中 三 二 一 上  乙   甲   天
に於いて、「順番」としては、
③=④ である。
然るに、
(10)
「縦書き」であるとして、
④                 中
であれば、それだけで、
④                 中 の上に、必ず、
④                     下 が有るものの、
③                 九
であれば、それだけでは
③                 九 の上に、
③                     十 が有るのか、
③                 九 の下に、
③                      十 が有るのか、が、「分からない」。
従って、
(09)(10)により、
(11)
④  地   丙  二 一 下 二 一 中 三 二 一 上  乙   甲   天
の方が、
③ 十五 十三 二 一 十 四 三 九 七 六 五 八 十二 十一 十四
よりも、「分りやすい」。
従って、
(06)(11)により、
(12)
(Ⅰ)「一二点をまたいで返る場合」は、「上下点」を用ゐ、
(Ⅱ)「上下点をまたいで返る場合」は、「甲乙点」を用ゐ、
(Ⅲ)「甲乙点をまたいで返る場合」は、「天地点」を用ゐる。
のは、その方が、
「一二点」だけを用ゐるよりも、「分りやすい」からである。
然るに、
(13)
 ④
           地
         丙
 二         ↑
 ↑
 一       ↑
       下   ↑
   二
   ↑   ↑ ↑
   一       ↑
       中
     三   ↑
     ↑ ↑   ↑   
     二   ↑
     ↑ ↑
       一   ↑ ↑
       上
         乙
         ↑ ↑
         甲
           天
であるところの、
 ③
           F
         D
 2         ↑
 ↑
 1       ↑
       A   ↑
   4
   ↑   ↑ ↑
   3       ↑
       9
     7   ↑
     ↑ ↑   ↑  
     6   ↑
     ↑ ↑
       5   ↑ ↑
       8
         C
         ↑ ↑
         B
           E
を見れば、分るやうに、
③ F D 2 1 A 4 3 9 7 6 5 8 C B E。
といふ「順番」の中には、
③ M<N>M-1
といふ「順番」が、現はれない。
すなはち、
(14)
③ 15(13 2 1 10 4 3 9 7 6 5 8 12 11)14。
に於ける、
③   (                             )
の中に、15 よりも「大きい数」は無く、
③ 13(2 1 10 4 3 9 7 6 5 8)12
に於ける、
③     (                     )
の中に、13 よりも「大きい数」は無く、
③ 10(4 3)9
に於ける、
③   (   )
の中に、10 よりも「大きい数」は無く、
③ 9(7 6 5)8
の中に、  9 よりも「大きい数」は無い。
従って、
(14)により、
(15)
③ F D 2 1 A 4 3 9 7 6 5 8 C B E=
③ F《D〈2(1)A{4(3)9[7〔6(5)〕8]}C(B)〉E》。
に於いて、
③ F《 》⇒《 》F
③ D〈 〉⇒〈 〉D
③ 2( )⇒( )2
③ A{ }⇒{ }A
③ 4( )⇒( )4
③ 9[ ]⇒[ ]9
③ 7〔 〕⇒〔 〕7
③ 5( )⇒( )5
③ C( )⇒( )C
といふ「移動」を行ふと、
③ F《D〈2(1)A{4(3)9[7〔6(5)〕8]}C(B)〉E》⇒
③ 《〈(1)2{(3)4[〔(5)6〕78]9}A(B)C〉DE》F=
③ 1<2<3<4<5<6<7<8<9<A<B<C<D<E<F。
といふ「並び替へ(ソート)」が成立する。
然るに、
(16)
③ F《D〈2(1)A{4(3)9[7〔6(5)〕8]}C(B)〉E》。
③ 地《丙〈二(一)下{二(一)中[三〔二(一)〕上]}乙(甲)〉天》。
に対して、例へば、
④ R《1P〈25(34)6L{7A(89)J[BH〔CF(DE)G〕I]K}O(MN)〉Q》。
④ 地《囗丙〈囗二(囗一)囗下{囗二(囗一)中[囗三〔囗二(囗一)上〕囗]囗}乙(囗甲)〉天》。
であって、囗といふ「任意の漢字」には、「返り点」が付かない
然るに、
(17)
④ R 1 P 2 5 3 4 6 L 7 A 8 9 J B H C F D E G I K O M N Q。
を「十進数」に直すと、
④ 27 1 25 2 5 3 4 6 21 7 10 8 9 19 11 17 12 15 13 14 16 18 20 24 22 23 26。
である。
然るに、
(18)
④ 27 1 25 2 5 3 4 6 21 7 10 8 9 19 11 17 12 15 13 14 16 18 20 24 22 23 26。
といふ「順番」の中にも、
④ M<N>M-1
といふ「順番」が、現はれない
すなはち、
(19)
27 1 25 2 5 3 4 6 21 7 10 8 9 19 11 17 12 15 13 14 16 18 20 24 22 23 26。
に於ける、
④   (                                                     )
の中に、27 よりも「大きい数」は無く、
25(2 5 3 4 6 21 7 10 8 9 19 11 17 12 15 13 14 16 18 20)24
に於ける
④   (                                          )
の中に、25 よりも「大きい数」は無く、
(3)4
に於ける、
④  ( )
の中に、  よりも「大きい数」は無く、
21(7 10 8 9 19 11 17 12 15 13 14 16 18)20
に於ける、
④   (                                                          )
の中に、21 よりも「大きい数」は無く、
10(8)9
に於ける、
④    ( )
の中に、10 よりも「大きい数」は無く、
19(11 17 12 15 13 14 16)18
に於ける、
④    (                 )
の中に、19 よりも「大きい数」は無く、
17(12 15 13 14)16
に於ける、
④    (         )
の中に、17 よりも「大きい数」は無く、
15(13)14
に於ける、
④    (  )
の中に、15 よりも「大きい数」は無く、
24(22)23
に於ける、
④    (  )
の中に、24 よりも「大きい数」は無い。
従って、
(19)により、
(20)
④ R 1 P 2 5 3 4 6 L 7 A 8 9 J B H C F D E G I K O M N Q=
④ R《1P〈25(34)6L{7A(89)J[BH〔CF(DE)G〕I]K}O(MN)〉Q》。
に於いて、
④ R《 》⇒《 》R
④ P〈 〉⇒〈 〉P
④ 5( )⇒( )5
④ L{ }⇒{ }L
④ A( )⇒( )A
④ J[ ]⇒[ ]J
④ H〔 〕⇒〔 〕H
④ F( )⇒( )F
④ O( )⇒( )O
といふ「移動」を行ふと、確かに、
④ R《1P〈25(34)6L{7A(89)J[BH〔CF(DE)G〕I]K}O(MN)〉Q》⇒
④ 《1〈2(34)56{7(89)A[B〔C(DE)FG〕HI]JK}L(MN)O〉PQ》R=
④ 1<2<3<4<5<6<7<8<9<A<B<C<D<E<F<G<H<I<J<K<L<M<N<O<P<Q<R。
といふ「並び替へ(ソート)」が成立する。
従って、
(12)~(20)により、
(21)
③ M<N>M-1
といふ「順番」が、その中には、現はれない。が故に、
(Ⅰ)「一二点をまたいで返る場合」は、「上下点」を用ゐ、
(Ⅱ)「上下点をまたいで返る場合」は、「甲乙点」を用ゐ、
(Ⅲ)「甲乙点をまたいで返る場合」は、「天地点」を用ゐる。
といふ「ルール」によって、「返り点」を付けることが出来る「順番」は、例へば、
③ F D 2 1 A 4 3 9 7 6 5 8 C B E=
③ F《D〈2(1)A{4(3)9[7〔6(5)〕8]}C(B)〉E》。
に於いて、
③ F《 》⇒《 》F
③ D〈 〉⇒〈 〉D
③ 2( )⇒( )2
③ A{ }⇒{ }A
③ 4( )⇒( )4
③ 9[ ]⇒[ ]9
③ 7〔 〕⇒〔 〕7
③ 5( )⇒( )5
③ C( )⇒( )C
といふ「移動」を行ふことによって、
③ F《D〈2(1)A{4(3)9[7〔6(5)〕8]}C(B)〉E》⇒
③ 《〈(1)2{(3)4[〔(5)6〕78]9}A(B)C〉DE》F=
③ 1<2<3<4<5<6<7<8<9<A<B<C<D<E<F。
といふ「並び替へ(ソート)」が成立する。
然るに、
(22)
③ M<N>M-1
であれば、
③ M-1<M<N
である。
然るに、
(23)
③ M(N{M-1)}。
に於いて、
③ M( )⇒( )M
③ N{ }⇒{ }N
といふ「移動」を行ふと、
③ M(N{M-1)}⇒
③ ({M-1)M}N=
③   M-1<M<N。
である。
然るに、
(24)
③ M(N{M-1)}。
に於ける、
③ ({ )
といふ「それ」は、
③ {( )}
ではないが故に、
③ ({ )
は、「括弧」ではない
従って、
(21)~(24)により、
(25)
④ M<N>M-1
といふ「順番」が、その中には、現はれない。が故に、
(Ⅰ)「一二点をまたいで返る場合」は、「上下点」を用ゐ、
(Ⅱ)「上下点をまたいで返る場合」は、「甲乙点」を用ゐ、
(Ⅲ)「甲乙点をまたいで返る場合」は、「天地点」を用ゐる。
といふ「ルール」によって、「返り点」を付けることが出来る「順番」は、その時に限って、例へば、
④ R 1 P 2 5 3 4 6 L 7 A 8 9 J B H C F D E G I K O M N Q=
④ R《1P〈25(34)6L{7A(89)J[BH〔CF(DE)G〕I]K}O(MN)〉Q》。
に於いて、
④ R《 》⇒《 》R
④ P〈 〉⇒〈 〉P
④ 5( )⇒( )5
④ L{ }⇒{ }L
④ A( )⇒( )A
④ J[ ]⇒[ ]J
④ H〔 〕⇒〔 〕H
④ F( )⇒( )F
④ O( )⇒( )O
といふ「移動」を行ふと、
④ R《1P〈25(34)6L{7A(89)J[BH〔CF(DE)G〕I]K}O(MN)〉Q》⇒
④ 《1〈2(34)56{7(89)A[B〔C(DE)FG〕HI]JK}L(MN)O〉PQ》R=
④ 1<2<3<4<5<6<7<8<9<A<B<C<D<E<F<G<H<I<J<K<L<M<N<O<P<Q<R。
といふ「並び替へ(ソート)」が成立する。
然るに、
(26)
(1)レ点
下の一字から上の一字に返る場合に用いる。
(原田種成、私の漢文講義、1995年、41頁)
然るに、
(27)
③ F《D〈2(1)A{4(3)9[7〔6(5)〕8]}C(B)〉E》。
に於ける、
③ F D 2 1 A 4 3 9 7 6 5 8 C B E
といふ「それ」を、
③ 地 丙 二 一 下 二 一 中 三 二 一 上 乙 甲 天
といふ「返り点」が付いた、「15個の、一字の、漢字」である。とする。
従って、
(13)(26)(27)により、
(28)
 ③
           F
         D
 2         ↑
 ↑
 1       ↑
       A   ↑
   4
   ↑   ↑ ↑
   3       ↑
       9
     7   ↑
     ↑ ↑   ↑  
     6   ↑
     ↑ ↑
       5   ↑ ↑
       8
         C
         ↑ ↑
         B
           E
であるところの、
 ④
           地
         丙
 二         ↑
 ↑
 一       ↑
       下   ↑
   二
   ↑   ↑ ↑
   一       ↑
       中
     三   ↑
     ↑ ↑   ↑   
     二   ↑
     ↑ ↑
       一   ↑ ↑
       上
         乙
         ↑ ↑
         甲
           天
といふ「返り点」は、
③ 地 丙 二 一 下 二 一 中 三 二 一 上 乙 甲 天
ではなく、
③ 乙 下   三   二 レ レ  一 上 甲
でなければ、ならない。
然るに、
(29)
逆に言へば、
(1)レ点
下の一字から上の一字に返る場合に用いる。
といふ「ルール」が無ければ、
③ 乙 下 レ  三 レ  二 レ レ  一 上レ 甲
といふ「返り点」は、
③ 地 丙 二 一 下 二 一 中 三 二 一 上 乙 甲 天
でなければ、ならない。
然るに、
(30)
(Ⅳ)レ   一レ  上レ  甲レ  天レ
といふ「返り点」は、
(Ⅳ)二 一、二 一、中 上、乙 甲、地 天
といふ「返り点」に、「置き換へ」ることが、出来る。
従って、
(25)~(30)により、
(31)
例へば、
③ F D 2 1 A 4 3 9 7 6 5 8 C B E。
といふ「順番」に付く、
③ 乙 下 レ  三 レ  二 レ レ  一 上レ 甲
といふ「(レ点を含む)返り点」は、
③ 地 丙 二 一 下 二 一 中 三 二 一 上 乙 甲 天
といふ「(レ点を含まない)返り点」に「置き換へ」ることが出来、尚且つ、
③ 地 丙 二 一 下 二 一 中 三 二 一 上 乙 甲 天
といふ「返り点」は、
(Ⅰ)「一二点をまたいで返る場合」は、「上下点」を用ゐ、
(Ⅱ)「上下点をまたいで返る場合」は、「甲乙点」を用ゐ、
(Ⅲ)「甲乙点をまたいで返る場合」は、「天地点」を用ゐる。
といふ「ルール」を満たしてゐる。が故に、
③ M<N>M-1
といふ「順番」が、その中には、現はれず、そのため、例へば、
③ F D 2 1 A 4 3 9 7 6 5 8 C B E=
③ F《D〈2(1)A{4(3)9[7〔6(5)〕8]}C(B)〉E》。
に於いて、
③ F《 》⇒《 》F
③ D〈 〉⇒〈 〉D
③ 2( )⇒( )2
③ A{ }⇒{ }A
③ 4( )⇒( )4
③ 9[ ]⇒[ ]9
③ 7〔 〕⇒〔 〕7
③ 5( )⇒( )5
③ C( )⇒( )C
といふ「移動」を行ふと、
③ F《D〈2(1)A{4(3)9[7〔6(5)〕8]}C(B)〉E》⇒
③ 《〈(1)2{(3)4[〔(5)6〕78]9}A(B)C〉DE》F=
③ 1<2<3<4<5<6<7<8<9<A<B<C<D<E<F。
といふ「並び替へ(ソート)」が成立する。
従って、
(32)
(Ⅰ)「一二点をまたいで返る場合」は、「上下点」を用ゐ、
(Ⅱ)「上下点をまたいで返る場合」は、「甲乙点」を用ゐ、
(Ⅲ)「甲乙点をまたいで返る場合」は、「天地点」を用ゐる。
といふ「ルール」を満たす所の、
(α)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(β)上 中 下
(γ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(δ)天 地 人
といふ「返り点」を加へることが出来る「順番」であれば、その場合の「返り点」は、例へば、
③ 地《丙〈二(一)下{二(一)中[三〔二(一)〕上]}乙(甲)〉天》。
といふ「括弧」で、「置き換へ」ることが、出来る。
従って、
(31)(32)により、
(33)
(α)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(β)上 中 下
(γ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(δ)天 地 人
(ε)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ「返り点」で表すことが出来る「順番」は、その時に限って、「括弧」でも、表すことが、出来る。
然るに、
(34)
(α)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
で表すことが出来る「順番」は、「全ての順番」であると、思はれるかも、知れない。
然るに、
(13)(14)により、
(35)
既に、確認した通り、
③ 十五 十三 二 一 十 四 三 九 七 六 五 八 十二 十一 十四
の場合は、
③  地   丙  二 一 下 二 一 中 三 二 一 上  乙   甲   天
に「等しく」、尚且つ、
③ 十五 十三 二 一 十 四 三 九 七 六 五 八 十二 十一 十四
の中に、
③ M<N>M-1
といふ「順番」が、現はれない。
然るに、
(36)
③ 十五 十三 二 一 十 四 三 九 七 六 五 八 十二 十一 十四
③  地   丙  二 一 下 二 一 中 三 二 一 上  乙   甲   天
といふ「順番」を、例へば、
③ 十五 十三 二 一 十 十一 四 三 九 七 六 五 八 十二 十四
③  地   丙  二 一 下   二 一 中 三 二 一 上  乙   天
とするならば、
③                     十<十一    >九
③                     十< 甲     >九
であるため、
③                     M< N     >M-1
といふ「順番」を、含んでゐる。
然るに、
(37)
「返り点」とは、「縦書き」であれば、飽く迄も、「から上へ、返る点」であるため、
「返り点」とは、「横書き」であれば、飽く迄も、「から左へ、返る点」である。
従って、
(36)(37)により、
(38)
③                     十一    >九
③                     十< 甲     >九
③                     M< N     >M-1
であるならば、
③                     <十一
③                     十< 甲
③                     M< N
に於いて、
③          「から右へ、返ってゐる」し、更に、
③                                                      乙 ← 甲
ではなく、
③                            →  →  →  → 乙
に於いても、
③            「から右へ、返ってゐる」。
従って、
(37)(38)により、
(39)
③                     十<十一    >九
③                     十< 甲     >九
③                     M< N     >M-1
といふ「順番」を含むところの、
③ 十五 十三 二 一 十 十一 四 三 九 七 六 五 八 十二 十四
③  地   丙  二 一 下  甲  二 一 中 三 二 一 上  乙   天
といふ「それ」は、「返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
然るに、
(40)

従って、
(39)(40)により、
(41)
⑤ 只‐管要纏擾我。
⑥ 端的看不出這婆子的本字来。
といふ「中国語(白話文)訓読」に付くところの、
⑤ 下 二 上 一
⑤ 四 二<三>一
⑥ 二<五 三>一 四
といふ「それ」は、「(複雑な)返り点」ではなく、「返り点・モドキ」である。
然るに、
(42)

然るに、
(43)
⑦ 何不令人謂韓公叔曰秦之敢絶周而伐韓者、信東周也、公何不与周地発質使之楚、秦必疑楚、不信周、是韓不伐也、又謂秦曰、韓彊与周地、将以疑周於秦也、周不敢不受=
⑦ 何不〈令{人謂(韓公叔)曰[秦之敢絶(周)而伐(韓)者、信(東周)也、公何不〔与(周地)発(質使)之(楚)〕、秦必疑(楚)、不〔信(周)〕、是韓不(伐)也]、又謂(秦)曰、[韓彊与(周地)、将〔以疑(周於秦)〕也、周不〔敢不(受)〕]}〉⇒
⑦ 何〈{人(韓公叔)謂[秦之敢(周)絶而(韓)伐者、(東周)信也、公何〔(周地)与(質使)発(楚)之〕不、秦必(楚)疑、〔(周)信〕不、是韓(伐)不也]曰、又(秦)謂、[韓彊(周地)与、将〔以(周於秦)疑〕也、周〔敢(受)不〕不]曰}令〉不=
⑦ 何ぞ〈{人をして(韓の公叔に)謂ひて[秦之敢へて(周を)絶つ而(韓を)伐んとする者、(東周を)信ずれば也、公何ぞ〔(周に地を)与へ(質使を)発して(楚に)之かしめ〕不る、秦必ず(楚を)疑ひ、〔(周を)信ぜ〕不らん、是れ韓(伐たれ)不らん也と]曰ひ、又(秦に)謂ひて、[韓彊ひて(周に地を)与ふるは、将に〔以て(周を於秦に)疑はしめんとする〕也、周〔敢へて(受け)不んば〕不ずと]曰は}令め〉不る=
⑦ 何ぞ人をして韓の公叔に謂ひて「秦の敢へて周を絶つて韓を伐たんとするは、東周を信ずればなり、公何ぞ周に地を与へ、質使を発して楚に之かしめざる、秦必ず楚を疑ひ、周を信ぜざらん、是れ韓伐たれざらん」と曰ひ、又秦に謂ひて「韓彊ひて周に地を与ふるは、将に以て周を秦に疑はしめんとするなり、周敢へて受けずんばあらず」と曰は令めざる。
従って、
(42)(43)により、
(44)
「あまりの複雑さゆえに嫌気のさす人」もゐるで有らうところの、
⑦ 何不人謂韓公叔秦之敢絶周而伐韓者、信東周也、公何不周地質使上レ楚、秦必疑楚、不周、是韓不伐也、又謂秦曰、韓彊与周地、将以疑周於秦也、周不敢不受。
といふ「返り点」であっても、
従って、

(30)により、「レ点」を除いた、
⑦ 何不人謂韓公叔秦之敢絶而伐者、信東周也、公何不周地質使、秦必疑、不、是韓不也、又謂、韓彊与周地、将以疑周於秦也、周不敢不
といふ「返り点」であっても、
⑦ M<N>M-1
といふ「順番」を含んではゐないが故に、
⑦ 何不〈令{人謂(韓公叔)曰[秦之敢絶(周)而伐(韓)者、信(東周)也、公何不〔与(周地)発(質使)之(楚)〕、秦必疑(楚)、不〔信(周)〕、是韓不(伐)也]、又謂(秦)曰、[韓彊与(周地)、将〔以疑(周於秦)〕也、周不〔敢不(受)〕]}〉。
といふ「括弧」に、「置き換へ」ることが、出来る。
従って、
(44)により、
(45)
「あまりの複雑さゆえに嫌気のさす人」もゐるで有らうところの、「返り点」であっても、
⑦ ( )〔 〕[ ]{ }〈 〉
といふ、「五種類の、括弧」で、間に合ふことになる。
従って、
(31)(45)により、
(46)
「漢文訓読」よりも、「極めて、多くの括弧」を必要とする、「英文訓読」ならば、ともかく、
③ F D 2 1 A 4 3 9 7 6 5 8 C B E=
③ F《D〈2(1)A{4(3)9[7〔6(5)〕8]}C(B)〉E》。
のやうに、
③ ( )〔 〕[ ]{ }〈 〉《 》
といふ、「六種類の、括弧」を必要とする、「漢文訓読」は、おそらくは、無いし、極めて希な場合を除く、ほとんどの場合は、
⑦ ( )〔 〕[ ]{ }
といふ、「四種類の、括弧」で、間に合ふのが、実際である。
(47)
⑧ E 3 1 2 D C 6 4 5 8 7 B A 9。
の中に、
⑧ M<N>M-1
といふ「順番」は、無い。
従って、
(21)(47)により、
(48)
⑧ E 3 1 2 D C 6 4 5 8 7 B A 9。
に対する「括弧」は、
⑧ E〈3(12)D{C[6(45)8(7)B〔A(9)〕]}〉。
であって、
⑧ E〈3(12)D{C[6(45)8(7)B〔A(9)〕]}〉。
に対する「返り点」は、
⑧ 己 二  一 戊 丁 二  一 二 一 丙 乙 甲
である。
然るに、
(49)
(26)にも、書いた通り、「決まり」として、
下の一字から上の一字に返る場合は、「点」を用ゐなければ、ならない。
従って、
(49)により、
(50)
⑧ 己 二  一 戊  丁 二  一 二 一 丙  乙 甲
といふ「返り点」は、実際には、
⑨ 下 二  一 上 下 二  一    上 二 一
といふ風に、書くことになる。
然るに、
(51)
 二  一    二  一 二 一    
 二  一 上レ  二  一 レ   上レ  
であれば、
⑧ の方が、
⑨ よりも、はるかに、「読みやすい」。
従って、
(51)により、
(52)
⑨ 是以大学始教必使学者即凡天下之物莫不因其已知之理而益極之以求至乎其極(大学、伝五章)。
に付く、
⑨ 是以、大学始教、必使学者即凡天下之物、莫上レ其已知之理、益々極之、以求上レ乎其極
といふ「返り点」は、
⑧ 是以、大学始教、必使学者即凡天下之物、莫其已知之理、而益々極、以求乎其極

といふ「返り点」よりも、はるかに、「読みにくい」。
加へて、
(42)により、
(53)
(Ⅰ)一 二 三 四 五 ・ ・ ・ ・ ・
(Ⅱ)上 中 下
(Ⅲ)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
(Ⅳ)天 地 人
(Ⅴ)レ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ「返り点」の「順番」であれば、
(Ⅱ)上 中 下
といふ「三つ」では「不足」が生じ、更には、
(Ⅳ)天 地 人
といふ「三つ」であっても、「不足が生じ得る。 といふことが、「考慮」されてゐない。
従って、
(52)(53)により、
(54)
「返り点」といふ「システム」は、「昔(いにしへ)」からの、「成り行き」で出来てゐるのであって、「合理的」に出来てゐる。といふ風には、言へない。
平成29年12月22日、毛利太。

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