2023年11月29日水曜日

「排他的選言」の「3つの定義」。

(01)
「太郎かあるいは次郎が辞書を持っている」といわれるとき、
「太郎が辞書を持っている」と、
「次郎が辞書を持っている」の二つの命題は同時に真になることが可能である。
このような選言は「両立的選言」と呼ばれる。
「太郎は3階か5階にいる」と言われるとき、
「太郎は3階にいる」と
「太郎は5階にいる」の二つの命題が同時に真になることはありえない。
このような選言は「排他的選言」である。
「論理学」の「・・・あるいは・・・」は「両立的選言」に決めてある。
それは「論理学」の体系がよりシンプルなものになるからである。とりわけ、
「∨」を「両立的選言」に決めておけば、「排他的選言」の方は
「∨と&と~」によって簡単に表現できる―(P∨Q)&~(P&Q)―
(昭和堂、論理学の基礎、1994年、11頁)。
従って、
(02)
①(P∨Q)&~(P&Q)
といふ「論理式」、すなはち、「日本語」で言ふところの、
①(Pであるか、または、Qである)が、ただし、(PであってQである)といふことはない。
といふ「命題」は、「排他的選言」である。
然るに、
(03)
「(日本語の)直観的」からすれば、
①(Pであるか、または、Qである)が、(PであってQである)といふことはない。
②(Pでないならば、Qであって)、(Pであるならば、Qでない)。
③(PとQが、「同時に」になること、並びに、PとQが「同時に」になる)といふことはない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(03)により、
(04)
「論理式」で書くならば、
①  (P∨ Q)&~(P& Q)
② (~P→ Q)& (P→~Q)
③ ~(P⇔ Q)
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(05)
(ⅰ)
1       (1)  (P∨ Q)&~(P& Q) A
1       (2)   P∨ Q          1&E
 3      (3)  ~P&~Q          A
  4     (4)   P             A
 3      (5)  ~P             3&E
 34     (6)   P&~P          45&I
  4     (7)~(~P&~Q)         36RAA
   8    (8)      Q          A
 3      (9)     ~Q          3&E
 3 8    (ア)   Q&~Q          89&I
   8    (イ)~(~P&~Q)         3アRAA
1       (ウ)~(~P&~Q)         2478イ∨E
    エ   (エ)  ~P             A
     オ  (オ)     ~Q          A
    エオ  (カ)  ~P&~Q          エオ&I
1   エオ  (キ)~(~P&~Q)&(~P&~Q) ウカ&I
1   エ   (ク)    ~~Q          オキRAA
1   エ   (ケ)      Q          クDN
1       (コ)  ~P→ Q          エケCP
1       (サ)         ~(P& Q) A
      シ (シ)           P     A
       ス(ス)              Q  A
      シス(セ)           P& Q  シス&I
1     シス(ソ)  ~(P& Q)&(P& Q) サセ&I
1     シ (タ)             ~Q  スソRAA
1       (チ)           P→~Q  シタCP
1       (ツ)  (~P→ Q)&(P→~Q) コチ&I
(ⅱ)
1       (1)  (~P→ Q)&(P→~Q) A
1       (2)  (~P→ Q)        1&E
 3      (3) ~( P∨ Q)        A
  4     (4)    P            A
  4     (5)    P∨ Q         4∨I
 34     (6) ~( P∨ Q)&(P∨ Q) 35&I
 3      (7)   ~P            36RAA
   8    (8)       Q         A
   8    (9)    P∨ Q         8∨I
 3 8    (ア) ~( P∨ Q)&(P∨ Q) 39&I
 3      (イ)      ~Q         8アRAA
13      (ウ)       Q         27MPP
13      (エ)    ~Q&Q         イウ&I
1       (オ)~~( P∨ Q)        3エ
1       (カ)    P∨ Q         オDN
1       (キ)           P→~Q  1&E
    ク   (ク)           P& Q  A
    ク   (ケ)           P     ク&E
1   ク   (コ)             ~Q  キケMPP
    ク   (サ)              Q  ク&E
1   ク   (シ)           ~Q&Q  コサ&I
1       (ス)         ~(P& Q) クシRAA
1       (セ)  (P∨ Q)&~(P& Q) カス&I
従って、
(05)により、
(06)
①( P∨Q)&~(P& Q)
②(~P→Q)& (P→~Q)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(07)
(ⅱ)
1      (1) (~P→Q)&(P→~Q)  A
       (2)  ~P   ∨ P      排中律
1      (3)  ~P→Q          1&E
 4     (4)  ~P            A
14     (5)     Q          34MPP
14     (6)  ~P&Q          45&I
14     (7) (~P&Q)∨(P&~Q)  6∨I
1      (8)         P→~Q   1&E
  9    (9)         P      A
1 9    (ア)           ~Q   89MPP
1 9    (イ)         P&~Q   9ア&I
1 9    (ウ) (~P&Q)∨(P&~Q)  イ∨I
1      (エ) (~P&Q)∨(P&~Q)  2479ウ∨E
   オ   (オ)        (P&~Q)  A
    カ  (カ)         P→ Q   A
   オ   (キ)         P      オ&E
   オカ  (ク)            Q   カキMPP
   オ   (ケ)           ~Q   オ&E
   オカ  (コ)         Q&~Q   クケ&I
   オ   (サ)       ~(P→ Q)  カコRAA
   オ   (シ) ~(P→Q)∨~(Q→P)  サ∨I
     ス (ス) (~P&Q)         A
      セ(セ)   Q→P          A
     ス (ソ)   Q            ス&E
     スセ(タ)     P          セソMPP
     ス (チ)  ~P            ス&E
     スセ(ツ)  ~P&P          タチ&I
     ス (テ) ~(Q→P)         セツRAA
     ス (ト) ~(P→Q)∨~(Q→P)  テ∨I
1      (ナ) ~(P→Q)∨~(Q→P)  エオシスト∨E
1      (ニ)~{(P→Q)& (Q→P)} ナ、ド・モルガンの法則
1      (ヌ) ~(P⇔Q)         ニDf.⇔
(ⅲ)
1      (1)   ~(P⇔Q)           A
1      (2)  ~{(P→Q)&  (Q→P)}  1Df.⇔
1      (3)   ~(P→Q)∨ ~(Q→P)   2ド・モルガンの法則
 4     (4) ~{(~P→Q)& (P→~Q)}  A
 4     (5)  ~(~P→Q)∨~(P→~Q)   4ド・モルガンの法則
  6    (6)   ~(P→Q)           A
  6    (7)  ~(~P∨Q)           6含意の定義
  6    (8)    P&~Q            7ド・モルガンの法則
   9   (9)  ~(~P→Q)           A
   9   (ア)   ~(P∨Q)           9含意の定義
   9   (イ)   ~P&~Q            ア、ド・モルガンの法則
   9   (ウ)   ~P               イ&E
  6    (エ)    P               8&E
  69   (オ)   ~P&P             ウエ&I
   9   (カ) ~~(P→Q)            6オRAA
    キ  (キ)          ~(P→~Q)   A
    キ  (ク)         ~(~P∨~Q)   キ含意の定義
    キ  (ケ)            P& Q    ク、ド・モルガンの法則
    キ  (コ)               Q    ケ&E
  6    (サ)      ~Q            イ&E
  6 キ  (シ)      ~Q&Q          コサ&I
    キ  (ス) ~~(P→Q)            6シRAA
 4     (セ) ~~(P→Q)            59カキス∨E
 4     (ソ)    P→Q             セDN
     タ (タ)           ~(Q→P)   A
     タ (チ)          ~(~Q∨P)   タ含意の定義
     タ (ツ)            Q&~P    チ、ド・モルガンの法則
   9   (テ)      ~Q            イ&E
     タ (ト)            Q       ツ&E
   9 タ (ナ)      ~Q&Q          テト&I
   9   (ニ)          ~~(Q→P)   タナRAA
    キ  (ヌ)            P       ケ&E
     タ (ノ)              ~P    ツ&E
    キタ (ハ)            P&~P    ヌノ&I
    キ  (ヒ)          ~~(Q→P)   タハRAA
 4     (フ)          ~~(Q→P)   59ニキヒ∨E
 4     (ヘ)             Q→P    フDN
 4     (ホ)    (P→ Q)&(Q→ P)   ソヘ&I
14     (マ)  ~{(P→ Q)&(Q→ P)}&
             {(P→ Q)&(Q→ P)}  2ホ&I
1      (ミ) ~~{(~P→Q)&(P→~Q)}  4マRAA
1      (ム)    (~P→Q)&(P→~Q)   ミDN
従って、
(07)により、
(08)
② (~P→Q)&(P→~Q)
③ ~(P⇔Q)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(06)(08)により、
(09)
① ( P∨Q)&~(P& Q)
② (~P→Q)& (P→~Q)
③ ~(P⇔Q)
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(03)(04)(09)により、
(10)
果たして、
①(Pであるか、または、Qである)が、(PであってQである)といふことはない。
②(Pでないならば、Qであって)、(Pであるならば、Qでない)。
③(PとQが、「同時に」になること、並びに、PとQが「同時に」になる)といふことはない。
といふ「日本語」に於いて、
①=②=③ である。
令和5年11月29日、毛利太。

2023年11月27日月曜日

「排他的選言(クワインの定義)」について。

(01)
①   P∨Q
② ~(P⇔Q)
といふ「論理式」は、それぞれ、
① Pであるか、Qであるか、または、両方である。
②(PとQが、同時に真になることも、同時に偽になることも)無い。
といふ「意味」である。
然るに、
(02)
②(PとQが、同時に真になることも、同時に偽になることも)無い。
といふことは、
② Pであるか、Qであるが、ただし、両方ではない。
といふ「意味」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
①   P∨Q
② ~(P⇔Q)
といふ「論理式」は、それぞれ、
① Pであるか、Qであるか、または、両方である
② Pであるか、Qであるが、ただし、両方ではない
といふ「意味」であって、この場合、
① を、「両立的選言」と言ひ、
② を、「排他的選言」と言ふ。
然るに、
(04)
(ⅱ)
1  (1) ~(P⇔Q)         A
1  (2)~{(P→Q)& (Q→P)} 1Df.⇔
1  (3) ~(P→Q)∨~(Q→P)  2ド・モルガンの法則
 4 (4) ~(P→Q)         A
 4 (5)~(~P∨Q)         4含意の定義
 4 (6) (P&~Q)         5ド・モルガンの法則
 4 (7) (P&~Q)∨(Q&~P)  6∨I
  8(8)        ~(Q→P)  A
  8(9)       ~(~Q∨P)  8含意の定義
  8(ア)         Q&~P   9ド・モルガンの法則
  8(イ) (P&~Q)∨(Q&~P)  ア∨I
1  (ウ) (P&~Q)∨(Q&~P)  3478イ∨E
(ⅲ)
1  (1) (P&~Q)∨(Q&~P)  A
 2 (2) (P&~Q)         A
 2 (3)~(~P∨Q)         2ド・モルガンの法則
 2 (4) ~(P→Q)         3含意の定義
 2 (5) ~(P→Q)∨~(Q→P)  4∨I
  6(6)         Q&~P   A
  6(7)       ~(~Q∨P)  6ド・モルガンの法則
  6(8)        ~(Q→P)  7含意の定義
  6(9) ~(P→Q)∨~(Q→P)  8∨I
1  (ア) ~(P→Q)∨~(Q→P)  12569∨E
1  (イ)~{(P→Q)& (Q→P)} ア、ド・モルガンの法則
1  (ウ) ~(P⇔Q)         イDf.⇔
従って、
(04)により、
(05)
② ~(P⇔Q)
③  (P&~Q)∨(Q&~P)
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(06)
『岩波書店、クワイン 論理学の方法、1961年、11頁』を見ると、
③(P&~Q)∨(Q&~P)
④  P⇔~Q
に於いて、
③=④ である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
② ~(P⇔ Q)
④   P⇔~Q
に於いて、
②=④ である。
然るに、
(08)
(ⅱ)
1             (1) ~(P⇔ Q)          A
1             (2)~{(P→ Q)& ( Q→P)} 1Df.⇔
1             (3) ~(P→ Q)∨~( Q→P)  2ド・モルガンの法則
 4            (4) ~(P→ Q)          A
 4            (5) ~(~P∨Q)          4含意の定義
 4            (6)   P&~Q           5ド・モルガンの法則
 4            (7)  (P&~Q)∨ (Q&~P)  6∨I
  8           (8)         ~( Q→P)  A
  8           (9)         ~(~Q∨P)  8含意の定義
  8           (ア)          (Q&~P)  9ド・モルガンの法則
  8           (イ)  (P&~Q)∨ (Q&~P)  ア∨I
1             (ウ)  (P&~Q)∨ (Q&~P)  1478イ∨E
  エ          (エ) ~(P⇔~Q)          A
   エ          (オ)~{(P→~Q)& (~Q→P)} エDf.⇔
   エ          (カ) ~(P→~Q)∨~(~Q→P)  オ、ド・モルガンの法則
    キ         (キ) ~(P→~Q)          A
    キ         (ク)~(~P∨~Q)          キ含意の定義
    キ         (ケ)  (P& Q)          ク、ド・モルガンの法則
    キ         (コ)  (P& Q)∨(~Q&~P)  ケ∨I
     サ        (サ)         ~(~Q→P)  A
     サ        (シ)         ~(Q∨ P)  サ含意の定義
     サ        (ス)         (~Q&~P)  シ、ド・モルガンの法則
     サ        (セ)  (P& Q)∨(~Q&~P)  ス∨I
   エ          (ソ)  (P& Q)∨(~Q&~P)  エキコサセ∨E
      タ       (タ)  (P&~Q)          A
       チ      (チ)  (P& Q)          A
      タ       (ツ)     ~Q           タ&E
       チ      (テ)      Q           チ&E
      タチ      (ト)   ~Q&Q           ツテ&I
       チ      (ナ) ~(P&~Q)          タトRAA
        ニ     (ニ)         (~Q&~P)  A
      タ       (ヌ)   P              タ&E
        ニ     (ネ)             ~P   ニ&E
      タ ニ     (ノ)   P&~P           ヌネ&I
        ニ     (ハ) ~(P&~Q)          タノRAA
   エ          (ヒ) ~(P&~Q)          ソチナニハ∨E
         フ    (フ)          (Q&~P)  A
          ヘ   (ヘ)  (P& Q)          A
         フ    (ホ)             ~P   フ&E
          ヘ   (マ)   P              ヘ&E
         フヘ   (ミ)           P&~Q   ホマ&I
          ヘ   (ム)         ~(Q&~P)  フミRAA
           メ  (メ)         (~Q&~P)  A
         フ    (モ)           Q      フ&E
           メ  (ヤ)          ~Q      メ&E
         フ メ  (ユ)           Q&~Q   モヤ&I
           メ  (ヨ)         ~(Q&~P)  フユRAA
   エ          (ラ)         ~(Q&~P)  ソヘムメヨRAA
            リ (リ)  (P&~Q)          A
   エ        リ (ル) ~(P&~Q)& (P&~Q)  ヒリ&I
            リ (レ)~~(P⇔~Q)          エルRAA
             ロ(ロ)          (Q&~P)  A
   エ         ロ(ワ) ~(Q&~P)& (Q&~P)  ラロ&I
             ロ(ヲ)~~(P⇔~Q)          エワRAA
1             (ン)~~(P⇔~Q)          ウリレロヲ∨E
1             (あ)   P⇔~Q           ンDN
(ⅳ)
1   (1)  P⇔~Q         A
 2  (2)  P⇔ Q         A
1   (3) (P→~Q)&(~Q→P) 1Df.⇔
 2  (4) (P→ Q)&( Q→P) 2Df.⇔
1   (5)  P→~Q         3&E
 2  (6)  P→ Q         4&E
1   (7)         ~Q→P  3&E
 2  (8)          Q→P  4&E
    (9)  P∨~P         排中律
  ア (ア)  P            A
1 ア (イ)    ~Q         5アMPP
 2ア (ウ)     Q         6アMPP
12ア (エ)  Q&~Q         ウイ&I
1 ア (オ)~(P⇔ Q)        2エRAA
   カ(カ)    ~P         A
1  カ(キ)   ~~Q         7カMTT
 2 カ(ク)    ~Q         8カMTT
12 カ(ケ)   ~~Q&~Q      キク&I
1  カ(コ)~(P⇔ Q)        2ケRAA
1   (サ)~(P⇔ Q)        9アオカコ∨E
従って、
(08)により、
(09)
果たして、
② ~(P⇔ Q)
④   P⇔~Q
に於いて、
②=④ である。
従って、
(05)(09)により、
(10)
② ~(P⇔ Q)
③  (P&~Q)∨(Q&~P)
④   P⇔~Q
といふ「論理式」に於いて、
②=③=④ であって、これは3つとも、「排他的選言」である。
従って、
(10)により、
(11)
②(PとQが、同時に真になることも、同時に偽になることも)無い。
③(Pであって、Qでない)か、または(Qであって、Pでない)。
④(Pである)といふことは(Qでない)といふことに「等しい」。
といふ「論理式」に於いて、
②=③=④ であって、これは3つとも、「排他的選言」である。
然るに、
(12)
②(PとQが、同時に真になることも、同時に偽になることも)無い。
③(Pであって、Qでない)か、または(Qであって、Pでない)。
④(Pである)といふことは(Qでない)といふことに「等しい」。
に於いて、
②=③ であることは、「分かり易い」が、
②=④ であることは、「分かり難い」。
然るに、
(13)
④  P⇔~Q
⑤(P→~Q)&(~Q→P)
に於いて、
④=⑤ である。
従って、
(01)~(13)により、
(14)
④「排他的命題」としての、
④(Pである)といふことは(Qでない)といふことに「等しい」。
といふ「日本語」は、「分かり難い」が、「命題計算」の際には、
④「排他的命題」としての、
④ P⇔~Q
といふ「論理式」は、「極めて、便利である」。
令和5年11月27日、毛利太。

2023年11月19日日曜日

「恒真式(トートロジー)」と「実質含意のパラドックス」。

(01)
(ⅰ)
1(1)P   A
 (2)P→P 11CP
(ⅱ)
1 (1) ~(P∨~P)  A
 2(2)   P      A
 2(3)   P∨~P   2∨I
12(4) ~(P∨~P)&
       (P∨~P)  13&I
1 (5)  ~P      24RAA
1 (6)   P∨~P   5∨I
1 (7) ~(P∨~P)&
       (P∨~P)  16&I
  (8)~~(P∨~P)  17RAA
  (9)   P∨~P
(ⅲ)
1(1)  P&~P  A
 (2)~(P&~P) 11RAA
(ⅳ)
1(1)  P&~P    A
 (2)~(P&~P)   11RAA
 (3)~(P&~P)∨Q 2∨I
 (4) (P&~P)→Q 3含意の定義
従って、
(01)により、
(02)
①   P→ P
②   P∨~P
③ ~(P&~P)
④  (P&~P)→Q
といふ「論理式」、すなはち、
① Pならば、Pである(同一律)。
② Pであるか、または、Pでない(排中律)。
Pであって、Pでない、といふことはない(矛盾律)。
Pであって、Pでない、ならば、Qである。
といふ「論理式」は、4つとも「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(03)
④(P&~P)→Q
といふ「論理式」が「恒真式式(トートロジー)」である。
といふことは、
④『矛盾』が「真」であるならば、「任意の命題」は「真」である。
といふことを、「意味」してゐる。
然るに、
(04)
④『矛盾』が「真」であるならば、「任意の命題」は「真」である。
としても、
④『矛盾』は「偽」であって、「真」ではない
従って、
(04)により、
(05)
④『矛盾』が「真」であるならば、「任意の命題」は「真」である。
としても、
 (1)(P&~P)→Q
2(2)(P&~P)   A
2(3)       Q 12MPP
といふ「推論」は、『妥当』ではない
従って、
(05)により、
(06)
例へば、
③(2が数であって、2が数である)ならば、(徳島県は四国である)。
④(3が数であって、3が数である)ならば、(香川県は九州である)。
といふ「命題」は、2つとも、「恒真式(トートロジー)」であるが、
③(徳島県は四国である)といふ「命題」は「」であって、
④(香川県は九州である)といふ「命題」は「」である。
然るに、
(07)
③(2が数であって、2が数である)ならば、(徳島県は四国である)。
④(3が数であって、3が数である)ならば、(香川県は九州である)。
といふ「仮言命題」が「」であることは、『真理表truth-table)』からも、「確認」出来る。
(08)
といふよりも、
①「真」ならば「真」である(は真)。
②「真」ならば「」である(は)。
③「偽」ならば「真」である(は真)。
④「偽」ならば「偽」である(は真)。
といふ『真理表truth-table)』に於いて、
② だけが「」であるからこそ、
③(2が数であって、2が数である)ならば、(徳島県は四国である)。
④(3が数であって、3が数である)ならば、(香川県は九州である)。
といふ「仮言命題」は、「」になる。
といふ方が、「正しい」。
従って、
(09)
③(2が数であって、2が数である)ならば、(徳島県は四国である)。
④(3が数であって、3が数である)ならば、(香川県は九州である)。
といふ「仮言命題」は、「」である。
とするのであれば、『真理表truth-table)』そのものを、
①「真」ならば「真」である(は真)。
②「真」ならば「」である(は)。
③「偽」ならば「真」である(は)。
④「偽」ならば「偽」である(は)。
といふ風に、『書き換へ』る、「必要」がある。
然るに、
(09)により、
(10)
そうすると、その場合は、
① P&Q(Pであって、Qである)。
② P→Q(Pならば、 Qである)。
に於いて、
①=② であるが、
そのやうなことは、「有り得ない」。
令和5年11月20日、毛利太。

「ならば(実質含意のパラドックス)」は難しい。

(01)

論理1-4 「ならば」は難しい(東大医学部(理3)の解説動画)


従って、
(01)により、
(02)
①「真」ならば、「真」である。
②「真」ならば、「」である。
③「偽」ならば、「真」である。
④「偽」ならば、「偽」である。
といふ「仮言命題(PならばQである)」に於いて、
① は「真」であり、
② は「」であり、
③ は「真」であり、
④ は「真」である。
然るに、
(03)
矛盾』は「真」ではなく
矛盾』は「」である。
然るに、
(04)
任意の命題」は「真」であるか、または、
任意の命題」は「偽」である。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
①「真」ならば、「真」である。
②「真」ならば、「」である。
③「偽」ならば、「真」である。
④「偽」ならば、「偽」である。
といふ「仮言命題(PならばQである)」に於いて、
① は「真」であり、
② は「」であり、
③ は「真」であり、
④ は「真」である。
といふことは、
①『矛盾』が「真」であるならば、「任意の命題」は「真」である。
といふ「命題」は、「恒真式(トートロジー)」である。
といふことに、「他ならない」。
然るに、
(06)
①『矛盾』が「真」であるならば、「任意の命題」は「真」である。
といふ「命題」は、「恒真式(トートロジー)」である。
といふことは、
① ~P&P→Q
といふ「論理式」が、恒真式(トートロジー)」である。
といふことに、「他ならない」。
(07)
(ⅰ)
1     (1)   P∨ Q   A
 2    (2)  ~P&~Q   A
  3   (3)   P      A
 2    (4)  ~P      2&E
 23   (5)   P&~P   34&I
  3   (6)~(~P&~Q)  25RAA
   7  (7)      Q   A
 2    (8)     ~Q   2&E
 2 7  (9)   Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(~P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(~P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  ~P      A
     エ(エ)     ~Q   A
    ウエ(オ)  ~P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(~P&~Q)&
          (~P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)    ~~Q   エカRAA
1   ウ (ク)      Q   キDN
1     (ケ)  ~P→ Q   ウクC~P
(ⅱ)
1    (1)  ~P→ Q   A
 2   (2)  ~P&~Q   A
 2   (3)  ~P      2&E
12   (4)      Q   13MPP
 2   (5)     ~Q   2&E
12   (6)   Q&~Q   45&I
1    (7)~(~P&~Q)  26RAA
  8  (8) ~(P∨ Q)  A
   9 (9)   P      A
   9 (ア)   P∨ Q   9∨I
  89 (イ) ~(P∨ Q)&
          (P∨ Q)  8ア&I
  8  (ウ)  ~P      9イRAA
    エ(エ)      Q   A
    エ(オ)   P∨ Q   エ∨I
  8 エ(カ) ~(P∨ Q)&
          (P∨ Q)  8オ∨I
  8  (キ)     ~Q   エカRAA
  8  (ク)  ~P&~Q   オキ&I
1 8  (ケ)~(~P&~Q)&
         (~P&~Q)  7ク&I
1    (コ)~~(P∨ Q)  8ケRAA
1    (サ)   P∨ Q   コDN
従って、
(07)により、
(08)
①  P∨Q
② ~P→Q
に於いて、すなはち、
① Pであるか、または、Qである。
② Pでないならば、  Qである。
に於いて、
①=② である。
従って、
(08)により、
(09)
①  ~P∨Q
② ~~P→Q
に於いて、
①=② である。
従って、
(09)により、
(10)
「二重否定律(DN)」により、
① ~P∨Q
②  P→Q
に於いて、
①=② である(含意の定義)。
然るに、
(11)
1 (1)~P       A
1 (2)~P∨Q     1∨I
1 (3) P→Q     2含意の定義
  (4)~P→(P→Q) 13CP
 5(5)~P& P    A
 5(6)~P       5&E
 5(7)    P→Q  46MPP
 5(8)    P    5&E
 5(9)      Q  78MPP
  (ア) ~P&P→Q  59CP
従って、
(06)(11)により、
(12)
果たして、
①『矛盾』が「真」であるならば、「任意の命題」は「真」である。
といふ「命題」、すなはち、
~P&P→Q
といふ「論理式」は、恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(12)により、
(13)
例へば、
①(2が数であって、2が数である)ならば、(徳島県は四国である)。
②(3が数であって、3が数である)ならば、(新潟県は九州である)。
といふ「命題」は、両方とも、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(14)
②(3が数であって、3が数である)ならば、(新潟県は九州である)。
といふ「命題」が「真」であったとしても、
②(3が数であって、3が数である)。
といふ『矛盾』は「」であるため、
②(新潟県は九州である)。
といふことには、ならない
然るに、
(15)
①(2が数であって、2が数である)ならば、(徳島県は四国である)。
②(3が数であって、3が数である)ならば、(新潟県は九州である)。
といふ「命題」は、両方とも、「恒真式(トートロジー)」である。
といふことは、「常識的」には、『極めて、』である。
然るに、
(02)(11)(15)により、
(16)
①「真」ならば、「真」である。
②「真」ならば、「」である。
③「偽」ならば、「真」である。
④「偽」ならば、「偽」である。
といふ「仮言命題(PならばQである)」に於いて、
① は「真」であり、
② は「」であり、
③ は「真」であり、
④ は「真」である。
とする以上、
①『矛盾』が「真」であるならば、「任意の命題」は「真」である。
といふ「命題」、すなはち、
① ~P&P→Q
といふ「論理式」は、恒真式(トートロジー)」である。
といふことに、ならざるを得ないし、
① ~P&P→Q
といふ「論理式」が、恒真式(トートロジー)」である以上、例へば、
①(2が数であって、2が数である)ならば、(徳島県は四国である)。
②(3が数であって、3が数である)ならば、(新潟県は九州である)。
といふ「命題」は、両方とも、「恒真式(トートロジー)」である。
といふことに、ならざるを得ないし、このこと、他を、『実質含意のパラドックス』と言ふ。
令和5年11月19日、毛利太。

2023年11月18日土曜日

「実質含意のパラドックス」=「ならば」は難しい。

(01)
(ⅰ)
1     (1)   P∨ Q   A
 2    (2)  ~P&~Q   A
  3   (3)   P      A
 2    (4)  ~P      2&E
 23   (5)   P&~P   34&I
  3   (6)~(~P&~Q)  25RAA
   7  (7)      Q   A
 2    (8)     ~Q   2&E
 2 7  (9)   Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(~P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(~P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  ~P      A
     エ(エ)     ~Q   A
    ウエ(オ)  ~P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(~P&~Q)&
          (~P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)    ~~Q   エカRAA
1   ウ (ク)      Q   キDN
1     (ケ)  ~P→ Q   ウクC~P
(ⅱ)
1    (1)  ~P→ Q   A
 2   (2)  ~P&~Q   A
 2   (3)  ~P      2&E
12   (4)      Q   13MPP
 2   (5)     ~Q   2&E
12   (6)   Q&~Q   45&I
1    (7)~(~P&~Q)  26RAA
  8  (8) ~(P∨ Q)  A
   9 (9)   P      A
   9 (ア)   P∨ Q   9∨I
  89 (イ) ~(P∨ Q)&
          (P∨ Q)  8ア&I
  8  (ウ)  ~P      9イRAA
    エ(エ)      Q   A
    エ(オ)   P∨ Q   エ∨I
  8 エ(カ) ~(P∨ Q)&
          (P∨ Q)  8オ∨I
  8  (キ)     ~Q   エカRAA
  8  (ク)  ~P&~Q   オキ&I
1 8  (ケ)~(~P&~Q)&
         (~P&~Q)  7ク&I
1    (コ)~~(P∨ Q)  8ケRAA
1    (サ)   P∨ Q   コDN
従って、
(01)により、
(02)
①  P∨Q
② ~P→Q
に於いて、すなはち、
① Pであるか、または、Qである。
② Pでないならば、  Qである。
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
P=~P
といふ「代入(置き換へ)」により、
①  ~P∨Q
② ~~P→Q
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
~~P=P
といふ「二重否定律」により、
① ~P∨Q
②  P→Q
に於いて、
①=② である(含意の定義)。
然るに、
(05)
1(1)~P       A
1(2)~P∨Q     1∨I
1(3) P→Q     2含意の定義
 (4)~P→(P→Q) 13CP
従って、
(05)により、
(06)
③ ~P→(P→Q)
といふ「命題」、すなはち、
③ Pでないならば(Pであるならば、Qである)。
といふ「命題」は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(06)により、
(07)
P=(徳島県は四国である)。
Q=(バカボンのパパは天才である)。
として、
③(徳島県が四国でない)ならば(徳島県が四国であるならば、バカボンのパパは天才である)。
といふ「命題」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(08)
1 (1)~P       A
1 (2)~P∨Q     1∨I
1 (3) P→Q     2含意の定義
  (4)~P→(P→Q) 13CP
 5(5)~P& P    A
 5(6)~P       5&E
 5(7)    P→Q  46MPP
 5(8)    P    5&E
 5(9)      Q  78MPP
  (ア) ~P&P→Q  59CP
従って、
(08)により、
(09)
④ ~P&P→Q
といふ「命題」自体、すなはち、
④『矛盾』が「」であるならば、「任意の命題」は「」である。
といふ「命題」自体は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
④(徳島県が九州であって、徳島県が四国である)ならば(バカボンのパパは天才である)。
といふ「命題」自体は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(11)
④(徳島県が九州であって、徳島県が四国である)。
といふ『矛盾』は、「」である。
従って、
(10)(11)により、
(12)
④(徳島県が九州であって、徳島県が四国である)ならば(バカボンのパパは天才である)。
といふ「命題」自体は、「恒真式(トートロジー)」であるとしても、
④(徳島県が九州であって、徳島県が四国である)。
といふ『矛盾』は、「」であるため、
④ バカボンのパパは天才である。
といふ「命題」の「真偽」は、「不明」である。
従って、
(12)により、
(13)
P=(徳島県は九州であって、徳島県が四国である)。
Q=(バカボンのパパは天才である)。
として、
⑤ Pであるならば、Qである。
といふ「命題」自体は、「恒真式(トートロジー)」であるが、この場合は、
⑤ Qであるか、Qでないかは、「不明」である。
従って、
(13)により、
(14)
⑤ Pであるならば、Qである。
といふ「仮言命題」が「」であって、
⑤ Pである。
といふ「件」が「」である。
といふ「場合」は、
⑤ Qである。
といふ「件」は、「」であっても、「」であっても、「どちらでも、正しい」。
然るに、
(15)
⑤ P が「」であるならば、
⑤ Q の「真偽」に「拘はらず」、
⑤ Pであるならば、Qである。
といふ「仮言命題」が「真」になることを、「実質含意のパラドックス」と言ふものの、
「古典論理」では、「実質含意のパラドックス」があるため、「ならば(→)」は「難しい」。
cf.
令和5年11月18日、毛利太。

「ド・モルガンの法則」と「古典命題論理」に於ける「ならば」について。

(01) (a)
1     (1) ~P∨ Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3) ~P      A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5) ~P&P    34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA(15、ド・モルガンの法則
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   2&E
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   エカRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
(b)
1    (1)   P→ Q   A
 2   (2)   P&~Q   A
 2   (3)   P      2&E
12   (4)      Q   13MPP
 2   (5)     ~Q   2&E
12   (6)   Q&~Q   45&I
1    (7) ~(P&~Q)  26RAA
  8  (8) ~(~P∨Q)  A
   9 (9)   ~P     A
   9 (ア)   ~P∨Q   9∨I
  89 (イ) ~(~P∨Q)&
          (~P∨Q)  8ア&I
  8  (ウ)  ~~P     9イRAA
  8  (エ)    P     ウDN
    オ(オ)      Q   A
    オ(カ)   ~P∨Q   オ∨I(7カ、ド・モルガンの法則
  8 オ(キ) ~(~P∨Q)&
          (~P∨Q)  8∨I
  8  (ク)     ~Q   オキRAA
  8  (ケ)   P&~Q   エク&I
1 8  (コ) ~(P&~Q)&
          (P&~Q)  7ケ&I
1    (サ)~~(~P∨Q)  8コRAA
1    (シ)   ~P∨Q   サDN
従って、
(01)により、
(02)
①  ~P∨ Q
② ~(P&~Q)
③   P→ Q
に於いて、
①=② は、「ド・モルガンの法則」であって、
①=③ は、「含意の定義」である。
然るに、
(03)
①  ~P∨ Q
② ~(P&~Q)
③   P→ Q
といふ「論理式」は、
① ~PとQの、少なくとも、一方は「真」である。
②  Pであって、  Qでない、といふことは無い。
③  Pであるならば、Qである。
といふ「日本語」に「相当」する。
従って、
(02)(03)により、
(04)
① ~PとQの、少なくとも、一方は「真」である。
②  Pであって、  Qでない、といふことは無い。
③  Pであるならば、Qである。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(05)
① ~P=徳島は九州ではない。
とするならば、
①  P=徳島は九州である。
である。
従って、
(04)(05)により、
(06)
① ~PとQの、少なくとも、一方は「真」である。
②  Pであって、  Qでない、といふことは無い。
③  Pであるならば、Qである。
に於いて、
① ~P=徳島は九州ではない。
①  P=徳島は九州である。
①  Q=2は奇数である。
とするならば、
①(徳島は九州ではない)と (2は奇数である)といふ「命題」の、少なくとも、一方は「真」である。
②(徳島は九州であって)、 (2は奇数でない)、といふことは無い。
③(徳島が九州である)ならば(2は奇数である)。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(07)

従って、
(07)により、
(08)
言ふまでもなく、
①  P=徳島は九州である。
といふ「命題」は、「偽」であって、
① ~P=徳島は九州ではない。
といふ「命題」は、「真」である。
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
①(徳島は九州ではない)と (2は奇数である)といふ「命題」の、少なくとも、一方は「真」である。
②(徳島は九州であって)、 (2は奇数でない)、といふことは無い。
③(徳島が九州である)ならば(2は奇数である)。
に於いて、
①=②=③ であって、尚且つ、
① は「真」である。
従って、
(09)により、
(10)
①(徳島は九州ではない)と (2は奇数である)といふ「命題」の、少なくとも、一方は「真」である。
②(徳島は九州であって)、 (2は奇数でない)、といふことは無い。
③(徳島が九州である)ならば(2は奇数である)。
に於いて、
①=②=③ であって、尚且つ、
① は「真」であるが故に、
③(徳島が九州である)ならば(2は奇数である)。
といふ「命題」も、「真」である。
従って、
(10)により、
(11)
「換言」すると、
①(徳島は九州ではない)と (2は奇数である)といふ「命題」の、少なくとも、一方は「真」である。
③(徳島が九州である)ならば(2は奇数である)。
に於いて、
①=③ ではないとするならば、
③(徳島が九州である)ならば(2は奇数である)。
といふ「命題」が「真」である。
といふことには、ならない。
然るに、
(12)
③(徳島が九州である)ならば(2は奇数である)。
といふ「仮言命題」が「真」であるとしても、
③(徳島は九州である)。
といふ「命題(前件)」は、「偽」である。
従って、
(13)
③(徳島が九州である)ならば(2は奇数である)。
といふ「仮言命題」が「真」であるとしても、
③(徳島は九州である)。
といふ「命題(前件)」は、「偽」であるため、
③(2は奇数である)。
といふ「命題(後件)」が「真」であるとは、「限らない」。
令和5年11月18日、毛利太。

2023年11月13日月曜日

「象が象といふ動物である」の「述語論理」(Ⅱ)。

(01)
① 象は、動物である。
② 象は、象といふ動物である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(02)
③ 象以外に、象といふ動物がゐる
とするならば、
③ 象ではなくて、象である動物がゐる
といふことになり、『矛盾』する。
従って、
(02)により、
(03)
③ 象以外に、象といふ動物はゐない
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① 象は、動物である。
② 象は、象といふ動物である。
③ 象は、動物であり、象以外に、象といふ動物はゐない
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(05)
③ 象は、動物であり、象以外に、象といふ動物はゐない
④ 象は、動物であり、象は、象といふ動物に「等しい」。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(04)(05)により、
(06)
① 象は、動物である。
② 象は、象といふ動物である。
③ 象は、動物であり、象以外に、象といふ動物はゐない。
④ 象は、動物であり、象は、象といふ動物に「等しい」。
といふ「日本語」に於いて、
①=②=③=④ である。
従って、
(06)により、
(07)
「番号」を「付け直す」と、
① 象は、動物である。
② 象は、動物であり、象は、象といふ動物に「等しい」。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(08)
② 象は、動物であり、象は、象といふ動物に「等しい」。
といふことは、
② 象は、象といふ動物に「等しい」。
といふことに、「他ならない」。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① 象は、動物である。
② 象は、象といふ動物に「等しい」。
に於いて、
①=② である。
従って、
(09)により、
(10)
① 象は、動物である。
② 象は、象といふ動物に「等しい」。
といふ「日本語」は、
① すべてのxについて(xが象であるならば、xは動物である)。
② すべてのxについて(xが象であるならば、そのときに限って、xは象であって、xは動物である)。
といふ「意味」である。
従って、
(10)により、
(11)
① 象は、動物である。
② 象は、象といふ動物に「等しい」。
といふ「日本語」は、
① ∀x(象x→動物x)
② ∀x(象x⇔象x&動物x)
といふ「述語論理式」に、「等しい」。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
① 象は、動物である。
② 象は、象といふ動物に「等しい」。
に於いて、すなはち、
① ∀x(象x→動物x)
② ∀x(象x⇔象x&動物x)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(13)
(ⅰ)
1  (1)∀x(象x→動物x)    A
1  (2)   象a→動物a     1UE
 3 (3)   象a         A
13 (4)      動物b     23MPP
13 (5)   象a&動物b     34&I
1  (6)   象a→象a&動物a  35CP
  7(7)   象a&動物a     A
  7(8)   象a         7&E
   (9)   象a&動物a→象a  78CP
1  (ア)   象a→象a&動物a&
         象a&動物a→象a  69&I
1  (イ)   象a⇔象a&動物a  アDf.⇔
1  (ウ)∀x(象x⇔象x&動物x) イUI
(ⅱ)
1  (1)∀x(象x⇔象x&動物x) A
1  (2)   象a⇔象a&動物a  1UE
1  (3)   象a→象a&動物a&
         象a&動物a→象a  2Df.⇔
1  (4)   象a→象a&動物a  3&E
 5 (5)   象a         A
15 (6)      象a&動物a  45MPP
15 (7)         動物a  6&E
1  (8)   象a→動物a     57CP
1  (9)∀x(象x→動物x)    8UI
従って、
(12)(13)により、
(14)
果たして、
① ∀x(象x→動物x)
② ∀x(象x⇔象x&動物x)
に於いても、
①=② である。
然るに、
(15)
① ∀x(象x→動物x)
② ∀x(象x⇔象x&動物x)
といふ「述語論理式」は、
① 象⊂動物
② 象=象∩動物
といふ「集合の式」に「等しい」。
従って、
(12)~(15)により、
(16)
① 象は、動物である。
② 象は、象といふ動物に「等しい」。
③ ∀x(象x→動物x)
④ ∀x(象x⇔象x&動物x)
⑤ 象⊂動物
⑥ 象=象∩動物
に於いて、
①=②=③=④=⑤=⑥ である。
令和5年11月13日、毛利太。

2023年11月12日日曜日

「象が象といふ動物である」の「述語論理」。

(01)
「集合の記号」で書くと、
① 象⊂動物
② 象=象∩動物
に於いて、
①=② である。
然るに、
(02)
(ⅲ)
1  (1)∀x(象x→動物x)    A
1  (2)   象a→動物a     1UE
 3 (3)   象a         A
13 (4)      動物b     23MPP
13 (5)   象a&動物b     34&I
1  (6)   象a→象a&動物a  35CP
  7(7)   象a&動物a     A
  7(8)   象a         7&E
   (9)   象a&動物a→象a  78CP
1  (ア)   象a→象a&動物a&
         象a&動物a→象a  69&I
1  (イ)   象a⇔象a&動物a  アDf.⇔
1  (ウ)∀x(象x⇔象x&動物x) イUI
(ⅳ)
1  (1)∀x(象x⇔象x&動物x) A
1  (2)   象a⇔象a&動物a  1UE
1  (3)   象a→象a&動物a&
         象a&動物a→象a  2Df.⇔
1  (4)   象a→象a&動物a  3&E
 5 (5)   象a         A
15 (6)      象a&動物a  45MPP
15 (7)         動物a  6&E
1  (8)   象a→動物a     57CP
1  (9)∀x(象x→動物x)    8UI
従って、
(02)により、
(03)
③ ∀x(象x→動物x)
④ ∀x(象x⇔象x&動物x)
に於いて、すなはち、
③ すべてのxについて(xが象であるならば、xは動物である)。
④ すべてのxについて(xが象であるならば、そのときに限って、xは象であって、xは動物である)。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(03)により、
(04)
③ 象は、動物である。
④ 象は、象といふ動物であって、象以外は、象といふ動物ではない
に於いて、
③=④ である。
従って、
(04)により、
(05)
⑤ 象は、動物である。
⑥ 象、象といふ動物である。
に於いて、
⑤=⑥ である。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① 象⊂動物
② 象=象∩動物
③ ∀x(象x→動物x)
④ ∀x(象x⇔象x&動物x)
⑤ 象は、動物である。
⑥ 象、象といふ動物である。
に於いて、
①=②=③=④=⑤=⑥ である。
令和5年11月12日、毛利太。

2023年11月11日土曜日

「述語論理」と「集合」。

 ―「午前中の記事」を書き直します。―
(01)
(ⅰ)
1    (1)   ∀x(Fx→Gx)  A
 2   (2)   ∀x(Fx∨Gx)  A
1    (3)      Fa→Ga   1UE
 2   (4)      Fa∨Ga   2UE
  5  (5)      Fa      A
1 5  (6)         Ga   35MPP
   7 (7)         Ga   A
12   (8)         Ga   45677∨E
1    (9)   Fa∨Ga→Ga   48CP
    ア(ア)      Ga      A
    ア(イ)   Fa∨Ga      ア∨I
     (ウ)   Ga→Fa∨Ga   アイCP
1    (エ)  (Fa∨Ga→Ga)&
          (Ga→Fa∨Ga)  9ウ&I
1    (オ)   Fa∨Ga⇔Ga   エDf.⇔
1    (カ)∀x(Fx∨Gx⇔Gx)  オUI
  (ⅱ)
1   (1)∀x(Fx∨Gx⇔Gx)  A
1   (2)   Fa∨Ga⇔Ga   1UE
1   (3)  (Fa∨Ga→Ga)&
         (Ga→Fa∨Ga)  2Df.⇔
1   (4)   Fa∨Ga→Ga   3&E
 5  (5)   Fa         A
 5  (6)   Fa∨Ga      5∨I
15  (7)         Ga   46MPP
1   (8)      Fa→Ga   57CP
1   (9)   ∀x(Fx→Gx)  8UI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x(Fx→Gx)
② ∀x(Fx∨Gx⇔Gx)
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて(xがFであるならば、xはGである)。
② すべてのxについて(xがFであるか、または、xがGであるならば、そのときに限って、xはGである)。
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
F=xは一桁の、偶数である。
G=xは一桁の自然数である。
として、
①「xが一桁の偶数」ならば、 「xは一桁の自然数」である。
②「xが一桁の偶数」か、または「xが一桁の自然数」ならば、そのときに限って、「xは一桁の自然数」である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
① x∈{2,4,6,8}ならば、 x∈{1,2,3,4,5,6,7,8,9}である。
② x∈{2,4,6,8}か、またはx∈{1,2,3,4,5,6,7,8,9}ならば、そのときに限って、x∈{1,2,3,4,5,6,7,8,9}である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)により、
(05)
「ならば」=「⊂」
「または」=「∪」
であるとして、
①{2,4,6,8}⊂{1,2,3,4,5,6,7,8,9}
②{2,4,6,8}∪{1,2,3,4,5,6,7,8,9}={1,2,3,4,5,6,7,8,9}である。
に於いて、
①=② である。
従って、
(05)により、
(06)
Aが「集合」であって、
Bも「集合」であるとして、
① A⊂B
② A∪B=B
に於いて、
①=② である。
従って、
(06)により、
(07)
①「AがBの部分集合」であるならば、そのときに限って、
②「AとBの和集合」は、「Bそのもの」である。
従って、
(07)により、
(08)
①「偶数が、自然数の部分集合」であるならば、そのときに限って、
②「偶数と、自然数の和集合」は、「自然数そのもの」である。
従って、
(08)により、
(09)
「自然数」に、「偶数」を加へても、
「自然数の個数(濃度)」は「不変」である。
令和5年11月11日、毛利太。

2023年11月1日水曜日

「空集合」は「任意の集合の部分集合」である?

(01)
(ⅰ)
1    (1)    P→ Q   A
 2   (2)    P&~Q   A
 2   (3)    P      2&E
12   (4)       Q   13MPP
 2   (5)      ~Q   2&E
12   (6)    Q&~Q   45&I
1    (7)  ~(P&~Q)  26RAA
  8  (8) ~(~P∨ Q)  A
   9 (9)   ~P      A
   9 (ア)   ~P∨ Q   9∨I
  89 (イ) ~(~P∨ Q)&
          (~P∨ Q)  8ア&I
  8  (ウ)  ~~P      9イRAA
  8  (エ)    P      ウDN
    オ(オ)       Q   A
    オ(カ)   ~P∨ Q   オ∨I
  8 オ(キ) ~(~P∨ Q)&
          (~P∨ Q)  8カ&I
  8  (ク)      ~Q   オキRAA
  8  (ケ)    P&~Q   エク&I
1 8  (コ)  ~(P&~Q)&
           (P&~Q)  7ケ&I
1    (サ)~~(~P∨ Q)  8コRAA
1    (シ)   ~P∨ Q   サDN
(ⅱ)
1     (1) ~P∨ Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3) ~P      A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5) ~P&P    34&I
  3   (6 ~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   2&E
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   エカRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
従って、
(01)により、
(02)
①  P→Q
② ~P∨Q
に於いて、
①=② である(含意の定義)。
従って、
(02)により、
(03)
①  P→Q
② ~P∨Q
に於いて、
P=x∈Φ
Q=x∈B
であるとして、
①  x∈Φ→x∈B
② ~x∈Φ∨x∈B
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
①  x∈Φ→x∈B
② ~x∈Φ∨x∈B
に於いて、すなはち、
① xが空集合Φの要素であるならば、xは任意の集合Bの要素である。
② xは空集合Φの要素ではないか、または、xは任意の集合Bの要素であるかの、いづれかである。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(05)
② 空集合Φは、「要素の個数がゼロである集合」であるため、
② xは、空集合Φの要素ではない
といふ「命題」は、「真」である。
従って、
(05)により、
(06)
② xは、空集合Φの要素ではない
といふ「命題」が、「真」であるため、
② xは、空集合Φの要素ではないか、または、xは任意の集合Bの要素であるかの、いづれかである。
といふ「命題」も、「真」である。
従って、
(04)(06)により、
(07)
①  x∈Φ→x∈B
② ~x∈Φ∨x∈B
に於いて、すなはち、
① xが空集合の要素であるならば、xは任意の集合Bの要素である。
② xは、空集合Φの要素ではないか、または、xは任意の集合Bの要素であるかの、いづれかである。
に於いて、
①=② であって、
② が「真」であるため、
① も「真」である。
然るに、
(08)
(ウィキペディア)
従って、
(08)により、
(09)
① x∈A→x∈B
であるならば、すなわち、
① xが集合Aの要素であるならば、xは集合Bの要素である。
であるならば、そのときに限って、
① 集合Aは、集合Bの「部分集合」である。
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
① x∈Φ→x∈B
であるならば、すなわち、
① xが空集合Φの要素であるならば、xは集合Bの要素である。
であるならば、そのときに限って、
① 空集合Φは、集合Bの「部分集合」である。
従って、
(06)(10)により、
(11)
① いかなるxであっても、空集合Φの要素ではない
といふ「命題」が「真」であるが故に、
① 空集合Φは、任意の集合Bの、「部分集合」である。
といふ「命題」も「真」である。
といふ、「分けのわからない(?)」ことになる。
従って、
(01)~(11)により、
(12)
「結局」は、『含意の定義』により、
①  x∈Φ→x∈B
② ~x∈Φ∨x∈B
に於いて、
①=② であって、尚且つ、
②  x∈Φ
といふ「命題」が「」であるため、その「否定」である、
② ~x∈Φ
といふ「命題」が「」であって、尚且つ、
① x∈A→x∈B ⇔ A⊆B
といふ『定義』が有るため、
① 空集合Φは、任意の集合Bの、「部分集合」である。
といふことになる。
令和5年11月1日、毛利太。