2023年11月27日月曜日

「排他的選言(クワインの定義)」について。

(01)
①   P∨Q
② ~(P⇔Q)
といふ「論理式」は、それぞれ、
① Pであるか、Qであるか、または、両方である。
②(PとQが、同時に真になることも、同時に偽になることも)無い。
といふ「意味」である。
然るに、
(02)
②(PとQが、同時に真になることも、同時に偽になることも)無い。
といふことは、
② Pであるか、Qであるが、ただし、両方ではない。
といふ「意味」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
①   P∨Q
② ~(P⇔Q)
といふ「論理式」は、それぞれ、
① Pであるか、Qであるか、または、両方である
② Pであるか、Qであるが、ただし、両方ではない
といふ「意味」であって、この場合、
① を、「両立的選言」と言ひ、
② を、「排他的選言」と言ふ。
然るに、
(04)
(ⅱ)
1  (1) ~(P⇔Q)         A
1  (2)~{(P→Q)& (Q→P)} 1Df.⇔
1  (3) ~(P→Q)∨~(Q→P)  2ド・モルガンの法則
 4 (4) ~(P→Q)         A
 4 (5)~(~P∨Q)         4含意の定義
 4 (6) (P&~Q)         5ド・モルガンの法則
 4 (7) (P&~Q)∨(Q&~P)  6∨I
  8(8)        ~(Q→P)  A
  8(9)       ~(~Q∨P)  8含意の定義
  8(ア)         Q&~P   9ド・モルガンの法則
  8(イ) (P&~Q)∨(Q&~P)  ア∨I
1  (ウ) (P&~Q)∨(Q&~P)  3478イ∨E
(ⅲ)
1  (1) (P&~Q)∨(Q&~P)  A
 2 (2) (P&~Q)         A
 2 (3)~(~P∨Q)         2ド・モルガンの法則
 2 (4) ~(P→Q)         3含意の定義
 2 (5) ~(P→Q)∨~(Q→P)  4∨I
  6(6)         Q&~P   A
  6(7)       ~(~Q∨P)  6ド・モルガンの法則
  6(8)        ~(Q→P)  7含意の定義
  6(9) ~(P→Q)∨~(Q→P)  8∨I
1  (ア) ~(P→Q)∨~(Q→P)  12569∨E
1  (イ)~{(P→Q)& (Q→P)} ア、ド・モルガンの法則
1  (ウ) ~(P⇔Q)         イDf.⇔
従って、
(04)により、
(05)
② ~(P⇔Q)
③  (P&~Q)∨(Q&~P)
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(06)
『岩波書店、クワイン 論理学の方法、1961年、11頁』を見ると、
③(P&~Q)∨(Q&~P)
④  P⇔~Q
に於いて、
③=④ である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
② ~(P⇔ Q)
④   P⇔~Q
に於いて、
②=④ である。
然るに、
(08)
(ⅱ)
1             (1) ~(P⇔ Q)          A
1             (2)~{(P→ Q)& ( Q→P)} 1Df.⇔
1             (3) ~(P→ Q)∨~( Q→P)  2ド・モルガンの法則
 4            (4) ~(P→ Q)          A
 4            (5) ~(~P∨Q)          4含意の定義
 4            (6)   P&~Q           5ド・モルガンの法則
 4            (7)  (P&~Q)∨ (Q&~P)  6∨I
  8           (8)         ~( Q→P)  A
  8           (9)         ~(~Q∨P)  8含意の定義
  8           (ア)          (Q&~P)  9ド・モルガンの法則
  8           (イ)  (P&~Q)∨ (Q&~P)  ア∨I
1             (ウ)  (P&~Q)∨ (Q&~P)  1478イ∨E
  エ          (エ) ~(P⇔~Q)          A
   エ          (オ)~{(P→~Q)& (~Q→P)} エDf.⇔
   エ          (カ) ~(P→~Q)∨~(~Q→P)  オ、ド・モルガンの法則
    キ         (キ) ~(P→~Q)          A
    キ         (ク)~(~P∨~Q)          キ含意の定義
    キ         (ケ)  (P& Q)          ク、ド・モルガンの法則
    キ         (コ)  (P& Q)∨(~Q&~P)  ケ∨I
     サ        (サ)         ~(~Q→P)  A
     サ        (シ)         ~(Q∨ P)  サ含意の定義
     サ        (ス)         (~Q&~P)  シ、ド・モルガンの法則
     サ        (セ)  (P& Q)∨(~Q&~P)  ス∨I
   エ          (ソ)  (P& Q)∨(~Q&~P)  エキコサセ∨E
      タ       (タ)  (P&~Q)          A
       チ      (チ)  (P& Q)          A
      タ       (ツ)     ~Q           タ&E
       チ      (テ)      Q           チ&E
      タチ      (ト)   ~Q&Q           ツテ&I
       チ      (ナ) ~(P&~Q)          タトRAA
        ニ     (ニ)         (~Q&~P)  A
      タ       (ヌ)   P              タ&E
        ニ     (ネ)             ~P   ニ&E
      タ ニ     (ノ)   P&~P           ヌネ&I
        ニ     (ハ) ~(P&~Q)          タノRAA
   エ          (ヒ) ~(P&~Q)          ソチナニハ∨E
         フ    (フ)          (Q&~P)  A
          ヘ   (ヘ)  (P& Q)          A
         フ    (ホ)             ~P   フ&E
          ヘ   (マ)   P              ヘ&E
         フヘ   (ミ)           P&~Q   ホマ&I
          ヘ   (ム)         ~(Q&~P)  フミRAA
           メ  (メ)         (~Q&~P)  A
         フ    (モ)           Q      フ&E
           メ  (ヤ)          ~Q      メ&E
         フ メ  (ユ)           Q&~Q   モヤ&I
           メ  (ヨ)         ~(Q&~P)  フユRAA
   エ          (ラ)         ~(Q&~P)  ソヘムメヨRAA
            リ (リ)  (P&~Q)          A
   エ        リ (ル) ~(P&~Q)& (P&~Q)  ヒリ&I
            リ (レ)~~(P⇔~Q)          エルRAA
             ロ(ロ)          (Q&~P)  A
   エ         ロ(ワ) ~(Q&~P)& (Q&~P)  ラロ&I
             ロ(ヲ)~~(P⇔~Q)          エワRAA
1             (ン)~~(P⇔~Q)          ウリレロヲ∨E
1             (あ)   P⇔~Q           ンDN
(ⅳ)
1   (1)  P⇔~Q         A
 2  (2)  P⇔ Q         A
1   (3) (P→~Q)&(~Q→P) 1Df.⇔
 2  (4) (P→ Q)&( Q→P) 2Df.⇔
1   (5)  P→~Q         3&E
 2  (6)  P→ Q         4&E
1   (7)         ~Q→P  3&E
 2  (8)          Q→P  4&E
    (9)  P∨~P         排中律
  ア (ア)  P            A
1 ア (イ)    ~Q         5アMPP
 2ア (ウ)     Q         6アMPP
12ア (エ)  Q&~Q         ウイ&I
1 ア (オ)~(P⇔ Q)        2エRAA
   カ(カ)    ~P         A
1  カ(キ)   ~~Q         7カMTT
 2 カ(ク)    ~Q         8カMTT
12 カ(ケ)   ~~Q&~Q      キク&I
1  カ(コ)~(P⇔ Q)        2ケRAA
1   (サ)~(P⇔ Q)        9アオカコ∨E
従って、
(08)により、
(09)
果たして、
② ~(P⇔ Q)
④   P⇔~Q
に於いて、
②=④ である。
従って、
(05)(09)により、
(10)
② ~(P⇔ Q)
③  (P&~Q)∨(Q&~P)
④   P⇔~Q
といふ「論理式」に於いて、
②=③=④ であって、これは3つとも、「排他的選言」である。
従って、
(10)により、
(11)
②(PとQが、同時に真になることも、同時に偽になることも)無い。
③(Pであって、Qでない)か、または(Qであって、Pでない)。
④(Pである)といふことは(Qでない)といふことに「等しい」。
といふ「論理式」に於いて、
②=③=④ であって、これは3つとも、「排他的選言」である。
然るに、
(12)
②(PとQが、同時に真になることも、同時に偽になることも)無い。
③(Pであって、Qでない)か、または(Qであって、Pでない)。
④(Pである)といふことは(Qでない)といふことに「等しい」。
に於いて、
②=③ であることは、「分かり易い」が、
②=④ であることは、「分かり難い」。
然るに、
(13)
④  P⇔~Q
⑤(P→~Q)&(~Q→P)
に於いて、
④=⑤ である。
従って、
(01)~(13)により、
(14)
④「排他的命題」としての、
④(Pである)といふことは(Qでない)といふことに「等しい」。
といふ「日本語」は、「分かり難い」が、「命題計算」の際には、
④「排他的命題」としての、
④ P⇔~Q
といふ「論理式」は、「極めて、便利である」。
令和5年11月27日、毛利太。

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