2021年12月19日日曜日

― ブログ中断中の、中間報告 ―

(01)
「弁護士」に提出する「レポート」を書いてゐるため、もうしばらく、ブログの更新を休みます。
cf.

   ― 先程、次のようなメールを、知人にお送りました。― 
(02)
花子は、迷惑かも知れないけれど、ど素人の太郎の話を聞いて下さい。
(03)
「血液検査」の結果として、
「4値の合計」を、「大きい順」で、「並べ替え(ソート)」を行うと、

ということに、なるのだけれど、
(04)
この内、最後の「5回」、
という5回は、「計1000ccの点滴(グルアセト35・ソリタリー4号)」を行っている最中の検査結果」であって、
他の12回では、「点滴(輸液)」を一切、行っていませんし、その内、10回は、通院中であって、入院中ではありません。
そのため、
(03)(04)により、
(05)
点滴」をすると、「血血球・ヘモグロビン・ヘマトリック・総蛋白」等の「数値」は、下がることになる。
点滴」をしないと「血血球・ヘモグロビン・ヘマトリック・総蛋白」等の「数値」は、上がることになる。
と、思うのですが、マチガイですか?
(06)
もしも、マチガイでないならば、
点滴をしてない時の数値」と、
点滴をしている時の数値」を、「まぜこぜ」にして判断するのは、マチガイだと思うのですが、
このような、太郎の考えは、「正しい」ですか。
(07) 
もしも、太郎の考えが「正しい」のであれば、山田医師の、



という「診断」は、

という「検査結果」の内の、「全体」ではなく

という「一部しか、見ていないことに、なるはずです。 
(08)
データは、多ければ、多い程信頼性が増す」としたら、
データは、一部ではなく、全体を精査すべきである」と、思うのですが、
このような、太郎の考えは、医学を知らない、素人の考えだと、思いますか。
(09)
昨日、SMS(+メッセージ)で、 
>太郎は、医学の素人だけど、「血液検査の数値を見ていて、いいことを発見した。」
>輸液中、ヘマトリック等は、普段の父と比べても低すぎる
と書いたのは、このことです。
令和03年12月19日、毛利太郎。

2021年12月12日日曜日

「もうしばらく、休止します。」+「分配法則」。

(01)
「弁護士」に提出する「レポート」を書いてゐるため、今日を除き、もうしばらく、ブログの更新を休みます。
cf.

― 話は、変わって、― 
(02)
①(男性)で(日本人か、アメリカ人)。
②(男性の日本人)か、(男性のアメリカ人)。
に於いて、
①=② である。
といふことは、「当然」である。
従って、
(03)
① A∩(B∪C)
②(A∩B)∪(A∩C)
に於いて、
①=② である。
といふことは、「当然」である。
cf.

令和03年12月12日、毛利太。

2021年12月3日金曜日

「→(ならば)」の「真理表」と「空集合Φ」。

(01)
平成17年4月15日に購入した『竹内外史、集合とは何か、2004年』の21頁に、
次のような、「書き込み(02)」をした。
(02)
A→B の真理表。
A が本当で、
A→B が正しいのに、
  B がウソであることは在りえない。

A が本当であって、
B がウソの場合は、
A→B は正しくない。

A→ は、
A が本当であるならば、その時は、・・・である。
という意味なので、
A がウソの場合は、そもそも、
A→B の真偽は、論じられるべきではないのに、
A が ウソである場合、
A→B の真理表では、
  B が真であっても、
  B が偽であっても、
A→B は、真であるとされているが、
このことは、『変である』。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1  (1)       ~P      A
1  (2)       ~P∨ Q   1∨I
1  (3)       ~P∨~Q   1∨I
1  (4)        P→ Q   2含意の定義
1  (5)        P→~Q   3含意の定義
 6 (6)        P      A
16 (7)           Q   46MPP
16 (8)          ~Q   56MPP
16 (9)        Q&~Q   78&I
1  (ア)     P→(Q&~Q)  69CP
   (イ) ~P→{P→(Q&~Q)} 1アCP
  ウ(ウ)  P&~P         A
  ウ(エ)    ~P         ウ&E
  ウ(オ)     P→(Q&~Q)  イエMPP
  ウ(カ) P             ウ&E
  ウ(キ)        Q&~Q   オカMPP
   (ケ)(P&~P)→(Q&~Q)  ウキCP
従って、
(03)により、
(04)
①(P&~P)→(Q&~Q)
②(Pであって、Pでない)ならば(Qであって、Qでない)。
といふ「命題」は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(04)により、
(05)
①(P&~P)→(Q&~Q)
②(ある矛盾が、真である)ならば(他の矛盾も、真である)。
といふ「命題」は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(06)
(ⅱ)
  (1) (P&~P)→(Q&~Q) TI
  (2)~(P&~P)∨(Q&~Q) 1含意の定義
3 (3)~(P&~P)        A
3 (4) (~P∨P)        3ド・モルガンの法則
3 (5) (~P∨P)∨(Q&~Q) 4∨I
 6(6)        (Q&~Q) A
 6(7) (~P∨P)∨(Q&~Q) 6∨I
  (8) (~P∨P)∨(Q&~Q) 23567∨E
従って、
(06)により、
(07)
①(P&~P)→(Q&~Q)
②(~P∨P)∨(Q&~Q)
に於いて、
①=② である。
従って、
(07)により、
(08)
①(P&~P)→(Q&~Q)
②(~P∨P)∨(Q&~Q)
に於いて、すなはち、
①( 矛盾 )→(矛盾)
②(排中律)∨(矛盾)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(09)
「∨」の「マトリックス(真理表)」により、
②(~P∨P)∨(Q&~Q)
に於いて、すなはち、
②(真)∨(偽)
に於いて、
② は、「真(本当)」である。
従って、
(05)(08)(09)により、
(10)
例へば、
①(P&~P)→(Q&~Q)
②(~P∨P)∨(Q&~Q)
に於いて、すなはち、
①( 矛盾 )→(矛盾)
②(排中律)∨(矛盾)
に於いて、
①=② であって、尚且つ、
①と② は、「恒真式(トートロジー)」である。
然るに、
(11)
平成17年の私ではなく、
令和03年の私は、「命題計算」に慣れてゐるため、
①(P&~P)→(Q&~Q)
②(~P∨P)∨(Q&~Q)
を見れば、それだけで、
①=② であることを、「理解」出来るし、
  ② が「恒真式(トートロジー)」であることも、直ちに、「理解」出来る。
(12)
令和03年10月18日(特別な日)に、神保町で、
『E.J.レモン 著、石本新・高橋敬吾 訳、公理的集合論入門、1972年』を見付けたので、それを購入した。
然るに、
(13)
この書物は、等号を含んだ述語計算(限量化の理論)にすでにある程度まで通じている読者を対象とした、
公理的集合論 ― それは現代論理学の大部分の基礎となっている ― の入門を意図したものである。
(E.J.レモン 著、石本新・高橋敬吾 訳、公理的集合論入門、1972年、序論)
然るに、
(14)
私自身は、「等号を含んだ述語計算(限量化の理論)」にすでにある程度まで通じている。
然るに、
(15)
メンバーを含まないクラス x と y が存在すると仮定しよう。すると、
(1)  ∀z(z∈x⇔z∈y)
が成り立たなければならない。なぜなら x と y はいかなるメンバーも含まないから、
任意の z に対して、z∈x と z∈y は、偽だからである。
(E.J.レモン 著、石本新・高橋敬吾 訳、公理的集合論入門、1972年、27頁)
然るに、
(16)
(ⅲ)
1 (1)-z∈x       A(∵xは空集合Φである。)
1 (2)-z∈x∨z∈y   1∨I
1 (3) z∈x→z∈y   2含意の定義
 4(4)-z∈y       A(∵yは空集合Φである。)
 4(5)-z∈y∨z∈x   4∨I
 4(6) z∈y→z∈x   5含意の定義
14(7)(z∈x→z∈y)&
     (z∈y→z∈x)  36&I
14(8) z∈x⇔z∈y   7Df.⇔
従って、
(15)(16)により、
(17)
xが「空集合Φ」であって、
yが「空集合Φ」であるならば、
(1)  ∀z(z∈x⇔z∈y)
(〃)いかなるzであっても、zがxのメンバーであるならば、そのときに限って、zはyのメンバーである。
従って、
(17)により、
(18)
(1)  ∀z(z∈x⇔z∈y)
は述語算によって導かれる。また、x と y がいかなるメンバーも含んでいないとすれば、それは同一のメンバーを含んでいる。
このことは、メンバーを含まないクラスは、存在するにしてもたかだか1つであることを、示している。
この結論を、次の定理で述べておこう。
T31:∀x∀y(∀z-z∈x∧∀z-z∈y→x=y)
(E.J.レモン 著、石本新・高橋敬吾 訳、公理的集合論入門、1972年、27頁)
然るに、
(19)
いかなるメンバーも含んでいないとすれば、それは同一のメンバーを含んでいる。」
といふ「言ひ方」は、「常識的」には、『変である』。
然るに、
(20)
同一のメンバーを含んでゐる」 といふ「表現」を、
異なるメンバーを含んでゐない」といふ「意味」であるとするならば、
①{1,2}と、
②{2,1}は、「異なるメンバーを含んでゐない」ので、「同一のメンバーを含んでゐる」し、
③{   }と、
④{   }も、「異なるメンバーを含んでゐない」ので、「同一のメンバーを含んでゐる」。
従って、
(19)(20)により、
(21)
いかなるメンバーも含んでいないとすれば、それは同一のメンバーを含んでいる。」
といふ「言ひ方」は、「常識的」には、『変である』が、
同一のメンバーを含んでゐる」 といふ「表現」を、
異なるメンバーを含んでゐない」といふ「意味」であるとするならば、必ずしも、『変である』とは言へない。
然るに、
(22)
いかなるメンバーを含んでゐない」といふ「性質」は、「唯一無二の、性質」であるに、違ひない。
従って、
(15)~(22)により、
(23)
T31:∀x∀y(∀z-z∈x∧∀z-z∈y→x=y)
といふ「空集合Φ」に関する「定理」、
T31:いかなるxとyであっても、(すべてのzについて、zがxのメンバーではなく、zがyのメンバーでないならば、xとyは、同一である)。
といふ「定理」は、少しも、『変な定理』ではない。
令和03年12月03日、毛利太。

2021年11月24日水曜日

「同一性(identity)」の「述語論理」(Ⅱ)。

(01)
現在はシアトル・マリナーズの会長付特別補佐兼インストラクターを務めているのは「鈴木(姓)一郎(名)」、
すなはち、「イチロー」である。
従って、
(01)により、
(02)
① 鈴木=イチロー
① 一郎=イチロー
である。
従って、
(02)により、
(03)
① 鈴木は日本人である。一郎は日本人である。従って、少なくとも、2人の日本人が存在する。
といふ「推論」は、「妥当」ではない
然るに、
(04)
② 鈴木は日本人である。佐藤は日本人である。従って、少なくとも、2人の日本人が存在する。
③ 鈴木は日本人である。佐藤は日本人である。渡辺は日本人である。従って、少なくとも、3人の日本人が存在する。
といふ「推論」は、「妥当」である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
① xは日本人であって、yは日本人であって、尚且つ(x=y)であるならば、少なくとも、1人の日本人が存在し、
② xは日本人であって、yは日本人であって、尚且つ(x≠y)であるならば、少なくとも、2人の日本人が存在する。
③ xは日本人であって、yは日本人であって、zは日本人であって、尚且つ(x≠y,x≠z,y≠z)であるならば、少なくとも、3人の日本人が存在する。
従って、
(05)により、
(06)
「日本語」で言ふと、
① あるxはFであって、いかなるxとyであっても{(xがFであって、yもFである)ならば、xとyは「同一」である}。
とするならば、
唯一のFが、存在する。
従って、
(06)により、
(07)
「記号」で書くと、
① ∃x(Fx)&∀x∀y{Fx&Fy→(x=y)}
であるならば、
唯一のFが、存在する。
然るに、
(08)
(ⅰ)
1  (1)∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) A
1  (2)∃x(Fx)                 1&E
 3 (3)   Fa                  A
1  (4)       ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 1&E
1  (5)         ∀y(Fa&Fy→a=y) 4UE
1  (6)            Fa&Fb→a=b  5UE
  7(7)               Fb      A
 37(8)            Fa&Fb      37&I
137(9)                  a=b  68MPP
13 (ア)            Fb→a=b     79CP
13 (イ)         ∀y(Fy→a=y)    アUI
13 (ウ)      Fa&∀y(Fy→a=y)    3イ&I
13 (エ)   ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}   ウEI
1  (オ)   ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}   23エEE
(ⅱ)
1  (1)      ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} A
 2 (2)         Fa&∀y(Fy→a=y)  A
 2 (3)         Fa             2&E
 2 (4)      ∃x(Fx)            3EI
1  (5)      ∃x(Fx)            124EE
1  (6)            ∀y(Fy→a=y)  2&E
1  (7)               Fb→a=b   6UE
  8(8)            Fa&Fb       A
  8(9)               Fb       8&E
1 8(ア)                  a=b   79MPP
1  (イ)            Fa&Fb→a=b   8アCP
1  (ウ)         ∀y(Fa&Fy→a=y)  イUI
1  (エ)       ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  ウUI
1  (オ)∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  5エ&I
従って、
(08)により、
(09)
① ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② ∃x{Fx &  ∀y(   Fy→x=y)}
に於いて、
①=② である。
然るに、
(10)
(ⅱ)
1 (1) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} A
 2(2)    Fa&∀y(Fy→a=y)  A
 2(3)    Fa             2&E
 2(4)       ∀y(Fy→a=y)  2&E
 2(5)          Fb→a=b   4UE
 2(6)         ~Fb∨a=b   5含意の定義
 2(7)        ~(Fb&a≠b)  6ド・モルガンの法則
 2(8)      ∀y~(Fy&a≠y)  7UI
 2(9)      ~∃y(Fy&a≠y)  8量化子の関係
 2(ア)   Fa&~∃y(Fy&a≠y)  39&I
 2(イ)∃x{Fx&~∃y(Fy&x≠y)} アEI
1 (ウ)∃x{Fx&~∃y(Fy&x≠y)} 12イEE
(ⅲ)
1 (1)∃x{Fx&~∃y(Fy&x≠y)} A
 2(2)   Fa&~∃y(Fy&a≠y)  A
 2(3)   Fa              2&E
 2(4)      ~∃y(Fy&a≠y)  2&E
 2(5)      ∀y~(Fy&a≠y)  4量化子の関係
 2(6)        ~(Fb&a≠b)  UE
 2(7)         ~Fb∨a=b   6ド・モルガンの法則
 2(8)          Fb→a=b   7含意の定義
 2(9)       ∀y(Fy→a=y)  8UI
 2(ア)    Fa&∀y(Fy→a=y)  39&I
 2(イ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} アEI
1 (ウ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} 12イEE
従って、
(10)により、
(11)
② ∃x{Fx& ∀y(Fy→x=y)}
③ ∃x{Fx&~∃y(Fy&x≠y)}
に於いて、
②=③ である。
従って、
(08)~(11)により、
(12)
① ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② ∃x{Fx &  ∀y(   Fy→x=y)}
③ ∃x{Fx & ~∃y(   Fy&x≠y)}
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(12)により、
(13)
それ故、正確に1つのものがFをもつと言うことは、つぎのように言うことである。
  (16)∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
さて(16)は、実はより短くすっきりとした次の式と導出可能なのである。
  (17)∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
(17)は、あるものがFをもち、そして任意のFをもつものはまさにそのものにほかならない、ということを主張する。
正確に1つのものがFをもつということの、いまひとつの言いかたがある。しかるに、まだもっと明瞭であるかも知れない、第3の同値な式がある。すなわち、
  (18)∃x{Fx&~∃y(Fy&x≠y)}
― Fをもつものが存在し、その他のいかなるものもFをもつことはない。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 翻訳、1973年、211・212頁)
といふ「説明」は、「正しい」。
従って、
(12)(13)により、
(14)
① ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② ∃x{Fx &  ∀y(   Fy→x=y)}
③ ∃x{Fx & ~∃y(   Fy&x≠y)}
に於いて、すなはち、
① あるxはFであって、いかなるxとyであっても{xがFであって、yもFであるならば、xとyは「同一」である}。
② あるxについて{xはFであって、いかなるyであっても、yがFであるならば、xとyは「同一」である}。
③ あるxについて{xはFであって、x=yではない所の、Fであるyは、存在しない}。
に於いて、
①=②=③ である。
令和03年11月24日、毛利太。

2021年11月23日火曜日

「同一性(identity)」の「述語論理」(ラッセルの確定記述)。

(01)
1    (1) ∀x∀y(Fx&~Fy&x=y) A
1    (2)   ∀y(Fa&~Fy&a=y) 1UE
1    (3)      Fa&~Fb&a=b  2UE
1    (4)      Fa&~Fa      33=E
     (5)~∀x∀y(Fx&~Fy&x=y) 14RAA
     (6)∃x~∀y(Fx&~Fy&x=y) 5量化子の関係
     (7)∃x∃y~(Fx&~Fy&x=y) 6量化子の関係
 8   (8)  ∃y~(Fa&~Fy&a=y) A
  9  (9)    ~(Fa&~Fb&a=b) A
  9  (ア)     ~Fa∨ Fb∨a≠b  9ド・モルガンの法則
  9  (イ)     ~Fa∨a≠b∨ Fb  ア交換法則
  9  (ウ)    (~Fa∨a≠b)∨Fb  イ結合法則
   エ (エ)    (~Fa∨a≠b)     A
   エ (オ)    ~(Fa&a=b)     エ、ド・モルガンの法則
   エ (カ)    ~(Fa&a=b)∨Fb  オ∨I
    キ(キ)              Fb  A
    キ(ク)    ~(Fa&a=b)∨Fb  キ∨I
  9  (ケ)    ~(Fa&a=b)∨Fb  ウエカキク∨E
  9  (コ)     (Fa&a=b)→Fb  ケ含意の定義
  9  (サ)  ∃y{(Fa&a=y)→Fy} コEI
 8   (シ)  ∃y{(Fa&a=y)→Fy} 89サEE
 8   (ス)∃x∃y{(Fx&x=y)→Fy} シEI
     (セ)∃x∃y{(Fx&x=y)→Fy} 78スEE
従って、
(01)により、
(02)
① ∃x∃y{(Fx&x=y)→Fy}
① あるxとyについて{(xがFで、xとyが同一である)ならば、yはFである}。
といふ「論理式」は、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(02)により、
(03)
例へば、
① ある人(x)が理事で、その人(x)が私(y)と「同一人物」であるならば、私(y)は理事である。
といふ「命題」は、「恒に真(本当)」である。
然るに、
(04)
① 理事長は、一人しかゐないが、
① 理事は、 一人では、ない
従って、
(03)(04)により、
(05)
① ある人(x)が理事で、その人(x)が私(y)と「同一人物」であるならば、私(y)は理事である。
としても、
① 私=理事(私以外は理事ではない)。
といふことには、ならない。
然るに、
(06)
{a,b,c}が{個体の領域}であるとして、
a=b
a=c
b=c
であるならば、そのときに限って、
a=b
a=c
b=a
b=c
c=a
c=b
であって、
a=b
a=c
b=a
b=c
c=a
c=b
であるならば、そのときに限って、
a=b=c
であって、
a=b=c
であるならば、そのときに限って、
{a,b,c}={a}
である。
従って、
(06)により、
(07)
{a,b,c}が{個体の領域}であるとして、
a=b
a=c
b=a
b=c
c=a
c=b
であるならば、そのときに限って、
{a}={a,b,c}
然るに、
(08)
{a,b,c}が{個体の領域}であるとして、
として、
{a}={a,b,c}
であるならば、{個体の個数}は、{(aによる)1個}である。
従って、
(08)により、
(09)
② ∀x∀y(x=y)
であるならば、すなはち、
② すべてのxとyについて(xとyは同一である)。
であるならば、
② xとyは「同一」であって、尚且つ、「(唯一の)x」である。
然るに、
(10)
(ⅱ)
1(1)      ∀x∀y(x=y) A
1(2)        ∀y(a=y) 1UE
1(3)           a=b  2UE
1(4)  ~(Fa&Fb)∨a=b  3∨I
1(5)     Fa&Fb→a=b  4含意の定義
1(6)  ∀y(Fa&Fy→a=y) 5UI
1(7)∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 6UI
従って、
(10)により、
(11)
② ∀x∀y(      x=y)
③ ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
に於いて、
② ならば、③である。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
③ ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
であるならば、
③ xは「Fである所の、唯一のx」である。
従って、
(12)により、
(13)
② ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
であるならば、すなはち、
② あるxは(Fであり)、すべてのxとyについて(xがFであってyもFであるならば、xとyは同一である)。
であるならば、
② Fである所の、唯一のxが存在する。
然るに、
(14)
(ⅱ)
1  (1)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y) A
1  (2)∃xFx                 1&E
 3 (3)  Fa                 A
1  (4)     ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) 1&E
1  (5)       ∀y(Fa&Fy→a=y) 4UE
1  (6)          Fa&Fb→a=b  5UE
  7(7)             Fb      A
 37(8)          Fa&Fb      37&I
137(9)                a=b  68MPP
13 (ア)          Fb→a=b     79CP
13 (イ)       ∀y(Fy→a=y)    アUI
13 (ウ)    Fa&∀y(Fy→a=y)    3イ&I
13 (エ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}   ウEI
1  (オ) ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}   23エEE
(ⅲ)
1  (1)    ∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)} A
 2 (2)       Fa&∀y(Fy→a=y)  A
 2 (3)       Fa             2&E
 2 (4)    ∃x(Fx)            3EI
1  (5)    ∃x(Fx)            124EE
1  (6)          ∀y(Fy→a=y)  2&E
1  (7)             Fb→a=b   6UE
  8(8)          Fa&Fb       A
  8(9)             Fb       8&E
1 8(ア)                a=b   79MPP
1  (イ)          Fa&Fb→a=b   8アCP
1  (ウ)       ∀y(Fa&Fy→a=y)  イUI
1  (エ)     ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  ウUI
1  (オ)∃xFx&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)  5エ&I
従って、
(14)により、
(15)
② ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
③ ∃x{Fx &  ∀y(   Fy→x=y)}
に於いて、
②=③ である。
従って、
(13)(14)(15)により、
(16)
② ∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
③ ∃x{Fx &∀y  (   Fy→x=y)}
であるならば、すなはち、
② あるxは(Fであり)、すべてのxとyについて(xがFであってyもFであるならば、xとyは同一である)。
③ あるxは{Fであり、 すべてのy  について(       yがFであるならば、xとyは同一である)}。
であるならば、
② Fである所の、唯一のxが存在する。
③ Fである所の、唯一のxが存在する。
従って、
(16)により、
(17)
それ故、正確に1つのものがFをもつと言うことは、つぎのように言うことである。
  (16)∃x(Fx)&∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
さて(16)は、実はより短くすっきりとした次の式と導出可能なのである。
  (17)∃x{Fx&∀y(Fy→x=y)}
(17)は、あるものがFをもち、そして任意のFをもつものはまさにそのものにほかならない、ということを主張する。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 翻訳、1973年、211・212頁)
といふ「説明」は、「正しい」。
令和03年11月23日、毛利太。

2021年11月21日日曜日

∀x∀y(Fx&Fy→x=y)は「かなり難解である」。

―「先程(令和03年11月22日)の記事」を書き直します。―
(01)
(a)
1  (1)∀x∀y(~Fx&~Fy&x=y)  A
1  (2)  ∀y(~Fa&~Fy&a=y   1UE
1  (3)     ~Fa&~Fb&a=b   2UE
1  (4)     ~Fa           3&E
1  (5)     ~Fa∨~Fb       4∨I
1  (6)    (~Fa∨~Fb)∨a=b  5∨I
 7 (7)    (~Fa∨~Fb)      A
 7 (8)    ~(Fa& Fb)      7ド・モルガンの法則
 7 (9)    ~(Fa& Fb)∨a=b  8∨I
  ア(ア)              a=b  A
  ア(イ)    ~(Fa& Fb)∨a=b  ア∨I
1  (ウ)    ~(Fa& Fb)∨a=b  179アイ∨E
1  (エ)      Fa& Fb →a=b  ウ含意の定義
1  (オ)   ∀y(Fa& Fy →a=y) エUI
1  (カ) ∀x∀y(Fx& Fy →x=y) オUI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x∀y(~Fx&~Fy&x=y)
② ∀x∀y( Fx& Fy→x=y)
に於いて、
①ならば、②である。
然るに、
(03)
(b)
1  (1)∀x∀y(~Fx&~Fy&x=y) A
1  (2)  ∀y(~Fa&~Fy&a=y) 1UE
1  (3)     ~Fa&~Fb&a=b  2UE
1  (4)     ~Fa&~Fa      33=E
1  (5)     ~Fa          4&E
1  (6)  ∀x(~Fx)         5UI
 7 (7)  ∃x( Fx)         A
1  (8)     ~Fa          6UE
  9(9)      Fa          A
1 9(ア)     ~Fa&Fa       89&I
17 (イ)     ~Fa&Fa       79ア&I
1  (ウ) ~∃x( Fx)         7イRAA
従って、
(03)により、
(04)
① ∀x∀y(~Fx&~Fy&x=y)
③   ~∃x( Fx)
に於いて、
①ならば、③である。
従って、
(04)により、
(05)
① ∀x∀y(~Fx&~Fy&x=y)
③ Fであるxは、存在しない。
に於いて、
①ならば、③である。
従って、
(02)(05)により、
(06)
① ∀x∀y(~Fx&~Fy&x=y)
② ∀x∀y( Fx& Fy→x=y)
③ Fであるxは、存在しない。
に於いて、
①ならば、②であって、
①ならば、③である。
従って、
(06)により、
(07)
① ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
③ Fであるxは、存在しない。
に於いて、
①と③は、「同時に真(本当)」であることが、「可能」である。
然るに、
(08)
1 (1)∀x∀y(Fx&Fy→x=y) A
1 (2)  ∀y(Fa&Fy→a=y) 1UE
1 (3)     Fa&Fb→a=b  2UE
 4(4)∀x∀y(Fx&Fy)     A
 4(5)  ∀y(Fa&Fy)     4UE
 4(6)     Fa&Fb      5UE
14(7)           a=b  36MPP
14(8)        ∀y(a=y) 7UI
14(9)      ∀x∀y(x=y) 8UI
従って、
(08)により、
(09)
① ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)&∀x∀y(Fx&Fy)
② ∀x∀y(x=y)
に於いて、
①ならば、②である。
然るに、
(10)
1 (1) ∀x∀y(Fx&Fy→x=y) A
1 (2)   ∀y(Fa&Fy→a=y) 1UE
1 (3)      Fa&Fb→a=b  2UE
 4(4)∀x∀y~(Fx&Fy)     A
 4(5)  ∀y~(Fa&Fy)     4UE
 4(6)    ~(Fa&Fb)     5UE
14(7)            a≠b  36??
14(8)         ∃y(a≠y) 7EI
14(9)       ∃x∃y(x≠y) 8EI
といふ「計算」は、「デタラメ(前件否定の誤謬)」である。
従って、
(06)(10)により、
(11)
① ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
② ∀x∀y(x=y)
③ ∃x∃y(x≠y)
に於いて、
①であるならば、 ②であり得ても、
①であるとしても、③ではない。
然るに、
(12)
② ∀x∀y(x=y)
であるならば、すなはち、
② すべてのxとyについて(xとyは同一である)。
であるならば、
②「個体変数(individual variable)」である所の、x(y)は「一つ」しか存在しない。
cf.
「すべての自然数が、2に等しい」とするならば、「自然数は、2といふ、唯一の数である」。
といふことになり、このことは「事実」ではないが、「論理的には、正しい」。
従って、
(09)~(12)により、
(13)
① ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
②「個体変数(individual variable)」である所の、x(y)は「一つ」しか存在しない。
に於いて、
①と②は、「同時に真(本当)」であることが、「可能」である。
従って、
(07)(13)により、
(14)
① ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
②「個体変数(individual variable)」である所の、x(y)は「一つ」しか存在しない。
③ Fであるxは、存在しない。
に於いて、
①と②は、「同時に真(本当)」であることが、「可能」である。
①と③も、「同時に真(本当)」であることが、「可能」である。
従って、
(14)により、
(15)
① ∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
① すべてのxとyについて(xがFであってyもFならば、xとyは、同一の個体である)。
といふ「論理式」は、
① Fを持つものが存在しないことも、またFをもつ1つのものが存在することを許すが、Fをもつものが、2つ以上存在ることを、許さない。
従って、
(15)により、
(16)
 (15)∀x∀y(Fx&Fy→x=y)
― 対象xおよびyをとるとする。するとそれらのいずれもFをもつならば、それらは同一である。この式は、Fを持つものが存在しないことも、またFをもつ1つのものが存在することを許す。しかし1つより多いものが存在するらば、それは明らかに偽となる。故に(15)は、多くとも1つのものがFをもつということを、主張するのである。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 翻訳、1973年、211頁)
令和03年11月22日、毛利太。

2021年11月20日土曜日

相異なる変数「x」と「y」を用いる場合、そのことから、

 ―「結論(何が言ひたいのかとふこと)」は、(24)に書かれてゐます。―
(01)
{a,b,c}を{個体の領域}とする。
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x(Fx)=Fa&Fb&Fc
② ∃x(Fx)=Fa∨Fb∨Fc
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)∃x∃y(Fx&Fy):選言の、選言。
(ⅱ) ∃x{(Fx&Fa)∨(Fx&Fb)∨(Fx&Fc)}
(ⅲ){(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}
然るに、
(04)
(a)
1(1)Fa&Fa A
1(2)Fa    1&E
(b)
1(1)Fa    A
1(2)Fa&Fa 11&I
従って、
(04)により、
(05)
(a)Fa&Fa
(b)Fa
に於いて、
(a)=(b)である(冪等律)
従って、
(03)(05)により、
(06)
(ⅰ)∃x∃y(Fx&Fy):選言の、選言。
(ⅱ) ∃x{(Fx&Fa)∨(Fx&Fb)∨(Fx&Fc)}
(ⅲ){(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}
(ⅳ){(Fa   )∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb   )∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc   )}:冪等律
(ⅴ){(Fa   )∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb   )∨(Fb&Fa)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc   )∨(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)}:交換法則
然るに、
(07)
(a)
1  (1)(P&Q)∨(P&R) A
 2 (2) P&Q        A
 2 (3) P          2&E
 2 (4)   Q        2&E
 2 (5)   Q∨R      4∨I
 2 (6)P&(Q∨R)     35&I
  7(7)       P&R  A
  7(8)       P    2&E
  7(9)         R  2&E
  7(ア)       Q∨R  9∨I
  7(イ)    P&(Q∨R) 8ア&I
1  (ウ)    P&(Q∨R) 1267イ∨E
(b)
1  (1) P&(Q∨R)    A
1  (2) P          1&E
1  (3)   Q∨R      1&E
 4 (4)   Q        A
14 (5) P&Q        24&I
14 (6)(P&Q)∨(P&R) 5∨I
  7(7)     R      A
1 7(8)   P&R      27&I
1 7(9)(P&Q)∨(P&R) 8∨I
1  (ア)(P&Q)∨(P&R) 14679∨E
従って、
(07)により、
(08)
(a)(P&Q)∨(P&R)
(b) P&(Q∨R)
に於いて、
(a)=(b)である(分配法則)。
従って、
(08)により、
(09)
(a)(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)
(b) Fa&(Fb∨Fc)
に於いて、
(a)=(b)である(分配法則)。
従って、
(06)(09)により、
(10)
(ⅰ)∃x∃y(Fx&Fy):選言の、選言。
(ⅱ) ∃x{(Fx&Fa)∨(Fx&Fb)∨(Fx&Fc)}
(ⅲ){(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}
(ⅳ){(Fa   )∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb   )∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc   )}:冪等律
(ⅴ){(Fa   )∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb   )∨(Fb&Fa)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc   )∨(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)}:交換法則
(ⅵ){ Fa    ∨ Fa&(Fb∨Fc)    }∨{ Fb    ∨ Fb&(Fa∨Fc)    }∨{ Fc    ∨ Fc&(Fa∨Fb)    }:分配法則
然るに、
(11)
(c)
1  (1) P∨(Q&R)    A
 2 (2) P          A
 2 (3) P∨Q        2∨I
 2 (4) P∨R        2∨I
 2 (5)(P∨Q)&(P∨R) 34&I
  6(6)    Q&R     A
  6(7)    Q       6&E
  6(8) P∨Q        7∨I
  6(9)      R     6&E
  6(ア)    P∨R     9∨I
  6(イ)(P∨Q)&(P∨R) 8ア&I
1  (ウ)(P∨Q)&(P∨R) 1256イ∨E
(d)
1 (1) (P∨Q)&(P∨R) A
1 (2)  P∨Q        1&E
1 (3)~~P∨Q        2DN
1 (4) ~P→Q        3含意の定義
1 (5)        P∨R  1&E
1 (6)      ~~P∨R  5DN
1 (7)       ~P→R  6含意の定義
 8(8) ~P          A
18(9)    Q        48MPP
18(ア)          R  78MPP
18(イ)        Q&R  9ア&I
1 (ウ)    ~P→(Q&R) 8イCP
1 (エ)   ~~P∨(Q&R) ウ含意の定義
1 (オ)     P∨(Q&R) エDN
従って、
(11)により、
(12)
(c) P∨(Q&R)
(d)(P∨Q)&(P∨R)
に於いて、
(c)=(d)である(分配法則)
従って、
(12)により、
(13)
(c) Fa∨(Fa&(Fb∨Fc))
(d)(Fa∨Fa)&(Fa∨(Fb∨Fc))
従って、
(10)(13)により、
(14)
(ⅰ)∃x∃y(Fx&Fy):選言の、選言。
(ⅱ) ∃x{(Fx&Fa)∨(Fx&Fb)∨(Fx&Fc)}
(ⅲ){(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}
(ⅳ){(Fa   )∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb   )∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc   )}:冪等律
(ⅴ){(Fa   )∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb   )∨(Fb&Fa)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc   )∨(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)}:交換法則
(ⅵ){ Fa    ∨ Fa&(Fb∨Fc)    }∨{ Fb    ∨ Fb&(Fa∨Fc)    }∨{ Fc    ∨ Fc&(Fa∨Fb)    }:分配法則
(ⅷ){(Fa∨Fa)&(Fa∨(Fb∨Fc))   }∨{(Fb∨Fb)&(Fb∨(Fa∨Fc))   }∨{(Fc∨Fc)&(Fc∨(Fa∨Fb))   }:分配法則
然るに、
(15)
(e)
1  (1)Fa∨Fa A
 2 (2)Fa    A
  3(3)   Fa A
1  (4)Fa    12233∨E
(f) 1(1)Fa    A
1(2)Fa∨Fa 1∨I
従って、
(15)により、
(16)
(e)Fa∨Fa
(f)Fa
に於いて、
(e)=(f)である(冪等律)。
従って、
(14)(16)により、
(17)
(ⅰ)∃x∃y(Fx&Fy):選言の、選言。
(ⅱ) ∃x{(Fx&Fa)∨(Fx&Fb)∨(Fx&Fc)}
(ⅲ){(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}
(ⅳ){(Fa   )∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb   )∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc   )}:冪等律
(ⅴ){(Fa   )∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb   )∨(Fb&Fa)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc   )∨(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)}:交換法則
(ⅵ){ Fa    ∨ Fa&(Fb∨Fc)    }∨{ Fb    ∨ Fb&(Fa∨Fc)    }∨{ Fc    ∨ Fc&(Fa∨Fb)    }:分配法則
(ⅷ){(Fa∨Fa)&(Fa∨(Fb∨Fc))   }∨{(Fb∨Fb)&(Fb∨(Fa∨Fc))   }∨{(Fc∨Fc)&(Fc∨(Fa∨Fb))   }:分配法則
(ⅸ){(Fa   )&(Fa∨(Fb∨Fc))   }∨{(Fb   )&(Fb∨(Fa∨Fc))   }∨{(Fc   )&(Fc∨(Fa∨Fb))   }:冪等律
従って、
(02)(17)により、
(18)
(ⅰ)∃x∃y(Fx&Fy):選言の、選言。
(ⅱ) ∃x{(Fx&Fa)∨(Fx&Fb)∨(Fx&Fc)}
(ⅲ){(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}
(ⅳ){(Fa   )∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb&Fa)∨(Fb   )∨(Fb&Fc)}∨{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc   )}:冪等律
(ⅴ){(Fa   )∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨{(Fb   )∨(Fb&Fa)∨(Fb&Fc)}∨{(Fc   )∨(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)}:交換法則
(ⅵ){ Fa    ∨ Fa&(Fb∨Fc)    }∨{ Fb    ∨ Fb&(Fa∨Fc)    }∨{ Fc    ∨ Fc&(Fa∨Fb)    }:分配法則
(ⅷ){(Fa∨Fa)&(Fa∨(Fb∨Fc))   }∨{(Fb∨Fb)&(Fb∨(Fa∨Fc))   }∨{(Fc∨Fc)&(Fc∨(Fa∨Fb))   }:分配法則
(ⅸ){(Fa   )&(Fa∨(Fb∨Fc))   }∨{(Fb   )&(Fb∨(Fa∨Fc))   }∨{(Fc   )&(Fc∨(Fa∨Fb))   }:冪等律
(ⅹ)  Fa                     ∨  Fb                     ∨  Fc                     :連言除去
(〃)∃x(Fx)
然るに、
(19)
1    (1)  Fa∨Fb∨Fc                 A
1    (2)  Fa∨(Fb∨Fc)               1結合法則
 3   (3)  Fa                       A
 3   (4)  Fa&Fa                    33&I
 3   (5) (Fa&Fa)∨(Fa&Fb)           4∨I
 3   (6) (Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)   5∨I
 3   (7){(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨
        {(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}  6∨I
 3   (8){(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨
        {(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨
        {(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}  7∨I
  9  (9)      Fb∨Fc                A
   ア (ア)      Fb                   A
   ア (イ)          Fb&Fb            アア&I
   ア (ウ) (Fb&Fa)∨(Fb&Fb)           ア∨I
   ア (エ) (Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)   イ∨I
   ア (オ){(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨
        {(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}  ウ∨I
   ア (カ){(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨
        {(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨
        {(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}  オ∨I
    キ(キ)         Fc                A
    キ(ク)         Fc&Fc             キキ&I
    キ(ケ)         (Fc&Fb)∨(Fc&Fc)   ク∨I
    キ(コ) (Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)   ケ∨I
    キ(サ) {(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨
         {(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)} コ∨I
    キ(シ) {(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨
         {(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨
         {(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)} サ∨I
  9  (ス) {(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨
         {(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨
         {(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}  9アカキシ∨E
1    (セ) {(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨
         {(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨
         {(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}  1389ス∨E
従って、
(18)(19)により、
(20)
① ∃x∃y(Fx&Fy)
②     ∃x(Fx)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(21)
142 ∃x(Fx)├ ∃x∃y(Fx&Fy)
(ⅰ)
1 (1)  ∃x(Fx)    A
 2(2)     Fa     A
 2(3)     Fa&Fa  22&I
 2(4)  ∃y(Fa&Fy) 3EI
 2(5)∃x∃y(Fx&Fy) 4EI
1 (6)∃x∃y(Fx&Fy) 125EE
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 翻訳、1973年、210頁)
然るに、
(22)
(ⅱ)
1  (1)∃x∃y(Fx&Fy) A
 2 (2)  ∃y(Fa&Fy) A
  3(3)     Fa&Fa  A
  3(4)     Fa     3&E
  3(5)  ∃x(Fx)    4EI
 2 (6)  ∃x(Fx)    235EE
1  (7)  ∃x(Fx)    126EE
従って、
(21)(22)により、
(23)
①   ∃x(Fx)
② ∃x∃y(Fx&Fy)
に於いて、
①=② である。
従って、
(20)(23)により、
24
ひとつだけの対象がFをもっているならば、
∃x∃y(Fx&Fy)
ということが帰結する。
言い換えると、
相異なる変数「x」と「y」を用いる場合、そのことから、
それに対応する相異なる対象が存在する。
ということは帰結しないのである。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 翻訳、1973年、210頁)
従って、
(23)(24)により、
(25)
①   ∃x(学生x)
② ∃x∃y(学生x&学生y)
に於いて、すなはち、
① あるxについて、(xは学生である)。
② あるxとあるyについて(xは学生であって、yも学生である)。
に於いて、
①=② であるものの、
もちろん、ことことは、「分かり難い」。
令和03年11月20日、毛利太。

2021年11月18日木曜日

「A⊂B(Aは・が、Bである)」について。

(01)
二つの集合A、Bにおいて、集合Aの要素がすべて集合Bの要素に含まれるとき、AをBの部分集合といい、記号A⊂Bで表すことがある。
この場合、AとBが一致してもよい。AとBが一致しない、つまりAが完全にBの一部分のとき、AはBの真部分集合という。
(日本大百科全書(ニッポニカ)「部分集合」の解説)
然るに、
(02)
φ は、要素の個数が、「0個の集合」であり、
a は、要素の個数が、「1個の集合」であり、
b も、要素の個数が、「1個の集合」であり、
A は、要素の個数が、「2個以上の集合」であり、
B も、要素の個数が、「2個以上の集合」である。
とする。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① a⊂B
② a⊂b
③ B⊂a
に於いて、
① a は、Bの「真部分集合」であって、
② a は、bの「_部分集合」であるが、
③ B は、aの「真部分集合」でも、「部分集合」でも、どちらでもない。
従って、
(03)により、
(04)
① a⊂B
② a⊂b
③ B⊂a
に於いて、
③ だけは「⊂」といふ「記号」の「用法」として、マチガイである。
然るに、
(05)
a は、要素の個数が、「1個の集合」であり、
b も、要素の個数が、「1個の集合」であり、
A は、要素の個数が、「2個以上の集合」であり、
B も、要素の個数が、「2個以上の集合」である。
として、
a を、「単数集合」とし、
b も、「単数集合」とし、
A を、「複数集合」とし、
B も、「複数集合」とする。
然るに、
(06)
 私(単) は、「単数集合」であって、
幹事(単) も、「単数集合」であって、
幹事(複) は、「複数集合」であるとする。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
①  私(単)⊂幹事(複)
②  私(単)⊂幹事(単)
③ 幹事(複)⊂ 私(単)
に於いて、
③ だけは「⊂」といふ「記号」の「用法」として、マチガイである。
従って、
(07)により、
(08)
③ 幹事(複)⊂ 私(単)
ではなく、
③ 幹事(単)⊂ 私(単)
でなければ、ならない。
従って、
(07)(08)により、
(09)
①  私(単)⊂幹事(複)
②  私(単)⊂幹事(単)
③ 幹事(単)⊂ 私(単)
であれば、3つとも、「⊂」といふ「記号」の「用法」として、「正しい」。
然るに、
(01)により、
(10)
① 象⊂動物
といふこと、すなはち、
① 象の集合は、動物の集合の、部分集合である。
といふことは、要するに、
① 象は動物である。
といふ、ことである。
従って、
(09)(10)により、
(11)
①  私(単)⊂幹事(複)
②  私(単)⊂幹事(単)
③ 幹事(単)⊂ 私(単)
といふ3つが、「正しい」が故に、
① 私(単)は幹事(複)の一員です。
② 私(単)は幹事(単)です。
③ 幹事(単)は私(単)です。
といふ「日本語」は、「正しい」。
然るに、
(12)
① 私(単)は幹事(複)の一員です。
② 私(単)は幹事(単)です。
③ 幹事(単)は私(単)です。
といふことは、
① I am a 幹事。
② I am the 幹事。
③ The 幹事 is me。
といふ、ことである。
従って、
(12)により、
(13)
① 私(単)は幹事(複)の一員です。
② 私(単)は幹事(単)です。
③ 幹事(単)は私(単)です。
に於いて、
① と ③ は、「矛盾」し、
② と ③ は、「矛盾」しない。
従って、
(13)により、
(14)
③ 幹事は私です。
といふのであれば、
③ 幹事(単)は私(単)です。
であって、
③ 幹事(単)は私(単)です。
であるならば、
② 私(単)は幹事(単)です。
である。
従って、
(13)(14)により、
(15)
③ 幹事は私です。
といふのであれば、
③ 私以外は、幹事ではない
といふ、ことになる。
然るに、
(16)
無題化というのは、「Ⅹは」の「は」を消すことですから、センテンスの形のままでもできないことはありませんが、
センテンスの形では、本当に無題になりきれない場合も起こります。たとえば、
 私は、幹事です。
 私幹事です。
のように、「は」を消しても、センテンスの意味は、
 幹事は、私です。
というのに近く、題が文中の別の個所に移り隠れたにすぎません。つまり、本当には無題化していないわけです。
(山崎紀美子、日本語基礎講座、― 三上文法入門、2003年、65・66頁)。
従って、
(16)により、
(17)
「無題化」が、何を意味するのか、私には、分からないものの、いづれにせよ、
① 私幹事です。
② 幹事は私です。
に於いて、
①=② である。
従って、
(15)(17)により、
(18)
① 私幹事です。
② 幹事は私です。
③ 私は幹事であり、私以外は、幹事ではない
に於いて、
①=②=③ である。
令和03年11月18日、毛利太。

2021年11月17日水曜日

aF(幹事は、私です。) ⇔{x:Fx}∈a

(01)
与えられた対象aが{x:Fx}のメンバー(要素)であるためには、aがその条件を満たすとき、またそのときに限られる。
すなわちFaであり、またそのときに限られるのである。『aは{x:Fx}のメンバー(要素)である』を意味するものとして、
a∈{x:Fx}と書くならば、この想定は、任意の条件Fx(xはFである)に対して、
 (1) a∈{x:Fx}⇔Fa(aはFである)
ということになる。
(公理的集合論、E.J.レモン 著、石本新・高橋敬吾 訳、1972年、序論・改)
従って、
(01)により、
(02)
① Fa(aはFである。)⇔ a∈{x:Fx}
に於いて、
① a=私,F=幹事
であるならば、
① Fa(私は、幹事です。)⇔ a∈{x:Fx}
である。
従って、
(02)により、
(03)
① Fa(私は、幹事です。)⇔ a∈{x:Fx}
に於いて、「倒置」を行ふと、
② aF(幹事は、私です。) ⇔{x:Fx}∈a
然るに、
(04)
② F=幹事
は、「集合(クラス)」であるため、「複数」であることも、「単数」であることも、可能であるが、
② a=私
は、「集合の要素(メンバー)」であるため、必ず、「単数」である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
② aF(幹事は、私です。) ⇔{x:Fx}∈a
であるならば、必然的に
② 私は幹事であり、私以外は、幹事ではない
従って、
(05)により、
(06)
② 幹事は私です。
③ 私は幹事であり、私以外は、幹事ではない
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(07)
無題化というのは、「Ⅹは」の「は」を消すことですから、センテンスの形のままでもできないことはありませんが、
センテンスの形では、本当に無題になりきれない場合も起こります。たとえば、
 私は、幹事です。
 私幹事です。
のように、「は」を消しても、センテンスの意味は、
 幹事は、私です。
というのに近く、題が文中の別の個所に移り隠れたにすぎません。つまり、本当には無題化していないわけです。
(山崎紀美子、日本語基礎講座、― 三上文法入門、2003年、65・66頁)。
従って、
(07)により、
(08)
① 私幹事です。
② 幹事は私です。
に於いて、
①=② である。
従って、
(06)(08)により、
(09)
① 私幹事です。
② 幹事は私です。
③ 私は幹事であり、私以外は、幹事ではない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(07)(09)により、
(10)
 私は、幹事です。
 私が幹事です。
のように、「は」を消しても、センテンスの意味は、
 幹事は、私です。
というのに近く、題が文中の別の個所に移り隠れたにすぎません。つまり、本当に無題化していないわけです。
といふのであれば、山崎先生は、
① 私が幹事です。
② 幹事は私です。
③ 私は幹事であり、私以外は、幹事ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
といふことを、踏まへた上で、「無題化」といふ「用語(現象)」を、説明すべきである。
(11)
無題化の手続きにより、「Ⅹ」の「」は、「のにを」またはゼロ(時の格)を代行している。
(山崎紀美子、日本語基礎講座、― 三上文法入門、2003年、67頁)
といふのであれば、
無題化の手続きにより、「Ⅹ」の「」は、「のにを」またはゼロ(時の格)を代行している。
とも、言へることになる。
令和03年11月17日、毛利太。

「象の鼻が長い」の「述語論理」。

(01)
① 象長い。
② 象長い。
といふ「日本語」は、『直観』として、
① 象に関して言へば、鼻は長く、鼻以外は長くない
② 鼻に関して言へば、象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない
といふ「意味」である。
cf.
「象と兎、どちらの鼻が長いか?」⇒「(鼻に関しては)象の鼻長い。」
「兎と象、どちらの耳が長いか?」⇒「(耳に関しては)兎の耳長い。」
然るに、
(02)
① 象に関して言へば、鼻は長く、鼻以外は長くない
② 鼻に関して言へば、象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
といふ「日本語」は、『直観』として、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zy→~長z)}。
② ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&~(鼻xy&象y)→~長x}。
といふ「意味」である。
然るに、
(03)
1    (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2   (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3  (3)∃x(兎x&象x)                      A
1    (4)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2   (5)   兎a→∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6 (6)   兎a&象a                       A
   6 (7)      象a                       6&E
   6 (8)   兎a                          6&E
1  6 (9)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  47MPP
 2 6 (ア)      ∃y(長y&耳ya)&∀z(耳za→~鼻za)  58MPP
 2 6 (イ)      ∃y(長y&耳ya)               ア&E
    ウ(ウ)         長b&耳ba                A
1  6 (エ)                 ∀z(~鼻za→~長z)  9&E
 2 6 (オ)                 ∀z(耳za→~鼻za)  ア&E
1  6 (カ)                    ~鼻ba→~長b   エUE
 2 6 (キ)                    耳ba→~鼻ba   オUE
    ウ(ク)            耳ba                ウ&E
 2 6ウ(ケ)                        ~鼻ba   キクMPP
12 6ウ(コ)                         ~長b   カケMPP
    ウ(サ)         長b                    ウ&E
12 6ウ(シ)         長b&~長b                コサ&I
12 6 (ス)         長b&~長b                イウシEE
123  (セ)         長b&~長b                36スEE
12   (ソ)~∃x(兎x&象x)                     36セRAA
12   (タ)∀x~(兎x&象x)                     ソ量化子の関係
12   (チ)  ~(兎a&象a)                     タUE
12   (ツ)  ~兎a∨~象a                      チ、ド・モルガンの法則
12   (テ)   兎a→~象a                      ツ含意の定義
12   (ト)∀x(兎x→~象x)                     テUI
従って、 (03)により、
(04)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない}。   然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyは長くて、xの耳であり、すべてのzについて、zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない}。従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎であるならば、xは象ではない。)
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(04)により、
(05)
(ⅰ)象は鼻長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、耳は鼻ではない。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
然るに、
(06)
1     (1)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&~(鼻xy&象y)→~長x} A
1     (2)  ∃y{(鼻ay&象y)→長a&~(鼻ay&象y)→~長a} 1UE
 3    (3)     (鼻ab&象b)→長a&~(鼻ab&象b)→~長a  A
  4   (4) ∃x∃y(鼻xy&兎y&~象y)               A
   5  (5)   ∃y(鼻ay&兎y&~象y)               A
    6 (6)      鼻ab&兎b&~象b                A
 3    (7)                 ~(鼻ab&象b)→~長a  3&E
     8(8)                  ~鼻ab∨~象b      A
     8(9)                 ~(鼻ab&象b)      8ド・モルガンの法則
 3   8(ア)                           ~長a  79MPP
 3    (イ)                (~鼻ab∨~象b)→~長a  8アCP
    6 (ウ)             ~象b                6&E
    6 (エ)        ~鼻ab∨~象b                ウ∨I
 3  6 (オ)                           ~長a  イエMPP
    6 (カ)      鼻ab&兎b                    6&E
 3  6 (キ)      鼻ab&兎b&~長a                オカ&I
 3  6 (ク)   ∃y(鼻ay&兎y&~長a)               キEI
 3 5  (ケ)   ∃y(鼻ay&兎y&~長a)               56クEE
 3 5  (コ) ∃x∃y(鼻xy&兎y&~長x)               ケEI
 34   (サ) ∃x∃y(鼻xy&兎y&~長x)               45コEE
1 4   (シ) ∃x∃y(鼻xy&兎y&~長x)               23サEE
従って、
(06)により、
(07)
(ⅰ)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&~(鼻xy&象y)→~長x}。然るに、
(ⅱ)∃x∃y(鼻xy&兎y&~象y)。従って、
(ⅲ)∃x∃y(鼻xy&兎y&~長x)。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxとあるyについて{(xがyの鼻であって、yが象である)ならば、xは長く、(そうでない場合)は、xは長くない}。然るに、
(ⅱ)  あるxとあるyについて( xはyの鼻であって、yは兎であって、象ではない)。従って、
(ⅲ)  あるxとあるyについて( xはyの鼻であって、yは兎であって、xは長くない)。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(07)により、
(08)
(ⅰ)象長い。然るに、
(ⅱ)ある兎の鼻は象の鼻ではない。従って、
(ⅲ)ある兎の鼻は長くない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(01)~(08)により、
(09)
① 象長い。
② 象長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zy→~長z)}。
② ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&~(鼻xy&象y)→~長x}。
といふ「述語論理」に、「翻訳」出来る。
従って、
(01)(09)により、
(10)
① 象長い。
② 象長い。
といふ「日本語」が、
① 象に関して言へば、鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 鼻に関して言へば、象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
といふ「意味」である。
といふ『直観』は、「述語論理」といふ「観点」からすれば、「正しい」。
従って、
(09)(10)により、
(11)
① 象長い。⇔ 象に関して言へば、鼻は長く、鼻以外は長くない。
② 象長い。⇔ 鼻に関して言へば、象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない。
といふ「解釈」は、
① 象は鼻が長い。⇔ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zy→~長z)}。
② 象の鼻が長い。⇔ ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&~(鼻xy&象y)→~長x}。
といふ「述語論理への翻訳」を行ふ上で、「役に立つ」。
従って、
(11)により、
(12)
① 象に関して言へば、鼻は長く、鼻以外は長くない
② 鼻に関して言へば、象の鼻は長く、象の鼻以外は長くない
といふ「解釈」を行ふことは、
① 象長い。
② 象長い。
といふ「日本語」の、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zy→~長z)}。
② ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&~(鼻xy&象y)→~長x}。
といふ「論理構造」を把握する上で、「役に立つ」。
然るに、
(13)
例へば、
1 無題化ということ
 象はが長い
このセンテンスから、題を底(base)とする名詞を機械的に作ることができます。
底とは名詞句の末尾の名詞のことです。
 が長い象
次に、傍線部の名詞を底とする名詞句を作ろうとすると、今度は、新しく助詞が現れてきます。
 象長い
さて、最初のセンテンスの中身(事柄、コト)は次のように書き表されます。
 象の鼻が長いコト
このコトから傍線の名詞を取り立てれば、つまり、題として提示するば、最初の、
 象は鼻が長い
に戻ります(山崎紀美子、日本語基礎講座、― 三上文法入門、2003年、62~65頁)。
といふことが、「確認」出来たとしても、
① 象長い。
② 象長い。
といふ「日本語」の、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zy→~長z)}。
② ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&~(鼻xy&象y)→~長x}。
といふ「論理構造」を把握することは、出来ない。
令和03年11月17日、毛利太。

2021年11月16日火曜日

「同一性」の「is」について。

(01)
1     (1)∃x∃y{Sx&哲x&Py&教xy&~∃z(教zy&z≠x)} A
 2    (2)  ∃y{Sa&哲a&Py&教ay&~∃z(教zy&z≠a)} A
  3   (3)     Sa&哲a&Pb&教ab&~∃z(教zb&z≠a)  A
  3   (4)                  ~∃z(教zb&z≠a)  3&E
  3   (5)                  ∀z~(教zb&z≠a)  4量化子の関係
  3   (6)                    ~(教cb&c≠a)  5UE
  3   (7)                     ~教cb∨c=a   6ド・モルガンの法則
  3   (8)                      教cb→ca   7含意の定義
   9  (9)  ∃z(Az&~Sz)                    A
    ア (ア)     Ac&~Sc                     A
    ア (イ)     Ac                         ア&E
    ア (ウ)        ~Sc                     ア&E
  3   (エ)     Sa                         3&E
  3 ア (オ)     Sa&~Sc                     ウエ&I
     カ(カ)      c=a                       A
  3 アカ(キ)     Sa&~Sa                     オカ=E
  3 ア (ク)      c≠a                       カキRAA
  3 ア (ケ)                      ~教cb       89MTT
  3   (コ)        Pb                      3&E
  3 ア (サ)     Ac&Pb                      イコ&I
  3 ア (シ)     Ac&Pb&~教cb                 ケサ&I
  3 ア (ス)  ∃y(Ac&Py&~教cy)                シEI
  39  (セ)  ∃y(Ac&Py&~教cy)                9アスEE
  39  (ソ)∃z∃y(Az&Py&~教zy)                セEI
 2 9  (タ)∃z∃y(Az&Py&~教zy)                23ソEE
1  9  (チ)∃z∃y(Az&Py&~教zy)                12タEE
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)∃x∃y{Sx&哲x&Py&教xy&~∃z(教zy&z≠x)}。然るに、
(ⅱ)  ∃z(Az&~Sz)。従って、
(ⅲ)∃z∃y(Az&Py&~教zy)。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)あるxとあるyについて{xはソクラテスであって、哲学者であって、yはプラトンであって、ある(x以外のzが、yを教へる)といふことはない}。然るに、
(ⅱ)         ある(zはアリストテレスであって、ソクラテスではない)。従って、
(ⅲ)あるzとあるyについて(zはアリストテレスであって、yはプラトンであって、zはyを教えない)。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)ソクラテスプラトンを教えた唯一の哲学者である。然るに、
(ⅱ)アリストテレスは、ソクラテスではない。従って、
(ⅲ)アリストテレスは、プラトンを教えなかった。
といふ「推論(三段論法)」は、「述語論理」としても、「妥当」である。
従って、
(03)により、
(04)
(ⅰ)Socrates is the only philosopher who taught Plato. 然るに、
(ⅱ)Aristotle is not Socrates. 従って、
(ⅲ)Aristotle did not teach Plato.
といふ「推論(三段論法)」は、「述語論理」としても、「妥当」である。
然るに、
(05)
さて定冠詞the)は、それが厳密に用いられるときには、一意性を内含している。
(勁草書房、現代哲学基本論文集Ⅰ、バートランド・ラッセル、指示について、1986年、53頁)
従って、
(04)(05)により、
(06)
定冠詞the)は、それ自体が、一意性(Uniquness)を内含しているが故に、
① Socrates is the only philosopher who taught Plato.
② Socrates is the   philosopher who taught Plato.
に於いて、
①=② である。
然るに、
(07)
① Socrates is the only philosopher who taught Plato.
といふことは、
① Socrates
The philosopher who taught Plato
に於いて、
①=② である。
といふことに、他ならない。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① Socrates is the philosopher who taught Plato.
といふことは、
① Socrates
② The philosopher who taught Plato
に於いて、
①=② である。
といふことを、「意味」してゐる。
然るに、
(09)
① Socrates is the philosopher who taught Plato.
といふことは、
② Socrates = the philosopher who taught Plato.
といふことに、他ならない。
然るに、
(10)
Consider the English setence below.
(1)Socrates is a philosopher.
(2)Paris is a city.
(3)Courage is a virtue.
(4)Socrates is the philosopher who taught Plato.
(5)Paris is the capital of France.
(6)Courage is the virtue I most admire.
Sentences(1)-(3)are simple subjects-predicate sentences; a particular objects(Socrates,Paris,courage)is said to have a certain property(being a philosopher,being a city,being a virtue). We accordingly call the 'is' in(1)-(3)the 'is' of predication. This use of 'is' must be contrasted with the 'is' in(4)-(6), where rather the sense is 'is' the same object as(with 'object' used in some broad neutral sense). This 'is' we distinguish as the 'is' of identity.
(E.J.Lemmon, Beginning Logic,1978/6/1,p160)
(1)-(3)の文は単純ば主語・述語文である、特定の対象(ソクラテス、パリ、勇気)がある性質(哲学者であること、都市であること、徳であること)をもつ、と言われるのである。従って、(1)-(3)における「である」のことを、述語の作用をする「である」('is' of predication)とよぶ。この「である」の用法は、(4)-(6)における「である」と比較対象される必要がある、ここではその意味はむしろ、「同じ対象である」(「対象」という語をある広い、中立的な意味に用いて)である。この「である」をわれわれは同一性の「である」('is' of identity)として区別する。
(E.J.レモン著、竹尾治一郎・浅野楢英 翻訳、論理学初歩、1973年、204頁)
従って、
(02)(03)(09)(10)により、
(11)
① Socrates is the philosopher who taught Plato.⇔
① ソクラテスプラトンを教えた唯一の哲学者である。⇔
① ∃x∃y{Sx&哲x&Py&教xy&∀z(教zy→zx)}。
といふことは、
② Socrates the philosopher who taught Plato.
といふことに他ならない、が故に、
① に於ける「is」を、「同一性の'is'」といふ。
令和03年11月16日、毛利太。

2021年11月15日月曜日

「日本は東京が首都である」の「述語論理」の「否定」。

(01)
(ⅰ)
1    (1)~∀x{日本x→∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)}  A
1    (2)∃x~{日本x→∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)}  1量化子の関係
 3   (3)  ~{日本a→∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)}  A
 3   (4)~{~日本a∨[∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)]} 3含意の定義
 3   (5)  日本a&~[∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)]  4ド・モルガンの法則
 3   (6)  日本a                               5&E
 3   (7)      ~[∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)]  5&E
 3   (8)      ~∃y(東京y&首都ya)∨~∀z(首都za→y=z)   7ド・モルガンの法則
 3   (9)       ∃y(東京y&首都ya)→~∀z(首都za→y=z)   8含意の定義
  ア  (ア)       ∃y(東京y&首都ya)                 A
 3ア  (イ)                    ~∀z(首都za→y=z)   9アMPP
 3ア  (ウ)                    ∃z~(首都za→y=z)   イ含意の定義
   エ (エ)                      ~(首都ca→y=c)   A
   エ (オ)                     ~(~首都ca∨y=c)   エ含意の定義
   エ (カ)                        首都ca&y≠c    オド・モルガンの法則
   エ (キ)                     ∃z(首都za&y≠z)   カEI
 3ア  (ク)                     ∃z(首都za&y≠z)   ウエキEE
 3   (ケ)        ∃y(東京y&首都ya)→∃z(首都za&y≠z)   アクCP
 3   (コ)   日本a&[∃y(東京y&首都ya)→∃z(首都za&y≠z)]  6ケ&I
 3   (サ)∃x{日本x&[∃y(東京y&首都yx)→∃z(首都zx&y≠z)]} コEI
1    (シ)∃x{日本x&[∃y(東京y&首都yx)→∃z(首都zx&y≠z)]} 23サEE
(ⅱ)
1     (1)∃x{日本x&[∃y(東京y&首都yx)→ ∃z(首都zx&y≠z)]} A
 2    (2)   日本a&[∃y(東京y&首都ya)→ ∃z(首都za&y≠z)]  A
 2    (3)   日本a                               2&E
 2    (4)       [∃y(東京y&首都ya)→ ∃z(首都za&y≠z)]  2&E
 2    (5)       ~∃y(東京y&首都ya)∨ ∃z(首都za&y≠z)   4含意の定義
  6   (6)       ~∃y(東京y&首都ya)                 A
  6   (7)       ~∃y(東京y&首都ya)∨~∀z(首都za→y=z)   6∨I
   8  (8)                      ∃z(首都za&y≠z)   A
    9 (9)                         首都ca&y≠c    A
     ア(ア)                      ∀z(首都za→y=z)   A
     ア(イ)                         首都ca→y=c    アUE
    9 (ウ)                         首都ca        9&E
    9ア(エ)                              y=c    イウMPP
    9 (オ)                              y≠c    9&E
    9ア(カ)                          y=c&y≠c    エオ&I
     ア(キ)                     ~∀x(首都za→y=z)   9カRAA
     ア(ク)       ~∃y(東京y&首都ya)∨~∀z(首都za→y=z)   キ∨I
 2    (ケ)       ~∃y(東京y&首都ya)∨~∀z(首都za→y=z)   567アク∨E
 2    (コ)       ~[∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)]  ケ、ド・モルガンの法則
 2    (サ)   日本a&~[∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)]  3コ&I
 2    (シ) ~{~日本a∨[∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)]} サ、ド・モルガンの法則
 2    (ス)   ~{日本a→∃y(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)}  シ含意の定義
 2    (セ) ∃x~{日本x→∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)}  スEI
1     (ソ) ∃x~{日本x→∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)}  12セEE
1     (タ) ~∀x{日本x→∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)}  ソ量化子の関係
従って、
(01)により、
(02)
① ~∀x{日本x→[∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)]}
② ∃x{日本x&[∃y(東京y&首都yx)→∃z(首都zx&y≠z)]}
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
① ~~∀x{日本x→[∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)]}
② ~∃x{日本x&[∃y(東京y&首都yx)→∃z(首都zx&y≠z)]}
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
「二重否定律(DN)」により、
①  ∀x{日本x→[∃y(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)]}
② ~∃x{日本x&[∃y(東京y&首都yx)→∃z(首都zx&y≠z)]}
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)により、
(05)
① すべてのxについて{xが日本であるならば、あるyは[(東京であって、xの首都であって)、すべてのzについて(zがxの首都であるならば、yはzと「同一」である)]}。
② {xは日本であって、あるyが(東京であって、xの首都である)ならば、あるzは(xの首都であるが、yとzは「同一」でない)}といふ、そのやうなxは存在しない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(05)により、
(06)
① 日本は、東京首都である。
② 東京以外が首都である所の、日本は存在しない
に於いて、
①=② である。
(07)
③ 東京以外は日本の首都ではない
の「対偶(Contraposition)」は、
③ 日本の首都は東京である。
である。
従って、
(06)(07)により、
(08)
① 日本は、東京首都である。
② 東京以外が首都である所の、日本は存在しない
③ 日本の首都は東京である。
に於いて、
①=②=③ である。
令和03年11月15日、毛利太。

「日本は東京が首都である」の「述語論理」と「同一性」。

(01)
(ⅰ)
1     (1)∀x{日本x→∃y[(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)]} A
 2    (2)∃z(大阪z&~東京z)                        A
1     (3)   日本a→∃y[(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)]  1UE
  4   (4)   日本a                              A
1 4   (5)       ∃y[(東京y&首都ya)&∀z(首都za→y=z)]  34MPP
   6  (6)          (東京b&首都ba)&∀z(首都za→b=z)]  A
   6  (7)           東京b&首都ba                 6&E
   6  (8)           東京b                      7&E
   6  (9)                     ∀z(首都za→b=z)   6&E
   6  (ア)                        首都ca→b=c    9UE
    イ (イ)   大阪c&~東京c                         A
    イ (ウ)   大阪c                              イ&E
    イ (エ)       ~東京c                         イ&E
   6イ (オ)   東京b&~東京c                         8エ&I
     カ(カ)          b=c                       A
   6イカ(キ)   東京b&~東京b                         オカ=E
   6イ (ク)          b≠c                       カキRAA
   6イ (ケ)                       ~首都ca        アクMTT
   6イ (コ)   大阪c&~首都ca                        ウケ&I
   6イ (サ)∃z(大阪z&~首都za)                       コEI
 2 6  (シ)∃z(大阪z&~首都za)                       2イサEE
124   (ス)∃z(大阪z&~首都za)                       56シEE
12    (セ)   日本a→∃z(大阪z&~首都za)                4スCP
12    (ソ)∀x{日本x→∃z(大阪z&~首都zx)}               セUI
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)∀x{日本x→∃y[(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→y=z)]}。然るに、
(ⅱ)∃z(大阪z&~東京z)。従って、
(ⅲ)∀x{日本x→∃z(大阪z&~首都zx)}。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが日本であるならば、あるyは[(東京であって、xの首都であって)、すべてのzについて(zがxの首都であるならば、yはzと「同一」である)]}。然るに、
(ⅱ)あるzは(大阪であって、東京ではない)。従って、
(ⅲ)すべてのxについて{xが日本であるならば、あるzは(大阪であって、xの首都ではない)。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)日本は、東京首都である。然るに、
(ⅱ)大阪は、東京ではない。  従って、
(ⅲ)日本は、大阪は首都ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(03)により、
(04)
(ⅰ)東京、日本の首都である。  然るに、
(ⅱ)大阪は、   東京ではない。 従って、
(ⅲ)日本の首都は、大阪はではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(05)
(ⅰ)日本の首都は、東京である。  然るに、
(ⅱ)大阪は、   東京ではない。 従って、
(ⅲ)日本の首都は、大阪はではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
① 日本は、東京首都である。
② 東京、日本の首都である。
③ 日本の首都は、東京である。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(06)により、
(07)
① 日本は、東京首都である。
② Tokyo is the capital of Japan.
③ The capital of Japan is Tokyo.
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(08)
Aids towards recognizing the 'is' of identity are:
(a)Can "is" be replaced by 'is the same object as'? ― if so, 'is' means identity, if not, not.
(b)Can the phrase flanking 'is' on both sides can be reversed preserving approximately the same sense? ― if so, 'is' is 'is' of identity, if not, not.
(E.J.Lemmon Beginning Logic 原文)
同一性の「である」識別するための助けとなることがらはつぎの通りである。
(a)「である」を「と同じ対象」であるによって置き換えることができるか ―― もしできるならば、その「である」は同一性の「である」である。もしできなければ、そうではない。
(b)「である」の両側にならぶ語句は、近似値的に同じ意味をたもちつつ入れ換えることができるか ―― もしできるならば、その「である」は同一性の「である」である。もしできなければ、そうではない。(E.J.レモン 著、竹内治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、205頁)
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
② 東京、日本の首都である。
③ 日本の首都は、東京である。
② Tokyo is the capital of Japan.
③ The capital of Japan is Tokyo.
に於いて、
② が(is the)~である。
は、「同一性(identity)」の「である(is)」である。
従って、
(09)により、
(10)
① AはBである。
② AがBである。
③ BはAである。
に於いて、
① を、② に「置き換へ」ることが出来、
② を、③ に「置き換へ」ることが出来る。
のであれば、そのときに限って、
① A=B
② A=B
③ B=A
である。
然るに、
(11)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。 と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(11)により、
(12)
① 私は理事長である。
② 私理事長である。
③ 理事長は私である。
に於いて、
① を、② に「置き換へ」ることが出来、
② を、③ に「置き換へ」ることが出来る。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
① 私=理事長
② 私=理事長
③ 理事長=私
である。
従って、
(13)により、
(14)
①「私」と「理事長」は「同一」である。
②「私」と「理事長」は「同一」である。
③「理事長」と「私」は「同一」である。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
① 私は理事長である。
② 私理事長である。
③ 理事長は私である。
に於いて、
① を、② に「置き換へ」ることが出来、
② を、③ に「置き換へ」ることが出来る。
のであれば、
① 私以外に理事長はゐない
② 私以外に理事長はゐない
③ 理事長以外は私ではない
従って、
(15)により、
(16)
① 私以外に理事長はゐない
② 私理事長である。
③ 理事長は私である。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(16)により、
(17)
① 東京首都である。
② 首都は東京である。
③ 東京以外は首都ではない。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(02)(17)により、
(18)
① 日本は東京首都である。
② 日本の首都は東京である。
③ 日本は東京以外は首都ではない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(02)(18)により、
(19)
① 日本は東京首都である。⇔
① ∀x{日本x→∃y[(東京y&首都yx)&∀z(首都zx→yz)]}。⇔
① すべてのxについて{xが日本であるならば、あるyは[(東京であって、xの首都であって)、すべてのzについて(zがxの首都であるならば、yはzと「同一」である)]}。
といふ「等式」が、成立する。
令和03年11月15日、毛利太。

2021年11月13日土曜日

「タゴール記念会は私が理事長です」の「述語論理」。

(01)
(ⅰ)
1  (1) P→ Q A
 2 (2)   ~Q A
  3(3) P    A
1 3(4)    Q 13MPP
123(5) ~Q&Q 24&I
12 (6)~P    35RAA
1  (7)~Q→~P 26CP
(ⅱ)
1  (1) ~Q→~P A
 2 (2)     P A
  3(3) ~Q    A
1 3(4)    ~P 13MPP
123(5)  P&~P 24&I
12 (6)~~Q    35RAA
12 (7)  Q    6DN
1  (8)  P→ Q 27CP
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)
1  (1)Pであるならば、Qである。仮定
 2 (2)        Qでない。仮定
  3(3)Pである。        仮定
1 3(4)        Qである。13肯定肯定式
123(5)Qでなくて、  Qである。14連言導入
12 (6)Pでない。        35背理法
1  (7)Qでないならば、Pでない。26条件法
(ⅱ)
1  (1)Qでないならば、Pでない。仮定
 2 (2)        Pである。仮定
  3(3)Qでない。        仮定
1 3(4)        Pでない。13肯定肯定式
123(5)Pであって、  Pでない。24連言導入
12 (6)Qでない。ではない。   35背理法
12 (7)Qである。        6二重否定
1  (8)Pであるならば、Qである。27条件法
従って、
(01)(02)により、
(03)
① Pであるならば、Qである。
② Qでないならば、Pでない。
に於いて、
①=② である(対偶)。
従って、
(03)により、
(04)
① PはQである。
② Q以外はPでない。
に於いて、
①=② である(対偶)。
従って、
(04)により、
(05)
① 大野は私です。
② 私以外は大野ではない
に於いて、
①=② である(対偶)。
然るに、
(06)
全国推定人口 約221,700人程度 推定人口順位 71位
(なまえさあち 名前さがすよ)
従って、
(05)(06)により、
(07)
①(全国的に、)大野は私です。
②(全国的に、)私以外は大野ではない
といふことは、有り得ない
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
①(今、ここにゐる中では、)大野は私です。
②(今、ここにゐる中では、)私以外は大野ではない
に於いて、
①=② である(対偶)。
然るに、
(09)
(3) 未知と既知
この組み合わせは次のような場合に現われる。
 私大野です。
これは、「大野さんはどちらですか」というような問いに対する答えとして使われる。
つまり文脈において、「大野」なる人物はすでに登場していて既知である。ところが、
それが実際にどの人物なのか、その帰属する先が未知である。
その未知の対象を「私」と表現して、それをで承けた。それゆえこの形は、
 大野は私です。
に置きかえてもほぼ同じ意味を表わすといえる(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、34頁)。
従って、
(08)(09)により、
(10)
①(今、ここにゐる中では、)私大野です。
②(今、ここにゐる中では、)大野は私です。
③(今、ここにゐる中では、)私以外は大野ではない
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(09)(10)により、
(11)
まず最初に、
③(今、ここにゐる中では、)私以外は大野ではない
といふ「事実」が有って、尚且つ、
③(今、ここにゐる中では、)私以外は大野ではない
といふことを、「伝へる必要」があるならば、その時には、
① 私大野です。
② 大野は私です。
といふ風に、言ふことになる。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
それが実際にどの人物なのか、その帰属する先が未知である。
その未知の対象を「私」と表現して、それをガで承けた。それゆえこの形は、
 大野は私です。
に置きかえてもほぼ同じ意味を表わすといえる。
といふ「説明」は、
①(今、ここにゐる中では、)私大野です。
②(今、ここにゐる中では、)大野は私です。
③(今、ここにゐる中では、)私以外は大野ではない
に於いて、
①=②=③ である。
といふ「事実」に依存する所の、「後付けの説明」に過ぎない。
従って、
(11)(12)により、
(13)
③(今、ここにゐる中では、)私以外は大野ではない
といふ「事実」が有ったとしても、
③(今、ここにゐる中では、)私以外は大野ではない
といふことを、「伝へる必要」が、全く無いにも拘はらず、
①(今、ここにゐる中では、)私大野です。
②(今、ここにゐる中では、)大野は私です。
と言ふのであれば、当然、「不自然」である。
然るに、
(14)
初めての家を訪問した場合に、
③(今、ここにゐる中では、)私以外は大野ではない
といふことを、「伝える必要」は、全く無い。
従って、
(13)(14)により、
(15)
たとえば、初めての家を訪問した場合に、「私は大野というものですが、御主人は御在宅でしょうか」という。
その場合、「私大野ですが・・・・・・」といえば、応対に出た人が怪訝な顔をする(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、25頁)。
といふことは、「当然」である。
従って、
(01)~(15)により、
(16)
①(今、ここにゐる中では、)私大野です。
②(今、ここにゐる中では、)大野は私です。
③(今、ここにゐる中では、)私以外は大野ではない
に於いて、
①=②=③ であるが故に、
③(今、ここにゐる中では、)私以外は大野ではない
といふ「事実」があって、尚且つ、
③ であることを、表明する「必要」があるならば、「私大野です(大野は私です)。」と言ひ、
③ であることを、表明する「必要」がないならば、「私は大野です。」と、言ふことなる。
従って、
(16)により、
(17)
(1) 既知(扱い)と未知(扱い)
(2) 既知(扱い)と既知(扱い)
(3) 未知(扱い)と既知(扱い)
(4) 未知(扱い)と未知(扱い)
はじめに既知がくる(1)と(2)では、既知(あるいは既知扱い)の下にという助詞を使う。また(3)と(4)では、既知(あるいは既知扱い)の下にという助詞を使う。
これが現代日本語の文の基本的な構造である(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、24頁)。
といふことには、ならない。
(18)
① 大野は私です。
と言ひたい場合に、
② 私大野です。
と言ひ、
③ 私は大野です。
とは言はないのであれば、
① 大野は私です。
② 私大野です。
③ 私は大野です。
に於いて、
①=② であるが、
①=③ ではない。
然るに、
(19)
① 大野は私です。
② 私大野です。
③ 私以外は大野ではない
に於いて、
①=③ は、「対偶」である。
従って、
(18)(19)により、
(20)
① 大野は私です。
と言ひたい場合に、
② 私大野です。
と言ふのであれば、必然的に、
① 大野は私です。
② 私大野です。
③ 私以外は大野ではない
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(21)
よく知られているように、「私理事長です」は語順を変え、
 理事長は、私です。 と直して初めて主辞賓辞が適用されるのである。また、かりに大倉氏が、
 タゴール記念会は、私理事長です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念会」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(20)(21)により、
(22)
① タゴール記念会は、理事長は私です。
② タゴール記念会は、私理事長です。
③ タゴール記念会は、私以外は理事長ではない
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(23)
1     (1)∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]} A
1     (2)   T会の会員a→∃y[私y&理事長ya&∀z(理事長za→y=z)]  1UE
 3    (3)   T会の会員a                             A
13    (4)          ∃y[私y&理事長ya&∀z(理事長za→y=z)]  23MPP
  5   (5)             私b&理事長ba&∀z(理事長za→b=z)   A
  5   (6)             私b&理事長ba                 5&E
  5   (7)                      ∀z(理事長za→b=z)   5&E
  5   (8)                         理事長ca→b=c    7UE
   9  (9)     ∃z(小倉z&~私z)                      A
    ア (ア)        小倉c&~私c                       A
    ア (イ)        小倉c                           ア&E
    ア (ウ)            ~私c                       ア&E
     エ(エ)               b=c                     A
    アエ(オ)            ~私b                       ウエ=E
  5   (カ)             私b                       6&E
  5 アエ(キ)            ~私b&私b                    オカ&I
  5 ア (ク)              b≠c                     エキRAA
  5 ア (ケ)                        ~理事長ca        8クMTT
  5 ア (コ)        小倉c&~理事長ca                    イケ&I
  5 ア (サ)     ∃z(小倉z&~理事長za)                   コEI
  59  (シ)     ∃z(小倉z&~理事長za)                   9アサEE
13 9  (ス)     ∃z(小倉z&~理事長za)                   45シEE
1  9  (セ)   T会の会員a→∃z(小倉z&~理事長za)              3スCP
1  9  (ソ)∀x{T会の会員x→∃z(小倉z&~理事長zx)}             セUI
従って、
(23)により、
(24)
(ⅰ)∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]}
(ⅱ)∃z(小倉z&~私z)
(ⅲ)∀x{T会の会員x→∃z(小倉z&~理事長zx)}
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xがタゴール記念会の会員であるならば、あるyは[私であって、理事長であって、すべてのzについて(zがxの理事長であるならば、yとzは「同一人物」である)]。}
(ⅱ)あるzは(小倉氏であって、zは私ではない。)
(ⅲ)すべてのxについて{xがタゴール記念会の会員であるならば、あるzは(小倉氏であって、zはxの理事長ではない)。}
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(22)(23)(24)により、
(25)
(ⅰ)タゴール記念会は、私理事長です。然るに、
(ⅱ)小倉氏は私ではない。従って、
(ⅲ)タゴール記念会は、小倉氏は理事長ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(21)~(25)により、
(26)
① タゴール記念会は、理事長は私です。
② タゴール記念会は、私理事長です。
③ タゴール記念会は、私以外は理事長ではない
④ ∀x{T会の会員x→∃y[私y&理事長yx&∀z(理事長zx→y=z)]}
⑤ すべてのxについて{xがタゴール記念会の会員であるならば、あるyは[私であって、理事長であって、すべてのzについて(zがxの理事長であるならば、yとzは「同一人物」である)]。}
に於いて、
①=②=③=④=⑤ である。
令和03年11月13日、毛利太。

2021年11月12日金曜日

「含意の定義・ド・モルガンの法則・パースの法則」

(01)
(ⅰ)
1 (1)  P→ Q  A
 2(2)  P&~Q  A
 2(3)  P     2&E
12(4)     Q  13MPP
 2(5)    ~Q  2&E
12(6)  Q&~Q  45&I
1 (7)~(P&~Q) 26RAA
(ⅱ)
1  (1)~(P&~Q)  A
 2 (2)  P      A
  3(3)    ~Q   A
 23(4)  P&~Q   23&I
123(5)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  14&I
12 (6)   ~~Q   35RAA
12 (7)     Q   6DN
1  (8)  P→ Q   27MPP
(02)
(ⅱ)
1   (1)  ~(P&~Q)  A
 2  (2) ~(~P∨ Q)  A
  3 (3)   ~P      A
  3 (4)   ~P∨ Q   3∨I
 23 (5) ~(~P∨ Q)&
         (~P∨ Q)  24&I
 2  (6)  ~~P      35RAA
 2  (7)    P      6DN
   8(8)       Q   A
   8(9)   ~P∨ Q   8∨I
 2 8(ア) ~(~P∨ Q)&
         (~P∨ Q)  29&I
 2  (イ)      ~Q   8アRAA
 2  (ウ)    P&~Q   7イ&I
12  (エ)  ~(P&~Q)&
          (P&~Q)  1ウ&I
1   (オ)~~(~P∨ Q)  2エRAA
1   (カ)   ~P∨ Q   オDN
(ⅲ)
1   (1)   ~P∨ Q   A
 2  (2)    P&~Q   A
  3 (3)   ~P      A
 2  (4)    P      2&E
 23 (5)   ~P&P    34&I
  3 (6)  ~(P&~Q)  35RAA
   7(7)       Q   A
 2  (8)      ~Q   2&E
 2 7(9)    Q&~Q   78&I
   7(ア)  ~(P&~Q)  29RAA
1   (イ)  ~(P&~Q)  1367ア∨E
従って、
(01)(02)により、
(03)
①   P→ Q
② ~(P&~Q)
③  ~P∨ Q
に於いて、すなはち、
①  Pならば、Qである。
②(PであってQでない)といふことはない。
③  Pでないか、または、Qである。
に於いて、
①=② であって、
②=③ である(ド・モルガンの法則)。
従って、
(03)により、
(04)
①   P→ Q
② ~(P&~Q)
③  ~P∨ Q
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(04)により、
(05)
①   P→ Q
② ~(P&~Q)
③  ~P∨ Q
に於いて、
①=② であって、
①=③ であって、
②=③ であるものの、
①=② を、「含意の定義(Ⅰ)」とし、
①=③ を、「含意の定義(Ⅱ)」とし、
②=③ を、「ド・モルガンの法則」とする。
然るに、
(06)
(ⅰ)
1  (1)   (P→ Q)→ P  A
1  (2) ~{(P→ Q)&~P} 1含意の定義(Ⅰ)
1  (3)~{~(P&~Q)&~P} 2含意の定義(Ⅰ)
1  (4)   (P&~Q)∨ P  3ド・モルガンの法則
 5 (5)    P&~Q      A
 5 (6)    P         5&E
  7(7)           P  A
1  (8)    P         15677∨E
   (9)  ((P→Q)→P)→P 18CP
(ⅱ)
1  (1)  (P→Q)→P    A
1  (2) ~(P→Q)∨P    1含意の定義(Ⅱ)
1  (3)~(~P∨Q)∨P    2含意の定義(Ⅱ)
 4 (4)~(~P∨Q)      A
 4 (5)  P&~Q       4ド・モルガンの法則
 4 (6)  P          5&E
  7(7)        P    A
1  (8)  P          14677∨E
   (9) ((P→Q)→P)→P 18CP
従って、
(06)により、
(07)
①((P→Q)→P)→P
②((P→Q)→P)→P
に於いて、
① は、「含意の定義(Ⅰ)&ド・モルガンの法則」によって、「恒真(トートロジー)」であって、
② は、「含意の定義(Ⅱ)&ド・モルガンの法則」によって、「恒真(トートロジー)」である。
然るに、
(08)
パースの法則
排中律や二重否定の除去と等価な命題のひとつで、変なものとして、パースの法則があります。
任意の命題P, Qについて、
((P→Q)→P)→P
が成り立つ
『「PならばQ」ならばP』ならばP
なんか、パズルのような命題ですね。
(排中律、二重否定の除去、パースの法則 - Qiita)
従って、
(07)(08)により、
(09)
①「パースの法則」は、「含意の定義(Ⅰ)&ド・モルガンの法則」によって、「恒真(トートロジー)」であって、
②「パースの法則」は、「含意の定義(Ⅱ)&ド・モルガンの法則」によって、「恒真(トートロジー)」である。
従って、
(03)(09)により、
(10)
①  Pならば、Qである。
②(PであってQでない)といふことはない。
③  Pでないか、または、Qである。
に於いて、
①=② であって、
②=③ である(ド・モルガンの法則)
が故に、
④((PならばQである)ならばP)ならばPである。
といふ「パースの法則」は、「恒真(トートロジー)」である。
然るに、
(11)
(ⅲ)
1  (1)   (P→~Q)→ P   A
1  (2) ~{(P→~Q)&~P}  1含意の定義(Ⅰ)
1  (3)~{~(P& Q)&~P}  2含意の定義(Ⅰ)
1  (4)   (P& Q)∨ P   3ド・モルガンの法則
 5 (5)    P& Q       A
 5 (6)    P          5&E
  7(7)           P   A
1  (8)    P          15677∨E
   (9)  ((P→~Q)→P)→P 18CP
(ⅳ)
1  (1)  (P→~Q)→P    A
1  (2) ~(P→~Q)∨P    1含意の定義(Ⅱ)
1  (3)~(~P∨~Q)∨P    2含意の定義(Ⅱ)
 4 (4)~(~P∨~Q)      A
 4 (5)   P& Q       4ド・モルガンの法則
 4 (6)   P          5&E
  7(7)         P    A
1  (8)   P          14677∨E
   (9) ((P→~Q)→P)→P 18CP
従って、
(06)(07)(11)により、
(12)
①((P→ Q)→P)→P
②((P→ Q)→P)→P
だけでなく、
③((P→~Q)→P)→P
④((P→~Q)→P)→P
に於いて、
③ は、「含意の定義(Ⅰ)&ド・モルガンの法則」によって、「恒真(トートロジー)」であって、
④ は、「含意の定義(Ⅱ)&ド・モルガンの法則」によって、「恒真(トートロジー)」である。
従って、
(09)~(12)により、
(13)
④((PならばQである)ならばP)ならばPである。
⑤((PならばQでない)ならばP)ならばPである。
は、両方とも、「パースの法則」であって、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(13)により、
(14)
④((PならばQの真偽に)拘はらず、P)ならばPである。
は、「パースの法則」であって。「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(10)(14)により、
(15)
①  Pならば、Qである。
②(PであってQでない)といふことはない。
③  Pでないか、または、Qである。
に於いて、
①=② であって、
②=③ である(ド・モルガンの法則)
が故に、
④((PならばQの真偽に)拘はらず、P)ならばPである。
といふ「パースの法則」は、「恒真(トートロジー)」である。
然るに、
(16)
①   Pならば、Qである。
② (PであってQでない)といふことはない。
③   Pでないか、または、Qである。
④((PならばQの真偽に)拘はらず、P)ならばPである。
に於いて、
①=②=③ であることは、「当然」であり、
④ が「真」であることも、「当然」である。
従って、
(08)(16)により、
(17)
パースの法則
排中律や二重否定の除去と等価な命題のひとつで、変なものとして、パースの法則があります。
とは言ふものの、「パースの法則」は、少しも、「変なもの」ではない。
然るに、
(18)
パースの法則が、「排中律や二重否定の除去」と等価である。
といふ「言ひ方」に関しては、私には、理解できない。
令和03年11月12日、毛利太。

2021年11月11日木曜日

「ある恒真式(名前はまだ無い)」。

(01)
(ⅰ)
1  (1) P&(Q∨R)    A
1  (2) P          1&E
1  (3)    Q∨R     A
 4 (4)    Q       A
14 (5) P&Q        23&I
14 (6)(P&Q)∨(P&R) 5∨I
  7(7)      R     A
1 7(8)       P&R  27&I
1 7(9)(P&Q)∨(P&R) 8∨I
1  (ア)(P&Q)∨(P&R) 14679∨E
(ⅱ)
  1  (1)(P&Q)∨(P&R) A
 2 (2) P&Q        A
 2 (3) P          2&E
 2 (4)   Q        2&E
 2 (5)   Q∨R      4∨I
 2 (6)P&(Q∨R)     35&I
  7(7)       P&R  A
  7(8)       P    7&E
  7(9)         R  7&E
  7(ア)       Q∨R  9∨I
  7(イ)    P&(Q∨R) 8ア&I
1  (ウ)P&(Q∨R)     1267イ∨E
従って、
(01)により、
(02)
① P&(Q∨R)
②(P&Q)∨(P&R)
に於いて、
①=② である(分配の法則)。
従って、
(02)により、
(03)
① P&(Q∨R)
②(P&Q)∨(P&R)
に於いて、
① P=Q
② P=Q
といふ「代入(Substitution)」を行ふと、
① P&(P∨R)
②(P&P)∨(P&R)
に於いて、
①=② である(分配の法則)。
然るに、
(04)
(ⅱ)
1  (1)(P&P)∨(P&R) A
 2 (2) P&P        A
 2 (3) P          2冪等律
 2 (4) P∨(P&R)    3∨I
  5(5)       P&R  A
  5(6)    P∨(P&R) 5∨I
1  (7) P∨(P&R)    12456∨E
(ⅲ)
1  (1) P∨(P&R)    A
 2 (2) P          A
 2 (3) P&P        2冪等律
 2 (4)(P&P)∨(P&R) 3∨I
  5(5)    P&R     A
  5(6)    P       5&E
  5(7)    P&P     6冪等律
  5(8)(P&P)∨(P&R) 7∨I
1  (9)(P&P)∨(P&R) 12458∨E
従って、
(04)により、
(05)
②(P&P)∨(P&R)
③ P∨(P&R)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
① P&(P∨R)
②(P&P)∨(P&R)
③ P∨(P&R)
に於いて、
①=② である(分配の法則)。
②=③ である(冪等律)。
従って、
(06)により、
(07)
① P&(P∨R)
②(P&P)∨(P&R)
③ P∨(P&R)
に於いて、
①=②=③ である(分配の法則・冪等律)。
然るに、
(08)
(ⅰ)
1  (1)P&(P∨R) A
1  (2)P       1&E
1  (3)   P∨R  A
 4 (4)   P    A
 4 (5)P∨(P&R) 4∨I
  6(6)     R  A
1 6(7)   P&R  26&I
1 6(8)P∨(P&R) 7∨I
1  (9)P∨(P&R) 34568∨E
(ⅱ)
1  (1)P∨(P&R) A
 2 (2)P       A
 2 (3)P∨R      2∨I
 2 (4)P&(P∨R) 23&I
  5(5)   P&R  A
  5(6)   P    5&E
  5(7)   P∨R  6∨I
  5(8)P&(P∨R) 67&I
1  (9)P&(P∨R) 12458∨E
従って、
(08)により、
(09)
「分配法則・冪等律」によらずとも、いづれにせよ、
① P&(P∨R)
② P∨(P&R)
に於いて、すなはち、
① Pであって(Pであるか、または、Rである)。
② Pであるか、または(Pであって、Rである)。
に於いて、
①=② である。
従って、
(09)により、
(10)
P&(P∨R)⇔ P∨(P&R)
であって、尚且つ、「&と∨」が「逆」になる所の、
P&(P∨R)⇔ P∨(P&R)
といふ「等式(恒真式)」には、いかにも、それらしい「名前」が付いてゐさうであるが、ネットで調べる限り、
P&(P∨R)⇔ P∨(P&R)
といふ「等式(恒真式)」に、「分配法則・冪等律」のやうな「名前」は、特に、無い。
令和03年11月11日、毛利太。

2021年11月10日水曜日

「パースの法則」と「同値の式」。

(01)
(ⅰ)
1  (1)P&(P∨~Q) A
1  (2)P        1&E
1  (3)P∨(P&~Q) 2∨I
1  (4)   P∨~Q  1&E
 5 (5)   ~Q    A
 5 (6)   P&~Q  25&I
 5 (7)P∨(P&~Q) 6∨I
  8(8)      P  A
  8(9)P∨(P&~Q) 8∨I
1  (ア)P∨(P&~Q) 45789∨I
(ⅱ)
1  (1)P∨(P&~Q) A
 2 (2)P        A
 2 (3)   P∨~Q  2∨I
 2 (4)P&(P∨~Q) 23&I
  5(5)   P&~Q  A
  5(6)   P     5&E
  5(7)   P∨~Q  6∨I
  5(8)P&(P∨~Q) 67&I
1  (9)P&(P∨~Q) 12458∨E
従って、
(01)により、
(02)
① P&(P∨~Q)
② P∨(P&~Q)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
(ⅱ)
1        (1)P∨(P&~Q)      A
 2       (2)P             A
 2       (3) ~(P→ Q)∨P    2∨I
  4      (4)   P&~Q       A
   5     (5)   P→ Q       A
  4      (6)   P          4&E
  45     (7)      Q       56MPP
  4      (8)     ~Q       4&E
  45     (9)   Q&~Q       78&I
  4      (ア) ~(P→ Q)      59RAA
  4      (イ) ~(P→ Q)∨P    ア∨I
1        (ウ) ~(P→ Q)∨P    1234イ∨E
    エ    (エ)  (P→Q)&~P    A
     オ   (オ) ~(P→Q)       A
    エ    (カ)  (P→Q)       エ&E
    エオ   (キ) ~(P→Q)&(P→Q) オカ&I
     オ   (ク)~{(P→Q)&~P}   エキRAA
      ケ  (ケ)         P    A
    エ    (コ)        ~P    エ&E
    エ ケ  (サ)      P&~P    ケコ&I
      ケ  (シ)~{(P→Q)&~P}   エサRAA
1        (ス)~{(P→Q)&~P}   1オクケシ∨E
       セ (セ)  (P→Q)       A
        ソ(ソ)        ~P    A
       セソ(タ)  (P→Q)&~P    セソ&I
1      セソ(チ)~{(P→Q)&~P}&
             {(P→Q)&~P}   スタ&I
1      セ (ツ)       ~~P    ソチRAA
1      セ (テ)         P    ツDN
1        (ト)   (P→Q)→P    セテCP
(ⅲ)
1       (1)    (P→Q)→P   A
 2      (2) ~{~(P→Q)∨P}  A
  3     (3)   ~(P→Q)     A
  3     (4)   ~(P→Q)∨P   3∨I
 23     (5) ~{~(P→Q)∨P}&
             {~(P→Q)∨P}  24&I
 2      (6)  ~~(P→Q)     35RAA
 2      (7)    (P→Q)     6DN
12      (8)          P   17MPP
12      (9)   ~(P→Q)∨P   8∨I
12      (ア) ~{~(P→Q)∨P}&
             {~(P→Q)∨P}  29&I
1       (イ)~~{~(P→Q)∨P}  2アRAA
1       (ウ)   ~(P→Q)∨P   イDN
   エ    (エ)   ~(P→Q)     A
    オ   (オ)  ~(P&~Q)     A
     カ  (カ)    P         A
      キ (キ)      ~Q      A
     カキ (ク)    P&~Q      カキ&I
    オカキ (ケ)  ~(P&~Q)&
              (P&~Q)     オク&I
    オカ  (コ)     ~~Q      キケRAA
    オカ  (サ)       Q      コDN
    オ   (シ)     P→Q      カサCP
   エオ   (ス)~(P→Q)&(P→Q)  エシ&I
   エ    (セ) ~~(P&~Q)     オスDN
   エ    (ソ)    P&~Q      セDN
   エ    (タ) P∨(P&~Q)     ソ∨I
       チ(チ)          P   A
       チ(ツ) P∨(P&~Q)     チ∨I
1       (テ) P∨(P&~Q)     ウエタチツ∨E
従って、
(03)により、
(04)
② P∨(P&~Q)
③ (P→Q)→P
に於いて、
②=③ である。
従って、
(02)(04)により、
(05)
① P&(P∨~Q)
② P∨(P&~Q)
③ (P→Q)→P
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(05)により、
(06)
①(P&(P∨~Q))→P
②(P∨(P&~Q))→P
③((P→Q)→P)→P
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(07)
命題計算では、パースの法則は((P→Q)→P)→P のことを言う。この意味するところを書き出すと、命題Pについて、命題Qが存在して、「PならばQ」からPが真であることが従うときには、Pは真でなければならないとなる。とりわけ、Qとして偽を選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる(ウィキペディア)。
従って、
(06)(07)により、
(08)
①(P&(P∨~Q))→P
②(P∨(P&~Q))→P
③((P→Q)→P)→P
に於いて、
①=②=③ であって、
③ は、「パースの法則」である。
然るに、
(09)
(ⅰ)
1(1) P&(P∨~Q)    A
1(2) P           1&E
 (3)(P&(P∨~Q))→P 12CP
(ⅱ)
1  (1) P∨(P&~Q)    A
 2 (2) P           A
  3(3)    P&~Q     A
  3(4)    P        3&E
1  (5) P           12234∨E
   (6)(P∨(P&~Q))→P 15CP
(ⅲ)
1  (1)  (P→Q)→P    A
1  (2) ~(P→Q)∨P    1含意の定義
 3 (3) ~(P→Q)      A
 3 (4)~(~P∨Q)      3含意の定義
 3 (5)  P&~Q       4ド・モルガンの法則
 3 (6)  P          5&E
  7(7)        P    A
1  (8)  P          13677∨E
   (9) ((P→Q)→P)→P 18CP
従って、
(08)(09)により、
(10)
①(P&(P∨~Q))→P
②(P∨(P&~Q))→P
③((P→Q)→P)→P
に於いて、
①=②=③ であって、
① は、「恒真式(トートロジー)」であって、
② は、「恒真式(トートロジー)」であって、
③ は、「恒真式(トートロジー)」であって、
③ は、「パースの法則」である。
(10)により、
(11)
① (Pであって(Pであるか、Qでない))ならば、Pである。
② (Pであるか(Pであって、Qでない))ならば、Pである。
③((Pであるならば、Qである)ならば、Pである)ならば、Pである。
に於いて、
①=②=③ であって、
① は、「恒真式(トートロジー)」であって、
② は、「恒真式(トートロジー)」であって、
③ は、「恒真式(トートロジー)」であって、
③ は、「パースの法則」である。
従って、
(11)により、
(12)
P=日本人である。
Q=男性である(女性でない)。
であるとして、
① (日本人であって(日本人であるか、女性である))ならば、日本人である。
② (日本人であるか(日本人であって、女性である))ならば、日本人である。
③((日本人であるならば、男性である)ならば、日本人である)ならば、日本人である。
に於いて、
①=②=③ であって、
① は、「恒真式(トートロジー)」であって、
② は、「恒真式(トートロジー)」であって、
③ は、「恒真式(トートロジー)」であって、
③ は、「パースの法則」である。
然るに、
(13)
(ⅰ)
1(1) P&(P∨Q)    A
1(2) P          1&E
 (3)(P&(P∨Q))→P 12CP
(ⅱ)
1  (1) P∨(P&Q)    A
 2 (2) P          A
  3(3)    P&Q     A
  3(4)    P       3&E
1  (5) P          12234∨E
   (6)(P∨(P&Q))→P 15CP
(ⅲ)
1  (1)  (P→~Q)→P    A
1  (2) ~(P→~Q)∨P    1含意の定義
 3 (3) ~(P→~Q)      A
 3 (4)~(~P∨~Q)      3含意の定義
 3 (5)  P&Q         4ド・モルガンの法則
 3 (6)  P           5&E
  7(7)        P     A
1  (8)  P           13677∨E
   (9) ((P→~Q)→P)→P 18CP
従って、
(10)(13)により、
(14)
① (P&(P∨Q))→P
② (P∨(P&Q))→P
③((P→~Q)→P)→P
に於いて、
①=②=③ であって、
① は、「恒真式(トートロジー)」であって、
② は、「恒真式(トートロジー)」であって、
③ は、「恒真式(トートロジー)」であって、
③ は、「パースの法則」である。
従って、
(10)(12)(14)により、
(15)
③((P→ Q)→P)→P
③((P→~Q)→P)→P
に於いて、すなはち、
③((日本人であるならば、男性である)ならば、日本人である)ならば、日本人である。
③((日本人であるならば、女性である)ならば、日本人である)ならば、日本人である。
に於いて、両方とも、
パースの法則である。
然るに、
(16)
③((日本人であるならば、男性である)ならば、日本人である)ならば、日本人である。
③((日本人であるならば、女性である)ならば、日本人である)ならば、日本人である。
といふことは、
③((日本人であるならば、男女を問わず)、日本人である)ならば、日本人である。
といふことに、他ならない。
従って、
(12)(16)により、
(17)
① (日本人であって(日本人であるか、女性である))ならば、日本人である。
② (日本人であるか(日本人であって、女性である))ならば、日本人である。
③((日本人であるならば、男女を問わず)、日本人である)ならば、日本人である。
に於いて、
①=②=③ であって、
① は、「恒真式(トートロジー)」であって、
② は、「恒真式(トートロジー)」であって、
③ は、「恒真式(トートロジー)」であって、
③ は、「パースの法則」である。
令和03年11月10日、毛利太。

2021年11月9日火曜日

『パースの法則』と「連言除去」。

―「昨日(令和03年11月08日)の記事」を補足します。―
(01)
「原始的規則(10 primitive rules)」並びに、
「含意の定義、ド・モルガンの法則、分配の法則、冪等律」を用ひて、次の「連式」を証明せよ。
(P→Q)→P┤├ P&(~Q∨P)
〔解答〕
(ⅰ)
1  (1)  (P→Q)→P    A
1  (2) (~P∨Q)→P    1含意の定義
1  (3)~(~P∨Q)∨P    2含意の定義
 2 (4)~(~P∨Q)      A
 2 (5)  P&~Q       4ド・モルガンの法則
 2 (6) (P&~Q)∨P    5∨I
  7(7)        P    A
  7(8) (P&~Q)∨P    7∨I
1  (9) (P&~Q)∨P    12678∨E
1  (ア)(P∨P)&(~Q∨P) 9分配法則
1  (イ) P∨P         ア&I
1  (ウ)   P         イ冪等律
1  (エ)      (~Q∨P) ア&E
1  (オ)    P&(~Q∨P) ウエ&I
(ⅱ)
1  (1)    P&(~Q∨P) A
1  (2)    P        1&E
1  (3)  P∨P        2冪等律
1  (4)      (~Q∨P) 1&E
1  (5)(P∨P)&(~Q∨P) 34&I
1  (6)   (P&~Q)∨P  5分配法則
 7 (7)   (P&~Q)    A
 7 (8)  ~(~P∨Q)    7ド・モルガンの法則
 7 (9)   ~(P→Q)    8含意の定義
 7 (ア)   ~(P→Q)∨P  9∨I
  イ(イ)          P  A
  イ(ウ)   ~(P→Q)∨P  イ∨I
1  (エ)   ~(P→Q)∨P  67アイウ∨E
1  (オ)    (P→Q)→P  エ含意の定義
(02)
「含意の定義、ド・モルガンの法則、分配の法則、冪等律」を用ひずに、
「原始的規則(10 primitive rules)」だけを用ひて、次の「連式」を証明せよ。
(ⅰ)
1       (1)   (P→ Q)→P   A
 2      (2)  ~(P&~Q)     A
  3     (3)    P         A
   4    (4)      ~Q      A
  34    (5)    P&~Q      34&I
 234    (6)  ~(P&~Q)&
              (P&~Q)     25&I
 23     (7)     ~~Q      46RAA
 23     (8)       Q      7DN
 2      (9)    P→ Q      38CP
12      (ア)          P   19MPP
1       (イ)  ~(P&~Q)→P   2アCP
    ウ   (ウ) ~{(P&~Q)∨P}  A
     エ  (エ)   (P&~Q)     A
     エ  (オ)   (P&~Q)∨P   エ∨I
    ウエ  (カ) ~{(P&~Q)∨P}&
             {(P&~Q)∨P}  ウオ&I
    ウ   (キ)  ~(P&~Q)     エカRAA
1   ウ   (ク)          P   イキMPP
1   ウ   (ケ)   (P&~Q)∨P   ク∨I
1   ウ   (コ) ~{(P&~Q)∨P}&
             {(P&~Q)∨P}  イケ&I
1       (サ)~~{(P&~Q)∨P}  ウコRAA
1       (シ)   (P&~Q)∨P   サDN
      ス (ス)   (P&~Q)     A
      ス (セ)    P         ス&E
      ス (ソ)      ~Q      セ&E
      ス (タ)      ~Q∨P    ソ∨I
      ス (チ)   P&(~Q∨P)   セタ&I
       ツ(ツ)          P   A
       ツ(テ)       ~Q∨P   ツ∨I
       ツ(ト)    P&(~Q∨P)  ツテ&I
1       (ナ)    P&(~Q∨P)  シスチツト∨E
(ⅱ)
1          (1)    P&(~Q∨P)  A
1          (2)    P         1&E
1          (3)       ~Q∨P   1&E
 4         (4)       ~Q     A
14         (5)    P&~Q      24&I
14         (6)   (P&~Q)∨P   5∨I
  7        (7)          P   A
  7        (8)   (P&~Q)∨P   7∨I
1          (9)   (P&~Q)∨P   14678∨E
   ア       (ア)   (P&~Q)     A
    イ      (イ)    P→ Q      A
   ア       (ウ)    P         ア&E
   アイ      (エ)       Q      イウMPP
   ア       (オ)      ~Q      ア&E
   アイ      (カ)    Q&~Q      エオ&I
   ア       (キ)  ~(P→ Q)     アカRAA
   ア       (ク)  ~(P→ Q)∨P   キ∨I
     ケ     (ケ)          P   A
     ケ     (コ)  ~(P→ Q)∨P   ケ∨I
1          (サ)  ~(P→ Q)∨P   1アクケコ∨E
      シ    (シ)   (P→Q)&~P   A
       ス   (ス)  ~(P→ Q)     A
      シ    (シ)   (P→Q)      シ&E
      シス   (セ)~(P→Q)&(P→Q)  スシ&I
       ス   (ソ) ~{(P→Q)&~P}  シセRAA
        タ  (タ)          P   A
      シ    (チ)         ~P   シ&E
      シ タ  (ツ)       P&~P   タチ&I
        タ  (テ) ~{(P→Q)&~P}  シツRAA
1          (ト) ~{(P→Q)&~P}  サスソタテ∨E
         ナ (ナ)   (P→Q)      A
          ニ(ニ)         ~P   A
         ナニ(ヌ)   (P→Q)&~P   ナニ&I
1        ナニ(ネ) ~{(P→Q)&~P}&
                {(P→Q)&~P}  トヌ&I
1        ナ (ノ)        ~~P   ニネRAA
1        ナ (ハ)          P   ノDN
1          (ヒ)   (P→Q)→P    ナハCP
従って、
(01)(02)により、
(03)
①(P→Q)→P
② P&(~Q∨P)
に於いて、
①=② であるが、この「等式」を、「定理α」とする。
従って、
(03)により、
(04)
(ⅰ)
1(1) (P→Q)→P    A
1(2)  P&(~Q∨P)  1定理α
1(3)  P         2連言除去
 (4)((P→Q)→P)→P 13CP
(ⅱ)
1(1) P&(~Q∨P)    A
1(2) P           1連言除去
 (3)(P&(~Q∨P))→P 12CP
従って、
(04)により、
(05)
連言除去」により、
①((P→Q)→P)→P
②(P&(~Q∨P))→P
といふ「論理式」は、両方とも、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
①((P→Q)→P)→P
②(P&(~Q∨P))→P
といふ「論理式」は、「恒真式(トートロジー)」であって、尚且つ、
①=② である。
従って、
(06)により、
(07)
①((PならばQ)ならばP)ならばPである。
②(Pであって(QでないかP))ならばPである。
といふ「日本語」は、「恒に真(トートロジー)」であって、尚且つ、
①=② である。
従って、
(07)により、
(08)
P=日本人
Q=男性
であるとして、
①((日本人ならば男性)ならば日本人)ならば日本人である。
②(日本人であって(男性でないか日本人))ならば日本人である。
といふ「日本語」は、「恒に真(トートロジー)」であって、尚且つ、
①=② である。
然るに、
(09)
パースの法則
排中律や二重否定の除去と等価な命題のひとつで、変なものとして、パースの法則があります。
任意の命題P, Qについて、
((P→Q)→P)→P
が成り立つ
『「PならばQ」ならばP』ならばP
なんか、パズルのような命題ですね。
(排中律、二重否定の除去、パースの法則 - Qiita)
従って、
(06)~(09)により、
(10)
① パースの法則
②(日本人であって(男性でないか日本人))ならば日本人である。
は、両方とも、「恒に真(トートロジー)」であって、尚且つ、
①=② である。
然るに、
(11)
②(日本人であって(男性でないか日本人))であって、外国人である。
といふことは、有り得ないが故に、
②(日本人であって(男性でないか日本人))ならば日本人である。
といふことは、「当然」である。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① パースの法則
②(日本人であって(男性でないか日本人))ならば日本人である。
は、両方とも、「恒に真(トートロジー)」であって、尚且つ、
①=② であって、尚且つ、
② は、明らかに、「真」である。
従って、
(12)により、
(13)
① パースの法則
も、当然、「真」である。
令和03年11月09日、毛利太。

2021年11月7日日曜日

『パースの法則』は「当然」である(其の?)。

(01)
「原始的規則(10 primitive rules)」だけを用ひて、次の「連式」を証明せよ。
(P&~Q)∨P┤├(P→Q)→P
〔解答〕
(ⅰ)
1        (1)  (P&~Q)∨P  A
 2       (2)   P&~Q     A
  3      (3)   P→ Q     A
 2       (4)   P        2&E
 23      (5)      Q     34MPP
 2       (6)     ~Q     2&E
 23      (7)   Q&~Q     56&I
 2       (8) ~(P→ Q)    37RAA
 2       (9) ~(P→ Q)∨P  2∨I
   ア     (ア)         P  A
   ア     (イ) ~(P→ Q)∨P  ア∨I
1        (ウ) ~(P→ Q)∨P  129アイ∨E
    エ    (エ)  (P→Q)&~P  A
     オ   (オ) ~(P→Q)     A
    エ    (カ)  (P→Q)     エ&E
    エオ   (キ) ~(P→Q)&
              (P→Q)     オカ&I
     オ   (ク)~{(P→Q)&~P} エキRAA
      ケ  (ケ)         P  A
    エ    (コ)        ~P  エ&E
    エ ケ  (サ)      P&~P  ケコ&I
      ケ  (シ)~{(P→Q)&~P} エサRAA
1        (ス)~{(P→Q)&~P} ウオクケシ∨E
       セ (セ)  (P→Q)     A
        ソ(ソ)        ~P  A
       セソ(タ)  (P→Q)&~P  セソ&I
1      セソ(チ)~{(P→Q)&~P}&
             {(P→Q)&~P} スタ&I
1      セ (ツ)       ~~P  ソチRAA
1      セ (テ)         P  ツDN
1        (ト)  (P→Q)→ P  セテCP
(ⅱ)
1     (1)   (P→ Q)→P   A
 2    (2)  ~(P&~Q)     A
  3   (3)    P         A
   4  (4)      ~Q      A
  34  (5)    P&~Q      34&I
 234  (6)  ~(P&~Q)&
            (P&~Q)     25&I
 23   (7)     ~~Q      46RAA
 23   (8)       Q      7DN
 2    (9)    P→ Q      38CP
12    (ア)          P   19MPP
1     (イ)  ~(P&~Q)→P   2アCP
    ウ (ウ) ~{(P&~Q)∨P}  A
     エ(エ)   (P&~Q)     A
     エ(オ)   (P&~Q)∨P   エ∨I
    ウエ(カ) ~{(P&~Q)∨P}&
           {(P&~Q)∨P}  ウオ&I
    ウ (キ)  ~(P&~Q)     エカRAA
1   ウ (ク)          P   イキMPP
1   ウ (ケ)   (P&~Q)∨P   ク∨I
1   ウ (コ) ~{(P&~Q)∨P}&
           {(P&~Q)∨P}  イケ&I
1     (サ)~~{(P&~Q)∨P}  ウコRAA
1     (シ)   (P&~Q)∨P   サDN
(02)
「原始的規則(10 primitive rules)」、並びに「ド・モルガンの法則含意の定義」を用ひて、次の「連式」を証明せよ。
(P&~Q)∨P┤├(P→Q)→P
〔解答〕
(ⅰ)
1  (1)  (P&~Q)∨P A
 2 (2)  (P&~Q)   A
 2 (3)~(~P∨ Q)   2ド・モルガンの法則
 2 (4) ~(P→ Q)   3含意の定義
 2 (5) ~(P→ Q)∨P 4∨I
  6(6)         P A
  6(7) ~(P→ Q)∨P 6∨I
1  (8) ~(P→ Q)∨P 12567∨E
1  (9)  (P→ Q)→P 8含意の定義
(ⅱ)
1  (1)  (P→ Q)→P A
1  (2) ~(P→ Q)∨P 1含意の定義
 3 (3) ~(P→ Q)   A
 3 (4)~(~P∨ Q)   3含意の定義
 3 (5)  (P&~Q)   4ド・モルガンの法則
 3 (6)  (P&~Q)∨P 5∨I
  7(7)         P A
  7(8)  (P&~Q)∨P 7∨I
1  (9)  (P&~Q)∨P 23678∨E
従って、
(01)(02)により、
(03)
「記号」で書くと、
①(P&~Q)∨P
②(P→ Q)→P
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04)
「日本語」で言ふと、
①(Pであって、Qでない)か、または、Pである。
②(Pならば、 Q)ならば、Pである。
に於いて、
①=② である。
従って、
(04)により、
(05)
P=日本人
Q=男性
であるとして、
①(日本人であって、男性でない)か、または、日本人である。
②(日本人ならば、 男性)ならば、日本人である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
①(日本人であって、男性でない)か、または、日本人である。
といふのであれば、当然、
① 日本人である。
従って、
(05)(06)により、
(07)
①(Pであって、Qでない)か、または、Pである。
といふのであれば、当然、
①  Pである。
従って、
(04)(07)により、
(08)
①(Pであって、Qでない)か、または、Pである。
②(Pならば、 Q)ならば、Pである。
に於いて、
①=② であるが故に、当然、
① ならば、Pであり、
② ならば、Pである。
従って、
(08)により、
(09)
①((Pであって、Qでない)か、または、Pである)ならば、Pである。
②((Pならば、 Q)ならば、Pである)ならば、Pである。
従って、
(03)(09)により、
(10)
「記号」で書くと、
①((P&~Q)∨P)→P
②((P→ Q)→P)→P
に於いて、
①=② である。
然るに、
(11)
(ⅰ)
1  (1) (P&~Q)∨P    A
 2 (2)  P&~Q       A
 2 (3)  P          2&E
  4(4)        P    A
1  (5)  P          12344∨E
   (6)((P&~Q)∨P)→P 15CP
(ⅱ)
1  (1)  (P→Q)→P   A
1  (2) ~(P→Q)∨P   1含意の定義
 3 (3) ~(P→Q)     A
 3 (4)~(~P∨Q)     3含意の定義
 3 (5)  P&~Q      4ド・モルガンの法則
 3 (6)  P         5&E
  7(7)        P   A
1  (8)  P         23677∨E
   (9)((P→Q)→P)→P 18CP
従って、
(10)(11)により、
(12)
①((P&~Q)∨P)→P
②((P→ Q)→P)→P
に於いて、
① は「恒真式(トートロジー)」であって、
② も「恒真式(トートロジー)」であって、尚且つ、
①=② である。
然るに、
(13)
命題計算では、パースの法則は((P→Q)→P)→P のことを言う。この意味するところを書き出すと、命題Pについて、命題Qが存在して、「PならばQ」からPが真であることが従うときには、Pは真でなければならないとなる。とりわけ、Qとして偽を選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる(ウィキペディア)。
従って、
(09)~(13)により、
(14)
①((P&~Q)∨P)→P
②((P→ Q)→P)→P
①((Pであって、Qでない)か、または、Pである)ならば、Pである。
②((Pならば、 Q)ならば、Pである)ならば、Pである。
に於いて、
①=② であって、
② は、『パースの法則』である。
然るに、
(15)
①((P&~Q)∨P)→P
①((Pであって、Qでない)か、または、Pである)ならば、Pである。
といふ「命題」が、
命題Pについて、命題Qが存在して、「PならばQ」からPが真であることが従うときには、Pは真でなければならないとなる。
とりわけ、Qとして偽を選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる(ウィキペディア)。
といふ「意味」であるとは、私には、到底、思へない。
従って、
(14)(15)により、
(16)
とりわけ、Qとして偽を選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる(ウィキペディア)。
といふ「説明」が、
②((P→Q)→P)→P
②((Pならば、Q)ならば、Pである)ならば、Pである。
といふ『パースの法則』の「説明」になってゐるとは、私には、思へない。
令和03年11月07日、毛利太。

2021年11月6日土曜日

「量化子の関係」と「ド・モルガンの法則」。

(01)
(ⅰ)
1  (1)  ~∀x(Fx)  A
 2 (2) ~∃x(~Fx)  A
  3(3)     ~Fa   A
  3(4)  ∃x(~Fx)  3EI
 23(5) ~∃x(~Fx)&
        ∃x(~Fx)  24&I
 2 (6)    ~~Fa   35RAA
 2 (7)      Fa   6DN
 2 (8)   ∀x(Fx)  7UI
12 (9)  ~∀x(Fx)&
         ∀x(Fx)  19&I
1  (ア)~~∃x(~Fx)  29RAA
1  (イ)  ∃x(~Fx)  アDN
(ⅱ)
1  (1)  ∃x(~Fx)  A
 2 (2)   ∀x(Fx)  A
  3(3)     ~Fa   A
 2 (4)      Fa   3UE
 23(5)  ~Fa&Fa   34&I
  3(6)  ~∀x(Fx)  25RAA
1  (7)  ~∀x(Fx)  136EE
従って、
(01)により、
(02)
① ~∀x(Fx)
② ∃x(~Fx)
に於いて、
①=② である(量化子の関係)。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1    (1)   ~(Fa& Fb& Fc)  A
 2   (2) ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)  A
  3  (3)   ~Fa           A
  3  (4)   ~Fa∨~Fb       3∨I
  3  (5)   ~Fa∨~Fb∨~Fc   4∨I
 23  (6) ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)&
          (~Fa∨~Fb∨~Fc)  25&I
 2   (7)  ~~Fa           26RAA
 2   (8)    Fa           7DN
   9 (9)       ~Fb       A
   9 (ア)   ~Fa∨~Fb       9∨I
   9 (イ)   ~Fa∨~Fb∨~Fc   ア∨I
 2 9 (ウ) ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)&
          (~Fa∨~Fb∨~Fc)  2イ&I
 2   (エ)      ~~Fb       9ウRAA
 2   (オ)        Fb       エDN
    カ(カ)           ~Fc   A
    カ(キ)       ~Fb∨~Fc   カ∨I
    カ(ク)   ~Fa∨~Fb∨~Fc   キ∨I
 2  カ(ケ) ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)&
          (~Fa∨~Fb∨~Fc)  2カ&I
 2   (コ)          ~~Fc   カケRAA
 2   (サ)            Fc   コDN
 2   (シ)    Fa& Fb&      8オ&I
 2   (ス)    Fa& Fb& Fc   サシ&I
12   (セ)  ~(Fa& Fb& Fc)&
           (Fa& Fb& Fc)  2ス&I
1    (ソ)~~(~Fa∨~Fb∨~Fc)  2セRAA
1    (タ)   ~Fa∨~Fb∨~Fc   ソDN
(ⅱ)
1     (1)   ~Fa∨~Fb∨ ~Fc   A
 2    (2)    Fa& Fb&  Fc   A
1     (3)  (~Fa∨~Fb)∨~Fc   1結合法則
 2    (4)   (Fa& Fb)& Fc   2結合法則
  5   (5)   ~Fa∨~Fb        A
 2    (6)    Fa& Fb        4&E
   7  (7)   ~Fa            A
 2    (8)    Fa            6&E
 2 7  (9)   ~Fa&Fa         78&I
   7  (ア)  ~(Fa& Fb&  Fc)  29RAA
    イ (イ)       ~Fb        A
 2    (ウ)        Fb        6&E
 2  イ (エ)    ~Fb&Fb        イウ&I
    イ (オ)  ~(Fa& Fb&  Fc)  2エRAA
  5   (カ)  ~(Fa& Fb&  Fc)  57アイオ∨E
     キ(キ)            ~Fc   A
 2    (ク)             Fc   4&E
 2   キ(ケ)         ~Fc&Fc   キク&I
     キ(コ)  ~(Fa& Fb&  Fc)  2ケRAA
1     (サ)  ~(Fa& Fb&  Fc)  35カキコ∨E
従って、
(03)により、
(04)
① ~(Fa& Fb& Fc)
②  ~Fa∨~Fb∨~Fc
に於いて、
①=② である(ド・モルガンの法則)。
然るに、
(05)
{すべてのx}≡{a、b、c}
であるとすると、
① ~∀x(Fx)      ≡(aがFであって、bもFであって、cもFである)といふことはない。
② ∃x(~Fx)      ≡ aはFでないか、bはFでないか、cはFでない。
① ~(Fa& Fb& Fc)≡(aがFであって、bもFであって、cもFである)といふことはない。
②  ~Fa∨~Fb∨~Fc ≡ aはFでないか、bはFでないか、cはFでない。
従って、
(05)により、
(06)
{すべてのx}≡{a、b、c}
であるとすると、
① ~∀x(Fx)≡~(Fa& Fb& Fc)
② ∃x(~Fx)≡  ~Fa∨~Fb∨~Fc
に於いて、
①=② である(量化子の関係ド・モルガンの法則)。
令和03年11月06日、毛利太。

2021年11月5日金曜日

「排中律・矛盾律・同一律」について。

(01)
排中律
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 ナビゲーションに移動検索に移動 排中律(はいちゅうりつ、英: Law of excluded middle、仏: Principe du tiers exclu)とは、論理学において、任意の命題 P に対し"~P∨P"(Pでないか、または Pである)が成り立つことを主張する法則である。これは、論理の古典的体系では基本的な属性であり、同一律、無矛盾律とともに、(古典的な)思考の三原則のひとつに数えられる。しかし、論理体系によっては若干異なる法則となっている場合もあり、場合によっては排中律が全く成り立たないこともある(例えば直観論理
従って、
(01)により、
(02)
「直観論理」の場合は、
①「排中律」は、必ずしも、「真」ではない。
従って、
(02)により、
(03)
「直観論理」の場合は、
①「排中律」の「否定」は、必ずしも、「」ではない
然るに、
(04)
(a)
1     (1)   ~P∨ P   A
 2    (2)    P&~P   A
  3   (3)   ~P      A
 2    (4)    P      2&E
 23   (5)   ~P& P   34&I
  3   (6)  ~(P&~P)  25RAA
   7  (7)       P   A
 2    (8)      ~P   2&E
 2 7  (9)    P&~P   78&I
   7  (ア)  ~(P&~P)  29RAA
1     (イ)  ~(P&~P)  1367ア∨E
    ウ (ウ)    P      A
     エ(エ)      ~P   A
    ウエ(オ)    P&~P   ウエ&I
1   ウエ(カ)  ~(P&~P)&
            (P&~P)  イオ&I
1   ウ (キ)     ~~P   エカRAA
1   ウ (ク)       P   キDN
1     (ケ)    P→ P   ウクCP
(b)
1    (1)    P→ P   A
 2   (2)    P&~P   A
 2   (3)    P      2&E
12   (4)       P   13MPP
 2   (5)      ~P   2&E
12   (6)    P&~P   45&I
1    (7)  ~(P&~P)  26RAA
  8  (8) ~(~P∨ P)  A
   9 (9)   ~P      A
   9 (ア)   ~P∨ P   9∨I
  89 (イ) ~(~P∨ P)&
          (~P∨ P)  8ア&I
  8  (ウ)  ~~P      9イDN
  8  (エ)    P      ウDN
    オ(オ)       P   A
    オ(カ)   ~P∨ P   オ∨I
  8 オ(キ) ~(~P∨ P)&
          (~P∨ P)  8カ&I
  8  (ク)      ~P   オキRAA
  8  (ケ)    P&~P   エク&I
1 8  (コ)  ~(P&~P)&
           (P&~P)  7ケ&I
1    (サ)~~(~P∨ P)  8コRAA
1    (シ)   ~P∨ P   サDN
(b)
従って、
(04)により、
(05)
①  ~P∨ P
② ~(P&~P)
③   P→ P
に於いて、
① ならば、② であり、② ならば、③ であり、
③ ならば、② であり、② ならば、① である。
従って、
(05)により、
(06)
①  ~P∨ P
② ~(P&~P)
③   P→ P
に於いて、
①=②=③ であるが、特に、
①=② は、「ド・モルガンの法則」である。
従って、
(06)により、
(07)
①  ~P∨ P
② ~(P&~P)
に於いて、
①=② であるため、
① ~(~P∨ P)
② ~~(P&~P)
に於いて、
①=② である。
従って、
(07)により、
(08)
「二重否定律(DN)」により、
① ~(~P∨ P)≡(Pでないか、または、Pである)といふわけではない。
②   (P&~P)≡(Pであって、Pでない)。
に於いて、
①=② である(ド・モルガンの法則)。
従って、
(08)により、
(09)
①「排中律」の「否定」
②「 矛盾 」
に於いて、
①=② である(ド・モルガンの法則)。
従って、
(03)(09)により、
(10)
「直観論理」の場合は、
①「排中律」の「否定」は、必ずしも、「偽」ではなく、尚且つ、
①「排中律」の「否定」は、「ド・モルガンの法則」により、
②「 矛盾 」に「等しい」。
従って、
(10)により、
(11)
「直観論理」の場合は、
②「矛盾(P&~P)」は、必ずしも、「ではない
然るに、
(12)
②「矛盾(Pであって、Pでない)」は、必ず、「であるに違ひない。
従って、
(01)~(12)により、
(13)
排中律が全く成り立たないこともある(例えば直観論理)。」
といふ「説明」が、私には、理解できない。
令和03年11月05日、毛利太。