2021年11月9日火曜日

『パースの法則』と「連言除去」。

―「昨日(令和03年11月08日)の記事」を補足します。―
(01)
「原始的規則(10 primitive rules)」並びに、
「含意の定義、ド・モルガンの法則、分配の法則、冪等律」を用ひて、次の「連式」を証明せよ。
(P→Q)→P┤├ P&(~Q∨P)
〔解答〕
(ⅰ)
1  (1)  (P→Q)→P    A
1  (2) (~P∨Q)→P    1含意の定義
1  (3)~(~P∨Q)∨P    2含意の定義
 2 (4)~(~P∨Q)      A
 2 (5)  P&~Q       4ド・モルガンの法則
 2 (6) (P&~Q)∨P    5∨I
  7(7)        P    A
  7(8) (P&~Q)∨P    7∨I
1  (9) (P&~Q)∨P    12678∨E
1  (ア)(P∨P)&(~Q∨P) 9分配法則
1  (イ) P∨P         ア&I
1  (ウ)   P         イ冪等律
1  (エ)      (~Q∨P) ア&E
1  (オ)    P&(~Q∨P) ウエ&I
(ⅱ)
1  (1)    P&(~Q∨P) A
1  (2)    P        1&E
1  (3)  P∨P        2冪等律
1  (4)      (~Q∨P) 1&E
1  (5)(P∨P)&(~Q∨P) 34&I
1  (6)   (P&~Q)∨P  5分配法則
 7 (7)   (P&~Q)    A
 7 (8)  ~(~P∨Q)    7ド・モルガンの法則
 7 (9)   ~(P→Q)    8含意の定義
 7 (ア)   ~(P→Q)∨P  9∨I
  イ(イ)          P  A
  イ(ウ)   ~(P→Q)∨P  イ∨I
1  (エ)   ~(P→Q)∨P  67アイウ∨E
1  (オ)    (P→Q)→P  エ含意の定義
(02)
「含意の定義、ド・モルガンの法則、分配の法則、冪等律」を用ひずに、
「原始的規則(10 primitive rules)」だけを用ひて、次の「連式」を証明せよ。
(ⅰ)
1       (1)   (P→ Q)→P   A
 2      (2)  ~(P&~Q)     A
  3     (3)    P         A
   4    (4)      ~Q      A
  34    (5)    P&~Q      34&I
 234    (6)  ~(P&~Q)&
              (P&~Q)     25&I
 23     (7)     ~~Q      46RAA
 23     (8)       Q      7DN
 2      (9)    P→ Q      38CP
12      (ア)          P   19MPP
1       (イ)  ~(P&~Q)→P   2アCP
    ウ   (ウ) ~{(P&~Q)∨P}  A
     エ  (エ)   (P&~Q)     A
     エ  (オ)   (P&~Q)∨P   エ∨I
    ウエ  (カ) ~{(P&~Q)∨P}&
             {(P&~Q)∨P}  ウオ&I
    ウ   (キ)  ~(P&~Q)     エカRAA
1   ウ   (ク)          P   イキMPP
1   ウ   (ケ)   (P&~Q)∨P   ク∨I
1   ウ   (コ) ~{(P&~Q)∨P}&
             {(P&~Q)∨P}  イケ&I
1       (サ)~~{(P&~Q)∨P}  ウコRAA
1       (シ)   (P&~Q)∨P   サDN
      ス (ス)   (P&~Q)     A
      ス (セ)    P         ス&E
      ス (ソ)      ~Q      セ&E
      ス (タ)      ~Q∨P    ソ∨I
      ス (チ)   P&(~Q∨P)   セタ&I
       ツ(ツ)          P   A
       ツ(テ)       ~Q∨P   ツ∨I
       ツ(ト)    P&(~Q∨P)  ツテ&I
1       (ナ)    P&(~Q∨P)  シスチツト∨E
(ⅱ)
1          (1)    P&(~Q∨P)  A
1          (2)    P         1&E
1          (3)       ~Q∨P   1&E
 4         (4)       ~Q     A
14         (5)    P&~Q      24&I
14         (6)   (P&~Q)∨P   5∨I
  7        (7)          P   A
  7        (8)   (P&~Q)∨P   7∨I
1          (9)   (P&~Q)∨P   14678∨E
   ア       (ア)   (P&~Q)     A
    イ      (イ)    P→ Q      A
   ア       (ウ)    P         ア&E
   アイ      (エ)       Q      イウMPP
   ア       (オ)      ~Q      ア&E
   アイ      (カ)    Q&~Q      エオ&I
   ア       (キ)  ~(P→ Q)     アカRAA
   ア       (ク)  ~(P→ Q)∨P   キ∨I
     ケ     (ケ)          P   A
     ケ     (コ)  ~(P→ Q)∨P   ケ∨I
1          (サ)  ~(P→ Q)∨P   1アクケコ∨E
      シ    (シ)   (P→Q)&~P   A
       ス   (ス)  ~(P→ Q)     A
      シ    (シ)   (P→Q)      シ&E
      シス   (セ)~(P→Q)&(P→Q)  スシ&I
       ス   (ソ) ~{(P→Q)&~P}  シセRAA
        タ  (タ)          P   A
      シ    (チ)         ~P   シ&E
      シ タ  (ツ)       P&~P   タチ&I
        タ  (テ) ~{(P→Q)&~P}  シツRAA
1          (ト) ~{(P→Q)&~P}  サスソタテ∨E
         ナ (ナ)   (P→Q)      A
          ニ(ニ)         ~P   A
         ナニ(ヌ)   (P→Q)&~P   ナニ&I
1        ナニ(ネ) ~{(P→Q)&~P}&
                {(P→Q)&~P}  トヌ&I
1        ナ (ノ)        ~~P   ニネRAA
1        ナ (ハ)          P   ノDN
1          (ヒ)   (P→Q)→P    ナハCP
従って、
(01)(02)により、
(03)
①(P→Q)→P
② P&(~Q∨P)
に於いて、
①=② であるが、この「等式」を、「定理α」とする。
従って、
(03)により、
(04)
(ⅰ)
1(1) (P→Q)→P    A
1(2)  P&(~Q∨P)  1定理α
1(3)  P         2連言除去
 (4)((P→Q)→P)→P 13CP
(ⅱ)
1(1) P&(~Q∨P)    A
1(2) P           1連言除去
 (3)(P&(~Q∨P))→P 12CP
従って、
(04)により、
(05)
連言除去」により、
①((P→Q)→P)→P
②(P&(~Q∨P))→P
といふ「論理式」は、両方とも、「恒真式(トートロジー)」である。
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
①((P→Q)→P)→P
②(P&(~Q∨P))→P
といふ「論理式」は、「恒真式(トートロジー)」であって、尚且つ、
①=② である。
従って、
(06)により、
(07)
①((PならばQ)ならばP)ならばPである。
②(Pであって(QでないかP))ならばPである。
といふ「日本語」は、「恒に真(トートロジー)」であって、尚且つ、
①=② である。
従って、
(07)により、
(08)
P=日本人
Q=男性
であるとして、
①((日本人ならば男性)ならば日本人)ならば日本人である。
②(日本人であって(男性でないか日本人))ならば日本人である。
といふ「日本語」は、「恒に真(トートロジー)」であって、尚且つ、
①=② である。
然るに、
(09)
パースの法則
排中律や二重否定の除去と等価な命題のひとつで、変なものとして、パースの法則があります。
任意の命題P, Qについて、
((P→Q)→P)→P
が成り立つ
『「PならばQ」ならばP』ならばP
なんか、パズルのような命題ですね。
(排中律、二重否定の除去、パースの法則 - Qiita)
従って、
(06)~(09)により、
(10)
① パースの法則
②(日本人であって(男性でないか日本人))ならば日本人である。
は、両方とも、「恒に真(トートロジー)」であって、尚且つ、
①=② である。
然るに、
(11)
②(日本人であって(男性でないか日本人))であって、外国人である。
といふことは、有り得ないが故に、
②(日本人であって(男性でないか日本人))ならば日本人である。
といふことは、「当然」である。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① パースの法則
②(日本人であって(男性でないか日本人))ならば日本人である。
は、両方とも、「恒に真(トートロジー)」であって、尚且つ、
①=② であって、尚且つ、
② は、明らかに、「真」である。
従って、
(12)により、
(13)
① パースの法則
も、当然、「真」である。
令和03年11月09日、毛利太。

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