2024年3月30日土曜日

∃x(Fx)├ ∃x∃y(Fx&Fy)!?

(01)
142 ∃x(Fx)├ ∃x∃y(Fx&Fy)
1 (1)  ∃x(Fx)    A
 2(2)     Fa     A
 2(3)     Fa&Fa  22&I
 2(4)  ∃y(Fa&Fy) 3EI
 2(5)∃x∃y(Fx&Fy) 4EI
1 (6)∃x∃y(Fx&Fy) 125EE
(この結果は事実上、強化して相互導出可能にすることができる。)この連式の妥当性から、
ひとつだけの対象がFを持っているならば、∃x∃y(Fx&Fy)ということが帰結する。
言い換えると、相異なる変数「x」と「y」を用いる場合に、そのことから、それに対応する異なった対象が存在する
ということは、帰結しないのである
(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英、1973年、210頁)。
然るに、
(02)
{xの変域}={a,b,c}
であるならば、
(ⅰ) ∃y(Fy)
(ⅱ)(Fa∨Fb∨Fc)
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ)である。
然るに、
(03)
「選言(∨)の真理表」により、
(ⅱ)(Fa∨Fb∨Fc)
といふ「論理式」は、
①(Fa      )∨
②(   Fb   )∨
③(      Fc)∨
④(Fa&Fb   )∨
⑤(Fa   &Fc)∨
⑥(   Fb&Fc)∨
⑦(Fa&Fb&Fc)
といふ「論理式」に「等しい」。
従って、
(02)(03)により、
(04)
{xの変域}={a,b,c}
であるならば、
∃y(Fy)は、
といふ「論理式」は、
①(Fa)
②   (Fb)
③      (Fc)
④(Fa&Fb   )
⑤(Fa   &Fc)
⑥(   Fb&Fc)
⑦(Fa&Fb&Fc)
といふ「7通りの内の、どれか1つ」である。
然るに、
(05)
「冪等律」により、
①(Fa)
②(Fb)
③(Fc)
といふ「3つの論理式」は、それぞれ、
①(Fa&Fa)
②(Fb&Fb)
③(Fc&Fc)
といふ「3つの論理式」に「等しい」。
従って、
(04)(05)により、
(06)
{xの変域}={a,b,c}
であるならば、
∃y(Fy)は、
といふ「論理式」は、
①(Fa&Fa)
②(Fb&Fb)
③(Fc&Fc)
④(   Fb&Fc)
⑤(Fa   &Fc)
⑥(Fa&Fb   )
⑦(Fa&Fb&Fc)
といふ「7通りの内の、どれか1つ」である。
然るに、
(07)
{xの変域}={a,b,c}
であるならば、
∃x{∃y(Fx&Fy)}=
{(Fx&Fa)∨(Fx&Fb)∨(Fx&Fc)}∨
{(Fx&Fa)∨(Fx&Fb)∨(Fx&Fc)}∨
{(Fx&Fa)∨(Fx&Fb)∨(Fx&Fc)}
であるため、
∃x{∃y(Fx&Fy)}=
{(Fa&Fa)∨(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨
{(Fb&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨
{(Fc&Fa)∨(Fc&Fb)∨(Fc&Fc)}
である。
然るに、
(08)
「交換法則」により、
①(Fa&Fb)
②(Fc&Fa)
③(Fa&Fc)
④(Fc&Fa)
⑤(Fb&Fc)
⑥(Fc&Fb)
に於いて、
①=④
②=⑤
③=⑥
従って、
(07)(08)により、
(09)
{xの変域}={a,b,c}
であるならば、
∃x{∃y(Fx&Fy)}=
{(Fa&Fa)∨(Fa&Fb) ∨(Fa&Fc)}∨
{(Fb&Fb)∨(Fb&Fc)}∨
{(Fc&Fc)}
である。
従って、
(09)により、
(10)
「交換法則・結合法則」により、
∃x{∃y(Fx&Fy)}=
{(Fa&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fc&Fc)}∨{(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)∨(Fb&Fc)}
である。
然るに、
(11)
1          (1){(Fa&Fa)∨(Fb&Fb) ∨(Fc&Fc)}∨{(Fa&Fb)∨(Fa&Fc) ∨(Fb&Fc)} A
 2         (2){(Fa&Fa)∨(Fb&Fb) ∨(Fc&Fc)}                            A
 2         (3){(Fa&Fa)∨(Fb&Fb)}∨(Fc&Fc)                             2結合法則
  4        (4){(Fa&Fa)∨(Fb&Fb)}                                     A
   5       (5) (Fa&Fa)                                              A
   5       (6)  Fa                                                  5&E
   5       (7)  Fa∨Fb                                               6∨I
   5       (8)  Fa∨Fb∨Fc                                            7∨I
    9      (9)         (Fb&Fb)                                      A
    9      (ア)          Fb                                          9&E
    9      (イ)       Fa∨Fb                                          ア∨I
    9      (ウ)       Fa∨Fb∨Fc                                       イ∨I
  4        (エ)       Fa∨Fb∨Fc                                       4589ウ∨E
     オ     (オ)                  (Fc&Fc)                             A
     オ     (カ)                   Fc                                 オ&E
      オ     (キ)                Fb∨Fc                                 カ∨I
     オ     (ク)             Fa∨Fb∨Fc                                 キ∨I
 2         (ケ)             Fa∨Fb∨Fc                                 24エオク∨E
      コ    (コ)                           {(Fa&Fb)∨(Fa&Fc) ∨(Fb&Fc)} A
      コ    (サ)                           {(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}∨(Fb&Fc)  コ結合法則
       シ   (シ)                           {(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)}          A
        ス  (ス)                             Fa&Fb                    A
        ス  (セ)                             Fa                       ス&E
        ス  (ソ)                             Fa∨Fb                    セ∨I
        ス  (タ)                             Fa∨Fb∨Fc                 ソ∨I
         チ (チ)                                     Fa&Fc            A
         チ (ツ)                                     Fa               チ&E
         チ (テ)                                     Fa∨Fb            ツ∨I
         チ (ト)                                     Fa∨Fb∨Fc         テ∨I
       シ   (ナ)                                     Fa∨Fb∨Fc         シスタチト∨E
          ニ(ニ)                                              (Fb&Fc) A
          ニ(ヌ)                                               Fb     ニ&E
          ニ(ネ)                                            Fa∨Fb     ヌ∨I
          ニ(ノ)                                            Fa∨Fb∨Fc  ネ∨I
      コ    (ハ)                             Fa∨Fb∨Fc                 コシナニノ∨E
1          (ヒ)  Fa∨Fb∨Fc                                            12ケコハ∨E
従って、
(11)により、
(12)
①{(Fa&Fa)∨(Fb&Fb)∨(Fc&Fc)}∨{(Fa&Fb)∨(Fa&Fc)∨(Fb&Fc)}
② (Fa∨Fb∨Fc)
に於いて、
①⇒② である。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
{xの変域}={a,b,c}
であるならば、
∃x{∃y(Fx&Fy)}
といふ「論理式」も、
①(Fa&Fa)
②(Fb&Fb)
③(Fc&Fc)
④(   Fb&Fc)
⑤(Fa   &Fc)
⑥(Fa&Fb   )
⑦(Fa&Fb&Fc)
といふ「7通りの内の、どれか1つ」である。
従って、
(06)(13)により、
(14)
{xの変域}={a,b,c}
であるならば、
∃y(Fy)
といふ「論理式」と、
∃x{∃y(Fx&Fy)}
といふ「論理式」は、両方とも
①(Fa&Fa)
②(Fb&Fb)
③(Fc&Fc)
④(   Fb&Fc)
⑤(Fa   &Fc)
⑥(Fa&Fb   )
⑦(Fa&Fb&Fc)
といふ「7通りの内の、どれか1つ」である。
従って、
(01)(14)により、
(15)
ひとつだけの対象が、性質Fを持っているならば、∃x{∃y(Fx&Fy)}ということが帰結する。
言い換えると、相異なる変数「x」と「y」を用いる場合に、そのことから、それに対応する異なった対象が存在する
ということは、帰結しないのである
(E.J.レモン著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英、1973年、210頁)。
といふ「説明」は、「正しい」。
令和6年3月30日、毛利太。

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