2013年12月11日水曜日

数学の括弧と、返り点の括弧。

(01)
「掛け算が先」であるため、「括弧」が無い場合は、
-2+3×4=
-2+12=
10
然るに、
(02)
-{(2+3)×4}=
-{5×4}=
-{20}=
-20
従って、
(03)
-{(2+3)×4}=-20
といふ「数式」は、
① 2+3=5
② 5×4=20
③ -1×20
④ -20
といふ「順番」で、「括弧の中が先」に、「計算」される。
従って、
(04)
-2+3×4=+10
ではなく、
-2+3×4=-20
であるならば、
-2+3×4=-20
に於いて、
 {(   )  }
といふ「括弧」が、「省略」されてゐる。
然るに、
(05)
不  為  劉氏  左袒 =
不{為(劉氏)左袒}⇒
{(劉氏)為左袒}不=
劉氏の為に左袒せ不(劉氏の為に左の片肌を脱がない)。
従って、
(06)
不{為(劉氏)左袒}=
劉氏の為に左袒せ不(劉氏の為に左の片肌を脱がない)。
といふ「漢文」は、
① 劉氏の
② 為に、
③ 左袒せ
④ 不。
といふ「順番」で、「括弧の中が先」に、「訓読」される。
従って、
(07)
不 為 劉氏 左袒。
といふ「漢文」が、
不 為 劉氏 左袒 =
劉氏の為に左の片肌を脱がない(劉氏に対して、味方をしない)。
といふ「意味」であるならば、
不 為 劉氏 左袒。 
に於いて、
   {   (       )      }
といふ「括弧」が、「省略」されてゐる。
従って、
(01)~(07)により、
(08)
「括弧の中が先」に、・・・・・。
といふ点に於いて、
-{(2+3)×4}
不{為(劉氏)左袒}
に於ける、
 { (  ) }
といふ「括弧」は、基本的に、「同じ括弧」である。
然るに、
(09)
訓読とは「文法構造の把握」であり、訓点はそうした施訓者の理解をそのまま示すものである(続訓読論、
川島優子 他、2010年、334頁)。
従って、
(05)(07)(09)により、
(10)
不 為 劉氏 左袒 = 劉氏に対して、味方をしない。
といふ「解釈」が、「誤り」ではなく、尚且つ、
訓読とは「文法構造の把握」である。
といふ「理解」が、「正しい」。のであれば、
「文法構造」として、
不  為  劉氏  左袒 =
不{為(劉氏)左袒}。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(10)により、
(11)
不  為  劉氏  左袒。
といふ「漢文」には、「目には見えない形」で、
不{為(劉氏)左袒}。
といふ「構造」が有る。といふことに、なる。
(12)
不 為 劉氏 左袒。
といふ「漢文」が、
   為 劉氏 左袒 =
「劉氏の為に左の片肌を脱ぐ(劉氏に対して、味方をする)」。
といふ「文の全体」を、「否定」してゐる。のであれば、
少なくとも、
不{為 劉氏 左袒}。
といふ「構造」は、有る。はずである。
従って、
(13)
「目には見えない形」を、「深層構造(deep structure )」と呼ぶならば、
不  為  劉氏  左袒。
といふ「漢文」には、
不{為(劉氏)左袒}。
といふ「深層構造(deep structure )」が有る。といふ、ことになる?
cf.
1.深層構造
 《 deep structure 》チョムスキーによって設定された変形生成文法理論の基本概念の一。現実の発話の基底にあって文の意味を規定すると想定され、表層構造よりいっそう抽象的な構
造。変形規則を適用することによって表層構造が導き出され、異 ...
 デジタル大辞泉
平成25年12月11日、毛利太。

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