(01)
① 敢勉 =葛藤が有っても、努力することを、 選択する。
② 敢不勉=葛藤が有っても、努力しないことを、選択する。
然るに、
(02)
① 敢勉 =葛藤が有っても、努力することを、選択する。
の「否定」は、
③ 不敢勉=葛藤が有っても、努力することを、選択しない。
然るに、
(03)
③ 不敢勉=葛藤が有っても、努力することを、選択しない。
といふことは、
③ 不敢勉=決して、努力することを、しない。
といふことに、他ならない。
(04)
② 敢不勉 =葛藤が有っても、努力しないことを、選択する。
の「否定」は、
④ 不敢不勉=葛藤が有っても、努力しないことを、選択する。といふことはない。
然るに、
(05)
④ 葛藤が有っても、努力しないことを、選択する。といふことはない。
といふことは、
④ 葛藤が有っても、必ず努力する。
といふことに、他ならない。
従って、
(05)により、
(06)
④ 喪事不敢不勉(論語、子罕、一六)。は、
④ 葬ひ事に際しては、どのやうな場合も、「必ず努力する」。
といふ、意味である。
然るに、
(07)
孔子がいうに「宮廷へ出ては、公卿に仕え、家庭にあっては、父兄に仕える。葬式のことがあればどうしても努力しないではいられない、できるだけ努力する(多久弘一、多久の漢文公式110、1988年、24頁)。
然るに、
(08)
「必ず努力する」=「どうしても努力しないではいられない、できるだけ努力する」
従って、
(09)
(06)と(07)に、「矛盾」は無い。
然るに、
(10)
④ 必ず努力する。
といふことは、
④ 努力しないことを、決してしない。
といふことに、他ならない。
従って、
(03)(04)(10)により、
(11)
③ 不敢勉 =決して、努力することを、しない。
④ 不敢不勉=努力しないことを、決してしない。
従って、
(12)
③ 不敢=決して、・・・しない。
④ 不敢=決して、・・・しない。
然るに、
(13)
1 市販の問題集・参考書の類、教科書・教師用指導書の類では、「不敢」を「決して・・・ない」と訳している(江連隆、漢文語法ハンドブック、1997年、81頁)。
従って、
(14)
(12)と(13)に、「矛盾」は無い。
(15)
② 敢不勉=葛藤が有っても、努力しないことを、選択する。
③ 不敢勉=決して、努力することを、しない。
の「訓読」は、両方とも、
② 敢へて勉めず。
③ 敢へて勉めず。
である。
従って、
(15)により、
(16)
② 敢へて勉めず。
③ 敢へて勉めず。
といふ「書き下し文」だけからは、
② 敢不勉。
③ 不敢勉。
の「区別」が付かない。
然るに、
(16)
同音異義語(どうおんいぎご)とは、発音は同じだが、互いに区別される語。
従って、
(15)(16)により、
(17)
② 敢不勉=敢へて勉めず。
③ 不敢勉=敢へて勉めず。
は、「同音異義語」に、似てゐる。
平成27年02月19日、毛利太。
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