―「2月9日の記事」を書き直します。―
(01)
グーグル翻訳で、英訳をしてみたいので、今回は、「歴史的仮名遣ひ」ではなく、敗戦後、ローマ字主義者によって強いられた、いわゆる「現代かなづかい」で書くことにします。
(02)
「PならばQであるか、PならばRである。然るに、Qではないし、Rでもない。それ故、いずれにせよ、Pではない。」
という「推論」は、
1(1)(P→Q)∨(P→R) 仮定
2(2)~Q&~R 仮定
2(3)~Q 2 連言消去
4(4) P→Q 仮定
2,4(5)~P 3,4 後件否定
2(6)~R 2 連言消去
7(7) P→R 仮定
2,7(8)~P 6,7 後件否定
1,2(9)~P=Pではない。 1,4,5,7,8 選言消去
1,2(10)(P→Q)∨(P→R)&(~Q&~R) 1,2 連言導入
(11) (P→Q)∨(P→R)&(~Q&~R)→~P 1,2,9 条件法
という「推論」に等しい。
従って、
(02)により、
(03)
「(P→Q)∨(P→R)&(~Q&~R)→~P」=
「PならばQであるか、PならばRである。然るに、Qではないし、Rでもない。それ故、いずれにせよ、Pではない。」
という「推論」は、「妥当(valid)」である。
(04)
我々が「後ろを振り返る」とき、
Q=「回れ右」をする。か、
R=「逆立ち」をする。か、いずれかである。
従って、
(04)により、
(05)
もう一人の自分がいると「仮定」して、
P=「鏡の中」に入って「振り返る」ならば、
Q=「回れ右」をする。か、
R=「逆立ち」をする。か、いずれかである。
然るに、
(06)
Qならば、「左右」が一致しないため、
Qではない。
(07)
Rならば、「上下」が一致しないため、
Rではない。
従って、
(06)(07)により、
(08)
Qではないし、尚且つ、
Rでもない。
従って、
(03)(05)(08)により、
(09)
(P→Q)∨(P→R)&(~Q&~R)→~P であるが故に、
いずれにせよ、~P=Pではない。
cf.
12(12) ~P A
12(13)~P∨Q 12 vI
12(14)(P→Q) 13 Df.→
12(15)(P→Q)∨(P→R) 14 vI
16(16)~Q&~R A
16(17)~Q 16 &E
18(18) P→Q A
16,18(19)~P 17,18 MTT
16(20)~R 16 &E
21(21) P→R A
16,21(22)~P 20,21 MTT
12,16(23)~P=Pではない。 15,18,19,21,22 vE
12,16(24)(P→Q)∨(P→R)&(~Q&~R) 15,16 &I
12 (25) (P→Q)∨(P→R)&(~Q&~R)→~P 16,23 CP
然るに、
(10)
逆に言うと。
~P=「鏡の中」に入って「振り返っている」のではない。
のであれば、
~Q=「回れ右」をしていないし、
~R=「逆立ち」もしていない。
従って、
(05)(10)により、
(11)
「鏡の中に、もう一人の自分」がいると、
「仮定」しても、その人物は、
① ~Q&~R=「回れ右」も「逆立ち」もしていない。
従って、
(11)により、
(12)
① ~Q&~R は「真(本当)」であるが、
② Q&~R は「偽(ウソ)」であり、
③ ~Q& R も「偽(ウソ)」である。
従って、
(12)により、
(13)
①&②=~Q&~R&Q&~R=(~Q&Q)&~R
①&③=~Q&~R&~Q&R=(~R&R)&~Q
然るに、
(14)
(~Q&Q)=(QでないのにQである)
(~R&R)=(RでないのにRである)
は、二つとも、「矛盾」である。
従って、
(13)(14)により。
(15)
①&② =~R&(~Q&Q)
①&③ =~Q&(~R&R)
は、二つとも、「矛盾」である。
従って、
(10)(15)により、
(16)
①&② =「逆立ち」はしていない、「回れ右をしていない」のに、「回れ右をしている」。
①&③ =「回れ右」はしていない、「逆立ちをしていない」のに、「逆立ちをしている」。
は、二つとも、「矛盾」である。
然るに、
(17)
我々は、普通、「頭を下」にして、「後ろを振り返る」ことをしない。
従って、
(18)
(~R&R)=(鏡の中の人物は、「逆立ち」をしていないが、「逆立ち」をしているべきである)。
という「状態」を、我々は、普通は「想定」しない。
従って、
(15)(18)により、
(19)
①&② =~R&(~Q&Q)
に対して、
①&③ =~Q&(~R&R)
は、「想定外」である。
然るに、
(20)
竹下雅敏さん(2014/01/01 10:00 PM)曰く、
ここにこの錯覚の本質があります。あなたは後ろを振り返る時、体を捻じって振り返るのであり、決して子供がやるように頭を股の下にくぐらせて後ろを振り返るということがないからです。
従って、
(19)(20)により、
(21)
①&② =~R&(~Q&Q)
に対して、
①&③ =~Q&(~R&R)
は、「想定外」であっても、竹下雅敏さんのように、
①&③ =~Q&(~R&R)
という風に、「仮定」することは、可能である。
従って、
(16)(18)(21)により、
(22)
①&③ =「回れ右」はしていない、「逆立ちをしていない」のに、「逆立ちをしている」。
という風に、「仮定」することは、可能である。
然るに、
(23)
lo96969olさん(2014/4/20 2:29:22)曰く、
心理的な問題、直観的な認識の問題ですね。私たちがもし、友人に後ろから声をかけられたとき肩越しに振り向くのではなく、逆立ちして後ろを向き会話を始めるような生物であれば、(誰かと対面するときに常に自分の頭は相手の足側、相手の足は自分の顔の前にあるわけですから)、鏡に写った自分を見て「上下が反転している」と感じるでしょう。
従って、
(22)(23)により、
(24)
①&③ =「回れ右」はしていない、「逆立ちをしていない」のに、「逆立ちをしている」。
という風に、「仮定」することは、可能であり、尚且つ、その場合は、
①&③ = 鏡に写った自分を見て「上下が反転している」と感じるでしょう。
ということになる。
然るに、
(25)
その一方で、
①&② =「逆立ち」はしていない、「回れ右をしていない」のに、「回れ右をしている」。
という風に、「仮定」することも、可能であり、尚且つ、その場合は、
①&② = 鏡に写った自分を見て「左右が反転している」と感じるでしょう。
ということになる。
従って、
(24)(25)により、
(26)
①&② = 鏡に写った自分を見て「左右が反転している」と感じるでしょう。
①&③ = 鏡に写った自分を見て「上下が反転している」と感じるでしょう。
ということになる。
従って、
(12)(15)(26)により、
(27)
① ~Q&~R は「真(本当)」であるが、
② Q&~R は「偽(ウソ)」であり、
③ ~Q& R も「偽(ウソ)」である。
が故に、
①&② =~R&(~Q&Q)
①&③ =~Q&(~R&R)
は、二つとも、「矛盾」である。
が故に、
①&② = 鏡に写った自分を見て「左右が反転している」と感じるでしょう。
①&③ = 鏡に写った自分を見て「上下が反転している」と感じるでしょう。
というのは、「気のせい」である。
ということになる。
(28)
① ~R=「逆立ち」はしていない。
のだから、
② Q=「回れ右」をしている。
と思うが故に、
①&② =~R&(~Q&Q)
という「矛盾」が生じる。
従って、
(29)
② Q=「回れ右」をしている。
と思わずに、
① ~R=「逆立ち」はしていない。
にしても、
① ~Q=「回れ右」もしていない。
という風に思えば、それで良い。
ということに、過ぎない。
然るに、
(30)
① ~Q=左右はそのまま=回れ右をしていない。
① ~R=上下もそのまま=逆立ちをしていない。
然るに、
(31)
森 何か、鏡の中へ入っていかなきゃいけない。鏡と言うと、有名な話があるでしょう。
鏡とアリス・コンプレックス
鏡に映すと、なぜ左右が逆さまに見えて、上下が逆さまに見えないのか。
安野 有名な話。
森 ぼくは「アリス・コンプレックス」と名づけているんだけど、鏡のなかの自分と一体化したいという欲求があって、向こう側へ入っていったときにどうなるか考えてしまうんだな。あれは本当は前後が反対なんですね。左右も上下ももとのままで、当たり前の話だけどねえ。
(森毅、安野光雅、対談 数学大明神、1986年、130頁)
従って、
(30)(31)により、
(32)
私だけでなく、森先生も、
① ~Q&~R は「真(本当)」であるが、
② Q&~R は「偽(ウソ)」であり、
③ ~Q& R も「偽(ウソ)」である。
という風に、理解している、ことになる。
(33)
森 寝そべって鏡を見ている場合、どうもナメクジ型人間とイモムシ型人間といふ類型があってね。イモムシ型人間のほうは、ゴロッと転がるから(笑)、からだの左右が逆さまになる。ナメクジ型人間のほうは。這いながら行くから、頭と足が逆さまになるんじゃないか。(笑)
(森毅、安野光雅、対談 数学大明神、1986年、132頁)
(34)
ゴロッと転がるから(笑)、からだの左右が逆さまになる。
というのは、
ゴロッと転がった時の「実際の左右」と「鏡に映る左右」が逆さまである。
という意味である。
(35)
這いながら行くから、頭と足が逆さまになるんじゃないか。(笑)
というのは、ゴロッと転がらずに、「鏡の向こうまで這って行って、こちらを向けば」、「鏡に映る頭と足が逆さまになる」ということである。
(36)
「文字」を映した場合に関して、「AEと書かれたTシャツの例」が分り易いため、よろしければ、次の「ヤフー!知恵袋」も、併せて、お読み下さい。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10149066575
(37)
私には、英語が聞き取れないため、必ずしも、何を言っているのか、分らないのですが、「映像」から判断する限り、
http://www.slate.com/blogs/bad_astronomy/2015/02/17/physics_girl_mirrors_flipping_images.html
という「ユーチューブ」で言っていることは、「正しい」ものと、思われます。
平成28年02月10日、毛利太。
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