2016年4月4日月曜日

「述語論理と漢文」に於ける「括弧」の用法。

(01)
( )
〔 〕
[ ]
{ }
〈 〉
を「括弧」とする。
(02)
( )の中には、「括弧」は無く、
〔 〕の中には、一つ以上の( )が有り、
[ ]の中には、一つ以上の〔 〕が有り、
{ }の中には、一つ以上の[ ]が有り、
〈 〉の中には、一つ以上の{ }が有る。

ならば、その時に限って、『括弧』とする。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ( )
② 〔( )〕
③ 〔( )( )〕
は、全て『括弧』である。
然るに、
(04)
④ 〔( 〕)
であれば、
④ 〔  〕の中に有るのは、
④  (  であって、
④  ( )ではない。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① ( )
② 〔( )〕
③ 〔( )( )〕
④ 〔( 〕)
に於いて、
④は、『括弧』ではない。
(06)
『括弧』の中には、
囗=漢字
囗=16進数
囗=論理記号
囗=アルファベット
等が、入ってゐる。
(07)
AF〈E{D[C〔B(
に於いて、
A 以外は、
  〈{[〔( と接してゐる。
(08)
「ルール」により、
囗の右側が、〈{[〔( と接してゐるならば、その時に限って、『より内側の「括弧」の中の囗』を「先に読む」。
従って、
(08)により、
(09)
⑤ 囗(A)囗囗
であれば、
⑤ B(A)CD
の「順で読む」。
従って、
(08)(09)により、
(10)
⑤ B(A)CD(囗囗)
であれば、
⑤ B(A)CF(DE)
の「順で読む」。
従って、
(08)(10)により、
(11)
⑤ 囗〔B(A)CF(DE)〕囗
であれば、
⑤ G〔B(A)CF(DE)〕H
の「順で読む」。
従って、
(08)(11)により、
(12)
⑤ G〔B(A)CF(DE)〕H囗(囗)囗
であれば、
⑤ G〔B(A)CF(DE)〕HJ(I)K
の「順で読む」。
従って、
(08)(12)により、
(13)
⑤ G〔B(A)CF(DE)〕HJ(I)K囗(囗)囗
であれば、
⑤ G〔B(A)CF(DE)〕HJ(I)KM(L)N
の「順で読む」。
従って、
(08)(13)により、
(14)
⑤ G〔B(A)CF(DE)〕HJ(I)KM(L)N囗(囗囗)
であれば、
⑤ G〔B(A)CF(DE)〕HJ(I)KM(L)NQ(OP)
の「順で読む」。
従って、
(08)(14)により、
(15)
⑤ 囗{G〔B(A)CF(DE)〕H囗[囗〔J(I)KM(L)NQ(OP)〕]}
であれば、
⑤ T{G〔B(A)CF(DE)〕HS[R〔J(I)KM(L)NQ(OP)〕]}
の「順で読む」。
従って、
(15)により、
(16)
⑤  T{ G〔B(A)CF(DE)〕HS[ R〔J(I)KM(L)NQ(OP)〕]}
⑤ ∀x{∃y〔犬(y)&頭(xy)〕→~[∃y〔牛(y)∨馬(y)&頭(xy)〕]}
であるならば、
A=y
B=犬
C=&
D=x
E=y
F=頭
G=∃y
H=→
I=y
J=牛
K=∨
L=y
M=馬
N=&
O=x
P=y
Q=頭
R=∃y
S=~
T=∀x
といふ「順番で読む」。
然るに、
(17)
    ~=ではない。
    ∨=または、
    &=尚且つ、
    →=ならば、
 「括弧」=といふ
   ∃x=そのやうなxが存在する。
   ∀x=ことは、全てのxに於いて、正しい。
P(x) =xはPである。
P(xy)=xはyに対してPである。
とする。
従って、
(16)(17)により、
(18)
囗の右側が、〈{[〔( と接してゐるならば、その時に限って、『より内側の「括弧」の中の囗』を「先に読む」。
といふ「シンプルなルール」により、
⑤ 犬の頭は、牛の頭でも、馬の頭でもない=
⑤ xが犬である所のyの頭であるならば、xは牛や馬である所のyの頭ではない=
⑤ ∀x{∃y〔犬(y)&頭(xy)〕→~[∃y〔牛(y)∨馬(y)&頭(xy)〕]}⇒
⑤ {〔(y)犬&(xy)頭〕∃y→[〔(y)牛∨(y)馬&(xy)頭〕∃y]~}∀x=
⑤ {〔(yは)犬であって、尚且つ、(xはyの)頭である。〕といふ、そのやうなyが存在する。のであれば、[〔(yは)牛であるか、または、(yは)馬であり、尚且つ、(xはyの)頭である。〕といふ、そのやうなyが存在し]ない。}といふことは、全てのxに於いて、正しい。
といふ「述語論理訓読」が、成立する。
(08)により、
(19)
⑥ 囗(12)囗
であれば、
⑥ 3(12)4
の「順で読む」。
従って、
(08)(19)により、
(20)
⑥ 囗〔3(12)4〕囗
であれば、
⑥ 5〔3(12)4〕6
の「順で読む」。
従って、
(08)(20)により、
(21)
⑥ 5〔3(12)4〕6(囗囗)
であれば、
⑥ 5〔3(12)4〕8(67)
の「順で読む」。
従って、
(08)(21)により、
(22)
⑥ 囗[5〔3(12)4〕8(67)]
であれば、
⑥ 9[5〔3(12)4〕8(67)]
の「順で読む」。
従って、
(08)(22)により、
(23)
⑥ 囗9[5〔3(12)4〕8(67)]
であれば、
⑥ 1A[6〔4(23)5〕9(78)]
の「順で読む」。
従って、
(08)(23)により、
(24)
⑥ 囗{1A[6〔4(23)5〕9(78)]}
であれば、
⑥ B{1A[6〔4(23)5〕9(78)]}
の「順で読む」。
従って、
(08)(24)により、
(25)
⑥ 囗〈B{1A[6〔4(23)5〕9(78)]}囗〉
であれば、
⑥ D〈B{1A[6〔4(23)5〕9(78)]}C〉
の「順で読む」。
従って、
(08)(25)により、
(26)
⑥ 囗囗D〈B{1A[6〔4(23)5〕9(78)]}C〉。
であれば、
⑥ 12F〈D{3C[8〔6(45)7〕B(9A)]}E〉。
の「順で読む」。
従って、
(26)により、
(27)
⑥ 中野有〈不{必求[以〔解(白話)法〕解(漢文)]}者〉。
⑥ 12F〈D{3C[8〔6(45)7〕B(9A)]}E〉。
であれば、
中=1
野=2
必=3
白=4
話=5
解=6
法=7
以=8
漢=9
文=A
解=B
求=C
不=D
者=E
有=F
の「順で読む」。
従って、
(27)により、
(28)
囗の右側が、〈{[〔( と接してゐるならば、その時に限って、『より内側の「括弧」の中の囗』を「先に読む」。
といふ「シンプルなルール」により、
⑥ 中野有〈不{必求[以〔解(白話)法〕解(漢文)]}者〉⇒
⑥ 中野〈{必[〔(白話)解法〕以(漢文)解]求}不者〉有=
⑥ 中野に必ずしも白話を解する法を以て漢文を解せんことを求めざる者有り。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
然るに、
(29)
この「文言文」とは、端的に言えば、前近代の統治に関わる士大夫層の文化の中で流通した特殊な書記言語であり、口頭語の表記すなわち「白話」に対して言えば、ニュアンスを示す語などを簡約していわば記号化された表記の文章言語である(「訓読」論 東アジア漢文世界と日本語、中村春作・市來津由彦・田尻祐一郎・前田勉 共編、2008年、300頁)。
cf.
中国語の文章は文言と白話に大別されるが、漢文とは文章語の文言のことであり、白話文や日本語化された漢字文などは漢文とは呼ばない。通常、日本における漢文とは、訓読という法則ある方法で日本語に訳して読む場合のことを指し、訓読で適用し得る文言のみを対象とする。もし強いて白話文を訓読するとたいへん奇妙な日本語になるため、白話文はその対象にならない。白話文は直接口語訳するのがよく、より原文の語気に近い訳となる(ウィキペディア:漢文)。
従って、
(18)(28)(29)により、
(30)
囗の右側が、〈{[〔( と接してゐるならば、その時に限って、『より内側の「括弧」の中の囗』を「先に読む」。
といふ「シンプルなルール」により、「記号論理・訓読」が成立し、「記号化された表記の文章言語・訓読」が成立する。
平成28年04月04日、毛利太。

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