2018年9月20日木曜日

「而(て)」と復文。

(a)『返り点と括弧』については、『「返り点」と「括弧」(略8)(https://kannbunn.blogspot.com/2018/09/blog-post_17.html)』他もお読み下さい。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
漢文には、しばしば置き字として接続詞「而」が現れるため、「而」の扱いに慣れておくことは、必須です。とはいえ、実のところ、「而」を含む文は、復文の方針が立てやすい。なぜなら、「」があると、たいてい直前の送り仮名に接続詞「」を付けて訓読することになっているからです(古田島洋介、こらならわから復文の要領、2017年、137頁)。
従って、
(01)により、
(02)
復文の方針」がたてやすいやうに、ほとんどの場合に、例へば、
① 読書、学漢字。
② 読書学漢字。
であることが、すなはち、
① 書を読み、漢字を学ぶ。
② 書を読み漢字を学ぶ。
であることが「期待」される。
然るに、
(03)
従って、
(03)により、
(04)
① 舟に刻み
② 劍の從り
③ 水に入り
であって、
① 舟に刻み
② 劍の從り
③ 水に入り
ではないし、加へて、
④ 兎走り
⑤ 竊かに語り
⑥ 韓馬を立つること良や久しうし
⑦ 王韶之は少くし
⑧ 今臣不肖にし
⑨ 吏の賕を受け
⑩ 己に克ち
⑪ 莊氏山於り出
⑫ 蓋し民の役にし
⑬ 行き
⑭ 馮婦臂を攘げ
⑮ 則ち請ふ余代り
⑯ 晏子之を數め
⑰ 蓋し民の役にし
⑱ 獨り學び
⑲ 其の子を愛し
⑳ 三世より逓にし
等に於いても、
④ 兎走り
⑤ 竊かに語り
⑥ 韓馬を立つること良や久しうし
⑦ 王韶之は少くし
⑧ 今臣不肖にし
⑨ 吏の賕を受け
⑩ 己に克ち
⑪ 莊氏山於り出
⑫ 蓋し民の役にし
⑬ 行き
⑭ 馮婦臂を攘げ
⑮ 則ち請ふ余代り
⑯ 晏子之を數め而
⑰ 蓋し民の役にし
⑱ 獨り學び
⑲ 其の子を愛し
⑳ 三世より逓にし
ではない
cf.
例文の訓点は出題者の意図を尊重し著者において手を加えなかった。従って、書き下し文もそれに応じている。
小林信明 監修、重要漢文単語文例精解―入試文例数1000、1968年、まえがき)
従って、
(05)により、
(06)
」があると、たいてい直前の送り仮名に接続詞「」を付けて訓読することになっている。が故に、「」を含む文は、復文の方針が立てやすい。
とは、言へないはずである。
平成30年09月20日、毛利太。

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