「2013/05/12」の記事を、書き換へます。
(01)
① 捨義而取命。
② 義不捨而取命。
③ 不捨義而取命。
に於いて、
①と、②の「訓読」は、
① 義を捨てて命を取る。
② 義は捨てずして命を取る。
然るに、
(02)
これに対して、
③ 不捨義而取命。
の「訓読」は、
④ 不〔捨(義)〕而取(命)⇒
④ 〔(義)捨〕不而(命)取=
④ 義を捨てずして、命を取る。
だけでなく、
⑤ 不〔捨(義)而取(命)〕⇒
⑤ 〔(義)捨而(命)取〕不。
⑤ 義を捨てて命を取らず。
といふ「訓読」も、可能である。
然るに、
(01)(02)により、
(03)
③ 不捨義而取命=
④ 義を捨てずして、命を取る。
の場合は、
② 義不捨而取命=
② 義は捨てずして、命を取る。
に等しい。
従って、
(04)
③ 不捨義而取命=
④ 義を捨てずして、命を取る。
であるならば、初めから、
② 義不捨而取命=
② 義は捨てずして、命を取る。
といふ風に、書けば良い。はずである。
従って、
(02)(04)により、
(05)
③ 不捨義而取命。
といふ「漢文」は、
⑤ 不〔捨(義)而取(命)〕⇒
⑤ 〔(義)捨而(命)取〕不。
⑤ 義を捨てて命を取らず。
である。とする。
然るに、
(06)
⑤ 義を捨てて命を取らず。
といふ日本語は、普通は、
⑤ 義を捨てるならば、命を取らない=
⑤ 義を捨てるくらいならば、命は要らない。
といふ、意味である。
従って、
(07)
余談であるが、
「永遠の0」の主人公は、最初は、
④ 義は捨てずして、命を取る。
であって、最後は、
⑤ 義を捨てて命を取らず。
であった。といふ風に、言へないことも、ない。
然るに、
(08)
不=¬(否定)
而=∧(連語)
∨=∨(選言)
⊃=⊃(含意)
P=義を捨てる。
Q=命を取る。
従って、
(08)により、
(09)
⑤ 不〔捨(義)而取(命)〕=
⑤ ¬(P∧Q)
然るに、
(10)
「ド・モルガンの法則」により、
⑤ ¬(P∧Q)=
⑤ ¬P∨¬Q
加へて、
(11)
「含意の定義」により、
⑤ P⊃¬Q
従って、
(08)(11)により、
(12)
⑤ P⊃¬Q=
⑤ 義を捨てる⊃¬命を取る=
⑤ 義を捨てるならば、命を取らない。
然るに、
(13)
⑥ 如捨義則不取命=
⑥ 如し義を捨てなば則ち命を取ら不=
⑤ 義を捨てるならば、命を取らない。
従って、
(05)(06)(08)~(13)により、
(14)
③ 不捨義而取命=
⑤ 不〔捨(義)而取(命)〕=
⑤ 義を捨てて命を取らず=
⑤ 義を捨てるならば、命を取らない。
⑥ 如捨義則不取命=
⑥ 如し義を捨てなば則ち命を取ら不。
従って、
(14)により、
(15)
日本語に於いて、
⑤ 義を捨てるならば、命を取らない(口語)=
⑥ もし義を捨てなば則ち命を取らず(文語)。
といふ「等式」が成り立つ以上、
③ 不捨義而取命=
⑥ 如捨義則不取命=
⑤ 不〔捨(義)而取(命)〕。
といふ「等式」が成り立つ。ことになる。
従って、
(08)~(15)により、
(16)
③ 不捨義而取命。
といふ「漢文」は、「論理学的」には、
⑤ 不〔捨(義)而取(命)〕。
といふ「構造(シンタックス)」をしてゐる。ことになる。
従って、
(16)により、
(17)
③ 不捨義而取命。
といふ「漢文」を、
⑤ 義を捨てて命を取らず。
といふ風に「訓読」する。といふことは、
⑤ 不〔捨(義)而取(命)〕。
といふ「構造(シンタックス)」である所の「漢文」を、
⑤ 不〔捨(義)而取(命)〕。
といふ「構造(シンタックス)」の通りに、読んでゐる。といふことに、なる。
従って、
(17)により、
(18)
⑤ 二 レ 一レ
といふ「返り点」を加へる。ことによって、
③ 不捨義而取命。
といふ「漢文」を、
⑤ 義を捨てて命を取らず。
と「訓読」する。といふことは、
⑤ 不〔捨(正義)而取(我命)〕。
といふ「構造(シンタックス)」に対して、
⑤ 二 レ 一レ
といふ「返り点」を加へてゐる。といふ、ことになる。
従って、
(19)
③ 不捨正義而取我命。
であれば、
⑤ 不〔捨(正義)而取(我命)〕。
といふ「構造(シンタックス)」に対して、
⑤ 下 二 一 中 上
といふ「返り点」を加へてゐる。といふ、ことになる。
平成26年02月03日、毛利太。
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