2015年8月14日金曜日

漢文は、英語よりも、論理学的である。

(01)
① You must remember.
② You must not remember.
に於いて、
①と②は、「矛盾」する。
然るに、
(02)
任意の表述の否定は、その表述を’~(  )’という空所にいれて書くことにしよう(W.O.クワイン著、杖下隆英訳、現代論理学入門、Elementary Logic、1972年、15頁)。
従って、
(02)により、
(03)
~(You must not remember.
③ ~(You must not remember).
に於いて、
②と③は、「矛盾」する。
従って、
(02)(03)により、
(04)
~(~(You must not remember).
④ ~(~(You must not remember)).
に於いて、
③と④は、「矛盾」する。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① You mustnot( remember.
② You must not remember.
~(~(You must not remember).
④ ~(~(You must not remember)).
に於いて、
①と②は、「矛盾」し、
②と③は、「矛盾」し、
③と④は、「矛盾」するため、
①=③ であって、
②=④ である。
然るに、
(06)
not remember=forget
従って、
(05)(06)により、
(07)
~(~(You must forget.
④ ~(~(You must forget)).
に於いて、
②=④ である。
すなはち、
(08)
 ~(~(P)), P
は等値である。なぜなら、Pを再び任意の表述と考えてみよう。もしPが真なら、~(P)は偽になり、そしてその否定の~(~(P))は、今度は真となる;ところが、もしPが偽なら、~(P)は真、そして、~(~(P))は偽になる。それゆえ、いずれの場合にも、~(~(P))とPの真理値は同じになる(W.O.クワイン著、杖下隆英訳、現代論理学入門、Elementary Logic、1972年、61頁改)。
といふ「理由」により、
P=You must forget.
である時、
~(~(You must forget.
④ ~(~(You must forget)).
に於いて、
②=④ である。
然るに、
(09)
(08)のやうな「説明」は、「任意の表述」や、「真理値」の意味を、知ってゐない限り、理解できないし、固より、
② You must forget.
といふ「英語」に対して、
④ ~( ~(You must forget)).
に相当する「英語」は、実際には、無い。
然るに、
(10)
② 可忘=忘るべし。
④ 非不可忘=忘るべからざるに非ず。
といふ「漢文」に於いて、
②=④ である。
といふことは、固より、当然である。
(11)
⑤ 無人不死=
⑤ 不有人而不死=
⑤ 不有人x而不x死=
⑤ 不(有(人x而不(死x))=
⑤ ~(∃x(Mx&~(Dx)))=
⑤ xは人であり、xは死なない。といった、そのやうなxは、存在しない。
従って、
(11)により、
(12)
⑤ ~(∃x(Mx&~(Dx)))
といふ「述語論理」は、
⑤ 無人不死=
⑤ 無(人不(死))⇒
⑤ (人(死)不)無=
⑤ (人として(死せ)不るは)無し=
⑤ 人である限り、死なない者は、ゐない。
といふ、意味である。
従って、
(12)により、
(13)
⑤ 無人不死=
⑤ 不有人而不死。
といふ「漢文」を知ってゐる限り、
⑤ ~(∃x(Mx&~(Dx)))
といふ「述語論理」は、少しも、難しくはない。
然るに、
(14)
⑤ No man doesn’t die=人は、死にません(ヤフー!翻訳)。
No Man doesn’t die=人は、死にません(ヤフー!翻訳)。
従って、
(13)(14)により、
(15)
⑤ 無人不死。
といふ「漢文」ではなく、
⑤ No man doesn’t die.
といふ「英語」を知ってゐても、
⑤ ~(∃x(Mx&~(Dx)))
といふ「述語論理」の理解する上では、役に、立たない。
従って、
(09)(10)(15)により、
(16)
少なくとも、
② 可忘=忘るべし。
④ 非不可忘=忘るべからざるに非ず。
⑤ 無人不死=人として死せ不る無し。
② You must forget.
④ ~( ~(You must forget)).
⑤ No man doesn’t die.
といふ「例文」から判断する限り、漢文は、英語よりも、「論理学的」である。
然るに、
(17)
巷で言われてゐるやうに、「英語」は、たぶん、「論理的」である。
従って、
(16)(17)により、
(18)
「英語」は、「論理的」ではあっても、「論理学的」ではない。
平成27年08月14日、毛利太。

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