(01)
10=1×(2×5)
20=2×(2×5)
30=3×(2×5)
40=4×(2×5)
50=5×(2×5)
60=6×(2×5)
70=7×(2×5)
80=8×(2×5)
90=9×(2×5)
(02)
10=(1×2)×5
20=(2×2)×5
30=(3×2)×5
40=(4×2)×5
50=(5×2)×5
60=(6×2)×5
70=(7×2)×5
80=(8×2)×5
90=(9×2)×5
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 10の倍数ならば、5の倍数である。
然るに、
(04)
15=( 1+2)×5
25=( 3+2)×5
35=( 5+2)×5
45=( 7+2)×5
55=( 9+2)×5
65=(11+2)×5
75=(13+2)×5
85=(15+2)×5
95=(17+2)×5
従って、
(02)(04)により、
(05)
② 15は、10の倍数はないが、
② 15は、 5の倍数である。
従って、
(05)により、
(06)
② 15は、10の倍数でなくて、 5の倍数である。
② 15は、 5の倍数であって、10の倍数ではない。
従って、
(06)により、
(07)
②(15がさうであるやうに)10の倍数でないならば、 5の倍数ではない。
といふことには、ならないし、
③(15がさうであるやうに) 5の倍数であるならば、10の倍数である。
といふことにも、ならない。
然るに、
(08)
10=(1×2)×N
20=(2×2)×N
30=(3×2)×N
40=(4×2)×N
50=(5×2)×N
60=(6×2)×N
70=(7×2)×N
80=(8×2)×N
90=(9×2)×N
であるならば、
N=5 であって、
N≠5 ではない。
である。
従って、
(08)により、
(09)
④ 5の倍数でないならば、10の倍数ではない。
従って、
(03)(07)(09)により、
(10)
① 10の倍数ならば、5の倍数である。
② 10の倍数でないならば、 5の倍数ではない。
③ 5の倍数であるならば、10の倍数である。
④ 5の倍数でないならば、10の倍数でない。
に於いて、
① が「真(本当)」であるならば、
② は「偽(ウソ)」であり、
③ は「偽(ウソ)」であり、
④ は「真(本当)」である。
従って、
(10)により、
(11)
① PならばQである。
② PでないならばQでない。
③ QならばPである。
④ QでないならばPでない。
に於いて、
① が「真(本当)」であるならば、
② は「偽(ウソ)」であり、
③ は「偽(ウソ)」であり、
④ は「真(本当)」である。
とするのが、「論理学の決まり」になってゐる。
然るに、
(12)
① PならばQである。
といふことは、
⑤ PであってQでない。といふことはない。
といふことに、他ならない。
然るに、
(13)
⑤ PであってQでない。といふことはない。
といふことは、
⑤ QでなくてPである。といふことはない。
といふことに、他ならない。
然るに、
(14)
⑤ QでなくてPである。といふことはない。
といふことは、
④ QでないならばPでない。
といふことに、他ならない。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
① PならばQである。
④ QでないならばPでない。
⑤ PであってQでない。といふことはない。
に於いて、
①=④=⑤
である。
従って、
(11)(15)により、
(16)
① PならばQである。
② PでないならばQでない。
③ QならばPである。
④ QでないならばPでない。
⑤ PであってQでない。といふことはない。
に於いて、
① が「真(本当)」であるならば、
② は「偽(ウソ)」であり、
③ は「偽(ウソ)」であり、
④ は「真(本当)」であり、
⑤ は「真(本当)」である。
とするのが、「論理学の決まり」になってゐる。
然るに、
(17)
① PならばQである。
② PでないならばQでない。
③ QならばPである。
④ QでないならばPでない。
⑤ PであってQでない。といふことはない。
といふ「日本語」は、例へば、
① P→Q
② ~(P)→~(Q)
③ Q→P
④ ~(Q)→~(P)
⑤ ~〔P&~(Q)〕
といふ風に、書くことになる。
cf.
「数学の記号」とは異なり、「論理学の記号」は「統一」されていないため、「論理学の記号」は「一通り」ではない。
然るに、
(18)
~=ない(打消しの助動詞)
&=AND=て(接続助詞)
従って、
(17)(18)により、
(19)
⑤ ~〔P&~(Q)〕
といふ「論理式」を、
⑤ PであってQでない。といふことはない。
といふ風に、「理解」するといふことは、
⑤ ~〔P&~(Q)〕
といふ「論理式」を、
~=5番
P=1番
&=2番
~=4番
Q=3番
といふ「順番」で読んでゐることに、他ならない。
然るに、
(20)
⑤ ~〔P&~(Q)〕
⑤ 5〔124(3)〕
に於いて、
5〔 〕⇒〔 〕5
4( )⇒( )4
といふ「移動」を行ふと、
⑤ ~〔P&~(Q)〕=
⑤ 5〔124(3)〕⇒
⑤ 〔12(3)4〕5=
⑤ 〔P&(Q)~〕~=
⑤ 〔Pであって(Qで)ない。といふことは〕ない。
従って、
(19)(20)により、
(21)
⑤ ~〔P&~(Q)〕
といふ「論理式」を、
⑤ PであってQでない。といふことはない。
といふ風に、「理解」するといふことは、
⑤ 〔 ( ) 〕
といふ「括弧」に従って、
~=5番
P=1番
&=2番
~=4番
Q=3番
といふ「順番」で読んでゐることに、他ならない。
然るに、
(22)
⑤ ~〔P&~(Q)〕
から、
⑤ 〔 ( ) 〕
を除くと、
⑤ ~P&~Q
である。
然るに、
(23)
任意の表述の否定は、その表述を’~( )’という空所にいれて書くことにしよう(W.O.クワイン、現代論理学入門、1972年、15頁改)。
従って、
(23)により、
(24)
⑤ ~P&~Q
の場合は、
⑤ ~〔P&~(Q)〕
でなければ、
⑥ ~(P)&~(Q)
である。
然るに、
(25)
「ド・モルガンの法則」により、
⑥ ~(P)&~(Q)
の場合は、
⑥ ~(P∨Q)⇒
⑥ (P∨Q)~=
⑥ (Pであるか、Qである。といふことは)ない。
といふ、「意味」になる。
従って、
(21)~(25)により、
(26)
⑤ ~P&~Q
の場合は、そのままでは、
⑤ 〔Pであって(Qで)ない。といふことは〕ない。
であるのか、
⑥ (Pであるか、Qである。といふことは)ない。
であるのかが、「不明」である。
然るに、
(15)(17)により、
(27)
① P→Q
⑤ ~〔P&~(Q)〕
に於いて、
①=⑤
である。
従って、
(27)により、
(28)
① P→Q
であることが、「自明」である場合には、
⑤ ~P&~Q
と書いたとしても、
⑤ ~〔P&~(Q)〕
であることも、「自明」である。
然るに、
(29)
⑤ ~〔P&~(Q)〕
に於いて、
P=好(鰯)
Q=好(鯛)
であるならば、
⑤ ~[好(鰯)&~〔好(鯛)〕]⇒
⑤ [(鰯)好&〔(鯛)好〕~]~=
⑤ [(鰯)好而〔(鯛)好〕不]不=
⑤ [(鰯を)好みて〔(鯛を)好ま〕ずんば]あらず=
⑤ 鰯が好きなのに、鯛が嫌いである。といふことはない。
である。
然るに、
(30)
⑤ 鰯が好きなのに、鯛が嫌いである。といふことはない。
といふことは、
① 鰯が好きならば、鯛も好きである。
といふことに、他ならない。
然るに、
(28)により、
(31)
① P→Q
① 鰯が好きならば、鯛も好きである。
であれば、
⑤ ~〔P&~(Q)〕
⑤ 鰯が好きなのに、鯛が嫌いである。といふことはない。
である。
従って、
(26)~(31)により、
(32)
① 如好鰯則好鯛。
① 鰯が好きならば、鯛も好きである。
といふことが、言ひたくて、
⑤ 不好鰯而不好鯛。
といふ「漢文」が書かれてゐるのであれば、その場合の、
⑤ 不好鰯而不好鯛。
といふ「漢文」は、
⑤ 不[好(鰯)而不〔好(鯛)〕]。
といふ「構造(シンタックス)」をしてゐる。
従って、
(33)
少なくとも、
⑤ 不好鰯而不好鯛=
⑤ ~〔P&~(Q)〕=
⑤ 不[好(鰯)而不〔好(鯛)〕]。
といふ「漢文」に、「括弧」は有ります。
平成28年10月19日、毛利太。
―「関連記事」―
「括弧」は有ります(不好鰯不好鯛)。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/10/blog-post_15.html)
「漢文の補足構造」としての「括弧」の付け方。(http://kannbunn.blogspot.com/2016/09/blog-post_22.html)
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