2018年10月9日火曜日

同一律・矛盾律・排中律。

―「10月04日の記事」を書き直します。―
(a)『返り点と括弧』については、『「返り点」と「括弧」(略8)(https://kannbunn.blogspot.com/2018/09/blog-post_17.html)』他もお読み下さい。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
(02)で示す通り、
①    P→ Q
②   ~Q→~P
③ ~(P&~Q)
④   ~P∨ Q
に於いて、すなはち、
① PならばQである。
② QでないならばPでない。
③ PであってQでない。といふことはない。
④ PでないかQである。
に於いて、
①=②=③=④ である。
(02)
(a)
1  (1) P→ Q A
 2 (2)   ~Q A
  3(3) P    A
1 3(4)    Q 13MPP
123(5) ~Q&Q 24&I
12 (6)~P    35RAA
1  (7)~Q→~P 26CP
(b)
1  (1)~Q→~P A
 2 (2)    P A
  3(3)~Q    A
1 3(4)   ~P 13MPP
123(5) P&~P 24&I
12 (6)~~Q   35RAA
12 (7)  Q   5DN
1  (8) P→ Q 27CP
(c)
1 (1)  P→ Q  A
 2(2)  P&~Q  A
 2(3)  P     2&E
 2(4)    ~Q  2&E
12(5)     Q  12MPP
12(6)  ~Q&Q  45&I
1 (7)~(P&~Q) 26RAA
(d)
1  (1)~(P&~Q)  A
 2 (2)  P      A
  3(3)    ~Q   A
 23(4)  P&~Q   23&E
123(5)~(P&~Q)&
       (P&~Q)  14&I
12 (6)   ~~Q   45RAA
12 (7)     Q   6DN
1  (8)  P→ Q   27CP
(e)
1 (1)P→ Q A
 2(2)P&~Q A
 2(3)P    2&E
 2(4)  ~Q 2&E
12(5)   Q 14MPP
12(6)~Q&Q 45&I
1 (7) ~~Q 46RAA
1 (8)   Q 7DN
1 (9)~P∨Q 8&I
(f)
1     (1) ~P∨ Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3) ~P      A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5) ~P& P   34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   2&E
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   エオ&I
1   ウエ(カ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (キ)   ~~Q   7カRAA
1   ウ (ク)     Q   キDN
1     (ケ)  P→ Q   ウクCP
従って、
(03)
①    P→ Q
②   ~Q→~P
③ ~(P&~Q)
④   ~P∨ Q
に於いて、「Q=P」といふ「代入」を行ふと、
①    P→ P
②   ~P→~P
③ ~(P&~P)
④   ~P∨ P
に於いて、すなはち、
① PならばPである。
② PでないならばPでない。
③ PであってPでない。といふことはない。
④ PでないかPである。
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(04)
①    P→ P
②   ~P→~P
③ ~(P&~P)
④   ~P∨ P
に於いて、すなはち、
① PならばPである。
② PでないならばPでない。
③ PであってPでない。といふことはない。
④ PでないかPである。
に於いて、
① は「同一律」であって、
② は「 対偶 」であって、
③ は「矛盾律」であって、
④ は「排中律」である。
従って、
(03)(04)により、
(05)
①    P→ P
②   ~P→~P
③ ~(P&~P)
④   ~P∨ P
に於いて、すなはち、
① PならばPである。
② PでないならばPでない。
③ PであってPでない。といふことはない。
④ PでないかPである。
に於いて、
①=②=③=④ であって、尚且つ、「これらの四つの式」は、「恒真式(恒に真)」である。
然るに、
(06)
① Pなら(未然形)ばPであり(、PでないならばPでない)。
② Pでないなら(未然形)ばPでなく(、PならばPである)。
といふ「言ひ方」は、
① Pである。とは言ってゐないし、
② Pでない。とも言ってゐない。
然るに、
(07)
① Pである。とは言ってゐないし、
② Pでない。とも言ってゐない。
と言ふのであれば、
④ Pであるか、Pでないか、そのどちらか一方が成り立つ
とまでは、言ってゐないのでは(?)といふ風に、思はれる。
従って、
(04)~(07)により、
(08)
① PならばPである。
② PでないならばPでない。
③ PであってPでない。といふことはない。
④ PでないかPである。
に於ける、
④ PでないかPである。
の場合は、飽くまでも、
④ PでないかPである。
であって、
④ Pであるか、Pでないか、そのどちらか一方が成り立つ
といふことではない。といふ風に、思はれる。
従って、
(05)(06)(08)により、
(09)
① PならばPであり(、PでないならばPでない)。
② PでないならばPでなく(、PならばPである)。
③ PであってPでない。といふことはない。
④ PでないかPである。
⑤ Pであるか、Pでないか、そのどちらか一方が成り立つ
に於いて、
①=②=③=④   であって、
            ④=⑤ ではない。といふ風に、思はれる。
然るに、
(10)
 ブロムウエルの疑問―排中律は無限集合でも成立するか? ― 中略、―
ここで、排中律とは。「Pであるか、Pでないか、そのどちらかが成り立つ」というものです(吉永良正、ゲーデル・不完全性定理、1992年、159頁)。
との、ことである。
平成20年10月09日、毛利太。

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