2023年3月29日水曜日

「二つ以上のFが存在する」の「述語論理」。

(01)
142 ∃x(Fx)├ ∃x∃y(Fx&Fy)
1 (1)  ∃x(Fx)    A
 2(2)     Fa     A
 2(3)     Fa&Fa  22&I
 2(4)  ∃y(Fa&Fy) 3EI
 2(5)∃x∃y(Fa&Fy) 4EI
1 (6)∃x∃y(Fa&Fy) 125EE
(この結果は事実上、強化して相互導出可能にすることができる。)この連式の妥当性から、
ひとつだけの対象がFを持っているならば、∃x∃y(Fx&Fy)ということが帰結する。
言い換えると、相異なった変数 xとy を用いる場合に、そのことから、それに対応する
相異なった対象が存在するということは帰結しないのである
。性質Fをもつ少なくとも2つ
の相異なった対象が存在する、ということを表現するためには、われわれは等号を必要とする。
すなわち、
   ∃x∃y(x≠y&Fx&Fy)
― どちらもFを持つ同一でないxとyが存在する。―
(E.J.レモン、論理学初歩、竹尾治一郎 浅野楢英雄 訳、1973年、210頁)
従って、
(01)により、
(02)
① ∃x∃y(x≠y&Fx&Fy)
② 性質Fをもつ少なくとも2つの相異なった対象が存在する。
③ 2つ以上のFが存在する。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(02)により、
(03)
④ ~∃x∃y(x≠y&Fx&Fy)
⑤(2つ以上のFが存在する)ということはない。
⑥ Fは1個であるか、または、Fは0個である。
に於いて、
④=⑤=⑥ である。
然るに、
(04)
(ⅳ)
1   (1)  ~∃x∃y(x≠y&Fx&Fy)  A
1   (2)  ∀x~∃y(x≠y&Fx&Fy)  1量化子の関係
1   (3)  ∀x∀y~(x≠y&Fx&Fy)  2量化子の関係
1   (4)    ∀y~(a≠y&Fa&Fy)  3UE
1   (5)      ~(a≠b&Fa&Fb)  4UE
1   (6)     a=b∨ ~Fa∨~Fb   5ド・モルガンの法則
1   (7)     a=b∨(~Fa∨~Fb)  6結合法則
 8  (8)     a=b            A
 8  (9)     a=b∨( Fa→~Fb)  8∨I
  ア (ア)         (~Fa∨~Fb)  A
  ア (イ)         ( Fa→~Fb)  ア含意の定義
  ア (ウ)     a=b∨( Fa→~Fb)  イ∨I
1   (エ)     a=b∨( Fa→~Fb)  189アウ
1   (オ)     a≠b→( Fa→~Fb)  エ含意の定義
   カ(カ)     Fa&a≠b         A
   カ(キ)        a≠b         カ&E
1  カ(ク)         ( Fa→~Fb)  オキMPP
   カ(ケ)     Fa             カ&E
1  カ(コ)              ~Fb   クケMPP
1   (サ)     Fa&a≠b→~Fb     カコCP
1   (シ)  ∀y(Fa&a≠y→~Fy)    サUI
1   (ス)∃x∀y(Fx&x≠y→~Fy)    シEI
(ⅴ)
1   (1) ∃x∀y(Fx&x≠y→~Fy) A
 2  (2)   ∀y(Fa&a≠y→~Fy) A
 2  (3)      Fa&a≠b→~Fb  2UE
 2  (4)   ~(Fa&a≠b)∨~Fb  3含意の定義
    5 (5)   ~(Fa&a≠b)      A
  5 (6)    ~Fa∨a=b       5ド・モルガンの法則
  5 (7)     ~Fa∨a=b∨~Fb  6∨I
   8(8)             ~Fb  A
   8(9)         a=b∨~Fb  8∨I
   8(ア)     ~Fa∨a=b∨~Fb  9∨I
 2  (イ)     ~Fa∨a=b∨~Fb  2578ア∨E
 2  (ウ)  ∀y(~Fa∨a=y∨~Fy) イUI
 2  (エ)∃x∀y(~Fx∨x=y∨~Fy) ウEI
1   (オ)∃x∀y(~Fx∨x=y∨~Fy) 12エEE
従って、
(04)により、
(05)
④ ~∃x∃y(x≠y&Fx&Fy)
⑤ ∃x∀y(Fx&x≠y→ ~Fy)
⑥ ∃x∀y(~Fx∨x=y∨~Fy)
に於いて、
④ ならば、⑤ であり、
⑤ ならば、⑥ である。
従って、
(05)により、
(06)
④(2つ以上のFが存在する)ということはない。
⑤ あるxとすべてのyについて、(xがFであって、xがyでないならば、yはFではない)。
⑥ あるxとすべてのyについて、(xはFでないか、xはyであるか、yはFでない)。
に於いて、
④ ならば、⑤ であり、
⑤ ならば、⑥ である。
従って、
(06)により、
(07)
④(2つ以上のFが存在する)ということはない。
⑤ Fが存在するならば、1つだけである。
⑥ Fは存在しないかも知れない。
に於いて、
④ ならば、⑤ であり、
⑤ ならば、⑥ である。
従って、
(05)(06)(07)により、
(08)
④  ∃x∃y(x≠y&Fx&Fy)
⑤ ~∃x∀y(Fx&x≠y→ ~Fy)
⑥ ~∃x∀y(~Fx∨x=y∨~Fy)
に於いて、すなわち、
④(2つ以上のFが存在する)。
⑤(Fが存在するならば、1つだけである)ということはない。
⑥(Fは存在しないかも知れない)ということはない。
に於いて、
④ ならば、⑤ であり、
⑤ ならば、⑥ である。
従って、
(08)により、
(09)
④ 2つ以上のFが存在する。
⑤ Fは存在するし、Fが1つだけであるということはない。
に於いて、
④ ならば、⑤ である。
令和5年3月29日、毛利太。

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