(01)
「未」「將」「當」「應」「宜」「須」「猶」「盍」などの諸字は、一字でありながら、最初、副詞に読み、次に動詞あるいは助動詞と読むのが慣例となっている。― 中略 ―
「未」は「いまダ~ず」とよみ、「まだ~しない」の意で、「尚不」と同じである(中沢希男・澁谷玲子、漢文訓読の基礎、1985年、90頁)。
従って、
(01)により、
(02)
_未嘗有不可対人言者耳=
尚不嘗有不可対人言者耳=
尚不〈嘗有{不[可〔対(人)言〕]者}〉耳⇒
尚〈嘗{[〔(人)対言〕可]不者}有〉不耳=
尚だ嘗て人に対して言ふ可から不る者有ら不るのみ。
然るに、
(03)
尚丙〈嘗乙{下[中〔二(一)上〕]甲}〉者。
に於いて、
丙=不
乙=有
下=不
中=可
二=対
一=人
上=言
甲=者
であれば、
尚丙〈嘗乙{下[中〔二(一)上〕]甲}〉者⇒
尚〈嘗{[〔(一)二上〕中]下甲}乙〉丙者=
尚〈嘗{[〔(人)対言〕可]不者}有〉不耳=
尚だ嘗て人に対して言ふ可から不る者有ら不るのみ。
従って、
(02)(03)により、
(04)
尚不嘗有不可対人言者耳=
尚だ嘗て人に対して言ふ可から不る者有ら不るのみ。
といふ「漢文」に付く「返り点」は、
丙 乙 下 中 二 一 上 甲
である。
然るに、
(05)
従って、
(04)(05)により、
(06)
例へば、
① 下 中 レ 二 レ 一 上
② 二 レ 一レ
③ レ
④ レ レ
⑤ レ レ レ
⑥ 二 一レ 二 一
⑦ 乙 下 二 レ 一レ 上レ レ 甲レ
といふ「返り点(レ点有り)」は、
① 丙 乙 下 中 二 一 上 甲
② 下 二 一 中 上
③ 二 一
④ 三 二 一
⑤ 四 三 二 一
⑥ 四 三 二 一
⑦ 人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天
といふ「返り点(レ点無し)」に、「置き換へ」ることが、出来る。
従って、
(06)により、
(07)
② 上 中 下
④ 天 地 人
といふ、それぞれの「三組」で「不足」が生じない限り、
① 一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
④ 天 地 人
⑤ レ
⑥ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ「返り点」で表すことが出来る「順番」の「集合」は、
① 一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
④ 天 地 人
といふ「返り点」で表すことが出来る「順番」の「集合」に、等しい。
従って、
(07)により、
(08)
① ( )
② 〔 〕
③ [ ]
④ { }
で表すことが出来ない「順番」の「集合」が「集合Β」であるとして、
① 一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
④ 天 地 人
で表すことが出来ない「順番」の「集合」も「集合Β」であるならば、「Βの補集合」は、
① ( )
② 〔 〕
③ [ ]
④ { }
といふ「括弧」、並びに、
① 一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
④ 天 地 人
⑤ レ
⑥ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ「返り点」で、表すことが出来る「順番」の『集合』に、等しい。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① 一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
④ 天 地 人
⑤ レ
⑥ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ「返り点」で表すことが出来る「順番」の『集合』は、
① ( )
② 〔 〕
③ [ ]
④ { }
といふ「括弧」で表すことが出来る「順番」の『集合』に等しい。
といふ「定理」を証明するためには、
① ( )
② 〔 〕
③ [ ]
④ { }
で表すことが出来ない「順番」の「集合」が、
① 一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
④ 天 地 人
で表すことが出来ない「順番」の「集合」に等しい。
といふことを示せば、「十分」である。
然るに、
(10)
「返り点」とは、「縦書き」であれば、「下から、上へ返る、返り点」であって、それ故、
「返り点」とは、「横書き」であれば、「右から、左へ返る、返り点」であって、それ故、
「返り点」とは、「横書き」であれば、「左から、右へ返る、返り点」ではない。
従って、
(10)により、
(11)
β : 2←1
α : 3←2
ε : 3←2←1
の「順」でなければ、「返り点」は付かない。
従って、
(11)により、
(12)
α : 1 3 2
β : 2 1 3
γ : 2 3 1
δ : 3 1 2
ε : 3 2 1
であれば、
α : 囗 3 2
β : 2 1 囗
γ : 2 囗 1
δ : 3 囗 2
ε : 3 2 1
とした場合、「返り点」は、「囗の位置」には、付かない。
従って、
(12)により、
(13)
α : 1 3 2
β : 2 1 3
γ : 2 3 1
δ : 3 1 2
ε : 3 2 1
に付く「一二点」は、
α : 囗 二 一
β : 二 一 囗
γ : 二 囗 一
δ : 二 囗 一
ε : 三 二 一
である。
然るに、
(14)
α : 囗 二 一
β : 二 一 囗
γ : 二 囗 一
δ : 二 囗 一
ε : 三 二 一
に於いて、「一番最初」に読まれる「囗」を、「#」に「置き換へ」ると、
α : # 二 一
β : 二 一 囗
γ : 二 # 一
δ : 二 # 一
ε : 三 二 一
cf.
然るに、
(15)
α : # 二 一
γ : 二 # 一
δ : 二 # 一
に於いて、「#」を、「一番最初」に読むためには、「#=〇」として、
α : 〇 二 一
γ : 二 〇 一
δ : 二 〇 一
とする「必要」がある。
然るに、
(16)
α : 〇 二 一
γ : 二 〇 一
δ : 二 〇 一
といふ「順番」は、
α : 一 三 二
γ : 三 一 二
δ : 三 一 二
といふ「順番」、すなはち、
α : 1 3 2
γ : 3 1 2
δ : 3 1 2
に、他ならない。
然るに、
(17)
β : 二 一 囗
ε : 三 二 一
の場合は、もちろん、
β : 2 1 3
ε : 3 2 1
である。
従って、
(16)(17)により、
(18)
α : 1 3 2
β : 2 1 3
γ : 3 1 2
δ : 3 1 2
ε : 3 2 1
である。
従って、
(13)(18)により、
(19)
γ : 2 3 1
であって、
γ : 3 1 2
であるものの、
γ : 2 3 1
γ : 3 1 2
は、もちろん、「矛盾」である。
従って、
(11)~(19)により、
(20)
「返り点」とは、「横書き」であれば、「右から、左へ返る、返り点」であって、
「返り点」とは、「横書き」であれば、「左から、右へ返る、返り点」ではない。
とする限り、
α : 1 3 2
β : 2 1 3
γ : 2 3 1
δ : 3 1 2
ε : 3 2 1
に於いて、
γ : 2 3 1
といふ「順番」に対応する「返り点」は、存在しない。
然るに、
(21)
従って、
(20)(21)により、
(22)
「理屈」の上でも、「事実」の上でも、
γ : 2 3 1
といふ「順番」に対応する「返り点」は、存在しない。
然るに、
(23)
α : 1 3 2
β : 2 1 3
γ : 2 3 1
δ : 3 1 2
ε : 3 2 1
といふ「五つの順番」の内の、
γ : 2 3 1
に対して、
① ( )
② 〔 〕
を加へると、
γ : 2(3〔1)〕
然るに、
(24)
γ : 2(3〔1)〕
に於いて、
γ : 2( )⇒( )2
γ : 3〔 〕⇒〔 〕3
とするならば、
γ : 2(3〔1)〕⇒
γ : (〔1)2〕3=123。
然るに、
(25)
① ( )
② 〔 〕
に於いて、
② が有る場合は、② の中には、一つ以上の ① が有って、
① の中には、① が無いならば、その時に限って、「括弧」とする。
然るに、
(26)
γ : 2(3〔1)〕
の「それ」は、
γ : ( 〔 ) 〕
であるため、「括弧」ではない。
従って、
(24)(25)(26)により、
(27)
γ : 2(3〔1)〕⇒
γ : (〔1)2〕3=123。
といふ「ソート(並び替へ)」は、「括弧」による「ソート(並び替へ)」ではない。
従って、
(27)により、
(28)
α : 1 3 2
β : 2 1 3
γ : 2 3 1
δ : 3 1 2
ε : 3 2 1
といふ「五つの順番」の内、
γ : 2 3 1
に関しては、「括弧」による「ソート(並び替へ)」を行ふことが、出来ない。
然るに、
(25)により、
(29)
α : 1 3(2)
β : 2(1 3)
γ :
δ : 3(1 2)
ε : 3〔2(1)〕
の場合は、「四つ」とも、「括弧」である。
従って、
(28)(29)により、
(30)
α : 1 3 2
β : 2 1 3
γ : 2 3 1
δ : 3 1 2
ε : 3 2 1
といふ「五つの順番」の内、
γ : 2 3 1
だけは、「括弧」による「ソート(並び替へ)」を行ふことが、出来ない。
従って、
(20)(30)により、
(31)
「3P3(順列)」、すなはち、
1 2 3
1 3 2
2 1 3
2 3 1
3 1 2
3 2 1
といふ「六つの順番」から、
1<2<3
を除いた、
α : 1 3 2
β : 2 1 3
γ : 2 3 1
δ : 3 1 2
ε : 3 2 1
といふ「五つの順番」の内、
γ : 2 3 1
だけは、「返り点・括弧」による「ソート(並び替へ)」を行ふことが、出来ない。
従って、
(31)により、
(32)
L<M>N & L=N+1
に於いて、
L =2
M=3
N =1
である時、「返り点・括弧」は、
L<M>N
を、
N<L<M
といふ「順番」に、「並び替へる(ソートする)」ことが出来ない。
(33)
初めから、
1<2<3<4
である、
1 2 3 4
を除いて、
1 2 4 3
1 3 2 4
1 3 4 2
1 4 2 3
1 4 3 2
2 1 3 4
2 1 4 3
2 3 1 4
2 3 4 1
2 4 1 3
2 4 3 1
3 1 2 4
3 1 4 2
3 2 1 4
3 2 4 1
3 4 2 1
3 4 1 2
4 1 2 3
4 1 3 2
4 2 1 3
4 2 3 1
4 3 1 2
4 3 2 1
に対して、「括弧」を加へると、
1 2 4(3)
1 3(2)4
1 3(4〔2)〕
1 4(2 3)
1 4〔3(2)〕
2(1)3 4
2(1)4(3)
2(3〔1)〕4
2(3〔4[1)〕]
2(4〔1)3〕
2(4[3〔1)〕]
3(1 2)4
3(1 4〔2)〕
3〔2(1)〕4
3〔2(4[1)〕]
3〔4[2(1)〕]
3(4〔1 2)〕
4(1 2 3)
4〔1 3(2)〕
4〔2(1)3〕
4[2(3〔1)〕]
4〔3(1 2)〕
4[3〔2(1)〕]
(34)
① ( )
② 〔 〕
③ [ ]
に於いて、
③ が有る場合は、③ の中には、一つ以上の ② が有って、
② が有る場合は、② の中には、一つ以上の ① が有って、
① の中には、① が無いならば、その時に限って、「括弧」とする。
従って、
(33)(34)により、
(35)
1 3(4〔2)〕
2(3〔1)4〕
2(3〔4[1)〕]
2(4〔1)3〕
2(4[3〔1)〕]
3〔1(4[2)〕]
3〔2(4[1)〕]
3〔4[2(1)〕]
3(4〔1 2)〕
4[2(3〔1)〕]
に於ける、
( 〔 )〕
( 〔 ) 〕
( 〔 [ )〕]
( 〔 ) 〕
( [ 〔 )〕]
〔 ( [ )〕]
〔 ( [ )〕]
〔 [ ( )〕]
( 〔 )〕
[ ( 〔 )〕]
は、「括弧」ではない。
従って、
(35)により、
(36)
1 3 4 2
2 3 1 4
2 3 4 1
2 4 1 3
2 4 3 1
3 1 4 2
3 2 4 1
3 4 2 1
3 4 1 2
4 2 3 1
といふ「順番」に対しては、
① ( )
② 〔 〕
③ [ ]
といふ「括弧」を用ゐた、「ソート(並び替へ)」を行ふことが、出来ない。
然るに、
(37)
例へば、
1 3 4 2
であれば、
1 3<4>2
であるため、
L =3
M=4
N =2
である時、
1 3 4 2
といふ「順番」は、
L<M>N & L=N+1
といふ「順番」を、含んでゐる。
(38)
例へば、
3 1 4 2
であれば、
3>1<4>2
であるため、
L =3
M=4
N =2
である時、
3 1 4 2
といふ「順番」は、
L<M>N & L=N+1
といふ「順番」を、含んでゐる。
従って、
(37)(38)により、
(39)
1 3 4 2
2 3 1 4
2 3 4 1
2 4 1 3
2 4 3 1
3 1 4 2
3 2 4 1
3 4 2 1
3 4 1 2
4 2 3 1
といふ「順番」は、
1<3<4>2
2<3>1<4
2<3<4>1
2<4>1<3
2<4>3>1
3>1<4>2
3>2<4>1
3<4>2>1
3<4>1<2
4>2<3>1
であるが故に、「10個」とも、
L<M>N & L=N+1
といふ「順番」を、含んでゐる。
然るに、
(40)
1 2 4 3
1 3 2 4
1 4 2 3
1 4 3 2
2 1 3 4
2 1 4 3
3 1 2 4
3 2 1 4
4 1 2 3
4 1 3 2
4 2 1 3
4 3 1 2
4 3 2 1
の場合は、
1<2<4>3
1<3>2<4
1<4>2<3
1>4>3<2
2>1<3<4
2>1<4>3
3>1<2<4
3>2>1<4
4>1<2<3
4>1<3>2
4>2>1<3
4>3>1<2
4>3>2>1
であるため、「13個」とも、
L<M>N & L=N+1
といふ「順番」を含んでゐない。
従って、
(33)~(40)により、
(41)
「順列(4P4)」から、
1<2<3<4
を除いた「順番」を、
1 2 4 3
1 3 2 4
1 4 2 3
1 4 3 2
2 1 3 4
2 1 4 3
3 1 2 4
3 2 1 4
4 1 2 3
4 1 3 2
4 2 1 3
4 3 1 2
4 3 2 1
といふ「集合Α」と、
1 3 4 2
2 3 1 4
2 3 4 1
2 4 1 3
2 4 3 1
3 1 4 2
3 2 4 1
3 4 2 1
3 4 1 2
4 2 3 1
といふ「集合Β」に、分けた場合、
①「集合Α」は、「括弧」を用ゐた、「ソート(並び替へ)」を行ふことが、出来、尚且つ、
①「集合Α」は、「L<M>N & L=N+1」といふ「順番」を含んでゐない。
②「集合Β」は、「括弧」を用ゐた、「ソート(並び替へ)」を行ふことが、出来ずに、尚且つ、
②「集合Β」は、「L<M>N & L=N+1」といふ「順番」を含んでゐる。
従って、
(41)により、
(42)
「順列(4P4)」から、
1<2<3<4
を除いた場合、「与えられた順番」が、「L<M>N & L=N+1」といふ「順番」を含んでゐないならば、その時に限って、その「順番」は、「括弧」を用ゐた「ソート(並び替
へ)」が、可能である。
然るに、
(43)
「集合Α」の「返り点」は、
1 3 4 2 : 二 三 一
2 3 1 4 : 二 三 一
2 3 4 1 : 二 三 四 一
2 4 1 3 : 二 四 一 三
2 4 3 1 : 二 三レ 一
3 1 4 2 : 二 三 一
3 2 4 1 : 三 二 四 一
3 4 2 1 : 二 三 一レ
3 4 1 2 : 二 三 一
4 2 3 1 : 四 二 三 一
である。
(44)
「集合Β」の「それ」は、
1 3 4 2 : 二 三 一
2 3 1 4 : 二 三 一
2 3 4 1 : 二 三 四 一
2 4 1 3 : 二 四 一 三
2 4 3 1 : 二 三レ 一
3 1 4 2 : 二 三 一
3 2 4 1 : 三 二 四 一
3 4 2 1 : 二 三 一レ
3 4 1 2 : 二 三 一
4 2 3 1 : 四 二 三 一
である。
然るに、
(45)
「返り点」は、「横書き」であれば、「左へ返る点」であって、「右へ返る点」ではない。が故に、
1 2 4 3 : レ
1 3 2 4 : レ
1 4 2 3 : 二 一
1 4 3 2 : レ レ
2 1 3 4 : レ
2 1 4 3 : レ レ
3 1 2 4 : 二 一
3 2 1 4 : レ レ
4 1 2 3 : 二 一
4 1 3 2 : 二 一レ
4 2 1 3 : 二 レ 一
4 3 1 2 : レ 二 一
4 3 2 1 : レ レ レ
の「それ」は、「返り点」である。一方で、
1 3 4 2 : 二 三 一
2 3 1 4 : 二 三 一
2 3 4 1 : 二 三 四 一
2 4 1 3 : 二 四 一 三
2 4 3 1 : 二 三レ 一
3 1 4 2 : 二 三 一
3 2 4 1 : 三 二 四 一
3 4 2 1 : 二 三 一レ
3 4 1 2 : 二 三 一
4 2 3 1 : 四 二 三 一
の「それ」は、「返り点」ではない。
従って、
(41)~(45)により、
(46)
「順列(4P4)」から、
1<2<3<4
を除いた場合、「与えられた順番」が、「L<M>N & L=N+1」といふ「順番」を含んでゐないならば、その時に限って、その「順番」は、「返り点・括弧」を用ゐた「ソート
(並び替へ)」が、可能である。
従って、
(31)(32)(46)により、
(47)
1<2<3
1 3 2
2 1 3
2 3 1
3 1 2
3 2 1
1<2<3<4
1 2 4 3
1 3 2 4
1 3 4 2
1 4 2 3
1 4 3 2
2 1 3 4
2 1 4 3
2 3 1 4
2 3 4 1
2 4 1 3
2 4 3 1
3 1 2 4
3 1 4 2
3 2 1 4
3 2 4 1
3 4 2 1
3 4 1 2
4 1 2 3
4 1 3 2
4 2 1 3
4 2 3 1
4 3 1 2
4 3 2 1
から、
1<2<3
1<2<3<4
を除ゐた場合、
L<M>N & L=N+1
L<M>N
を含む「順番」を含まないならば、その時に限って、「返り点・括弧」による、「並び替へ(ソート)」が、可能になる。
従って、
(47)により、
(48)
2 3 1
2 3 4 1
のやうな「順番」の場合は、「括弧」を用ゐた、「ソート(並び替へ)」を行ふことが、出来ない。
然るに、
(49)
2 3 1
2 3 4 1
に於いて、さうであれば、
3 4 2
3 4 5 2
に於いても、さうであり、それ故、
1 3 4 2
1 3 4 5 2
のやうな「順番」の場合も、「括弧」を用ゐた、「ソート(並び替へ)」を行ふことが、出来ない。
然るに、
(50)
1 3 4 2
1 3 4 5 2
に於いて、さうであれば、
11 13 14 12
11 13 14 15 12
のやうな「順番」の場合も、「括弧」を用ゐた、「ソート(並び替へ)」を行ふことが、出来ない。
従って、
(25)(34)(48)(49)(50)により、
(51)
① ( )
② 〔 〕
③ [ ]
④ { }
に於いて、
④ が有る場合は、④ の中には、一つ以上の ③ が有って、
③ が有る場合は、③ の中には、一つ以上の ② が有って、
② が有る場合は、② の中には、一つ以上の ① が有って、
① の中には、① が無いならば、その時に限って、「括弧」である。
とするとき、
L<M>M & L=N+1
といふ「順番」を含む「順番」であれば、その時に限って、「括弧」を用ゐた、「ソート(並び替へ)」を行ふことは、出来ない。
然るに、
(52)
20 1 2 12 9 5 3 4 8 6 7 11 10 15 13 14 16 19 17 18=
20{1 2 12[9〔5(3 4)8(6 7)〕11(10)]15(13 14)16 19(17 18)}⇒
{1 2 [〔(3 4)5(6 7)8〕9(10)11]12(13 14)1516 (17 18)19}20=
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
従って、
(51)(52)により、
(53)
20>1<2<12>9>5>3<4<8>6<7<11>10<15>13<14<16<19>17<18
といふ「順番」は、
L<M>M & L=N+1
といふ「順番」を含まない。
然るに、
(54)
20{1 2 12[9〔5(3 4)8(6 7)〕11(10)]15(13 14)16 19(17 18)}
に於いて、
1 2 3 6 13 16 17
の場合は、「そのまま、上から下(左から右)へ読む」ため、「返り点」は、固より、「不要」である。
従って、
(54)により、
(55)
「返り点」を考へる場合に、「1 2 3 6 13 16 17」は「不要」であるため、
20{1 2 12[9〔5(3 4)8(6 7)〕11(10)]15(13 14)16 19(17 18)}⇒
20{12[9〔5(4)8(7)〕11(10)]15(14)19(18)}⇒
13{8[5〔2(1)4(3)〕7(6)]10(9)12(11)}。
とすれば、
13 8 5 2 1 4 3 7 6 10 9 12 11
といふ「順番」は、「返り点」に、相当する。
然るに、
(56)
20 1 2 12 9 5 3 4 8 6 7 11 10 15 13 14 16 19 17 18
といふ「順番」に対して、
十三 八 五 二 一 四 三 七 六 十 九 十二 十一
といふ「一二点」だけを加へるならば、
使=20=十三
籍=1
誠=2
不=12=八
以=9 =五
畜=5 =二
妻=3
子=4 =一
憂=8 =四
飢=6
寒=7 =三
乱=11=七
心=10=六
有=15=十
銭=13
財=14=九
以=16
済=19=十二
医=17
薬=18=十一
然るに、
(57)
一・二点をはさんで返る時は上・中・下点。
上・中・下点をはさんで返る時は甲・乙点。
甲・乙点をはさんで返る時は天・地(天・地・人)点である。
(志村和久、漢文早わかり、1982年、20頁)
従って、
(56)(57)により、
(58)
使=20=人
籍=1
誠=2
不=12=丙
以=9 =下
畜=5 =二
妻=3
子=4 =一
憂=8 =中
飢=6
寒=7 =上
乱=11=乙
心=10=甲
有=15=二
銭=13
財=14=一
以=16
済=19=地
医=17
薬=18=天
cf. 従って、
(52)~(58)により、
(59)
① 使籍誠不以畜妻子憂飢寒乱心有銭財以済医薬=
① 使{籍誠不[以〔畜(妻子)憂(飢寒)〕乱(心)]有(銭財)以済(医薬)}⇒
①{籍誠[〔(妻子)畜(飢寒)憂〕以(心)乱]不(銭財)有以(医薬)済}使=
①{籍をして誠に[〔(妻子を)畜ひ(飢寒を)憂ふるを〕以て(心を)乱さ]不(銭財)有りて以て(医薬を)済さ}使む。
に付く「返り点」は、
① 人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天
である。
然るに、
(60)
使=20=人
籍=1
誠=2
不=12=丙
以=9 =下
畜=5 =二
妻=3
子=4 =一
憂=8 =中
飢=6
寒=7 =上
乱=11=乙
心=10=甲
有=15=二
銭=13
財=14=一
以=16
済=19=地
医=17
薬=18=天
に於いて、
使=20=人
が
不=12=丙
と、
以=9=下
の間に移動した場合が、(61)である。
(61)
籍=1
誠=2
不=12=丙
使=20=人
以=9 =下
畜=5 =二
妻=3
子=4 =一
憂=8 =中
飢=6
寒=7 =上
乱=11=乙
心=10=甲
有=15=二
銭=13
財=14=一
以=16
済=19=地
医=17
薬=18=天
然るに、
(51)(57)(61)により、
(62)
丙 人 乙
であれば、
甲・乙点が、天・地点をはさんでゐる。
が故に、「返り点」として、「矛盾」するし、
12<20>11
であるため、すなはち、
L<M>M & L=N+1
であるため、「括弧」は無い。
(63)
使=20=人
籍=1
誠=2
不=12=丙
以=9 =下
畜=5 =二
妻=3
子=4 =一
憂=8 =中
飢=6
寒=7 =上
乱=11=乙
心=10=甲
有=15=二
銭=13
財=14=一
以=16
済=19=地
医=17
薬=18=天
に於いて、
心=10=甲
が
畜=5=二
と、
子=4=一
の間に移動した場合が、(64)である
(64)
使=20=人
籍=1
誠=2
不=12=丙
以=9 =下
畜=5 =二
妻=3
心=10=甲
子=4 =一
憂=8 =中
飢=6
寒=7 =上
乱=11=乙
有=15=二
銭=13
財=14=一
以=16
済=19=地
医=17
薬=18=天
然るに、
(51)(57)(64)により、
(65)
二 甲 一
であれば、
一・二点が、甲・乙点をはさんでゐる。
が故に、「矛盾」するし、
5<10>4
であるため、すなはち、
L<M>M & L=N+1
であるため、「括弧」は無い。
(66)
使=20=人
籍=1
誠=2
不=12=丙
以=9 =下
畜=5 =二
妻=3
子=4 =一
憂=8 =中
飢=6
寒=7 =上
乱=11=乙
心=10=甲
有=15=二
銭=13
財=14=一
以=16
済=19=地
医=17
薬=18=天
に於いて、
心=10=甲
が
有=15=二
と、
財=14=一
の間に移動した場合が、(67)である。
(67)
使=20=人
籍=1
誠=2
不=12=丙
以=9 =下
畜=5 =二
妻=3
子=4 =一
憂=8 =中
飢=6
寒=7 =上
乱=11=乙
有=15=二
銭=13
心=10=甲
財=14=一
以=16
済=19=地
医=17
薬=18=天
然るに、
(51)(57)(67)により、
(68)
乙 二 甲 一
であれば、
一・二点が、甲・乙点をはさんでゐる。
が故に、「矛盾」するし、
11<15>10>14
であるため、すなはち、
L<M>M & L=N+1
であるため、「括弧」は無い。
(69)
使=20=人
籍=1
誠=2
不=12=丙
以=9 =下
畜=5 =二
妻=3
子=4 =一
憂=8 =中
飢=6
寒=7 =上
乱=11=乙
心=10=甲
有=15=二
銭=13
財=14=一
以=16
済=19=地
医=17
薬=18=天
に於いて、
不=12=丙
が
有=15=二
と、
銭=13
財=14=一
の間に移動した場合が、(70)である。
(70)
使=20=人
籍=1
誠=2
以=9 =下
畜=5 =二
妻=3
子=4 =一
憂=8 =中
飢=6
寒=7 =上
乱=11=乙
心=10=甲
有=15=二
不=12=丙
銭=13
財=14=一
以=16
済=19=地
医=17
薬=18=天
然るに、
(57)により、
(58)
不=12=丙
銭=13
であれば、
有=15=二
不=12
銭=13
財=14=一
となって、「丙」は、消えてしまふ。
(71)
20{1 2 12[9〔5(3 4)8(6 7)〕11(10)]15(13 14)16 19(17 18)}
に対して、
20〈1 2 19{12[9〔5(3 4)8(6 7)〕11(10)]15(13 14)16 17 18}〉
であるため、
( )
〔 〕
[ ]
{ }
に対して、
〈 〉を加へれば、「返り点・括弧」は、
使=20=人
籍=1
誠=2
済=19=地
不=12=丙
以=9 =下
畜=5 =二
妻=3
子=4 =一
憂=8 =中
飢=6
寒=7 =上
乱=11=乙
心=10=甲
有=15=二
銭=13
財=14=一
以=16
医=17
薬=18=天
といふ「順番」を表すことが、出来る。
(72)
20{1 2 12[9〔5(3 4)8(6 7)〕11(10)]15(13 14)19〔17(16)18〕}
であるため、「返り点・括弧」は、
使=20=人
籍=1
誠=2
不=12=丙
以=9 =下
畜=5 =二
妻=3
子=4 =一
憂=8 =中
飢=6
寒=7 =上
乱=11=乙
心=10=甲
有=15=二
銭=13
財=14=一
済=19=地
医=17=二
以=16=一
薬=18=天
といふ「順番」を表すことが、出来る。
(73)
使=20=人
籍=1
誠=2
不=12=丙
以=9 =下
畜=5 =二
妻=3
子=4 =一
憂=8 =中
飢=6
寒=7 =上
乱=11=乙
心=10=甲
有=15=二
銭=13
財=14=一
以=16
済=19=地
医=17
薬=18=天
に於いて、
済=19=地
が
有=15=二
と、
銭=13
財=14=一
の間に移動した場合が、(74)である。
(74)
使=20=人
籍=1
誠=2
不=12=丙
以=9 =下
畜=5 =二
妻=3
子=4 =一
憂=8 =中
飢=6
寒=7 =上
乱=11=乙
心=10=甲
有=15=二
済=19=地
銭=13
財=14=一
以=16
医=17
薬=18=天
然るに、
(51)(57)(74)により、
(75)
二 地 一
であれば、
一・二点が、天・地点をはさんでゐる。
が故に、「矛盾」するし、
15<19>13・14
であるため、すなはち、
L<M>M & L=N+1
であるため、「括弧」は無い。といふ「意味」は、
20{1 2 12[9〔5(3 4)8(6 7)〕11(10)]15(19〔13 14)16 17 18〕}⇒
{1 2 [9〔(3 4)5(6 7)8〕(10)11]12(〔13 14)1516 17 18〕19}20。
に於ける、
15(19〔13 14)16 17 18〕
といふ「部分」の、
( 〔 ) 〕
といふ「それ」が、「括弧」ではない。といふことに、他ならない。
(76)
使=20=人
籍=1
誠=2
不=12=丙
以=9 =下
畜=5 =二
妻=3
子=4 =一
憂=8 =中
飢=6
寒=7 =上
乱=11=乙
心=10=甲
有=15=二
銭=13
財=14=一
以=16
済=19=地
医=17
薬=18=天
に於いて、
薬=18=天
が
有=15=二
と、
銭=13
財=14=一
の間に移動した場合が、(77)である。
(77)
使=20=人
籍=1
誠=2
不=12=丙
以=9 =下
畜=5 =二
妻=3
子=4 =一
憂=8 =中
飢=6
寒=7 =上
乱=11=乙
心=10=甲
有=15=二
薬=18=天
銭=13
財=14=一
以=16
済=19=地
医=17
然るに、
(51)(57)(77)により、
(78)
二 天 一
であれば、
一・二点が、天・地点をはさんでゐる。
が故に、「矛盾」するし、
15<18>13・14
であるため、すなはち、
L<M>M & L=N+1
であるため、「括弧」は無い。といふ「意味」は、
20{1 2 12[9〔5(3 4)8(6 7)〕11(10)]15(18〔13 14)16 19[17〕]}⇒
{1 2 12[9〔5(3 4)8(6 7)〕11(10)](〔13 14)1516 [17〕18]19}20。
に於ける、
15(18〔13 14)16 19[17〕]
といふの「部分」の
( 〔 )[ 〕 ]
といふ「それ」が、「括弧」ではない。といふことに、他ならない。
然るに、
(79)
使=20=囗
籍=1
誠=2
不=12=丙
以=9 =下
畜=5 =二
妻=3
子=4 =一
憂=8 =中
飢=6
寒=7 =上
乱=11=乙
心=10=甲
済=19=人
有=15=二
銭=13
財=14=一
以=16
薬=18=地
医=17=天
であれば、
20{1 2 12[9〔5(3 4)8(6 7)〕11(10)]19〔15(13 14)1618(17)〕}⇒
{1 2 [〔(3 4)5(6 7)8〕9(10)11]12〔(13 14)1516(17)18〕19}20。
であるため、
① ( )
② 〔 〕
③ [ ]
④ { }
については、「不足」しないものの、、
① 一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
④ 天 地 人 囗
に於ける、
④ 囗 が、「不足」する。
従って、
(01)~(79)により、
(80)
① 一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
④ 天 地 人
といふ「返り点」で表すことが出来る「順番」の「集合」、すなはち、
① 一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
④ 天 地 人
⑤ レ
⑥ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ「返り点」で表すことが出来る「順番」の「集合」と、
① ( )
② 〔 〕
③ [ ]
④ { }
で表すことが出来る「順番」の「集合」は、
② 上 中 下
④ 天 地 人
の、それぞれの「三つ」が「不足」しない限り、
④ { }
の次の、
⑤ 〈 〉
を「必要」としない限り、等しい。
要するに、
(81)
「返り点」は、「縦書き」であれば、「上へ返る点」であって、「下へ返る点」ではない。が故に、
「返り点」は、「横書き」であれば、「左へ返る点」であって、「右へ返る点」ではない。にも拘はらず、
L<M>M & L=N+1
といふ「順番」を、「返り点」を用ゐて、
N<L<M
といふ「順番」に「ソートし(並び替へ)」ようとすると、「下へ返る、返る点」を、用ゐざるを得ず、それ故、「(返り点としての)反則」が生じ、その際に、「括弧」であれば、
二(三〔一)〕に於ける、( 〔 ) 〕のやうな、「(括弧としての)反則」が、生じることになる。
従って、
(82)
① 一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
④ 天 地 人
⑤ レ
⑥ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ「返り点」を、「下へ返る点」として、用ゐることが無いのであれば、その時に限って、
① ( )
② 〔 〕
③ [ ]
④ { }
といふ「括弧」が、表すことが出来る「順番」の「集合」と、
① 一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
④ 天 地 人
⑤ レ
⑥ 一レ 上レ 甲レ 天レ
といふ「返り点」が、表すことが出来る「順番」の「集合」は、等しい。
Q.E.D.
平成27年10月17日、毛利太。
― 「熟語の場合」―
(83)
① 読(漢文)⇒
① (漢文)読=
① (漢文を)読む。
に対して、
② 訓‐読(漢文)⇒
② (漢文)訓‐読=
② (漢文を)訓‐読す。
従って、
(84)
① 3(1 2)⇒
① (1 2)3。
に対して、
② 3‐4(1 2)⇒
② (1 2)3‐4。
然るに、
(85)
② 3‐4 1 2
に於いて、
② L =3
② M=4
② N =2
であれば、
② L<M>N & L=N+1
である。
然るに、
(86)
②「訓読」のやうな、「二字熟語」は、
②「一語」と、見なす。
従って、
(87)
② 訓‐読(漢文)⇒
② (漢文)訓‐読=
② (漢文を)訓‐読す。
の場合も、
① 読(漢文)⇒
① (漢文)読=
① (漢文を)読む。
と同様に、
② 3(1 2)⇒
② (1 2)3。
であって、
② 3‐4(1 2)⇒
② (1 2)3‐4。
ではない。
cf.
(88)
② 訓‐読(漢文)。
の場合も、
② L<M>N & L=N+1
ではない。
(89)
③ 先‐後‐生(三文字)
等も、「一語」と見なすため、
③ 3‐4‐5(1 2)⇒
③ (1 2)3‐4‐5。
とは、ならず、それ故、
③ L<M>N & L=N+1
ではない。
― 「白話(中国語)」の場合 ―
(90)
例へば、「新釈漢文大系 全120巻(別巻1) - 明治書院」には、
① 一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 ・ ・ ・ ・ ・
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
④ 天 地 人
⑤ レ
⑥ 一レ 上レ 甲レ 天レ
が、付けられてゐる。
従って、
(82)(90)により、
(91)
「新釈漢文大系 全120巻(別巻1) - 明治書院」に対しては、
① ( )
② 〔 〕
③ [ ]
④ { }
⑤ 〈 〉
を、付けることが、出来る。
然るに、
(92) 然るに、
(93)
α : 4 2<3>1 (下 二 上 一)
β : 2<5 3>1 4(二 五 三 一 四)
γ : 2<4 3>1 (二 三レ 一)
であるため、「括弧」を付けることが、出来ないし、
(94)
α : 下 二 上 一
β : 二 五 三 一 四
γ : 二 三レ 一
の場合は、「上から下へ、返ってゐる」ため、「返り点」ではない。
従って、
(91)~(94)により、
(95)
「白話文(中国語)訓読」に於ける、
α : 只管要纏擾我(下 二 上 一)。
β : 端的看不出這婆子的本事来 (二 五 三 一 四)。
β : 西門慶促忙促急儧造不出床来(二 五 三 一 四)。
γ : 吃了不多酒(二 三レ 一)。
といふ「語順」は、「漢文訓読」から見ると、「異常」である。
従って、
(96)
「漢文」と「白話文(中国語)」は、甚だ、著しく、完全に、「異なる言語」であるとしか、思へない。
それ故、
(97)
私は中国語の勉強をお勧めします。私も中国語を勉強して白文を読むのが楽になりました(kiebine2007さん)。
といふことが、私には、信じられない。
平成27年10月19日、毛利太。
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