2015年10月31日土曜日

「返り点・括弧」の条件。

―「10月29日の記事」を書き換へます。―
(01)
① 訓‐読(漢文)=
① 3‐4(12)⇒
①(12)3‐4=
①(漢文)訓‐読=
①(漢文を)訓‐読す。
然るに、
(02)
囗=訓読
といふ「漢字」が、有るものとする。
従って、
(01)(02)により、
(03)
② 囗(漢文)=
② 3(12)⇒
② (12)3=
② (漢文)囗=
② (漢文を)囗す=
② (漢文を)訓読す。
従って、
(01)(03)により、
(04)
② 3 1 2
① 3‐4 1 2
といふ「順番」の「返り点・括弧」を考へることは、
② 3 1 2
といふ「順番」の「返り点・括弧」を考へることに、等しい。
cf.


(05)

従って、
(05)により、
(06)
③ 5  2 1 4 3
② 7 3 1‐2 6 4‐5
① 9 4 1‐2‐3 8 5‐6‐7
といふ「順番」の「返り点・括弧」を考へることは、
③ 5  2 1 4 3
といふ「順番」の「返り点・括弧」を考へることに、等しい。
(07)
「未」「將」「當」「應」「宜」「須」「猶」「盍」などの諸字は、一字でありながら、最初副詞によみ、次に動詞あるいは助動詞と読むのが慣例となっている。― 中略 ―「未」は「いまダ~ず」とよみ、「まだ~しない」の意で、「尚不」と同じである(中沢希男・澁谷玲子、漢文訓読の基礎、1985年、90頁)。
従って、
(07)により、
(08)
未_〔嘗読(漢文)〕=
尚不〔嘗読(漢文)〕⇒
16〔25(34)〕=
1〔2(34)5〕6=
未〔嘗(漢文)読〕不=
未だ〔嘗て(漢文を)読ま〕不。
然るに
(09)
QUEM LIBRUM LEGIS=
あなたは 何の 本を 読んでいるの?
(cf.白水社、CDエクスプレス ラテン語、2004年、71頁)
従って、
(08)(09)により、
(10)
QUEM LIBRUM LEGIS?
に於いて、
LEGIS
といふ「再読文字」は、「一語」であるが、最初に「主語(IS)」に読み、最後に「動詞(LEG)」として読むことになる。
従って、
(11)
2nd=QUEM
3rd=LIBRUM
4th=LEG
1st=IS
の「順」である。
従って、
(12)
二=QUEM
三=LIBRUM
四=LEG
一=IS
である。
cf.

然るに、
(13)
二=QUEM
=LIBRUM
=LEG
一=IS
といふ「それ」が、「返り点」であるならば、
1st =本を
2nd=読んでゐる
3rd =あなたは
4th =何の。
といふ「順番」となるため、
あなたは 何の 本を 読んでゐる。
といふ「訓読」には、ならない。
(14)
二=QUEM
=LIBRUM
三=LEG
一=IS
といふ「それ」が、「返り点」であるならば、
1st =本を
2nd=あなたは
3rd =何の
4th =読んでゐる。
といふ「順番」となるため、
あなたは 何の 本を 読んでゐる。
といふ「訓読」には、ならない。
(15)
二=QUEM
三=LIBRUM
=LEG
一=IS
といふ「それ」が、「返り点」であるならば、
1st =読んでゐる
2nd=あなたは
3rd =何の
4th =本を。
といふ「順番」となるため、
あなたは 何の 本を 読んでゐる。
といふ「訓読」には、ならない。
従って、
(12)~(15)により、
(16)
QUEM LIBRUM LEGIS=
あなたは 何の 本を 読んでゐる。
に対する「返り点」は、
二=QUEM
三=LIBRUM
四=LEG
一=IS
以外には、有り得ない。
然るに、
(17)
「返り点」は、「縦書き」であれば、「から、へ返る、返り点」であって、それ故、
「返り点」は、「横書き」であれば、「右から、左へ返る、返り点」であって、それ故、
「横書き」であれば、「から、へ返る」場合の「それ」は、「返り点」ではない
然るに、
(18)
二 三 四 一 
であれば、
二→三 は、「からへ」返ってゐて、
三→四 も、 「からへ」返ってゐる。
従って、
(16)(17)(18)により、
(19)
① QUEM LIBRUM LEGIS=
① あなたは 何の 本を 読んでゐる。
といふ「ラテン語訓読」に対しては、「返り点」を加へることが、出来ない。
(20)
① 二 三 四 一
② 二 四 三 一
が「算用数字」であれば、
① 2 3 4 1
② 2 4 3 1
であって、
<3<4> & 2=1+1
<4>3> & 2=1+1
である。
然るに、
(21)
① 2(3〔4[1)〕]
② 2(4[3〔1)〕]
③ 4[3〔2(1)〕]
に於いて、
① 2( )⇒( )2
② 2( )⇒( )2
③ 2( )⇒( )2
① 3〔 〕⇒〔 〕3
② 3〔 〕⇒〔 〕3
③ 3〔 〕⇒〔 〕3
① 4[ ]⇒[ ]4
② 4[ ]⇒[ ]4
③ 4[ ]⇒〔 〕4
とするならば、
① (〔[1)2〕3]4
② ([〔1)2〕3]4
③ [〔(1)2〕3]4
である。
然るに、
(22)
③ [ 〔 ( ) 〕 ]
は「括弧」であるが、
① ( 〔 [ ) 〕 ]
② ( [ 〔 ) 〕 ]
は「括弧」ではない。
従って、
(19)、(20)~(22)により、
(23)
① QUEM LIBRUM LEGIS=
① あなたは 何の 本を 読んでゐる。
といふ「ラテン語訓読」に対しては、「返り点」と「括弧」を加へることが、出来ない。
(24)
④ 12(13〔11)〕
⑤ 13〔12(11)〕
に於いて、
④ 12( )⇒( )12
④ 12( )⇒( )12
⑤ 13〔 〕⇒〔 〕13
⑤ 13〔 〕⇒〔 〕13
とするならば、
④ (〔11)12〕13
⑤ 〔(11)12〕13
である。
然るに、
(25)
⑤ 〔 ( ) 〕
は「括弧」であるが、
④ (  ) 〕
は「括弧」ではない。
従って、
(21)(22)、(24)(25)により、
(25)
① B<C>A & B=A+1
といふ「順番」を、
① A<B<C
といふ「順序」で読まうとしても、
① B<C>A & B=A+1
に対して、「括弧」を、加へることは、出来ない。
然るに、
(26)
① B<C>A & B=A+1
といふ「順番」を、
① A<B<C
といふ「順序」で読む場合は、
① B←A
に関しては、
から、へ、返る。
一方で、
① B→C
に関しては、
から、に、返る。
ことになる。
従って、
(17)(25)(26)により、
(27)
①「与へらた順番」が、
1  4 
 3  4
 3 4 
 4  3
 4 3 
 1 4 
3  4 
 4  1
 4 1 
4  3 
のやうに、
<C> & B=A+1
といふ「順番」を含む場合は、
①「与へられた順番」に対して、「返り点・括弧」を、加へることは、出来ない。
(28)
例へば、
① don’t English speak I at all.
 4 3 1 5 6.
といふ「順番」を、「返り点・括弧」を用ゐて、
① I don’t speak English at all.
① 1 2 3 4 5 6.
といふ「順序」に「並び替へる(ソートする)」ことは、出来ない。
従って、
(29)
 3 4  5 6
① 1  4 5  6 7
① 1 2  5 6  7 8
といふ「順番」等を、「返り点・括弧」を用ゐて、
① 1 2 3 4 5 6
① 1 2 3 4 5 6 7
① 1 2 3 4 5 6 7 8
といふ「順序」に「並び替へる(ソートする)」ことは、出来ない。
(30)
<7  3 4 1 5
<8 1  4 5  
<9 1 2  5 6  
といふ「順番」等を、「返り点・括弧」を用ゐて、
① 1 2 3 4 5 6 7
① 1 2 3 4 5 6 7 8
① 1 2 3 4 5 6 7 8 9
といふ「順序」に「並び替へる(ソートする)」ことは、出来ない。
然るに、
(31)
4P4=4×3×2×1=24個
から、
1 2 3 4
並びに、
1  4 
 3  4
 3 4 
 4  3
 4 3 
 1 4 
3  4 
 4  1
 4 1 
4  3 
を除いた「残り(補集合)」が、
1 2 4 3
1 3 2 4
1 4 2 3
1 4 3 2
2 1 3 4
2 1 4 3
3 1 2 4
3 2 1 4
4 1 2 3
4 1 3 2
4 2 1 3
4 3 1 2
4 3 2 1
であるため、これらの「13個」の「順番」は、
① B<C>A & B=A+1
といふ「順番」を含んでいないものの、これらの「返り点・括弧」は、(32)である。
(32)

(33)
1 2 4 3
1 3 2 4
1 4 2 3
1 4 3 2
2 1 3 4
2 1 4 3
3 1 2 4
3 2 1 4
4 1 2 3
4 1 3 2
4 2 1 3
4 3 1 2
4 3 2 1
といふ「順番(四桁)」を、
1 2 3 4 5 8 6 7
1 2 3 6 4 5 7 8
1 2 3 8 4 5 6 7
1 2 3 8 4 7 5 6
1 4 2 3 5 6 7 8
1 4 2 3 5 8 6 7
1 6 2 3 4 5 7 8
1 6 2 5 3 4 7 8
1 8 2 3 4 5 6 7
1 8 2 3 4 7 5 6
1 8 2 5 3 4 6 7
1 8 2 7 3 4 5 6
1 8 2 7 3 6 4 5
といふ「順番(八桁)」に「書き換へ」た際の、「返り点・括弧」は、(34)である。
(34)

(35)
(27)でも述べた通り、
1  4 
 3  4
 3 4 
 4  3
 4 3 
 1 4 
3  4 
 4  1
 4 1 
4  3 
といふ「順番」に付く「それ」は、「返り点」ではないものの、敢へて、「それ」を加へた「結果」が、(36)である。
(36)
然るに、
(37)
二 三 一 
二 三 一 
二 三 四 一
二 下 一 上
二 三 一
二 三レ 一 
二 三 一 
三 二 四 一
二 三 一レ
二 三 一
下 二 上 一
といふ「返り点」は、有り得ない。
(38)
二 三レ 一 
に関しては、「二つの返り点がいっしょになるのは、一とレ、上とレ、甲とレ、天とレの四つだけである(志村和久、漢文はやわかり、18頁)。」であるため、
二 三レ
を含む、
二 三レ 一 
は、「返り点」ではなく、
二 下 一 上
下 二 上 一
に関しては、「一・二点をはさんで返る時は上・中・下点(志村和久、漢文早わかり、1982年、20頁)。」であるため、
二 下 一
下 二 上 一
を含む、
二 下 一 上
下 二 上 一
は、「返り点」ではない。
従って、
(38)により、
(39)
といふ、「白話(中国語)訓読」の「それ」は、実際には、「返り点」ではない。
従って、
(23)(27)(39)により、
(40)
吃了多酒。
只管要纏擾我。
QUEM LIBRUM LEGIS?
のやうな「白話文(中国語)」や「ラテン語」に対しては、「返り点・括弧」を用ゐて、「訓読」することが、出来ない。
(41)
Are〔you reading(the book)〕⇒
〔you (the book)reading〕Are=
〔あなたは(件の本を)読んで〕ゐるか : 三 二 一。
に対する、
What(book〔are[you)〕reading]⇒
(〔[you)What〕bookreading]are=
(〔[あなたは)何の〕本を読んで]ゐるか : 二 三 五 一 四。
のやうな「英文(Wh移動)」も、「返り点・括弧」を用ゐて、「訓読」することが、出来ない。
(42)
汝所(読)為(何本)邪 ⇒
汝の(読む)所は(何の本)為るか。
は、もちろん、「返り点・括弧」を用ゐて、「訓読」することが出来る。
(43)
読漢文学漢字=漢文を読み漢字学ぶ。
に対して、
二 一 四 三
といふ「返り点」を加へるならば、
二→三
となるものの、もちろん、正しくは、
二 一 二 一
である。
cf.

従って、
(44)
初学者に対しては、「返り点」とは、「から、へ返る」からこそ「返り点」である。
といふことを、最初に、教へるべきである。
従って、
(45)
二 三 一
四 二 三 一
下 二 上 一
二 四 一 三
二 下 一 上
といふ「返り点」は有り得ない。
といふことを、最初に、教へるべきである。
平成27年10月31日、毛利太。

0 件のコメント:

コメントを投稿