2017年1月13日金曜日

(今、そこに)人がゐる。

―「前回の記事(http://kannbunn.blogspot.com/2017/01/blog-post_8.html)」の続きです。―
(63)

 注文多い料理店 (角川文庫クラシックス) 文庫 – 1995/6/22
従って、
(64)
① 注文多い料理店は、好きではない。
に対して、
② 注文多い料理店は、好きではない。
といふ「日本語」は、存在する
然るに、
(65)
③ 人そこにゐる理由を、私は知らない。
に対して、
④ 人そこにゐる理由を、私は知らない。
といふ「日本語」は、存在しない
然るに、
(66)
【1】[][
(a)主語を示す。
(b)連体修飾語を作る。
(c)体言の代用をする。
(d)同格を示す。
(中村菊一、基礎からわかる古典文法、1978年、154頁改)
従って、
(64)(65)(66)により、
(67)
【1】[][
(b)連体修飾語を作る。
といふ「働き」からすれば、
① 注文が多い料理店は、好きではない。
② 注文多い料理店は、好きではない。
③ 人がそこにゐる理由を、私は知らない。
④ 人そこにゐる理由を、私は知らない。
に於いて、
だけが不可」であるのは、「ヲカシイ」。
然るに、
(68)
⑤ 人ゐる。
といふ「日本語(排他的命題)」は、
⑤ 人はゐて(、人以外はゐない)。
といふ、「意味」である。
然るに、
(69)
⑤ 地球上には、人間以外の動物も存在する
従って、
(68)(69)により、
(70)
⑤ (そこに、)人ゐて(、人以外はゐない)。
といふ場合以外は、
⑤ 人ゐる(人以外はゐない)。
とは、言へないことになる。
然るに、
(71)
たとえば「人間の集合」のメンバーはすべて個々の人間である。しかし「人間の集合」は個々の人間ではないからそれ自身をメンバーには含まない(沢田允茂、現代論理学入門、1962年、155頁)。
従って、
(70)(71)により、
(72)
例へば、
⑤ 人ゐる。
⑥ 人動物である。
⑦ 人考へる葦である。
に於いて、
⑤ 人=個々の人間
⑥ 人=人間の集合
⑦ 人=人間の集合
である。
然るに、
(73)
③ 人そこにゐる理由を、私は知らない。
に於いても、
③ 人=個々の人間。
である。
(72)(73)により、
(74)
⑤ 人ゐる。
③ 人そこにゐる理由を、私は知らない。
に於いて、
⑤ 人個々の人間(人間といふ集合の一員)
③ 人個々の人間(人間といふ集合の一員)
である。
従って、
(67)(74)により、
(75)
② 注文多い料理店は、好きではない。
④ 人そこにゐる理由を、私は知らない。
に於いて、
④ だけが「不可」である「理由」は、
⑤ 人ゐる。
③ 人そこにゐる理由を、私は知らない。
に於ける、
⑤ 人が=個々の人間(人間といふ集合の一員)
③ 人が=個々の人間(人間といふ集合の一員)
といふ「事情」が、「影響」してゐるものと、思はれる。
(76)
そこでたとえば「象は鼻がない」というような表現は、象が主語なのか鼻が主語なのはっきりしないから、このままではその論理的構造が明示されていない、いわば非論理的な文章である、という人もある。しかしこの文の論理的構造をはっきり文章に表して、「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しておりおり、このyは長い」といえばいいかもしれない。
(沢田允茂、現代論理学入門、1962年、29頁)。
cf.
∀x(象x→∃y(鼻y&有xy&長y))
The elephant has a long trunk(ヤフー!翻訳).
然るに、
(77)
⑧ ∃y=yなるもの存在し、そのyは鼻である。
於いて、
⑧ y個々の鼻(鼻といふ集合の要素)
である。
従って、
(75)(77)により、
(78)
⑤ 人ゐる。
⑧ yある。
に於いて、少なくとも
⑤ 人個々の人(人といふ集合の一員)
⑧ y個々の鼻(鼻といふ集合の要素)
である。
平成29年01月13日、毛利太。

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