(a)『返り点と括弧』については、『「括弧」の「順番」(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html)』他をお読み下さい。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
(a)
1 (1) P&(Q∨R) A
1 (2) P 1&E
1 (3) Q∨R 1&E
4 (5) Q A
14 (6) P&Q 25&I
14 (7)(P&Q)∨(P&R) 6∨I
8(8) R A
1 8(9) P&R 28&I
1 8(ア)(P&Q)∨(P&R) 9∨I
1 (イ)(P&Q)∨(P&R) 3578ア∨E
(b)
1 (1)(P&Q)∨(P&R) A
2 (2) P&Q A
2 (3) P 2&E
2 (4) Q 2&E
2 (5) Q∨R 4∨I
2 (6)P&(Q∨R) 35&I
7(7) P&R A
7(8) P 7&E
7(9) R 7&E
7(ア) Q∨R 9∨I
7(イ)P&(Q∨R) 8ア&I
1 (ウ)P&(Q∨R) 1267イ∨E
従って、
(01)により、
(02)
① P&(Q∨R)
② (P&Q)∨(P&R)
に於いて、
①=② である。
cf.
分配法則(Distributive property)。
然るに、
(03)
(a)
1 (1) 横と(大か関) A
1 (2) 横 1&E
1 (3) 大か関 1&E
4 (5) 大 A
14 (6) 横と大 25&I
14 (7)(横と大)か(横と関) 6∨I
8(8) 関 A
1 8(9) 横と関 28&I
1 8(ア)(横と大)か(横と関) 9∨I
1 (イ)(横と大)か(横と関) 3578ア∨E
(b)
1 (1)(横と大)か(横と関) A
2 (2) 横と大 A
2 (3) 横 2&E
2 (4) 大 2&E
2 (5) 大か関 4∨I
2 (6)横と(大か関) 35&I
7(7) 横と関 A
7(8) 横 7&E
7(9) 関 7&E
7(ア) 大か関 9∨I
7(イ)横と(大か関) 8ア&I
1 (ウ)横と(大か関) 1267イ∨E
従って、
(01)(02)(03)より、
(04)
① 横綱と(大関か関脇)
②(横綱と大関)か(横綱と関脇)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(05)
① 横綱と、大関か関脇。
② 横綱と大関か、横綱と関脇。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
(a)
1 (1) (P&Q)∨ R A
2 (2) ~(P&Q)&~R A
3 (3) (P&Q) A
2 (4) ~(P&Q) &E
23 (5) ~(P&Q)&(P&Q) 34&I
3 (6)~(~(P&Q)&~R) 26RAA
7 (7) R A
2 (8) ~R A
2 7 (9) R&~R 78&I
7 (ア)~(~(P&Q)&~R) 29RAA
1 (イ)~(~(P&Q)&~R) 2367ア∨E
ウ (ウ) ~(P&Q) A
エ(エ) ~R A
ウエ(オ) ~(P&Q) A
ウエ(カ) ~(P&Q)&~R ウエ
1 ウエ(キ)~(~(P&Q)&~R)&
~(P&Q)&~R イカ&I
1 ウ (ク) ~~R エキRAA
1 ウ (ケ) R ウDN
1 (コ) ~(P&Q)→ R オケCP
(b)
1 (1)~(P&Q)→ R A
2(2)~(P&Q)&~R A
2(3)~(P&Q) 2&E
2(4) ~R 2&E
12(5) R 13MPP
12(6) ~R&R 45&I
1 (7) ~~R 26RAA
1 (8) R 7DN
1 (9) (P&Q)∨ R 8∨I
従って、
(06)により、
(07)
③ (P&Q)∨R
④ ~(P&Q)→R
に於いて、
③=④ である。
cf.
選言除去(Elimination method)。
然るに、
(08)
(a)
1 (1) (横と大)か 関 A
2 (2) ~(横と大)と~関 A
3 (3) (横と大) A
2 (4) ~(横と大) とE
23 (5) ~(横と大)と(横と大) 34とI
3 (6)~(~(横と大)と~関) 26RAA
7 (7) 関 A
2 (8) ~関 A
2 7 (9) 関と~関 78とI
7 (ア)~(~(横と大)と~関) 29RAA
1 (イ)~(~(横と大)と~関) 2367アかE
ウ (ウ) ~(横と大) A
エ(エ) ~関 A
ウエ(オ) ~(横と大) A
ウエ(カ) ~(横と大)と~関 ウエ
1 ウエ(キ)~(~(横と大)と~関)と
~(横と大)と~関 イカとI
1 ウ (ク) ~~関 エキRAA
1 ウ (ケ) 関 ウDN
1 (コ) ~(横と大)→ 関 オケCP
(b)
1 (1)~(横と大)→ 関 A
2(2)~(横と大)と~関 A
2(3)~(横と大) 2とE
2(4) ~関 2とE
12(5) 関 13MPP
12(6) ~関と関 45とI
1 (7) ~~関 26RAA
1 (8) 関 7DN
1 (9) (横と大)か 関 8かI
従って、
(06)(07)(08)により、
(09)
③(横綱と大関)か関脇。
④(横綱と大関)でなければ関脇。
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(10)
③ 横綱と大関か、関脇。
④ 横綱と大関、でなければ関脇。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(04)(05)(09)(10)により、
(11)
① 横綱と(大関か関脇)
②(横綱と大関)か(横綱と関脇)
③(横綱と大関)か関脇。
④(横綱と大関)でなければ関脇。
に於いて、
①=② であって、
③=④ であって、
① 横綱と、大関か関脇。
② 横綱と大関か、横綱と関脇。
③ 横綱と大関か、関脇。
④ 横綱と大関、でなければ関脇。
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
然るに、
(12)
② 横綱と大関か、横綱と関脇。
といふことは、
② 横綱と大関でなければ、横綱と関脇。
といふことに、他ならない。
然るに、
(13)
② 横綱と大関でなければ、横綱と関脇。
④ 横綱と大関でなければ、 関脇。
に於いて、
②=④ ではない。
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
① 横綱と、大関か関脇。
② 横綱と大関か、横綱と関脇。
③ 横綱と大関か、関脇。
④ 横綱と大関、でなければ関脇。
に於いて、
①=② であって、
③=④ であるものの、
① 横綱と、大関か関脇。
③ 横綱と大関か、関脇。
に於いて、
①=③ ではない。
然るに、
(15)
① P&(Q∨R)
③ (P&Q)∨R
に於いても、
①=③ ではない。
従って、
(01)~(15)により、
(16)
例へば、
① 横綱と、大関か関脇。
② 横綱と大関か、横綱と関脇。
③ 横綱と大関か、関脇。
④ 横綱と大関、でなければ関脇。
に於ける、
① 、 。
② 、 。
③ 、 。
④ 、 。
といふ「句読点」は、
① P&(Q∨R)
② (P&Q)∨(P&R)
③ (P&Q)∨R
④ ~(P&Q)→R
に於ける、
① ( )
② ( ) ( )
③ ( )
④ ( )
といふ「括弧」に、相当する。
然るに、
(17)
「漢文」には、「と(and)」は有っても、「か(or)」が無い。
然るに、
(18)
「と・か(and・or)」のやうな、「等位接続詞」を持たない「言語」は多くはなく、それを「文字」にした際に「句読点」を持たない「言語」は、存在しない、と思はれる。
従って、
(16)(17)により、
(18)
「句読点」としての「括弧」を持たない「言語」は、多くはないと、思はれる。
(19)
「昨日か今日」を、グーグル翻訳に掛けると、「昨天或今天」。
然るに、
(20)
「漢文」の「或」といふ「漢字」には、「か(or)」といふ「意味」は無い。
平成30年05月25日、毛利太。
2018年5月25日金曜日
2018年5月6日日曜日
「同一性(identity)」の「is(である)」について。
(a)『返り点と括弧』については、『「括弧」の「順番」(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post.html)』他をお読み下さい。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
1 (1) P∨ Q A
2 (2) ~P&~Q A
3 (3) P A
2 (4) ~P &E
23 (5) ~P& P 34&I
3 (6)~(~P&~Q) 26RAA
7 (7) Q A
2 (8) ~Q A
2 7 (9) ~Q& Q 78&I
7 (ア)~(~P&~Q) 29RAA
1 (イ)~(~P&~Q) 1367ア∨I
ウ (ウ) ~P A
エ(エ) ~Q A
ウエ(オ) ~P A
ウエ(カ) ~P&~Q ウエ
1 ウエ(キ)~(~P&~Q)&
~P&~Q イカ&I
1 ウ (ク) ~~Q エキRAA
1 ウ (ケ) Q ウDN
1 (コ) ~P→ Q オケCP
(02)
1 (1)~P→ Q A
2(2)~P&~Q A
2(3)~P 2&E
2(4) ~Q 2&E
12(5) Q 13MPP
12(6) ~Q&Q 45&I
1 (7) ~~Q 26RAA
1 (8) Q 7DN
1 (9) P∨ Q 8∨I
従って、
(01)(02)により、
(03)
① P∨Q=PかQである。
② ~P→Q=PでないならばQである。
に於いて、
①=② である。
(04)
1 (1)~P→ Q A
2 (2)~P A
3(3) ~Q A
12 (4) Q 12MPP
123(5)~Q& Q 34&I
1 3(6)~~P 25RAA
1 3(7) P 6DN
1 (8)~Q→ P 37CP
(05)
1 (1)~Q→ P A
2 (2)~Q A
3(3) ~P A
1 3(4) P 12MPP
123(5)~P& P 34&I
1 3(6)~~Q 25RAA
1 3(7) Q 6DN
1 (8)~P→ Q 37CP
従って、
(04)(05)により、
(06)
② ~P→Q=PでないならばQである。
③ ~Q→P=QでないならばPである。
に於いて、
②=③ である。
cf.
対偶(Contraposition)。
従って、
(03)(06)により、
(07)
① P∨Q=PかQである。
② ~P→Q=PでないならばQである。
③ ~Q→P=QでないならばPである。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(08)
① PかQである(PでないならばQである)が、Pでない。従って、Qである。
② PかQである(QでないならばPである)が、Qでない。従って、Pである。
に於いて、
① は、「推論」として「正しく」、
② も、「推論」として「正しい」。
従って、
(08)により、
(09)
① AかBが犯人である。Aは犯人ではない。従って、Bが犯人である。
② AかBが犯人である。Bは犯人ではない。従って、Aが犯人である。
に於いて、
① は、「推論」として「正しく」、
② も、「推論」として「正しい」。
然るに、
(10)
② AかBが犯人である。Bは犯人ではない。従って、Aが犯人である。
といふことは、
② 犯人は一人だけしかゐなくて、Aがその犯人である。
といふことに、他ならない。
然るに、
(10)により、
(11)
② AかBが犯人である。Bは犯人ではない。従って、Aが犯人である。
といふことは、
② A is a 犯人.
ではなく、
② A is the 犯人.
といふことに、他ならない。
然るに、
(12)
In non-mathematical contexts, identity is expressed usually by 'is' ; but since the verb 'to be' has many sense, we must indicate first in which sense 'is' expresses identity.
Consider the six English sentences below.
(1)Socrates is a philosopher.
(2)Paris is a city.
(3)Courage is a virtue.
(4)Socrates is the philosopher who taught Plato.
(5)Paris is the capital of France.
(6)Courage is the virtue I admire most.
(E.J.Lemmonn, Begining Logic, 1971, p160)
然るに、
(13)
(1)Socrates is a philosopher.
(2)Paris is a city.
(3)Courage is a virtue.
に於ける、
(1)Socrates is
(2)Paris is
(3)Courage is
を、「is of predication(述語の is)」と言ふ。
(14)
(4)Socrates is the philosopher who taught Plato.
(5)Paris is the capital of France.
(6)Courage is the virtue I admire most.
に於ける、
(4)Socrates is
(5)Paris is
(6)ourage is
を、「is of identity(同一性の is)」と言ふ。
従って、
(11)~(14)により、
(15)
② AかBが犯人である。Bは犯人ではない。従って、Aが犯人である。
といふことは、
② A is a 犯人.
ではなく、
② A is the 犯人.
であって、
② A is the 犯人.
に於ける、
② is
は、「is of identity(同一性の is)」である。
然るに、
(16)
② A is the 犯人.
に於ける、
② is
が、「is of identity(同一性の is)」である。
といふことは、
② A = the 犯人.
といふことに、他ならない。
然るに、
(17)
② A = the 犯人.
といふことは、
② The 犯人 =A.
といふことに、他ならない。
従って、
(16)(17)により、
(18)
② A is the 犯人.
② A = the 犯人.
といふことは、
② The 犯人 is A.
② The 犯人 = A.
といふことに、他ならない。
従って、
(15)~(18)により、
(19)
② AかBが犯人である。Bは犯人ではない。従って、Aが犯人である。
といふことは、
② The 犯人 is A.
といふこと、すなはち、
② 犯人はAである。
といふことに、他ならない。
従って、
(19)により、
(20)
② AかBが犯人である。Bは犯人ではない。従って、Aが犯人である。
といふことは、
② Aが犯人である。
② 犯人はAである(The 犯人 is A)。
といふことに、他ならない。
然るに、
(21)
② AかBが犯人である。Bは犯人ではない。従って、Aが犯人である。
といふことは、
② A以外は犯人でない。
といふことに、他ならない。
従って、
(20)(21)により、
(22)
② Aが犯人である。
③ 犯人はAである。
④ A以外は犯人でない。
に於いて、
②=③=④
でなければ、ならない。
従って、
(23)
② AがBである。
③ BはAである。
④ A以外はBでない。
に於いて、
②=③=④
でなければ、ならない。
然るに、
(24)
「逆」には、
(1)真でないときと、
(2)真であるときがあります。
そこで(1)と(2)をひっくるめて、「逆は必ずしも真ならず」といいます(山下正男、論理的に考えること、1985年、13・14頁)。
従って、
(24)により、
(25)
① AはBである。
③ BはAである。
に於いて、必ずしも、
①=③ であるとは、限らない。
従って、
(23)(25)により、
(26)
① AはBである。
② AがBである。
③ BはAである。
④ A以外はBでない。
に於いて、必ずしも、
①=② ではないが、必ず、
②=③=④ である。
従って、
(26)により、
(27)
① AはBである。
② AがBである。
③ BはAである。
④ A以外はBでない。
の場合は、
(Ⅰ)①、②、③、④ の、「四つとも、ウソ」であるか、
(Ⅱ)①、②、③、④ の、「①だけが、本当」であるか、
(Ⅲ)①、②、③、④ の、「四つとも、本当」であるか。
の「いづれか」で、なければならない。
然るに、
(28)
① パリは日本である。
② パリが日本である。
③ 日本はパリである。
④ パリ以外は日本ではない。
に於いて、
① は、「ウソ」である。
② も、「ウソ」である。
③ も、「ウソ」である。
④ も、「ウソ」である。
然るに、
(29)
① 中野は日本である。
② 中野が日本である。
③ 日本は中野である。
④ 中野以外は日本ではない。
に於いて、
① は、「本当」である。
② は、「ウソ」である。
③ も、「ウソ」である。
④ も、「ウソ」である。
(30)
① パリはフランスの首都である。
② パリがフランスの首都である。
③ フランスの首都はパリである。
④ パリ以外はフランスの首都ではない。
に於いて、
① は、「本当」である。
② も、「本当」である。
③ も、「本当」である。
④ も、「本当」である。
従って、
(27)~(30)により、
(31)
① AはBである。
② AがBである。
③ BはAである。
④ A以外はBでない。
に於いて、必ずしも、
①=② ではないが、必ず、
②=③=④ である。
平成30年05月05日、毛利太。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
1 (1) P∨ Q A
2 (2) ~P&~Q A
3 (3) P A
2 (4) ~P &E
23 (5) ~P& P 34&I
3 (6)~(~P&~Q) 26RAA
7 (7) Q A
2 (8) ~Q A
2 7 (9) ~Q& Q 78&I
7 (ア)~(~P&~Q) 29RAA
1 (イ)~(~P&~Q) 1367ア∨I
ウ (ウ) ~P A
エ(エ) ~Q A
ウエ(オ) ~P A
ウエ(カ) ~P&~Q ウエ
1 ウエ(キ)~(~P&~Q)&
~P&~Q イカ&I
1 ウ (ク) ~~Q エキRAA
1 ウ (ケ) Q ウDN
1 (コ) ~P→ Q オケCP
(02)
1 (1)~P→ Q A
2(2)~P&~Q A
2(3)~P 2&E
2(4) ~Q 2&E
12(5) Q 13MPP
12(6) ~Q&Q 45&I
1 (7) ~~Q 26RAA
1 (8) Q 7DN
1 (9) P∨ Q 8∨I
従って、
(01)(02)により、
(03)
① P∨Q=PかQである。
② ~P→Q=PでないならばQである。
に於いて、
①=② である。
(04)
1 (1)~P→ Q A
2 (2)~P A
3(3) ~Q A
12 (4) Q 12MPP
123(5)~Q& Q 34&I
1 3(6)~~P 25RAA
1 3(7) P 6DN
1 (8)~Q→ P 37CP
(05)
1 (1)~Q→ P A
2 (2)~Q A
3(3) ~P A
1 3(4) P 12MPP
123(5)~P& P 34&I
1 3(6)~~Q 25RAA
1 3(7) Q 6DN
1 (8)~P→ Q 37CP
従って、
(04)(05)により、
(06)
② ~P→Q=PでないならばQである。
③ ~Q→P=QでないならばPである。
に於いて、
②=③ である。
cf.
対偶(Contraposition)。
従って、
(03)(06)により、
(07)
① P∨Q=PかQである。
② ~P→Q=PでないならばQである。
③ ~Q→P=QでないならばPである。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(08)
① PかQである(PでないならばQである)が、Pでない。従って、Qである。
② PかQである(QでないならばPである)が、Qでない。従って、Pである。
に於いて、
① は、「推論」として「正しく」、
② も、「推論」として「正しい」。
従って、
(08)により、
(09)
① AかBが犯人である。Aは犯人ではない。従って、Bが犯人である。
② AかBが犯人である。Bは犯人ではない。従って、Aが犯人である。
に於いて、
① は、「推論」として「正しく」、
② も、「推論」として「正しい」。
然るに、
(10)
② AかBが犯人である。Bは犯人ではない。従って、Aが犯人である。
といふことは、
② 犯人は一人だけしかゐなくて、Aがその犯人である。
といふことに、他ならない。
然るに、
(10)により、
(11)
② AかBが犯人である。Bは犯人ではない。従って、Aが犯人である。
といふことは、
② A is a 犯人.
ではなく、
② A is the 犯人.
といふことに、他ならない。
然るに、
(12)
In non-mathematical contexts, identity is expressed usually by 'is' ; but since the verb 'to be' has many sense, we must indicate first in which sense 'is' expresses identity.
Consider the six English sentences below.
(1)Socrates is a philosopher.
(2)Paris is a city.
(3)Courage is a virtue.
(4)Socrates is the philosopher who taught Plato.
(5)Paris is the capital of France.
(6)Courage is the virtue I admire most.
(E.J.Lemmonn, Begining Logic, 1971, p160)
然るに、
(13)
(1)Socrates is a philosopher.
(2)Paris is a city.
(3)Courage is a virtue.
に於ける、
(1)Socrates is
(2)Paris is
(3)Courage is
を、「is of predication(述語の is)」と言ふ。
(14)
(4)Socrates is the philosopher who taught Plato.
(5)Paris is the capital of France.
(6)Courage is the virtue I admire most.
に於ける、
(4)Socrates is
(5)Paris is
(6)ourage is
を、「is of identity(同一性の is)」と言ふ。
従って、
(11)~(14)により、
(15)
② AかBが犯人である。Bは犯人ではない。従って、Aが犯人である。
といふことは、
② A is a 犯人.
ではなく、
② A is the 犯人.
であって、
② A is the 犯人.
に於ける、
② is
は、「is of identity(同一性の is)」である。
然るに、
(16)
② A is the 犯人.
に於ける、
② is
が、「is of identity(同一性の is)」である。
といふことは、
② A = the 犯人.
といふことに、他ならない。
然るに、
(17)
② A = the 犯人.
といふことは、
② The 犯人 =A.
といふことに、他ならない。
従って、
(16)(17)により、
(18)
② A is the 犯人.
② A = the 犯人.
といふことは、
② The 犯人 is A.
② The 犯人 = A.
といふことに、他ならない。
従って、
(15)~(18)により、
(19)
② AかBが犯人である。Bは犯人ではない。従って、Aが犯人である。
といふことは、
② The 犯人 is A.
といふこと、すなはち、
② 犯人はAである。
といふことに、他ならない。
従って、
(19)により、
(20)
② AかBが犯人である。Bは犯人ではない。従って、Aが犯人である。
といふことは、
② Aが犯人である。
② 犯人はAである(The 犯人 is A)。
といふことに、他ならない。
然るに、
(21)
② AかBが犯人である。Bは犯人ではない。従って、Aが犯人である。
といふことは、
② A以外は犯人でない。
といふことに、他ならない。
従って、
(20)(21)により、
(22)
② Aが犯人である。
③ 犯人はAである。
④ A以外は犯人でない。
に於いて、
②=③=④
でなければ、ならない。
従って、
(23)
② AがBである。
③ BはAである。
④ A以外はBでない。
に於いて、
②=③=④
でなければ、ならない。
然るに、
(24)
「逆」には、
(1)真でないときと、
(2)真であるときがあります。
そこで(1)と(2)をひっくるめて、「逆は必ずしも真ならず」といいます(山下正男、論理的に考えること、1985年、13・14頁)。
従って、
(24)により、
(25)
① AはBである。
③ BはAである。
に於いて、必ずしも、
①=③ であるとは、限らない。
従って、
(23)(25)により、
(26)
① AはBである。
② AがBである。
③ BはAである。
④ A以外はBでない。
に於いて、必ずしも、
①=② ではないが、必ず、
②=③=④ である。
従って、
(26)により、
(27)
① AはBである。
② AがBである。
③ BはAである。
④ A以外はBでない。
の場合は、
(Ⅰ)①、②、③、④ の、「四つとも、ウソ」であるか、
(Ⅱ)①、②、③、④ の、「①だけが、本当」であるか、
(Ⅲ)①、②、③、④ の、「四つとも、本当」であるか。
の「いづれか」で、なければならない。
然るに、
(28)
① パリは日本である。
② パリが日本である。
③ 日本はパリである。
④ パリ以外は日本ではない。
に於いて、
① は、「ウソ」である。
② も、「ウソ」である。
③ も、「ウソ」である。
④ も、「ウソ」である。
然るに、
(29)
① 中野は日本である。
② 中野が日本である。
③ 日本は中野である。
④ 中野以外は日本ではない。
に於いて、
① は、「本当」である。
② は、「ウソ」である。
③ も、「ウソ」である。
④ も、「ウソ」である。
(30)
① パリはフランスの首都である。
② パリがフランスの首都である。
③ フランスの首都はパリである。
④ パリ以外はフランスの首都ではない。
に於いて、
① は、「本当」である。
② も、「本当」である。
③ も、「本当」である。
④ も、「本当」である。
従って、
(27)~(30)により、
(31)
① AはBである。
② AがBである。
③ BはAである。
④ A以外はBでない。
に於いて、必ずしも、
①=② ではないが、必ず、
②=③=④ である。
平成30年05月05日、毛利太。
2018年5月1日火曜日
「~∀x~Fx」と「不必不如師」に、「括弧」はあるべし。
(01)
1 (1) ~∀x~Fx A
2 (2) ~∃x Fx A
3 (3) Fa A
3 (4) ∃x Fx 3EI
23 (5) ~∃xFx&∃xFx 24&I
2 (6) ~Fa 35RAA
2 (7) ∀x~Fx 6UI
12 (8) ~∀x~Fx&∀x~Fx 17&I
1 (9)~~∃xFx 28RAA
1 (ア) ∃xFx 9DN
(02)
1 (1) ∃xFx A
2 (2) ∀x~Fx A
3 (2) Fa A
2 (4) ~Fa 3UE
23 (5)Fa&~Fa 24&I
3 (6)~∀x~Fx 25RAA
1 (7)~∀x~Fx 136EE
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ~∀x~Fx=すべてのxについて、xはFでない。といふことはない。
② ∃xFx= あるxはFである。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
1 (1) ~(~Fa&~Fb&~Fc) A
2 (2) ~( Fa∨ Fb∨ Fc) A
3 (3) Fa A
3 (4) Fa∨ Fb 3∨I
3 (5) Fa∨ Fb∨ Fc 4∨I
23 (6) ~( Fa∨ Fb∨ Fc)&
( Fa∨ Fb∨ Fc) 25&I
2 (7) ~Fa 36RAA
8 (8) Fb A
8 (9) Fa∨ Fb 8∨I
8 (ア) Fa∨ Fb∨ Fc 9∨I
2 8 (イ) ~( Fa∨ Fb∨ Fc)&
( Fa∨ Fb∨ Fc) 2ア&I
2 (ウ) ~Fb 8イRAA
エ(エ) Fc A
エ(オ) Fb∨ Fc エ∨I
エ(カ) Fa∨ Fb∨ Fc オ∨I
2 エ(イ) ~( Fa∨ Fb∨ Fc)&
( Fa∨ Fb∨ Fc) 2オ&I
2 (エ) ~Fc エイRAA
2 (カ) ~Fa&~Fb&~Fc 7ウエ&I
12 (キ) ~(~Fa&~Fb&~Fc)&
(~Fa&~Fb&~Fc) 1カ&I
1 (ク)~~( Fa∨ Fb∨ Fc) 2キRAA
1 (ケ) Fa∨ Fb∨ Fc クDN
(05)
1 (1) Fa∨ Fb∨ Fc A<br>
2 (2) ~Fa&~Fb&~Fc A<br>
3 (3) Fa A<br>
2 (4) ~Fa 2&E
23 (5) Fa&~Fa 34&I
3 (6)~(~Fa&~Fb&~Fc) 25RAA
7 (7) Fb A<br>
2 (8) ~Fb 2&E
2 7 (9) Fb&~Fb 78
7 (ア)~(~Fa&~Fb&~Fc) 29RAA
イ(イ) Fc A
2 (ウ) ~Fc 2&E
2 イ(エ) ~Fc&Fc イウ&I
イ(オ)~(~Fa&~Fb&~Fc) 2エRAA
1 (カ)~(~Fa&~Fb&~Fc) 1367アイオVE
従って、
(04)(05)により、
(06)
③ ~(~Fa&~Fb&~Fc)=aがFでなく、 bもFでなく、 cもFでない。といふことはない。
④ Fa∨ Fb& Fc =aがFであるか、bもFであるか、cはFである。
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(07)
{すべてのx}={a,b,c}
とする。
従って、
(03)(06)(07)により、
(08)
① ~∀x~Fx =すべてのxについて、xはFでない。といふことはない。
② ∃xFx = あるxはFである。
③ ~(~Fa&~Fb&~Fc)=aがFでなく、 bもFでなく、 cもFでない。といふことはない。
④ Fa∨ Fb& Fc =aがFであるか、bもFであるか、cはFである。
に於いて、
①=②=③=④
といふ「等式」、すなはち、「ド・モルガンの法則」が、成立する。
然るに、
(09)
① ∀x~Fx =すべてのxについて、xはFでない。
③ ~Fa&~Fb&~Fc=aはFでなく、bもFでなく、cもFでない。
に於いて、
①=③ である。
従って、
(09)により、
(10)
① ∀x~Fx =すべてのxについて、xはFでない。
③ ~Fa&~Fb&~Fc =aはFでなく、bもFでなく、cもFでない。
に対する「否定」は、それぞれ、
① ~(∀x~Fx) =すべてのxについて、xはFでない。 といふことはない。
③ ~(~Fa&~Fb&~Fc)=aがFでなく、bもFでなく、cもFでない。といふことはない。
でなければ、ならない。
然るに、
(11)
① ~Fx
といふ「否定」は、
① F の「否定」ではなく、
① Fx の「否定」であるため、
① ~(Fx) でなければ、ならない。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① ~(∀x~Fx)
③ ~(~Fa&~Fb&~Fc)
ではなく、
① ~〔∀x~(Fx)〕
③ ~〔~(Fa)&~(Fb)&~(Fc)〕
でなければ、ならない。
然るに、
(13)
そこで述語論理学では「人間」と「動物」の「包含関係」を表わすのに、
動物(人間)
と表示する。そしてこれを記号化して
F(x) または( )を省略して Fx
というように書く。
(沢田允茂、現代論理学入門、1962年、116頁改)
従って、
(12)(13)により、
(14)
① ~〔∀x~(Fx)〕
③ ~〔~(Fa)&~(Fb)&~(Fc)〕
ではなく、
① ~[∀x~〔F(x)〕]
③ ~[~〔F(a)〕&~〔F(b)〕&~〔F(c)〕]
でなければ、ならない。
然るに、
(15)
むやみに括弧が多くなることは我慢ができないのである(human being cannot stand too much proliferation of brackets)。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、59頁)
従って、
(14)(15)により、
(16)
むやみに括弧が多くなることは我慢ができない。が故に、
① ~[∀x~〔F(x)〕]
といふ「論理式」は、
① [ 〔 ( )〕]
といふ「括弧」を「省略」して、
① ~∀x~Fx
といふ風に、書くことになる。
然るに、
(17)
① ~∀x~Fx=
① ~二 ∀x~一レ Fレ x=
① ~[∀x~〔F(x)〕].
に於いて、
① ~[ ]⇒[ ]~
① ~〔 〕⇒〔 〕~
① F( )⇒( )F
といふ「移動」を行ふと、
① ~[∀x~〔F(x)〕]⇒
① [∀x〔(x)F〕~]~=
① [すべてのxについて〔(xが)F〕でない]といふことはない=
② ∃xFx=あるxはFである。
といふ「述語論理訓読」が成立する。
然るに、
(18)
③ 弟子不必不如師=
③ 弟子不二 必不一レ 如レ 師=
③ 弟子不[必不〔如(師)〕]。
に於いて、
③ 不[ ]⇒[ ]不
③ 不〔 〕⇒〔 〕不
③ 如( )⇒( )如
といふ「移動」を行ふと、
③ 弟子不[必不〔如(師)〕]⇒
③ 弟子[必〔(師)如〕不]不=
③ 弟子は[必ずしも〔(師に)如か〕ずんば]あらず=
④ 弟子の中に、師匠に及ぶものもゐる。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
然るに、
(19)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である(鈴木直治、中文と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(18)(19)により、
(20)
③ 弟子不[必不〔如(師)〕]。
③ 弟子は[必ずしも〔(師に)如か〕ずんば]あらず。
に於ける「括弧」は、
③「漢文」に於ける「補足構造」を表してゐて、
③「訓読」に於ける「補足構造」を表してゐる。
従って、
(17)(20)により
(21)
① ~[∀x~〔F(x)〕].
① [すべてのxについて〔(xが)F〕でない]といふことはない。
に於ける「括弧」は、
①「論理式」に於ける「補足構造」を表してゐて、
①「日本語」に於ける「補足構造」を表してゐる。
従って、
(20)(21)により、
(21)
① ~[∀x~〔F(x)〕].
① [すべてのxについて〔(xが)F〕でない]といふことはない。
③ 弟子不[必不〔如(師)〕]。
③ 弟子は[必ずしも〔(師に)如か〕ずんば]あらず。
に於ける、
① [ 〔 ( ) 〕 ]
② [ 〔 ( ) 〕 ]
③ [ 〔 ( ) 〕 ]
④ [ 〔 ( ) 〕 ]
といふ「括弧」は、「漢文・訓読・論理式・日本語」に於ける、「補足構造」を表してゐる。
然るに、
(22)
① ~∀x~Fx.
といふ「述語論理」を、
① ~[∀x~〔F(x)〕].
といふ風に、「意識」することはあっても、
① すべてのxについてxがFでないといふことはない。
といふ「日本語」を、普通の日本人が、
① [すべてのxについて〔(xが)F〕でない]といふことはない。
といふ風に、「意識」することは無い。
従って、
(23)
③ 弟子不必不如師。
といふ「漢文」を書いた、当の本人(韓愈)や、文人が、
③ 弟子不必不如師。
といふ「漢文」を、
③ 弟子不[必不〔如(師)〕]。
といふ風に、「説明」することが無かったとしても、
③ 弟子不必不如師。
といふ「漢文」に、
③ 弟子不[必不〔如(師)〕]。
といふ「補足構造」が無い。といふ風に、断言することは、出来ない。
平成30年05月01日、毛利太。
1 (1) ~∀x~Fx A
2 (2) ~∃x Fx A
3 (3) Fa A
3 (4) ∃x Fx 3EI
23 (5) ~∃xFx&∃xFx 24&I
2 (6) ~Fa 35RAA
2 (7) ∀x~Fx 6UI
12 (8) ~∀x~Fx&∀x~Fx 17&I
1 (9)~~∃xFx 28RAA
1 (ア) ∃xFx 9DN
(02)
1 (1) ∃xFx A
2 (2) ∀x~Fx A
3 (2) Fa A
2 (4) ~Fa 3UE
23 (5)Fa&~Fa 24&I
3 (6)~∀x~Fx 25RAA
1 (7)~∀x~Fx 136EE
従って、
(01)(02)により、
(03)
① ~∀x~Fx=すべてのxについて、xはFでない。といふことはない。
② ∃xFx= あるxはFである。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
1 (1) ~(~Fa&~Fb&~Fc) A
2 (2) ~( Fa∨ Fb∨ Fc) A
3 (3) Fa A
3 (4) Fa∨ Fb 3∨I
3 (5) Fa∨ Fb∨ Fc 4∨I
23 (6) ~( Fa∨ Fb∨ Fc)&
( Fa∨ Fb∨ Fc) 25&I
2 (7) ~Fa 36RAA
8 (8) Fb A
8 (9) Fa∨ Fb 8∨I
8 (ア) Fa∨ Fb∨ Fc 9∨I
2 8 (イ) ~( Fa∨ Fb∨ Fc)&
( Fa∨ Fb∨ Fc) 2ア&I
2 (ウ) ~Fb 8イRAA
エ(エ) Fc A
エ(オ) Fb∨ Fc エ∨I
エ(カ) Fa∨ Fb∨ Fc オ∨I
2 エ(イ) ~( Fa∨ Fb∨ Fc)&
( Fa∨ Fb∨ Fc) 2オ&I
2 (エ) ~Fc エイRAA
2 (カ) ~Fa&~Fb&~Fc 7ウエ&I
12 (キ) ~(~Fa&~Fb&~Fc)&
(~Fa&~Fb&~Fc) 1カ&I
1 (ク)~~( Fa∨ Fb∨ Fc) 2キRAA
1 (ケ) Fa∨ Fb∨ Fc クDN
(05)
1 (1) Fa∨ Fb∨ Fc A<br>
2 (2) ~Fa&~Fb&~Fc A<br>
3 (3) Fa A<br>
2 (4) ~Fa 2&E
23 (5) Fa&~Fa 34&I
3 (6)~(~Fa&~Fb&~Fc) 25RAA
7 (7) Fb A<br>
2 (8) ~Fb 2&E
2 7 (9) Fb&~Fb 78
7 (ア)~(~Fa&~Fb&~Fc) 29RAA
イ(イ) Fc A
2 (ウ) ~Fc 2&E
2 イ(エ) ~Fc&Fc イウ&I
イ(オ)~(~Fa&~Fb&~Fc) 2エRAA
1 (カ)~(~Fa&~Fb&~Fc) 1367アイオVE
従って、
(04)(05)により、
(06)
③ ~(~Fa&~Fb&~Fc)=aがFでなく、 bもFでなく、 cもFでない。といふことはない。
④ Fa∨ Fb& Fc =aがFであるか、bもFであるか、cはFである。
に於いて、
③=④ である。
然るに、
(07)
{すべてのx}={a,b,c}
とする。
従って、
(03)(06)(07)により、
(08)
① ~∀x~Fx =すべてのxについて、xはFでない。といふことはない。
② ∃xFx = あるxはFである。
③ ~(~Fa&~Fb&~Fc)=aがFでなく、 bもFでなく、 cもFでない。といふことはない。
④ Fa∨ Fb& Fc =aがFであるか、bもFであるか、cはFである。
に於いて、
①=②=③=④
といふ「等式」、すなはち、「ド・モルガンの法則」が、成立する。
然るに、
(09)
① ∀x~Fx =すべてのxについて、xはFでない。
③ ~Fa&~Fb&~Fc=aはFでなく、bもFでなく、cもFでない。
に於いて、
①=③ である。
従って、
(09)により、
(10)
① ∀x~Fx =すべてのxについて、xはFでない。
③ ~Fa&~Fb&~Fc =aはFでなく、bもFでなく、cもFでない。
に対する「否定」は、それぞれ、
① ~(∀x~Fx) =すべてのxについて、xはFでない。 といふことはない。
③ ~(~Fa&~Fb&~Fc)=aがFでなく、bもFでなく、cもFでない。といふことはない。
でなければ、ならない。
然るに、
(11)
① ~Fx
といふ「否定」は、
① F の「否定」ではなく、
① Fx の「否定」であるため、
① ~(Fx) でなければ、ならない。
従って、
(10)(11)により、
(12)
① ~(∀x~Fx)
③ ~(~Fa&~Fb&~Fc)
ではなく、
① ~〔∀x~(Fx)〕
③ ~〔~(Fa)&~(Fb)&~(Fc)〕
でなければ、ならない。
然るに、
(13)
そこで述語論理学では「人間」と「動物」の「包含関係」を表わすのに、
動物(人間)
と表示する。そしてこれを記号化して
F(x) または( )を省略して Fx
というように書く。
(沢田允茂、現代論理学入門、1962年、116頁改)
従って、
(12)(13)により、
(14)
① ~〔∀x~(Fx)〕
③ ~〔~(Fa)&~(Fb)&~(Fc)〕
ではなく、
① ~[∀x~〔F(x)〕]
③ ~[~〔F(a)〕&~〔F(b)〕&~〔F(c)〕]
でなければ、ならない。
然るに、
(15)
むやみに括弧が多くなることは我慢ができないのである(human being cannot stand too much proliferation of brackets)。
(E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、59頁)
従って、
(14)(15)により、
(16)
むやみに括弧が多くなることは我慢ができない。が故に、
① ~[∀x~〔F(x)〕]
といふ「論理式」は、
① [ 〔 ( )〕]
といふ「括弧」を「省略」して、
① ~∀x~Fx
といふ風に、書くことになる。
然るに、
(17)
① ~∀x~Fx=
① ~二 ∀x~一レ Fレ x=
① ~[∀x~〔F(x)〕].
に於いて、
① ~[ ]⇒[ ]~
① ~〔 〕⇒〔 〕~
① F( )⇒( )F
といふ「移動」を行ふと、
① ~[∀x~〔F(x)〕]⇒
① [∀x〔(x)F〕~]~=
① [すべてのxについて〔(xが)F〕でない]といふことはない=
② ∃xFx=あるxはFである。
といふ「述語論理訓読」が成立する。
然るに、
(18)
③ 弟子不必不如師=
③ 弟子不二 必不一レ 如レ 師=
③ 弟子不[必不〔如(師)〕]。
に於いて、
③ 不[ ]⇒[ ]不
③ 不〔 〕⇒〔 〕不
③ 如( )⇒( )如
といふ「移動」を行ふと、
③ 弟子不[必不〔如(師)〕]⇒
③ 弟子[必〔(師)如〕不]不=
③ 弟子は[必ずしも〔(師に)如か〕ずんば]あらず=
④ 弟子の中に、師匠に及ぶものもゐる。
といふ「漢文訓読」が、成立する。
然るに、
(19)
漢語における語順は、国語と大きく違っているところがある。すなわち、その補足構造における語順は、国語とは全く反対である(鈴木直治、中文と漢文、1975年、296頁)。
従って、
(18)(19)により、
(20)
③ 弟子不[必不〔如(師)〕]。
③ 弟子は[必ずしも〔(師に)如か〕ずんば]あらず。
に於ける「括弧」は、
③「漢文」に於ける「補足構造」を表してゐて、
③「訓読」に於ける「補足構造」を表してゐる。
従って、
(17)(20)により
(21)
① ~[∀x~〔F(x)〕].
① [すべてのxについて〔(xが)F〕でない]といふことはない。
に於ける「括弧」は、
①「論理式」に於ける「補足構造」を表してゐて、
①「日本語」に於ける「補足構造」を表してゐる。
従って、
(20)(21)により、
(21)
① ~[∀x~〔F(x)〕].
① [すべてのxについて〔(xが)F〕でない]といふことはない。
③ 弟子不[必不〔如(師)〕]。
③ 弟子は[必ずしも〔(師に)如か〕ずんば]あらず。
に於ける、
① [ 〔 ( ) 〕 ]
② [ 〔 ( ) 〕 ]
③ [ 〔 ( ) 〕 ]
④ [ 〔 ( ) 〕 ]
といふ「括弧」は、「漢文・訓読・論理式・日本語」に於ける、「補足構造」を表してゐる。
然るに、
(22)
① ~∀x~Fx.
といふ「述語論理」を、
① ~[∀x~〔F(x)〕].
といふ風に、「意識」することはあっても、
① すべてのxについてxがFでないといふことはない。
といふ「日本語」を、普通の日本人が、
① [すべてのxについて〔(xが)F〕でない]といふことはない。
といふ風に、「意識」することは無い。
従って、
(23)
③ 弟子不必不如師。
といふ「漢文」を書いた、当の本人(韓愈)や、文人が、
③ 弟子不必不如師。
といふ「漢文」を、
③ 弟子不[必不〔如(師)〕]。
といふ風に、「説明」することが無かったとしても、
③ 弟子不必不如師。
といふ「漢文」に、
③ 弟子不[必不〔如(師)〕]。
といふ「補足構造」が無い。といふ風に、断言することは、出来ない。
平成30年05月01日、毛利太。
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