2025年11月30日日曜日

「質料含意の定義」と「パラドックス」(Ⅲ)。

(01)
1    (1) (P&Q)→R      A
1    (2)~(P&Q)∨R      1質料含意の定義
 3   (3)~(P&Q)        A
 3   (4) ~P∨~Q        3ド・モルガンの法則
  5  (5) ~P           A
  5  (6) ~P∨R         5∨I
  5  (7)  P→R         6質料含意の定義
  5  (8) (P→R)∨(Q→R)  7∨I
   9 (9)     ~Q       A
   9 (ア)     ~Q∨R     9∨I
   9 (イ)      Q→R     ア質料含意の定義
   9 (ウ) (P→R)∨(Q→R)  イ∨I
 3   (エ) (P→R)∨(Q→R)  3589ウ∨E
    オ(オ)        R     A
    オ(カ)     ~P∨R     ∨I
    オ(キ)      P→R     カ質料含意の定義
    オ(ク) (P→R)∨(Q→R)  キ∨I
1    (ケ) (P→R)(Q→R)  13オエク∨E
従って、
(01)により、
(02)
①(P&Q)→R
②(P→R)(Q→R)
において、すなわち、
①(Pであって、Qである)ならば、Rである。
②(Pならば、Rである)か、または、(Qならば、Rである)。
において、
① ならば、「必然的」に、② である。
然るに、
(03)
例えば、
②(社長は、鈴木か、または、佐藤である)。
ということは、
②(鈴木が、社長である)かも知れないし、
②(佐藤が、社長である)かも知れない
という「意味」である。
従って、
(02)(03)により、
(04)
②(Pならば、Rである)か、または、(Qならば、Rである)。
ということは、
②(Pならば、Rである)かも知れない
②(Qならば、Rである)かも知れない
ということである。
従って、
(02)(04)により、
(05)
①(P&Q)→R
②(P→R)(Q→R)
において、すなわち、
①(Pであって、Qである)ならば、Rである。
②(Pならば、Rである)か、または、(Qならば、Rである)。
において、
① ならば、「必然的」に、② であるが、このとき、
②(Pならば、Rである)かも知れないし、
②(Qならば、Rでない)かも知れない
然るに、
(06)
P=偶数である。
Q=素数である。
R= 2である。
とする。
従って、
(05)(06)により、
(07)
①(偶数であって、素数である)ならば、2である。
という「命題」が「真」であるならば、
②(偶数ならば、2である)かも知れないし、
②(素数ならば、2である)かも知れない
という「命題」も「真」である。
然るに、
(08)
「偶素数」とは、「2」のことです。素数は1とその数以外に約数がない数ですが、2は唯一の偶数の素数であり、他のすべての偶数は2で割り切れるため素数ではありません。
(生成AI:グーグルGemini)
従って、
(08)により、
(09)
①(偶数であって、素数である)ならば、2である。
という「命題」は「真」である。
従って、
(07)(09)により、
(10)
②(偶数ならば、2である)かも知れないし、
②(素数ならば、2である)かも知れない
という「命題」も「真」である。
然るに、
(11)
②(偶数ならば、2である)かも知れないし、
②(素数ならば、2である)かも知れない
という「命題」と、
②(偶数ならば、2である)。
②(素数ならば、2である)。
という「命題」は、「同じ」ではない
従って、
(07)~(11)により、
(12)
①(偶数であって、素数である)ならば、2である。
という「命題」が「真」であるとしても、
②(偶数ならば、2である)。
②(素数ならば、2である)。
という「命題」は「真」ではない
従って、
(12)により、
(13)
①(偶数であって、素数である)ならば、2である。
という「命題」が「真」であるならば、
②(偶数ならば、2である)。
②(素数ならば、2である)。
という「命題」は「」である。
∵「真→偽」という場合の「仮言命題」は「」である。
従って、
(13)により、
(14)
P=偶数である。
Q=素数である。
R= 2である。
として、
1    (1) (P&Q)→R      A
1    (2)~(P&Q)∨R      1質料含意の定義
 3   (3)~(P&Q)        A
 3   (4) ~P∨~Q        3ド・モルガンの法則
  5  (5) ~P           A
  5  (6) ~P∨R         5∨I
  5  (7)  P→R         6質料含意の定義
  5  (8) (P→R)∨(Q→R)  7∨I
   9 (9)     ~Q       A
   9 (ア)     ~Q∨R     9∨I
   9 (イ)      Q→R     ア質料含意の定義
   9 (ウ) (P→R)∨(Q→R)  イ∨I
 3   (エ) (P→R)∨(Q→R)  3589ウ∨E
    オ(オ)        R     A
    オ(カ)     ~P∨R     ∨I
    オ(キ)      P→R     カ質料含意の定義
    オ(ク) (P→R)∨(Q→R)  キ∨I
1    (ケ) (P→R)(Q→R)  13オエク∨E
という「命題計算」が「妥当」であるとしても、
①(偶数であって、素数である)ならば、2である。
という「命題」が「真」であるならば、
②(偶数ならば、2である)。
②(素数ならば、2である)。
という「命題」が「真」である。
というわけではない
然るに、
(15)
 質料含意のパラドックス
質料含意のパラドックス(Paradoxes of Material Implication)」とは、古典論理学における「実質含意(質料含意)」の定義が、日常言語で使われる「もし~ならば、…」という条件文の直感的な意味と乖離していることによって生じる、一見すると矛盾しているように見える命題群のことです。
従って、
(04)(10)(11)(14)(15)により、
(16)
1    (1) (P&Q)→R      A
1    (2)~(P&Q)∨R      1質料含意の定義
 3   (3)~(P&Q)        A
 3   (4) ~P∨~Q        3ド・モルガンの法則
  5  (5) ~P           A
  5  (6) ~P∨R         5∨I
  5  (7)  P→R         6質料含意の定義
  5  (8) (P→R)∨(Q→R)  7∨I
   9 (9)     ~Q       A
   9 (ア)     ~Q∨R     9∨I
   9 (イ)      Q→R     ア質料含意の定義
   9 (ウ) (P→R)∨(Q→R)  イ∨I
 3   (エ) (P→R)∨(Q→R)  3589ウ∨E
    オ(オ)        R     A
    オ(カ)     ~P∨R     ∨I
    オ(キ)      P→R     カ質料含意の定義
    オ(ク) (P→R)∨(Q→R)  キ∨I
1    (ケ) (P→R)(Q→R)  13オエク∨E
という「命題計算」が、
②(偶数ならば、2である)かも知れないし、
②(素数ならば、2である)かも知れない
という「真なる命題」ではなく、
②(偶数ならば、2である)。
②(素数ならば、2である)。
という「偽なる命題」を「証明」している。
という風に、「誤解」するならば、「質料含意のパラドックス」に陥ることになる。

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