2015年11月27日金曜日

「一二点(はリカージョンではない)」について。

(01)
古田島氏が返り点を非論理的だと指摘する根拠は、足りなくなる可能性があるからということらしい。しかし、これは簡単に解決できる。すべて一二点に変換すればいいのである。一二点は無限にあるから、どんなに複雑な構文が出現しても対応できる。実際、一二点しか施していないものも過去にはあった(ブログ:困窮庵日乗)。
(02)
① 1 2 3 4 5 6 7 8 9
② Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ Ⅷ Ⅸ
③ 一 二 三 四 五 六 七 八 九
は、「数字(アラビア・ローマ・漢)」であって、
①=②=③ である。
然るに、
(03)
① 9 8 6 3 2 1 5 4 7 =
① 9〈8{6[3〔2(1)〕5(4)]7}〉
に於いて、
① 2( )⇒( )1
① 3〔 〕⇒〔 〕3
① 5( )⇒( )5
① 6[ ]⇒[ ]6
① 8{ }⇒{ }8
① 9〈 〉⇒〈 〉9
とするならば、
① 〈{[〔(1)2〕3(4)5]67}8〉9 =
① 1 2 3 4 5 6 7 8 9
加へて、
(04)
② 三 二 Ⅲ 3 2 1 Ⅱ Ⅰ 一 =
② 三〈二{Ⅲ[3〔2(1)〕Ⅱ(Ⅰ)]一}〉
に於いて、
② 2( )⇒( )1
② 3〔 〕⇒〔 〕3
② Ⅱ( )⇒(Ⅰ)Ⅱ
② Ⅲ[ ]⇒[ ]Ⅲ
② 二{ }⇒{ }一
② 三〈 〉⇒〈 〉三
とするならば、
② 〈{[〔(1)2〕3(Ⅰ)Ⅱ]Ⅲ一}二〉三 =
② 1 2 3 Ⅰ Ⅱ Ⅲ 一 二 三
従って、
(03)(04)により、
(05)
① 9 8 6 3 2 1 5 4 7 と、
② 三 二 Ⅲ 3 2 1 Ⅱ Ⅰ 一 は、
① 〈 { [ 〔 ( ) 〕 ( ) ] } 〉
② 〈 { [ 〔 ( ) 〕 ( ) ] } 〉
を介して、「等しい」。
然るに、
(06)
① 1 2 3
② Ⅰ Ⅱ Ⅲ
③ 一 二 三
といふ「数字(返り点)」は、
① 一 二 三
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙
といふ「返り点(数字)」に、「置き換へ」ることが、出来る。
従って、
(02)(05)(06)により、
(07)
③ 九 八 六 三 二 一 五 四 七 と、
④ 丙 乙 下 三 二 一 中 上 甲 は、
③ 〈 { [ 〔 ( ) 〕 ( ) ] } 〉
④ 〈 { [ 〔 ( ) 〕 ( ) ] } 〉
を介して、「等しい」。
然るに、
(08)
④ 三 ← 二 ← 一
④ 下 ← 中 ← 上
④ 丙 ← 乙 ← 甲
は、三つとも、「右から左へ、返ってゐる」。
従って、
(09)
「縦書き」であれば、
④ 丙 乙 下 三 二 一 中 上 甲
に於いて、
④ 三 ← 二 ← 一
④ 下 ← 中 ← 上
④ 丙 ← 乙 ← 甲
は、三つとも、「下から上へ、返ってゐる」。
然るに、
(10)
③ 三 ← 二 ← 一
③ 三 → 四
③ 五 ← 四
③ 六 → 七
③ 九 ← 八 ← 七
の場合は、
③ 三 ← 二 ← 一
③ 五 ← 四
③ 九 ← 八 ← 七
に於いて、「右から左へ、返ってゐて」、
③ 三 → 四
③ 六 → 七
に於いて、「左から右へ、返ってゐる」。
従って、
(09)(10)により、
(11)
「縦書き」であれば、
③ 九 八 六 三 二 一 五 四 七
は、「下から上に返ったり、上から下に返ってゐて」、
④ 丙 乙 下 三 二 一 中 上 甲
は、「下から上に返ってゐる」。
然るに、
(12)
④「下から上に返ってゐる。」の方が、
③「下から上に返ったり、上から下に返ってゐる。」よりも、「読みにくい」はずがない。
従って、
(13)
① 一 二 三 四 五 六 七 八 九
よりも、
① 一 二 三
② 上 中 下
③ 甲 乙 丙
の方が、「読みやすい」。
(14)
このことは、
① 〈 { [ 〔 ( ) 〕 ( ) ] } 〉
の方が、
① ( ( ( ( ( ) ) ( ) ) ) )
よりも「読みやすい」ことに、似てゐる。
従って、
(15)
一二点は無限にあるから、どんなに複雑な構文が出現しても対応できる。実際、一二点しか施していないものも過去にはあった(ブログ:困窮庵日乗)。としても、
一二点だけでは、「読みにくい」が故に、今はない。
(16)
⑤ 1 14 13 2 11 3 7 4 6 5 8 10 9 12=
⑤ 1 14〈13{2 11[3 7〔4 6(5)〕8 10(9)]12}〉⇒
⑤ 1〈{2[3〔4(5)6〕7 8(9)10]11 12}13〉14=
⑤ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
従って、
(05)(07)(16)により、
(17)
① 9 8 6 3 2 1 5 4 7
に対して、「返り点」を付けよといふ「問題」は、
⑤ 1 14 13 2 11 3 7 4 6 5 8 10 9 12
に対して、「返り点」を付けよといふ「問題」に、等しい。
cf.

従って、
(05)(07)(17)により、
(18)
「レ点」がなければ、
⑤ 1 14 13 2 11 3 7 4 6 5 8 10 9 12
に付く「返り点」は、
⑤ 丙 乙 下 三 二 一 中 上 甲
である。
(19)
「レ点」を用ゐれば、
⑤ 1 14 13 2 11 3 7 4 6 5 8 10 9 12
に付く「返り点」は、
⑤ レ 乙 下 二 一レ 上レ 甲
である。
従って、
(20)
① レ
② 一 二 三 四 五 六 七 八 九 ・ ・ ・ ・ ・ ・
③ 上 中 下
④ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬
⑤ 天 地 人
の「代はり」に、
① 1 2 3 4 5 6 7 8 9
② Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ Ⅷ Ⅸ
③ 一 二 三四 五 六 七 八 九
④ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬
を「返り点」とすることが、出来る。
(21)
① 1 2 3 4 5 6 7 8 9
② Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ Ⅷ Ⅸ
③ 一 二 三 四 五 六 七 八 九
④ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬
は、それぞれが、「数字」であるが、
① ② ③ ④
も、「数字」である。
従って、
(21)により、
(22)
① 1 2 3 4 5 6 7 8 9
② Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ Ⅷ Ⅸ
③ 一 二 三 四 五 六 七 八 九
④ 甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬
は、「数字の中」に、「数字」が入ってゐる。
然るに、
(23)
こういうロシアの入れ子人形のような性質を、コンピューター科学や言語学、心理学、哲学などではリカージョンと呼ぶ(ピダハン、317頁)。



従って、
(20)(22)(23)により、
(24)
「返り点」は、「リカージョン」である。
然るに、
(25)
① 〈 { [ 〔 ( ) 〕 ( ) ] } 〉
① ( ( ( ( ( ) ) ( ) ) ) )
は、「入れ子」である。
従って、
(23)(25)により、
(26)
「括弧」も、「リカージョン」である。
平成27年11月27日、毛利太。

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