2018年1月30日火曜日

「象は鼻が長く、首はキリンが長い。」

(01)
1  (1) P→ Q A
 2 (2)   ~Q A
  3(3) P    A
12 (4)    Q 13MPP
123(5) Q&~Q 24&I
12 (6)~P    35RAA
1  (7)~Q→~P 26CP
(02)
1  (1)~Q→~P A
 2 (2)    P A
  3(3)~Q    A
1 3(4)   ~P 13MPP
123(5) P&~P 24&I
12 (6)~~Q   35RAA
12 (7)  Q   5DN
1  (8) P→ Q 27CP
従って、
(01)(02)により、
(03)
① PならばQである。
② QでないならばPでない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
命題「AならばB」の対偶は「BでないならAでない」である。 論理記号を用いて説明すると、命題「A ⇒ B」の対偶は「¬B⇒ ¬A」(¬A は命題 A の否定)である。 通常の数学では、命題「AならばB」の真偽とその対偶「BでないならAでない」の真偽とは必ず一致する(すなわち真理値が等しい)。Wikipediahttps://ja.wikipedia.org/wiki/対偶_(論理学)
従って、
(03)(04)により、
(05)
① AでないならばBでない。
② BならばAである。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
① AでないならばBでない
といふことは、
① A以外はBでない
といふことに、他ならない。
従って、
(05)(06)により、
(07)
① A以外はBでない。
② BならばAである。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(08)
② BならばAである。
といふことは、
② BはAである。
といふことに、他ならない。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① A以外はBでない。
② BはAである。
に於いて、
①=② である。
従って、
(09)により、
(10)
① 私以外は大野でない。
② 大野は私です。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(11)
(3) 未知と既知
この組み合わせは次のような場合に現われる。
 私が大野です。
これは、「大野さんはどちらですか」というような問いに対する答えとして使われる。つまり文脈において、「大野」なる人物はすでに登場していて既知である。ところが、それが実際にどの人物なのか、その帰属する先が未知である。その未知の対象を「私」と表現して、それをガで承けた。それゆえこの形は、
 大野は私です。
に置きかえてもほぼ同じ意味を表わすといえる(大野晋、日本語の文法を考える、1978年、34頁)。
従って、
(10)(11)により、
(12)
「既知・未知」といふ「マチガイ」は、ともかく、いづれにせよ、
① 私以外は大野でない。
② 大野は私です。
③ 私が大野です。
に於いて、
①=②=③ である。
従って、
(12)により、
(13)
③ 私大野です。
といふのであれば、
③(その時刻、その場所に於いて、) 私以外は大野でない。
といふ、ことになる。
従って、
(13)により、
(14)
④ 象ゐる。
といふのであれば、
④(今、私の目の前に、) 象はゐるが(象以外はゐない)。
といふ風に、「理解」することになる。
従って、
(14)により、
(15)
⑤(今、見てゐる図鑑の中では、)象鼻が長い。
といふのであれば、
⑤{ゾウ、キリン、カバ、ライオン、ゴリラ}等を「比較」する限り、
⑤ ゾウの鼻は長く、ゾウ以外の鼻は長くない。
といふ、ことになる。
従って、
(16)
⑥(今、見てゐる図鑑の中では、)キリン首が長い。
といふのであれば、
⑥{キリン、ゾウ、カバ、ライオン、ゴリラ}等を「比較」する限り、
⑥ キリンの首は長く、キリン以外の首は長くない。
といふ、ことになる。
然るに、
(12)により、
(17)
⑥ キリン首が長い(キリン以外の首は長くない)。
に対して、
⑦ キリン首が長い。
といふのであれば、
⑥{キリン、ゾウ、カバ、ライオン、ゴリラ}ではく、
⑦{キリン}だけを見て(念頭に置いて)、
⑦ キリンは首が長い。
といふ風に、言ってゐる(思ってゐる)。
従って、
(17)により、
(18)
⑦ キリンは首が長い。
といふ「日本語」は、
⑦「キリン」について、「述べてゐる」のであって、
⑦「キリン」以外については、「何も述べてゐない」。
従って、
(18)により、
(19)
⑧ 象は鼻は長い。
といふのであれば、
⑧「象と、象の鼻」について、「述べてゐる」のであって、
⑧「象と、象の鼻」以外については、「何も述べてゐない」。
従って、
(17)(18)(19)により、
(20)
⑧ 象は鼻は長い。
に対して、
⑨ 象は鼻長い。
といふのであれば、
⑨「象」以外については、「何も述べてゐない」ものの、
⑨「象の体」に於いて、「鼻」以外については、「長くはない。」といふ風に、「述べてゐる」。
従って、
(19)(20)により、
(21)
⑧ 象は鼻は長い。
といふのであれば、
⑧ 象の鼻は長い。としても、象の体の、他の部分が、長いかどうかは、分からない。
のに対して、
⑨ 象は鼻長い。
といふのであれば、
⑨ 象の鼻は長く、象の体の、他の部分が、特には、長くはない。
といふ、ことになる。
従って、
(18)~(21)により、
(22)
⑨ 象だけを、「念頭」に置いて、
⑨ 象の鼻は長く、象の体の、他の部分が、特には、長くはない。
といふ風に、思ってゐるのであれば、
⑧ 象は鼻は長い。
とは言はずに、
⑨ 象は鼻長い。
といふ風に、言ふことになる。
従って、
(23)
⑨ サンマは目黒うまい。
といふのであれば、
⑨ サンマだけを、「念頭」に置いて、
⑨ 目黒のそれはうまく、目黒以外(日本橋の魚河岸)のそれは、うまくない。
といふ風に、述べてゐる。
従って、
(24)
⑩ 鼻はゾウが長く、首はキリンが長く、口はカバが大きい。
といふのであれば、
⑩ 鼻={ゾウの鼻、キリンの鼻、カバの鼻}
⑩ 首={ゾウの首、キリンの首、カバの首}
⑩ 口={ゾウの口、キリンの口、カバの口}
に於いて、
⑩ ゾウ以外の鼻は長くなく、キリン以外の首は長くなく、カバ以外の口は大きくない。 といふ風に、述べてゐる。
然るに、
(25)
もうすぐ、92才になる、日本人男性、他に確認したところ、
⑧ 象は鼻は長い。
⑨ 象は鼻が長い。
⑩ 鼻は象が長い。
といふ「日本語」の「意味」は、私が思ってゐる「それ」と、「同じ」であった。
従って、
(01)~(25)により、
(25)
⑧ 象は鼻は長い。
⑨ 象は鼻が長い。
⑩ 鼻は象が長い。
といふ「日本語の文法」は、「説明可能」である。
然るに、
(26)
日本語に主語はないと仮定すると、「象は鼻が長い」など文法的に説明不能だった点が見事にクリアになります(igawa's Blog)。
然るに、
(27)
私自身は、「日本語に主語はない」などといふ風に、思ったことは、一度もない。
平成30年01月30日、毛利太。

0 件のコメント:

コメントを投稿