(a)『返り点と括弧』については、『「返り点」と「括弧」(略8)(https://kannbunn.blogspot.com/2018/09/blog-post_17.html)』他もお読み下さい。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
もう一度、書くものの、
1 (1)象は鼻が長い。 A
1 (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。 A
2 (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
3 (3)ある兎は象である。 A
3 (〃)∃x(兎x&象x) A
3 (〃)あるxは兎であって象である。 A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 1UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 47MPP
2 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 58MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
2 6 (ウ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
エ (エ) 鼻ba&長b A
オ(オ) 耳ba&長b A
1 6 (カ) ∀z(~鼻za→~長z) 9&E
1 6 (キ) ~鼻ba→~長b カUE
2 6 (ク) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (ケ) 耳ba→~鼻ba クUE
オ (コ) 耳ba オ&E
2 6オ (サ) ~鼻ba ケコMPP
12 6オ (シ) ~長b キサコMPP
オ (ス) 長b オ&E
12 6オ (セ) 長b&~長b シス&I
12 6 (ソ) 長b&~長b ウオセEE
123 (タ) 長b&~長b 36ソEE
12 (チ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ツ)∀x~(兎x&象x) チ量化子の関係
12 (テ) ~(兎a&象a) ツUE
12 (ト) ~兎a∨~象a テ、ド・モルガンの法則
12 (ナ) 兎a→~象a ト含意の定義
12 (ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
12 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ナUI
12 (〃)兎は象ではない。 ナUI
従って、
(01)により、
(02)
(1)象は鼻が長い。
(2)兎は耳が長いが、兎の耳は鼻ではない。
(3)ある兎は象である。
といふ風に「仮定」すると、
(タ)の行で、「矛盾」が生じるため、
(1)と(2)を、「否定」しないならば、「背理法」により、
(3)ある兎は象である。
といふ「仮定」が「否定」され、その「結果」として、
(3)兎は象ではない。
といふ「結論」を得ることになる。
従って、
(02)により、
(03)
(1)象は鼻が長い。然るに、
(2)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。故に、
(3)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」を行ひたいのであれば、
(1)象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
(1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ風に、「翻訳」することになる。
然るに、
(04)
1 (1)象以外の鼻は長くない。 A
1 (〃)∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)} A
2 (2)∀x( 兎x→~象x) A
2 (〃)兎は象ではない。 A
1 (3) ~象a→~∃y(鼻ya&長y) 1UE
2 (4) 兎a→~象a 2UE
5(5) 兎a A
25(6) ~象a 45
125(7) ~∃y(鼻ya&長y) 36MPP
125(8) ∀y~(鼻ya&長y) 7量化子の関係
125(9) ~(鼻ba&長b) 8UE
125(ア) ~鼻ba∨~長b ド・モルガンの法則
125(イ) 鼻ba→~長b ア含意の定義
125(ウ) ∀y(鼻ya→~長y) イUI
12 (エ) 兎a→∀y(鼻ya→~長y) 5ウCP
12 (オ)∀x{ 兎x→∀y(鼻yx→~長y)} エUI
12 (〃)すべてのxについて{xが兎であるならば、すべてのyについて(yがxの鼻であるならば、yは長くない)}。 エUI
12 (〃)xが兎であって、yがxの鼻であるならば、yは長くない。 エUI
12 (〃)兎の鼻は長くない。 エUI
従って、
(04)により、
(05)
(1)象以外の鼻は長くない。
(2)兎は象ではない。
といふ風に、「仮定」すると、当然ではあるが、
(3)兎の鼻は長くない。
といふ「結論」を得ることになる。
然るに、
(06)
{象、兎、猫、犬、馬}を、「変域」とするならば、事実として、
{象}以外の鼻は長くない。
然るに、
(07)
{象}以外の鼻は長くない。
といふことは、
{象が}鼻は長い。
といふことである。
従って、
(04)(07)により、
(08)
1 (1)象が鼻は長い。 A
1 (〃)象以外の鼻は長くない。 A
1 (〃)∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)} A
である。
従って、
(05)~(08)により、
(09)
(1)象が鼻は長い。然るに、
(2)兎は象ではない。故に、
(3)兎の鼻は長くない。
といふ「推論(三段論法)」を行ひたいのであれば、
(1)象が鼻は長い。
といふ「日本語」は、
(1)∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
といふ風に、「翻訳」することになる。
然るに、
(10)
(a)
1 (1)∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)} A
1 (2) ~象a→~∃y(鼻ya&長y) UE
3 (3) ~象a A
4(4) ∃y(鼻yx&長y) A
13 (5) ~∃y(鼻ya&長y) 23MPP
134(6) ∃y(鼻ya&長y)&
~∃y(鼻ya&長y) 45&I
1 4(7) ~~象a 36RAA
1 4(8) 象a 7DN
1 (9) ∃y(鼻yx&長y)→象a 48CP
1 (ア)∀x{ ∃y(鼻yx&長y)→象x} 9UI
(b)
1 (1)∀x{ ∃y(鼻yx&長y)→象x} A
1 (2) ∃y(鼻ya&長y)→象a 1UE
3 (3) ∃y(鼻ya&長y) A
4(4) ~象a A
13 (5) 象a 23MPP
134(6) ~象a&象a 45&I
1 4(7) ~∃y(鼻ya&長y) 36RAA
1 (8) ~象a→~∃y(鼻ya&長y) 47CP
1 (9)∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)} 8UI
従って、
(10)により、
(11)
(a)∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
(b)∀x{ ∃y(鼻yx&長y)→ 象x}。
といふ「対偶」に於いて、
(a)=(b) である。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
(1)象が鼻は長い。然るに、
(2)兎は象ではない。故に、
(3)兎の鼻は長くない。
といふ「推論(三段論法)」を行ひたいのであれば、
(1)象が鼻は長い。
といふ「日本語」は、
(1)∀x{∃y(鼻yx&長y)→象x}。
(〃)すべてのxについて{あるyがxの鼻であって、yが長いのであれば、xは象である}。
といふ風に、「翻訳」することになる。
然るに、
(13)
(a)
1(1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x{∃y(鼻yx&長y)→象x} A
1(2)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} 1&E
1(3) 象a→∃y(鼻ya&長y) 2UE
1(4) ∀x{∃y(鼻yx&長y)→象x} 1&E
1(5) ∃y(鼻ya&長y)→象a 4UE
1(6) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∃y(鼻ya&長y)→象a 35&I
1(7)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃y(鼻yx&長y)→象x} 6UI
(b)
1(1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃y(鼻yx&長y)→象x} A
1(2) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∃y(鼻ya&長y)→象a 1UE
1(3) 象a→∃y(鼻ya&長y) 2&E
1(4)∀x{象a→∃y(鼻ya&長y)} 3UI
1(5) ∃y(鼻yx&長y)→象x 2&E
1(6) ∀x{∃y(鼻yx&長y)→象x} 5UI
1(7)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x{∃y(鼻yx&長y)→象x} 46&I
従って、
(13)により、
(14)
(a)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x{∃y(鼻yx&長y)→象x}
(b)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y) & ∃y(鼻yx&長y)→象x}
に於いて、
(a)=(b) である。
然るに、
(15)
Pであるときまたそのときに限ってQ(Q if and only if P)を主張することは、PならばQと、QならばPを主張することにほかならない。
すなわち記号で書けば、
(P→Q)&(Q→P)
である。しかしこの複合的表現を用ゐるよりは、
P⇔Q
と書くのが便利であろう(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾 治一郎・浅野 楢英 訳、1973年、38頁)。
従って、
(14)(15)により、
(16)
P⇔Q は、
(P→Q)&(Q→P) の、「代はり」であるため、
(a)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}&∀x{∃y(鼻yx&長y)→象x}
(b)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y) & ∃y(鼻yx&長y)→象x}
(c)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)}
に於いて、
(a)=(b)=(c) である。
従って、
(16)により、
(17)
1 (1) 象が鼻は長い。 A
1 (〃) ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)} A
1 (2) 象a⇔∃y(鼻ya&長y) 1UE
1 (3) 象a→∃y(鼻ya&長y)&
∃y(鼻ya&長y)→ 象a 4Df.⇔
1 (4) ∃y(鼻ya&長y)→ 象a 4&E
5 (5) ~象a A
15 (6) ~∃y(鼻ya&長y) 45MTT
1 (7) ~象a→~∃y(鼻ya&長y) 56CP
1 (8)∀x{~象a→~∃y(鼻ya&長y)} 7UI
従って、
(04)(17)により、
(18)
1 (1)象が鼻は長い。 A
1 (〃)象以外の鼻は長くない。 A
1 (〃)∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)} A
2 (2)∀x( 兎x→~象x) A
2 (〃)兎は象ではない。 A
1 (3) ~象a→~∃y(鼻ya&長y) 1UE
2 (4) 兎a→~象a 2UE
5(5) 兎a A
25(6) ~象a 45
125(7) ~∃y(鼻ya&長y) 36MPP
125(8) ∀y~(鼻ya&長y) 7量化子の関係
125(9) ~(鼻ba&長b) 8UE
125(ア) ~鼻ba∨~長b ド・モルガンの法則
125(イ) 鼻ba→~長b ア含意の定義
125(ウ) ∀y(鼻ya→~長y) イUI
12 (エ) 兎a→∀y(鼻ya→~長y) 5ウCP
12 (オ)∀x{ 兎x→∀y(鼻yx→~長y)} エUI
12 (〃)すべてのxについて{xが兎であるならば、すべてのyについて(yがxの鼻であるならば、yは長くない)}。 エUI
12 (〃)xが兎であって、yがxの鼻であるならば、yは長くない。 エUI
といふ「計算」の、
1 (1)象が鼻は長い。 A
1 (〃)∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)} A
といふ「仮定」を、
1 (1) 象が鼻は長い。 A
1 (〃) ∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)} A
といふ「仮定」に、「差し替へ」たとしても、「結論」は「同じ」である。
従って、
(12)(18)により、
(19)
(1)象が鼻は長い。然るに、
(2)兎は象ではない。故に、
(3)兎の鼻は長くない。
といふ「推論(三段論法)」を行ひたいのであれば、
(1)象が鼻は長い。
といふ「日本語」は、
(1)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)}
(〃)すべてのxについて{xが象であるならば、そのときに限って、あるyはxの鼻であって、yは長い}。
といふ風に、「翻訳」することになる。
然るに、
(01)(16)により、
(20)
1 (1)象が鼻が長い。 A
1 (〃)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (2) 象a⇔∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
1 (3) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∃y(鼻ya&長y)→象a&∀z(~鼻za→~長z) 2Df.⇔
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y) 3&E
1 (5) 象a&∀z(~鼻za→~長z) 3&E
1 (6) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 45&I
1 (7)∀x{象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 6UI
従って、
(01)(20)により、
(21)
1 (1)象は鼻が長い。 A
1 (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (2)兎の耳は長くいが、兎の耳は鼻ではない。 A
2 (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
3 (3)ある兎は象である。 A
3 (〃)∃x(兎x&象x) A
3 (〃)あるxは兎であって象である。 A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 1UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 47MPP
2 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 58MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
2 6 (ウ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
エ (エ) 鼻ba&長b A
オ(オ) 耳ba&長b A
1 6 (カ) ∀z(~鼻za→~長z) 9&E
1 6 (キ) ~鼻ba→~長b カUE
2 6 (ク) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (ケ) 耳ba→~鼻ba クUE
オ (コ) 耳ba オ&E
2 6オ (サ) ~鼻ba ケコMPP
12 6オ (シ) ~長b キサコMPP
オ (ス) 長b オ&E
12 6オ (セ) 長b&~長b シス&I
12 6 (ソ) 長b&~長b ウオセEE
123 (タ) 長b&~長b 36ソEE
12 (チ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ツ)∀x~(兎x&象x) チ量化子の関係
12 (テ) ~(兎a&象a) ツUE
12 (ト) ~兎a∨~象a テ、ド・モルガンの法則
12 (ナ) 兎a→~象a ト含意の定義
12 (ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
12 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ナUI
12 (〃)兎は象ではない。 ナUI
といふ「計算」の、
1 (1)象は鼻が長い。 A
1 (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
といふ「仮定」を、
1 (1)象が鼻が長い。 A
1 (〃)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
といふ「仮定」に、「差し替へ」たとしても、「結論」は「同じ」である。
従って、
(03)(21)により、
(22)
(1)象が鼻が長い。然るに、
(2)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。故に、
(3)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」を行ひたいのであれば、
(1)象が鼻が長い。
といふ「日本語」は、
(1)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ風に、「翻訳」することになる。
然るに、
(23)
(1)象が鼻は長い。然るに、
(2)兎は象ではない。故に、
(3)兎の鼻は長くない。
といふ「推論(三段論法)」や、
(1)象が鼻が長い。然るに、
(2)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。故に、
(3)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、明らかに、「妥当(Valid)」である。
然るに、
(24)
(1)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)}。然るに、
(2)∀x(兎x→~象x)。故に、
(3)∀x{兎x→∀y(鼻yx→~長y)}。
といふ「推論(三段論法)」や、
(1)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(2)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。故に、
(3)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論(三段論法)」も、「妥当(Valid)」である。
従って、
(18)(20)(23)(24)により、
(25)
(1)象が鼻は長い。
(2)兎は象ではない。
(3)兎の鼻は長くない。
といふ「日本語」が、
(1)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)}。
(2)∀x(兎x→~象x)。
(3)∀x{兎x→∀y(鼻yx→~長y)}。
といふ「述語論理」に、対応せず、
(1)象は鼻が長い。
(2)兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。
(3)兎は象ではない。
といふ「日本語」が、、
(1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(2)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。
(3)∀x(兎x→~象x)。
といふ「述語論理」に、対応しない。
といふことは、有り得ない。と、言ふべきである。
然るに、
(01)により、
(26)
(1)象は鼻が長い。
(〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(〃)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない}。
従って、
(26)により、
(27)
(1)∀x{象x→
(〃)すべてxについて{xが象であるならば、
といふ風に、最初に、言明してゐるため、
(1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(〃)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない}。
といふ「文」は、「最初に、その文の内容の範囲を、象に、限定してゐる」。
然るに、
(28)
(Ⅰ)象が鼻が長い。
(〃)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y&)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(〃)すべてxについて{xが象であるならば、あるyがxの鼻であって、yが長く、xが象でないならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長くなく、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない}。
従って、
(28)により、
(29)
(Ⅰ)∀x{象x⇔
(〃)∀x{象x→ & ~象x→
(〃)すべてxについて{xが象であるならば、& xが象でないならば、
といふ風に、最初に、言明してゐるため、
(Ⅰ)象が鼻が長い。
(〃)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y&)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(〃)すべてxについて{xが象であるならば、あるyがxの鼻であって、yが長く、xが象でないならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長くなく、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない}。
といふ「文」は、「最初に、その文の内容の範囲を、象に、限定してゐる」とは、言へない。
然るに、
(30)
「は」の基本的な性質は、主題を表すことです。主題というのは文の最初にあって、その文で述べる内容の範囲を限定するものです。
(白川博之 監修、中上級を教える人のための、日本語文法ハンドブック、2001年、314頁)
従って、
(26)~(30)により、
(31)
主題というのは文の最初にあって、その文で述べる内容の範囲を限定するものです。
といふ「定義」からすれば、
(1)象は鼻が長い。
(〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(〃)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない}。
といふ「日本語」に於いて、「象は」は、「主題は」であるが、
(Ⅰ)象が鼻が長い。
(〃)∀x{象x⇔∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y&)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(〃)すべてxについて{xが象であるならば、あるyがxの鼻であって、yが長く、xが象でないならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長くなく、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことは
といふ「日本語」に於いて、「象が」は、「主題が」ではない。
然るに、
(32)
主題というのは文の最初にあって、その文で述べる内容の範囲を限定するものです。
といふのであれば、
① 象は鼻は長い。
② Elephants have long noses.
に於いて、
① だけでなく、
② であっても、
② Elephants は、文の最初にあって、その文で述べる内容の範囲を、「Elephants」に限定してゐる。
はずである。
従って、
(33)
① 象は鼻は長い。
① Elephants have long noses.
に於いて、
①「象は」が主題であるならば、
①「Elephants」も、主題である。
然るに、
(34)
① Elephants have long noses. の、
① Elephants を、「強く発音する(強調)」する場合を、
② ELEPHANTS have long noses.
といふ風に、書くことにする。
然るに、
(35)
〔63〕a.TOM sent Mary flowers.
b.Tom SENT Mary flowers.
c.Tom sent MARY flowers.
d.Tom sent Mary FLOWERS.
"Tom sent Mary flowers.”(トムはメアリーに花を送った)という文は、四つの単語からできていますが、どの単語を強調して発音するかによって少しずつ意味が違ってきます。
〔63〕では、強調して発音される単語は全部大文字で示してあります。
Tom を強調して発音すれば、「他の誰でもないトムがメアリーに花を送った」という意味になります。つまり、主語として、
「トム」という人間が他の人間と対比されているということです(町田健、チョムスキー入門、2006年、150頁)。
従って、
(34)(35)により、
(36)
① Elephants have long noses.
とはせずに、
② ELEPHANTS have long noses.
といふ風に、
② ELEPHANTS
を「強調(強く発音)」するならば、
② ELEPHANTS は鼻が長いが、
② ELEPHANTS 以外(の、兎や、犬や、馬)の鼻は長くない。
といふ、ことになる。
従って、
(34)(35)(36)により、
(37)
① Elephants have long noses.
② ELEPHANTS have long noses.
とはせずに、
③ ELEPHANTS have long NOSES.
といふ風に、
③ ELEPHANTS と NOSES
を「強調(強く発音)」するならば、
③ ELEPHANTS は鼻が長いが、
③ ELEPHANTS 以外(の、兎や、犬や、馬)の鼻は長くなく、
③ ELEPHANTS の鼻以外(の、耳や、目や、口)は長くない。
といふ、ことになる。
従って、
(01)~(37)により、
(38)
① 象は鼻は長い。
① Elephants have long noses.
② 象が鼻は長い。
② ELEPHANTS have long noses.
③ 象が鼻が長い。
③ ELEPHANTS have long NOSES.
といふ「日本語と英語」は、それぞれ、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y&)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y&)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(38)により、
(39)
①「象は・鼻は」は、「Elephants・noses」に対応し、
②「象が・鼻は」は、「ELEPHANTS・noses」に対応し、
③「象が・鼻が」は、「ELEPHANTS・NOSES」に対応する。
従って、
(34)(35)(39)により、
(40)
「_は」に対する、
「_が」は、「強調形」である。
然るに、
(41)
「_は」は、「清音」であって、
「_が」は、「濁音」である。
従って、
(40)(41)により、
(42)
「_は(清音)」に対する、
「_が(濁音)」が、「強調形」である。
然るに、
(43))
清音の方は、小さくきれいで速い感じで、コロコロと言うと、ハスの上を水玉がころがるような時の形容である。ゴロゴロと言うと、大きく荒い感じで、力士が土俵でころがる感じである(金田一春彦、日本語(上)、1988年、131頁)。
(44)
もし濁音を発音するときの物理的・身体的な口腔の膨張によって「濁音=大きい」とイメージがつくられているのだとしたら、面白いですね。この仮説が正しいとすると、なぜ英語話者や中国語話者も濁音に対して「大きい」というイメージを持っているか説明がつきます(川原繁人、音とことばの不思議な世界、2015年、13頁)。
従って、
(42)(43)(44)により、
(45)
推測ではなく、事実として、
「_は(清音)」に対する、
「_が(濁音)」が、「強調形」である。
従って、
(34)~(45)により、
(46)
① 象は鼻は長い。
① Elephants have long noses.
② 象が鼻は長い。
② ELEPHANTS have long noses.
③ 象が鼻が長い。
③ ELEPHANTS have long NOSES.
といふ「日本語と英語」は、それぞれ、必然的に、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y&)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y&)&~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
平成30年12月08日、毛利太。
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