2017年2月17日金曜日

とある高校教師Sさんへ。

とある高校教師Sさんへ。
(01)
① My cousin is three years younger than I
② He was walking with a dog in the park this morning.
③ I don't think that Antlers will be the chanpion this year.
④ I will send new rice to you by courier service next week.
⑤ We keep our rooms warm day and night in winter because my parents are old.
⑥ You must study English much harder to become a googler like your father in the future.
⑦ I am not necessarily a person who tries to understand Chinese classics by using the method of understanding English.
(02)
① 私の従弟は、私よりも、若きこと、三歳である。
② 彼は昨日の朝、公園を、一匹の犬を連れて歩いていた。
③ 私はアントラーズが今年のチャンピオンになるであろうといふことを思はない。
④ 私は、来週、宅配便であなたに新米をお送りします。
⑤ 両親が高齢であるため、冬には、昼と夜、暖かく部屋を保ってゐる。
⑥ あなたは将来にあなたの父のやうなクーグルの職員になるようにもっと一生懸命英語を勉強しなければならない。
⑦ 私は必ずしも、英語を理解する方法を用ゐて、中国の古典を理解しようとする人間ではありません。
従って、
(03)
① My cousin is{three-years[younger〔than(I)〕]}⇒
① My cousin {[〔(I)than〕younger]three-years}is=
① 私の従弟は{[〔(私)より〕若きこと]三年}である。
(04)
② He was《walking〈with{a-dog[in〔the-park(this morning)〕]}〉》⇒
② He《〈{[〔(this morning)the-park〕in]a-dog}with〉walking》 was=
② 彼は《〈{[〔(今朝)公園〕を]一匹の犬}を連れて〉歩いて》ゐた。
(05)
③ I don't《think〈that{Antlers will[be〔the-chanpion(this year)〕]}〉》⇒
③ I 《〈{Antlers [〔(this year)the-chanpions〕be]will}that〉think》don't=
③ 私は《〈{アントラーズが[〔(今年の)チャンピオン〕になる]であらう}といふことを〉思は》ない。
(06)
④ I will「send《new-rice〈to{you[by〔courier-service(next week)〕]}〉》」⇒
④ I 「《〈{[〔(next week)courier-service〕by]you}to〉new-rice》send」will=
④ 私は「《〈{[〔(来週)宅急便〕で]あなた}に〉新米を》送りま」せう。
(07)
⑤ We keep『our-rooms「warm《day-and-night〈in{winter[ because〔my parents are(old)〕]}〉》」』⇒
⑤ We 『「《〈{[ 〔my parents(old) are〕because]winter}in〉day-and-night》warm」our-rooms』keep=
⑤ 我々は『「《〈{[ 〔両親が(高齢)である〕が故に]冬}は〉昼も夜も》暖かく」部屋を』保ってゐる。
(08)
⑥ You must(study【English『much-harder「to《become〈a-googler{like[your-father〔in(the future)〕]}〉》」』】)⇒
⑥ You (【『「《〈{[〔(the future)in〕your-father]like}a-googler〉become》to」much-harder』English】study)must=
⑥ あなたは(【『「《〈{[〔(将来)に〕あなたの父]のやうな}クーグルの職員に〉なるよう》に」もっと一生懸命』英語を】勉強し)なければならない。
然るに、
(01)~(08)により、
(09)
以上の、「英文訓読」に於ける、「返り点」は、
① 五 四 三 二 一
② 七 六 五 四 三 二 一
③ 七 六 五 四 三 二 一
④ 八 七 六 五 四 三 二 一
⑤ 九 八 七 六 五 四 三 二 一
⑥ 十一 十 九 八 七 六 五 四 三 二 一
である。
然るに、
(10)
日本語は「方分枝構造」であり、英語は「方分枝構造」を特色としている。
(小松達也、通訳の英語 日本語、2003年、98頁)
従って、
(10)により、
(11)
例へば、
① 五 四 三 二 一
① 五>四>三>二>一
といふ「返り点」は、「日本語」と「比較」するならば、
① My cousin is three years younger than I
といふ「英語」が、「方分枝構造」を特色としている。
といふことを、「意味」してゐる。
然るに、
(12)
⑦ 我非必求以解英文法解漢文者也=
⑦ 我非{必求[以〔解(英文)法〕解(漢文)]者}也⇒
⑦ 我{必[〔(英文)解法〕以(漢文)解]求者}非也=
⑦ 我は{必ずしも[ 〔(英文を)解する法を〕以って(漢文を)解せんことを]求むる者に}非らざるなり。
であれば、「返り点」は、
⑦ 地 丙 下 二 一 上 乙 甲 天
である。
従って、
(11)(12)により、
(13)
⑦ 地 丙 下 二 一 上 乙 甲 天
⑦ 九>七>四>二>一六>五
といふ「返り点」は、「日本語」と「比較」するならば、
⑦ 我非必求以解英文法解漢文者也。
といふ「漢文」が、「左右両方向、分枝構造」を特色としている。
といふことを、「意味」してゐる。
然るに、
(14)
⑧ I am{not[necessarily a-person〔who(tries【to『understand「Chinese-classics《by〈using{the-method[of〔understanding(English)〕]}〉》」』】)〕]}⇒
⑧ I {[necessarily 〔(【『「《〈{[〔(English)understanding〕of]the-method}using〉by》Chinese-classics」understand』to】tries)who〕a-person]not}am=
⑧ 私は{[必ずしも〔(【『「《〈{[〔(英語を)理解する〕の]方法を}用ゐること〉に依って》漢文を」理解し』ようと】試みる)所の〕人では]ない}のである。
であれば、「返り点」は、
⑧ 十四 十三 十二 十一 十 九 八 七 六 五 四 三 二 一
である。
従って、
(11)(14)により、
(15)
⑧ 十四 十三 十二 十一 十 九 八 七 六 五 四 三 二 一
⑧ 十四>十三>十二>十一>十>九>八>七>六>五>四>三>二>一
といふ「返り点」は、「日本語」と「比較」するならば、
⑧ I am not necessarily a person who tries to understand Chinese classics by using the method of understanding English.
といふ「英語」が、「方分枝構造」を特色としている。
といふことを、「意味」してゐる。
然るに、
(16)
⑦ 我は必ずしも英文を解する法を以って漢文を解せんことを求むる者に非らざるなり。
⑧ I am not necessarily a person who tries to understand Chinese classics by using the method of understanding English.
に於いて、「意味(命題)」としては、
⑦=⑧ である。
然るに、
(17)
⑦ 我非{必求[以〔解(英文)法〕解(漢文)]者}也。
⑧ I am{not[necessarily a-person〔who(tries【to『understand「Chinese-classics《by〈using{the-method[of〔understanding(English)〕]}〉》」』】)〕]}
に対する、
⑧ 九>七>四>二>一六>五
⑦ 十四>十三>十二>十一>十>九>八>七>六>五>四>三>二>一
を見れば分るやうに、「英文も漢文も語順が基本的に同じなのに」などといふことは、「明確な、マチガイ」である。
(18)
⑨ 漢文可〔与(英語)同(語順)〕。
⑩ Chinese classics should{have[the-same-word-order〔as(English)〕]}.
に対する、
⑨ 五>二>一四>三
⑩ 五>四>三>二>一
を見れば分るやうに、「英文も漢文も語順が基本的に同じなのに」などといふことは、「明確な、マチガイ」である。
(19)
⑩ 有〔朋自(遠方)来〕。不(亦楽)乎。
⑪ To〈have{friends[come〔from(afar)〕]}〉is(happiness)is(it)not?
に対する。
⑩ 四>二>一三、二>一
⑪ 六>五>四>三>二>一、二>一、二>一
を見れば分るやうに、「英文も漢文も語順が基本的に同じなのに」などといふことは、「明確な、マチガイ」である。
然るに、
(20)
とある高校教師S @hellohellock 2017-01-02 19:37:11
英文も漢文も語順が基本的に同じなのに、どうして漢文はいちいち返り点を打ってまで日本語の順番に直して(しかも古文風に)読む必要があるのか。英語と同じく、主語・動詞・目的語を見つけて読めばいいじゃないかと思う。
「漢文を横書きにしてSVOで読み進める手法」を提唱したい。返り点は廃止。
然るに、
(21)
「英語と同じく、主語・動詞・目的語を見つけて読めばいいじゃないかと思う。」とは言ふものの、
「漢文における省略のしかたの一定規則を見出すことができたとしたら、博士学位論文としてりっぱにパスするよ、けれども、これまで、これまでそんな学位論文など聞いたことがない。ということは、省略の規則なんて研究のしようがないということだ(二畳庵主人、漢文法基礎、362頁)。」との、ことである。
従って、
(22)
主語や目的」が「書かれてゐない(省略されてゐる)」場合には、「主語・動詞・目的語を見つけて読むこと」は、出来ない。
加之(しかのみならず)、
(23)
そして重野の講演を後れること七年、文化大学の講師を務めていたイギリス人チャンバレン氏も一八八六年『東洋学芸雑誌』第六一号に「支那語読法ノ改良ヲ望ム」を発表し、「疑ハシキハ日本人ノ此支那語ヲ通読スル伝法ナリ、前ヲ後ニ変へ、下ヲ上ニ遡ラシ、本文ニ見へザル語尾ヲ附シ虚辞ヲ黙シ、若クハ再用スル等ハ、漢文ヲ通読スルコトニアランヤ。寧ロ漢文ヲ破砕シテ、其片塊ヲ以テ随意ニ別類ノ一科奇物ヲ増加セリト云フヲ免カレンヤ。」「畢竟日本語ハ日本ノ言序アリ、英語ハ英ノ語次存スルコトは皆々承知セリ、唯支那語ニノミ治外法権ヲ許ルサズシ権内ニ置クハ何ソヤ」(「訓読」論 東アジア漢文世界と日本語、中村春作・市來津由彦・田尻祐一郎・前田勉 共編、2008年、50頁)。
従って、
(24)
まず第一に、「返り点は廃止」といふ「とある高校教師S」さんの「提言」は、聞く人によっては、百三十年以上も前から、繰り返し、「耳にタコが出来るほど、聞かされて来た話」である。
従って、
(25)
「とある高校教師S」の「提言」が「正しい」のであれば、「さのやうな提言」は、「二十世紀の間」に、「実現」してゐたことになる。
従って、
(26)
「漢文訓読」といふ「現象」は、少なくとも、
「畢竟日本語ハ日本ノ言序アリ、英語ハ英ノ語次存スルコトは皆々承知セリ、唯支那語ニノミ治外法権ヲ許ルサズシ権内ニ置クハ何ソヤ」
と言へば、それで「お終い」になるやうな、「単純なもの」ではない。
平成29年02月17日、毛利太。

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