(01)
① A is{in[front〔of(B)〕]}⇒
① A {[〔(B)of〕front]in}is=
① Aは{[〔(B)の〕前]に}在る。
(02)
② A is{always in[front〔of(B)〕]}⇒
② A {always [〔(B)of〕front]in}is=
② Aは{常に[〔(B)の〕前]に}在る。
(03)
③ A is{always in[front〔of(B or C)〕]}⇒
③ A {always [〔(B or C)of〕front]in}is=
③ Aは{常に[〔(BかC)の〕前]に}在る。
然るに、
(04)
① A 五{四[三〔二(一)〕]}⇒
① A {[〔(一)二〕三]四}五。
従って、
(01)~(04)により、
(05)
① A is in front of B.
② A is always in front of B.
③ A is always in front of B or C.
に付く「返り点」は、
① 五 四 三 二 一
② 五 四 三 二 一
③ 五 四 三 二 一
である。
然るに、
(06)
③ A is always in front of B or C.
に対して、
④ A is always in front or B of C.
といふ「英語」は、「存在」しない。
然るに、
(07)
④ A is{in[front〔or(B)of(C)〕]}⇒
④ A {[〔(B)or(C)of〕front]in}is=
④ Aは{[〔(B)か(C)の〕前]に}在る。
然るに、
(08)
④ A 戊{丁[丙〔二(一)乙(甲)〕]}⇒
④ A {[〔(一)二(甲)乙〕丙]丁}戊=
④ A 一 二 甲 乙 丙 丁 戊。
従って、
(07)(08)により、
(09)
④ A is always in front or B of C.
の「返り点」は、
④ 戊 丁 丙 二 一 乙 甲
である。
従って、
(05)(09)により、
(10)
① A is in front of B.
② A is always in front of B.
③ A is always in front of B or C.
④ A is always in front or B of C.
の「返り点」は、
① 五 四 三 二 一
② 五 四 三 二 一
③ 五 四 三 二 一
④ 戊 丁 丙 二 一 乙 甲
である。
然るに、
(11)
実際には、
④ A is always in front or B of C.
といふ「英語」は、「存在」しない。ため、
この場合は、
① 五 四 三 二 一
② 五 四 三 二 一
③ 五 四 三 二 一
だけが、「英語」に付く、「返り点」である。
加へて、
(12)
④ My cousin is{three-years[younger〔than(I)〕]}.
⑤ He was《walking〈with{a-dog[in〔the-park(this morning)〕]}〉》.
⑥ I don't《think〈that{Antlers will[be〔the-chanpion(this year)〕]}〉》.
⑦ I will「send《new-rice〈to{you[by〔courier-service(next week)〕]}〉》」.
⑧ We keep『our-rooms「warm《day-and-night〈in{winter[ because〔my parents are(old)〕]}〉》」』.
⑨ You must(study【English『much-harder「to《become〈a-googler{like[your-father〔in(the future)〕]}〉》」』】).
⑩ I am{not[necessarily a-person〔who(tries【to『understand「Chinese-classics《by〈using{the method[of〔understanding(English)〕]}〉》」』】)〕]}.
に対する「返り点」は、
④ 五 四 三 二 一
⑤ 七 六 五 四 三 二 一
⑥ 七 六 五 四 三 二 一
⑦ 八 七 六 五 四 三 二 一
⑧ 九 八 七 六 五 四 三 二 一
⑨ 十一 十 九 八 七 六 五 四 三 二 一
⑩ 十四 十三 十二 十一 十 九 八 七 六 五 四 三 二 一
である。
然るに、
(13)
「返り点」は、
(a)一二・点
(b)上下・点
(c)甲乙・点
(d)天地・点
(e)レ点
による、「五種類」である。
然るに、
(14)
「漢字」は殆どが、「一字」で「一語」であるが、
「英語」に於いて、「一字」で「一語」なのは、「a(不定冠詞)」だけである。
従って、
(13)(14)により、
(15)
「漢文訓読」ならぬ、
「英文訓読」で用ゐられる「返り点」は、
(a)一二・点
(b)上下・点
(c)甲乙・点
(d)天地・点
による、「四種類」である。
然るに、
(10)(12)により、
(16)
① A is in front of B.
② A is always in front of B.
③ A is always in front of B or C.
④ A is always in front or B of C.
④ My cousin is three years younger than I
⑤ He was walking with a dog in the park this morning.
⑥ I don't think that Antlers will be the chanpions this year.
⑦ I will send new rice to you by courier service next week.
⑧ We keep our rooms warm day and night in winter because my parents are old.
⑨ You must study English much harder to become a googler like your father in the future.
⑩ I am not necessarily a person who tries to understand Chinese classics by using the method of understanding English.
といふ「英文訓読」で用ゐられる「返り点」は、
(a)一二・点
(b)上下・点
(c)甲乙・点
(d)天地・点
といふ「四種類」の中の、
(a)一二・点
といふ「一種類」だけである。
それ故、
(17)
或るいは、
The United States is probably one of the most ethnically diverse countries in the world.
Up until 400 years ago, the land that now is called the United States was populated almost entirely by Native Americans.
However, even way back then, there were hundreds of different Native Americans tribes and most of them each spoke different language.
When the first Europeans began arriving in the early 1600s, there were slightly more than 1 million Native Americans here.
The population of the United States has since grown to over 250 times that size, yet there are still hundreds of languages spoken in U.S.
And, there are more cultures and ethnic backgrounds represented in our country now than there have ever been.For this reason, this county has long been called the Melting Pot. This describes an image that people of many different skin colors, religious beliefs and ethnic and linguistic backgrund were all blended into one giant pot that we now call the United States.
(小坂貴志、小坂洋子、アメリカの小学校教科書で英語を学ぶ、2005年、36頁改)
に対する、「返り点」も、
(a)一二・点
だけなのかも、知れない。
然るに、
(18)
「括弧」を加へると、
The United States is〈probably one{of[the-most-ethnically-diverse-countries〔in(the world)〕]}〉.
Up〔until(400 years ago)〕, the-land{that[now is〔called(the United States)〕]}was[populated〔almost entirely by(Native Americans)〕].
However, even〔way-back(then)〕, there-were(hundreds of different Native Americans tribes)and most of them each spoke(different language).
When{the first Europeans began[arriving〔in(the early 1600s)〕]}, there-were[slightly more〔than(1 million)〕Native Americans here].
The-population〔of(the United States)〕has〈since grown{to[over〔250-times(that size)〕]}〉, yet there-are〈still hundreds{of[languages-spoken〔in(U.S)〕]}〉.
And, there-are{more-cultures-and-ethnic-backgrounds[in〔our-country(now)〕than〔there-have(ever been)〕]}.
For(this reason), this county has[long been〔called(the Melting Pot)〕].
This describes【an-image『that「people{of[many〔different(skin colors, religious beliefs and ethnic and linguistic backgrund)〕]}were《all blended〈into{one-giant-pot[that〔we now call(the United States)〕]}〉》」』】.
然るに、
(19)
「移動」を行ふと、
The United States is〈probably{[〔(the world)in〕the-most-ethnically-diverse-countries]of}one〉is.
〔(400 years ago)until〕 Up,{[now 〔(the United States)called〕is]that}the-land[〔almost entirely (Native Americans)by〕populated]was.
However,〔(then)way-back〕even, (hundreds of different Native Americans tribes)there-wereand most of them each (different language)spoke.{the first Europeans[〔(the early 1600s)in〕arriving] began}When, [slightly〔(1 million)than〕more Native Americans here]there-were.
〔(the United States)of〕The-population〈since{[〔(that size)250-times〕over]to}grown〉has, yet〈still{[〔(U.S)in〕languages-spoken]of}hundreds〉there-are.
And,{[〔(now)our-country〕in〔(ever been)there-have〕than]more-cultures-and-ethnic-backgrounds} there-are.(this reason)For, this county [long 〔(the Melting Pot)called〕been]has.
This 【『「{[〔(skin colors, religious beliefs and ethnic and linguistic backgrund)different〕many]of}people《all〈{[〔we now (the United States)call〕that]one-giant-pot}into〉blended》were」that』an-image】describes.
然るに、
(20)
「日本語」に置き換へると、
合衆国は〈おそらく{[〔(世界)で〕最も民族的に多様な国]の}一つ〉である.
〔(400年前)まで〕遡れば, {[今は〔(合衆国と)呼ばれて〕ゐる]所の}土地は[〔ほとんどすべてに(ネイティブアメリカン達)が〕住んで]ゐた.
しかしながら, 〔(その時に)戻った〕としても, (数百ものの異なる、ネイティブアメリカンの部族が)ゐて、彼等の大半は互いに(異なる言語を)話してゐた.
{最初の西洋人たちが[〔(17世紀の初め)に〕入植を]始めた}頃は, [わずかに〔(百万人)を〕越えるネイティブアメリカンたちが、ここに]ゐた.
〔(合衆国)の〕人口は〈以来{[〔(その大きさの)250倍を〕越える]までに}成長するに〉至り, 今なお〈まだ{[〔(合衆国)には〕話されている言語]が}数百〉ある.
そして{[〔(現在)我が国〕では〔(嘗てあっ)た〕より]多くの文化や民族的背景が}存在する.
(この理由)により, この国は[長く〔(ザ坩堝)と呼ば〕れて]来た.
これは【『「{[〔(肌の色, 宗教的信条に民族的そして言語的背景を)異にする〕多く]の}人々を《みな〈{[〔我々が今(合衆国と)呼ぶ〕所の]一つの巨大な坩堝}中に入れて〉混ざって》ゐる」といふ所の』一つのイメージを】表はしている。
然るに、
(21)
⑫ There-are{more-cultures-and-ethnic-backgrounds[in〔our-country(now)〕than〔there-have(ever been)〕]}⇒
⑫ {[〔(now)our-country〕in〔(ever been)there-have〕than]more-cultures-and-ethnic-backgrounds}there-are=
⑫ {[〔(現在)我が国〕では〔(嘗てあっ)た〕より]多くの文化や民族的背景が}存在します.
であれば、「返り点」は、
⑫ 戊 丁 丙 三 二 一 乙 甲
であるため、
(a)一 二 三
(b)甲 乙 丙 丁 戊
である。
(22)
⑬ This describes【an-image『that「people{of[many〔different(skin colors, religious beliefs and ethnic and linguistic backgrund)〕]}were《all blended〈into{one-giant-pot[that〔we now call(the United States)〕]}〉》」』】⇒
⑬ This 【『「{[〔(skin colors, religious beliefs and ethnic and linguistic backgrund)different〕many]of}people《all 〈{[〔we now (the United States)call〕that]one-giant-pot}into〉blended》were」that』an-image】describes=
⑬ これは【『「{[〔(肌の色, 宗教的信条に民族的そして言語的背景を)異にする〕多く]の}人々を《みな〈{[〔我々が今(合衆国と)呼ぶ〕所の]一つの巨大な坩堝}中に入れて〉混ざって》ゐる」といふ所の』一つのイメージ】表わしている。
であれば、
⑬ 癸 壬 辛 五 四 三 二 一 庚 己 戊 丁 丙 乙 甲
であるため、
(a)一 二 三 四 五
(b)甲 乙 丙 丁 戊 己 庚 辛 壬 癸
である。
然るに、
(23)
⑭ 何不〈令{人謂(韓公叔)曰[秦之敢絶(周)而伐(韓)者、信(東周)也、公何不〔与(周地)発(質使)之(楚)〕。秦必疑(楚)、不〔信(周)〕。是韓不(伐)也]、又謂(秦)曰[韓彊与(周地)、将〔以疑(周於秦)〕也。周不〔敢不(受)〕]}〉⇒
⑭ 何〈{人(韓公叔)謂[秦之敢(周)絶而(韓)伐者、(東周)信也、公何〔(周地)与(質使)発(楚)之〕不。秦必(楚)疑、〔(周)信〕不。是韓(伐)不也]曰、又(秦)謂[韓彊(周地)与、且〔以(周於秦)疑〕也。周〔敢(受)不〕不]曰}令〉不=
⑭ 何ぞ〈{人をして(韓の公叔に)謂ひて[秦の敢へて(周)を絶って(韓を)伐たんとするは、(東周を)信ずればなり、公何ぞ〔(周に地を)与へ(質使を)発して(楚に)之かしめ〕ざる、秦必ず(楚を)疑ひ、〔(周を)信ぜ〕ざらん。是れ韓(伐たれ)ざらんと]曰ひ、又(秦に)謂ひて[韓彊ひて(周に地を)与ふるは、且に〔以て(周を秦に)疑はしめん〕なり。周〔敢へて(受け)ずんば〕あらずと]曰は}令め〉ざる。
ですら、
⑭ レ 丁 二 一 地 レ レ 二 一 下 二 一 二 一 上レ レ レ レ 天レ レ 丙 二 一 三 二 一 乙 甲レ
であるため、
(a)レ レ レ レ レ レ
(b)二 一、二 一、三 二 一
(c)天レ 地
(d)甲レ 乙 丙 丁 レ
である。
従って、
(24)
⑬ 癸 壬 辛 五 四 三 二 一 庚 己 戊 丁 丙 乙 甲
などといふ「返り点」は、「漢文訓読」であれば、「絶対に、有り得ない」し、
⑬ 癸 壬 辛 庚 己 戊 丁 丙 乙 甲
の次である、「十一番目」の「十干」はないため、仮に、
⑬ が「否定文」であれば、それだけで、「返り点」は「不足」する。
然るに、
(25)
通常の包含関係に従って甲乙点を打った後、その外側で四つの返り点が必要になったら、どうするのでしょうか。天地人点では足りません。その場合も、やはり甲乙点と天地人点の順序を逆転させるしかないのです。
(古田島洋介、これならわかる返り点、2009年、九一頁)
従って、
(25)により、
(26)
⑧ 何不令人謂韓公叔曰秦之敢絶周而伐韓者信東周也公何不与周地発質使之楚秦必疑楚不信周是韓不伐也又謂秦曰韓彊与周地将以疑周於秦也周不敢不受。
といふ「61語」からなる「漢文」ですら、「天地点」は、「不足」しても、「甲乙点」が「不足」することなど、有り得ない。
加へて、
(27)
⑫ There-are{more-cultures-and-ethnic-backgrounds[in〔our-country(now)〕than〔there-have(ever been)〕]}.
の場合は、実際には、
⑫ There-are{more-cultures-and-ethnic-backgrounds(represented)[in〔our-country(now)〕than〔there-have(ever been)〕]}.
であるが、その場合には、
⑫(represented)を「無視」しない限り、
⑫ 現在我が国では、かつてないほど様々な異なる文化や民族的背景が存在しています。
(小坂貴志、小坂洋子、アメリカの小学校教科書で英語を学ぶ、2005年、36頁)
といふ風に、「翻訳」することは、出来ない。
(28)
以前にも述べた通り、
⑭ Who are you ?
⑮ What are you doing ?
のやうな「WH疑問文」に対して、「返り点・括弧」を加へることは、出来ない。
(29)
以上を要するに、「漢文訓読」の「返り点・括弧」と「英文訓読」の「返り点・括弧」は、「別物」である。
平成29年02月19日、毛利太。
―「関連記事」―
とある高校教師Sさんへ(http://kannbunn.blogspot.com/2017/02/blog-post_17.html)。
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