2014年9月2日火曜日

「交換律」

(01)
次のように下から返ってよんでみるとよい(原田種成、私の漢文講義、1995年、56頁)。
とあるやうに、
① 伯楽不(常有)⇒
① 伯楽(常有)不=
① 伯楽は(常には有ら)不。
の場合であれば、
② 伯楽不〔常(有)〕⇒
② 伯楽〔(有)常〕不=
② 伯楽は〔(有ること)常なら〕不。
と読んでも、「意味」は、変はらない。
(02)
③ 無〔人不(死)〕⇒
③ 〔人(死)不〕無=
③ 〔人として(死せ)不る〕無し。
の場合も、
④ 無[人〔不(死)〕]⇒
④ [〔(死)不〕人]無=
④ [〔(死せ)不る〕人は]無し=
④ 死なない人間は存在しない。
と読んでも、「意味」は、変はらない。
然るに、
(03)
④ 無[人〔不(死)〕]⇒
④ [〔(死)不〕人]無=
④ [〔(死せ)不る〕人は]無し=
④ 死なない人間は存在しない。
は、
④ 無〔不(死)人〕⇒
④ 〔(死)不人〕無=
④ 〔(死せ)不る人は〕無し=
④ 死なない人間は存在しない。
に、等しい。
従って、
(02)(03)により、
(04)
③ 無〔人不(死)〕=
④ 無〔不(死)人〕。
といふ「等式」が、成立する。
然るに、
(05)
「交換律」により、
⑤ Mⅹ&~(Dⅹ)=
⑥ ~(Dⅹ)&Mⅹ
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(05)により、
(06)
⑤ ~(∃ⅹ)(Mⅹ&~(Dⅹ))⇒
⑤(Mⅹ&(Dⅹ)~) ~(∃ⅹ)=
⑤(人であって&(死な)ない者は)存在しない。
といふ「命題」と、
⑥ ~(∃ⅹ)(~(Dⅹ)&Mⅹ)⇒
⑥((Dⅹ)~&Mⅹ) ~(∃ⅹ)=
⑥((死な)ない&人間は)存在しない。
といふ「命題」は、「等しい」。
従って、
(04)(06)により、
(07)
③ 無〔人不(死)〕= ③ 人として死せ不るは無し。
④ 無〔不(死)人〕= ④ 死せ不る人は無し。
⑤ ~(∃ⅹ)(Mⅹ&~(Dⅹ))= ⑤(人であって&(死な)ない者は)存在しない。
⑥ ~(∃ⅹ)(~(Dⅹ)&Mⅹ)= ⑥((死な)ない&人間は)存在しない。
に於いて、
③=④=⑤=⑥
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(07)により、
(08)
③ 無〔人不(死)〕=
③ 人として死せ不るは無し。
といふ「漢文」と、
⑤ ~(∃ⅹ)(Mⅹ&~(Dⅹ))=
⑤(人であって&(死な)ない者は)存在しない。
といふ「述語論理」は、「交換律」が成り立つといふ点も、含めて、「完全に等しい」。
平成26年09月02日、毛利太。
(31)
人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天。
といふ「返り点」は、
① 一 二 三。
② 上 中 下。
③ 甲 乙 丙。
④ 天 地 人。
に於いて、
① を挟んで返る場合に、
② を用ゐ、
② を挟んで返る場合に、
③ を用ゐ、
③ を挟んで返る場合に、
④ を用ゐる。
といふ「規則(19)」を、満たしてゐる。
従って、
(32)
人      丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地   天 =
十三 八 五 二 一 四 三 七 六 十 九 十二 十一。
とするならば、
十三 八 五 二 一 四 三 七 六 十 九 十二 十一。
と書いても、「順番」としては、「規則(19)」を、満たしてゐる。
従って、
(33)
その意味で、
人 丙 下 二 一 中 上 乙 甲 二 一 地 天。
は、「読みにくくても良い」のであれば、
十三 八 五 二 一 四 三 七 六 十 九 十二 十一。
としても、良いことに、なる。
然るに、
(34)
十三{八[五〔二(一)四(三)〕七(六)]十(九)十二(十一)} ⇒
{[〔(一)二(三)四〕五(六)七]八(九)十(十一)十二}十三 =
一 二 三 四 五 六 七 八 九 十 十一 十二 十三。
然るに、
(35)
十三 八 五 二 一 四 三 七 六 十 九 十二 十一。
から、
五 二 一 四 三。
を取り出して、
五 二 一 四 三。
を、更に、例へば、
五 二 四 一 三。
に変へると、
五 二 四 一 三。
に対しては、「括弧」を加へることは、出来ない。
(36)
二 を、 一 の右へ、移動させるためには、
五 二(四 一)三。
とする、必要がある。
次に、
(37)
四 を、 三 の右へ、移動させるためには、
五 二(四〔一)三〕。
とする、必要が有るものの、
(〔 )〕
は、「括弧」とは、言へない。
(38)
五 二 四 一 三。
ではなく、
五 二 三 一 四。
の場合も、
二 を、 一 の右へ、移動させるためには、
五 二(三 一)四。
とする、必要がある。
次に、
(39)
三 を、 移動し終えた、二 の右へ、移動させるためには、
五 二(三〔一)〕四。
とする、必要があるものの、
(〔 )〕
は、「括弧」とは、言へない。
平成26年10月10日、毛利太。

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