2017年8月10日木曜日

再読文字(叙述の副詞)

(01)
副詞の種類 副詞は次の三種類に分けることができる。
(一)状態の副詞 用言(主として動詞)を修飾して動作・作用などの状態を示すもの。
(二)程度の副詞 用言(主として形容詞・形容動詞)およびある種の体言を修飾して、その語の表す意味の程度を示すもの。
(三)叙述副詞副詞呼応あるきまった語と呼応して意味の述べ方を助けるもの。
(代々木ゼミ方式 受験国文法、1980年、16・17頁抜粋)
然るに、
(02)
① 彼の行方は、今だに分からない
② 彼は決して、ウソをつかない
に対して、
① 彼の行方は、今だに分かる。
② 彼は決して、ウソをつく。
といふ「日本語」は、存在しない。
従って、
(01)(02)により、
(03)
① 今だに
② 決して
といふ「副詞」は、両方とも、
① 否定(ない
② 否定(ない
に「呼応」する所の、「叙述副詞」である。
然るに、
(04)
①〔未・・・・・〕(再読文字)「いまダ・・・・・」と読み、「まだ・・・・・ない」の意。
(旺文社、高校基礎漢和辞典、1984年、429頁)
従って、
(03)(04)により、
(05)
① 未
といふ「漢字」は、「日本語」に、「翻訳」する限り、
① 叙述の副詞+否定。
に、「対応」する。
然るに、
(06)
(否定文で)けっして(・・・しない)、今まで一度も・・・したことがない)/
I haven't ever spoken to him.[≒ I have never spoken to him.]彼には今まで話しかけたことがありません。/
Nobady had ever noticed her absence. だれも彼女がいないことに気つかなかった。
[語法](1)evernot や hardly などの否定の意味を含む語と共に用いられ、never と同じ意味になる。
(フェイバリット英和辞典、2001年、513頁)
従って、
(03)~(06)により、
(07)
② He never lies.
② He never lies.
② 彼は決して、ウソを付かない
に於いて、
② never
といふ「単語」は、「日本語」に、「翻訳」する限り、
② 叙述の副詞+否定。
に、「対応」する。
従って、
(04)(05)(07)により、
(08)
② He never lies.
といふ「英語」を、
② ヒィ ネバー ライズ.
とは「読まず」に、
② 彼は決して、ウソを付かない
といふ風に「読む」のであれば、その場合の、
② never は、
① 未  と「同様」に、
再読文字 である。
平成29年08月10日、毛利太。

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