2017年8月8日火曜日

再読文字(副詞+助動詞・サ変動詞)。

(01)
① よも行くまじ。
② まさか行かないだろう。
に於いて、
① は、「 古文 」であって、
② は、「口語訳」である。
然るに、
(02)
① よも +行く+まじ   =副詞+動詞+助動詞。
② まさか+行か+ないだろう=副詞+動詞+助動詞。
である。
従って、
(03)
① 副詞+動詞+助動詞。
② 副詞+動詞+助動詞。
といふ「語順」が、「日本語の語順」である。
従って、
(04)
① 副詞+動詞+助動詞
③ 副詞+助動詞+動詞。
に於いて、
① は、「日本語の語順」であるが、
③ は、「日本語の語順」ではない
然るに、
(05)
③ ○△□。
に於いて、
③ ○=副詞
③ △=助動詞
③ □=動詞
であるとする。
然るに、
(06)
③ ○△□=
③ ○△(□)。
に於いて、
③ △( )⇒( )△
といふ「移動」を行ふと、
③ ○△□=
③ ○△(□)⇒
③ ○(□)△。
である。
従って、
(04)(06)により、
(07)
③ ○△□=
③ ○△(□)⇒
③ ○(□)△=
③ 副詞(動詞)助動詞。
に於いて、
③ 副詞(動詞)助動詞。
は、「日本語の語順」である。
然るに、
(08)
③ ◇=○△
であるとする。
従って、
(07)(08)により、
(09)
③ ◇□=
③ ○△□=
③ ○△(□)⇒
③ ○(□)△=
③ 副詞(動詞)助動詞。
に於いて、
③ 副詞(動詞)助動詞。
は、「日本語の語順」である。
然るに、
(10)
③ ◇□=
③ ○△□=
③ ○△(□)⇒
③ ○(□)△=
③ 副詞(動詞)助動詞。
に於いて、
③ ◇=○△
であるといふことは、
③ ◇ といふ「一」を、
③ ○ といふ「一( 副詞 )」と、
③ △ といふ「一(助動詞)」に分けて、
③ ○ については、「最初に読み」、
③ △ については、「最後に読む」。
といふことに、他ならない。
従って、
(10)により、
(11)
③ ◇=○△
に於いて、
③ ○=副詞
③ △=助動詞
であるやうな「一字の漢字」が有るならば、
③ ◇□。
に於いて、
③ ○ については、「最初に訓読して」、
③ △ については、「最後に訓読する」。
といふ、ことになる。
然るに、
(12)
漢字一字で、日本語副詞動詞または助動詞とに相当する意味を兼ね備えているものがある。そこで訓読に際して、その文字が出てきた所でまず副詞として読んでしまい、後でもう一度返り点に従って戻り、動詞または助動詞として読む、という工夫がなされた。こうして、一字二度訓読するものを再読文字という。
(江連隆、漢文ハンドブック、1997年、195頁)
従って、
(11)(12)により、
(13)
③ ◇=○△
に於いて、
③ ○=副詞
③ △=助動詞
であるやうな「一字の漢字」といふ「漢字◇」こそが、「再読文字」に、他ならない。
(14)
例へば、
④ 未=いまだ(副詞)+ず(助動詞)
⑤ 将=まさに(副詞)+す(サ変動詞
であるため、
④ 未 は、「副詞と 動詞 」の意味を兼ね備へてゐて、
⑤ 将 は、「副詞と助動詞」の意味を兼ね備へてゐる。
(15)
⑤ 将=まさに(副詞)+す(サ変動詞)
⑥ 且=まさに(副詞)+す(サ変動詞)
に於いて、
⑤=⑥ であって、
⑤=⑥ 以外の「再読文字」は、「副詞と助動詞」の意味を兼ね備へてゐる。
然るに、
(16)
【16】まじ
意味 「じ」が「む」の打消であったように、「まじ」は「べし」の打消しである。
(中村菊一、基礎からわかる古典文法、1978年、131頁改)
然るに、
(17)
「べし」は「助動詞」であって、「打消し(ず)」も「助動詞」である。
従って、
(18)
「余談」ではあるが、
⑦ まじ=べし(助動詞)+ず(助動詞)
である。
従って、
(14)(18)により、
(19)
④ 未 =いまだ(副詞)+ず(助動詞
⑦ まじ=べし(助動詞)+ず(助動詞
である。
平成29年08月08日、毛利太。

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