(01)
2A=A+A
であるやうに、
復A=A+A
であるとするのが、分りやすい。
従って、
(01)により、
(02)
① 冀〔復得(兎)〕= 冀〔得(兎)+ 得(兎)〕。
② 復冀〔得(兎)〕= 冀〔得(兎)〕+ 冀〔得(兎)〕。
である。
然るに、
(03)
① 冀〔得(兎)+ 得(兎)〕。
であれば、
① 〔(兎を)得た上で、もう一度(兎を)得ることを〕願ふ。
といふ「意味」である。
(04)
② 冀〔得(兎)〕+ 冀〔得(兎)〕。
であれば、
② 〔(兎を)得ることを〕願い、もう一度 〔(兎を)得ることを〕願ふ。
といふ「意味」である。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
① 冀〔復得(兎)〕= 冀〔得(兎)+ 得(兎)〕。
② 復冀〔得(兎)〕= 冀〔得(兎)〕+ 冀〔得(兎)〕。
に於いて、
①=② ではない。
然るに、
(06)
① 冀二復得一レ兎=復た兎を得んことを冀ふ。
② 復冀レ得レ兎 =復た兎を得んことを冀ふ。
従って、
(05)(06)により、
(07)
① 冀〔復得(兎)〕= 冀〔得(兎)+ 得(兎)〕。
② 復冀〔得(兎)〕= 冀〔得(兎)〕+ 冀〔得(兎)〕。
に於いて、
①=② ではないものの、その一方で、「訓読」は、両方とも、
① 復た兎を得んことを冀ふ。
② 復た兎を得んことを冀ふ。
である。
然るに、
(08)
(A)常不レ得レ油 (全部否定)
(B)不二常得一レ油 (部分否定)
この例は次のように下から返読してその意味をはっきりさせることができる。
(A)常レ不レ得レ油(油ヲ得ザルコト常ナリ)
(B)不レ常レ得レ油(油ヲ得ルコト常ナラズ)
(原田種成、私の漢文講義、1995年、156頁)
従って、
(07)(08)により、
(09)
② 復冀〔得(兎)〕= 冀〔得(兎)〕+ 冀〔得(兎)〕。
であれば、
② 復レ冀レ得レ兎(兎ヲ得ント冀フコト復ビナリ)。
といふ風に、「返読」することが、出来る。
平成29年09月30日、毛利太。
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