(a)『返り点と括弧』については、『「返り点」と「括弧」(略8)(https://kannbunn.blogspot.com/2018/09/blog-post_17.html)』他もお読み下さい。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
{象、兎、麒麟}であれば、
{鼻は象が長い。}
{耳は兎が長い。}
{首は麒麟が長い。}
然るに、
(02)
{鼻は象が長く、耳は兎が長く、首は麒麟が長い。}のであれば、
{鼻は象が長い(象以外の鼻は長くない)。}
{耳は兎が長い(兎以外の耳は長くない)。}
{首は麒麟が長い(麒麟以外の首は長くない)。}
従って、
(01)(02)により、
(03)
(Ⅰ)鼻は象が長い。
(〃)∀x{∃y(~象y&鼻xy)→~長x}。
(〃)すべてのxについて{あるyが象ではなく、xがyの鼻であるならば、xは長くない}。
といふ風に、解することが出来る。
然るに、
(04)
(Ⅱ)兎は象ではない。
(〃)∀y{兎y→~象y}。
(〃)すべてのyについて、yが兎であるならば、yは象ではない。
然るに、
(05)
For something to to be a head of a horse there must be some horse of which it is the head;
in symbols,ais a head of a horse if and only if ∃y(Fy&Hay)
(Beginning Logic by E.J. Lemmon,1965年、131頁).
従って、
(05)により、
(06)
あるものが馬の頭であるためには、それがその馬の頭であるような馬が存在しなければならない。
記号で書くと、aは∃y(馬y&頭ay)であるときまたそのときに限って、馬の頭である。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、Ⅰ67頁改)
従って、
(05)(06)により、
(07)
馬の頭に限らず、
兎の鼻であっても、
あるものが兎の鼻であるためには、それがその兎の鼻であるような兎が存在しなければならない。
記号で書くと、aは∃y(兎y&鼻ay)であるときまたそのときに限って、兎の鼻である。
従って、
(07)により、
(08)
(Ⅲ)∃y(兎y&鼻ay)。
(〃)あるyは兎であって、aはyの鼻である。
であるときまたそのときに限って、aは兎の鼻である。
従って、
(03)(04)(08)により、
(09)
(Ⅰ)鼻は象が長い。
(Ⅱ)兎は象ではない。
(Ⅲ)あるyは兎であって、aはyの鼻である。
といふ「仮定」は、
(Ⅰ)∀x{∃y(~象y&鼻xy)→~長x}。
(Ⅱ)∀y{兎y→~象y}。
(Ⅲ)∃y(兎y&鼻ay)。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(10)
Ⅰ (Ⅰ)∀x{∃y(~象y&鼻xy)→~長x} A
Ⅱ (Ⅱ)∀y{兎y→~象y} A
Ⅲ (Ⅲ)∃y(兎y&鼻ay) A
Ⅰ (4) ∃y(~象y&鼻ay)→~長a ⅠUE
Ⅱ (5) 兎b→~象b ⅡUE
6(6) 兎b&鼻ab A
6(7) 兎b 6&E
ⅠⅡ 6(8) ~象b 57MPP
6(9) 鼻ab 7&E
ⅠⅡ 6(ア) ~象b&鼻αb 89&I
ⅠⅡ 6(イ) ∃y(~象y&鼻ay) アEI
ⅠⅡⅢ (ウ) ∃y(~象y&鼻ay) Ⅲ6イEE
ⅠⅡⅢ (エ) ~長a 4ウMPP
ⅠⅡ (オ) ∃y( 兎y&鼻ay)→~長a ⅢエCP
ⅠⅡ (カ)∀x{∃y( 兎y&鼻xy)→~長x} オUI
ⅠⅡ (〃)すべてのxについて、あるyが兎であって、xがyの鼻であるならば、xは長くない。
ⅠⅡ (〃)兎の鼻は長くない。
従って、
(09)(10)により、
(11)
(Ⅰ)∀x{∃y(~象y&鼻xy)→~長x}。然るに、
(Ⅱ)∀y{兎y→~象y}。故に、
(Ⅲ)∀x{∃y( 兎y&鼻xy)→~長x}。
といふ「推論(三段論法)」が、すなはち、
(Ⅰ)鼻は象が長い。然るに、
(Ⅱ)兎は象ではない。故に、
(Ⅲ)兎の鼻は長くない。
といふ「推論(三段論法)」が、成立する。
従って、
(11)により、
(12)
(Ⅰ)鼻は象が長い。然るに、
(Ⅱ)兎は象ではない。故に、
(Ⅲ)兎の鼻は長くない。
といふ、「日本語」による「推論(三段論法)」が、「妥当(valid)」である以上、
(Ⅰ)鼻は象が長い=∀x{∃y(~象y&鼻xy)→~長x}。
(Ⅰ)鼻は象が長い=すべてのxについて{あるyが象ではなく、xがyの鼻であるならば、xは長くない}。
といふ「等式」を、「否定」することは、出来ない。
然るに、
(13)
(Ⅰ)鼻は象が長い=∀x{∃y(~象y&鼻xy)→~長x}。
(Ⅰ)鼻は象が長い=すべてのxについて{あるyが象ではなく、xがyの鼻であるならば、xは長くない}。
といふことは、
(Ⅰ)鼻は象が長い=象以外の鼻は長くはない。
といふことに、他ならない。
然るに、
(14)
{象、兎、麒麟}であれば、確かに、
{象の鼻は長く、兎の鼻は長くなく、麒麟の鼻は長くない。}
従って、
(13)(14)により、
(15)
(Ⅰ)鼻は象が長い=象以外の鼻は長くはない。
(〃)鼻は象が長い=∀x{∃y(~象y&鼻xy)∀x→~長x}。
(〃)鼻は象が長い=すべてのxについて{あるyが象ではなく、xがyの鼻であるならば、xは長くない}。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(15)により、
(16)
(Ⅰ)鼻は象が長い=象以外の鼻は長くはない。
(〃)鼻は象が長い=∀x{∃y(鼻xy&~象y)→~長x}。
(〃)鼻は象が長い=すべてのxについて{xが、象ではないあるyの鼻であるならば、xは長くない}。
然るに、
(17)
これまでに、何度も説明した通り。
(Ⅱ)象は鼻が長い=象は、鼻は長く、鼻以外は長くない。
(〃)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(〃)象は鼻が長い=すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならばzは長くない}。
といふ「等式」が、成立する。
従って、
(17)により、
(18)
(Ⅱ)象は
(〃)すべてxについて{xが象であるならば、
であり、それ故、
(Ⅱ)象は
(〃)象である所のすべてのxについて、
である。
従って、
(19)
(Ⅱ)象は・・・・・・・。
(〃)象である所のすべてのxについて、・・・・・・・。
である。
従って、
(20)
(Ⅱ)象である所のすべてのxについて、・・・・・・・。
に於いて、
(Ⅱ)象が「主題」であるならば、
(〃)象は・・・・・・・。
に於いても、
(Ⅱ)象が「主題」であるに、違ひない。
然るに、
(21)
三上章は『象は鼻が長い』という本を書いて、日本語には主語がないと主張しました。「象は鼻が長い」という文の「象は」というのは主語ではなく、主題なのだという主張でした。助詞「は」がつく語は主題になります。「は」は文の区切りになるようです。「象は鼻が長い」の「象は」という主題は、「象についていうと」という意味になります。「象は」のあとに主題についての解説が続くというのが、この文の構造のようです(投稿日: 2017年2月8日 作成者: 丸山有彦)。
従って、
(20)(21)により、
(22)
「象は鼻が長い」の「象は」という「主題」は、「象についていうと」という意味になります。
といふのであれば、
「象は鼻が長い」の「象は」という「主題」である。
といふ「言ひ方」も、分からないでもない。
しかしながら、
(23)
「主題」であることと、「主語」であることが、「矛盾」する。
といふことを、示さない限り、
(Ⅱ)象は鼻が長い=象は鼻以外は長くない。
(〃)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(〃)象は鼻が長い=すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならばzは長くない}。
に於ける、
(Ⅱ)象は
が、「主語」でない。といふことには、ならない。
然るに、
(24)
そのためには、「主語」とは「何か」といふことを、「定義」しなければ、ならない。
然るに、
(25)
ラテン語には、「英語のやうな、主語」はない。
従って、
(26)
「英語のやうな、言語」に於ける、「主語」だけを「主語」とするならば、「ラテン語のやうな、言語」には、「主語」がない。
然るに、
(27)
日本語にも、「英語のやうな、主語」はない。
従って、
(28)
「英語のやうな、言語」に於ける、「主語」だけを「主語」とするならば、「ラテン語や、日本語のやうな、言語」には、「主語」がない。
といふ、ことになる。
平成30年11月23日、毛利太。
2018年11月25日日曜日
「象は鼻も長い。」と「述語論理」。
(a)『返り点と括弧』については、『「返り点」と「括弧」(略8)(https://kannbunn.blogspot.com/2018/09/blog-post_17.html)』他もお読み下さい。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
「前回(20日)の記事」等で、確認した通り、
(a)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(b)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
(a)=(b) である。
然るに、
(02)
(c)
1 (1)~∀z(~鼻zx→ ~長z) A
1 (2)∃x~(~鼻zx→ ~長z) 1量化子の関係
3 (3) ~(~鼻cx→ ~長c) A
3 (4) ~(~~鼻cx∨ ~長c) 3含意の定義
3 (5) ~(鼻cx∨ ~長c) 4DN
3 (6) ~鼻cx&~~長c 5ド・モルガンの法則
3 (7) ~鼻cx&長c 6DN
3 (8) ∃z(~鼻zx&長z) 7EI
1 (9) ∃z(~鼻zx&長z) 138EE
(d)
1 (1) ∃z(~鼻zx& 長z) A
2(2) ~鼻cx& 長c A
2(3) ~~(~鼻cx& 長c) 2DN
2(4) ~(~~鼻cx∨~長c) 3ド・モルガンの法則
2(5) ~(~鼻cx→~長c) 4含意の定義
2(6) ∃z~(~鼻zx→~長z) 5EI
1 (7) ∃z~(~鼻zx→~長z) 126EE
1 (8)~∀z(~鼻zx→ ~長z) 量化子の関係
従って、
(02)により、
(03)
(a)~∀z(~鼻zx→~長z)
(b) ∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
(a)ならば(b)であり、
(b)ならば(a)である。
従って、
(03)により、
(04)
(c)~∀z(~鼻zx→~長z)
(d) ∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
(c)=(d)である。
従って、
(01)(04)により、
(05)
(a)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(b)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
(a)=(b) である。が故に、
(c)象は鼻_長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
(d)象は鼻_長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
(c)=(d)である。
従って、
(05)により、
(06)
(c)象は鼻_長い=すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならばzは長くない、といふわけではない}。
(d)象は鼻_長い=すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、尚且つ、あるzは、xの鼻ではないが、長い}。
に於いて、
(c)=(d)である。
然るに、
(06)により、
(07)
(d)すべてのxについて{xが象であるならば、・・・・・・・・}。
であるため、
(d)あるyはxの鼻であって、
(d)あるzは、xの鼻ではないが、長い。
に於ける、xとは、「象」である。
従って、
(06)(07)により、
(08)
(d)象は鼻_長い=すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは象の鼻であって、そのyは長く、尚且つ、あるzは、象の鼻ではないが、長い}。
といふことになる。
然るに、
(09)
(d)象は鼻_長い=すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは象の鼻であって、そのyは長く、尚且つ、あるzは、象の鼻ではないが、長い}。
といふことは、
(d)象は、鼻(y)の他に、鼻以外(z)も「長い」。
といふことに、他ならない。
従って、
(05)~(09)により、
(10)
(c)象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
(d)象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
でなければ、ならない。
従って、
(01)(10)により、
(11)
(a)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(b)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
(c)象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
(d)象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
然るに、
(12)
(e)象は鼻_長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
(e)象は鼻_長い=すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは象の鼻であって、そのyは長い}。
と言ふのであれば、
(e)象の鼻は長い。としても、
(e)象の鼻以外については、「長いとも、短いとも、言ってゐない」。
然るに、
(13)
(e)象は鼻は長い。
と言ふのであれば、
(e)象の鼻は長い。としても、
(e)象の鼻以外については、「長いとも、短いとも、言ってゐない」。
従って、
(12)(13)により、
(14)
(e)象は鼻は長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
(e)象は鼻は長い=すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは象の鼻であって、そのyは長い}。
でなければ、ならない。
従って、
(11)(14)により、
(15)
(Ⅰ)象は鼻は長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
(Ⅱ)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(Ⅲ)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
(Ⅳ)象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅴ)象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「等式」が、成立する。
cf.
(Ⅱ) ∀z(~鼻zx→~長z)
(Ⅲ) ~∃z(~鼻zx& 長z)
に対する「否定」が、それぞれ、
(Ⅳ) ~∀z(~鼻zx→~長z)
(ⅴ)~~∃z(~鼻zx& 長z)=∃z(~鼻zx&長z)は、「二重否定」。
であることに、「注意」せよ。
然るに、
(16)
沢田充茂の『現代論理学入門』(一九六ニ年)には楽しい解説が載っています。
・・・・・・たとえば「象は鼻が長い」というような表現は、象が主語なのか、鼻が主語なのかはっきりしないから、このままではその論理的構造が明示されていない。いわば非論理的な文章である、というひともある。しかしこの文の論理的な構造をはっきりと文章にあらわして「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い」といえば・・・・・・たとえば動物園で象をはじめて見た小学生が、父親にむかってこのような文章で話しかけたとすれば、その子供は論理的であるといって感心されるまえに社会人としての常識をうたがわれるにきまっている。常識(すなはち共通にもっている情報)でわかっているものはいちいち言明の中にいれないで、いわば暗黙の了解事項として、省略し、できるだけ短い記号の組み合せで、できるだけ多くの情報を伝えることが日常言語の合理性の一つである。・・・・・・
(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、214頁)
然るに、
(17)
「 yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有している」といふことは、
「あるyは xの鼻である。 」といふことに、他ならない。
従って、
(17)により、
(18)
「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い。」といふことは、
「すべてのxについて、 xが象であるならば、あるyは xの鼻であって、 そのyは長い。」といふことに、他ならない。
従って、
(14)(18)により、
(19)
「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い。」といふことは、
(e)象は鼻は長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
(e)象は鼻は長い=すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは象の鼻であって、そのyは長い}。
といふことに、他ならない。
従って、
(16)(19)により、
(20)
沢田充茂の『現代論理学入門』(一九六ニ年)には楽しい解説が載っています。
・・・・・・たとえば「象は鼻が長い」というような表現は、象が主語なのか、鼻が主語なのかはっきりしないから、このままではその論理的構造が明示されていない。いわば非論理的な文章である、というひともある。
に於ける、「象は鼻が長い。」は、
実際には、「象は鼻が長い。」ではなく、
「象は鼻は長い。」である。
従って、
(20)により、
(21)
沢田充茂先生の、「象は鼻が長い。」は、
(Ⅰ)象は鼻は長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
であって、
(Ⅱ)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(Ⅲ)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
ではない。
然るに、
(22)
つまり沢田氏によれば、「象は鼻が長い」というのは合理的省略を行った言語表現であり、そこには明確な論理構造がある、ということです。三上はこれを文型として登録すべきであると主張しています。象をFに、鼻をGに、長いをHに変え、文型の公式として、
Fは、GがHだ。
を作っておきます。すると、この公式に当てはまる文はたいてい機械的にパラフレーズできます。
(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、214・5頁改)
従って、
(20)
『現代論理学入門(一九六ニ年)』の中で、
沢田充茂先生の、「象は鼻が長い。」を、
(Ⅱ)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(Ⅲ)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ風に、「翻訳」してゐたならば、
(Ⅱ)FはGがHだ=∀x{Fx→∃y(Gyx&Hy)& ∀z(~Gzx→~Hz)}。
(Ⅲ)FはGがHだ=∀x{Fx→∃y(Gyx&Hy)&~∃z(~Gzx& Hz)}。
といふ公式を、三上章先生は、文型として登録すべきであると主張した。
といふことになる。
然るに、
(21)
これまでに、何度も、示した通り、
1 (1)象は鼻が長い。 A
1 (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (〃)すべてのxについて、xが象であるならば、有るyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。 A
2 (2)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。 A
2 (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
2 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、有るyはxの耳であって長く、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの鼻ではない。 A
3 (3)有る兎は象である。 A
3 (〃)∃x(兎x&象x) A
3 (〃)あるxは兎であって象である。 A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 1UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 47MPP
2 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 58MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
2 6 (ウ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
エ (エ) 鼻ba&長b A
オ(オ) 耳ba&長b A
1 6 (カ) ∀z(~鼻za→~長z) 9&E
1 6 (キ) ~鼻ba→~長b カUE
2 6 (ク) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (ケ) 耳ba→~鼻ba クUE
オ (コ) 耳ba オ&E
2 6オ (サ) ~鼻ba ケコMPP
12 6オ (シ) ~長b キサコMPP
オ (ス) 長b オ&E
12 6オ (セ) 長b&~長b シス&I
12 6オ (ソ) ∃y(長y&~長y) セEI
12 6 (タ) ∃y(長b&~長b) ウオソEE
123 (チ) ∃y(長b&~長b) 36タEE
12 (ツ)~∃x(兎x&象x) 3チRAA
12 (テ)∀x~(兎x&象x) ツ量化子の関係
12 (ト) ~(兎a&象a) テUE
12 (ナ) ~兎a∨~象a ト、ド・モルガンの法則
12 (ニ) 兎a→~象a ナ含意の定義
12 (ヌ)∀x(兎x→~象x) ニUI
12 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ニUI
12 (〃)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(20)(21)により、
(22)
一九六ニ年の、沢田充茂先生が、
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「推論(三段論法)」の「妥当性(Validity)」を証明せよ。
といふ「問題」を、考へて、自分自身で、解いてゐたとするならば、
(Ⅱ)FはGがHだ=∀x{Fx→∃y(Gyx&Hy)& ∀z(~Gzx→~Hz)}。
(Ⅲ)FはGがHだ=∀x{Fx→∃y(Gyx&Hy)&~∃z(~Gzx& Hz)}。
といふ公式を、三上章先生は、文型として登録すべきであると、主張してゐた、ことになる。
然るに、
(23)
現代日本語の研究の中で最も精力的に行われてきた分野の一つは「は」と「が」の違いに関するものがあります。両者の違いは日本語を学ぶ学習者にとって最も困難な学習項目であります。
(庵功雄、新しい日本語学入門、254頁)
然るに、
(24)
∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}
∴ ∀x(兎x→~象x)
といふ「推論(三段論法)」が、「妥当(Validi)」であるか「否」か。
といふ「問題」は、
∀x{Fx→∃y(Gyx&Hy)&∀z(~Gzx→~Hz)}
∀x{Lx→∃y(Myx&Hy)&∀z(Mzx→~Gzx)}
∴ ∀x(Lx→~Fx)
といふ「推論(三段論法)」が、「妥当(Validi)」であるか「否」か。
といふ「問題」であるため、「日本語」を知ってゐようと、ゐまいと、「関係」が無い。
従って、
(21)~(24)により、
(25)
「日本語」は初心者であるが、「論理学」ならば知ってゐるといふ、日本語学習者の方が、ゐるのであれば、取り敢へず、
∀x{Fx→∃y(Gyx&Hy)&∀z(~Gzx→~Hz)}
∀x{Lx→∃y(Myx&Hy)&∀z(Mzx→~Gzx)}
∴ ∀x(Lx→~Fx)
といふ「推論(三段論法)」の、「妥当性(Validity)」の「検証」を、勧めたい。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
「前回(20日)の記事」等で、確認した通り、
(a)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(b)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
(a)=(b) である。
然るに、
(02)
(c)
1 (1)~∀z(~鼻zx→ ~長z) A
1 (2)∃x~(~鼻zx→ ~長z) 1量化子の関係
3 (3) ~(~鼻cx→ ~長c) A
3 (4) ~(~~鼻cx∨ ~長c) 3含意の定義
3 (5) ~(鼻cx∨ ~長c) 4DN
3 (6) ~鼻cx&~~長c 5ド・モルガンの法則
3 (7) ~鼻cx&長c 6DN
3 (8) ∃z(~鼻zx&長z) 7EI
1 (9) ∃z(~鼻zx&長z) 138EE
(d)
1 (1) ∃z(~鼻zx& 長z) A
2(2) ~鼻cx& 長c A
2(3) ~~(~鼻cx& 長c) 2DN
2(4) ~(~~鼻cx∨~長c) 3ド・モルガンの法則
2(5) ~(~鼻cx→~長c) 4含意の定義
2(6) ∃z~(~鼻zx→~長z) 5EI
1 (7) ∃z~(~鼻zx→~長z) 126EE
1 (8)~∀z(~鼻zx→ ~長z) 量化子の関係
従って、
(02)により、
(03)
(a)~∀z(~鼻zx→~長z)
(b) ∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
(a)ならば(b)であり、
(b)ならば(a)である。
従って、
(03)により、
(04)
(c)~∀z(~鼻zx→~長z)
(d) ∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
(c)=(d)である。
従って、
(01)(04)により、
(05)
(a)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(b)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
(a)=(b) である。が故に、
(c)象は鼻_長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
(d)象は鼻_長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
(c)=(d)である。
従って、
(05)により、
(06)
(c)象は鼻_長い=すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならばzは長くない、といふわけではない}。
(d)象は鼻_長い=すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、尚且つ、あるzは、xの鼻ではないが、長い}。
に於いて、
(c)=(d)である。
然るに、
(06)により、
(07)
(d)すべてのxについて{xが象であるならば、・・・・・・・・}。
であるため、
(d)あるyはxの鼻であって、
(d)あるzは、xの鼻ではないが、長い。
に於ける、xとは、「象」である。
従って、
(06)(07)により、
(08)
(d)象は鼻_長い=すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは象の鼻であって、そのyは長く、尚且つ、あるzは、象の鼻ではないが、長い}。
といふことになる。
然るに、
(09)
(d)象は鼻_長い=すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは象の鼻であって、そのyは長く、尚且つ、あるzは、象の鼻ではないが、長い}。
といふことは、
(d)象は、鼻(y)の他に、鼻以外(z)も「長い」。
といふことに、他ならない。
従って、
(05)~(09)により、
(10)
(c)象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
(d)象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
でなければ、ならない。
従って、
(01)(10)により、
(11)
(a)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(b)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
(c)象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
(d)象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
然るに、
(12)
(e)象は鼻_長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
(e)象は鼻_長い=すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは象の鼻であって、そのyは長い}。
と言ふのであれば、
(e)象の鼻は長い。としても、
(e)象の鼻以外については、「長いとも、短いとも、言ってゐない」。
然るに、
(13)
(e)象は鼻は長い。
と言ふのであれば、
(e)象の鼻は長い。としても、
(e)象の鼻以外については、「長いとも、短いとも、言ってゐない」。
従って、
(12)(13)により、
(14)
(e)象は鼻は長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
(e)象は鼻は長い=すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは象の鼻であって、そのyは長い}。
でなければ、ならない。
従って、
(11)(14)により、
(15)
(Ⅰ)象は鼻は長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
(Ⅱ)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(Ⅲ)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
(Ⅳ)象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅴ)象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「等式」が、成立する。
cf.
(Ⅱ) ∀z(~鼻zx→~長z)
(Ⅲ) ~∃z(~鼻zx& 長z)
に対する「否定」が、それぞれ、
(Ⅳ) ~∀z(~鼻zx→~長z)
(ⅴ)~~∃z(~鼻zx& 長z)=∃z(~鼻zx&長z)は、「二重否定」。
であることに、「注意」せよ。
然るに、
(16)
沢田充茂の『現代論理学入門』(一九六ニ年)には楽しい解説が載っています。
・・・・・・たとえば「象は鼻が長い」というような表現は、象が主語なのか、鼻が主語なのかはっきりしないから、このままではその論理的構造が明示されていない。いわば非論理的な文章である、というひともある。しかしこの文の論理的な構造をはっきりと文章にあらわして「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い」といえば・・・・・・たとえば動物園で象をはじめて見た小学生が、父親にむかってこのような文章で話しかけたとすれば、その子供は論理的であるといって感心されるまえに社会人としての常識をうたがわれるにきまっている。常識(すなはち共通にもっている情報)でわかっているものはいちいち言明の中にいれないで、いわば暗黙の了解事項として、省略し、できるだけ短い記号の組み合せで、できるだけ多くの情報を伝えることが日常言語の合理性の一つである。・・・・・・
(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、214頁)
然るに、
(17)
「 yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有している」といふことは、
「あるyは xの鼻である。 」といふことに、他ならない。
従って、
(17)により、
(18)
「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い。」といふことは、
「すべてのxについて、 xが象であるならば、あるyは xの鼻であって、 そのyは長い。」といふことに、他ならない。
従って、
(14)(18)により、
(19)
「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い。」といふことは、
(e)象は鼻は長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
(e)象は鼻は長い=すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは象の鼻であって、そのyは長い}。
といふことに、他ならない。
従って、
(16)(19)により、
(20)
沢田充茂の『現代論理学入門』(一九六ニ年)には楽しい解説が載っています。
・・・・・・たとえば「象は鼻が長い」というような表現は、象が主語なのか、鼻が主語なのかはっきりしないから、このままではその論理的構造が明示されていない。いわば非論理的な文章である、というひともある。
に於ける、「象は鼻が長い。」は、
実際には、「象は鼻が長い。」ではなく、
「象は鼻は長い。」である。
従って、
(20)により、
(21)
沢田充茂先生の、「象は鼻が長い。」は、
(Ⅰ)象は鼻は長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
であって、
(Ⅱ)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(Ⅲ)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
ではない。
然るに、
(22)
つまり沢田氏によれば、「象は鼻が長い」というのは合理的省略を行った言語表現であり、そこには明確な論理構造がある、ということです。三上はこれを文型として登録すべきであると主張しています。象をFに、鼻をGに、長いをHに変え、文型の公式として、
Fは、GがHだ。
を作っておきます。すると、この公式に当てはまる文はたいてい機械的にパラフレーズできます。
(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、214・5頁改)
従って、
(20)
『現代論理学入門(一九六ニ年)』の中で、
沢田充茂先生の、「象は鼻が長い。」を、
(Ⅱ)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(Ⅲ)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ風に、「翻訳」してゐたならば、
(Ⅱ)FはGがHだ=∀x{Fx→∃y(Gyx&Hy)& ∀z(~Gzx→~Hz)}。
(Ⅲ)FはGがHだ=∀x{Fx→∃y(Gyx&Hy)&~∃z(~Gzx& Hz)}。
といふ公式を、三上章先生は、文型として登録すべきであると主張した。
といふことになる。
然るに、
(21)
これまでに、何度も、示した通り、
1 (1)象は鼻が長い。 A
1 (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (〃)すべてのxについて、xが象であるならば、有るyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。 A
2 (2)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。 A
2 (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
2 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、有るyはxの耳であって長く、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの鼻ではない。 A
3 (3)有る兎は象である。 A
3 (〃)∃x(兎x&象x) A
3 (〃)あるxは兎であって象である。 A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 1UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 47MPP
2 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 58MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
2 6 (ウ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
エ (エ) 鼻ba&長b A
オ(オ) 耳ba&長b A
1 6 (カ) ∀z(~鼻za→~長z) 9&E
1 6 (キ) ~鼻ba→~長b カUE
2 6 (ク) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (ケ) 耳ba→~鼻ba クUE
オ (コ) 耳ba オ&E
2 6オ (サ) ~鼻ba ケコMPP
12 6オ (シ) ~長b キサコMPP
オ (ス) 長b オ&E
12 6オ (セ) 長b&~長b シス&I
12 6オ (ソ) ∃y(長y&~長y) セEI
12 6 (タ) ∃y(長b&~長b) ウオソEE
123 (チ) ∃y(長b&~長b) 36タEE
12 (ツ)~∃x(兎x&象x) 3チRAA
12 (テ)∀x~(兎x&象x) ツ量化子の関係
12 (ト) ~(兎a&象a) テUE
12 (ナ) ~兎a∨~象a ト、ド・モルガンの法則
12 (ニ) 兎a→~象a ナ含意の定義
12 (ヌ)∀x(兎x→~象x) ニUI
12 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ニUI
12 (〃)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当(Valid)」である。
従って、
(20)(21)により、
(22)
一九六ニ年の、沢田充茂先生が、
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「推論(三段論法)」の「妥当性(Validity)」を証明せよ。
といふ「問題」を、考へて、自分自身で、解いてゐたとするならば、
(Ⅱ)FはGがHだ=∀x{Fx→∃y(Gyx&Hy)& ∀z(~Gzx→~Hz)}。
(Ⅲ)FはGがHだ=∀x{Fx→∃y(Gyx&Hy)&~∃z(~Gzx& Hz)}。
といふ公式を、三上章先生は、文型として登録すべきであると、主張してゐた、ことになる。
然るに、
(23)
現代日本語の研究の中で最も精力的に行われてきた分野の一つは「は」と「が」の違いに関するものがあります。両者の違いは日本語を学ぶ学習者にとって最も困難な学習項目であります。
(庵功雄、新しい日本語学入門、254頁)
然るに、
(24)
∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}
∴ ∀x(兎x→~象x)
といふ「推論(三段論法)」が、「妥当(Validi)」であるか「否」か。
といふ「問題」は、
∀x{Fx→∃y(Gyx&Hy)&∀z(~Gzx→~Hz)}
∀x{Lx→∃y(Myx&Hy)&∀z(Mzx→~Gzx)}
∴ ∀x(Lx→~Fx)
といふ「推論(三段論法)」が、「妥当(Validi)」であるか「否」か。
といふ「問題」であるため、「日本語」を知ってゐようと、ゐまいと、「関係」が無い。
従って、
(21)~(24)により、
(25)
「日本語」は初心者であるが、「論理学」ならば知ってゐるといふ、日本語学習者の方が、ゐるのであれば、取り敢へず、
∀x{Fx→∃y(Gyx&Hy)&∀z(~Gzx→~Hz)}
∀x{Lx→∃y(Myx&Hy)&∀z(Mzx→~Gzx)}
∴ ∀x(Lx→~Fx)
といふ「推論(三段論法)」の、「妥当性(Validity)」の「検証」を、勧めたい。
平成30年11月24日、毛利太。
2018年11月20日火曜日
「三上章、象は鼻が長い。」と「論理学」。
(a)『返り点と括弧』については、『「返り点」と「括弧」(略8)(https://kannbunn.blogspot.com/2018/09/blog-post_17.html)』他もお読み下さい。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
(a)
1 (1) ∀z(~鼻zx→~長z) A
1 (2) ~鼻cx→~長c 1UE
1 (3) ~~鼻cx∨~長c 2含意の定義
1 (4) ~(~鼻cx& 長c) ド・モルガンの法
5 (5) ∃x(~鼻zx& 長z) A
6(6) ~鼻cx& 長c A
1 6(7) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) 46&I
15 (8) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) 567EE
1 (9)~∃x(~鼻zx& 長z) 58RAA
(b)
1 (1)~∃x(~鼻zx& 長z) A
1 (2)∀z~(~鼻zx& 長z) 1量化子の関係
1 (3) ~(~鼻cx& 長c) 2UE
1 (4) ~~鼻cx∨~長c 3ド・モルガンの法則
1 (5) ~鼻cx→~長c 4含意の定義
1 (6) ∀z(~鼻zx→~長z) 5UI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀z(~鼻zx→~長z)
② ~∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
① ∀z(~鼻zx→~長z)
② ~∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
①=② である。
といふことを、敢へて、「含意の定義、量化子の関係、ド・モルガンの法則」等の「定理」を用ゐない「証明」しようとすれば、その分、「証明」は、(04)のやうに長くなる。
(04)
(a)
1 (1) ∀z(~鼻zx→~長z) A
1 (2) ~鼻cx→~長c 1UE
3 (3) ~鼻cx& 長c A
3 (4) ~鼻cx 3&E
3 (5) 長c 3&E
13 (6) ~長c 24MPP
13 (7) 長c&~長c 56&I
1 (8) ~長c 57RAA
1 (9) ~~鼻cx∨~長c 8∨I
ア (ア) ~鼻cx& 長c A
ア (イ) ~鼻cx ア&E
ウ (ウ) ~~鼻cx A
アウ (エ) ~鼻cx&~~鼻cx イウ&I
ウ (オ) ~(~鼻cx& 長c) アエRAA
ア (カ) 長c ア&E
キ (キ) ~長c A
ア キ (ク) 長c&~長c カキ&I
キ (ケ) ~(~鼻cx& 長c) アクRAA
1 (コ) ~(~鼻cx& 長c) 9ウオキケ∨E
サ (サ) ∃z(~鼻zx& 長z) A
ス(シ) ~鼻cx& 長c A
1 ス(セ) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) コシ&I
1 サ (ソ) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) サスセEE
1 (タ)~∃z(~鼻zx& 長z) サソRAA
(b)
1 (1) ~∃z(~鼻zx& 長z) A
2 (2) ~∀z~(~鼻zx& 長z) A
3 (3) (~鼻cx& 長c) A
3 (4) ∃z(~鼻zx& 長z) 3EI
1 3 (5) ~∃z(~鼻zx& 長z)&
∃z(~鼻zx& 長z) 14&I
1 (6) ~(~鼻cx& 長c) 3RAA
1 (7) ∀z~(~鼻zx& 長z) 6UI
12 (8) ~∀z~(~鼻zx& 長z)&
∀z~(~鼻zx& 長z) 27&I
1 (9)~~∀z~(~鼻zx& 長z) 28RAA
1 (ア) ∀z~(~鼻zx& 長z) 9DN
1 (イ) ~(~鼻cx& 長c) アUE
ウ (ウ) ~( 鼻cx∨~長c) A
エ (エ) 鼻cx A
エ (オ) 鼻cx∨~長c エ∨I
ウエ (カ) ~( 鼻cx∨~長c)
( 鼻cx∨~長c) ウオ&I
ウ (キ) ~鼻cx エカRAA
ク (ク) ~長c A
(ケ) 鼻cx∨~長c ク∨I
ウ ク (コ) ~( 鼻cx∨~長c)&
( 鼻cx∨~長c) ウケ&I
ウ (サ) ~~長c クコRAA
ウ (シ) 長c サDN
ウ (ス) ~鼻cx& 長c キシ&I
1ウ (セ) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) イス&I
1 (ソ) ~~( 鼻cx∨~長c) ウセRAA
1 (タ) 鼻cx∨~長c ソDN
チ (チ) ~鼻cx& 長c A
チ (ツ) ~鼻cx チ&E
テ (テ) 鼻cx A
チテ (ト) ~鼻cx&鼻cx ツテ&I
テ (ナ) ~(~鼻cx& 長c) チトRAA
チ (ニ) 長c チ&E
ヌ (ヌ) ~長c A
チ ヌ (ネ) 長c&~長c ニヌ&I
ヌ (ノ) ~(~鼻cx& 長c) チネRAA
1 (ハ) ~(~鼻cx& 長c) タテナヌノ∨E
ヒ (ヒ) ~鼻cx A
フ(フ) 長c A
ヒフ(ヘ) ~鼻cx& 長c ヒフ&I
1 ヒフ(ホ) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) ハヘ&I
1 ヒ (マ) ~長c フホRAA
1 (ミ) ~鼻cx→~長c ヒマCP
1 (ム) ∀z(~鼻zx→~長z) ミUI
然るに、
(05)
① A&B
② A&C
であって、尚且つ、
① B=C
② C=B
であるならば、そのときに限って、
① A&B
② A&C
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)(04)(05)により、
(06)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
すなはち、
① すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならばzは長くない}。
② すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻ではなく、そのzが長い。といふことはない}。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(07)
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻である。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「推論(三段論法)」は、「マチガイ」であるが、
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「推論(三段論法)」は、「正しい」。
然るに、
(08)
「11月15日の記事」にも書いた通り、
α (α)象は鼻が長い。 A
α (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)} A
α (〃)すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない。 A
β (β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。 A
β (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
β (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、有るyはxの耳であって長く、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの鼻ではない。 A
3 (3)ある兎は象である。 A
3 (〃)∃x(兎x&象x) A
3 (〃)あるxは兎であって象である。 A
α (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) αUE
β (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) αUE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
α 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) 47MPP
β 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 58MPP
α 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
β 6 (ウ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
エ (エ) 鼻ba&長b A
オ (オ) 耳ba&長b A
α 6 (カ) ~∃z(~鼻za&長z) 9&E
キ(キ) ~鼻ba&長b A
キ(ク) ∃z(~鼻za&長z) キEI
α 6 キ(ケ) ~∃z(~鼻za&長z)&
∃z(~鼻za&長z) カキ&I
α 6 (コ) ~(~鼻ba&長b) キケRAA
α 6 (サ) ~~鼻ba∨~長b コ、ド・モルガンの法則
α 6 (シ) ~鼻ba→~長b サ含意の定義
β 6 (ス) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
β 6 (セ) 耳ba→~鼻ba スUE
オ (ソ) 耳ba オ&E
β 6 オ (タ) ~鼻ba セソMPP
αβ 6 オ (チ) ~長b シタMPP
オ (ツ) 長b オ&E
αβ 6 オ (テ) 長b&~長b チツ&I
αβ 6 (ト) 長b&~長b ウオテEE
αβ3 (ナ) 長b&~長b 36トEE
αβ (ニ)~∃x(兎x&象x) 3ナRAA
αβ (ヌ)∀x~(兎x&象x) ニ量化子の関係
αβ (ネ) ~(兎a&象a) ヌUE
αβ (ノ) ~兎a∨~象a ネ、ド・モルガンの法則
αβ (ハ) 兎a→~象a ノ含意の定義
αβ (γ)∀x(兎x→~象x) ハUI
αβ (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ハUI
αβ (〃)兎は象ではない。 ハUI
従って、
(07)(08)により、
(09)
次の論証の妥当性を示せ。
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「問題」に「解答」するために、
(α)象は鼻が長い。
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。
(γ)兎は象でない。
といふ「日本語」を、
(α)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
(β)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。
(γ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「述語論理」に、すなわはち、
(α)すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻ではなく、そのzが長い。といふことはない。
(β)すべてのxについて{xが兎であるならば、有るyはxの耳であって長く、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの鼻ではない。
(γ)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。
といふ「述語論理」に「置き換へ」ることになる。
然るに、
(10)
(α)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。ではなく、
(α)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。であるとすると、
α 6 (カ) ~∃z(~鼻za&長z) 9&E
キ(キ) ~鼻ba&長b A
キ(ク) ∃z(~鼻za&長z) キEI
α 6 キ(ケ) ~∃z(~鼻za&長z)&
∃z(~鼻za&長z) カキ&I
α 6 (コ) ~(~鼻ba&長b) キケRAA
α 6 (サ) ~~鼻ba∨~長b コ、ド・モルガンの法則
α 6 (シ) ~鼻ba→~長b サ含意の定義
β 6 (ス) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
β 6 (セ) 耳ba→~鼻ba スUE
オ (ソ) 耳ba オ&E
β 6 オ (タ) ~鼻ba セソMPP
αβ 6 オ (チ) ~長b シタMPP
オ (ツ) 長b オ&E
αβ 6 オ (テ) 長b&~長b チツ&I
αβ 6 (ト) 長b&~長b ウオテEE
αβ3 (ナ) 長b&~長b 36トEE
αβ (ニ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
αβ (ヌ)∀x~(兎x&象x) ニ量化子の関係
αβ (ネ) ~(兎a&象a) ヌUE
αβ (ノ) ~兎a∨~象a ノ、ド・モルガンの法則
αβ (ハ) 兎a→~象a ネ含意の定義
αβ (γ)∀x(兎x→~象x) ハUI
αβ (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ハUI
αβ (〃)兎は象ではない。 ハUI
といふ「計算」を行ふことが、出来ない。
従って、
(06)(09)(10)により、
(11)
(α)象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
すなはち、
① すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならばzは長くない}。
② すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻ではなく、そのzが長い。といふことはない}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(11)により、
(12)
(α)象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
といふ「述語論理」に、対応せずに、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(13)
沢田充茂の『現代論理学入門』(一九六ニ年)には楽しい解説が載っています。
・・・・・・たとえば「象は鼻が長い」というような表現は、象が主語なのか、鼻が主語なのかはっきりしないから、このままではその論理的構造が明示されていない。いわば非論理的な文章である、というひともある。しかしこの文の論理的な構造をはっきりと文章にあらわして「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い」といえば・・・・・・たとえば動物園で象をはじめて見た小学生が、父親にむかってこのような文章で話しかけたとすれば、その子供は論理的であるといって感心されるまえに社会人としての常識をうたがわれるにきまっている。常識(すなはち共通にもっている情報)でわかっているものはいちいち言明の中にいれないで、いわば暗黙の了解事項として、省略し、できるだけ短い記号の組み合せで、できるだけ多くの情報を伝えることが日常言語の合理性の一つである。・・・・・・
(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、214頁)
然るに、
(14)
沢田先生が言ふ、
「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い。」
といふ「それ」は、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
ではなく、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
沢田先生は、
「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い。」
とはせずに、
「すべてのxについて、もしもそのxが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならばzは長くない。」
「すべてのxについて、もしもそのxが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻ではなく、そのzが長い。といふことはない。」
「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長く、いかなるzであっても、zがxの鼻でないならば、zは長くない。」
とすべきであった。といふことになる。
然るに、
(16)
以上の「説明」が、「マチガイ」であると言ふのであれば、
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「推論(三段論法)」が、「マチガイ」であるか、
α (α)象は鼻が長い。 A
α (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)} A
α (〃)すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない。 A
β (β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。 A
β (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
β (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、あるyはxの耳であって長く、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの鼻ではない。 A
3 (3)有る兎は象である。 A
3 (〃)∃x(兎x&象x) A
3 (〃)あるxは兎であって象である。 A
α (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) αUE
β (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) αUE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
α 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) 47MPP
β 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 58MPP
α 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
β 6 (ウ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
エ (エ) 鼻ba&長b A
オ (オ) 耳ba&長b A
α 6 (カ) ~∃z(~鼻za&長z) 9&E
キ(キ) ~鼻ba&長b A
キ(ク) ∃z(~鼻za&長z) キEI
α 6 キ(ケ) ~∃z(~鼻za&長z)&
∃z(~鼻za&長z) カキ&I
α 6 (コ) ~(~鼻ba&長b) キケRAA
α 6 (サ) ~~鼻ba∨~長b コ、ド・モルガンの法則
α 6 (シ) ~鼻ba→~長b サ含意の定義
β 6 (ス) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
β 6 (セ) 耳ba→~鼻ba スUE
オ (ソ) 耳ba オ&E
β 6 オ (タ) ~鼻ba セソMPP
αβ 6 オ (チ) ~長b シタMPP
オ (ツ) 長b オ&E
αβ 6 オ (テ) 長b&~長b チツ&I
αβ 6 (ト) 長b&~長b ウオテEE
αβ3 (ナ) 長b&~長b 36トEE
αβ (ニ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
αβ (ヌ)∀x~(兎x&象x) ニ量化子の関係
αβ (ネ) ~(兎a&象a) ヌUE
αβ (ノ) ~兎a∨~象a ノ、ド・モルガンの法則
αβ (ハ) 兎a→~象a ネ含意の定義
αβ (γ)∀x(兎x→~象x) ハUI
αβ (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ハUI
αβ (〃)兎は象ではない。 ハUI
といふ「計算」が、「マチガイ」であるかの、いづれかである。
従って、
(17)
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「推論(三段論法)」を、「正しい」とするのであれば、以上の、「(α)~(γ)」の中の「マチガイ」を、指摘する必要がある。
従って、
(17)により、
(18)
次の論証の妥当性を示せ。
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「問題」に対して、「述語論理(Predicate logic)」を用ひて、自力で「解答」出来ない方は、残念ではあるが、以上に書かれてゐる「私の見解」を、「否定」することは、出来ない。
然るに、
(19)
ある「日本語の先生」は、「論理学」と「日本語の文法」と結びつけることは、「あってはならい」といふ風に、思はれるかも知れない。
然るに、
(20)
つまり沢田氏によれば、「象は鼻が長い」というのは合理的省略を行った言語表現であり、そこには明確な論理構造がある、ということです。三上はこれを文型として登録すべきであると主張しています。
(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、214・5頁)
然るに、
(21)
三上章先生が、「明確な論理的構造」がある。といふのであれば、少なくとも、三上章先生は、「論理学」と「日本語の文法」と結びつけることは、「あってはならい」といふ風に、思はれてはゐない上に、
伝統的論理学を速水滉『論理学』(16)で代表させよう。わたしのもっているのが四十三年の第十九刷一万部中の一冊で、なお引続き刊行だろうから、前後かなり多く読者を持つ論理学書と考えられる。新興の記号論理学の方は、沢田充茂の『現代論理学入門』(62)を参照することにする(三上章、日本語の論理、1963年、4頁)。
とあるものの、『沢田充茂、現代論理学入門、1962年』といふ「現代論理学の解説書」には、「練習問題」が全く無いし、「練習問題」を自分で解く努力をしない限り、「論理学」を、知ることは、出来ない。
cf.
The best way to find out what logic is to do some(Beginning Logic by E.J. Lemmon,1965年、1頁).
(22)
「三上章、日本語の論理、1963年」を書くにあたって、三上章先生が、「述語論理」を、確実に、勉強してゐたならば、
① 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ風に、三上章先生も、考へられた(?)ものと、思はれる。
平成30年11月20日、毛利太。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
(a)
1 (1) ∀z(~鼻zx→~長z) A
1 (2) ~鼻cx→~長c 1UE
1 (3) ~~鼻cx∨~長c 2含意の定義
1 (4) ~(~鼻cx& 長c) ド・モルガンの法
5 (5) ∃x(~鼻zx& 長z) A
6(6) ~鼻cx& 長c A
1 6(7) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) 46&I
15 (8) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) 567EE
1 (9)~∃x(~鼻zx& 長z) 58RAA
(b)
1 (1)~∃x(~鼻zx& 長z) A
1 (2)∀z~(~鼻zx& 長z) 1量化子の関係
1 (3) ~(~鼻cx& 長c) 2UE
1 (4) ~~鼻cx∨~長c 3ド・モルガンの法則
1 (5) ~鼻cx→~長c 4含意の定義
1 (6) ∀z(~鼻zx→~長z) 5UI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀z(~鼻zx→~長z)
② ~∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
① ∀z(~鼻zx→~長z)
② ~∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
①=② である。
といふことを、敢へて、「含意の定義、量化子の関係、ド・モルガンの法則」等の「定理」を用ゐない「証明」しようとすれば、その分、「証明」は、(04)のやうに長くなる。
(04)
(a)
1 (1) ∀z(~鼻zx→~長z) A
1 (2) ~鼻cx→~長c 1UE
3 (3) ~鼻cx& 長c A
3 (4) ~鼻cx 3&E
3 (5) 長c 3&E
13 (6) ~長c 24MPP
13 (7) 長c&~長c 56&I
1 (8) ~長c 57RAA
1 (9) ~~鼻cx∨~長c 8∨I
ア (ア) ~鼻cx& 長c A
ア (イ) ~鼻cx ア&E
ウ (ウ) ~~鼻cx A
アウ (エ) ~鼻cx&~~鼻cx イウ&I
ウ (オ) ~(~鼻cx& 長c) アエRAA
ア (カ) 長c ア&E
キ (キ) ~長c A
ア キ (ク) 長c&~長c カキ&I
キ (ケ) ~(~鼻cx& 長c) アクRAA
1 (コ) ~(~鼻cx& 長c) 9ウオキケ∨E
サ (サ) ∃z(~鼻zx& 長z) A
ス(シ) ~鼻cx& 長c A
1 ス(セ) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) コシ&I
1 サ (ソ) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) サスセEE
1 (タ)~∃z(~鼻zx& 長z) サソRAA
(b)
1 (1) ~∃z(~鼻zx& 長z) A
2 (2) ~∀z~(~鼻zx& 長z) A
3 (3) (~鼻cx& 長c) A
3 (4) ∃z(~鼻zx& 長z) 3EI
1 3 (5) ~∃z(~鼻zx& 長z)&
∃z(~鼻zx& 長z) 14&I
1 (6) ~(~鼻cx& 長c) 3RAA
1 (7) ∀z~(~鼻zx& 長z) 6UI
12 (8) ~∀z~(~鼻zx& 長z)&
∀z~(~鼻zx& 長z) 27&I
1 (9)~~∀z~(~鼻zx& 長z) 28RAA
1 (ア) ∀z~(~鼻zx& 長z) 9DN
1 (イ) ~(~鼻cx& 長c) アUE
ウ (ウ) ~( 鼻cx∨~長c) A
エ (エ) 鼻cx A
エ (オ) 鼻cx∨~長c エ∨I
ウエ (カ) ~( 鼻cx∨~長c)
( 鼻cx∨~長c) ウオ&I
ウ (キ) ~鼻cx エカRAA
ク (ク) ~長c A
(ケ) 鼻cx∨~長c ク∨I
ウ ク (コ) ~( 鼻cx∨~長c)&
( 鼻cx∨~長c) ウケ&I
ウ (サ) ~~長c クコRAA
ウ (シ) 長c サDN
ウ (ス) ~鼻cx& 長c キシ&I
1ウ (セ) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) イス&I
1 (ソ) ~~( 鼻cx∨~長c) ウセRAA
1 (タ) 鼻cx∨~長c ソDN
チ (チ) ~鼻cx& 長c A
チ (ツ) ~鼻cx チ&E
テ (テ) 鼻cx A
チテ (ト) ~鼻cx&鼻cx ツテ&I
テ (ナ) ~(~鼻cx& 長c) チトRAA
チ (ニ) 長c チ&E
ヌ (ヌ) ~長c A
チ ヌ (ネ) 長c&~長c ニヌ&I
ヌ (ノ) ~(~鼻cx& 長c) チネRAA
1 (ハ) ~(~鼻cx& 長c) タテナヌノ∨E
ヒ (ヒ) ~鼻cx A
フ(フ) 長c A
ヒフ(ヘ) ~鼻cx& 長c ヒフ&I
1 ヒフ(ホ) ~(~鼻cx& 長c)&
(~鼻cx& 長c) ハヘ&I
1 ヒ (マ) ~長c フホRAA
1 (ミ) ~鼻cx→~長c ヒマCP
1 (ム) ∀z(~鼻zx→~長z) ミUI
然るに、
(05)
① A&B
② A&C
であって、尚且つ、
① B=C
② C=B
であるならば、そのときに限って、
① A&B
② A&C
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)(04)(05)により、
(06)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
すなはち、
① すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならばzは長くない}。
② すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻ではなく、そのzが長い。といふことはない}。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(07)
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻である。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「推論(三段論法)」は、「マチガイ」であるが、
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「推論(三段論法)」は、「正しい」。
然るに、
(08)
「11月15日の記事」にも書いた通り、
α (α)象は鼻が長い。 A
α (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)} A
α (〃)すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない。 A
β (β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。 A
β (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
β (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、有るyはxの耳であって長く、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの鼻ではない。 A
3 (3)ある兎は象である。 A
3 (〃)∃x(兎x&象x) A
3 (〃)あるxは兎であって象である。 A
α (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) αUE
β (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) αUE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
α 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) 47MPP
β 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 58MPP
α 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
β 6 (ウ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
エ (エ) 鼻ba&長b A
オ (オ) 耳ba&長b A
α 6 (カ) ~∃z(~鼻za&長z) 9&E
キ(キ) ~鼻ba&長b A
キ(ク) ∃z(~鼻za&長z) キEI
α 6 キ(ケ) ~∃z(~鼻za&長z)&
∃z(~鼻za&長z) カキ&I
α 6 (コ) ~(~鼻ba&長b) キケRAA
α 6 (サ) ~~鼻ba∨~長b コ、ド・モルガンの法則
α 6 (シ) ~鼻ba→~長b サ含意の定義
β 6 (ス) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
β 6 (セ) 耳ba→~鼻ba スUE
オ (ソ) 耳ba オ&E
β 6 オ (タ) ~鼻ba セソMPP
αβ 6 オ (チ) ~長b シタMPP
オ (ツ) 長b オ&E
αβ 6 オ (テ) 長b&~長b チツ&I
αβ 6 (ト) 長b&~長b ウオテEE
αβ3 (ナ) 長b&~長b 36トEE
αβ (ニ)~∃x(兎x&象x) 3ナRAA
αβ (ヌ)∀x~(兎x&象x) ニ量化子の関係
αβ (ネ) ~(兎a&象a) ヌUE
αβ (ノ) ~兎a∨~象a ネ、ド・モルガンの法則
αβ (ハ) 兎a→~象a ノ含意の定義
αβ (γ)∀x(兎x→~象x) ハUI
αβ (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ハUI
αβ (〃)兎は象ではない。 ハUI
従って、
(07)(08)により、
(09)
次の論証の妥当性を示せ。
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「問題」に「解答」するために、
(α)象は鼻が長い。
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。
(γ)兎は象でない。
といふ「日本語」を、
(α)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
(β)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)}。
(γ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「述語論理」に、すなわはち、
(α)すべてのxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻ではなく、そのzが長い。といふことはない。
(β)すべてのxについて{xが兎であるならば、有るyはxの耳であって長く、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの鼻ではない。
(γ)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。
といふ「述語論理」に「置き換へ」ることになる。
然るに、
(10)
(α)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。ではなく、
(α)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。であるとすると、
α 6 (カ) ~∃z(~鼻za&長z) 9&E
キ(キ) ~鼻ba&長b A
キ(ク) ∃z(~鼻za&長z) キEI
α 6 キ(ケ) ~∃z(~鼻za&長z)&
∃z(~鼻za&長z) カキ&I
α 6 (コ) ~(~鼻ba&長b) キケRAA
α 6 (サ) ~~鼻ba∨~長b コ、ド・モルガンの法則
α 6 (シ) ~鼻ba→~長b サ含意の定義
β 6 (ス) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
β 6 (セ) 耳ba→~鼻ba スUE
オ (ソ) 耳ba オ&E
β 6 オ (タ) ~鼻ba セソMPP
αβ 6 オ (チ) ~長b シタMPP
オ (ツ) 長b オ&E
αβ 6 オ (テ) 長b&~長b チツ&I
αβ 6 (ト) 長b&~長b ウオテEE
αβ3 (ナ) 長b&~長b 36トEE
αβ (ニ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
αβ (ヌ)∀x~(兎x&象x) ニ量化子の関係
αβ (ネ) ~(兎a&象a) ヌUE
αβ (ノ) ~兎a∨~象a ノ、ド・モルガンの法則
αβ (ハ) 兎a→~象a ネ含意の定義
αβ (γ)∀x(兎x→~象x) ハUI
αβ (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ハUI
αβ (〃)兎は象ではない。 ハUI
といふ「計算」を行ふことが、出来ない。
従って、
(06)(09)(10)により、
(11)
(α)象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
すなはち、
① すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならばzは長くない}。
② すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻ではなく、そのzが長い。といふことはない}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(11)により、
(12)
(α)象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
といふ「述語論理」に、対応せずに、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(13)
沢田充茂の『現代論理学入門』(一九六ニ年)には楽しい解説が載っています。
・・・・・・たとえば「象は鼻が長い」というような表現は、象が主語なのか、鼻が主語なのかはっきりしないから、このままではその論理的構造が明示されていない。いわば非論理的な文章である、というひともある。しかしこの文の論理的な構造をはっきりと文章にあらわして「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い」といえば・・・・・・たとえば動物園で象をはじめて見た小学生が、父親にむかってこのような文章で話しかけたとすれば、その子供は論理的であるといって感心されるまえに社会人としての常識をうたがわれるにきまっている。常識(すなはち共通にもっている情報)でわかっているものはいちいち言明の中にいれないで、いわば暗黙の了解事項として、省略し、できるだけ短い記号の組み合せで、できるだけ多くの情報を伝えることが日常言語の合理性の一つである。・・・・・・
(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、214頁)
然るに、
(14)
沢田先生が言ふ、
「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い。」
といふ「それ」は、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
ではなく、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(12)(13)(14)により、
(15)
沢田先生は、
「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長い。」
とはせずに、
「すべてのxについて、もしもそのxが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならばzは長くない。」
「すべてのxについて、もしもそのxが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻ではなく、そのzが長い。といふことはない。」
「すべてのxについて、もしそのxが象であるならば、yなるものが存在し、そのyは鼻であり、xはyを所有しており、このyは長く、いかなるzであっても、zがxの鼻でないならば、zは長くない。」
とすべきであった。といふことになる。
然るに、
(16)
以上の「説明」が、「マチガイ」であると言ふのであれば、
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「推論(三段論法)」が、「マチガイ」であるか、
α (α)象は鼻が長い。 A
α (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)} A
α (〃)すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない。 A
β (β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。 A
β (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
β (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、あるyはxの耳であって長く、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの鼻ではない。 A
3 (3)有る兎は象である。 A
3 (〃)∃x(兎x&象x) A
3 (〃)あるxは兎であって象である。 A
α (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) αUE
β (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) αUE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
α 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) 47MPP
β 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 58MPP
α 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
β 6 (ウ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
エ (エ) 鼻ba&長b A
オ (オ) 耳ba&長b A
α 6 (カ) ~∃z(~鼻za&長z) 9&E
キ(キ) ~鼻ba&長b A
キ(ク) ∃z(~鼻za&長z) キEI
α 6 キ(ケ) ~∃z(~鼻za&長z)&
∃z(~鼻za&長z) カキ&I
α 6 (コ) ~(~鼻ba&長b) キケRAA
α 6 (サ) ~~鼻ba∨~長b コ、ド・モルガンの法則
α 6 (シ) ~鼻ba→~長b サ含意の定義
β 6 (ス) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
β 6 (セ) 耳ba→~鼻ba スUE
オ (ソ) 耳ba オ&E
β 6 オ (タ) ~鼻ba セソMPP
αβ 6 オ (チ) ~長b シタMPP
オ (ツ) 長b オ&E
αβ 6 オ (テ) 長b&~長b チツ&I
αβ 6 (ト) 長b&~長b ウオテEE
αβ3 (ナ) 長b&~長b 36トEE
αβ (ニ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
αβ (ヌ)∀x~(兎x&象x) ニ量化子の関係
αβ (ネ) ~(兎a&象a) ヌUE
αβ (ノ) ~兎a∨~象a ノ、ド・モルガンの法則
αβ (ハ) 兎a→~象a ネ含意の定義
αβ (γ)∀x(兎x→~象x) ハUI
αβ (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ハUI
αβ (〃)兎は象ではない。 ハUI
といふ「計算」が、「マチガイ」であるかの、いづれかである。
従って、
(17)
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「推論(三段論法)」を、「正しい」とするのであれば、以上の、「(α)~(γ)」の中の「マチガイ」を、指摘する必要がある。
従って、
(17)により、
(18)
次の論証の妥当性を示せ。
(α)象は鼻が長い。然るに、
(β)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。故に、
(γ)兎は象でない。
といふ「問題」に対して、「述語論理(Predicate logic)」を用ひて、自力で「解答」出来ない方は、残念ではあるが、以上に書かれてゐる「私の見解」を、「否定」することは、出来ない。
然るに、
(19)
ある「日本語の先生」は、「論理学」と「日本語の文法」と結びつけることは、「あってはならい」といふ風に、思はれるかも知れない。
然るに、
(20)
つまり沢田氏によれば、「象は鼻が長い」というのは合理的省略を行った言語表現であり、そこには明確な論理構造がある、ということです。三上はこれを文型として登録すべきであると主張しています。
(山崎紀美子、日本語基礎講座―三上文法入門、2003年、214・5頁)
然るに、
(21)
三上章先生が、「明確な論理的構造」がある。といふのであれば、少なくとも、三上章先生は、「論理学」と「日本語の文法」と結びつけることは、「あってはならい」といふ風に、思はれてはゐない上に、
伝統的論理学を速水滉『論理学』(16)で代表させよう。わたしのもっているのが四十三年の第十九刷一万部中の一冊で、なお引続き刊行だろうから、前後かなり多く読者を持つ論理学書と考えられる。新興の記号論理学の方は、沢田充茂の『現代論理学入門』(62)を参照することにする(三上章、日本語の論理、1963年、4頁)。
とあるものの、『沢田充茂、現代論理学入門、1962年』といふ「現代論理学の解説書」には、「練習問題」が全く無いし、「練習問題」を自分で解く努力をしない限り、「論理学」を、知ることは、出来ない。
cf.
The best way to find out what logic is to do some(Beginning Logic by E.J. Lemmon,1965年、1頁).
(22)
「三上章、日本語の論理、1963年」を書くにあたって、三上章先生が、「述語論理」を、確実に、勉強してゐたならば、
① 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
② 象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ風に、三上章先生も、考へられた(?)ものと、思はれる。
平成30年11月20日、毛利太。
2018年11月15日木曜日
「象は鼻が長い。」と「述語論理」。
(a)『返り点と括弧』については、『「返り点」と「括弧」(略8)(https://kannbunn.blogspot.com/2018/09/blog-post_17.html)』他もお読み下さい。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(c)「(11月14日)の記事」を補足します。比較的長文であるものの、取りあへず、(24)から読まれても、かまひません。
(d)「述語論理の技術」を知りたい方は「論理学初歩、E.J.レモン、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年」をお読みください。
(01)
最初に、
(ⅰ)∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)}。
(ⅱ)∀x{~∃y(鼻yx&長y)→~象x}。
(ⅲ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅳ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
(ⅴ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅵ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
の「読み方(意味)」、すなはち、
(ⅰ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長い}。
(ⅱ)すべてxについて{あるyがxの鼻であって、そのyが長くないならば、xは象ではない}。
(ⅲ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない}。
(ⅳ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない}。
(ⅴ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない、といふわけではない}。
(ⅵ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzはxの鼻でなく、尚且つ、zは長い}。
を確認します。
然るに、
(02)
(ⅰ)
1 (1) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} A
1 (2) 象a→∃y(鼻ya&長y) 1UE
3 (3) ~∃y(鼻ya&長y) A
4(4) 象a A
1 4(5) ∃y(鼻ya&長y) 23MPP
134(6) ~∃y(鼻ya&長y)&
∃y(鼻ya&長y) 35&I
1 4(7) ~象a 46RAA
1 (5) ~∃y(鼻ya&長y)→~象a 37CP
1 (6)∀x{~∃y(鼻yx&長y)→~象x} 5UI
(ⅱ)
1 (1)∀x{~∃y(鼻ya&長y)→~象a} A
1 (2) ~∃y(鼻ya&長y)→~象a 1UI
3 (3) 鼻a A
4(3) ~∃y(鼻ya&長y) A
1 4(5) ~象a 23MPP
134(6) 鼻a&~象a 35&I
13 (7) ~~∃y(鼻ya&長y) 46RAA
13 (8) ∃y(鼻ya&長y) 7DN
1 (9) 象a→∃y(鼻ya&長y) 38CP
1 (ア) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} 9UI
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)∀x{ 象x→∃y(鼻yx& 長y)}。
(ⅱ)∀x{~∃y(鼻yx&長y)→~象x}。
といふ「対偶(Contraposition)」は「等しい」。
然るに、
(04)
「11月07日の記事」でも示した通り、
1 (1)象は鼻が長い。 A
1 (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (〃)すべてのxについて、xが象であるならば、有るyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。 A
2 (2)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。 A
2 (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
2 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、有るyはxの耳であって長く、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの鼻ではない。 A
3 (3)有る兎は象である。 A
3 (〃)∃x(兎x&象x) A
3 (〃)あるxは兎であって象である。 A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 1UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 47MPP
2 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 58MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
2 6 (ウ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
エ (エ) 鼻ba&長b A
オ(オ) 耳ba&長b A
1 6 (カ) ∀z(~鼻za→~長z) 9&E
1 6 (キ) ~鼻ba→~長b カUE
2 6 (ク) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (ケ) 耳ba→~鼻ba クUE
オ (コ) 耳ba オ&E
2 6オ (サ) ~鼻ba ケコMPP
12 6オ (シ) ~長b キサコMPP
オ (ス) 長b オ&E
12 6オ (セ) 長b&~長b シス&I
12 6 (ソ) 長b&~長b ウオセEE
123 (タ) 長b&~長b 36ソEE
12 (チ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ツ)∀x~(兎x&象x) チ量化子の関係
12 (テ) ~(兎a&象a) ツUE
12 (ト) ~兎a∨~象a テ、ド・モルガンの法則
12 (ナ) 兎a→~象a ト含意の定義
12 (ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
12 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ナUI
12 (〃)兎は象ではない。 ナUI
然るに、
(05)
(04)を「書き換へ」ると、
1 (1)象は鼻が長い。 A
1 (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)} A
1 (〃)すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない。
2 (2)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。 A
2 (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
2 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、有るyはxの耳であって長く、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの鼻ではない。 A
3 (3)有る兎は象である。 A
3 (〃)∃x(兎x&象x) A
3 (〃)あるxは兎であって象である。 A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 1UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) 47MPP
2 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 58MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
2 6 (ウ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
エ (エ) 鼻ba&長b A
オ (オ) 耳ba&長b A
1 6 (カ) ~∃z(~鼻za&長z) 9&E
キ(キ) ~鼻ba&長b A
キ(ク) ∃z(~鼻za&長z) キEI
1 6 キ(ケ) ~∃z(~鼻za&長z)&
∃z(~鼻za&長z) カキ&I
1 6 (コ) ~(~鼻ba&長b) キケRAA
1 6 (サ) ~~鼻ba∨~長b コ、ド・モルガンの法則
1 6 (シ) ~鼻ba→~長b サ含意の定義
2 6 (ス) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (セ) 耳ba→~鼻ba スUE
オ (ソ) 耳ba オ&E
2 6 オ (タ) ~鼻ba セソMPP
12 6 オ (チ) ~長b シタMPP
オ (ツ) 長b オ&E
12 6 オ (テ) 長b&~長b チツ&I
12 6 (ト) 長b&~長b ウオテEE
123 (ナ) 長b&~長b 36トEE
12 (ニ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ヌ)∀x~(兎x&象x) ニ量化子の関係
12 (ネ) ~(兎a&象a) ヌUE
12 (ノ) ~兎a∨~象a ノ、ド・モルガンの法則
12 (ハ) 兎a→~象a ネ含意の定義
12 (ヒ)∀x(兎x→~象x) ハUI
12 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ハUI
12 (〃)兎は象ではない。 ハUI
といふ風に、『結論』は、変はらない。
従って、
(04)(05)により、
(06)
(ⅲ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅳ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
に於いて、
(ⅲ)=(ⅳ) であるはずである。
従って、
(06)により、
(07)
(ⅲ) ∀z(~鼻zx→~長z)
(ⅳ) ~∃z(~鼻zx&長z)
に於いて、
(ⅲ)=(ⅳ) でなければ、ならない。
然るに、
(08)
(ⅲ)
1 (1) ∀z(~鼻zx→ ~長z) A
1 (2) ~鼻bx→ ~長b 1UI
1 (3) ~~鼻bx∨ ~長b 2含意の定義
1 (4) 鼻bx∨ ~長b 3DN
1 (5) ~~(鼻bx∨ ~長b) 4DN
1 (6) ~(~鼻bx&~~長b) 5ド・モルガンの法則
1 (7) ~(~鼻bx& 長b) 6DN
8 (8) ∃z(~鼻zx& 長z) A
9(9) ~鼻bx& 長b A
1 9(ア) ~(~鼻bx& 長b)&
~鼻bx& 長b) 79&I
18 (イ) ~(~鼻bx& 長b)&
(~鼻bx& 長b) 89アEE
1 (ウ)~∃z(~鼻zx& 長z) 8イRAA
(ⅳ)
1 (1)~∃z(~鼻zx& 長z) A
2 (2) ~鼻bx& 長b A
2 (3) ∃z(~鼻zx& 長z) 2EI
12 (4)~∃z(~鼻zx& 長z)&
∃z(~鼻zx& 長z) 13&I
1 (5) ~(~鼻bx& 長b) 24RAA
1 (6) ~~鼻bx∨ ~長b 5ド・モルガンの法則
1 (7) ~鼻zx→ ~長z 6含意の定義
1 (8) ∀z(~鼻zx→ ~長z) 7UI
従って、
(08)により、
(09)
確かに、
(ⅲ) ∀z(~鼻zx→~長z)
(ⅳ) ~∃z(~鼻zx&長z)
に於いて、
(ⅲ)=(ⅳ) である。
従って、
(06)(09)により、
(10)
確かに、
(ⅲ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅳ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
に於いて、
(ⅲ)=(ⅳ) である。
然るに、
(11)
等しいモノ同士の、それぞれの否定は、互いに、等しい。
従って、
(09)(11)により、
(12)
(ⅴ) ~∀z(~鼻zx→~長z)
(ⅳ) ~~∃z(~鼻zx&長z)
に於いて
(ⅴ)=(ⅵ) である。
然るに、
(13)
「二重否定(DN)」により、
(ⅴ) ~∀z(~鼻zx→~長z)
(ⅳ) ∃z(~鼻zx&長z)
に於いて
(ⅴ)=(ⅵ) である。
従って、
(10)(13)により、
(14)
(ⅴ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅵ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx&長z)}。
に於いて、
(ⅴ)=(ⅵ) である。
従って、
(01)~(14)により
(15)
(ⅰ)∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)}。
(ⅱ)∀x{~∃y(鼻yx&長y)→~象x}。
(ⅲ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅳ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
(ⅴ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅵ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、すなはち、
(ⅰ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長い}。
(ⅱ)すべてxについて{あるyがxの鼻であって、そのyが長くないならば、xは象ではない}。
(ⅲ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない}。
(ⅳ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻ではなく、尚且つ、zが長い。といふことはない}。
(ⅴ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない、といふわけではない}。
(ⅵ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzはxの鼻ではなく、尚且つ、zは長い}。
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ) であって、
(ⅲ)=(ⅳ) であって、
(ⅴ)=(ⅵ) である。
然るに、
(14)により、
(16)
(ⅰ)∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)}。
(ⅱ)∀x{~∃y(鼻yx&長y)→~象x}。
に関しては、すなはち、
(ⅰ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長い}。
(ⅱ)すべてxについて{あるyがxの鼻であって、そのyが長くないならば、xは象ではない}。
に関しては、
(ⅰ)「象の鼻」以外については、「何も述べてゐない」。
然るに、
(17)
(ⅰ)象は鼻は長い。
(ⅲ)象は鼻が長い。
(ⅴ)象は鼻も長い。
に於いて、
(ⅰ)だけが、明らかに、「象の鼻」以外については、「何も述べてゐない」。
従って、
(16)(17)により、
(18)
(ⅰ)象は鼻は長い。
といふ「日本語」は、
(ⅰ)∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)}。
(ⅱ)∀x{~∃y(鼻yx&長y)→~象x}。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(19)
マンモス (Mammoth) は哺乳綱長鼻目ゾウ科マンモス属 (Mammuthus) に属する種の総称である。現在は全種が絶滅している。現生のゾウの類縁だが、直接の祖先ではない。約400万年前から1万年前頃(絶滅時期は諸説ある)までの期間に生息していた。巨大な牙が特徴で、種類によっては牙の長さが5.2メートルに達することもある(ウィキペディア)。
従って、
(19)により、
(20)
(ⅴ)マンモス象は鼻だけでなく牙も長い。
(ⅴ)マンモス象は牙だけでなく鼻も長い。
従って、
(20)により、
(21)
(ⅴ)(マンモス)象は鼻も長い。
(ⅴ)(マンモス)象は牙も長い。
然るに、
(22)
(ⅴ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅵ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
であるならば、すなはち、
(ⅴ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない、といふわけではない}。
(ⅵ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzはxの鼻ではなく、尚且つ、zは長い}。
であるならば、
(ⅴ)象は鼻も長い。
といふことなる。
従って、
(22)により、
(23)
(ⅴ)象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、
(ⅴ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅵ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
(24)
(ⅲ)象は鼻が長。⇔
(ⅲ)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
であるといふ風に、「仮定」する。
然るに、
(25)
(ⅲ)象は鼻が長い。
に於いて、
(ⅲ)象 =タゴール記念会
(ⅲ)鼻 =私
(ⅲ)長い=理事長
といふ「代入」を行ふと、
(ⅲ)タゴール記念会は私が理事長です。
といふ「日本語」になる。
従って、
(24)(25)により、
(26)
(ⅲ)タゴール記念会は私が理事長です。⇔
(ⅲ)タゴール記念会は私が理事長です=∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}。
であるといふ風に、「仮定」する。
然るに、
(27)
(ⅲ)
1 (1)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)} A
1 (2) タゴール記念会a→∃y(私ya&理事長y)&∀z(~私za→~理事長z) 1UE
2 (3) タゴール記念会a A
12 (4) ∃y(私ya&理事長y)&∀z(~私za→~理事長z) 23MPP
12 (5) ∃y(私ya&理事長y) 4&E
12 (6) ∀z(~私za→~理事長z 4&E
12 (7) ~私ca→~理事長c 6UI
8 (8) ~私ca A
9(9) 理事長c A
128 (ア) ~理事長c 78MPP
1289(イ) 理事長c&~理事長c 9ア&I
12 9(ウ) ~~私ca 8イRAA
12 9(エ) 私ca ウDN
12 (オ) 理事長c→ 私ca 9エCP
12 (カ) ∀z( 理事長z→ 私za) オUI
12 (キ) ∃y(私ya&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私za) 5カ&I
1 (ク) タゴール記念会a→∃y(私ya&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私za) 3キCP
1 (ケ)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私zx)} ケUI
1 (〃)すべてのxついて{xがタゴール記念会員であるならば、あるyはxの、すなはちタゴール記念会員の私であって、そのyは理事長であって、すべてのzについてzが理事長であるならば、zはxの、すなはちタゴール記念会員の私である}。
(ⅳ)
1 (1)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私zx)} A
1 (2) タゴール記念会a→∃y(私ya&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私za) 1UE
2 (3) タゴール記念会a A
12 (4) ∃y(私ya&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私za) 23MPP
12 (5) ∃y(私ya&理事長y) 4&E
12 (6) ∀z( 理事長z→ 私za) 4&E
12 (7) 理事長c→ 私ca 6UI
8 (8) 理事長c A
9(9) ~私ca A
128 (ア) 私ca 78MPP
1289(イ) ~私ca&私ca 9ア&I
12 9(ウ) ~理事長c 8イRAA
12 (エ) ~私ca→~理事長c 9ウCP
12 (オ) ∀z(~私za→~理事長z) エUI
12 (カ) ∃y(私ya&理事長y)&∀z(~私za→~理事長z) 5オ&I
1 (キ) タゴール記念会a→∃y(私ya&理事長y)&∀z(~私za→~理事長z) 3カCP
1 (ク)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}。 キUI
1 (〃)すべてのxついて{xがタゴール記念会員であるならば、あるyはxの、すなはちタゴール記念会員の私であって、そのyは理事長であって、すべてのzについてzがxの、すなはちタゴール記念会員の私であるならば、zは理事長である}。
従って、
(26)(27)により、
(28)
(ⅲ)タゴール記念会は私が理事長です。⇔
(ⅲ)タゴール記念会は私が理事長です=∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}。
であるといふ風に、「仮定」すると、
(ⅳ)タゴール記念会は理事長は私です。⇔
(ⅳ)タゴール記念会は理事長は私です=∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私zx)}。
に於いて、
(ⅲ)=(ⅳ) である。
然るに、
(29)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念館は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(29)により、
(30)
これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である。
か、どうかは別にして、いづれにせよ、
(ⅲ)私は理事長です。
(ⅳ)理事長は私です。
ではなく、
(ⅲ)私が理事長です。
(ⅳ)理事長は私です。
に於いて、
(ⅲ)=(ⅳ) である。
といふことが、「よく知られていて」、
(ⅳ)理事長は私です。
といふことは、
(ⅲ)私以外は理事長ではない。
といふことに、他ならない。
然るに、
(31)
(ⅲ)私以外は理事長ではない。
といふことは、
(ⅲ)∀z(~私zx→~理事長z)}。
(ⅲ)すべてのzについて、zが私でないならば、zは理事長ではない。
といふことに、他ならない。
従って、
(28)(30)(31)により、
(32)
(ⅲ)私は理事長です。
(ⅳ)理事長は私です。
ではなく、
(ⅲ)私が理事長です。
(ⅳ)理事長は私です。
といふ「対偶(Contraposition)」は、
(ⅲ)∀z(~私zx→~理事長z)}。
(ⅳ)∀z( 理事長z→ 私zx)}。
といふ「述語論理」に、対応し、
(ⅲ)=(ⅳ) である。
従って、
(28)(32)により、
(33)
(ⅲ)タゴール記念会は私が理事長です。
といふ「日本語」は、
(ⅲ)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}。
(ⅳ)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私zx)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(01)(10)(25)(33)により、
(34)
(ⅲ)象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
(ⅲ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅳ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
に加へて、
(ⅶ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z( 長z→ 鼻zx)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(18)(23)(34)により、
(35)
(β)象は鼻は長い。
(γ)象は鼻が長い。
(δ)象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、
(β)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
(γ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(δ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(36)
(α)象は動物である。
といふ「日本語」は、
(α)∀x{象x→動物x}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(35)(36)により、
(37)
(α)象は動物である。
(β)象は鼻は長い。
(γ)象は鼻が長い。
(δ)象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、
(α)∀x{象x→動物x}。
(β)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
(γ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(δ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(38)
(α)∀x{象x→P}。
に於いて、
(α)P=動物x
であるならば、
(α)∀x{象x→動物x}。
である。
(39)
(γ)∀x{象x→P}。
に於いて、
(γ)P=∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)
であるならば、
(γ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
である。
従って、
(37)(38)(39)により、
(40)
(α)象は動物である。
(β)象は鼻は長い。
(γ)象は鼻が長い。
(δ)象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、「述語論理」といふ「観点」からすると、四つとも、
(α)∀x{象x→P}。
(β)∀x{象x→P}。
(γ)∀x{象x→P}。
(δ)∀x{象x→P}。
といふ「形」をしてゐる。
cf.
∀x{Fx→P}における普遍量記号は{Fx→P}の全表現に作用を及ぼす。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、161頁改)
従って、
(41)
(ε)∀x{象x→P}。
といふ「日本語」の、Pの中に、「所謂、主語が、n個ある」ならば、
(ε)∀x{象x→P}。
といふ「日本語」の中には、「(1+n)個の主語」があることになる。
然るに、
(43)
(9)この手紙は誰が書いたの?
(10)さっきここにあったリンゴは太郎が食べた。
(11)カキ料理は広島が本場だ。
(12)象は鼻が長い。
には主語が2つあることになりますが、こうしたごく普通の文において一意的に定められないとすると、「主語」という概念はどれだけ有効なのかという疑問が生まれてきます(庵功雄、新しい日本語学入門、2001年、85頁改)との、ことである。
平成30年11月15日、毛利太。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(c)「(11月14日)の記事」を補足します。比較的長文であるものの、取りあへず、(24)から読まれても、かまひません。
(d)「述語論理の技術」を知りたい方は「論理学初歩、E.J.レモン、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年」をお読みください。
(01)
最初に、
(ⅰ)∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)}。
(ⅱ)∀x{~∃y(鼻yx&長y)→~象x}。
(ⅲ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅳ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
(ⅴ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅵ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
の「読み方(意味)」、すなはち、
(ⅰ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長い}。
(ⅱ)すべてxについて{あるyがxの鼻であって、そのyが長くないならば、xは象ではない}。
(ⅲ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない}。
(ⅳ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない}。
(ⅴ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない、といふわけではない}。
(ⅵ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzはxの鼻でなく、尚且つ、zは長い}。
を確認します。
然るに、
(02)
(ⅰ)
1 (1) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} A
1 (2) 象a→∃y(鼻ya&長y) 1UE
3 (3) ~∃y(鼻ya&長y) A
4(4) 象a A
1 4(5) ∃y(鼻ya&長y) 23MPP
134(6) ~∃y(鼻ya&長y)&
∃y(鼻ya&長y) 35&I
1 4(7) ~象a 46RAA
1 (5) ~∃y(鼻ya&長y)→~象a 37CP
1 (6)∀x{~∃y(鼻yx&長y)→~象x} 5UI
(ⅱ)
1 (1)∀x{~∃y(鼻ya&長y)→~象a} A
1 (2) ~∃y(鼻ya&長y)→~象a 1UI
3 (3) 鼻a A
4(3) ~∃y(鼻ya&長y) A
1 4(5) ~象a 23MPP
134(6) 鼻a&~象a 35&I
13 (7) ~~∃y(鼻ya&長y) 46RAA
13 (8) ∃y(鼻ya&長y) 7DN
1 (9) 象a→∃y(鼻ya&長y) 38CP
1 (ア) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} 9UI
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)∀x{ 象x→∃y(鼻yx& 長y)}。
(ⅱ)∀x{~∃y(鼻yx&長y)→~象x}。
といふ「対偶(Contraposition)」は「等しい」。
然るに、
(04)
「11月07日の記事」でも示した通り、
1 (1)象は鼻が長い。 A
1 (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (〃)すべてのxについて、xが象であるならば、有るyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。 A
2 (2)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。 A
2 (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
2 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、有るyはxの耳であって長く、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの鼻ではない。 A
3 (3)有る兎は象である。 A
3 (〃)∃x(兎x&象x) A
3 (〃)あるxは兎であって象である。 A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 1UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 47MPP
2 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 58MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
2 6 (ウ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
エ (エ) 鼻ba&長b A
オ(オ) 耳ba&長b A
1 6 (カ) ∀z(~鼻za→~長z) 9&E
1 6 (キ) ~鼻ba→~長b カUE
2 6 (ク) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (ケ) 耳ba→~鼻ba クUE
オ (コ) 耳ba オ&E
2 6オ (サ) ~鼻ba ケコMPP
12 6オ (シ) ~長b キサコMPP
オ (ス) 長b オ&E
12 6オ (セ) 長b&~長b シス&I
12 6 (ソ) 長b&~長b ウオセEE
123 (タ) 長b&~長b 36ソEE
12 (チ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ツ)∀x~(兎x&象x) チ量化子の関係
12 (テ) ~(兎a&象a) ツUE
12 (ト) ~兎a∨~象a テ、ド・モルガンの法則
12 (ナ) 兎a→~象a ト含意の定義
12 (ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
12 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ナUI
12 (〃)兎は象ではない。 ナUI
然るに、
(05)
(04)を「書き換へ」ると、
1 (1)象は鼻が長い。 A
1 (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)} A
1 (〃)すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻でなく、尚且つ、長い。といふことはない。
2 (2)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。 A
2 (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
2 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、有るyはxの耳であって長く、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはxの鼻ではない。 A
3 (3)有る兎は象である。 A
3 (〃)∃x(兎x&象x) A
3 (〃)あるxは兎であって象である。 A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 1UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z) 47MPP
2 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 58MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
2 6 (ウ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
エ (エ) 鼻ba&長b A
オ (オ) 耳ba&長b A
1 6 (カ) ~∃z(~鼻za&長z) 9&E
キ(キ) ~鼻ba&長b A
キ(ク) ∃z(~鼻za&長z) キEI
1 6 キ(ケ) ~∃z(~鼻za&長z)&
∃z(~鼻za&長z) カキ&I
1 6 (コ) ~(~鼻ba&長b) キケRAA
1 6 (サ) ~~鼻ba∨~長b コ、ド・モルガンの法則
1 6 (シ) ~鼻ba→~長b サ含意の定義
2 6 (ス) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
2 6 (セ) 耳ba→~鼻ba スUE
オ (ソ) 耳ba オ&E
2 6 オ (タ) ~鼻ba セソMPP
12 6 オ (チ) ~長b シタMPP
オ (ツ) 長b オ&E
12 6 オ (テ) 長b&~長b チツ&I
12 6 (ト) 長b&~長b ウオテEE
123 (ナ) 長b&~長b 36トEE
12 (ニ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ヌ)∀x~(兎x&象x) ニ量化子の関係
12 (ネ) ~(兎a&象a) ヌUE
12 (ノ) ~兎a∨~象a ノ、ド・モルガンの法則
12 (ハ) 兎a→~象a ネ含意の定義
12 (ヒ)∀x(兎x→~象x) ハUI
12 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ハUI
12 (〃)兎は象ではない。 ハUI
といふ風に、『結論』は、変はらない。
従って、
(04)(05)により、
(06)
(ⅲ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅳ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
に於いて、
(ⅲ)=(ⅳ) であるはずである。
従って、
(06)により、
(07)
(ⅲ) ∀z(~鼻zx→~長z)
(ⅳ) ~∃z(~鼻zx&長z)
に於いて、
(ⅲ)=(ⅳ) でなければ、ならない。
然るに、
(08)
(ⅲ)
1 (1) ∀z(~鼻zx→ ~長z) A
1 (2) ~鼻bx→ ~長b 1UI
1 (3) ~~鼻bx∨ ~長b 2含意の定義
1 (4) 鼻bx∨ ~長b 3DN
1 (5) ~~(鼻bx∨ ~長b) 4DN
1 (6) ~(~鼻bx&~~長b) 5ド・モルガンの法則
1 (7) ~(~鼻bx& 長b) 6DN
8 (8) ∃z(~鼻zx& 長z) A
9(9) ~鼻bx& 長b A
1 9(ア) ~(~鼻bx& 長b)&
~鼻bx& 長b) 79&I
18 (イ) ~(~鼻bx& 長b)&
(~鼻bx& 長b) 89アEE
1 (ウ)~∃z(~鼻zx& 長z) 8イRAA
(ⅳ)
1 (1)~∃z(~鼻zx& 長z) A
2 (2) ~鼻bx& 長b A
2 (3) ∃z(~鼻zx& 長z) 2EI
12 (4)~∃z(~鼻zx& 長z)&
∃z(~鼻zx& 長z) 13&I
1 (5) ~(~鼻bx& 長b) 24RAA
1 (6) ~~鼻bx∨ ~長b 5ド・モルガンの法則
1 (7) ~鼻zx→ ~長z 6含意の定義
1 (8) ∀z(~鼻zx→ ~長z) 7UI
従って、
(08)により、
(09)
確かに、
(ⅲ) ∀z(~鼻zx→~長z)
(ⅳ) ~∃z(~鼻zx&長z)
に於いて、
(ⅲ)=(ⅳ) である。
従って、
(06)(09)により、
(10)
確かに、
(ⅲ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅳ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
に於いて、
(ⅲ)=(ⅳ) である。
然るに、
(11)
等しいモノ同士の、それぞれの否定は、互いに、等しい。
従って、
(09)(11)により、
(12)
(ⅴ) ~∀z(~鼻zx→~長z)
(ⅳ) ~~∃z(~鼻zx&長z)
に於いて
(ⅴ)=(ⅵ) である。
然るに、
(13)
「二重否定(DN)」により、
(ⅴ) ~∀z(~鼻zx→~長z)
(ⅳ) ∃z(~鼻zx&長z)
に於いて
(ⅴ)=(ⅵ) である。
従って、
(10)(13)により、
(14)
(ⅴ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅵ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx&長z)}。
に於いて、
(ⅴ)=(ⅵ) である。
従って、
(01)~(14)により
(15)
(ⅰ)∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)}。
(ⅱ)∀x{~∃y(鼻yx&長y)→~象x}。
(ⅲ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅳ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx& 長z)}。
(ⅴ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅵ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、すなはち、
(ⅰ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長い}。
(ⅱ)すべてxについて{あるyがxの鼻であって、そのyが長くないならば、xは象ではない}。
(ⅲ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない}。
(ⅳ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzがxの鼻ではなく、尚且つ、zが長い。といふことはない}。
(ⅴ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない、といふわけではない}。
(ⅵ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzはxの鼻ではなく、尚且つ、zは長い}。
に於いて、
(ⅰ)=(ⅱ) であって、
(ⅲ)=(ⅳ) であって、
(ⅴ)=(ⅵ) である。
然るに、
(14)により、
(16)
(ⅰ)∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)}。
(ⅱ)∀x{~∃y(鼻yx&長y)→~象x}。
に関しては、すなはち、
(ⅰ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長い}。
(ⅱ)すべてxについて{あるyがxの鼻であって、そのyが長くないならば、xは象ではない}。
に関しては、
(ⅰ)「象の鼻」以外については、「何も述べてゐない」。
然るに、
(17)
(ⅰ)象は鼻は長い。
(ⅲ)象は鼻が長い。
(ⅴ)象は鼻も長い。
に於いて、
(ⅰ)だけが、明らかに、「象の鼻」以外については、「何も述べてゐない」。
従って、
(16)(17)により、
(18)
(ⅰ)象は鼻は長い。
といふ「日本語」は、
(ⅰ)∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)}。
(ⅱ)∀x{~∃y(鼻yx&長y)→~象x}。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(19)
マンモス (Mammoth) は哺乳綱長鼻目ゾウ科マンモス属 (Mammuthus) に属する種の総称である。現在は全種が絶滅している。現生のゾウの類縁だが、直接の祖先ではない。約400万年前から1万年前頃(絶滅時期は諸説ある)までの期間に生息していた。巨大な牙が特徴で、種類によっては牙の長さが5.2メートルに達することもある(ウィキペディア)。
従って、
(19)により、
(20)
(ⅴ)マンモス象は鼻だけでなく牙も長い。
(ⅴ)マンモス象は牙だけでなく鼻も長い。
従って、
(20)により、
(21)
(ⅴ)(マンモス)象は鼻も長い。
(ⅴ)(マンモス)象は牙も長い。
然るに、
(22)
(ⅴ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅵ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
であるならば、すなはち、
(ⅴ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない、といふわけではない}。
(ⅵ)すべてxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、あるzはxの鼻ではなく、尚且つ、zは長い}。
であるならば、
(ⅴ)象は鼻も長い。
といふことなる。
従って、
(22)により、
(23)
(ⅴ)象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、
(ⅴ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅵ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
(24)
(ⅲ)象は鼻が長。⇔
(ⅲ)象は鼻が長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
であるといふ風に、「仮定」する。
然るに、
(25)
(ⅲ)象は鼻が長い。
に於いて、
(ⅲ)象 =タゴール記念会
(ⅲ)鼻 =私
(ⅲ)長い=理事長
といふ「代入」を行ふと、
(ⅲ)タゴール記念会は私が理事長です。
といふ「日本語」になる。
従って、
(24)(25)により、
(26)
(ⅲ)タゴール記念会は私が理事長です。⇔
(ⅲ)タゴール記念会は私が理事長です=∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}。
であるといふ風に、「仮定」する。
然るに、
(27)
(ⅲ)
1 (1)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)} A
1 (2) タゴール記念会a→∃y(私ya&理事長y)&∀z(~私za→~理事長z) 1UE
2 (3) タゴール記念会a A
12 (4) ∃y(私ya&理事長y)&∀z(~私za→~理事長z) 23MPP
12 (5) ∃y(私ya&理事長y) 4&E
12 (6) ∀z(~私za→~理事長z 4&E
12 (7) ~私ca→~理事長c 6UI
8 (8) ~私ca A
9(9) 理事長c A
128 (ア) ~理事長c 78MPP
1289(イ) 理事長c&~理事長c 9ア&I
12 9(ウ) ~~私ca 8イRAA
12 9(エ) 私ca ウDN
12 (オ) 理事長c→ 私ca 9エCP
12 (カ) ∀z( 理事長z→ 私za) オUI
12 (キ) ∃y(私ya&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私za) 5カ&I
1 (ク) タゴール記念会a→∃y(私ya&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私za) 3キCP
1 (ケ)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私zx)} ケUI
1 (〃)すべてのxついて{xがタゴール記念会員であるならば、あるyはxの、すなはちタゴール記念会員の私であって、そのyは理事長であって、すべてのzについてzが理事長であるならば、zはxの、すなはちタゴール記念会員の私である}。
(ⅳ)
1 (1)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私zx)} A
1 (2) タゴール記念会a→∃y(私ya&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私za) 1UE
2 (3) タゴール記念会a A
12 (4) ∃y(私ya&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私za) 23MPP
12 (5) ∃y(私ya&理事長y) 4&E
12 (6) ∀z( 理事長z→ 私za) 4&E
12 (7) 理事長c→ 私ca 6UI
8 (8) 理事長c A
9(9) ~私ca A
128 (ア) 私ca 78MPP
1289(イ) ~私ca&私ca 9ア&I
12 9(ウ) ~理事長c 8イRAA
12 (エ) ~私ca→~理事長c 9ウCP
12 (オ) ∀z(~私za→~理事長z) エUI
12 (カ) ∃y(私ya&理事長y)&∀z(~私za→~理事長z) 5オ&I
1 (キ) タゴール記念会a→∃y(私ya&理事長y)&∀z(~私za→~理事長z) 3カCP
1 (ク)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}。 キUI
1 (〃)すべてのxついて{xがタゴール記念会員であるならば、あるyはxの、すなはちタゴール記念会員の私であって、そのyは理事長であって、すべてのzについてzがxの、すなはちタゴール記念会員の私であるならば、zは理事長である}。
従って、
(26)(27)により、
(28)
(ⅲ)タゴール記念会は私が理事長です。⇔
(ⅲ)タゴール記念会は私が理事長です=∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}。
であるといふ風に、「仮定」すると、
(ⅳ)タゴール記念会は理事長は私です。⇔
(ⅳ)タゴール記念会は理事長は私です=∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私zx)}。
に於いて、
(ⅲ)=(ⅳ) である。
然るに、
(29)
よく知られているように、「私が理事長です」は語順を変え、
理事長は、私です。
と直して初めて主辞賓辞が適用されのである。また、かりに大倉氏が、
タゴール記念館は、私が理事です。
と言ったとすれば、これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である。
(三上章、日本語の論理、1963年、40・41頁)
従って、
(29)により、
(30)
これは主辞「タゴール記念館」を品評するという心持ちの文である。
か、どうかは別にして、いづれにせよ、
(ⅲ)私は理事長です。
(ⅳ)理事長は私です。
ではなく、
(ⅲ)私が理事長です。
(ⅳ)理事長は私です。
に於いて、
(ⅲ)=(ⅳ) である。
といふことが、「よく知られていて」、
(ⅳ)理事長は私です。
といふことは、
(ⅲ)私以外は理事長ではない。
といふことに、他ならない。
然るに、
(31)
(ⅲ)私以外は理事長ではない。
といふことは、
(ⅲ)∀z(~私zx→~理事長z)}。
(ⅲ)すべてのzについて、zが私でないならば、zは理事長ではない。
といふことに、他ならない。
従って、
(28)(30)(31)により、
(32)
(ⅲ)私は理事長です。
(ⅳ)理事長は私です。
ではなく、
(ⅲ)私が理事長です。
(ⅳ)理事長は私です。
といふ「対偶(Contraposition)」は、
(ⅲ)∀z(~私zx→~理事長z)}。
(ⅳ)∀z( 理事長z→ 私zx)}。
といふ「述語論理」に、対応し、
(ⅲ)=(ⅳ) である。
従って、
(28)(32)により、
(33)
(ⅲ)タゴール記念会は私が理事長です。
といふ「日本語」は、
(ⅲ)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z(~私zx→~理事長z)}。
(ⅳ)∀x{タゴール記念会x→∃y(私yx&理事長y)&∀z( 理事長z→ 私zx)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(01)(10)(25)(33)により、
(34)
(ⅲ)象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
(ⅲ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
(ⅳ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
に加へて、
(ⅶ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z( 長z→ 鼻zx)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(18)(23)(34)により、
(35)
(β)象は鼻は長い。
(γ)象は鼻が長い。
(δ)象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、
(β)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
(γ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(δ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(36)
(α)象は動物である。
といふ「日本語」は、
(α)∀x{象x→動物x}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(35)(36)により、
(37)
(α)象は動物である。
(β)象は鼻は長い。
(γ)象は鼻が長い。
(δ)象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、
(α)∀x{象x→動物x}。
(β)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)}。
(γ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
(δ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(38)
(α)∀x{象x→P}。
に於いて、
(α)P=動物x
であるならば、
(α)∀x{象x→動物x}。
である。
(39)
(γ)∀x{象x→P}。
に於いて、
(γ)P=∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)
であるならば、
(γ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
である。
従って、
(37)(38)(39)により、
(40)
(α)象は動物である。
(β)象は鼻は長い。
(γ)象は鼻が長い。
(δ)象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、「述語論理」といふ「観点」からすると、四つとも、
(α)∀x{象x→P}。
(β)∀x{象x→P}。
(γ)∀x{象x→P}。
(δ)∀x{象x→P}。
といふ「形」をしてゐる。
cf.
∀x{Fx→P}における普遍量記号は{Fx→P}の全表現に作用を及ぼす。
(論理学初歩、E.J.レモン、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、161頁改)
従って、
(41)
(ε)∀x{象x→P}。
といふ「日本語」の、Pの中に、「所謂、主語が、n個ある」ならば、
(ε)∀x{象x→P}。
といふ「日本語」の中には、「(1+n)個の主語」があることになる。
然るに、
(43)
(9)この手紙は誰が書いたの?
(10)さっきここにあったリンゴは太郎が食べた。
(11)カキ料理は広島が本場だ。
(12)象は鼻が長い。
には主語が2つあることになりますが、こうしたごく普通の文において一意的に定められないとすると、「主語」という概念はどれだけ有効なのかという疑問が生まれてきます(庵功雄、新しい日本語学入門、2001年、85頁改)との、ことである。
平成30年11月15日、毛利太。
2018年11月13日火曜日
象も鼻は長い=~∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
(a)『返り点と括弧』については、『「返り点」と「括弧」(略8)(https://kannbunn.blogspot.com/2018/09/blog-post_17.html)』他もお読み下さい。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
「一昨日(11月11日)の記事」で確認した通り、
① 象は鼻は長い。
② 象が鼻は長い。
③ 象は鼻が長い。
④ 象が鼻が長い。
⑤ 象は鼻も長い。
⑤ 象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)}。
② ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
③ ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑤ ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑤ ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「述語論理」に対応する、
然るに、
(02)
③ 象が鼻は長い。
③ ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
を「否定」すると、
⑥ 象が鼻は長い。といふわけではない。
⑥ ~∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
然るに、
(03)
(a)
1 (1)象が鼻は長い。といふわけではない。 A
1 (〃)~∀x{ ~象x→ ~∃y(鼻yx&長y)} A
1 (〃)すべてのxについて、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、そのyが長い。といふことはない。といふわけではない。 A
1 (2)∃x~{ ~象x→ ~∃y(鼻yx&長y)} 1量化子の関係
3(3) ~{ ~象a→ ~∃y(鼻ya&長y)} A
3(4) ~{~~象a∨ ~∃y(鼻ya&長y)} 3含意の定義
3(5) ~{ 象a∨ ~∃y(鼻ya&長y)} 4DN
3(6) ~象a&~~∃y(鼻ya&長y) 5ド・モルガンの法則
3(7) ~象a& ∃y(鼻ya&長y) 6DN
3(8) ∃x{~象x& ∃y(鼻yx&長y)} 7EI
1 (9) ∃x{~象x& ∃y(鼻yx&長y)} 238EE
1 (〃)あるxは象ではなく、あるyはxの鼻であって、yは長い。 238EE
1 (〃)象以外にも、鼻が長い動物が存在する。 238EE
(b)
1 (1)象以外にも、鼻が長い動物が存在する。 A
1 (〃)∃x { ~象x& ∃y(鼻yx&長y)} A
1 (〃)あるxは象ではなく、あるyはxの鼻であって、yは長い。 A
2(2) ~象a& ∃y(鼻ya&長y) A
2(3) ~{ 象a∨~∃y(鼻ya&長y)} 4ド・モルガンの法則
2(4) ~{~~象a∨~∃y(鼻ya&長y)} 4DN
2(5) ~{ ~象a→~∃y(鼻ya&長y)} 5含意の定義
2(6)∃x~{ ~象x→~∃y(鼻yx&長y)} 6EI
1 (7)∃x~{ ~象x→~∃y(鼻yx&長y)} 237EE
1 (8)~∀x{ ~象x→~∃y(鼻yx&長y)} 8量化子の関係
1 (〃)すべてのxについて、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、そのyが長い。といふことはない。といふわけではない。 8量化子の関係
1 (〃)象が鼻は長い。といふわけではない。
従って、
(03)により、
(04)
⑥ ~∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
といふ「式」は、
⑥ ∃x{~象x& ∃y(鼻yx&長y)}。
といふ「式」に等しい。
然るに、
(03)により、
(05)
⑥ ∃x{~象x& ∃y(鼻yx&長y)}。
といふ「式」は、
⑥ あるxは象ではなく、あるyはxの鼻であって、yは長い。
⑥ 象以外にも、鼻が長い動物が存在する。
といふ「意味」である。
然るに、
(06)
⑥ 象以外にも、鼻が長い動物が存在する。のであれば、
③ 象が鼻は長い。ではなく、
⑥ 象も鼻は長い。といふことになる。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
⑥ 象も鼻は長い。
⑥ 象も鼻は長い。
といふ「日本語」は、
⑥ ~∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
⑥ ∃x{~象x& ∃y(鼻yx&長y)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(01)(07)により、
(08)
① 象は鼻は長い。
② 象が鼻は長い。
③ 象は鼻が長い。
④ 象が鼻が長い。
⑤ 象は鼻も長い。
⑤ 象は鼻も長い。
⑥ 象も鼻は長い。
⑥ 象も鼻は長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)}。
② ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
③ ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑤ ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑤ ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
⑥ ~∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
⑥ ∃x{~象x& ∃y(鼻yx&長y)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
平成30年11月13日、毛利太。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
「一昨日(11月11日)の記事」で確認した通り、
① 象は鼻は長い。
② 象が鼻は長い。
③ 象は鼻が長い。
④ 象が鼻が長い。
⑤ 象は鼻も長い。
⑤ 象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)}。
② ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
③ ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑤ ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑤ ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「述語論理」に対応する、
然るに、
(02)
③ 象が鼻は長い。
③ ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
を「否定」すると、
⑥ 象が鼻は長い。といふわけではない。
⑥ ~∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
然るに、
(03)
(a)
1 (1)象が鼻は長い。といふわけではない。 A
1 (〃)~∀x{ ~象x→ ~∃y(鼻yx&長y)} A
1 (〃)すべてのxについて、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、そのyが長い。といふことはない。といふわけではない。 A
1 (2)∃x~{ ~象x→ ~∃y(鼻yx&長y)} 1量化子の関係
3(3) ~{ ~象a→ ~∃y(鼻ya&長y)} A
3(4) ~{~~象a∨ ~∃y(鼻ya&長y)} 3含意の定義
3(5) ~{ 象a∨ ~∃y(鼻ya&長y)} 4DN
3(6) ~象a&~~∃y(鼻ya&長y) 5ド・モルガンの法則
3(7) ~象a& ∃y(鼻ya&長y) 6DN
3(8) ∃x{~象x& ∃y(鼻yx&長y)} 7EI
1 (9) ∃x{~象x& ∃y(鼻yx&長y)} 238EE
1 (〃)あるxは象ではなく、あるyはxの鼻であって、yは長い。 238EE
1 (〃)象以外にも、鼻が長い動物が存在する。 238EE
(b)
1 (1)象以外にも、鼻が長い動物が存在する。 A
1 (〃)∃x { ~象x& ∃y(鼻yx&長y)} A
1 (〃)あるxは象ではなく、あるyはxの鼻であって、yは長い。 A
2(2) ~象a& ∃y(鼻ya&長y) A
2(3) ~{ 象a∨~∃y(鼻ya&長y)} 4ド・モルガンの法則
2(4) ~{~~象a∨~∃y(鼻ya&長y)} 4DN
2(5) ~{ ~象a→~∃y(鼻ya&長y)} 5含意の定義
2(6)∃x~{ ~象x→~∃y(鼻yx&長y)} 6EI
1 (7)∃x~{ ~象x→~∃y(鼻yx&長y)} 237EE
1 (8)~∀x{ ~象x→~∃y(鼻yx&長y)} 8量化子の関係
1 (〃)すべてのxについて、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、そのyが長い。といふことはない。といふわけではない。 8量化子の関係
1 (〃)象が鼻は長い。といふわけではない。
従って、
(03)により、
(04)
⑥ ~∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
といふ「式」は、
⑥ ∃x{~象x& ∃y(鼻yx&長y)}。
といふ「式」に等しい。
然るに、
(03)により、
(05)
⑥ ∃x{~象x& ∃y(鼻yx&長y)}。
といふ「式」は、
⑥ あるxは象ではなく、あるyはxの鼻であって、yは長い。
⑥ 象以外にも、鼻が長い動物が存在する。
といふ「意味」である。
然るに、
(06)
⑥ 象以外にも、鼻が長い動物が存在する。のであれば、
③ 象が鼻は長い。ではなく、
⑥ 象も鼻は長い。といふことになる。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
⑥ 象も鼻は長い。
⑥ 象も鼻は長い。
といふ「日本語」は、
⑥ ~∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
⑥ ∃x{~象x& ∃y(鼻yx&長y)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(01)(07)により、
(08)
① 象は鼻は長い。
② 象が鼻は長い。
③ 象は鼻が長い。
④ 象が鼻が長い。
⑤ 象は鼻も長い。
⑤ 象は鼻も長い。
⑥ 象も鼻は長い。
⑥ 象も鼻は長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)}。
② ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
③ ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑤ ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑤ ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
⑥ ~∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
⑥ ∃x{~象x& ∃y(鼻yx&長y)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
平成30年11月13日、毛利太。
2018年11月11日日曜日
象は鼻も長い=∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(~鼻zx&長z)}。
(a)『返り点と括弧』については、『「返り点」と「括弧」(略8)(https://kannbunn.blogspot.com/2018/09/blog-post_17.html)』他もお読み下さい。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
「前回の記事(10日)」と「前々回の記事(07日)」等で確認した通り、
② 象が鼻は長い。
③ 象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
② ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
③ ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(01)により、
(02)
① 象は鼻は長い。
② 象が鼻は長い。
③ 象は鼻が長い。
④ 象が鼻が長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)}。
② ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
③ ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」に対応する、筈である。
従って、
(02)により、
(03)
① 象は鼻は長い
② 象が鼻は長い。
③ 象は鼻が長い。
④ 象が鼻が長い。
といふ「日本語」は、「述語論理」としては、
① すべてxについて、xが象であるならば、あるyがxの鼻であって、そのyは長い。
② すべてxについて、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、そのyが長い、といふことはない。
③ すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない。
④ すべてxについて、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、そのyが長い、といふことはなく、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない。
といふ「意味」になる。
従って、
(03)により、
(04)
① 象は鼻は長い。
② 象が鼻は長い。
③ 象は鼻が長い。
④ 象が鼻が長い。
といふ「日本語」は、
① 象は鼻は長い。
② 象以外の鼻は長くない。
③ 象は鼻だけが長い。
④ 象以外の鼻は長くなく、象は鼻だけが長い。
といふ「意味」になる。
然るに、
(05)
③ 象は鼻が長い。
といふ「文」を読むたびに、以前から、さう思ってゐたものの、
⑤ マンモス象は鼻だけでなく、牙も長いし毛も長い。
然るに、
(06)
③ すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、 すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない。
に対して、
⑤ すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長いが、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない、といふわけではない。
とするならば、
⑤ 象は鼻も長い。
といふ「意味」になる。
従って、
(02)(03)(06)により、
(07)
③ 象は鼻が長い。
⑤ 象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(08)
(a)
1 (1) ~∀z ( ~鼻zx→ ~長z) A
2 (2) ~∃z~( ~鼻zx→ ~長z) A
3 (3) ~( ~鼻cx→ ~長c) A
3 (4) ∃z~( ~鼻zx→ ~長z) 3EI
23 (5) ~∃z~( ~鼻zx→ ~長z)&
∃z~( ~鼻zx→ ~長z) 34&I
2 (6) ~~( ~鼻cx→ ~長c) 35RAA
2 (7) ( ~鼻cx→ ~長c) 6DN
2 (8) ∀z ( ~鼻zx→ ~長z) 7UI
12 (9) ~∀z ( ~鼻zx→ ~長z)&
∀z ( ~鼻zx→ ~長z) 18&I
1 (ア)~~∃z~( ~鼻zx→ ~長z) 29RAA
1 (イ) ∃z~( ~鼻zx→ ~長z) アDN
ウ(ウ) ~( ~鼻cx→ ~長c) A
ウ(エ) ~(~~鼻cx∨ ~長c) ウ含意の定義
ウ(オ) ~( 鼻cx∨ ~長c) エDN
ウ(カ) ( ~鼻cx&~~長c) オ、ド・モルガンの法則
ウ(キ) ( ~鼻cx& 長c) カDN
ウ(ク) ∃z( ~鼻zx& 長z) キEI
1 (ケ) ∃z( ~鼻zx& 長z) イウクEE
(b)
1 (1) ∃z( ~鼻zx& 長z) A
2 (2) ∀z( ~鼻zx→ ~長z) A
3 (3) ( ~鼻cx& 長c) A
2 (4) ( ~鼻cx→ ~長c) 2UE
2 (5) (~~鼻cx∨ ~長c) 4含意の定義
2 (6) ( 鼻cx∨ ~長c) 5DN
7 (7) 鼻cx A
3 (8) ~鼻cx 3&E
37 (9) ~鼻cx&鼻cx 78&I
1 7 (ア) ~鼻cx&鼻cx 139EE
7 (イ) ~∃z( ~鼻zx& 長z) 1アRAA
ウ(ウ) ~長c A
3 (エ) 長c 3&E
3 ウ(オ) ~長c&長c ウエ&I
1 ウ(カ) ~長c&長c 13オEE
ウ(キ) ~∃z( ~鼻zx& 長z) 1カRAA
2 (ク) ~∃z( ~鼻zx& 長z) 67イウキ∨E
12 (ケ) ∃z( ~鼻zx& 長z)&
~∃z( ~鼻zx& 長z) イク&I
1 (コ) ~∀z( ~鼻zx→ ~長z) 2ケRAA
従って、
(08)により、
(09)
⑤ ~∀z(~鼻zx→~長z)
⑥ ∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
⑤=⑥ である。
従って、
(07)(09)により、
(10)
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
⑤=⑥ である。
従って、
(07)(10)により、
(11)
⑤ 象は鼻も長い。
⑥ 象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(11)により、
(12)
⑤ 象は鼻も長い。
⑥ 象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、「述語論理」で理解する限り、
⑤ すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長いが、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない、といふわけではない。
⑥ すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長いが、あるzはxの鼻ではないが、zは長い。
といふ「意味」になる。
従って、
(10)(11)により、
(13)
⑦ 象は鼻も牙も長い。
といふ「日本語」は、「述語論理」で理解する限り、
⑦ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(牙zx&~鼻zx&長z)}。
⑦ すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長いが、あるzはxの牙であって、xの鼻ではないが、zは長い。
といふ「意味」になる。
従って、
(01)~(13)により、
(14)
③ 象は鼻が長い。
⑤ 象は鼻も長い。
⑥ 象は鼻も長い。
といふ「日本語」であれば、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(15)
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於ける、
③ ∀z(~鼻zx→~長z)
⑤ ~∀z(~鼻zx→~長z)
といふ「式」は、「矛盾」そのものである。
従って、
(14)(15)により、
(16)
③ 象は鼻が長い。
⑤ 象は鼻も長い。
といふ「日本語」は「矛盾」する。
すなはち、
(17)
現生のゾウの類縁だが、直接の祖先ではない。約400万年前から1万年前頃(絶滅時期は諸説ある)までの期間に生息していた。巨大な牙が特徴で、種類によっては牙の長さが5.2メートルに達することもある。日本では、シベリアと北アメリカ大陸に生息し、太く長い体毛で全身を覆われた中型のケナガマンモス M. primigenius が有名である(ウィキペディア)。
といふのであれば、
⑤ マンモス象は、鼻も牙も長い。
が故に、
③ マンモス象は、鼻(だけ)が長い。
とは、言えない。
平成30年11月11日、毛利太。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
「前回の記事(10日)」と「前々回の記事(07日)」等で確認した通り、
② 象が鼻は長い。
③ 象は鼻が長い。
といふ「日本語」は、
② ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
③ ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(01)により、
(02)
① 象は鼻は長い。
② 象が鼻は長い。
③ 象は鼻が長い。
④ 象が鼻が長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)}。
② ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
③ ∀x{ 象x→ ∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」に対応する、筈である。
従って、
(02)により、
(03)
① 象は鼻は長い
② 象が鼻は長い。
③ 象は鼻が長い。
④ 象が鼻が長い。
といふ「日本語」は、「述語論理」としては、
① すべてxについて、xが象であるならば、あるyがxの鼻であって、そのyは長い。
② すべてxについて、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、そのyが長い、といふことはない。
③ すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない。
④ すべてxについて、xが象でないならば、あるyがxの鼻であって、そのyが長い、といふことはなく、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない。
といふ「意味」になる。
従って、
(03)により、
(04)
① 象は鼻は長い。
② 象が鼻は長い。
③ 象は鼻が長い。
④ 象が鼻が長い。
といふ「日本語」は、
① 象は鼻は長い。
② 象以外の鼻は長くない。
③ 象は鼻だけが長い。
④ 象以外の鼻は長くなく、象は鼻だけが長い。
といふ「意味」になる。
然るに、
(05)
③ 象は鼻が長い。
といふ「文」を読むたびに、以前から、さう思ってゐたものの、
⑤ マンモス象は鼻だけでなく、牙も長いし毛も長い。
然るに、
(06)
③ すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長く、 すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない。
に対して、
⑤ すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長いが、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない、といふわけではない。
とするならば、
⑤ 象は鼻も長い。
といふ「意味」になる。
従って、
(02)(03)(06)により、
(07)
③ 象は鼻が長い。
⑤ 象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(08)
(a)
1 (1) ~∀z ( ~鼻zx→ ~長z) A
2 (2) ~∃z~( ~鼻zx→ ~長z) A
3 (3) ~( ~鼻cx→ ~長c) A
3 (4) ∃z~( ~鼻zx→ ~長z) 3EI
23 (5) ~∃z~( ~鼻zx→ ~長z)&
∃z~( ~鼻zx→ ~長z) 34&I
2 (6) ~~( ~鼻cx→ ~長c) 35RAA
2 (7) ( ~鼻cx→ ~長c) 6DN
2 (8) ∀z ( ~鼻zx→ ~長z) 7UI
12 (9) ~∀z ( ~鼻zx→ ~長z)&
∀z ( ~鼻zx→ ~長z) 18&I
1 (ア)~~∃z~( ~鼻zx→ ~長z) 29RAA
1 (イ) ∃z~( ~鼻zx→ ~長z) アDN
ウ(ウ) ~( ~鼻cx→ ~長c) A
ウ(エ) ~(~~鼻cx∨ ~長c) ウ含意の定義
ウ(オ) ~( 鼻cx∨ ~長c) エDN
ウ(カ) ( ~鼻cx&~~長c) オ、ド・モルガンの法則
ウ(キ) ( ~鼻cx& 長c) カDN
ウ(ク) ∃z( ~鼻zx& 長z) キEI
1 (ケ) ∃z( ~鼻zx& 長z) イウクEE
(b)
1 (1) ∃z( ~鼻zx& 長z) A
2 (2) ∀z( ~鼻zx→ ~長z) A
3 (3) ( ~鼻cx& 長c) A
2 (4) ( ~鼻cx→ ~長c) 2UE
2 (5) (~~鼻cx∨ ~長c) 4含意の定義
2 (6) ( 鼻cx∨ ~長c) 5DN
7 (7) 鼻cx A
3 (8) ~鼻cx 3&E
37 (9) ~鼻cx&鼻cx 78&I
1 7 (ア) ~鼻cx&鼻cx 139EE
7 (イ) ~∃z( ~鼻zx& 長z) 1アRAA
ウ(ウ) ~長c A
3 (エ) 長c 3&E
3 ウ(オ) ~長c&長c ウエ&I
1 ウ(カ) ~長c&長c 13オEE
ウ(キ) ~∃z( ~鼻zx& 長z) 1カRAA
2 (ク) ~∃z( ~鼻zx& 長z) 67イウキ∨E
12 (ケ) ∃z( ~鼻zx& 長z)&
~∃z( ~鼻zx& 長z) イク&I
1 (コ) ~∀z( ~鼻zx→ ~長z) 2ケRAA
従って、
(08)により、
(09)
⑤ ~∀z(~鼻zx→~長z)
⑥ ∃z(~鼻zx& 長z)
に於いて、
⑤=⑥ である。
従って、
(07)(09)により、
(10)
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
に於いて、
⑤=⑥ である。
従って、
(07)(10)により、
(11)
⑤ 象は鼻も長い。
⑥ 象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(11)により、
(12)
⑤ 象は鼻も長い。
⑥ 象は鼻も長い。
といふ「日本語」は、「述語論理」で理解する限り、
⑤ すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長いが、すべてのzについてzがxの鼻でないならばzは長くない、といふわけではない。
⑥ すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長いが、あるzはxの鼻ではないが、zは長い。
といふ「意味」になる。
従って、
(10)(11)により、
(13)
⑦ 象は鼻も牙も長い。
といふ「日本語」は、「述語論理」で理解する限り、
⑦ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∃z(牙zx&~鼻zx&長z)}。
⑦ すべてxについて、xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、そのyは長いが、あるzはxの牙であって、xの鼻ではないが、zは長い。
といふ「意味」になる。
従って、
(01)~(13)により、
(14)
③ 象は鼻が長い。
⑤ 象は鼻も長い。
⑥ 象は鼻も長い。
といふ「日本語」であれば、
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑥ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∃z(~鼻zx& 長z)}。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(15)
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)}。
⑤ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∀z(~鼻zx→~長z)}。
に於ける、
③ ∀z(~鼻zx→~長z)
⑤ ~∀z(~鼻zx→~長z)
といふ「式」は、「矛盾」そのものである。
従って、
(14)(15)により、
(16)
③ 象は鼻が長い。
⑤ 象は鼻も長い。
といふ「日本語」は「矛盾」する。
すなはち、
(17)
現生のゾウの類縁だが、直接の祖先ではない。約400万年前から1万年前頃(絶滅時期は諸説ある)までの期間に生息していた。巨大な牙が特徴で、種類によっては牙の長さが5.2メートルに達することもある。日本では、シベリアと北アメリカ大陸に生息し、太く長い体毛で全身を覆われた中型のケナガマンモス M. primigenius が有名である(ウィキペディア)。
といふのであれば、
⑤ マンモス象は、鼻も牙も長い。
が故に、
③ マンモス象は、鼻(だけ)が長い。
とは、言えない。
平成30年11月11日、毛利太。
2018年11月10日土曜日
象が鼻は長い=∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
(a)『返り点と括弧』については、『「返り点」と「括弧」(略8)(https://kannbunn.blogspot.com/2018/09/blog-post_17.html)』他もお読み下さい。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
兎は象ではない。
といふ「日本語」は、
∀x{兎x→~象x}=
すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(02)
{象、兎、犬、馬}
であるとして、
象の鼻は長い。
兎の鼻は長くない。
犬の鼻は長くない。
馬の鼻は長くない。
従って、
(02)により、
(03)
象が鼻は長い。
従って、
(02)(03)により、
(04)
象が鼻は長い。
といふ「日本語」は、
象以外は鼻は長くない。
といふ「意味」である。
然るに、
(05)
象以外は鼻は長くない(象が鼻は長い)。
といふ「日本語」は、
∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}=
全てのxについて、xが象でないならば、有るyがxの鼻であって、そのyが長い、といふことはない。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(01)(05)により、
(06)
兎は象ではなく、象が鼻は長い(象以外は鼻は長くない)。
といふ「日本語」は、
∀x{兎x→~象x}&∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(07)
(a)
1 (1)∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)} A
1 (2) ~象a→~∃y(鼻ya&長y) 1UE
3 (3) ~象a A
4(4) ∃y(鼻ya&長y) A
13 (5) ~∃y(鼻ya&長y) 23MPP
134(6) ∃y(鼻ya&長y)&
~∃y(鼻ya&長y) 45&I
1 4(7) ~~象a 36RAA
1 4(8) 象a 7DN
1 (9) ∃y(鼻ya&長y)→象a 48RAA
1 (ア)∀x{∃y(鼻yx&長y)→象x} 9UI
(b)
1 (1)∀x{∃y(鼻yx&長y)→象x} A
1 (2) ∃y(鼻ya&長y)→象a 1UE
3 (3) ∃y(鼻ya&長y) A
4(4) ~象a A
13 (5) 象a 23MPP
134(6) ~象a&象a 45&I
1 4(7) ~∃y(鼻ya&長y) 36RAA
1 (8) ~象a→~∃y(鼻ya&長y) 47RAA
1 (9)∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)} 8UI
従って、
(07)により、
(08)
∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
∀x{ ∃y(鼻yx&長y)→ 象x}
に於いて、「二つの式(対偶)」は「等しい」。
(08)により、
(09)
∀x{兎x→~象x}&∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
∀x{兎x→~象x}&∀x{ ∃y(鼻yx&長y)→ 象x}
に於いて、「二つの式」は「等しい」。
然るに、
(10)
∀x{兎x→~象x}&∀x{ ∃y(鼻yx&長y)→ 象x}
といふ「述語論理」は、
全てのxについて、xが兎ならばxは象ではなく、すべてのxについて、有るyがxの鼻であって長いならば、xは象である。
といふ「意味」である。
然るに、
(11)
全てのxについて、xが兎ならばxは象ではなく、すべてのxについて、有るyがxの鼻であって長いならば、xは象である。
といふことは、
兎は象ではなく、鼻が長いならば象である。
といふことである。
然るに、
(12)
兎は象ではなく、鼻が長いならば象である。
として、その一方で、
兎の鼻が長い。のであれば、
兎は象ではなくて、 象である。
といふ風に、「矛盾」する。
cf.
背理法(proof by contradiction)
従って、
(12)により、
(13)
兎は象ではなく、鼻が長いならば象である。
といふのであれば、
兎の鼻が長い。といふことはない。
従って、
(13)により、
(14)
兎は象ではなく、鼻が長いならば象である。
といふのであれば、
兎の鼻は長くない。
従って、
(14)により、
(15)
兎は象ではなく、鼻が長いならば象である。ならば、兎の鼻は長くない。
然るに、
(16)
兎は象ではなく、鼻が長いならば象である。ならば、兎の鼻は長くない。
といふ「日本語」は、
∀x{兎x→~象x}&∀x{∃y(鼻yx&長y)→象x}→∀x{兎x→~∃y(鼻yx&長y)}=
すべてのxについてxが兎であるならば、xは象ではなく、すべてのxについて有るyがxの鼻であって長いならば、xは象である。ならば、すべてのxについて、xが兎であるならば、有るyがxの鼻であって、そのyが長い、といふことはない。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(17)
1 (1)∀x{兎x→~象x}&
∀x{∃y(鼻yx&長y)→象x} A
1 (2)∀x{兎x→~象x} 1&E
1 (3)∀x{∃y(鼻yx&長y)→象x} 1&E
1 (4) 兎a→~象a 2UE
1 (5) ∃y(鼻ya&長y)→象a 3UE
6(6) 兎a A
16(7) ~象a 46MPP
16(8) ~∃y(鼻ya&長y) 57MTT
1 (9) 兎a→~∃y(鼻ya&長y) 68CP
1 (ア)∀x{兎x→~∃y(鼻yx&長y)} 9UI
∴ (イ)∀x{兎x→~象x}&
∀x{∃y(鼻yx&長y)→象x}→
∀x{兎x→~∃y(鼻yx&長y)} 1アCP
(〃)すべてのxについてxが兎であるならば、xは象ではなく、すべてのxについて有るyがxの鼻であって長いならば、xは象である。ならば、すべてのxについて、xが兎であるならば、有るyがxの鼻であって、そのyが長い、といふことはない。 1アCP
(〃)兎は象ではなく、鼻が長いならば象である。ならば、兎の鼻は長くない。 1アCP
従って、
(18)
「兎は象ではないが、鼻が長いならば象である。」ならば「兎の鼻は長くない。」
といふ「推論」は、「正しい」。
従って、
(01)~(18)により、
(19)
① 象が鼻は長い。
② 象以外は鼻は長くない。
③ ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
④ 全てのxについて、xが象でないならば、有るyがxの鼻であって、そのyが長い、といふことはない。
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(20)
日常言語の文から述語計算の文の翻訳のためには、一般にあたまが柔軟であることが必要である。なんら確定的な規則があるわけでなく、量記号に十分に馴れるまでには、練習を積むことが必要である。
(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、130頁)
従って、
(04)(19)(20)により、
(21)
① 象が鼻は長い。
② 象以外は鼻は長くない。
であるとして、
量記号に十分に馴れるまで、練習を積むならば、
① 象が鼻は長い。
② 象以外は鼻は長くない。
③ ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
④ 全てのxについて、xが象でないならば、有るyがxの鼻であって、そのyが長い、といふことはない。
に於いて、
①=②=③=④ である。
といふことを、分かってもらへる、はずである。
平成30年11月10日、毛利太。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
兎は象ではない。
といふ「日本語」は、
∀x{兎x→~象x}=
すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(02)
{象、兎、犬、馬}
であるとして、
象の鼻は長い。
兎の鼻は長くない。
犬の鼻は長くない。
馬の鼻は長くない。
従って、
(02)により、
(03)
象が鼻は長い。
従って、
(02)(03)により、
(04)
象が鼻は長い。
といふ「日本語」は、
象以外は鼻は長くない。
といふ「意味」である。
然るに、
(05)
象以外は鼻は長くない(象が鼻は長い)。
といふ「日本語」は、
∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}=
全てのxについて、xが象でないならば、有るyがxの鼻であって、そのyが長い、といふことはない。
といふ「述語論理」に、対応する。
従って、
(01)(05)により、
(06)
兎は象ではなく、象が鼻は長い(象以外は鼻は長くない)。
といふ「日本語」は、
∀x{兎x→~象x}&∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(07)
(a)
1 (1)∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)} A
1 (2) ~象a→~∃y(鼻ya&長y) 1UE
3 (3) ~象a A
4(4) ∃y(鼻ya&長y) A
13 (5) ~∃y(鼻ya&長y) 23MPP
134(6) ∃y(鼻ya&長y)&
~∃y(鼻ya&長y) 45&I
1 4(7) ~~象a 36RAA
1 4(8) 象a 7DN
1 (9) ∃y(鼻ya&長y)→象a 48RAA
1 (ア)∀x{∃y(鼻yx&長y)→象x} 9UI
(b)
1 (1)∀x{∃y(鼻yx&長y)→象x} A
1 (2) ∃y(鼻ya&長y)→象a 1UE
3 (3) ∃y(鼻ya&長y) A
4(4) ~象a A
13 (5) 象a 23MPP
134(6) ~象a&象a 45&I
1 4(7) ~∃y(鼻ya&長y) 36RAA
1 (8) ~象a→~∃y(鼻ya&長y) 47RAA
1 (9)∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)} 8UI
従って、
(07)により、
(08)
∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
∀x{ ∃y(鼻yx&長y)→ 象x}
に於いて、「二つの式(対偶)」は「等しい」。
(08)により、
(09)
∀x{兎x→~象x}&∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}
∀x{兎x→~象x}&∀x{ ∃y(鼻yx&長y)→ 象x}
に於いて、「二つの式」は「等しい」。
然るに、
(10)
∀x{兎x→~象x}&∀x{ ∃y(鼻yx&長y)→ 象x}
といふ「述語論理」は、
全てのxについて、xが兎ならばxは象ではなく、すべてのxについて、有るyがxの鼻であって長いならば、xは象である。
といふ「意味」である。
然るに、
(11)
全てのxについて、xが兎ならばxは象ではなく、すべてのxについて、有るyがxの鼻であって長いならば、xは象である。
といふことは、
兎は象ではなく、鼻が長いならば象である。
といふことである。
然るに、
(12)
兎は象ではなく、鼻が長いならば象である。
として、その一方で、
兎の鼻が長い。のであれば、
兎は象ではなくて、 象である。
といふ風に、「矛盾」する。
cf.
背理法(proof by contradiction)
従って、
(12)により、
(13)
兎は象ではなく、鼻が長いならば象である。
といふのであれば、
兎の鼻が長い。といふことはない。
従って、
(13)により、
(14)
兎は象ではなく、鼻が長いならば象である。
といふのであれば、
兎の鼻は長くない。
従って、
(14)により、
(15)
兎は象ではなく、鼻が長いならば象である。ならば、兎の鼻は長くない。
然るに、
(16)
兎は象ではなく、鼻が長いならば象である。ならば、兎の鼻は長くない。
といふ「日本語」は、
∀x{兎x→~象x}&∀x{∃y(鼻yx&長y)→象x}→∀x{兎x→~∃y(鼻yx&長y)}=
すべてのxについてxが兎であるならば、xは象ではなく、すべてのxについて有るyがxの鼻であって長いならば、xは象である。ならば、すべてのxについて、xが兎であるならば、有るyがxの鼻であって、そのyが長い、といふことはない。
といふ「述語論理」に、対応する。
然るに、
(17)
1 (1)∀x{兎x→~象x}&
∀x{∃y(鼻yx&長y)→象x} A
1 (2)∀x{兎x→~象x} 1&E
1 (3)∀x{∃y(鼻yx&長y)→象x} 1&E
1 (4) 兎a→~象a 2UE
1 (5) ∃y(鼻ya&長y)→象a 3UE
6(6) 兎a A
16(7) ~象a 46MPP
16(8) ~∃y(鼻ya&長y) 57MTT
1 (9) 兎a→~∃y(鼻ya&長y) 68CP
1 (ア)∀x{兎x→~∃y(鼻yx&長y)} 9UI
∴ (イ)∀x{兎x→~象x}&
∀x{∃y(鼻yx&長y)→象x}→
∀x{兎x→~∃y(鼻yx&長y)} 1アCP
(〃)すべてのxについてxが兎であるならば、xは象ではなく、すべてのxについて有るyがxの鼻であって長いならば、xは象である。ならば、すべてのxについて、xが兎であるならば、有るyがxの鼻であって、そのyが長い、といふことはない。 1アCP
(〃)兎は象ではなく、鼻が長いならば象である。ならば、兎の鼻は長くない。 1アCP
従って、
(18)
「兎は象ではないが、鼻が長いならば象である。」ならば「兎の鼻は長くない。」
といふ「推論」は、「正しい」。
従って、
(01)~(18)により、
(19)
① 象が鼻は長い。
② 象以外は鼻は長くない。
③ ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
④ 全てのxについて、xが象でないならば、有るyがxの鼻であって、そのyが長い、といふことはない。
に於いて、
①=②=③=④ である。
然るに、
(20)
日常言語の文から述語計算の文の翻訳のためには、一般にあたまが柔軟であることが必要である。なんら確定的な規則があるわけでなく、量記号に十分に馴れるまでには、練習を積むことが必要である。
(E.J.レモン 著、武生治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、130頁)
従って、
(04)(19)(20)により、
(21)
① 象が鼻は長い。
② 象以外は鼻は長くない。
であるとして、
量記号に十分に馴れるまで、練習を積むならば、
① 象が鼻は長い。
② 象以外は鼻は長くない。
③ ∀x{~象x→~∃y(鼻yx&長y)}。
④ 全てのxについて、xが象でないならば、有るyがxの鼻であって、そのyが長い、といふことはない。
に於いて、
①=②=③=④ である。
といふことを、分かってもらへる、はずである。
平成30年11月10日、毛利太。
2018年11月7日水曜日
兎は耳が長い(ので、兎は象ではない)。
(a)『返り点と括弧』については、『「返り点」と「括弧」(略8)(https://kannbunn.blogspot.com/2018/09/blog-post_17.html)』他もお読み下さい。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
new********さん2007/8/919:18:35
「象は鼻が長い」の主語は結局何なんでしょうか?
(02)
ベストアンサーに選ばれた回答
sid********さん 編集あり2007/8/1002:37:00
主語はありません。
「象は鼻が長い。」という文は、日本語という言語には主語は存在しないことを主張するために、三上章氏が使った例文のひとつです。
その趣旨を考えるなら、主語は存在しないのです。
「象の鼻が長いこと」を文にするとき、「象の鼻は長い。」という表現もできますが、「象」を主題にすれば「象は鼻が長い。」という文になります。
「象は」の助詞「は」は、文の題目を示すとともに、助詞「の」を兼務しています。
この「象は鼻が長い。」の文で、文の柱となるものは述語「長い」てあり、「象は」「鼻が」の両文節は、述語に対して同格の修飾語(連用修飾語)であると考えます。
三上文法は、英語・仏語などでの主語・述語の関係を日本語文法に当てはめる無理を批判し、日本語には英語のような強い力をもつ主語はないと主張しています。
これまで「主語」としてきた文節は、述語に対する修飾語のひとつであると考えます。
実際、そのように考えて作文をしてみると、かなり合理性を感じますよ。
主語がないからこそ、「象は鼻が長い。」の主語を特定する作業に無理があるのです。
然るに、
(03)
1 (1)象は鼻が長い。 A
1 (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (〃)すべてのxについて、xが象であるならば、有るyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。 A
2 (2)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。 A
2 (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
2 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、有るyはxの耳であって長く、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはx鼻ではない。 A
3 (3)有る兎は象である。 A
3 (〃)∃x(兎x&象x) A
3 (〃)あるxは兎であって象である。 A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 1UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 47MPP
2 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 58MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
2 6 (ウ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
エ (エ) 鼻ba&長b A
オ(オ) 耳ba&長b A
1 6 (カ) ∀z(~鼻za→~長z) 9&E
2 6 (キ) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
1 6 (ク) ~鼻ba→~長b カUE
2 6 (ケ) 耳ba→~鼻ba キUE
オ (コ) 耳ba オ&E
2 6オ (サ) ~鼻ba ケコMPP
12 6オ (シ) ~長b クコMPP
オ (ス) 長b オ&E
12 6オ (セ) 長b&~長b シス&I
12 6 (ソ) 長b&~長b ウオセEE
123 (タ) 長b&~長b 36ソEE
12 (チ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ツ)∀x~(兎x&象x) チ量化子の関係
12 (テ) ~(兎a&象a) ツUE
12 (ト) ~兎a∨~象a テ、ド・モルガンの法則
12 (ナ) 兎a→~象a ト含意の定義
12 (ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
12 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ナUI
12 (〃)兎は象ではない。 ナUI
∴ (〃)象は鼻が長く、兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。ならば、兎は象ではない。12ニCP
従って、
(03)により、
(04)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
ではなく、
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} A
2 (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
であったとしても、
12 (ヌ)∀x(兎x→~象x) ナUI
12 (〃)兎は象ではない。 ナUI
といふことには、ならない。
従って、
(03)(04)により、
(05)
「象は鼻が長く、兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。」ならば「兎は象ではない。」
といふ「推論」を、「述語論理」を用ゐて行ふためには、
① 象は鼻が長い。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
に於いて、
①=② でなければ、ならない。
然るに、
(06)
1 (1)象は動物である。 A
1 (〃)∀x{象x→動物x} A
1 (〃)すべてのxについて、xが象ならばxは動物である。 A
2 (2)動物は植物でない。 A
2 (〃)∀x{動物x→~植物x} A
2 (〃)すべてのxについて、xが動物ならばxは植物ではない。 A
1 (3) 象a→ 動物a 1UE
2 (4) 動物a→~植物a 2UE
5(5) 象a A
1 5(6) 動物a 15MPP
125(7) ~植物a 46MPP
12 (8) 象a→~植物a 57CP
12 (9)∀x{象x→~植物x} 8UI
12 (〃)すべてのxについて、xが象であるならば、xは植物ではない。 8UI
12 (〃)象は植物ではない。 8UI
∴ (〃)象は動物であって、動物は植物ではない。ならば、象は植物ではない。
従って、
(06)により、
(07)
「象は動物であって、動物は植物ではない。」ならば「象は植物ではない。」
といふ「推論」を、「述語論理」を用ゐて行ふためには、
③ 象は動物である。
④ ∀x{象x→動物x}
に於いて、
③=④ でなければ、ならない。
従って、
(05)(07)により、
(08)
① 象は鼻が長い。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
③ 象は動物である。
④ ∀x{象x→動物x}
に於いて、
①=② ではなく、
③=④ ではないのであれば、
「象は鼻が長く、兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。」ならば「兎は象ではない。」
「象は動物であって、動物は植物ではない。」ならば「象は植物ではない。」
といふ「推論」を、「述語論理」を用ゐて行ふことが、できない。
従って、
(08)により、
(09)
「述語論理」が、「日本語」に於いても、「有効」であるためには、
① 象は鼻が長い。
③ 象は動物である。
に於ける、
① 象は
③ 象は
といふ「それ」は、二つとも、
② ∀x{象x→
② ∀x{象x→
でなければ、ならない。
従って、
(09)により、
(10)
「述語論理」といふ「立場」からすれば、
① 象は鼻が長い。
③ 象は動物である。
に於ける、
① 象は
③ 象は
といふ「二つ」は、「同じもの」である。
然るに、
(11)
伝統論理学を速水滉『論理学』(016)で代表させよう。わたしのもっているのが四十三年の第十九冊一万部中の一冊で、なお引続き刊行だろうから、前後かなり多くの読者をもつ論理学書と考えられる。新興の記号論理学の方は、沢田充茂『現代論理学入門』(062)を参照することとする。(三上章、日本語の論理、1963年、4頁)
(12)
「象は鼻が長い」はどれが主辞がわからないから、このままでは非論理的な構造の文である、と言う人がもしあった(沢田『入門』二九ペ)とすれば、その人は旧『論理学』を知らない人であろう、これはこのままで、
象は 鼻が長い。
主辞 賓辞
とはっきりしている。速水式に簡単明リョウである。意味も、主辞賓辞の関係も小学生にもわかるはずの文である。これに文句をつけたり、それを取り次いだりするのは、人々が西洋文法に巻かれていることを語る以外の何物でもない。このまま定理扱いしてもよろしい。そしてこの定理の逆は真でないとして、鼻の長いもの例に、鞍馬山の天狗だの、池の尾の禅珍内供だのを上げるのも一興だろう。それでおしまいである。
(三上章、日本語の論理、1963年、13・14頁)
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
「述語論理」といふ「立場」と、「三上章氏」の立場からすれば、
① 象は鼻が長い。
③ 象は動物である。
に於ける、
① 象は
③ 象は
といふ「それ」は、二つとも、「主辞」である。
然るに、
(14)
大辞林 第三版の解説
しゅじ【主辞】
「主語」に同じ。
従って、
(13)(14)により、
(15)
「述語論理」といふ「立場」と、「三上章氏」の立場と、「大辞林」の解説からすれば、
① 象は鼻が長い。
③ 象は動物である。
に於ける、
① 象は
③ 象は
といふ「それ」は、二つとも、「主語(主辞)」である。
平成30年11月07日、毛利太。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
new********さん2007/8/919:18:35
「象は鼻が長い」の主語は結局何なんでしょうか?
(02)
ベストアンサーに選ばれた回答
sid********さん 編集あり2007/8/1002:37:00
主語はありません。
「象は鼻が長い。」という文は、日本語という言語には主語は存在しないことを主張するために、三上章氏が使った例文のひとつです。
その趣旨を考えるなら、主語は存在しないのです。
「象の鼻が長いこと」を文にするとき、「象の鼻は長い。」という表現もできますが、「象」を主題にすれば「象は鼻が長い。」という文になります。
「象は」の助詞「は」は、文の題目を示すとともに、助詞「の」を兼務しています。
この「象は鼻が長い。」の文で、文の柱となるものは述語「長い」てあり、「象は」「鼻が」の両文節は、述語に対して同格の修飾語(連用修飾語)であると考えます。
三上文法は、英語・仏語などでの主語・述語の関係を日本語文法に当てはめる無理を批判し、日本語には英語のような強い力をもつ主語はないと主張しています。
これまで「主語」としてきた文節は、述語に対する修飾語のひとつであると考えます。
実際、そのように考えて作文をしてみると、かなり合理性を感じますよ。
主語がないからこそ、「象は鼻が長い。」の主語を特定する作業に無理があるのです。
然るに、
(03)
1 (1)象は鼻が長い。 A
1 (〃)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
1 (〃)すべてのxについて、xが象であるならば、有るyはxの鼻であって長く、すべてのzについて、zがxの鼻でないならば、zは長くない。 A
2 (2)兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。 A
2 (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
2 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、有るyはxの耳であって長く、すべてのzについて、zがxの耳ならば、zはx鼻ではない。 A
3 (3)有る兎は象である。 A
3 (〃)∃x(兎x&象x) A
3 (〃)あるxは兎であって象である。 A
1 (4) 象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 1UE
2 (5) 兎a→∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 1UE
6 (6) 兎a&象a A
6 (7) 兎a 6&E
6 (8) 象a 6&E
1 6 (9) ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z) 47MPP
2 6 (ア) ∃y(耳ya&長y)&∀z(耳za→~鼻za) 58MPP
1 6 (イ) ∃y(鼻ya&長y) 9&E
2 6 (ウ) ∃y(耳ya&長y) ア&E
エ (エ) 鼻ba&長b A
オ(オ) 耳ba&長b A
1 6 (カ) ∀z(~鼻za→~長z) 9&E
2 6 (キ) ∀z(耳za→~鼻za) ア&E
1 6 (ク) ~鼻ba→~長b カUE
2 6 (ケ) 耳ba→~鼻ba キUE
オ (コ) 耳ba オ&E
2 6オ (サ) ~鼻ba ケコMPP
12 6オ (シ) ~長b クコMPP
オ (ス) 長b オ&E
12 6オ (セ) 長b&~長b シス&I
12 6 (ソ) 長b&~長b ウオセEE
123 (タ) 長b&~長b 36ソEE
12 (チ)~∃x(兎x&象x) 3タRAA
12 (ツ)∀x~(兎x&象x) チ量化子の関係
12 (テ) ~(兎a&象a) ツUE
12 (ト) ~兎a∨~象a テ、ド・モルガンの法則
12 (ナ) 兎a→~象a ト含意の定義
12 (ニ)∀x(兎x→~象x) ナUI
12 (〃)すべてのxについて、xが兎であるならば、xは象ではない。 ナUI
12 (〃)兎は象ではない。 ナUI
∴ (〃)象は鼻が長く、兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。ならば、兎は象ではない。12ニCP
従って、
(03)により、
(04)
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
2 (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
ではなく、
1 (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)} A
2 (〃)∀x{兎x→∃y(耳yx&長y)&∀z(耳zx→~鼻zx)} A
であったとしても、
12 (ヌ)∀x(兎x→~象x) ナUI
12 (〃)兎は象ではない。 ナUI
といふことには、ならない。
従って、
(03)(04)により、
(05)
「象は鼻が長く、兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。」ならば「兎は象ではない。」
といふ「推論」を、「述語論理」を用ゐて行ふためには、
① 象は鼻が長い。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
に於いて、
①=② でなければ、ならない。
然るに、
(06)
1 (1)象は動物である。 A
1 (〃)∀x{象x→動物x} A
1 (〃)すべてのxについて、xが象ならばxは動物である。 A
2 (2)動物は植物でない。 A
2 (〃)∀x{動物x→~植物x} A
2 (〃)すべてのxについて、xが動物ならばxは植物ではない。 A
1 (3) 象a→ 動物a 1UE
2 (4) 動物a→~植物a 2UE
5(5) 象a A
1 5(6) 動物a 15MPP
125(7) ~植物a 46MPP
12 (8) 象a→~植物a 57CP
12 (9)∀x{象x→~植物x} 8UI
12 (〃)すべてのxについて、xが象であるならば、xは植物ではない。 8UI
12 (〃)象は植物ではない。 8UI
∴ (〃)象は動物であって、動物は植物ではない。ならば、象は植物ではない。
従って、
(06)により、
(07)
「象は動物であって、動物は植物ではない。」ならば「象は植物ではない。」
といふ「推論」を、「述語論理」を用ゐて行ふためには、
③ 象は動物である。
④ ∀x{象x→動物x}
に於いて、
③=④ でなければ、ならない。
従って、
(05)(07)により、
(08)
① 象は鼻が長い。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
③ 象は動物である。
④ ∀x{象x→動物x}
に於いて、
①=② ではなく、
③=④ ではないのであれば、
「象は鼻が長く、兎の耳は長く、兎の耳は鼻ではない。」ならば「兎は象ではない。」
「象は動物であって、動物は植物ではない。」ならば「象は植物ではない。」
といふ「推論」を、「述語論理」を用ゐて行ふことが、できない。
従って、
(08)により、
(09)
「述語論理」が、「日本語」に於いても、「有効」であるためには、
① 象は鼻が長い。
③ 象は動物である。
に於ける、
① 象は
③ 象は
といふ「それ」は、二つとも、
② ∀x{象x→
② ∀x{象x→
でなければ、ならない。
従って、
(09)により、
(10)
「述語論理」といふ「立場」からすれば、
① 象は鼻が長い。
③ 象は動物である。
に於ける、
① 象は
③ 象は
といふ「二つ」は、「同じもの」である。
然るに、
(11)
伝統論理学を速水滉『論理学』(016)で代表させよう。わたしのもっているのが四十三年の第十九冊一万部中の一冊で、なお引続き刊行だろうから、前後かなり多くの読者をもつ論理学書と考えられる。新興の記号論理学の方は、沢田充茂『現代論理学入門』(062)を参照することとする。(三上章、日本語の論理、1963年、4頁)
(12)
「象は鼻が長い」はどれが主辞がわからないから、このままでは非論理的な構造の文である、と言う人がもしあった(沢田『入門』二九ペ)とすれば、その人は旧『論理学』を知らない人であろう、これはこのままで、
象は 鼻が長い。
主辞 賓辞
とはっきりしている。速水式に簡単明リョウである。意味も、主辞賓辞の関係も小学生にもわかるはずの文である。これに文句をつけたり、それを取り次いだりするのは、人々が西洋文法に巻かれていることを語る以外の何物でもない。このまま定理扱いしてもよろしい。そしてこの定理の逆は真でないとして、鼻の長いもの例に、鞍馬山の天狗だの、池の尾の禅珍内供だのを上げるのも一興だろう。それでおしまいである。
(三上章、日本語の論理、1963年、13・14頁)
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
「述語論理」といふ「立場」と、「三上章氏」の立場からすれば、
① 象は鼻が長い。
③ 象は動物である。
に於ける、
① 象は
③ 象は
といふ「それ」は、二つとも、「主辞」である。
然るに、
(14)
大辞林 第三版の解説
しゅじ【主辞】
「主語」に同じ。
従って、
(13)(14)により、
(15)
「述語論理」といふ「立場」と、「三上章氏」の立場と、「大辞林」の解説からすれば、
① 象は鼻が長い。
③ 象は動物である。
に於ける、
① 象は
③ 象は
といふ「それ」は、二つとも、「主語(主辞)」である。
平成30年11月07日、毛利太。
2018年11月4日日曜日
「集合の分配法則と「命題論理の分配法則」。
(a)『返り点と括弧』については、『「返り点」と「括弧」(略8)(https://kannbunn.blogspot.com/2018/09/blog-post_17.html)』他もお読み下さい。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
P∪(Q∩R)=(P∪Q)∩(P∪R)
然るに、
(02)
P∪(Q∩R)=(Q∩R)∪P
従って、
(01)(02)により、
(03)
(Q∩R)∪P=(P∪Q)∩(P∪R)
然るに、
(04)
(Q∩R)∪P=(P∪Q)∩(P∪R)
といふ「式」は、
「集合Qと集合Rの積集合と、集合Pとの和集合」は
「集合Pと集合Qの和集合と、集合Pと集合Rの和集合との積集合」に等しい。
といふ「意味」である。
然るに、
(05)
頭の中に、「ベン図」を思い浮かべれば分かる通り、確かに、
「集合Qと集合Rの積集合と、集合Pとの和集合」は
「集合Pと集合Qの和集合と、集合Pと集合Rの和集合との積集合」に等しい。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
P∪(Q∩R)=(P∪Q)∩(P∪R)
といふ「(集合の)分配法則」は、「正しい」。
然るに、
(07)
次の、(08)に示す通り、
P∪(Q∩R)=(P∪Q)∩(P∪R)
といふ「(集合の)分配法則」に加へて、
P∨(Q∧R)=(P∨Q)∧(P∨R)
といふ「(命題論理の)分配法則」も、「正しい」。
(08)
(a)
1 (1) P∨(Q∧R) A
2 (2) P A
2 (2) P∨Q 2∨I
2 (3) P∨R 2∨I
2 (4)(P∨Q)∧(P∨R) 23∧I
5(5) Q∧R A
5(6) Q 5∧E
5(7) R 5∧E
5(8) P∨Q 6∨I
5(9) P∨R 7∨I
5(ア)(P∨Q)∧(P∨R) 89∧I
1 (イ)(P∨Q)∧(P∨R) 1245ア∨E
(b)
1 (1) (P∨Q)∧(P∨R) A
1 (2) P∨Q 1&E
1 (3)~~P∨Q 2DN
1 (4) ~P→Q 3含意の定義
1 (5) P∨R 1&E
1 (6) ~~P∨R 5DN
1 (7) ~P→R 6含意の定義
2(8) ~P A
12(9) Q 48MPP
12(ア) R 78MPP
12(イ) (Q∧R) 9ア&I
1 (ウ) ~P→(Q∧R) 8イCP
1 (エ)~~P∨(Q∧R) ウ含意の定義
1 (オ) P∨(Q∧R) エDN
然るに、
(09)
(b)
1 (4) ~P→Q 3含意の定義
1 (7) ~P→R 6含意の定義
1 (エ)~~P∨(Q&R) ウ含意の定義
といふ「定理」を用ゐないのであれば、
(b)
1 (1) (P∨Q)∧(P∨R) A
1 (2) P∨Q 1∧E
3 (3) ~P∧~Q A
4 (4) P A
3 (5) ~P 3∧E
34 (6) P∧~P 45∧I
4 (7) ~(~P∧~Q) 36RAA
8 (8) Q A
3 (9) ~Q 3∧E
3 8 (ア) ~Q∧Q 89∧I
8 (イ) ~(~P∧~Q) 3アRAA
1 (ウ) ~(~P∧~Q) 1478イ∨E
エ (エ) ~P A
オ (オ) ~Q A
エオ (カ) ~P∧~Q エオ∧I
1 エオ (キ) ~(~P∧~Q)∧
(~P∧~Q) ウカ∧I
1 エ (ク) ~~Q オキRAA
1 エ (ケ) Q クDN
1 (コ) ~P→ Q エケCP
1 (サ) P∨R 1∧E
1 (シ) ~P→ R 2コサ代入例
セ (セ) ~P A
1 セ (ソ) Q コセMPP
1 セ (タ) R シセMPP
1 セ (チ) Q∧R ソタ∧I
1 (ツ)~P→ (Q∧R) セチCP
テ (テ)~P∧~(Q∧R) A
テ (ト)~P テ∧E
テ (ナ) ~(Q∧R) テ∧E
1 テ (ニ) (Q∧R) ツトCP
1 テ (ヌ)~(Q∧R)∧(Q∧R) ナニ∧I
1 (ネ)~(~P∧~(Q∧R)) テヌRAA
ノ (ノ)~( P∨ (Q∧R)) A
ハ (ハ) P A
ハ (ヒ) P∨ (Q∧R) ハ∨I
ノハ (フ)~( P∨ (Q∧R))∧
( P∨ (Q∧R)) ノヒ∧I
ノ (ヘ) ~P ハフRAA
ホ(ホ) (Q∧R) A
ホ(マ) P∨ (Q∧R) ホ∨I
ノ ホ(ミ)~( P∨ (Q∧R))∧
( P∨ (Q∧R)) ノマ∧I
ノ (ム) ~(Q∧R) ホミRAA
ノ (メ) ~P∧~(Q∧R) ヘム∧I
1 ノ (モ)~(~P∧~(Q∧R))∧
~P∧~(Q∧R) ネメ∧I
1 (ヤ)~~(P∨ (Q∧R)) ノモRAA
1 (ヰ) P∨ (Q∧R) ヤDN
といふ風に、「37行もの、計算」をしなければ、ならない。
従って、
(06)~(09)により、
(10)
P∪(Q∩R)=(P∪Q)∩(P∪R)
P∨(Q∧R)=(P∨Q)∧(P∨R)
といふ「分配法則」は、両方とも「正しい」ものの、
前者である「(集合の)分配法則」は、「ベン図」で「証明」されて、後者である「(命題論理の)分配法則」は、
(a)
1 (1) P∨(Q∧R) A
2 (2) P A
2 (2) P∨Q 2∨I
2 (3) P∨R 2∨I
2 (4)(P∨Q)∧(P∨R) 23∧I
5(5) Q∧R A
5(6) Q 5∧E
5(7) R 5∧E
5(8) P∨Q 6∨I
5(9) P∨R 7∨I
5(ア)(P∨Q)∧(P∨R) 89∧I
1 (イ)(P∨Q)∧(P∨R) 1245ア∨E
(b)
1 (1) (P∨Q)∧(P∨R) A
1 (2) P∨Q 1∧E
3 (3) ~P∧~Q A
4 (4) P A
3 (5) ~P 3∧E
34 (6) P∧~P 45∧I
4 (7) ~(~P∧~Q) 36RAA
8 (8) Q A
3 (9) ~Q 3∧E
3 8 (ア) ~Q∧Q 89∧I
8 (イ) ~(~P∧~Q) 3アRAA
1 (ウ) ~(~P∧~Q) 1478イ∨E
エ (エ) ~P A
オ (オ) ~Q A
エオ (カ) ~P∧~Q エオ∧I
1 エオ (キ) ~(~P∧~Q)∧
(~P∧~Q) ウカ∧I
1 エ (ク) ~~Q オキRAA
1 エ (ケ) Q クDN
1 (コ) ~P→ Q エケCP
1 (サ) P∨R 1∧E
1 (シ) ~P→ R 2コサ代入例
セ (セ) ~P A
1 セ (ソ) Q コセMPP
1 セ (タ) R シセMPP
1 セ (チ) Q∧R ソタ∧I
1 (ツ)~P→ (Q∧R) セチCP
テ (テ)~P∧~(Q∧R) A
テ (ト)~P テ∧E
テ (ナ) ~(Q∧R) テ∧E
1 テ (ニ) (Q∧R) ツトCP
1 テ (ヌ)~(Q∧R)∧(Q∧R) ナニ∧I
1 (ネ)~(~P∧~(Q∧R)) テヌRAA
ノ (ノ)~( P∨ (Q∧R)) A
ハ (ハ) P A
ハ (ヒ) P∨ (Q∧R) ハ∨I
ノハ (フ)~( P∨ (Q∧R))∧
( P∨ (Q∧R)) ノヒ∧I
ノ (ヘ) ~P ハフRAA
ホ(ホ) (Q∧R) A
ホ(マ) P∨ (Q∧R) ホ∨I
ノ ホ(ミ)~( P∨ (Q∧R))∧
( P∨ (Q∧R)) ノマ∧I
ノ (ム) ~(Q∧R) ホミRAA
ノ (メ) ~P∧~(Q∧R) ヘム∧I
1 ノ (モ)~(~P∧~(Q∧R))∧
~P∧~(Q∧R) ネメ∧I
1 (ヤ)~~(P∨ (Q∧R)) ノモRAA
1 (ヰ) P∨ (Q∧R) ヤDN
といふ具合に、「11+37=48行の、命題計算」で「証明」されることになる。
然るに、
(11)
といふ「ベン図」と、「11+37=48行の、命題計算」は、「全然似てゐない」。
従って、
(07)(11)により、
(12)
① P∪(Q∩R)=(P∪Q)∩(P∪R)
② P∨(Q∧R)=(P∨Q)∧(P∨R)
に於いて、
① の「等式」が「正しい」ことも、
② の「等式」が「正しい」ことも、私には、「理解」出来るものの、
①=② である。
といふことが、私には、「理解」出来ない。
すなはち、
(13)
「集合の分配法則」も、「命題計算の分配法則」も、個別には、「理解」出来るものの、
「集合の分配法則」と、「命題計算の分配法則」の「関係」が、私には、「理解」出来ない。
従って、
(12)(13)により、
(14)
「ベン図」によって、「集合の分配法則」が「理解」出来ることと、「命題計算の分配法則」が「理解」出来ることは、「同じ」ではない。
平成30年11月04日、毛利太。
(b)『返り点』については、『「返り点」の「付け方」を教へます(https://kannbunn.blogspot.com/2018/01/blog-post_3.html)』他をお読み下さい。
(01)
P∪(Q∩R)=(P∪Q)∩(P∪R)
然るに、
(02)
P∪(Q∩R)=(Q∩R)∪P
従って、
(01)(02)により、
(03)
(Q∩R)∪P=(P∪Q)∩(P∪R)
然るに、
(04)
(Q∩R)∪P=(P∪Q)∩(P∪R)
といふ「式」は、
「集合Qと集合Rの積集合と、集合Pとの和集合」は
「集合Pと集合Qの和集合と、集合Pと集合Rの和集合との積集合」に等しい。
といふ「意味」である。
然るに、
(05)
頭の中に、「ベン図」を思い浮かべれば分かる通り、確かに、
「集合Qと集合Rの積集合と、集合Pとの和集合」は
「集合Pと集合Qの和集合と、集合Pと集合Rの和集合との積集合」に等しい。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
P∪(Q∩R)=(P∪Q)∩(P∪R)
といふ「(集合の)分配法則」は、「正しい」。
然るに、
(07)
次の、(08)に示す通り、
P∪(Q∩R)=(P∪Q)∩(P∪R)
といふ「(集合の)分配法則」に加へて、
P∨(Q∧R)=(P∨Q)∧(P∨R)
といふ「(命題論理の)分配法則」も、「正しい」。
(08)
(a)
1 (1) P∨(Q∧R) A
2 (2) P A
2 (2) P∨Q 2∨I
2 (3) P∨R 2∨I
2 (4)(P∨Q)∧(P∨R) 23∧I
5(5) Q∧R A
5(6) Q 5∧E
5(7) R 5∧E
5(8) P∨Q 6∨I
5(9) P∨R 7∨I
5(ア)(P∨Q)∧(P∨R) 89∧I
1 (イ)(P∨Q)∧(P∨R) 1245ア∨E
(b)
1 (1) (P∨Q)∧(P∨R) A
1 (2) P∨Q 1&E
1 (3)~~P∨Q 2DN
1 (4) ~P→Q 3含意の定義
1 (5) P∨R 1&E
1 (6) ~~P∨R 5DN
1 (7) ~P→R 6含意の定義
2(8) ~P A
12(9) Q 48MPP
12(ア) R 78MPP
12(イ) (Q∧R) 9ア&I
1 (ウ) ~P→(Q∧R) 8イCP
1 (エ)~~P∨(Q∧R) ウ含意の定義
1 (オ) P∨(Q∧R) エDN
然るに、
(09)
(b)
1 (4) ~P→Q 3含意の定義
1 (7) ~P→R 6含意の定義
1 (エ)~~P∨(Q&R) ウ含意の定義
といふ「定理」を用ゐないのであれば、
(b)
1 (1) (P∨Q)∧(P∨R) A
1 (2) P∨Q 1∧E
3 (3) ~P∧~Q A
4 (4) P A
3 (5) ~P 3∧E
34 (6) P∧~P 45∧I
4 (7) ~(~P∧~Q) 36RAA
8 (8) Q A
3 (9) ~Q 3∧E
3 8 (ア) ~Q∧Q 89∧I
8 (イ) ~(~P∧~Q) 3アRAA
1 (ウ) ~(~P∧~Q) 1478イ∨E
エ (エ) ~P A
オ (オ) ~Q A
エオ (カ) ~P∧~Q エオ∧I
1 エオ (キ) ~(~P∧~Q)∧
(~P∧~Q) ウカ∧I
1 エ (ク) ~~Q オキRAA
1 エ (ケ) Q クDN
1 (コ) ~P→ Q エケCP
1 (サ) P∨R 1∧E
1 (シ) ~P→ R 2コサ代入例
セ (セ) ~P A
1 セ (ソ) Q コセMPP
1 セ (タ) R シセMPP
1 セ (チ) Q∧R ソタ∧I
1 (ツ)~P→ (Q∧R) セチCP
テ (テ)~P∧~(Q∧R) A
テ (ト)~P テ∧E
テ (ナ) ~(Q∧R) テ∧E
1 テ (ニ) (Q∧R) ツトCP
1 テ (ヌ)~(Q∧R)∧(Q∧R) ナニ∧I
1 (ネ)~(~P∧~(Q∧R)) テヌRAA
ノ (ノ)~( P∨ (Q∧R)) A
ハ (ハ) P A
ハ (ヒ) P∨ (Q∧R) ハ∨I
ノハ (フ)~( P∨ (Q∧R))∧
( P∨ (Q∧R)) ノヒ∧I
ノ (ヘ) ~P ハフRAA
ホ(ホ) (Q∧R) A
ホ(マ) P∨ (Q∧R) ホ∨I
ノ ホ(ミ)~( P∨ (Q∧R))∧
( P∨ (Q∧R)) ノマ∧I
ノ (ム) ~(Q∧R) ホミRAA
ノ (メ) ~P∧~(Q∧R) ヘム∧I
1 ノ (モ)~(~P∧~(Q∧R))∧
~P∧~(Q∧R) ネメ∧I
1 (ヤ)~~(P∨ (Q∧R)) ノモRAA
1 (ヰ) P∨ (Q∧R) ヤDN
といふ風に、「37行もの、計算」をしなければ、ならない。
従って、
(06)~(09)により、
(10)
P∪(Q∩R)=(P∪Q)∩(P∪R)
P∨(Q∧R)=(P∨Q)∧(P∨R)
といふ「分配法則」は、両方とも「正しい」ものの、
前者である「(集合の)分配法則」は、「ベン図」で「証明」されて、後者である「(命題論理の)分配法則」は、
(a)
1 (1) P∨(Q∧R) A
2 (2) P A
2 (2) P∨Q 2∨I
2 (3) P∨R 2∨I
2 (4)(P∨Q)∧(P∨R) 23∧I
5(5) Q∧R A
5(6) Q 5∧E
5(7) R 5∧E
5(8) P∨Q 6∨I
5(9) P∨R 7∨I
5(ア)(P∨Q)∧(P∨R) 89∧I
1 (イ)(P∨Q)∧(P∨R) 1245ア∨E
(b)
1 (1) (P∨Q)∧(P∨R) A
1 (2) P∨Q 1∧E
3 (3) ~P∧~Q A
4 (4) P A
3 (5) ~P 3∧E
34 (6) P∧~P 45∧I
4 (7) ~(~P∧~Q) 36RAA
8 (8) Q A
3 (9) ~Q 3∧E
3 8 (ア) ~Q∧Q 89∧I
8 (イ) ~(~P∧~Q) 3アRAA
1 (ウ) ~(~P∧~Q) 1478イ∨E
エ (エ) ~P A
オ (オ) ~Q A
エオ (カ) ~P∧~Q エオ∧I
1 エオ (キ) ~(~P∧~Q)∧
(~P∧~Q) ウカ∧I
1 エ (ク) ~~Q オキRAA
1 エ (ケ) Q クDN
1 (コ) ~P→ Q エケCP
1 (サ) P∨R 1∧E
1 (シ) ~P→ R 2コサ代入例
セ (セ) ~P A
1 セ (ソ) Q コセMPP
1 セ (タ) R シセMPP
1 セ (チ) Q∧R ソタ∧I
1 (ツ)~P→ (Q∧R) セチCP
テ (テ)~P∧~(Q∧R) A
テ (ト)~P テ∧E
テ (ナ) ~(Q∧R) テ∧E
1 テ (ニ) (Q∧R) ツトCP
1 テ (ヌ)~(Q∧R)∧(Q∧R) ナニ∧I
1 (ネ)~(~P∧~(Q∧R)) テヌRAA
ノ (ノ)~( P∨ (Q∧R)) A
ハ (ハ) P A
ハ (ヒ) P∨ (Q∧R) ハ∨I
ノハ (フ)~( P∨ (Q∧R))∧
( P∨ (Q∧R)) ノヒ∧I
ノ (ヘ) ~P ハフRAA
ホ(ホ) (Q∧R) A
ホ(マ) P∨ (Q∧R) ホ∨I
ノ ホ(ミ)~( P∨ (Q∧R))∧
( P∨ (Q∧R)) ノマ∧I
ノ (ム) ~(Q∧R) ホミRAA
ノ (メ) ~P∧~(Q∧R) ヘム∧I
1 ノ (モ)~(~P∧~(Q∧R))∧
~P∧~(Q∧R) ネメ∧I
1 (ヤ)~~(P∨ (Q∧R)) ノモRAA
1 (ヰ) P∨ (Q∧R) ヤDN
といふ具合に、「11+37=48行の、命題計算」で「証明」されることになる。
然るに、
(11)
といふ「ベン図」と、「11+37=48行の、命題計算」は、「全然似てゐない」。
従って、
(07)(11)により、
(12)
① P∪(Q∩R)=(P∪Q)∩(P∪R)
② P∨(Q∧R)=(P∨Q)∧(P∨R)
に於いて、
① の「等式」が「正しい」ことも、
② の「等式」が「正しい」ことも、私には、「理解」出来るものの、
①=② である。
といふことが、私には、「理解」出来ない。
すなはち、
(13)
「集合の分配法則」も、「命題計算の分配法則」も、個別には、「理解」出来るものの、
「集合の分配法則」と、「命題計算の分配法則」の「関係」が、私には、「理解」出来ない。
従って、
(12)(13)により、
(14)
「ベン図」によって、「集合の分配法則」が「理解」出来ることと、「命題計算の分配法則」が「理解」出来ることは、「同じ」ではない。
平成30年11月04日、毛利太。
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