2022年2月9日水曜日

「述語論理式」を「命題論理式」に書き換へると、・・・・・。

(01)
3 つぎの相互導出可能性を示す結果を確立せよ。
(f)∃x(Fx→P)┤├ ∀x(Fx)→P
(E.j.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、163頁)
〔私による解答〕
(ⅰ)
1  (1) ∃x(Fx→P) A
 2 (2) ∀x(Fx)   A
  3(3)    Fa→P  A
 2 (4)    Fa    2UE
 23(5)       P  34MPP
12 (6)       P  135EE
1  (7)∀x(Fx)→P  26CP
(ⅱ)
1   (1) ∀x(Fx)→P A
1   (2)~∀x(Fx)∨P 1含意の定義
 3  (3)~∀x(Fx)   A
 3  (4)∃x(~Fx)   3量化子の関係
  5 (5)   ~Fa    A
  5 (6)   ~Fa∨P  5∨I
  5 (7)    Fa→P  6含意の定義
  5 (8) ∃x(Fx→P) 7EI
 3  (9) ∃x(Fx→P) 358EE
   ア(ア)       P  A
   ア(イ)   ~Fa∨P  ア∨I
   ア(ウ)    Fa→P  イ含意の定義
   ア(エ) ∃x(Fx→P) ウEI
1   (オ) ∃x(Fx→P) 239アエ∨E
然るに、
(02)
{個体領域}={a、b、c}
であるとして、
① ∃x(Fx→ P)
② ∀x(Fx)→P
に於いて、
①=② である。
といふことは、
③(Fa→P)∨(Fb→P)∨(Fc→P)
④(Fa&Fb&Fc)→P
に於いて、
③=④ である。
といふことに、「等しい」。
然るに、
(03)
(ⅲ)
1         (1) (Fa→P)∨(Fb→P)∨(Fc→P) A
 2        (2) (Fa→P)               A
  3       (3)    ~P                A
 23       (4) ~Fa                  23MTT
 23       (5) ~Fa∨~Fb              4∨I
 23       (6) ~Fa∨~Fb∨~Fc          5∨I
 23       (7) ~(Fa&Fb&Fc)          6ド・モルガンの法則
 2        (8) ~P→~(Fa&Fb&Fc)       37CP
   9      (9)     (Fa&Fb&Fc)       A
   9      (ア)   ~~(Fa&Fb&Fc)       9DN
 2 9      (イ)~~P                   8アDN
 2 9      (ウ)  P                   イDN
 2        (エ) (Fa&Fb&Fc)→P         9ウCP
    オ     (オ)        (Fb→P)        A
     カ    (カ)           ~P         A
    オカ    (キ)        ~Fb           オカMTT
    オカ    (ク)    ~Fa∨~Fb           キ∨I
    オカ    (ケ)    ~Fa∨~Fb∨~Fc       ク∨I
    オカ    (コ)    ~(Fa&Fb&Fc)       ケ、ド・モルガンの法則
    オ     (サ) ~P→~(Fa&Fb&Fc)       カコCP
      シ   (シ)     (Fa&Fb&Fc)       A
      シ   (ス)   ~~(Fa&Fb&Fc)       シDN
    オ シ   (セ)~~P                   サスMTT
    オ シ   (ソ)  P                   セDN
    オ     (タ)     (Fa&Fb&Fc)→P     シソCP
       チ  (チ)               (Fc→P) A
        ツ (ツ)                  ~P  A
       チツ (テ)               ~Fc    チツMTT
       チツ (ト)           ~Fb∨~Fc    テ∨I
       チツ (ナ)       ~Fa∨~Fb∨~Fc    ト∨I
       チツ (ニ)       ~(Fa&Fb&Fc)    ナ、ド・モルガンの法則
       チ  (ヌ)    ~P→~(Fa&Fb&Fc)    ツニCP
         ネ(ネ)        (Fa&Fb&Fc)    A
         ネ(ノ)      ~~(Fa&Fb&Fc)    ネDN
       チ ネ(ハ)   ~~P                ヌノMTT
       チ ネ(ヒ)     P                ハDN
       チ  (フ)    (Fa&Fb&Fc)→P      ネヒCP
1         (ヘ)    (Fa&Fb&Fc)→P      123エオタチフ∨E
(ⅳ)
1     (1) (Fa&Fb&Fc)→P         A
1     (2)~(Fa&Fb&Fc)∨P         A
 3    (3)~(Fa&Fb&Fc)           A
 3    (4) ~Fa∨~Fb∨~Fc          3ド・モルガンの法則
  5   (5) ~Fa                  A
  5   (6) ~Fa∨P                5∨I
  5   (7)  Fa→P                6含意の定義
  5   (8) (Fa→P)∨(Fb→P)        7∨I
  5   (9) (Fa→P)∨(Fb→P)∨(Fc→P) 8∨I
   ア  (ア)     ~Fb              A
   ア  (イ)     ~Fb∨P            ア∨I
   ア  (ウ)      Fb→P            イ含意の定義
   ア  (エ) (Fa→P)∨(Fb→P)        ウ∨I
   ア  (オ) (Fa→P)∨(Fb→P)∨(Fc→P) エ∨I
    カ (カ)         ~Fc          A
    カ (キ)         ~Fc∨P        カ∨I
    キ (ク)          Fc→P        キ含意の定義
    キ (ケ)  (Fb→P)∨(Fc→P)       ク∨I
    キ (コ) (Fa→P)∨(Fb→P)∨(Fc→P) ケ∨I
 3    (サ) (Fa→P)∨(Fb→P)∨(Fc→P) 459アオキコ∨E
     シ(シ)             P        A
     シ(ス)         ~Fa∨P        シ∨I
     シ(セ)          Fa→P        ス含意の定義
     シ(ソ) (Fa→P)∨(Fb→P)        セ∨I
     シ(タ) (Fa→P)∨(Fb→P)∨(Fc→P) ソ∨I
1     (チ) (Fa→P)∨(Fb→P)∨(Fc→P) 23サシタ∨E
従って、
(03)により、
(04)
③(Fa→P)∨(Fb→P)∨(Fc→P)
④(Fa&Fb&Fc)→P
に於いて、
③=④ である。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
{個体領域}={a、b、c}
であるとして、
① ∃x(Fx→ P)
② ∀x(Fx)→P
に於いて、
①=② である。
といふことは、
③(Fa→P)∨(Fb→P)∨(Fc→P)
④(Fa&Fb&Fc)→P
に於いて、
③=④ である。
といふことに、「等しい」が故に、
① ∃x(Fx→ P)
② ∀x(Fx)→P
③(Fa→P)∨(Fb→P)∨(Fc→P)
④(Fa&Fb&Fc)→P
に於いて、
①=③ であって、
②=④ であって、
①=② であって、
③=④ である。
従って、
(01)~(05)により、
(06)
「述語論理式」は、「命題論理式」の「一種」であるが、
「述語論理式」を、「命題論理式」に、書き換へようとすると、
(ⅰ)
1  (1) ∃x(Fx→P) A
 2 (2) ∀x(Fx)   A
  3(3)    Fa→P  A
 2 (4)    Fa    2UE
 23(5)       P  34MPP
12 (6)       P  135EE
1  (7)∀x(Fx)→P  26CP
で済むところが、
{個体領域}={a、b、c}
であるとしても、
(ⅲ)
1         (1) (Fa→P)∨(Fb→P)∨(Fc→P) A
 2        (2) (Fa→P)               A
  3       (3)    ~P                A
 23       (4) ~Fa                  23MTT
 23       (5) ~Fa∨~Fb              4∨I
 23       (6) ~Fa∨~Fb∨~Fc          5∨I
 23       (7) ~(Fa&Fb&Fc)          6ド・モルガンの法則
 2        (8) ~P→~(Fa&Fb&Fc)       37CP
   9      (9)     (Fa&Fb&Fc)       A
   9      (ア)   ~~(Fa&Fb&Fc)       9DN
 2 9      (イ)~~P                   8アDN
 2 9      (ウ)  P                   イDN
 2        (エ) (Fa&Fb&Fc)→P         9ウCP
    オ     (オ)        (Fb→P)        A
     カ    (カ)           ~P         A
    オカ    (キ)        ~Fb           オカMTT
    オカ    (ク)    ~Fa∨~Fb           キ∨I
    オカ    (ケ)    ~Fa∨~Fb∨~Fc       ク∨I
    オカ    (コ)    ~(Fa&Fb&Fc)       ケ、ド・モルガンの法則
    オ     (サ) ~P→~(Fa&Fb&Fc)       カコCP
      シ   (シ)     (Fa&Fb&Fc)       A
      シ   (ス)   ~~(Fa&Fb&Fc)       シDN
    オ シ   (セ)~~P                   サスMTT
    オ シ   (ソ)  P                   セDN
    オ     (タ)     (Fa&Fb&Fc)→P     シソCP
       チ  (チ)               (Fc→P) A
        ツ (ツ)                  ~P  A
       チツ (テ)               ~Fc    チツMTT
       チツ (ト)           ~Fb∨~Fc    テ∨I
       チツ (ナ)       ~Fa∨~Fb∨~Fc    ト∨I
       チツ (ニ)       ~(Fa&Fb&Fc)    ナ、ド・モルガンの法則
       チ  (ヌ)    ~P→~(Fa&Fb&Fc)    ツニCP
         ネ(ネ)        (Fa&Fb&Fc)    A
         ネ(ノ)      ~~(Fa&Fb&Fc)    ネDN
       チ ネ(ハ)   ~~P                ヌノMTT
       チ ネ(ヒ)     P                ハDN
       チ  (フ)    (Fa&Fb&Fc)→P      ネヒCP
1         (ヘ)    (Fa&Fb&Fc)→P      123エオタチフ∨E
のやうに「計算」が「長く」なってしまひ、「同じ計算の繰り返し」が、「途中で、嫌になる」。
然るに、
(07)
① ∃x(Fx→ P)
② ∀x(Fx)→P
といふ「述語論理式」を、
③(Fa→P)∨(Fb→P)∨(Fc→P)
④(Fa&Fb&Fc)→P
といふ「命題論理式」に「書き換へる」ならば、
① ∃x(Fx→ P)
② ∀x(Fx)→P
といふ「述語論理式」の「意味」を、「完璧に、把握」することが、出来る。
然るに、
(08)
{xの変域}}={a、b、c}
であるとして、
③(Fa→P)∨(Fb→P)∨(Fc→P)
④(Fa&Fb&Fc)→P
に於いて、
③ は「任意のxについて、xがFならば、Pである。」
④ は「全てのxについて、xがFならば、Pである。」
といふ風に、「読むこと」が出来る。
然るに、
(09)
I like all teachers at school.
(私は学校のすべての先生が好きです。)
I like every teacher at school.
(私は学校のどの先生も好きです。)
ニュアンスを意識して日本語にすると、こんな感じでしょうか。この文章はどちらも学校の先生が全員好きであることを表しています。
(「全て」を意味する「all」と「every」の違いとは?https://nativecamp.net)
然るに、
(08)(09)により、
(10)
任意の
全ての
の「違ひ」は、
every
all
の「違ひ」であると、思はれる。
令和04年02月09日、毛利太。

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