(01)
【高校数学A】で習う通り、
「男子3人、女子2人の、5人の生徒」が、「くじ引き」で、
「一列に並ぶ際」に、「女子2人」が「最後の2人」になる「確率P」は、
「(3!×2!)÷5!=12÷120=0.1(10%)」である。
然るに、
(02)
男子={A,B,C}
女子={D,E}
であるとして、
「5人(A,B,C,D,E)」の並び方」の「構成(construction)」は、
ABCDE ABDCE ACBDE ACDBE ADBCE ADCBE
BACDE BADCE BCADE BCDAE BDACE BDCAE
CABDE CADBE CBADE CBDAE CDABE CDBAE
DABCE DACBE DBACE DBCAE DCABE DCBAE
ABCED ABDEC ACBED ACDEB ADBEC ADCEB
BACED BADEC BCAED BCDEA BDAEC BDCEA
CABED CADEB CBAED CBDEA CDAEB CDBEA
DABEC DACEB DBAEC DBCEA DCAEB DCBEA
ABECD ABEDC ACEBD ACEDB ADEBC ADECB
BAECD BAEDC BCEAD BCEDA BDEAC BDECA
CAEBD CAEDB CBEAD CBEDA CDEAB CDEBA
DAEBC DAECB DBEAC DBECA DCEAB DCEBA
AEBCD AEBDC AECBD AECDB AEDBC AEDCB
BEACD BEADC BECAD BECDA BEDAC BEDCA
CEABD CEADB CEBAD CEBDA CEDAB CEDBA
DEABC DEACB DEBAC DEBCA DECAB DECBA
EABCD EABDC EACBD EACDB EADBC EADCB
EBACD EBADC EBCAD EBCDA EBDAC EBDCA
ECABD ECADB ECBAD ECBDA ECDAB ECDBA
EDABC EDACB EDBAC EDBCA EDCAB EDCBA
による、「120通リ」であって、その内、
ABCDE ACBDE
BACDE BCADE
CABDE CBADE
ABCED ACBED
BACED BCAED
CABED CBAED
は「6(縦)×2(横)=12通リ」である。
従って、
(01)(02)により、
(03)
「数学の証明」とは「構成(construction)」である(直観主義論理)」。
として、「確率」とは、『面積の比』であるとするならば、
「男子3人、女子2人の、5人の生徒」が、「くじ引き」で、
「一列に並ぶ際」に、「女子2人」が「最後の2人」になる「確率P」は、
(3!×2!)÷5!=12÷120=0.10(10%)である。
という「命題」は、「未来永劫(いかなる可能世界であっても)、真である。」
然るに、
(04)
①「女生徒は、男子生徒よりも、背が低いことが多い」とは言えない。
②「女生徒は、男子生徒よりも、背が低いことが多い」。
に於いて、
① を「帰無仮説」とし、
② を「対立仮説」とする。
然るに、
(01)により、
(05)
「男子3人、女子3人の、6人の生徒」が、「身長の大きい順」に、
「一列に並ぶ際」に、「女子3人」が「最後の3人」になる「確率P」は、
(3!×3!)÷6!=36÷720=0.05(5%)である。
従って、
(06)
「5%」という「P値」を、
「偶然には起こり得ない程、小さな値」であると「仮定」すると、
①「女生徒は、男子生徒よりも、背が低いことが多い」とは言えない。
とは言えない。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
「5%」という「P値」を、
「偶然には起こり得ない程、小さな値」であると「見做す」のであれば、
①「女生徒は、男子生徒よりも、背が低いことが多い」とは言えない。
②「女生徒は、男子生徒よりも、背が低いことが多い」。
に於いて、
「① 帰無仮説」が「否定(棄却)」されて、
「② 対立仮説」が「肯定(採択)」される。
然るに、
(08)
P値 P-value
P値が小さいほど、検定統計量がその値となることはあまり起こりえないことを意味する。
一般的にP値が5%または1%以下の場合に「帰無仮説」を偽として棄却し、「対立仮説」
を採択する(統計用語集)。
(09)
「有意水準が赤点のボーダーラインであり、P値がテストの点数」なのです。これを知っておくと、実は「有意/有意でない」というのは、有意水準をどこに設定するか次第であるということがわかると思います。つまり、通常は5%に有意水準を設定しますが、それをゆるくして、10%したり、きびしく1%にすれば、「有意/有意でない」という結論が変わってくるということです(吉田寛大輝、いちばんやさしい医療統計、2019年61頁)。
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
①「女生徒は、男子生徒よりも、背が低いことが多い」とは言えない。
②「女生徒は、男子生徒よりも、背が低いことが多い」。
に於いて、
① を「真」とするか、
② を「真」とするか。
という「結論」は、
①「P値(5%)」を「小さい」とするか、
②「P値(5%)」を「小さくない」とするか。
という、「(仮説検定を行う人間の)単なる主観」に過ぎない。
従って、
(10)により、
(11)
「P値」が、「10%」ではなく、「5%」であるとして、
「男子3人、女子2人の、5人の生徒」が、「身長の大きい順」で、
「一列に並ぶ際」に、「女子2人」が「最後の2人」になる「確率P」は、
(3!×2!)÷5!=12÷120=0.10(10%)である。
ということに加えて、
「男子3人、3人の、6人の生徒」が、「身長の大きい順」で、
「一列に並ぶ際」に、「女子3人」が「最後の3人」になる「確率P」は、
(3!×3!)÷6!=36÷720=0.05(5%)である。
ということは、
①「女生徒は、男子生徒よりも、背が低いことが多い」とは言えない。
②「女生徒は、男子生徒よりも、背が低いことが多い」。
に於いて、「どちらが本当か」は、「(3人目の女子の)データで決まる」。
ということを、「意味」している。
然るに、
(12)
「データによって、真偽が定まる命題」を、「未来永劫、真である。」
とは、「言えない」。
従って、
(01)~(12)により、
(13)
「数学的に真である命題」は、「未来永劫(いかなる可能世界であっても)真である。」
のに対して、
「医学的に真である命題」は、「確率的に(蓋然的に)正しい」ということに、過ぎない。
従って、
(13)により、
(14)
「医学的な命題」が、「統計(確率)」に基く以上、
「この患者の、この症状」は、「ワクチンAの副作用」である。
ということに対する「証明」が、「数学でいう、文字通りの証明」であることは、
『原理的に、不可能』である。
従って、
(14)により、
(15)
「医師に過失行為が認められ、患者が亡くなっても、その両者の間に因果関係がなければ、損害賠償責任は発生しません。これは患者の死亡が医療ミスによる損害であるとはいえないからです(勤務医の方は必見、医師賠償保険責任ガイド)。」とは言うものの、
「ワクチンAの副作用」によって、「患者が死亡したとしても」、「因果関係」に対する、「(数学的な)証明」は、『原理的に、不可能』である。
令和5年2月21日、毛利太。
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