2023年2月13日月曜日

「象は鼻が長い」の「述語論理」と「直観主義論理」。

(01)
① 象は鼻長い。然るに、
② 兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
③ 象は兎ではない。
といふ「推論」は「妥当」である。
然るに、
(02)
1   (1)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)} A
 2  (2)∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}         A
1   (3)   象a→∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z)  1UE
 2  (4)   兎a→∃z(耳za&~鼻za&長z)          2UE
  5 (5)   兎a                          A
 25 (6)      ∃z(耳za&~鼻za&長z)          45MPP
    7(7)           耳ba&~鼻ba&長b           A
   7(8)             ~鼻ba&長b           7&E
   7(9)          ∃z(~鼻za&長z)          8EI
 25 (ア)          ∃z(~鼻za&長z)          679EE
 25 (イ)     ~∃y(鼻ya&長y)∨ ∃z(~鼻za&長z)  ア∨I
 25 (ウ)    ~{∃y(鼻ya&長y)&~∃z(~鼻za&長z)  イ、ド・モルガンの法則
125 (エ)  ~象a                          3ウMTT
12  (オ)   兎a→~象a                      5エCP
   カ(カ)       象a                      A
   カ(キ)     ~~象a                      キ「二重否定の法則
12 カ(ク)  ~兎a                          オキMTT
12  (ケ)   象a→~兎a                      カクCP
12  (コ)∀x(象x→~兎x)                     ケUI
従って、
(02)により、
(03)
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。然るに、
② ∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}。従って、
③ ∀x(象x→~兎x)。
といふ「推論」、すなはち、
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、yは長い)が、あるzが(xの鼻ではなくて、zが長い)といふことはない}。然るに、
② すべてのxについて{xが兎であるならば、zはxの耳であって、xの鼻ではなく、zは長い}。
③ すべてのxについて(xが象であるならば、xは兎ではない)。
といふ「推論」は、『述語論理』としても「妥当」である。
然るに、
(01)(03)により、
(04)
② すべてのxについて{xが兎であるならば、zはxの耳であって、xの鼻ではなく、zは長い}。
③ すべてのxについて(xが象であるならば、xは兎ではない)。
といふことは、
② 兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
③ 象は兎ではない。
といふことに、他ならない。
従って、
(01)(03)(04)により、
(05)
① 象は鼻長い。
といふ「日本語」は、『述語論理』に「翻訳」した場合は、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。
① すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、yは長い)が、あるzが(xの鼻ではなくて、zが長い)といふことはない}。
といふ「意味」、すなはち、
① 象は鼻長く、鼻以外は長くない
といふ「意味」になる。
従って、
(01)(05)により、
(06)
① 象は鼻長い。
といふ「日本語」は、
① 象は鼻長(く、鼻以外は長く
といふ「意味」であるからこそ、
① 象は鼻長い。然るに、
② 兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
③ 象は兎ではない。
といふ「推論」は『妥当である
然るに、
(07)
直観主義論理(intuitionistic logic):
したがって、直観主義においては、「ある命題かその命題の否定かのどちらかが必ず真である」という排中律(A∨~A)は認められない。
また、Aではないことが真ではないからといって、Aが真であるとは言えないから、二重否定の法則(~~A→A)も認められない
(したがって背理法の使用も制限される。)
従って、
(02)(07)により、
(08)
直観主義論理」の場合は、
12 (オ) 兎a→~象a 5エCP
  カ(カ)     象a A
  カ(キ)   ~~象a キ「二重否定の法則
  12カ(ク)~兎a     オキMTT
12 (ケ) 象a→~兎a
   に於いて、
  カ(カ)     象a A
  カ(キ)   ~~象a キ「二重否定の法則
  は、「認められない」。
従って、
(02)(03)(08)により、
(09)
直観主義論理」の場合は、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。然るに、
② ∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}。従って、
③ ∀x(象x→~兎x)。
  といふ「推論」は『妥当ではない
従って、
(01)(02)(06)(09)により、
(10)
直観主義論理」からすると、
① 象は鼻長い。然るに、
② 兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
③ 象は兎ではない。
といふ「推論」は「妥当ではない
といふ、ことになるが、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&~∃z(~鼻zx&長z)}。然るに、
② ∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}。従って、
③ ∀x(象x→~兎x)。
といふ「推論」、すなはち、
① 象は鼻長(く、鼻以外は長く。然るに、
② 兎の耳は長いが、兎の耳は鼻ではない。従って、
③ 象は兎ではない。
といふ「推論」は、明らかに、「妥当である
従って、
(10)により、
(11)
日本語」といふ「視点」からすれば、
直観主義論理」は、「メチャクチャな論理」である。
令和5年2月13日、毛利太。

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