(01)
例へば、
①(Ga)≡(aさんは群馬県民である)。
②(Fa)≡(aさんは福岡県民である)。
に於いて、
①=② でない。
従って、
(01)により、
(02)
①(Ga&Fb&Fc)=(aは群馬であって、bは福岡であって、cは福岡である)。
②(Fa&Fb&Fc)=(aは福岡であって、bは福岡であって、cは福岡である)。
に於いて、
①=② でない。
従って、
(02)により、
(03)
①(Ga&Fb&Fc)
②(Fa&Fb&Fc)
に於いて、
①=② でない。
といふ「理由」により、
①(Ga&Fb&Fc)
②(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
に於いて、すなはち、
①(Ga&Fb&Fc)
②(Fa&Fb&Fc)か、または(Ga&Gb&Gc)
に於いて、
①⇒② ではない。
然るに、
(04)
1 (1)(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc) A
2 (2)(Fa&Fb&Fc) A
2 (3) Fa 2&E
2 (4) Fa∨Ga 3∨I
2 (5) Fb 2&E
2 (6) Fb∨Gb 5∨I
2 (7) Fc 2&E
2 (8) Fc∨Gc 7∨I
2 (9)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb) 46&I
2 (ア)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc) 89&I
イ(イ) (Ga&Gb&Gc) ア
イ(ウ) Ga イ&E
イ(エ) Fa∨Ga ウ∨I
イ(カ) Gb イ&E
イ(キ) Fb∨Gb カ∨I
イ(ク) Gc イ&E
イ(ケ) Fc∨Gc ク∨I
イ(コ)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb) エキ&I
イ(サ)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc) ケコ&I
1 (シ)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc) 12Aイサ∨E
従って、
(04)により、
(05)
②(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
③(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
に於いて、
②⇒③ である。
然るに、
(06)
1(1) Ga&Fb&Fc A
1(2) Ga 1&E
1(3) Fb 1&E
1(4) Fc 1&E
1(5) Fa∨Ga 2∨I
1(6) Fb∨Gb 3∨I
1(7) Gc∨Gc 4∨I
1(8)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb) 56&I
1(9)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Gc∨Gc) 78&I
従って、
(06)により、
(07)
①(Ga&Fb&Fc)
③(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
に於いて、
①⇒③ である。
従って、
(03)(05)(07)により、
(08)
①(Ga&Fb&Fc)
②(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
③(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
に於いて、
①⇒② ではない。
②⇒③ である。
①⇒③ である。
従って、
(09)
①(Ga&Fb&Fc)
②(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
③(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
に於いて、
②⇒③ であるが、
① であるならば、
③ ではあるが、② ではない。
従って、
(09)により、
(10)
①(Ga&Fb&Fc)
②(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
③(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
に於いて、
②⇒③ であるが、
③⇒② であるとは、「限らない」。
従って、
(10)により、
(11)
「番号」を「付け替へる」として、
①(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
に於いて、
①⇒② であるが、
②⇒① であるとは「限らない」が、このことは、「実際には」、
①(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
を見れば、「それだけで、明白である」。
然るに、
(12)
{xの変域}={aさん、bさん、cさん}
であるとして、
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx)
② ∀x(Fx&Gx)
といふ「述語論理式」は、それぞれ、
①(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
といふ「(命題)論理式」に「等しい」。
然るに、
(13)
112 ∀x(Fx)∨∀x(Gx)├ ∀x(Fx∨Gx)
1 (1)∀x(Fx)∨∀x(Gx) A
2 (2)∀x(Fx) A
2 (3) Fa 2UE
2 (4) Fa∨Ga 3∨I
2 (5)∀x(Fx∨Gx) 4UI
6(6) ∀x(Gx) A
6(7) Ga 5UE
6(8) Fa∨Ga 7∨I
6(9) ∀x(Fx∨Gx) 8UI
1 (ア)∀x(Fx∨Gx) 12569∨E
― 中略 ―
逆の連式、∀x(Fx∨Gx)├ ∀x(Fx)∨∀x(Gx) は妥当ではない。
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、155頁)
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx)
② ∀x(Fx&Gx)
に於いて、
① であるならば、 ② であるが、
② であるとしても、① であるとは、限らない。
然るに、
(15)
1 (1)∀x(Fx∨Gx) A
1 (2) Fa∨Gb 1UE
3(3) Fa A
Fa∨Gb を(1)から結論し、そして第1の選言項 Fa を(3)の行に仮定する。
しかし(3)はaを含むが故、ここで ∀x(Fx)を結論することは出来ない。
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、156頁)
といふ「説明」は、「私には、分かり易い」が、「初学者には、分かり難い」。
従って、
(12)~(15)により、
(16)
「述語論理」は「命題論理」よりも「難解」である。
令和5年8月12日、毛利太。
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