2023年8月11日金曜日

「述語論理」は「命題論理」よりも「難解」である。

(01)
例へば、
①(a)≡(aさんは群馬県民である)。
②(a)≡(aさんは福岡県民である)。
に於いて、
①=② でない。
従って、
(01)により、
(02)
①(Ga&Fb&Fc)=(aは群馬であって、bは福岡であって、cは福岡である)。
②(Fa&Fb&Fc)=(aは福岡であって、bは福岡であって、cは福岡である)。
に於いて、
①=② でない。
従って、
(02)により、
(03)
①(Ga&Fb&Fc)
②(Fa&Fb&Fc)
に於いて、
①=② でない。
といふ「理由」により、
①(Ga&Fb&Fc)
②(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
に於いて、すなはち、
①(Ga&Fb&Fc)
②(Fa&Fb&Fc)か、または(Ga&Gb&Gc)
に於いて、
①⇒② ではない。
然るに、
(04)
1  (1)(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)   A
 2 (2)(Fa&Fb&Fc)              A
 2 (3) Fa                     2&E
 2 (4) Fa∨Ga                  3∨I
 2 (5)    Fb                  2&E
 2 (6)    Fb∨Gb               5∨I
 2 (7)       Fc               2&E
 2 (8)       Fc∨Gc            7∨I
 2 (9)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)         46&I
 2 (ア)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc) 89&I
  イ(イ)           (Ga&Gb&Gc)   ア
  イ(ウ)            Ga          イ&E
  イ(エ)         Fa∨Ga          ウ∨I
  イ(カ)               Gb       イ&E
  イ(キ)            Fb∨Gb       カ∨I
  イ(ク)                  Gc    イ&E
  イ(ケ)               Fc∨Gc    ク∨I
  イ(コ)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)         エキ&I
  イ(サ)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc) ケコ&I
1  (シ)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc) 12Aイサ∨E
従って、
(04)により、
(05)
②(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
③(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
に於いて、
②⇒③ である。
然るに、
(06)
1(1) Ga&Fb&Fc               A
1(2) Ga                     1&E
1(3)    Fb                  1&E
1(4)       Fc               1&E
1(5) Fa∨Ga                  2∨I
1(6)    Fb∨Gb               3∨I
1(7)       Gc∨Gc            4∨I
1(8)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)         56&I
1(9)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Gc∨Gc) 78&I
従って、
(06)により、
(07)
①(Ga&Fb&Fc)
③(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
に於いて、
①⇒③ である。
従って、
(03)(05)(07)により、
(08)
①(Ga&Fb&Fc)
②(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
③(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
に於いて、
①⇒② ではない。
②⇒③ である。
①⇒③ である。
従って、
(09)
①(Ga&Fb&Fc)
②(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
③(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
に於いて、
②⇒③ であるが、
① であるならば、
③ ではあるが、② ではない。
従って、
(09)により、
(10)
①(Ga&Fb&Fc)
②(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
③(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
に於いて、
②⇒③ であるが、
③⇒② であるとは、「限らない」。
従って、
(10)により、
(11)
「番号」を「付け替へる」として、
①(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
に於いて、
①⇒② であるが、
②⇒① であるとは「限らない」が、このことは、「実際には」、
①(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
を見れば、「それだけで、明白である」。
然るに、
(12)
{xの変域}={aさん、bさん、cさん}
であるとして、
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx)
② ∀x(Fx&Gx)
といふ「述語論理式」は、それぞれ、
①(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
といふ「(命題)論理式」に「等しい」。
然るに、
(13)
112 ∀x(Fx)∨∀x(Gx)├ ∀x(Fx∨Gx)
1  (1)∀x(Fx)∨∀x(Gx) A
 2 (2)∀x(Fx)        A
 2 (3)   Fa         2UE
 2 (4)   Fa∨Ga      3∨I
 2 (5)∀x(Fx∨Gx)     4UI
  6(6)       ∀x(Gx) A
  6(7)          Ga  5UE
  6(8)       Fa∨Ga  7∨I
  6(9)    ∀x(Fx∨Gx) 8UI
1  (ア)∀x(Fx∨Gx)     12569∨E
      ― 中略 ―
逆の連式、∀x(Fx∨Gx)├ ∀x(Fx)∨∀x(Gx) は妥当ではない。
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、155頁)
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx)
② ∀x(Fx&Gx)
に於いて、
① であるならば、 ② であるが、
② であるとしても、① であるとは、限らない。
然るに、
(15)
1 (1)∀x(Fx∨Gx) A
1 (2)   Fa∨Gb  1UE
 3(3)   F     A
Fa∨Gb を(1)から結論し、そして第1の選言項 Fa を(3)の行に仮定する。
しかし(3)はを含むが故、ここで ∀x(Fx)を結論することは出来ない。
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、156頁)
といふ「説明」は、「私には、分かり易い」が、「初学者には、分かり難い」。
従って、
(12)~(15)により、
(16)
述語論理」は「命題論理」よりも「難解」である。
令和5年8月12日、毛利太。

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