2016年3月10日木曜日

「述語論理訓読」法。

―「この記事」は、書き直します。―
(01)
  ~=ではない。
  ∨=または、
  &=尚且つ、
  →=ならば、
( )=といふ
 ∃x=そのやうなxが存在する。
 ∀x=ことは、全てのxに於いて、正しい。
(02)
① ∀x(∃y(親(xy)))
② ∀x(∃y(親(yx)))
③ ∃x(∀y(親(xy)))
④ ∃x(∀y(親(yx)))
に於いて、
その右側が、( )と接してゐる限り、より内側の( )の中を先に読む。
とするならば、
① xy 親 ∃y ∀x
② yx 親 ∃y ∀x
③ xy 親 ∀y ∃x
③ yx 親 ∀y ∃x
といふ「順番」で、読むことになる。
然るに、
(03)
① ∀x(∃y(親(xy)))
といふ風に、並んでゐるそれを、
① xy 親 ∃y ∀x
といふ「順番」で読むといふことは、
① ∀x(∃y(親(xy)))
に於いて、
① ∀x( )⇒( )∀x
① ∃y( )⇒( )∃y
①  親( )⇒( )親
といふ「倒置」を行ふことに、等しい。
然るに、
(04)
① ∀x(∃y(親(xy)))
に於いて、
その右側が、( )と接してゐる限り、より内側の( )の中を先に読む。
のであれば、
① ∀x(∃y(親(xy)))=
① (((xはyの)親である。)といふ、そのやうなyが存在する。)といふことは、全てのxに於いて、正しい。
といふ、ことになる。
然るに、
(05)
xが人であり、
yも人であって、尚且つ、
① (((xはyの)親である。)といふ、そのやうなyが存在する。)といふことは、全てのxに於いて、正しい。
といふこと、すなはち、
① (((yはxの)子である。)といふ、そのやうなyが存在する。)といふことは、全てのxに於いて、正しい。
といふことは、
① サザエさんの家の、タラちゃんを含めて、全ての人に、子供がゐる。
といふことを、意味してゐるものの、アニメの中の、タラちゃんに、子供はゐない。
従って、
(04)(05)により、
(06)
① ∀x(∃y(親(xy)))
といふ「述語論理」は、「偽(ウソ)」である。
(07)
② ∀x(∃y(親(yx)))
に於いて、
その右側が、( )と接してゐる限り、より内側の( )の中を先に読む。
のであれば、
② ((yはxの)親である。)といふ、そのやうなyが存在する。)といふことは、全てのxに於いて、正しい。
といふ、ことになる。
然るに、
(08)
xが人であり、
yも人であって、尚且つ、
② ((yはxの)親である。)といふ、そのやうなyが存在する。)といふことは、全てのxに於いて、正しい。
といふことは、
② 全ての人には、親がゐる(ゐた)。
といふ、意味である。
cf.
take any x:there is a y such that y is parent of x.
(E.J.Lemmon,Beginning logic,1965,p99)
任意のxを選ぶとせよ。するとyがxの親であるようなyが存在する。
(世界思想社、論理学初歩、1973年、126頁改)
従って、
(07)(08)により、
(09)
② ∀x(∃y(親(yx)))
といふ「述語論理」は、「真(本当)」である。
(10)
③ ∃x(∀y(親(xy)))
に於いて、
その右側が、( )と接してゐる限り、より内側の( )の中を先に読む。
のであれば、
③ ∃x(∀y(親(xy)))=
③ (((xがyの)親である。)といふことが、全てのyに於いて、正しい。)といふ、そのやうなxが存在する。
といふ、ことになる。
然るに、
(11)
xが人であり、
yも人であって、尚且つ、
③ (((xがyの)親である。)といふことが、全てのyに於いて、正しい。)といふ、そのやうなxが存在する。
といふことは、
③ 全人類の親である人が、ゐる。
③ その人には、約75億人の子供がゐる。
といふ、意味である。
従って、
(10)(11)により、
(12)
③ ∃x(∀y(親(xy)))
といふ「述語論理」は、「偽(ウソ)」である。
(13)
④ ∃x(∀y(親(yx)))
に於いて、
その右側が、( )と接してゐる限り、より内側の( )の中を先に読む。
のであれば、
④ ∃x(∀y(親(yx)))=
④ (((yはxの)親である。)といふことが、全てのyに於いて、正しい。)といふ、そのやうなxが存在する。
といふ、ことになる。
然るに、
(14)
xが人であり、
yも人であって、尚且つ、
④ (((yはxの)親である。)といふことが、全てのyに於いて、正しい。)といふ、そのやうなxが存在する。
といふこと、すなはち、
④ (((xはyの)子である。)といふことが、全てのyに於いて、正しい。)といふ、そのやうなxが存在する。
といふことは、
④ xは、タラちゃんの子供であって、尚且つ、サザエさんの子供であり、尚且つ、オバマの子供であって、尚且つ、あなたの子供である。
といふことに、他ならない。
従って、
(13)(14)により、
(15)
④ ∃x(∀y(親(yx)))
といふ「述語論理」は、「偽(ウソ)」である。
従って、
(06)(09)(12)(15)により、
(19)
① ∀x(∃y(親(xy)))
② ∀x(∃y(親(yx)))
③ ∃x(∀y(親(xy)))
④ ∃x(∀y(親(yx)))
に於いて、
② だけが、「真(本当)」である。
(20)
⑤ ∃x(少女(x)&∀y(少年(y)→愛(yx)))
⑥ ∀x(少年(x)→∃y(少女(y)&愛(xy)))
に於いて、
左から右へ読むものの、その右側が、( )と接してゐる限り、より内側の( )の中を先に読む。
のであれば、
⑤ x 少女 & y 少年 → yx 愛 ∀y ∃x
⑥ x 少年 → y 少女 & xy 愛 ∃y ∀x
といふ「順番」で、読むことになる。
然るに、
(21)
⑤ ∃x(少女(x)&∀y(少年(y)→愛(yx)))
といふ風に、並んでゐるそれを、
⑤ x 少女 & y 少年 → yx 愛 ∀y ∃x
といふ「順番」で読むといふことは、
⑤ ∃x(少女(x)&∀y(少年(y)→愛(yx)))
に於いて、
⑤ ∃x( )⇒( )∃x
⑤ 少女( )⇒( )少女
⑤ ∀y( )⇒( )∀y
⑤ 少年( )⇒( )少年
⑤  愛( )⇒( )愛
といふ「倒置」を行ふことに、等しい。
(22)
⑤ ∃x(少女(x)&∀y(少年(y)→愛(yx)))
に於いて、
左から右へ読むものの、その右側が、( )と接してゐる限り、より内側の( )の中を先に読む。
のであれば、
⑤ ((xは)少女であって、尚且つ、((yが)少年である、ならば、(yはxを)愛する。)といふことが、全てのyに於いて、正しい。)といふ、そのやうなxが存在する。
といふ風に、読むことが、出来る。
然るに、
(23)
⑤ ((xは)少女であって、尚且つ、((yが)少年である、ならば、(yはxを)愛する。)といふことが、全てのyに於いて、正しい。)といふ、そのやうなxが存在する。
といふことは、「少女xは、全少年によって愛されてゐる所の、スーパーアイドルである。」といふことに、他ならない。
(24)
⑥ ∀x(少年(x)→∃y(少女(y)&愛(xy)))
に於いて、
左から右へ読むものの、その右側が、( )と接してゐる限り、より内側の( )の中を先に読む。
のであれば、
⑥ ((xが)少年であるならば、((yは)少女であって、尚且つ、(xはyを)愛する。)といふ、そのやうなyが存在する。)といふことは、全てのxに於いて、正しい。
といふ風に、読むことが、出来る。
然るに、
(25)
⑥ ((xが)少年であるならば、((yは)少女であって、尚且つ、(xはyを)愛する。)といふ、そのやうなyが存在する。)といふことは、全てのxに於いて、正しい。
といふことは、「全ての少年には、愛してゐる所の少女がゐる。」といふことに、他ならない。
然るに、
(26)
⑥ ∃y(少女(y)&愛(xy))
といふのは、
⑥ そのやうな少女が、少なくとも、一人ゐる。
といふ、意味である。
しかしながら、
(27)
「全ての少年には、愛してゐる所の少女がゐる。」といふことは、普通は、
「全ての少年は、それぞれが、別の少女を愛してゐて、出来れば、その少女と結婚したい。」といふ場合である。
従って、
(22)~(27)により、
(28)
⑤ ∃x(少女(x)&∀y(少年(y)→愛(yx)))
⑥ ∀x(少年(x)→∃y(少女(y)&愛(xy)))
に於いて、前者と後者は、「述語論理」として、明確に、異なってゐる。
(29)
ド・モルガンが、明らかにに健全であるにもかかわらず、伝統的論理学のわくぐみのなかでは取り扱うことができなかった論証とし挙げた、有名な、また簡単な論証がある。
(1) All horses are animals;therefore all horses'heads are animal's head.
(E.J.Lemmon,Beginning logic,1965,p99)
(1) すべての馬は動物である。故にすべての馬の頭は動物の頭である。
(世界思想社、論理学初歩、1973年、167頁)
(30)
⑦  ∀x(馬(x)→動物(x))├ ∀x(∃y(馬(y)&頭(xy))→∃y(動物(y)&頭(xy)))
に於いて、
左から右へ読むものの、その右側が、( )と接してゐる限り、より内側の( )の中を先に読む。
のであれば、
⑦ ((xは)馬であるならば、(xは)動物である。)といふことが、全てのxに於いて、正しい。が故に、(((yは)馬であって、尚且つ、(xはyの)頭である。)といふ、そのやうなyが存在する。のであれば、(yは)動物であって、尚且つ、(xはyの)頭である。)といふ、そのやうなyが存在する。)といふことは、全てのxに於いて、正しい。
といふ風に、読むことが、出来る。
(31)
⑦  ∀x(∃y(馬(y)&頭(xy))→∃y(動物(y)&頭(xy)))
が、「縦書き」である際に、「返り点」を付けるとしたら、
⑦ 丁 三 レ 二 一 丙 ハイフン レ 乙 甲
といふ、それが、付くことになる。
平成28年03月10日、毛利太。

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