2022年8月10日水曜日

「象は鼻が長い」の「対偶」の「述語論理」(Ⅱ)。

(01)
1     (1)∀x{∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx&長z)→~象x} A
 2    (2)∀x{亀x→∃y(鼻yx&~長y)}              A
  3   (3)∃x(亀x&象x)                       A
1     (4)   ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za&長y)→~象a  1UE
 2    (5)   亀a→∃y(鼻ya&~長y)               2UE
   6  (6)   亀a&象a                        A
   6  (7)   亀a                           6&E
 2 6  (8)      ∃y(鼻ya&~長y)               57MPP
    9 (9)         鼻ba&~長b                A
    9 (ア)             ~長b                9&E
   6  (イ)      象a                        6&E
   6  (ウ)    ~~象a                        イDN
1  6  (エ) ~{∀y(鼻ya→~長y)∨ ∃z(~鼻za&長y)}    4ウMTT
1  6  (オ)  ~∀y(鼻ya→~長y)&~∃z(~鼻za&長y)     エ、ド・モルガンの法則
1  6  (カ)  ~∀y(鼻ya→~長y)                  オ&E
1  6  (キ)  ∃y~(鼻ya→~長y)                  カ量化子の関係
     ク(ク)    ~(鼻ba→~長b)                  A
     ク(ケ)   ~(~鼻ba∨~長b)                  ク含意の定義
     ク(コ)      鼻ba& 長b                   ケ、ド・モルガンの法則
     ク(サ)           長b                   コ&E
    9ク(シ)       ~長b&長b                   アサ&I
1  69 (ス)       ~長b&長b                   キクシEE
12 6  (セ)       ~長b&長b                   89スEE
123   (ソ)       ~長b&長b                   36セEE
12    (タ)~∃x(亀x&象x)                      3ソRAA
12    (チ)∀x~(亀x&象x)                      タ量化子の関係
12    (ツ)  ~(亀a&象a)                      チUE
12    (テ)  ~亀a∨~象a                       ツ、ド・モルガンの法則
12    (ト)   亀a→~象a                       テ含意の定義
12    (ナ)∀x(亀x→~象x)                      トUI
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)∀x{∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx&長z)→~象x}。然るに、
(ⅱ)∀x{亀x→∃y(鼻yx&~長y)}。従って、
(ⅲ)∀x(亀x→~象x)。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{すべてのyについて(yがxの鼻であるならばyは長くない)か、または、あるzについて(zがxの鼻ではなくて長い)ならば、xは象ではない}。然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが亀であるならば、あるyは(xの鼻であり、yは長くない)}。 従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが亀であるならば、xは象ではない。)
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(02)により、
(03)
(ⅰ)鼻が長くないか、鼻以外が長いならば、象ではない。然るに、
(ⅱ)亀の鼻は長くない。従って、
(ⅲ)亀は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
(04)
1    (1)∀x{∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx&長z)→~象x} A
 2   (2)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)& ∀z(耳zx→~鼻zx)} A
  3  (3)∃x(兎x&象x)                       A
1    (4)   ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za&長y)→~象a  1UE
 2   (5)   兎a→∃y(長y&耳ya)& ∀z(耳za→~鼻za)  2UE
   6 (6)   兎a&象a                        A
   6 (7)   兎a                           6&E
 2 6 (8)      ∃y(長y&耳ya)& ∀z(耳za→~鼻za)  57MPP
 2 6 (9)      ∃y(長y&耳ya)                8&E
 2 6 (ア)                  ∀z(耳za→~鼻za)  8&E
    イ(イ)         長b&耳ba                 A
 2 6 (ウ)                     耳ba→~鼻ba   アUE
    イ(エ)            耳ba                 イ&E
 2 6イ(オ)                         ~鼻ba   ウエMPP
    イ(カ)         長b                     イ&E
 2 6イ(キ)                  ~鼻ba&長b       オカ&I
 2 6イ(ク)               ∃z(~鼻za&長b)      キEI
 2 6 (ケ)               ∃z(~鼻za&長b)      9イクEE
 2 6 (コ)   ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za&長y)      ケ∨I
12 6 (サ)                           ~象a  4コMPP
12 6 (シ)      象a                        6&E
12 6 (ス)      象a&~象a                    サシ&I
123  (セ)      象a&~象a                    36スEE
12   (ソ)~∃x(兎x&象x)                      3セRAA
12   (タ)∀x~(兎x&象x)                      ソ量化子の関係
12   (チ)  ~(兎a&象a)                      タUE
12   (ツ)  ~兎a∨~象a                       チ、ド・モルガンの法則
12   (テ)   兎a→~象a                       ツ含意の定義
12   (ト)∀x(兎x→~象x)                      テUI
従って、
(04)により、
(05)
(ⅰ)∀x{∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx&長z)→~象x}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃y(長y&耳yx)& ∀z(耳zx→~鼻zx)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ「推論(三段論法)」、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{すべてのyについて(yがxの鼻であるならばyは長くない)か、または、あるzについて(zがxの鼻ではなくて長い)ならば、xは象ではない}。然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるyは長くて、xの耳であり、すべてのzについて(zがxの耳であるならば、zはxの鼻ではない)}。       従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎であるならば、xは象ではない。)
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(05)により、
(06)
(ⅰ)鼻が長くないか、鼻以外が長いならば、象ではない。然るに、
(ⅱ)兎の耳は長いが、耳は鼻ではない。        従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ「推論(三段論法)」は、「妥当」である。
従って、
(01)~(06)により、
(07)
(ⅰ)鼻が長くないか、鼻以外が長いならば、象ではない。然るに、
(ⅱ)亀の鼻は長くないし、
(ⅲ)兎の耳は長いが、耳は鼻ではない。        従って、
(ⅳ)亀は象ではなく、兎も象ではない。
といふ「推論」は、「妥当」である。
然るに、
(08)
(ⅰ)象は鼻長い。         然るに、
(ⅱ)亀の鼻は長くないし
(ⅲ)兎の耳は長いが、耳は鼻ではない。従って、
(ⅳ)亀は象ではなく、兎も象ではない。
といふ「推論」も、「妥当」である。
従って、
(07)(08)により、
(09)
① 象は鼻が長い。
② 鼻が長くないか、鼻以外が長いならば、象ではない。
に於いて、
①=② であるに、違ひない。
然るに、
(10)
(ⅲ)
1    (1)∀x{象x→∃y(鼻yx& 長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)} A
1    (2)   象a→∃y(鼻ya& 長y)& ∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 3   (3)      ∀y(鼻ya→~長y)∨ ∃z(~鼻za& 長b)  A
  4  (4)      ∀y(鼻ya→~長y)                A
  4  (5)         鼻ba→~長b                 5UE
  4  (6)        ~鼻ba∨~長b                 5含意の定義
  4  (7)       ~(鼻ba& 長b)                6ド・モルガンの法則
  4  (8)     ∀y~(鼻ya& 長y)                7UI
  4  (9)     ~∃y(鼻ya& 長y)                8量化子の関係
  4  (ア)     ~∃y(鼻ya& 長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)  9∨I
   5 (イ)                   ∃z(~鼻za& 長z)  A
    ウ(ウ)                      ~鼻ba& 長b   A
    ウ(エ)                     ~(鼻ba∨~長b)  ウ、ド・モルガンの法則
    ウ(オ)                    ~(~鼻ba→~長b)  エ含意の定義
    ウ(カ)                  ∃z~(~鼻za→~長z)  オEI
    ウ(キ)                  ~∀z(~鼻za→~長z)  カ量化子の関係
    ウ(ク)     ~∃y(鼻ya& 長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)  キ∨I
 3   (ケ)     ~∃y(鼻ya& 長y)∨~∀z(~鼻za→~長z)  34アウク∨E
 3   (コ)    ~{∃y(鼻ya& 長y)& ∀z(~鼻zx→~長z)} ケ、ド・モルガンの法則
13   (サ)  ~象a                            2コRAA
1    (シ)   ∀y(鼻ya→~長y)∨∃z(~鼻za& 長y)→~象a  3サCP
1    (ス)∀x{∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx& 長z)→~象x} シUI
(ⅳ)
1  (1) ∀x{∀y(鼻yx→~長y)∨ ∃z(~鼻zx& 長z)→~象x} A
1  (2)    ∀y(鼻ya→~長y)∨ ∃z(~鼻za& 長y)→~象a  1UE
 3 (3)                               象a  A
 3 (4)                             ~~象a  3DN
13 (5)  ~{∀y(鼻ya→~長y)∨ ∃z(~鼻za& 長y)}     24MTT
13 (6)   ~∀y(鼻ya→~長y)&~∃z(~鼻za& 長y)      5ド・モルガンの法則
13 (7)   ~∀y(鼻ya→~長y)                    6&E
13 (8)   ∃y~(鼻ya→~長y)                    7量化子の関係
  9(9)     ~(鼻ba→~長b)                    A
  9(ア)    ~(~鼻ba∨~長b)                    9含意の定義
  9(イ)      (鼻ba& 長b)                    ア、ド・モルガンの法則
  9(ウ)    ∃y(鼻ya& 長y)                    イEI
13 (エ)    ∃y(鼻ya& 長y)                    89ウEE
13 (オ)                ~∃z(~鼻za& 長y)      6&E
13 (カ)                ∀z~(~鼻za& 長y)      オ量化子の関係
13 (キ)                  ~(~鼻ba& 長b)      カUE
13 (ク)                   ~~鼻ba∨~長b       キ、ド・モルガンの法則
13 (ケ)                    ~鼻ba→~長b       ク含意の定義
13 (コ)                 ∀z(~鼻za→~長y)      ケUI
13 (サ)      ∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)      エコ&I
1  (シ)   象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)      3サCP
1  (ス)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}     シUI
従って、
(10)により、
(11)
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
④ ∀x{∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx&長z)→~象x}
に於いて、すなはち、
③ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyはxの鼻であって、長く、すべてのzについて(zがxの鼻でないならば、zは長くない)}。
④ すべてのxについて{すべてのyについて(yがxの鼻であるならばyは長くない)か、または、あるzについて(zがxの鼻ではなくて長い)ならば、xは象ではない}。
に於いて、
③=④ は、「対偶」である。
従って、
(09)(10)(11)により、
(12)
① 象は鼻長い。
② 鼻が長くないか、鼻以外が長いならば、象ではない。
といふ「日本語」は、
① ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}
② ∀x{∀y(鼻yx→~長y)∨∃z(~鼻zx&長z)→~象x}
といふ「意味」であって、
①=② すなはち、
③=④ は、「対偶」である。
令和04年08月10日、毛利太。

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