2022年11月1日火曜日

「述語論理」は「命題論理」である。

(01)
(ⅰ)
1 (1)∀x(Fx→~Gx) A
1 (2)   Fa→~Ga  1UE
 3(3)       Ga  A
 3(4)     ~~Ga  3DN
13(5)  ~Fa      24MTT
1 (6)   Ga→~Fa  35CP
1 (7)∀x(Gx→~Fx) 6UI
(ⅱ)
1 (1)∀x(Gx→~Fx) A
1 (2)   Ga→~Fa  1UE
 3(3)        Fa A
 3(4)      ~~Fa 3DN
13(5)  ~Ga      24MTT
1 (6)   Fa→~Ga  35CP
1 (7)∀x(Fx→~Gx) 6UI
従って、
(01)により、
(02)
① ∀x(Fx→~Gx)
② ∀x(Gx→~Fx)
に於いて、すなはち、
① すべてのxについて、xがFならば、xはGではない。
② すべてのxについて、xがGならば、xはFではない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
① FはGではない。
② GはFではない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(03)により、
(04) 
① FはGではない。
の場合、
②「逆」も必ず「真」である。
従って、 
(04)により、
(05)
例へば、
① 偶数は奇数ではない。
② 奇数は偶数ではない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(06)
(ⅲ)
1 (1)~∀x(Fx→~Gx) A
1 (2)∃x~(Fx→~Gx) 1量化子の関係
 3(3)  ~(Fa→~Ga) A
 3(4) ~(~Fa∨~Ga) 3含意の定義
 3(5)    Fa& Ga  4ド・モルガンの法則
 3(6) ∃x(Fx& Gx) 5EI
1 (7) ∃x(Fx& Gx) 236EE
(ⅳ)
1 (1) ∃x(Fx& Gx) A
 2(2)    Fa& Ga  A
 2(3) ~(~Fa∨~Ga) 2ド・モルガンの法則
 2(4)  ~(Fa→~Ga) 3含意の定義
 2(5)∃x~(Fx→~Gx) 4EI
1 (6)~∀x(Fx→~Gx) 2量化子の関係
従って、
(06)により、
(07)
③(すべてのxについて、xがFならば、xはGではない)といふわけではない。
④(Fであって、Gであるx)が存在する。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(07)により、
(08)
③(FはGでない)といふわけではない。
④ あるFはGである。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(08)により、
(09)
例へば、
③(素数は偶数でない)といふわけではない。
④ ある素数は偶数である。
に於いて、
③=④ である。
従って、
(05)(09)により、
(10)
① 偶数は奇数ではない。
② 奇数は偶数ではない。
③(素数は偶数でない)といふわけではない。
④ ある素数は偶数である。
に於いて、
①=② であって、
③=④ である。
ということに、なるものの、「だからどうした」といふ感じである。
(11)
いづれにしても、
① 偶数は奇数ではない。
② 奇数は偶数ではない。
といふことは、
①「任意の奇数」は「偶数の集合の元ではない」。
②「任意の偶数」は「奇数の集合の元ではない」。
といふことに、他ならない。

 ―「量化子の関係」の「証明」―
(12)
(ⅰ)
1  (1) ~∀x( Fx)  A
 2 (2) ~∃x(~Fx)  A
  3(3)     ~Fa   A
  3(4)  ∃x(~Fx)  3
 23(5) ~∃x(~Fx)&
        ∃x(~Fx)  24&I
 2 (6)    ~~Fa   35RAA
 2 (7)      Fa   6DN
 2 (8)  ∀x( Fx)  7UI
12 (9) ~∀x( Fx)&
        ∀x( Fx)  18&I
1  (ア)~~∃x(~Fx)  29RAA
1  (イ)  ∃x(~Fx)  アDN
(ⅱ)
1  (1)  ∃x(~Fx)  A
 2 (2)  ∀x( Fx)  A
  3(3)     ~Fa   A
 2 (4)      Fa   2UE
 23(5)  ~Fa&Fa   34&I
  3(6) ~∀x( Fx)  25RAA
1  (7) ~∀x( Fx)  136EE
従って、
(12)により、
(13)
① ~∀x( Fx)
②  ∃x(~Fx)
に於いて、すなはち、
①(全てのxがFである)といふわけではない。
②(Fでないx)が存在する。
に於いて、
①=② である。

 ―「量化子の関係」を「命題論理」で「証明」する。―
(14)
(ⅰ)
1    (1) ~( Fa& Fb& Fc)  A
 2   (2) ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)  A
  3  (3)   ~Fa           A
  3  (4)   ~Fa∨~Fb       3∨I
  3  (5)   ~Fa∨~Fb∨~Fc   4∨I
 23  (6) ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)&
          (~Fa∨~Fb∨~Fc)  25&I
 2   (7)  ~~Fa           36RAA
 2   (8)    Fa           7DN
   9 (9)       ~Fb       A
   9 (ア)   ~Fa∨~Fb       9∨I
   9 (イ)   ~Fa∨~Fb∨~Fc   ア∨I
 2 9 (ウ) ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)&
          (~Fa∨~Fb∨~Fc)  2イ&I
 2   (エ)      ~~Fb       9ウRAA
 2   (オ)        Fb       エDN
    カ(カ)           ~Fc   A
    カ(キ)       ~Fb∨~Fc   カ∨I
    カ(ク)   ~Fa∨~Fb∨~Fc   キ∨I
 2  カ(ケ) ~(~Fa∨~Fb∨~Fc)&
          (~Fa∨~Fb∨~Fc)  29&I
 2   (コ)          ~~Fc   カケRAA
 2   (サ)            Fc   コDN
 2   (シ)    Fa&Fb        8オ&I
 2   (ス)    Fa& Fb& Fc   サシ&I
12   (セ)  ~(Fa& Fb& Fc)&
           (Fa& Fb& Fc)  2ス&I
1    (ソ)~~(~Fa∨~Fb∨~Fc)  2セRAA
1    (タ)   ~Fa∨~Fb∨~Fc   ソDN
(ⅱ)
1     (1)  ~Fa∨~Fb∨~Fc   A
 2    (2)   Fa& Fb& Fc   A
1     (3) (~Fa∨~Fb)∨~Fc  2結合法則
  4   (4) (~Fa∨~Fb)      A
   5  (5)  ~Fa           A
 2    (6)    Fa          2&E
 2 5  (7)  ~Fa&Fa        56&I
   5  (8)  ~(Fa& Fb& Fc) 27RAA
    9 (9)      ~Fb       A
 2    (ア)       Fb       2&E
 2  9 (イ)   ~Fb&Fb       9ア&I
    9 (ウ)  ~(Fa& Fb& Fc) 2イRAA
  4   (エ)  ~(Fa& Fb& Fc) 4589ウ∨E
     オ(オ)           ~Fc  A
 2    (カ)           Fc   2&E
 2   オ(キ)       ~Fc&Fc   オカ&I
     オ(ク)  ~(Fa& Fb& Fc) 2キRAA
1     (コ)  ~(Fa& Fb& Fc) 14エオク∨E
従って、
(14)により、
(15)
① ~( Fa& Fb& Fc)
②   ~Fa∨~Fb∨~Fc
に於いて、すなはち、
①(aがFであって、bもFであって、cもFである)といふことはない。
②(aがFでないか、bがFでないか、cがFでないか)の何れかである。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(16)
{xの変域}={a、b、c}
であるならば、
①(aがFであって、bもFであって、cもFである)といふことはない。
②(aがFでないか、bがFでないか、cがFでないか)の何れかである。
に於いて、
①=② であるといふことは、
①(全てのxがFである)といふわけではない。
②(Fでないx)が存在する。
に於いて、
①=② である。
といふことに、他ならない。
然るに、
(17)
①(全てのxがFである)といふわけではない。
②(Fでないx)が存在する。
に於いて、
①=② である。
といふことは、
① ~∀x( Fx)
②  ∃x(~Fx)
に於いて、
①=② である。
といふことに、他ならない。
従って、
(15)(16)(17)により、
(18)
{xの変域}={a、b、c}
であるならば、
① ~∀x( Fx)
②  ∃x(~Fx)
③ (すべてのxがFである)といふわけではない。
④ (Fでないx)が存在する。
⑤ ~( Fa& Fb& Fc)
⑥   (~Fa∨~Fb∨~Fc)
⑦ (aがFであって、bもFであって、cもFである)といふことはない。
⑧ (aがFでないか、bがFでないか、cがFでないか)の何れかである。
に於いて、
①=②=③=④=⑤=⑥=⑦=⑧ である。
従って、
(18)により、
(19)
「述語論理」は、「命題論理」に他ならない。
令和04年11月01日、毛利太。

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