2023年8月24日木曜日

「パースの法則」が「ヘンテコ」である「理由」。

(01)
①((P&~Q)∨P)→P
②((P→ Q)→P)→P
に於いて、
①=② であることを「証明」したい。
従って、
(01)により、
(02)
① (P&~Q)∨P
② (P→ Q)→P
に於いて、
①=② であることを「証明」したい。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1    (1)    □→ ◇   A
 2   (2)    □&~◇   A
 2   (3)    □      2&E
12   (4)       ◇   13MPP
 2   (5)      ~◇   2&E
12   (6)    ◇&~◇   45&I
1    (7)  ~(□&~◇)  26□AA
  8  (8) ~(~□∨ ◇)  A
   9 (9)   ~□      A
   9 (ア)   ~□∨ ◇   9∨I
  89 (イ) ~(~□∨ ◇)&
          (~□∨ ◇)  8ア&I
  8  (ウ)  ~~□      9イ□AA
  8  (エ)    □      ウDN
    オ(オ)       ◇   A
    オ(カ)   ~□∨ ◇   オ∨I
  8 オ(キ) ~(~□∨ ◇)&
          (~□∨ ◇)  8カ&I
  8  (ク)      ~◇   オキ□AA
  8  (ケ)    □&~◇   エク&I
1 8  (コ)  ~(□&~◇)&
           (□&~◇)  7ケ&I
1    (サ)~~(~□∨ ◇)  8コ□AA
1    (シ)   ~□∨ ◇   サDN
(ⅱ)
1     (1) ~□∨ ◇   A
 2    (2)  □&~◇   A
  3   (3) ~□      A
 2    (4)  □      2&E
 23   (5) ~□&□    34&I
  3   (6)~(□&~◇)  25□AA
   7  (7)     ◇   A
 2    (8)    ~◇   2&E
 2 7  (9)  ◇&~◇   78&I
   7  (ア)~(□&~◇)  29□AA
1     (イ)~(□&~◇)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  □      A
     エ(エ)    ~◇   A
    ウエ(オ)  □&~◇   ウエ&I
1   ウエ(オ)~(□&~◇)&
          (□&~◇)  イオ&I
1   ウ (カ)   ~~◇   エオ□AA
1   ウ (キ)     ◇   カDN
1     (ク)  □→ ◇   ウクCP
従って、
(03)により、
(04)
① ~□∨◇
②  □→◇
に於いて、
①=② である(含意の定義)。
従って、
(02)(04)により、
(05)
①  (P&~Q)∨P
② ~(P→ Q)∨P
に於いて、
①=② であることを「証明」したい。
従って、
(05)により、
(06)
①  (P&~Q)
② ~(P→ Q)
に於いて、
①=② であることを「証明」したい。
然るに、
(07)
(ⅰ)
1   (1) ~(P→ Q)  A
 2  (2) ~(P&~Q)  A
  3 (3)   P      A
   4(4)     ~Q   A
  34(5)   P&~Q   34&I
 234(6) ~(P&~Q)&
         (P&~Q)  25&I
 23 (7)    ~~Q   46RAA
 23 (8)      Q
 2  (9)   P→ Q
 38CP
12  (ア) ~(P→ Q)&
         (P→ Q)  19&I
1   (イ)~~(P&~Q)  2アRAA
1   (ウ)   P&~Q   イDN
(ⅱ)
1   (1)   P&~Q   A
 2  (2)   P→ Q   A
1   (3)   P      1&E
12  (4)      Q   23CP
1   (5)     ~Q   1&E
12  (6)   Q&~Q   45&I
1   (7) ~(P→ Q)  26RAA
従って、
(07)により、
(08)
①  (P&~Q)
② ~(P→ Q)
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)~(08)により、
(09)
(Ⅰ)
①  (P&~Q)
② ~(P→ Q)
に於いて、
①=② である。
従って、
(Ⅰ)により、
(Ⅱ)
①  (P&~Q)∨P
② ~(P→ Q)∨P
に於いて、
①=② である。
従って、
(Ⅱ)により、
(Ⅲ)
① (P&~Q)∨P
② (P→ Q)→P
に於いて、
①=② である。
従って、
(Ⅲ)により、
(Ⅳ)
①((P&~Q)∨P)→P
②((P→ Q)→P)→P
に於いて、
①=② である。
従って、
(09)により、
(10)
P=奇数である。
Q=素数である。
として、
(Ⅰ)
①(奇数であるが、素数ではない)。
②(奇数であるならば素数である)といふわけではない。
に於いて、
①=② である。
従って、
(Ⅰ)により、
(Ⅱ)
①(奇数であるが、素数ではない)か、または(奇数である)。
②(奇数であるならば素数である)といふわけではないか、または(奇数である)。
に於いて、
①=② である。
従って、
(Ⅱ)により、
(Ⅲ)
①(奇数であるが、素数ではない)か、または(奇数である)。
②(奇数であるならば素数である)ならば(奇数である)。
に於いて、
①=② である。
従って、
(Ⅲ)により、
(Ⅳ)
①((奇数であるが、素数ではない)か、または(奇数である))ならば(奇数である)。
②((奇数であるならば素数である)ならば(奇数である))ならば(奇数である)。
然るに、
(10)により、
(11)
①(奇数であるが、素数ではない)。
②(奇数であるならば素数である)といふわけではない。
に於いて、
①=② である。
といふことは、「当然」であるが、
①((奇数であるが、素数ではない)か、または(奇数である))ならば(奇数である)。
②((奇数であるならば素数である)ならば(奇数である))ならば(奇数である)。
に於いて、
①=② である。
といふことは、「分かり難い」。
従って、
(09)~(11)により、
(12)
(Ⅰ)
①  (P&~Q)
② ~(P→ Q)
(Ⅱ)
①  (P&~Q)∨P
② ~(P→ Q)∨P
(Ⅲ)
① (P&~Q)∨P
② (P→ Q)→P
(Ⅳ)
①((P&~Q)∨P)→P
②((P→ Q)→P)→P
といふ『同値変形』を「繰り返した結果」として、
①((奇数であるが、素数ではない)か、または(奇数である))ならば(奇数である)。
②((奇数であるならば素数である)ならば(奇数である))ならば(奇数である)。
に於いて、
①=② である。
といふ「意味不明の等式(パースの法則)」が「成立」する。
令和5年8月24日、毛利太。

2023年8月22日火曜日

「パースの法則」は「言ひ換へる」と「普通」である。

(01)
(ⅰ)
1    (1)    (P→Q)→ P   A
 2   (2)    (P→Q)&~P   A
 2   (3)    (P→Q)      A
12   (4)           P   13MPP
 2   (5)          ~P   2&E
12   (6)        P&~P   45&I
1    (7)  ~((P→Q)&~P)  26RAA
  8  (8) ~(~(P→Q)∨ P)  A
   9 (9)   ~(P→Q)      A
   9 (ア)   ~(P→Q)∨ P   9∨I
  89 (イ) ~(~(P→Q)∨ P)&
          (~(P→Q)∨ P)  8ア&I
  8  (ウ)  ~~(P→Q)      9イRAA
  8  (エ)    (P→Q)      ウDN
    オ(オ)           P   A
    オ(カ)  (~(P→Q)∨ P)  オ∨I
  8 オ(キ) ~(~(P→Q)∨ P)&
          (~(P→Q)∨ P)  8カ&I
  8  (ク)          ~P   オキRAA
  8  (ケ)    (P→Q)&~P   エク&I
1 8  (コ)  ~((P→Q)&~P)&
           ((P→Q)&~P)  7ケ&I
1    (サ)~~(~(P→Q)∨ P)  8コRAA
1    (シ)  (~(P→Q)∨ P)  サDN
(ⅱ)
1     (1) ~(P→Q)∨ P   A
 2    (2)  (P→Q)&~P   A
  3   (3) ~(P→Q)      A
 2    (4)  (P→Q)      2&E
 23   (5) ~(P→Q)&
           (P→Q)      34&I
  3   (6)~((P→Q)&~P)  25RAA
   7  (7)         P   A
 2    (8)        ~P   2&E
 2 7  (9)      P&~P   78&I
   7  (ア)~((P→Q)&~P)  29RAA
1     (イ)~((P→Q)&~P)  1367ア
    ウ (ウ)  (P→Q)      A
     エ(エ)        ~P   A
    ウエ(オ)  (P→Q)&~P   ウエ&I
1   ウエ(カ)~((P→Q)&~P)&
          ((P→Q)&~P)  イオ&I
1   ウ (キ)       ~~P   エカRAA
1   ウ (ク)         P   キDN
1     (ケ)  (P→Q)→ P   ウクCP
従って、
(01)により、
(02)
①  (P→~Q)→P
② ~(P→~Q)∨P
に於いて、
①=② である。
然るに、
(03)
(ⅱ)
1     (1) ~(P→ Q)∨P A
 2    (2) ~(P→ Q)   A
  3   (3) ~(P&~Q)   A
   4  (4)   P       A
    5 (5)     ~Q    A
   45 (6)   P&~Q    45&I
  345 (7) ~(P&~Q)&
           (P&~Q)   36&I
  34  (8)    ~~Q    5RAA
  34  (9)      Q    8DN
  3   (ア)   P→ Q    49CP
 23   (イ) ~(P→ Q)&
           (P→ Q)   2ア&I
 2    (ウ)~~(P&~Q)   3イRAA
 2    (エ)  (P&~Q)   ウDN
 2    (オ)  (P&~Q)∨P エ∨I
     カ(カ)         P A
     カ(キ)  (P&~Q)∨P カ∨I
(ⅲ)
1   (1) (P&~Q)∨P A
 2  (2) (P&~Q)   A
  3 (3)  P→ Q    A
 2  (4)  P       2&E
 23 (5)     Q    34MPP
 2  (6)    ~Q    2&E
 23 (7)   Q&Q    56&E
 2  (8)~(P→ Q)   37RAA
 2  (9)~(P→ Q)∨P 2∨I
   ア(ア)        P A
   ア(イ)~(P→ Q)∨P ア∨I
1   (ウ)~(P→ Q)∨P 129アイ∨E
従って、
(03)により、
(04)
② ~(P→ Q)∨P
③  (P&~Q)∨P
に於いて、
②=③ である。
従って、
(02)(04)により、
(05)
①  (P→ Q)→P
② ~(P→ Q)∨P
③  (P&~Q)∨P
に於いて、
①=②   であって、
  ②=③ である。
従って、
(05)により、
(06)
「番号」を「付け直す」と、
①(P→ Q)→P
②(P&~Q)∨P
に於いて、
①=② である。
従って、
(06)により、
(07)
①((P→ Q)→P)→P
②((P&~Q)∨P)→P
に於いて、
①=② である。
然るに、
(08)
命題計算では、パースの法則は ((P→Q)→P)→P のことを言う。この意味するところを書き出すと、命題Pについて、命題Qが存在して、「PならばQ」からPが真であることが従うときには、Pは真でなければならないとなる。とりわけ、Qとして偽を選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる。
(ウィキペディア)
従って、
(07)(08)により、
(09)
①((P→ Q)→P)→P
②((P&~Q)∨P)→P
に於いて、
① は「パースの法則」であって、
② も「パースの法則」である。
従って、
(07)(08)(09)により、
(10)
例へば、
P=4は偶数である。
Q=4は素数である。
として、
①((4が偶数であるならば4が素数である)ならば4は偶数である)ならば4は偶数である。
②((4が偶数であって4が素数でない)か、または4が偶数である)ならば4は偶数である。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(11)
①((4が偶数であるならば4が素数である)ならば4は偶数である)ならば4は偶数である。
②((4が偶数であって4が素数でない)か、または4が偶数である)ならば4は偶数である。
に於いて、
① は、「奇異」であるが、
② は、「普通」である。
令和5年8月22日、毛利太。

2023年8月19日土曜日

「含意の定義」と「パースの法則」と「排中律」。

(01)
(ⅰ)
1    (1)    P→ Q   A
 2   (2)    P&~Q   A
 2   (3)    P      2&E
12   (4)       Q   13MPP
 2   (5)      ~Q   2&E
12   (6)    Q&~Q   45&I
1    (7)  ~(P&~Q)  26RAA
  8  (8) ~(~P∨ Q)  A
   9 (9)   ~P      A
   9 (ア)   ~P∨ Q   9∨I
  89 (イ) ~(~P∨ Q)&
          (~P∨ Q)  8ア&I
  8  (ウ)  ~~P      9イRAA
  8  (エ)    P      ウDN
    オ(オ)       Q   A
    オ(カ)   ~P∨ Q   オ∨I
  8 オ(キ) ~(~P∨ Q)&
          (~P∨ Q)  8カ&I
  8  (ク)      ~Q   オキRAA
  8  (ケ)    P&~Q   エク&I
1 8  (コ)  ~(P&~Q)&
           (P&~Q)  7ケ&I
1    (サ)~~(~P∨ Q)  8コRAA
1    (シ)   ~P∨ Q   サDN
(ⅱ)
1     (1) ~P∨ Q   A
 2    (2)  P&~Q   A
  3   (3) ~P      A
 2    (4)  P      2&E
 23   (5) ~P&P    34&I
  3   (6)~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)     Q   A
 2    (8)    ~Q   2&E
 2 7  (9)  Q&~Q   78&I
   7  (ア)~(P&~Q)  29RAA
1     (イ)~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)  P      A
     エ(エ)    ~Q   A
    ウエ(オ)  P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(オ)~(P&~Q)&
          (P&~Q)  イオ&I
1   ウ (カ)   ~~Q   エオRAA
1   ウ (キ)     Q   カDN
1     (ク)  P→ Q   ウクCP
従って、
(01)により、
(02)
①  P→Q
② ~P∨Q
に於いて、
①=② である(含意の定義)。
然るに、
(03)
(ⅰ)
1   (1) (P→Q)→P    A
1   (2)~(P→Q)∨P    1含意の定義
 3  (3)~(P→Q)      A
  4 (4) ~P         A
  4 (5) ~P∨Q       4∨I
  4 (6)  P→Q       5含意の定義
 34 (7)~(P→Q)&
        (P→Q)      34&I
 3  (8)~~P         4DN
 3  (9)  P         8DN
   ア(ア)       P    A
1   (イ)  P         139アア∨E
    (ウ)((P→Q)→P)→P 1イCP
(ⅱ)
1   (1) (P→~Q)→P    A
1   (2)~(P→~Q)∨P    1含意の定義
 3  (3)~(P→~Q)      A
  4 (4) ~P          A
  4 (5) ~P∨~Q       4∨I
  4 (6)  P→~Q       5含意の定義
 34 (7)~(P→~Q)&
        (P→~Q)      34&I
 3  (8)~~P          4DN
 3  (9)  P          8DN
   ア(ア)       P     A
1   (イ)  P          139アア∨E
    (ウ)((P→~Q)→P)→P 1イCP
従って、
(03)により、
(04)
『含意の定義』により、
①((P→ Q)→P)→P
②((P→~Q)→P)→P
に於いて、すなはち、
①((Pであるならば、Qである)ならば、Pである)ならば、Pである。
②((Pであるならば、Qでない)ならば、Pである)ならば、Pである。
に於いて、
① は「パースの法則(トートロジー)」であって、
② も「パースの法則(トートロジー)」である。
然るに、
(05)
(ⅱ)
1  (1)   ((P→~Q)→P)→P A
1  (2)  ((~P∨~Q)→P)→P 1含意の定義
1  (3) (~(~P∨~Q)∨P)→P 2含意の定義
1  (4)~(~(~P∨~Q)∨P)∨P 3含意の定義
 5 (5)~(~(~P∨~Q)∨P)   A
 5 (6)   (~P∨~Q)&~P   5ド・モルガンの法則
 5 (7)           ~P   6&E
 5 (8)           ~P∨P 7∨I
  9(9)              P A
  9(ア)           ~P∨P 9∨I
1  (イ)           ~P∨P 1589ア∨E
(ⅲ)
1  (1)    ~P∨P         A
 2 (2)    ~P           A
 2 (3)    ~P∨~Q        2∨I
 2 (4)   (~P∨~Q)&~P    23&I
 2 (5)~(~(~P∨~Q)∨ P)   4ド・モルガンの法則
 2 (6)~(~(~P∨~Q)∨ P)∨P 5∨I
  7(7)               P A
  7(8)~(~(~P∨~Q)∨ P)∨P 7∨I
1  (9)~(~(~P∨~Q)∨ P)∨P 12678∨E
1  (ア) ~(~(P→~Q)∨ P)∨P 9含意の定義
1  (イ)  ~((P→~Q)→ P)∨P ア含意の定義
1  (ウ)   ((P→~Q)→ P)→P イ含意の定義
従って、
(05)により、
(06)
②((P→~Q)→P)→P
③ ~P∨P
に於いて、すなはち、
②「パースの法則(トートロジー)」
③「排中律(トートロジー)」
に於いて、
②=③ である。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
①((P→ Q)→P)→P
②((P→~Q)→P)→P
③ ~P∨P
に於いて、すなはち、
①((Pであるならば、Qである)ならば、Pである)ならば、Pである。
②((Pであるならば、Qでない)ならば、Pである)ならば、Pである。
③  Pでないか、または、Pである。
に於いて、すなはち、
①「パースの法則」
②「パースの法則」
③「排中律
に於いて、
①=②=③ である。
令和5年8月19日、毛利太。

2023年8月18日金曜日

「鼻は象が長い」の「述語論理」の「主語(main word)」。

(01)
1    (1)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x} A
1    (2)  ∃y{(鼻ay&象y)→長a&(~象y&鼻ay)→~長a} 1UE
 3   (3)     (鼻ab&象b)→長a&(~象b&鼻ab)→~長a  A
 3   (4)                 (~象b&鼻ab)→~長a  3&E
  5  (5)    ∀y{兎y→~象y&∃x(鼻xy)}           A
  5  (6)      兎b→~象b&∃x(鼻xb)            UE
   7 (7)      兎b                        A
  57 (8)         ~象b&∃x(鼻xb)            67MPP
  57 (9)         ~象b                    8&E
  57 (ア)             ∃x(鼻xb)            8&E
    イ(イ)                鼻ab             A
  57イ(ウ)            ~象b&鼻ab             9イ&I
 357イ(エ)                           ~長a  4ウMPP
 357イ(オ)                鼻ab&~長a         イエ&I
 357イ(カ)             ∃x(鼻xb&~長x)        オEI
 357 (キ)             ∃x(鼻xb&~長x)        アイカEE
 35  (ク)          兎b→∃x(鼻xb&~長x)        7キCP
1 5  (ケ)          兎b→∃x(鼻xb&~長x)        23クEE
1 5  (コ)       ∀y{兎y→∃x(鼻xy&~長x)}       ケUI
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x}。然るに、
(ⅱ)  ∀y{ 兎y→~象y&∃x(鼻xy)}。従って、
(ⅲ)  ∀y{ 兎y→∃x(鼻xy&~長x)}。
といふ『推論』、すなはち、
(ⅰ)すべてのxとあるyについて{(xがyの鼻であって、yが象である)ならば、xは長く、(yが象でなくて、xがyの鼻である)ならば、xは長くない}。然るに、
(ⅱ)    すべてのyについて{ yが兎であるならば、yは象ではなく、あるxは(yの鼻である)}。従って、
(ⅲ)    すべてのyについて{ yが兎であるならば、あるxは(yの鼻であって、長くない)}。
といふ『推論』は「妥当」である。
然るに、
(03)
1    (1)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x} A
1    (2)  ∃y{(鼻ay&象y)→長a&(~象y&鼻ay)→~長a} 1UE
 3   (3)     (鼻ab&象b)→長a&(~象b&鼻ab)→~長a  A
 3   (4)     (鼻ab&象b)→長a                3&E
  5  (5)   ∀y{兎y→∃x(鼻xy&~長x)}           A
  5  (6)      兎b→∃x(鼻xb&~長x)            5UE
   7 (7)      兎b                        A
  57 (8)         ∃x(鼻xb&~長x)            67MPP
    9(9)            鼻ab&~長a             A
    9(ア)            鼻ab                 9&E
    9(イ)         ∃x(鼻xb)                9EI
  57 (ウ)         ∃x(鼻xb)                89イEE
    9(エ)                ~長a             9&E
 3  9(オ)    ~(鼻ab&象b)                   4エMTT
 3  9(カ)    ~鼻ab∨~象b                    オ、ド・モルガンの法則
 3  9(キ)     鼻ab→~象b                    カ、含意の定義
 3  9(ク)         ~象b                    アキMPP
 3579(ケ)         ~象b&∃x(鼻xb)            ウク&I
 357 (コ)         ~象b&∃x(鼻xb)            89ケEE
 35  (サ)      兎b→~象b&∃x(鼻xb)            7コCP
 35  (シ)   ∀y{兎y→~象y&∃x(鼻xy)}           サUI
1 5  (ス)   ∀y{兎y→~象y&∃x(鼻xy)}           23シEE
従って、
(03)により、
(04)
(ⅰ)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x}。然るに、
(ⅱ)  ∀y{ 兎y→∃x(鼻xy&~長x)}。従って、
(ⅲ)  ∀y{ 兎y→~象y&∃x(鼻xy)}。
といふ『推論』、すなはち、
(ⅰ)すべてのxとあるyについて{(xがyの鼻であって、yが象である)ならば、xは長く、(yが象でなくて、xがyの鼻である)ならば、xは長くない}。然るに、
(ⅱ)    すべてのyについて{ yが兎であるならば、あるxは(yの鼻であって、長くない)}。従って、
(ⅲ)    すべてのyについて{ yが兎であるならば、yは象ではなく、あるxは(yの鼻である)}。
といふ『推論』は「妥当」である。
従って、
(02)(04)により、
(05)
(ⅰ)鼻は象が長く、象以外の鼻は長くない。然るに、
(ⅱ)兎は象ではないが、兎には鼻がある。 従って、
(ⅲ)兎の鼻は長くない。
といふ『推論』は「妥当」であって、
(ⅰ)鼻は象が長く、象以外の鼻は長くない。然るに、
(ⅱ)兎の鼻は長くない。従って、
(ⅲ)兎は象ではないが、兎には鼻がある。
といふ『推論』も「妥当」である。
然るに、
(06)
①{象の鼻、兎の鼻、馬の鼻}
②{象の耳、兎の耳、馬の耳}
③{象の顔、兎の顔、馬の顔}
であるならば、
① 鼻長い。
② 耳長い。
③ 顔長い。
然るに、
(07)
①{象の鼻、兎の鼻、馬の鼻}
②{象の耳、兎の耳、馬の耳}
③{象の顔、兎の顔、馬の顔}
であるならば、
① 鼻は象が長く、象以外の鼻は長くない。
② 耳は兎が長く、兎以外の耳は長くない。
③ 顔は馬が長く、馬以外の顔は長くない。
従って、
(07)により、
(08)
①{象の鼻、兎の鼻、馬の鼻}
②{象の耳、兎の耳、馬の耳}
③{象の顔、兎の顔、馬の顔}
であるならば、
① すべてのxとあるyについて{(xがyの鼻であって、yが象である)ならば、xは長く、(yが象でなくて、xがyの鼻である)ならば、xは長くない}。
② すべてのxとあるyについて{(xがyの耳であって、yが兎である)ならば、xは長く、(yが兎でなくて、xがyの耳である)ならば、xは長くない}。
③ すべてのxとあるyについて{(xがyの顏であって、yが馬である)ならば、xは長く、(yが馬でなくて、xがyの顏である)ならば、xは長くない}。
従って、
(02)(04)(08)により、
(09)
①{象の鼻、兎の鼻、馬の鼻}
②{象の耳、兎の耳、馬の耳}
③{象の顔、兎の顔、馬の顔}
であるならば、
① ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x}。
② ∀x∃y{(耳xy&兎y)→長x&(~兎y&耳xy)→~長x}。
③ ∀x∃y{(顏xy&馬y)→長x&(~馬y&顏xy)→~長x}。
従って、
(06)~(09)により、
(10)
① 鼻は象が長い。
② 耳は兎が長い。
③ 顔は馬が長い。
といふ「日本語」は、
① ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x}。
② ∀x∃y{(耳xy&兎y)→長x&(~兎y&耳xy)→~長x}。
③ ∀x∃y{(顏xy&馬y)→長x&(~馬y&顏xy)→~長x}。
といふ「構造(シンタックス)」をしてゐる。
然るに、
(01)(03)により、
(11)
1(1)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x} A
1(2)  ∃y{(鼻ay&象y)→長a&(~象y&鼻ay)→~長a} 1UE
1(3)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x} 1UI
従って、
(02)(04)(10)(11)により、
(12)
① ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x}。⇔
① すべてのxとあるyについて{(xがyの鼻であって、yが象である)ならば、xは長く、(yが象でなくて、xがyの鼻である)ならば、xは長くない}。
に於いて、
① ∀x の「作用範囲(Scope)」は、
①   ∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x}。⇔
①      あるyについて{(xがyの鼻であって、yが象である)ならば、xは長く、(yが象でなくて、xがyの鼻である)ならば、xは長くない}。
である。
従って、
(10)(11)(12)により、
(13)
① 鼻は象が長い。
② 耳は兎が長い。
③ 顔は馬が長い。
に於いて、
① 鼻は
② 耳は
③ 顔は
といふ「語」は、それぞれ、
① 鼻は象が長い。
② 耳は兎が長い。
③ 顔は馬が長い。
といふ「文の全体」に、「掛かってゐる(作用を及ぼしてゐる)」。
従って、
(13)により、
(14)
① 鼻は
② 耳は
③ 顔は
といふ「語」は、
① 鼻は象が長い。
② 耳は兎が長い。
③ 顔は馬が長い。
といふ「文」の、「主語(Subject)」ではなく、「語(main word)」である。
令和5年8月18日、毛利太。

2023年8月13日日曜日

「すべてのフランス人はドイツ人ではない」の「述語論理」の『意味』。

(01)
(ⅰ)
1     (1)  (Fa→~Ga)& (Fb→~Gb)&(Fc→~Gc)   A
 2    (2)  (Fa& Ga)∨ (Fb& Gb)∨(Fc& Gc)   A
 2    (3)  (Fa& Ga}∨{(Fb& Gb)∨(Fc& Gc)}  2結合法則
  4   (4)   Fa& Ga                       A
1     (5)   Fa→~Ga                       1&E
  4   (6)   Fa                           4&E
1 4   (7)      ~Ga                       56MPP
  4   (8)       Ga                       4&E
1 4   (9)   ~Ga&Ga                       78&I
  4   (ア)~{(Fa→~Ga)& (Fb→~Gb)&(Fc→~Gc)}  19RAA
   イ  (イ)            (Fb& Gb)∨(Fc& Gc)   A
    ウ (ウ)             Fb& Gb)            A
1     (エ)             Fb→~Gb             1&E
    ウ (オ)             Fb                 ウ&E
1   ウ (カ)                ~Gb             エオMPP
    ウ (キ)                 Gb             ウ&E
1   ウ (ケ)             ~Gb&Gb             カキ&I
    ウ (コ)~{(Fa→~Ga)& (Fb→~Gb)&(Fc→~Gc)}  1ケRAA
     サ(サ)                      Fc& Gc    A
1     (シ)                      Fc→~Gc    1&E
     サ(ス)                                            Fc        サ&E
1    サ(セ)                         ~Gc    シスMPP
     サ(ソ)                          Gc    サ&E
1    サ(タ)                      ~Gc&Gc    セソ&I
     サ(チ)~{(Fa→~Ga)& (Fb→~Gb)&(Fc→~Gc)}  1タRAA
  イ   (ツ)~{(Fa→~Ga)& (Fb→~Gb)&(Fc→~Gc)}  イウコサチ∨E
 2    (テ)~{(Fa→~Ga)& (Fb→~Gb)&(Fc→~Gc)}  24アイツ∨E
12    (ト) {(Fa→~Ga)& (Fb→~Gb)&(Fc→~Gc)}&
12    (ナ)~{(Fa→~Ga)& (Fb→~Gb)&(Fc→~Gc)}  1ト&I
1     (ニ)~{(Fa& Ga)∨ (Fb& Gb)∨(Fc& Gc)}  2ナRAA
(ⅱ)
1         (1)~{(Fa& Ga)∨ (Fb& Gb)∨(Fc& Gc)}  A
 2        (2)  (Fa& Ga)                      A
 2        (3)  (Fa& Ga)∨ (Fb& Gb)            2∨I
 2        (4)  (Fa& Ga)∨ (Fb& Gb)∨(Fc& Gc)   3∨I
12        (5)~{(Fa& Ga)∨ (Fb& Gb)∨(Fc& Gc)}&
              {(Fa& Ga)∨ (Fb& Gb)∨(Fc& Gc)}  14&I
1         (6) ~(Fa& Ga)                      2RAA
  7       (7)   Fa                           A
   8      (8)       Ga                       A
  78      (9)   Fa& Ga                       78&I
1 78      (ア) ~(Fa& Ga)&(Fa& Ga)
           69&I
1 7       (イ)      ~Ga                       8アRAA
1         (ウ)   Fa→~Ga                       7CP
    エ     (エ)            (Fb& Gb)            A
    エ     (オ)  (Fa& Ga)∨ (Fb& Gb)            エ∨I
    エ     (カ)  (Fa& Ga)∨ (Fb& Gb)∨(Fc& Gc)   オ∨I
1   エ     (キ)~{(Fa& Ga)∨ (Fb& Gb)∨(Fc& Gc)}&
              {(Fa& Ga)∨ (Fb& Gb)∨(Fc& Gc)}  1カ&I
1         (ク)           ~(Fb& Gb)            エキRAA
     ケ    (ケ)             Fb                 A
      コ   (コ)                 Gb             A
     ケコ   (サ)             Fb& Gb             ケコ&I
1    ケコ   (シ)           ~(Fb& Gb)&(Fb& Gb)   クサ&I
1    ケ    (ス)                ~Gb             コシRAA
1         (セ)             Fb→~Gb             ケスCP
       ソ  (ソ)                      Fc& Gc    A
       ソ  (タ)            (Fb& Gb)∨(Fc& Gc)   ソ∨I
       ソ  (チ)  (Fa& Ga)∨ (Fb& Gb)∨(Fc& Gc)   タ∨I
1      ソ  (ツ)~{(Fa& Ga)∨ (Fb& Gb)∨(Fc& Gc)}&
              {(Fa& Ga)∨ (Fb& Gb)∨(Fc& Gc)}  1チ&I
1         (テ)                    ~(Fc& Gc)   ソツRAA
        ト (ト)                      Fc        A
         ナ(ナ)                          Gc    A
        トナ(ニ)                      Fc& Gc    トナ&I
1       トナ(ヌ)           ~(Fc& Gc)&(Fc& Gc)   テニ&I
1       ト (ネ)                         ~Gc    ナヌRAA
1         (ノ)                      Fc→~Gc    トネCP
1         (ハ)  (Fa→~Ga)& (Fb→~Gb)            ウセ&I
1         (ヒ)  (Fa→~Ga)& (Fb→~Gb)&(Fc→~Gc)   ノハ&I
従って、
(01)により、
(02)
①  (Fa→~Ga)&(Fb→~Gb)&(Fc→~Gc)
②~{(Fa& Ga)∨(Fb& Gb)∨(Fc& Gc)}
に於いて、
①=② である。
従って、
(02)により、
(03)
例へば、
① (aさんがフランス人ならば、aさんはドイツ人ではなく)、その上(bさんがフランス人ならば、bさんはドイツ人ではなく)、その上(cさんがフランス人ならば、cさんはドイツ人ではない)。
②{(フランス人のaさんがドイツ人である)か、または(フランス人のbさんがドイツ人である)か、または(フランス人のcさんがドイツ人である)}といふことはない。
に於いて、
①=② である。
然るに、
(04)
{xの変域}={aさん、bさん、cさん}
F=フランス人である。
G=ドイツ人である。
であるとして、
① (aさんがフランス人ならば、aさんはドイツ人ではなく)、その上(bさんがフランス人ならば、bさんはドイツ人ではなく)、その上(cさんがフランス人ならば、cさんはドイツ人ではない)。
②{(フランス人のaさんがドイツ人である)か、または(フランス人のbさんがドイツ人である)か、または(フランス人のcさんがドイツ人である)}といふことはない。
といふ「日本語」は、
① すべてのxについて(xがFであるならば、xはGでない)。
②(Fであって、Gであるx)は存在しない。
といふ「日本語」に「相当」する。
然るに、
(05)
① すべてのxについて(xがFであるならば、xはGでない)。
②(Fであって、Gであるx)は存在しない。
といふ「日本語」は、
①  ∀x(Fx→~Gx)
② ~∃x(Fx& Gx)
といふ「述語論理式」に「相当」する。
然るに、
(06)
(ⅰ)
1  (1) ∀x(Fx→~Gx)  A
 2 (2) ∃x(Fx& Gx)  A
1  (3)    Fa→~Ga   1UE
  4(4)    Fa& Ga   A
  4(5)    Fa       4&E
1 4(6)       ~Ga   35MPP
  4(7)        Ga   4&E
1 4(8)    ~Ga&Ga   67&I
  4(9)~∀x(Fx→~Gx)  18RAA
 2 (ア)~∀x(Fx→~Gx)  249EE
12 (イ) ∀x(Fx→~Gx)&
      ~∀x(Fx→~Gx)  1ア&I
1  (ウ)~∃x(Fx& Gx)  2イRAA
(ⅱ)
1  (1)~∃x(Fx& Gx)  A
1  (2)∀x~(Fx& Gx)  1量化子の関係
1  (3)  ~(Fa& Ga)  2UE
 4 (4)    Fa       A
  5(5)        Ga   A
 45(6)    Fa& Ga   45&I
145(7)  ~(Fa& Ga)&
         (Fa& Ga)  36&I
14 (8)       ~Ga   57RAA
1  (9)    Fa→~Ga   48CP
1  (ア) ∀x(Fx→~Gx)  9UI
従って、
(06)により、
(07)
①  ∀x(Fx→~Gx)
② ~∃x(Fx& Gx)
に於いて、
①=② である。
従って、
(01)~(07)により、
(08)
{xの変域}={aさん、bさん、cさん}
であるとして、
①  ∀x(Fx→~Gx)
② ~∃x(Fx& Gx)
といふ「述語論理式」は、
①   (Fa→~Ga)&(Fb→~Gb)&(Fc→~Gc)
② ~{(Fa& Ga)∨(Fb& Gb)∨(Fc& Gc)}
といふ「論理式」に「等しい」。
然るに、
(09)
「量化子の関係」により、
①  ∀x(Fx→~Gx)
② ~∃x(Fx& Gx)
③ ∀x~(Fx& Gx)
に於いて、
②=③ である。
然るに、
(10)
「ド・モルガンの法則」により、
①   (Fa→~Ga)& (Fb→~Gb)& (Fc→~Gc)
② ~{(Fa& Ga)∨ (Fb& Gb)∨ (Fc& Gc)}
③  ~(Fa& Ga)&~(Fb& Gb)&~(Fc& Gc)
に於いて、
②=③ である。
従って、
(07)~(10)により、
(11)
{xの変域}={aさん、bさん、cさん}
であるとして、
①  ∀x(Fx→~Gx)
② ~∃x(Fx& Gx)
③ ∀x~(Fx& Gx)
といふ「述語論理式」は、それぞれ、
①   (Fa→~Ga)& (Fb→~Gb)& (Fc→~Gc)
② ~{(Fa& Ga)∨ (Fb& Gb)∨ (Fc& Gc)}
③  ~(Fa& Ga)&~(Fb& Gb)&~(Fc& Gc)
といふ「論理式」と、『同じ意味』であって、尚且つ、「真理値」として、
①=②=③ である。
令和5年8月13日、毛利太。

2023年8月11日金曜日

「述語論理」は「命題論理」よりも「難解」である。

(01)
例へば、
①(a)≡(aさんは群馬県民である)。
②(a)≡(aさんは福岡県民である)。
に於いて、
①=② でない。
従って、
(01)により、
(02)
①(Ga&Fb&Fc)=(aは群馬であって、bは福岡であって、cは福岡である)。
②(Fa&Fb&Fc)=(aは福岡であって、bは福岡であって、cは福岡である)。
に於いて、
①=② でない。
従って、
(02)により、
(03)
①(Ga&Fb&Fc)
②(Fa&Fb&Fc)
に於いて、
①=② でない。
といふ「理由」により、
①(Ga&Fb&Fc)
②(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
に於いて、すなはち、
①(Ga&Fb&Fc)
②(Fa&Fb&Fc)か、または(Ga&Gb&Gc)
に於いて、
①⇒② ではない。
然るに、
(04)
1  (1)(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)   A
 2 (2)(Fa&Fb&Fc)              A
 2 (3) Fa                     2&E
 2 (4) Fa∨Ga                  3∨I
 2 (5)    Fb                  2&E
 2 (6)    Fb∨Gb               5∨I
 2 (7)       Fc               2&E
 2 (8)       Fc∨Gc            7∨I
 2 (9)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)         46&I
 2 (ア)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc) 89&I
  イ(イ)           (Ga&Gb&Gc)   ア
  イ(ウ)            Ga          イ&E
  イ(エ)         Fa∨Ga          ウ∨I
  イ(カ)               Gb       イ&E
  イ(キ)            Fb∨Gb       カ∨I
  イ(ク)                  Gc    イ&E
  イ(ケ)               Fc∨Gc    ク∨I
  イ(コ)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)         エキ&I
  イ(サ)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc) ケコ&I
1  (シ)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc) 12Aイサ∨E
従って、
(04)により、
(05)
②(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
③(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
に於いて、
②⇒③ である。
然るに、
(06)
1(1) Ga&Fb&Fc               A
1(2) Ga                     1&E
1(3)    Fb                  1&E
1(4)       Fc               1&E
1(5) Fa∨Ga                  2∨I
1(6)    Fb∨Gb               3∨I
1(7)       Gc∨Gc            4∨I
1(8)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)         56&I
1(9)(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Gc∨Gc) 78&I
従って、
(06)により、
(07)
①(Ga&Fb&Fc)
③(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
に於いて、
①⇒③ である。
従って、
(03)(05)(07)により、
(08)
①(Ga&Fb&Fc)
②(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
③(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
に於いて、
①⇒② ではない。
②⇒③ である。
①⇒③ である。
従って、
(09)
①(Ga&Fb&Fc)
②(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
③(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
に於いて、
②⇒③ であるが、
① であるならば、
③ ではあるが、② ではない。
従って、
(09)により、
(10)
①(Ga&Fb&Fc)
②(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
③(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
に於いて、
②⇒③ であるが、
③⇒② であるとは、「限らない」。
従って、
(10)により、
(11)
「番号」を「付け替へる」として、
①(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
に於いて、
①⇒② であるが、
②⇒① であるとは「限らない」が、このことは、「実際には」、
①(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
を見れば、「それだけで、明白である」。
然るに、
(12)
{xの変域}={aさん、bさん、cさん}
であるとして、
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx)
② ∀x(Fx&Gx)
といふ「述語論理式」は、それぞれ、
①(Fa&Fb&Fc)∨(Ga&Gb&Gc)
②(Fa∨Ga)&(Fb∨Gb)&(Fc∨Gc)
といふ「(命題)論理式」に「等しい」。
然るに、
(13)
112 ∀x(Fx)∨∀x(Gx)├ ∀x(Fx∨Gx)
1  (1)∀x(Fx)∨∀x(Gx) A
 2 (2)∀x(Fx)        A
 2 (3)   Fa         2UE
 2 (4)   Fa∨Ga      3∨I
 2 (5)∀x(Fx∨Gx)     4UI
  6(6)       ∀x(Gx) A
  6(7)          Ga  5UE
  6(8)       Fa∨Ga  7∨I
  6(9)    ∀x(Fx∨Gx) 8UI
1  (ア)∀x(Fx∨Gx)     12569∨E
      ― 中略 ―
逆の連式、∀x(Fx∨Gx)├ ∀x(Fx)∨∀x(Gx) は妥当ではない。
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、155頁)
従って、
(11)(12)(13)により、
(14)
① ∀x(Fx)∨∀x(Gx)
② ∀x(Fx&Gx)
に於いて、
① であるならば、 ② であるが、
② であるとしても、① であるとは、限らない。
然るに、
(15)
1 (1)∀x(Fx∨Gx) A
1 (2)   Fa∨Gb  1UE
 3(3)   F     A
Fa∨Gb を(1)から結論し、そして第1の選言項 Fa を(3)の行に仮定する。
しかし(3)はを含むが故、ここで ∀x(Fx)を結論することは出来ない。
(論理学初歩、E.J.レモン 著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、156頁)
といふ「説明」は、「私には、分かり易い」が、「初学者には、分かり難い」。
従って、
(12)~(15)により、
(16)
述語論理」は「命題論理」よりも「難解」である。
令和5年8月12日、毛利太。

2023年8月10日木曜日

「ある人はフランス人の学生である」の「述語論理」。

(01)
1    (1)(Fa&Ga)∨ (Fb&Gb)∨(Fc&Gc)  A
1    (2)(Fa&Ga)∨{(Fb&Gb)∨(Fc&Gc)} 1結合法則
 3   (3)(Fa&Ga)                   A
 3   (4) Fa                       3&E
 3   (5) Fa∨Fb                    4∨I
 3   (6) Fa∨Fb∨Fc                 5∨I
 3   (7)    Ga                    3&E
 3   (8)    Ga∨Gb                 7∨I
 3   (9)    Ga∨Gb∨Gc              8∨I
 3   (A)(Fa∨Fb∨Fc)&(Ga∨Gb∨Gc)     69&I
  イ  (イ)         (Fb&Gb)∨(Fc&Gc)  A
   ウ (ウ)          Fb&Gb           A
   ウ (エ)          Fb              ウ&E
   ウ (オ)       Fa∨Fb              エ∨I
   ウ (カ)       Fa∨Fb∨Fc           オ∨I
   ウ (キ)             Gb           ウ&E
   ウ (ク)          Ga∨Gb           キ∨I
   ウ (ケ)          Ga∨Gb∨Gc        ク∨I
   ウ (コ)(Fa∨Fb∨Fc)&(Ga∨Gb∨Gc)     カケ&I
    サ(サ)                 (Fc&Gc)  A
    サ(シ)                  Fc      サ&E
    サ(ス)               Fb∨Fc      シ∨I
    サ(セ)            Fa∨Fb∨Fc      ス∨I
    サ(ソ)                     Gc   コ&E
    サ(タ)                  Gb∨Gc   ソ∨I
    サ(チ)               Ga∨Gb∨Gc   タ∨I
    サ(ツ)(Fa∨Fb∨Fc)&(Ga∨Gb∨Gc)     セチ&I
  イ  (テ)(Fa∨Fb∨Fc)&(Ga∨Gb∨Gc)     イウコサツ∨E
1    (ト)(Fa∨Fb∨Fc)&(Ga∨Gb∨Gc)     23Aイテ∨E
従って、
(01)により、
(02)
①(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc)
②(Fa∨Fb∨Fc)&(Ga∨Gb∨Gc)
に於いて、
① ならば、② である。
然るに、
(03)
①(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc)
②(Fa∨Fb∨Fc)&(Ga∨Gb∨Gc)
③(Fa&G
に於いて、
③ ならば、② であるが、
③ ならば、① ではない
従って、
(03)により、
(04)
①(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc)
②(Fa∨Fb∨Fc)&(Ga∨Gb∨Gc)
に於いて、
② ならば、① であるとは、「限らない」。
従って、
(02)(03)(04)により、
(05)
①(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc)
②(Fa∨Fb∨Fc)&(Ga∨Gb∨Gc)
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない
然るに、
(06)
(ⅲ)
1 (1)∃x(Fx&Gx)     A
 2(2)   Fa&Ga      A
 2(3)   Fa         2&E
 2(4)∃x(Fx)        3EI
 2(5)      Ga      2&E
 2(6)   ∃x(Gx)     5EI
 2(7)∃x(Fx)&∃x(Gx) 46&I
1 (8)∃x(Fx)&∃x(Gx) 127EE
(ⅳ)
1  (1)∃x(Fx)&∃x(Gx) A
1  (2)∃x(Fx)        1&E
 3 (3)   Fa         A
1  (4)       ∃x(Gx) 1&E
  5(5)          Ga  A
 35(6)   Fa&Ga      35&I
 35(7)∃x(Fx&Gx)     6EI
1 (8)∃x(Fx&Gx)     137EE
従って、
(06)により、
(07)
③ ∃x(Fx&Gx)├ ∃x(Fx)&∃x(Gx)
④ ∃x(Fx)&∃x(Gx),Ga├ ∃x(Fx&Gx)
といふ「連式」は、両方とも「妥当」である。
従って、
(07)により、
(08)
③ ∃x(Fx&Gx)
④ ∃x(Fx)&∃x(Gx)
に於いて、
③ ならば、④ であるが、
④ ならば、③ ではない
cf.
「E.J.レモン 著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、154頁」
然るに、
(09)
{xの変域}={aさん、bさん、cさん}
であるとして、
①(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc)
②(Fa∨Fb∨Fc)&(Ga∨Gb∨Gc)
③ ∃x(Fx&Gx)
④ ∃x(Fx)&∃x(Gx)
①=③ であって、
②=④ である。
従って、
(05)(08)(09)により、
(10)
① ∃x(Fx&Gx)    は、(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc)であって、
② ∃x(Fx)&∃x(Gx)は、(Fa∨Fb∨Fc)&(Ga∨Gb∨Gc)  であるが、
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない
然るに、
(11)
F=フランス人である。
G=学生である。
として、
① ∃x(Fx&Gx)
② ∃x(Fx)&∃x(Gx)
は、それぞれ、
① ある人は(フランス人の学生である)。
② ある人は(フランス人であって)、ある人は(学生である)。
といふ「日本語」に「等しい」。
に於いて、
① ならば、② であるが、
② ならば、① ではない
(12)
① aさんは(フランス人の学生である)。
② aさんは(フランス人であって)、aさんは(学生である)。
に於いて、
① ならば、② である。
然るに、
(13)
① aさんは(フランス人の学生である)。
② aさんは(フランス人であって)、さんは(学生である)。
に於いて、
② ならば、① ではない
従って、
(01)~(13)により、
(14)
{xの変域}={aさん、bさん、cさん}
であるとして、
F=フランス人である。
G=学生である。
として、
①(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc)
②(Fa∨Fb∨Fc)&(Ga∨Gb∨Gc)
③ ∃x(Fx&Gx)
④ ∃x(Fx)&∃x(Gx)
⑤ ある人は(フランス人の学生である)。
⑥ ある人は(フランス人であって)、ある人は(学生である)。
に於いて、
①=③=⑤ であって、
②=④=⑥ であるが、
①=② ではない
令和5年8月10日、毛利太。

2023年8月9日水曜日

「象は鼻が長い(鼻は象が長い)」の「述語論理」。

(01)
1       (1) ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)} A
 2      (2) ∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}         A
  3     (3) ∃x(象x&兎x)                      A
1       (4)    象a→∃y(鼻ya&長y)&∀z(~鼻za→~長z)  1UE
 2      (5)    兎a→∃z(耳za&~鼻za&長z)          2UE
   6    (6)    象a&兎a                       A
   6    (7)    象a                          6&E
   6    (8)       兎a                       6&E
1  6    (9)                  ∀z(~鼻za→~長z)  47MPP
1  6    (ア)                     ~鼻ba→~長b   9UI
 2 6    (イ)       ∃z(耳za&~鼻za&長z)          58MPP
    ウ   (ウ)          耳ba&~鼻ba&長b           A
    ウ   (エ)              ~鼻ba              ウ&E
    ウ   (オ)                   長b           ウ&E
1  6ウ   (カ)                          ~長b   アエMPP
1  6ウ   (キ)                   長b&~長b       オカ&I
12 6    (ク)                   長b&~長b       イウキEE
123     (ケ)                   長b&~長b       36クEE
12      (コ)~∃x(象x&兎x)                      3ケRAA
12      (サ)∀x~(象x&兎x)                      コ量化子の関係
12      (シ)  ~(象a&兎a)                      サUE
     ス  (ス)    象a                          A
      セ (セ)       兎a                       A
     スセ (ソ)    象a&兎a                       スセ&I
12   スセ (タ)  ~(象a&兎a)&(象a&兎a)              シソ&I
12   ス  (チ)      ~兎a                       セタRAA
12      (ツ)   象a→~兎a                       スチCP
       テ(テ)       兎a                       A
       テ(ト)     ~~兎a                       テDN
12     テ(ナ)  ~象a                           ツトMTT
12      (ニ)   兎a→~象a                       テナCP
12      (ヌ)∀x(兎x→~象x)                      ニUI
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。然るに、
(ⅱ)∀x{兎x→∃z(耳zx&~鼻zx&長z)}。従って、
(ⅲ)∀x(兎x→~象x)。
といふ『推論』、すなはち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻ではないならば、zは長くない)}。然るに、
(ⅱ)すべてのxについて{xが兎であるならば、あるzは(xの耳であって、xの鼻ではないが、zは長い)}。従って、
(ⅲ)すべてのxについて(xが兎であるならば、xは象ではない)。
といふ『推論』、すなはち、
(ⅰ)象は鼻が長い。然るに、
(ⅱ)兎の耳は鼻ではないが、長い。従って、
(ⅲ)兎は象ではない。
といふ『推論』は「妥当」である。
従って、
(02)により、
(03)
① 象は鼻が長い。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻ではないならば、zは長くない)}。
に於いて、
①=②=③ である。
然るに、
(03)により、
(04)
① 象は鼻が長い。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
③ すべてのxについて{xが象であるならば、あるyは(xの鼻であって、長く)、すべてのzについて(zがxの鼻ではないならば、zは長くない)}。
に於いて、「象」と「鼻」を「交換」すると、
④ 鼻は象が長い。
⑤ ∀x{鼻x→∃y(象yx&長y)&∀z(~象zx→~長z)}。
⑥ すべてのxについて{xが鼻であるならば、あるyは(xの象であって、長く)、すべてのzについて(zがxの象ではないならば、zは長くない)}。
然るに、
(04)により、
(05)
③{(xの鼻)&(x=象)}⇔{(xの鼻)=(象の鼻)}
⑥{(xの象)&(x=鼻)}⇔{(xの象)=(鼻の象)}
然るに、
(05)により、
(06)
③(象の鼻)といふ「日本語」に対して、
⑥(鼻の象)といふ「日本語」は、「意味不明」である。
従って、
(04)(05)(06)により、
(07)
① 象は鼻が長い。
② ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ 鼻は象が長い。
⑤ ∀x{鼻x→∃y(象yx&長y)&∀z(~象zx→~長z)}。
に於いて、
①=② であるが、
④=⑤ ではない
然るに、
(08)
1    (1)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x} A
1    (2)  ∃y{(鼻ay&象y)→長a&(~象y&鼻ay)→~長a} 1UE
 3   (3)     (鼻ab&象b)→長a&(~象b&鼻ab)→~長a  A
 3   (4)                 (~象b&鼻ab)→~長a  3&E
  5  (5)  ∀y{(兎y→~象y)&∃x(鼻xy)}          A
  5  (6)     (兎b→~象b)&∃x(鼻xb)           UE
  5  (7)      兎b→~象b                    6&E
   8 (8)      兎b                        A
  58 (9)         ~象b                    78MPP
  5  (ア)              ∃x(鼻xb)           6&E
    イ(イ)                 鼻ab            A
  58イ(ウ)                  ~象b&鼻ab       9イ&I
 358イ(エ)                           ~長a  4ウMPP
 358イ(オ)                  鼻ab&~長a       イエ&I
 358イ(カ)               ∃x(鼻xb&~長x)      オEI
 358 (キ)               ∃x(鼻xb&~長x)      アイカEE
 35  (ク)            兎b→∃x(鼻xb&~長x)      8キCP
 35  (ケ)         ∀y{兎y→∃x(鼻xy&~長x)}     クUI
1 5  (コ)         ∀y{兎y→∃x(鼻xy&~長x)}     23ケEE
  従って、
(08)により、
(09)
(ⅰ)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x}。然るに、
(ⅱ)  ∀y{(兎y→~象y)&∃x(鼻xy)}。従って、
(ⅲ)  ∀y{ 兎y→∃x(鼻xy&~長x)}。
といふ『推論』、すなはち、
(ⅰ)すべてのxとあるyについて{(xがyの鼻であって、yが象である)ならば、xは長く、(yが象でなくて、xがyの鼻である)ならば、xは長くない}。然るに、
(ⅱ)    すべてのyについて{(yが兎であるならば、yは象ではなく)、あるxは(yの鼻である)}。従って、
(ⅲ)    すべてのyについて{ yが兎であるならば、あるxは(yの鼻であって、長くない)}。
といふ『推論』、すなはち、
(ⅰ)鼻は象が長く、象以外の鼻は長くない。然るに、
(ⅱ)兎は象ではないが、兎には鼻がある。 従って、
(ⅲ)兎の鼻は長くない。
といふ『推論』は「妥当」である。
然るに、
(10)
{(象の鼻、兎の鼻、馬の鼻)、(象の耳、兎の耳、馬の耳)、(象の顔、兎の顔、馬の顔)}
であるならば、
(ⅰ)鼻は象長い(象以外の鼻は長くない)。
(ⅱ)耳は兎長い(兎以外の耳は長くない)。
(ⅲ)顔は馬長い(馬以外の顔は長くない)。
従って、
(01)~(10)により、
(11)
① 象は鼻長い。
② 鼻は象長い。
③ ∀x{象x→∃y(鼻yx&長y)&∀z(~鼻zx→~長z)}。
④ ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x}。
に於いて、
①=③ であって、
②=④ である。
令和5年8月9日、毛利太。

2023年8月6日日曜日

「代表的選言項(typical disjunct)は代理人(agent)である?」

(01)
{xの変域}={aさん、bさん、cさん}
であるとして、
Fa∨Fb∨Fc=∃x(Fx)
然るに、
(02)
(ⅰ)
1(1)Fa            A
1(2)Fa∨Fb         1∨I
1(3)Fa∨Fb∨Fc      2∨I
 (4)Fa→(Fa∨Fb∨Fc) 13CP
(ⅱ)
1(1)Fb       A
1(2)Fa∨Fb    1∨I
1(3)Fa∨Fb∨Fc 2∨I
 (4)Fb→(Fa∨Fb∨Fc) 13CP
(ⅲ)
1(1)Fc       A
1(2)Fb∨Fc    1∨I
1(3)Fa∨Fb∨Fc 2∨I
 (4)Fc→(Fa∨Fb∨Fc) 13CP
従って、
(02)により、
(03)
① Fa→(Fa∨Fb∨Fc)
② Fb→(Fa∨Fb∨Fc)
③ Fc→(Fa∨Fb∨Fc)
従って、
(01)(02)(03)により、
(04)
① Fa→ ∃x(Fx)
② Fb→ ∃x(Fx)
③ Fc→ ∃x(Fx)
従って、
(04)により、 (05)
(ⅰ)Fa であるならば、∃x(Fx)であるが、
(ⅱ)∃x(Fx)であるとしても、Fa であるとは、限らない。
従って、
(05)により、
(06)
連式 Fa├ ∃x(Fx)は妥当であるとして受け入れるが、連式 ∃x(Fx)├ Fa は妥当とは考えず、
aは任意に選ばれているが、与えられたFもつ対象の1つではないかも知れないから、この連式は受け入れないのである。
(E.J.レモン 著、論理学初歩、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、1973年、149頁)
然るに、
(07)
{xの変域}={aさん、bさん、cさん}
であるとして、
Fa&Fb&Fc=∀x(Fx)
然るに、
(08)
(ⅰ)
1(1) Ga&Gb&Gc     A
1(2) Ga           1&E
 (3)(Ga&Gb&Gc)→Ga 12CP
(ⅱ)
1(1) Ga&Gb&Gc     A
1(2) Ga           1&E
 (3)(Ga&Gb&Gc)→Gb 12CP
(ⅲ)
1(1) Ga&Gb&Gc     A
1(2) Ga           1&E
 (3)(Ga&Gb&Gc)→Gb 12CP
従って、
(08)により、 (09)
(ⅰ)∀x(Gx)であるならば、Ga であるが、
(ⅱ)Ga であるとしても、∀x(Gx)であるとは、限らない。
従って、
(05)(09)により、
(10)
(ⅰ)Fa であるならば∃x(Fx)であるが、逆に、∃x(Fx)であるとしても、Fa であるとは限らない。
(ⅱ)∀x(Gx)であるならばGa であるが、逆に、Ga であるとしても、∀x(Gx)であるとは限らない。
然るに、
(11)
1      (1) Fa∨ Fb∨Fc              A
 2     (2) Ga& Gb&Gc              A
1      (3) Fa∨(Fb∨Fc)             1結合法則
  4    (4) Fa                     A
 2     (5) Ga                     2&E
 24    (6) Fa&Ga                  45&I
 24    (7)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)         6∨I
 24    (8)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc) 7∨I
   9   (9)    (Fb∨Fc)             A
    ア  (ア)     Fb                 A
 2     (イ)     Gb                 2&E
 2  ア  (ウ)     Fb&Gb              アイ&I
 2  ア  (エ)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)         ウ∨I
 2  ア  (オ)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc) エ∨I
     カ (カ)        Fc              A
 2     (キ)        Gc              2&E
 2   カ (ク)        Fc&Gc           カキ&I
 2   カ (ケ)        (Fb&Gb)∨(Fc&Gc) ク∨I
 2   カ (コ)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc) ケ∨I
 2 9   (サ)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc) 9アオカコ∨E
12     (シ)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc) 1489サ∨E
従って、
(11)により、
(12)
(Fa∨Fb∨Fc),(Ga&Gb&Gc)├(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc)
といふ「推論」は「妥当」である。
従って、
(01)(07)(12)により、
(13)
{xの変域}={aさん、bさん、cさん}
であるとして、
∃x(Fx),∀x(Gx)├ ∃x(Fx&Gx)
といふ「推論」は「妥当」である。
従って、
(13)により、
(14)
例へば、
F=フランス人である。
G=学生である。
として、
(ⅰ)ある人はフランス人である。然るに、
(ⅱ)すべての人は学生である。 従って、
(ⅲ)ある人はフランス人の学生である。
といふ「推論」は「妥当」である。
然るに、
(15)
(ⅰ)
1  (1)∃x(Fx)    A
 2 (2)∀x(Gx)    A
  3(3)   Fa     A
 2 (4)   Ga     2UE
 23(5)   Fa&Ga  34&I
 23(6)∃x(Fx&Gx) 5EI
12 (7)∃x(Fx&Gx) 136EE
(ⅱ)
1  (1)∃x(Fx)    A
 2 (2)∀x(Gx)    A
  3(3)   Fb     A
 2 (4)   Gb     2UE
 23(5)   Fb&Gb  34&I
 23(6)∃x(Fx&Gx) 5EI
12 (7)∃x(Fx&Gx) 136EE
(ⅲ)
1  (1)∃x(Fx)    A
 2 (2)∀x(Gx)    A
  3(3)   Fc     A
 2 (4)   Gc     2UE
 23(5)   Fc&Gc  34&I
 23(6)∃x(Fx&Gx) 5EI
12 (7)∃x(Fx&Gx) 136EE
従って、 (11)~(15)により、
(16)
{xの変域}={aさん、bさん、cさん}
であるとして、
(ⅰ)
1  (1)∃x(Fx)    A
 2 (2)∀x(Gx)    A
  3(3)   Fa     A
 2 (4)   Ga     2UE
 23(5)   Fa&Ga  34&I
 23(6)∃x(Fx&Gx) 5EI
12 (7)∃x(Fx&Gx) 136EE
(ⅱ)
1  (1)∃x(Fx)    A
 2 (2)∀x(Gx)    A
  3(3)   Fb     A
 2 (4)   Gb     2UE
 23(5)   Fb&Gb  34&I
 23(6)∃x(Fx&Gx) 5EI
12 (7)∃x(Fx&Gx) 136EE
(ⅲ)
1  (1)∃x(Fx)    A
 2 (2)∀x(Gx)    A
  3(3)   Fc     A
 2 (4)   Gc     2UE
 23(5)   Fc&Gc  34&I
 23(6)∃x(Fx&Gx) 5EI
12 (7)∃x(Fx&Gx) 136EE
といふ「3つの計算の意味」は、「3つ」とも、
(ⅳ)
1      (1) Fa∨ Fb∨Fc              A
 2     (2) Ga& Gb&Gc              A
1      (3) Fa∨(Fb∨Fc)             1結合法則
  4    (4) Fa                     A
 2     (5) Ga                     2&E
 24    (6) Fa&Ga                  45&I
 24    (7)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)         6∨I
 24    (8)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc) 7∨I
   9   (9)    (Fb∨Fc)             A
    ア  (ア)     Fb                 A
 2     (イ)     Gb                 2&E
 2  ア  (ウ)     Fb&Gb              アイ&I
 2  ア  (エ)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)         ウ∨I
 2  ア  (オ)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc) エ∨I
     カ (カ)        Fc              A
 2     (キ)        Gc              2&E
 2   カ (ク)        Fc&Gc           カキ&I
 2   カ (ケ)        (Fb&Gb)∨(Fc&Gc) ク∨I
 2   カ (コ)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc) ケ∨I
 2 9   (サ)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc) 9アオカコ∨E
12     (シ)(Fa&Ga)∨(Fb&Gb)∨(Fc&Gc) 1489サ∨E
といふ「意味」になる。
従って、
(16)により、
(17)
1  (1)∃x(Fx)    A
 2 (2)∀x(Gx)    A
  3(3)   Fa     A
 2 (4)   Ga     2UE
 23(5)   Fa&Ga  34&I
 23(6)∃x(Fx&Gx) 5EI
12 (7)∃x(Fx&Gx) 136EE
に於ける、
  3(3)Fa A
といふ「行」は、
  3(3)Fb A
であっても、
  3(3)Fc A
であっても、「どれでも良い」。
従って、
(17)により、
(18)
  3(3)Fa A
に於ける、
{Fa}は、
{Fa、Fb、Fc}を、「代表」してゐる。
従って、
(17)(18)により、
(19)
1  (1)∃x(Fx)    A
 2 (2)∀x(Gx)    A
  3(3)   Fa     A
 2 (4)   Ga     2UE
 23(5)   Fa&Ga  34&I
 23(6)∃x(Fx&Gx) 5EI
12 (7)∃x(Fx&Gx) 136EE
に於ける、
  3(3)Fa A
を、「代表的選言項(typical disjunct)」と言ふ。
従って、
(19)により、
(20)
1  (1)∃x(Fx)    A
 2 (2)∀x(Gx)    A
  3(3)   Fa     A
に於ける、
{Fa}の「aさん」は、敢へて言ふと「代理人(agent)のやうな立場」であって、
いづれにせよ、「aさん自身」ではないのであるが、「述語論理」は、「この点が、分かり難い」。
令和5年8月6日、毛利太。