2024年11月19日火曜日

「日本は東京が首都である」の「述語論理」と「生成AI」。

(01)
1     (1)∀x{日本x→∃y(東京y&首都yx&∀z(首都zx→y=z)} A
1     (2)   日本a→∃y(東京y&首都ya&∀z(首都za→y=z)  1UE
 3    (3)   日本a                           A
13    (4)       ∃y(東京y&首都ya&∀z(首都za→y=z)  23MPP
  5   (5)          東京b&首都ba&∀z(首都za→b=z)  A
  5   (6)          東京b                    5&E
  5   (6)                   ∀z(首都za→b=z)  5&E
  5   (7)                      首都ca→b=c   6UE
   8  (8)∃z(大阪z&~東京z)                     A
    9 (9)   大阪c&~東京c                      A
    9 (ア)   大阪c                           9&E
    9 (イ)       ~東京c                      9&E
     ウ(ウ)          b=c                    A
    9ウ(エ)       ~東京b                      イウ=E
  5 9ウ(オ)       ~東京b&東京b                  6エ&I
  5 9 (カ)          b≠c                    ウオRAA
  5 9 (キ)                     ~首都ca       7カMTT
  5 9 (ク)                 大阪c&~首都ca       アキ&I
  58  (ケ)                 大阪c&~首都ca       89クEE
13 8  (コ)                 大阪c&~首都ca       45ケEE
13 8  (サ)              ∃z(大阪z&~首都za)      コEI
1  8  (シ)          日本a→∃z(大阪z&~首都za)      3サCP
1  8  (ス)       ∀x{日本x→∃z(大阪z&~首都zx)}     シUI
従って、
(01)により、
(02)
(ⅰ)∀x{日本x→∃y(東京y&首都yx&∀z(首都zx→y=z)}。然るに、
(ⅱ)∃z(大阪z&~東京z)。従って、
(ⅲ)∀x{日本x→∃z(大阪z&~首都zx)}。
という『推論』、すなわち、
(ⅰ)すべてのxについて{xが日本であるならば、あるyは(東京であって、yはxの首都であって、すべてのzについて(zがxの首都であるならば、yはzである)}。然るに、
(ⅱ)あるzは(大阪であって、東京ではない)。従って、
(ⅲ)すべてのxについて{xが日本であるならば、あるzは(大阪であって、xの首都ではない)}。
という『推論』、すなわち、
(ⅰ)日本は、東京首都である。然るに、
(ⅱ)大阪は、東京ではない。  従って、
(ⅲ)日本は、大阪は首都ではない。
という『推論』は、「妥当」である。
然るに、
(03)
「コパイロット(マイクロソフトの生成AI)」に対して、
(ⅰ)日本は、東京首都である。然るに、
(ⅱ)大阪は、東京ではない。  従って、
(ⅲ)日本は、大阪は首都ではない。
という「推論」は「妥当」ですか?
という「質問」をすると、
然るに、
(04)
(ⅰ)「東京」は「日本の首都」ではあっても、「日本」ではないし、
(ⅱ)「東京」は「日本の首都」ではあっても、「アメリカの首都」ではない
従って、
(03)(04)により、
(05)
「コパイロット(マイクロソフトの生成AI)」が言う所の、
・ P:xは日本である。
・ Q:xは東京である。
・ R:xは首都である。
という「論理的構造」は、「全く、論理的」ではない
従って、
(03)(04)(05)により、
(06)
「コパイロット(マイクロソフトの生成AI)」は、
(ⅰ)日本は、東京首都である。然るに、
(ⅱ)大阪は、東京ではない。  従って、
(ⅲ)日本は、大阪は首都ではない。
という「日本語」を、
(ⅰ)∀x{日本x→∃y(東京y&首都yx&∀z(首都zx→y=z)}。然るに、
(ⅱ)∃z(大阪z&~東京z)。従って、
(ⅲ)∀x{日本x→∃z(大阪z&~首都zx)}。
のような「述語論理式」に「翻訳」することは、「出来ない」。
という、ことになる。
然るに、
(07)
さて、統計的な手法が登場する以前、自然言語処理の技術を使う自動翻訳や質疑応答の分野では、研究者たちはAIに文法などの言葉のルールを覚えさせ、論理的、演繹的な手法で精度を上げようとしました。けれど、その手法は何度試みても失敗を繰り返しました(AI vs. 教科書が読めない子供たち、新井紀子、2018年、124頁)。
従って、
(06)(07)により、
(08)
「生成AIの研究者」は、
(ⅰ)日本は、東京首都である。然るに、
(ⅱ)大阪は、東京ではない。  従って、
(ⅲ)日本は、大阪は首都ではない。
という「日本語」を、
(ⅰ)∀x{日本x→∃y(東京y&首都yx&∀z(首都zx→y=z)}。然るに、
(ⅱ)∃z(大阪z&~東京z)。従って、
(ⅲ)∀x{日本x→∃z(大阪z&~首都zx)}。
という「述語論理式」に「翻訳」することに対して、「(無理であるとして、)見切りをつけた」。
という、ことになる。
令和6年11月19日、毛利太。

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