2024年11月9日土曜日

「パースの法則(論理学初歩・練習問題)」

(01)
命題計算では、パースの法則は ((P→Q)→P)→P のことを言う。この意味するところを書き出すと、命題Pについて、命題Qが存在して、「PならばQ」からPが真であることが従うときには、Pは真でなければならないとなる。とりわけ、Qとして偽を選んだ場合には、Pから偽が従うときは常にPが真であるならば、Pは真であるとなる。パースの法則は直観論理や中間論理では成立せず、演繹定理だけからでは導くことができない(ウィキペディア)。
然るに、
(02)
5 原始的規則あるいは導出された規則を、既にに証明されたどのような連式あるいは定理とでもともに用いて、証明せよ。
5 Using Primitive or deriverd rulues, together with any sequents or theorems already Proved,Prove.
E.J.レモン著、竹尾治一郎・浅野楢英 訳、論理学初歩、1973年、80頁)
(c)
1  (1)  (P→Q)→P   A
1  (2) (~P∨Q)→P   1含意の定義
1  (3)~(~P∨Q)∨P   2含意の定義
 4 (4)~(~P∨Q)     A
 4 (5)  P&~Q      4ド・モルガンの法則
 4 (6)  P         5&E
  7(7)        P   A
1  (8)  P         14677∨E
   (9)((P→Q)→P)→P 18CP
従って、
(01)(02)により、
(03)
「含意の定義、ド・モルガンの法則」を用いれば、「パースの法則」は、「9行の計算」で、「証明」出来る。
然るに、
(04)
(ⅰ)
1    (1)   P→ Q   A
 2   (2)   P&~Q   A
 2   (3)   P      2&E
12   (4)      Q   13MPP
 2   (5)     ~Q   2&E
12   (6)   Q&~Q   45&I
1    (7) ~(P&~Q)  26RAA
  8  (8) ~(~P∨Q)  A
   9 (9)   ~P     A
   9 (ア)   ~P∨Q   9∨I
  89 (イ) ~(~P∨Q)&
          (~P∨Q)  8ア&I
  8  (ウ)  ~~P     9イRAA
  8  (エ)    P     ウDN
    オ(オ)      Q   A
    オ(カ)   ~P∨Q   オ∨I
  8 オ(キ) ~(~P∨Q)&
          (~P∨Q)  8オ&I
  8  (ク)     ~Q   オキRAA
  8  (ケ)   P&~Q   エク&I
1 8  (コ) ~(P&~Q)&
          (P&~Q)  7ケ&I
1    (サ)~~(~P∨Q)  8コRAA
1    (シ)   ~P∨Q   サDN
(ⅱ)
1     (1)   ~P∨Q   A
 2    (2)   P&~Q   A
  3   (3)   ~P     A
 2    (4)   P      2&E
 23   (5)   ~P&P   34&I
  3   (6) ~(P&~Q)  25RAA
   7  (7)      Q   A
 2    (8)     ~Q   2&E
 2 7  (9)   Q&~Q   78&I
   7  (ア) ~(P&~Q)  29RAA
1     (イ) ~(P&~Q)  1367ア∨E
    ウ (ウ)   P      A
     エ(エ)     ~Q   A
    ウエ(オ)   P&~Q   ウエ&I
1   ウエ(カ) ~(P&~Q)&
           (P&~Q)  6オ&I
1   ウ (キ)    ~~Q   エカRAA
1   ウ (ク)      Q   キDN
1     (ケ)   P→ Q   ウクCP
従って、
(01)(04)により、
(05)
①  P→Q
② ~P∨Q
に於いて、
①=② は「含意の定義」であって、「E.J.レモンの原始的規則(Primitive rules)」で「証明」出来る。
然るに、
(04)により、
(06)
(ⅰ)
1    (7) ~(P&~Q)  26RAA
  8  (8) ~(~P∨Q)  A
   9 (9)   ~P     A
   9 (ア)   ~P∨Q   9∨I
  89 (イ) ~(~P∨Q)&
          (~P∨Q)  8ア&I
  8  (ウ)  ~~P     9イRAA
  8  (エ)    P     ウDN
    オ(オ)      Q   A
    オ(カ)   ~P∨Q   オ∨I
(ⅱ)
1    (1)   ~P∨Q   A
 2   (2)   P&~Q   A
  3  (3)   ~P     A
 2   (4)   P      2&E
 23  (5)   ~P&P   34&I
  3  (6) ~(P&~Q)  25RAA
   7 (7)      Q   A
 2   (8)     ~Q   2&E
 2 7 (9)   Q&~Q   78&I
   7 (ア) ~(P&~Q)  29RAA
1    (イ) ~(P&~Q)  1367ア∨E
従って、
(01)(06)により、
(07)
① ~(P&~Q)
②  ~P∨ Q
に於いて、
①=② は「ド・モルガンの法則」であって、「E.J.レモンの原始的規則(Primitive rules)」で「証明」出来る。
然るに、
(08)
自然演繹(しぜんえんえき、英: Natural deduction)は、「自然な」ものとしての論理的推論の形式的モデルを提供する証明理論の手法であり、哲学的論理学の用語である。自然演繹論理のあるバージョンには、公理が存在しない。ジョン・レモンが開発した体系Lは、証明の構文規則に関する次のような「10個の原始的規則(Primitive rules)」だけを持つ。
(ウィキペディア改)
従って、
(03)(05)(07)(08)により、
(09)
「パースの法則」は、「自然演繹ジョン・レモンが開発した体系L)」に於ける、「10個の原始的規則(Primitive rules)」で、「証明」出来る。
従って、
(01)(09)により、
(10)
命題計算では、「パースの法則」は ((P→Q)→P)→P のことを言うものの、「パースの法則」は 「自然な」ものとしての「論理的推論の形式的モデルを提供する証明理論の手法」によって、「証明」出来る。
令和6年11月09日、毛利太。

0 件のコメント:

コメントを投稿