2025年6月26日木曜日

「鼻は象は長い、鼻は象が長い、鼻は象も長い、鼻が象が長い」の「述語論理」。

(01)
① 鼻は象は長い。
② 鼻は象長い。
③ 鼻は象長い。
④ 鼻長い。
という「日本語」は、それぞれ、
① ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x}。
② ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&  (~象y&鼻xy)→~長x}。
③ ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&~[(~象y&鼻xy)→~長x]}。
④ ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x&[~鼻xy&長x→~象y]}。
という「述語論理式」に、「相当」する。
cf.
① 鼻は象は長い。
② 鼻は象は長く、 象以外の鼻は長くない。
③ 鼻は象は長く、(象以外の鼻は長くはない)というわけではない。
④ 鼻は象は長く、 象以外の鼻は長くはなく、鼻以外(例えば、耳)が長いならば、象ではない。
然るに、
(02)
① 鼻は象は長い。
② ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x}
③ すべてのxと(あるyについて{(xがyの鼻であって、yが象である)ならば、xは長い}。
において、
①=②=③ である。
然るに、
(03)
1       (1)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x} A
1       (2)  ∃y{(鼻ay&象y)→長a&(~象y&鼻ay)→~長a} 1UE
 3      (3)     (鼻ab&象b)→長a&(~象b&鼻ab)→~長a  A
 3      (4)                 (~象b&鼻ab)→~長a  3&E
  5     (5)  ∀y{(兎y→~象y)&∃x(鼻xy)}          A
  5     (6)     (兎b→~象b)&∃x(鼻xb)           5UE
  5     (7)      兎b→~象b                    6&E
   8    (8)      兎b                        A
  58    (9)         ~象b                    78MPP
  5     (ア)              ∃x(鼻xb)           6&E
    イ   (イ)                 鼻ab            A
  58イ   (ウ)                  ~象b&鼻ab       9イ&I
 358イ   (エ)                           ~長a  4ウMPP
 358イ   (オ)                  鼻ab&~長a       イエ&I
 358イ   (カ)               ∃x(鼻xb&~長x)      オEI
 358    (キ)               ∃x(鼻xb&~長x)      アイカEE
 35     (ク)            兎b→∃x(鼻xb&~長x)      8キCP
1 5     (ケ)            兎b→∃x(鼻xb&~長x)      23クEE
     コ  (コ)         ∃y{兎y&∀x(鼻xy→ 長x)}     A
      サ (サ)            兎b&∀x(鼻xb→ 長x)      A
      サ (シ)            兎b                  シ&E
1 5   サ (ス)               ∃x(鼻xb&~長x)      ケシMPP
      サ (セ)               ∀x(鼻xb→ 長x)      サ&E
       ソ(ソ)                  鼻ab&~長a       A
      サ (タ)                  鼻ab→ 長a       セUE
       ソ(チ)                  鼻ab           ソ&E
      サソ(ツ)                       長a       タチMPP
       ソ(テ)                      ~長a       ソ&E
      サソ(ト)                   長a&~長a       ツテ&I
1  5  サ (ナ)                   長a&~長a       サソトEE
1  5 コ  (ニ)                   長a&~長a       コサナEE
1  5    (ヌ)        ~∃y{兎y&∀x(鼻xy→ 長x)}     コニRAA
従って、
(03)により、
(04)
(ⅰ)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x}。然るに、
(ⅱ)  ∀y{(兎y→~象y)&∃x(鼻xy)}。従って、
(ⅲ) ~∃y{ 兎y&∀x(鼻xy→長x)}。
といふ『推論』、すなはち、
(ⅰ)すべてのxとあるyについて{(xがyの鼻であって、yが象である)ならば、xは長く、(yが象でなくて、xがyの鼻である)ならば、xは長くない}。然るに、
(ⅱ)    すべてのyについて{(yが兎であるならば、yは象ではなく)、あるxは(yの鼻である)}。従って、
(ⅲ)         あるyは{ 兎であって、(xがyの鼻ならば、xは長い)}という、そのようなyは存在しない
といふ『推論』、すなはち、
(ⅰ)鼻は象長い。          然るに、
(ⅱ)兎は象ではないが、兎には鼻がある。従って、
(ⅲ)鼻の長い兎はいない。
といふ『推論』は「妥当」である。
(05)
(ⅲ)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&~[(~象y&鼻xy)→~長x]} A
1 (2)  ∃y{(鼻ay&象y)→長a&~[(~象y&鼻ay)→~長a]} 1UE
 3(3)     (鼻ab&象b)→長a&~[(~象b&鼻ab)→~長a]  A
 3(4)     (鼻ab&象b)→長a                   3&E
 3(5)                 ~[(~象b&鼻ab)→~長a]  3&E
 3(6)                ~[~(~象b&鼻ab)∨~長a]  5含意の定義
 3(7)                   (~象b&鼻ab)& 長a   6ド・モルガンの法則
 3(8)     (鼻ab&象b)→長a& [(~象b&鼻ab)& 長a]  47&I
 3(9)  ∃y{(鼻ay&象y)→長a& [(~象y&鼻ay)& 長a]} 8EI
1 (ア)  ∃y{(鼻ay&象y)→長a& [(~象y&鼻ay)& 長a]} 139EE
1 (イ)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x& [(~象y&鼻xy)& 長x]} アUI
(〃)
1 (1)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x& [(~象y&鼻xy)& 長x]} A
1 (2)  ∃y{(鼻ay&象y)→長a& [(~象y&鼻ay)& 長a]} 1UE
 3(3)     (鼻ab&象b)→長a& [(~象b&鼻ab)& 長a]  A
 3(4)     (鼻ab&象b)→長a                   3&E
 3(5)                  [(~象b&鼻ab)& 長a]  3&E
 3(6)                ~[~(~象b&鼻ab)∨~長a]  5ド・モルガンの法則
 3(7)                 ~[(~象b&鼻ab)→~長a]  6含意の定義
 3(8)     (鼻ab&象b)→長a&~[(~象b&鼻ab)→~長a]  46&E
 3(9)  ∃y{(鼻ay&象y)→長a&~[(~象y&鼻ay)& 長a]} 8EI
1 (ア)  ∃y{(鼻ay&象y)→長a&~[(~象y&鼻ay)& 長a]} 239EE
1 (イ)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&~[(~象y&鼻xy)& 長x]} アUI
従って、
(01)(05)により、
(06)
① 鼻は象長い。
② ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&~[(~象y&鼻xy)→~長x]}。
③ ∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x& [(~象y&鼻xy)& 長x]}。
④ すべてのxとあるyについて{(xがyの鼻であってyが象である)ならば、xは長く、[(yが象ではなく、xがyの鼻である)ならば、xは長くない]というわけではない}。
⑤ すべてのxとあるyについて{(xがyの鼻であってyが象である)ならば、xは長く、[(yは象ではなく、xはyの鼻であって)、  xは長い  ]         }。
において、
①=②=③=④=⑤ である。
然るに、
(07)
1    (1)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x&[~鼻xy&長x→~象y]} A
 2   (2)∀x∃y{(兎y&耳xy)→(~鼻xy&長x)}                      A
1    (3)  ∃y{(鼻ay&象y)→長a&(~象y&鼻ay)→~長a&[~鼻ay&長a→~象y]} 1UE
  4  (4)     (鼻ab&象b)→長a&(~象b&鼻ab)→~長a&[~鼻ab&長a→~象b]  A
  4  (5)                                ~鼻ab&長a→~象b   4&E
 2   (6)  ∃y{(兎y&耳ay)→(~鼻ay&長a)}                      2UE
   7 (7)     (兎b&耳ab)→(~鼻ay&長a)                       A
    8(8)     (兎b&耳ab)                                 A
   78(9)              (~鼻ay&長a)                       79MPP
  478(ア)                                        ~象b   59MPP
    8(イ)         耳ab                                  8&E
  478(ウ)     ~象b&耳ab                                  アイ&I
  47 (エ)     (兎b&耳ab)→(~象b&耳ab)                       8ウCP
 24  (オ)     (兎b&耳ab)→(~象b&耳ab)                       67エEE
12   (カ)     (兎b&耳ab)→(~象b&耳ab)                       34オEE
12   (キ)  ∃y{(兎y&耳ay)→(~象y&耳ay)}                      カEI
12   (ク)∀x∃y{(兎y&耳xy)→(~象y&耳xy)}                      キUI
従って、
(07)により、
(08)
(ⅰ)∀x∃y{(鼻xy&象y)→長x&(~象y&鼻xy)→~長x&[~鼻xy&長x→~象y]}。然るに、
(ⅱ)∀x∃y{(兎y&耳xy)→(~鼻xy&長x)}。従って、
(ⅲ)∀x∃y{(兎y&耳xy)→(~象y&耳xy)}。
という「推論」、すなわち、
(ⅰ)すべてのxと、あるyについて{(xがyの鼻であって、yが象である)ならば、xは長く、(yが象がでなくて、xがyの鼻である)ならば、xは長くはなく、[xがyの鼻ではなくて、xが長いならば、yは象ではない]}。然るに、
(ⅱ)すべてのxと、あるyについて{(yが兎であって、xがyの耳である)ならば、(xはyの鼻ではなくて、長い)}。従って、
(ⅲ)すべてのxと、あるyについて{(yが兎であって、xがyの耳である)ならば、(yは象ではなくて、xはyの耳である)。
という「推論」、すなわち、
(ⅰ)鼻長い。       然るに、
(ⅱ)兎の耳は鼻ではないが長い。 従って、
(ⅲ)兎の耳は象の耳ではない。
という「推論」は、「妥当」である。
令和7年6月26日、毛利太。

0 件のコメント:

コメントを投稿